【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、総務省、次世代映像素材伝送の実現に向けた高効率周波数利用技術に関する研究開発の委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プリアンブルは、前記下りリンク信号に誤りが有り、前記干渉量が所定値以上の場合と、前記下りリンク信号に誤りが有り、前記干渉量が所定値未満の場合と、前記下りリンク信号に誤りが無い場合とで、異なる、
請求項7に記載の端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0015】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0016】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る無線通信システムは、
図1に示す端末100と、
図2に示す基地局200と、を有する。端末100および基地局200は、例えば、放送分野の素材伝送に用いられるFPUである。すなわち、端末100はUL信号として映像情報等を基地局200へ送信し、基地局200はDL信号としてフィードバックするDL制御情報等を端末100へ送信する。また、本実施の形態1に係る無線通信システムでは、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式を用いて、UL信号とDL信号とが送受信される。
【0017】
<端末の構成>
次に、本実施の形態1に係る端末100の構成例について
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態1に係る端末100の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、端末100は、無線受信部101と、ベースバンド受信処理部102と、誤り検出部103と、ベースバンド送信処理部104と、プリアンブル設定部105と、付加部106と、無線送信部107と、から主に構成される。
【0019】
無線受信部101は、アンテナに受信された無線信号(DL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部101は、無線受信処理後の信号に対してダウンコンバートし、ベースバンド信号を得る。そして、無線受信部101は、ベースバンド信号をベースバンド受信処理部102に出力する。
【0020】
ベースバンド受信処理部102は、無線受信部101から取得したベースバンド信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)処理、復調処理等のベースバンド受信処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部102は、ベースバンド受信処理が行われた受信データを誤り検出部103へ出力する。
【0021】
誤り検出部103は、ベースバンド受信処理が行われた受信データの誤りの有無を検出する。誤り検出部103は、誤り検出結果をプリアンブル設定部105に出力する。また、誤り検出部103は、誤りが検出されなかった場合、受信データを出力する。
【0022】
ベースバンド送信処理部104は、送信データ(ULデータ)に対して誤り訂正符号化および変調を行い、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、送信データのベースバンド信号を得る。そして、ベースバンド送信処理部104は、送信データのベースバンド信号を付加部106へ出力する。
【0023】
プリアンブル設定部105は、配置部105aと、逆フーリエ変換部105bとを有し、誤り検出部103から取得する誤り検出結果に基づいてプリアンブルを設定する。
【0024】
配置部105aは、DL信号に誤りが無いことを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正常に受信できた場合、OFDM伝送に用いられるサブキャリア群(第1のサブキャリア群)の一部のサブキャリアからなるサブキャリア群(第2のサブキャリア群)にプリアンブルのデータを配置する。また、配置部105aは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正常に受信できなかった場合、第1サブキャリア群の一部のサブキャリアからなり第2のサブキャリア群とは異なる第3のサブキャリア群にプリアンブルのデータを配置する。なお、プリアンブルのデータは、予め既知のシンボルデータ等である。なお、配置部105aにおけるサブキャリアに対するプリアンブルの配置例については、後述する。
【0025】
逆フーリエ変換部105bは、配置部105aにより配置されたプリアンブルに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンドのプリアンブルを得る。そして、逆フーリエ変換部105bは、ベースバンドのプリアンブルを付加部106へ出力する。
【0026】
付加部106は、所定のフレーム構成に基づき、送信データのベースバンド信号の前段にプリアンブルを付加する。そして、付加部106は、送信データのベースバンド信号の前段にプリアンブルを付加したベースバンドの送信信号を無線送信部107へ出力する。なお、フレーム構成については、後述する。
【0027】
無線送信部107は、付加部106から取得したベースバンドの送信信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部107は、無線送信処理後の信号に対してアップコンバートし、無線信号(UL信号)を得る。そして、無線送信部107は、アンテナからUL信号を送信する。
【0028】
<基地局の構成>
次に、本実施の形態1に係る基地局200の構成例について
図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態1に係る基地局200の構成例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、基地局200は、無線受信部201と、ベースバンド受信処理部202と、プリアンブル検出部203と、送信データ制御部204と、ベースバンド送信処理部205と、プリアンブル付加部206と、無線送信部207と、から主に構成される。
【0030】
無線受信部201は、アンテナに受信された無線信号(UL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部201は、無線受信処理後の信号に対してダウンコンバートし、ベースバンド信号を得る。そして、無線受信部201は、ベースバンド信号をベースバンド受信処理部202およびプリアンブル検出部203に出力する。
【0031】
ベースバンド受信処理部202は、無線受信部201から取得したベースバンド信号に含まれるプリアンブルを用いて同期検波処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部202は、ベースバンド信号に含まれるULデータの信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)処理等のベースバンド受信処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部102は、ベースバンド受信処理が行われた受信データを出力する。
【0032】
プリアンブル検出部203は、無線受信部201から取得したベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出する。そして、プリアンブル検出部203は、抽出したプリアンブルに基づき、端末100からのフィードバック情報を判定する。端末100からのフィードバック情報は、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示す情報である。ここで、DL信号を正しく受信できないというのは、受信したDL信号に誤りが発生した場合や同期検出ができなかった場合等を意味する。プリアンブル検出部203は、端末100からのフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。
【0033】
具体的に、プリアンブル検出部203は、フーリエ変換部203aと、判定部203bとを備える。
【0034】
フーリエ変換部203aは、無線受信部201から取得するベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出し、プリアンブルに対してOFDM復調処理としてFFT処理等のフーリエ変換処理を行い、サブキャリア毎の受信電力成分を取得する。フーリエ変換部203aは、サブキャリア毎の受信電力成分を判定部203bへ出力する。
【0035】
判定部203bは、サブキャリア毎の受信電力成分に基づき、プリアンブルが示すフィードバック情報を判定する。具体的には、前述の通り、UL信号のプリアンブルは、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かに応じて、プリアンブルのデータが配置されるサブキャリアが異なる。判定部203bは、サブキャリア毎の受信電力成分と所定の閾値とを比較することによって、プリアンブルのデータが配置されたサブキャリアを判定し、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを判定する。判定部203bは、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示すフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。
【0036】
送信データ制御部204は、プリアンブル検出部203から取得するフィードバック情報に基づいて、送信するデータを設定する。具体的には、送信データ制御部204は、過去に送信した送信データを保持するバッファを有する。そして、送信データ制御部204は、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できなかったことを示すフィードバック情報を取得した場合、バッファに保持する過去の送信データをベースバンド送信処理部205へ出力する。送信データ制御部204は、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できたことを示すフィードバック情報を取得した場合、現時点で取得する送信データをベースバンド送信処理部205へ出力する。なお、基地局200から送信される送信データは、例えば、端末100へ送信する制御情報(DL制御情報)である。
【0037】
ベースバンド送信処理部205は、送信データに対して誤り訂正符号化および変調を行い、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンド信号を得る。そして、ベースバンド送信処理部205は、ベースバンド信号をプリアンブル付加部206へ出力する。
【0038】
プリアンブル付加部206は、ベースバンド信号に対してプリアンブルを付加し、プリアンブルを含むベースバンド信号を無線送信部207へ出力する。
【0039】
無線送信部207は、プリアンブルを含むベースバンド信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部207は、無線送信処理後の信号に対してアップコンバートし、無線信号を得る。そして、無線送信部207は、アンテナから無線信号(DL信号)を送信する。
【0040】
<フレーム構成>
次に、本実施の形態1に係る無線通信システムにおけるフレーム構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、フレーム構成の一例を示す図である。
【0041】
図3には、UL信号の送信期間と、DL信号の送信期間と、ガードタイム(GT:Guard Time)が示されている。前述の通り、本実施の形態1における無線通信システムでは、時分割複信方式を用いた通信が行われるため、
図3に示すように、UL信号の送信期間とDL信号の送信期間とは、ガードタイムを介して時分割によって設けられている。
【0042】
UL信号は、前述の通り、主に、ULデータの信号と、その前段に設けられるプリアンブル(Preamble)を含む。DL信号は、主に、プリアンブルと、DL制御情報の信号とを含む。
【0043】
ガードタイム(GT)は、電波伝搬による遅延の影響を吸収し、UL信号とDL信号との間の干渉を抑制するために、UL信号の送信期間とDL信号の送信期間との間に設けられる。
【0044】
端末100は、
図3に示すようなフレーム構成が示すUL信号の送信期間に、基地局200に対してUL信号を送信する。同様に、基地局200は、
図3に示すようなフレーム構成が示すDL信号の送信期間に、端末100に対してDL信号を送信する。
【0045】
<配置例>
次に、本実施の形態1に係る端末100の配置部105aにおけるプリアンブルの配置方法の一例について、
図4A、
図4Bを参照して説明する。
図4Aは、本実施の形態1におけるプリアンブル配置の第1の例を示す図である。
図4Bは、本実施の形態1におけるプリアンブル配置の第2の例を示す図である。
【0046】
なお、以下の説明において、UL信号に用いられるOFDM伝送のサブキャリアの数を2N+1(Nは1以上の整数)とする。そして、各サブキャリアに対して、周波数の低いサブキャリアから順に#−Nから#Nまでのサブキャリア番号を付して説明する。各サブキャリアの間隔は、OFDM伝送の1シンボル分の長さ、つまり、通常のFFT間隔に対応する。
【0047】
図4Aに示す配置例は、DL信号が正しく受信できた場合のプリアンブルの配置例である。
図4Aに示すように、プリアンブルは、0を除く4の倍数のサブキャリア番号(サブキャリア番号#−8、#−4、#4、#8等)に対応するサブキャリア群(第2のサブキャリア群)に配置される。
【0048】
図4Bに示す配置例は、DL信号が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。
図4Bに示すように、プリアンブルは、0を除く2の倍数のサブキャリア番号(サブキャリア番号#−8、#−6、#−4、#−2、#2、#4、#6、#8等)に対応するサブキャリア(第3のサブキャリア群)に配置される。つまり、第3のサブキャリア群には、0を除く、2の倍数であって4の倍数では無いサブキャリア番号(サブキャリア番号#−6、#−2、#2、#6等)に対応するサブキャリアが、第2のサブキャリア群に対して追加されている。
【0049】
端末100と基地局200は、
図4A、
図4Bに示すような、DL信号が正しく受信できたか否かに応じたサブキャリア配置の対応関係を保持する。
【0050】
配置部105aは、DL信号に誤りが無いことを示す誤り検出結果を取得した場合、
図4Aに示す配置を行う。配置部105aは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、
図4Bに示す配置を行う。
【0051】
そして、逆フーリエ変換部105bは、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンドのプリアンブルを得る。この際、
図4A、
図4Bいずれも、2の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリアにプリアンブルが配置される。つまり、プリアンブルが配置されるサブキャリアの間隔は、UL信号に用いられるOFDM伝送のサブキャリア間隔の2倍、または、4倍に広がる。そのため、IFFT処理によって得られるプリアンブルは、互いに同一の2つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。
【0052】
基地局200のフーリエ変換部203aは、ベースバンド受信処理部202から取得するベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出し、プリアンブルに対してFFT処理等のフーリエ変換処理を行い、サブキャリア毎の受信電力成分を取得する。
【0053】
プリアンブルが配置されていないサブキャリアの受信電力は小さいため、判定部203bは、サブキャリア毎の受信電力成分と所定の閾値とを比較することによって、プリアンブルが配置されたサブキャリアを判定することができる。そして、判定部203bは、プリアンブルが配置されたサブキャリアが、0を除く4の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群(つまり、第2のサブキャリア群)であると判定した場合、端末100がDL信号を正しく受信できたことを示すフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。判定部203bは、プリアンブルが配置されたサブキャリアが、0を除く2の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群(つまり、第3のサブキャリア群)であると判定した場合、端末100がDL信号を正しく受信できなかったことを示すフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。
【0054】
なお、判定部203bにおける判定方法はこれに限定されない。例えば、判定部203bは、0を除く、2の倍数であって4の倍数では無いサブキャリア番号に対応するサブキャリア(つまり、第3のサブキャリア群に含まれていて、第2のサブキャリア群に含まれていないサブキャリア)にプリアンブルが配置されたか否かに基づいて、判定を行っても良い。
【0055】
<プリアンブル検出例>
前述の通り、
図4Aまたは
図4Bに示した配置例に基づいたプリアンブルは、互いに同一の2つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。そのため、基地局200のフーリエ変換部203aが、受信したUL信号のプリアンブルにフーリエ変換処理を行う際に、従来とは異なる動作を行ってもよい。以下、フーリエ変換部203aにおけるフーリエ変換処理の動作例を
図5A、
図5Bを参照して説明する。
【0056】
図5Aは、従来のフーリエ変換処理の動作例を示す図である。
図5Bは、本実施の形態1におけるフーリエ変換処理の動作例を示す図である。
【0057】
図5Aの例は、プリアンブルの先頭から終端までの1シンボル分の長さの区間をFFT区間として、FFT処理が行われる従来例である。この例の場合、受信時にタイミング誤差が生じると、FFT区間にULデータの信号が含まれてしまうため、プリアンブルのFFT処理が正確に行えない。
【0058】
図5Bの例は、プリアンブルの先頭から終端までの1シンボル分の長さの区間のうち、1/2の区間をFFT区間として、FFT処理が行われる例である。
図4Aまたは
図4Bに示した配置例に基づいたプリアンブルは、互いに同一の2つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号であるため、FFT区間を1シンボル分の長さの1/2とすることができる。FFT区間を1シンボル分の長さの1/2とすることにより、FFT処理を開始する時点にタイミングオフセット(Timing offset)を設けることができるため、
図5Bに示すように、タイミング誤差が生じた場合であっても、FFT区間にULデータの信号が含まれることを回避できる。つまり、FFT区間を1シンボル分の長さの1/2とすることにより、前後の信号からの干渉を回避でき、プリアンブルのFFT処理を正確に行う事ができる。
【0059】
なお、プリアンブルにおけるFFT区間の長さは、1シンボル分の長さの1/2とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば1シンボル分の長さの1/4等とすることも可能である。ただし、この場合は、プリアンブルを配置するサブキャリアの変更が必要となる。例えば、プリアンブルにおけるFFT区間の長さを1シンボル分の長さの1/4とする場合、プリアンブルを配置するサブキャリアは、0を除く4の倍数のサブキャリア番号(例えば、#±4、#±8、・・・)に対応するサブキャリア群の中から選択されれば良い。
【0060】
<端末の処理>
次に、本実施の形態1に係る端末100の処理の流れについて、
図6を参照して説明する。
図6は、本実施の形態1に係る端末100の処理を示すフローチャートである。
【0061】
端末100の無線受信部101およびベースバンド受信処理部102は、DL信号の受信処理を行う(S101)。
【0062】
次に、プリアンブル設定部105は、ベースバンド受信処理が行われたデータの誤りの有無に基づき、DL信号を正しく受信できたか否かを判定する(S102)。
【0063】
DL信号を正しく受信できた場合(S102にてYES)、プリアンブル設定部105は、DL信号を正しく受信できたことを示すプリアンブルを設定する(S103)。そして、S105の処理へ移行する。
【0064】
詳細には、本実施の形態1の場合、プリアンブル設定部105は、第2のサブキャリア群にプリアンブルを配置することによって、DL信号を正しく受信できたことを示すプリアンブルを設定する。
【0065】
一方で、DL信号を正しく受信できなかった場合(S102にてNO)、プリアンブル設定部105は、DL信号を正しく受信できなかったことを示すプリアンブルを設定する(S104)。そして、S105の処理へ移行する。
【0066】
詳細には、本実施の形態1の場合、プリアンブル設定部105は、第3のサブキャリア群にプリアンブルを配置することによって、DL信号を正しく受信できなかったことを示すプリアンブルを設定する。
【0067】
次に、付加部106および無線送信部107は、S103またはS104にて設定されたプリアンブルを含むUL信号の送信処理を行う(S105)。そして、端末100の処理は終了する。
【0068】
<基地局の処理>
次に、本実施の形態1に係る基地局200の処理の流れについて、
図7を参照して説明する。
図7は、本実施の形態1に係る基地局200の処理を示すフローチャートである。
【0069】
基地局200の無線受信部201は、UL信号の受信処理を行う(S201)。
【0070】
次に、プリアンブル検出部203は、UL信号に含まれるプリアンブルの判定処理を行い、端末100からのフィードバック情報を取得する(S202)。
【0071】
詳細には、本実施の形態1の場合、プリアンブル検出部203は、プリアンブルに対してフーリエ変換処理を行い、サブキャリア毎の受信電力成分を取得する。そして、プリアンブル検出部203は、サブキャリア毎の受信電力成分に基づいて、プリアンブルが配置されたサブキャリアを判定し、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示すフィードバック情報を取得する。
【0072】
次に、送信データ制御部204は、フィードバック情報に基づき、端末100がDL信号を受信できたか否かを判定する(S203)。
【0073】
端末100がDL信号を正しく受信できたと判定した場合(S203にてYES)、送信データ制御部204は、次に送信する送信データを出力する(S204)。そして、S206の処理へ移行する。
【0074】
端末100がDL信号を正しく受信できなかったと判定した場合(S203にてNO)、送信データ制御部204は、前回送信した送信データを再び出力する(S205)。そして、S206の処理へ移行する。
【0075】
次に、ベースバンド送信処理部205、プリアンブル付加部206、および、無線送信部207は、送信データ制御部204から取得した送信データを含むDL信号の送信処理を行う(S206)。そして、基地局200の処理は終了する。
【0076】
<効果>
以上説明した本実施の形態1では、端末100が、プリアンブルを配置するサブキャリアを変更することによって、DL信号を正しく受信できたか否かという判定結果に基づいたプリアンブルを設定する。これにより、プリアンブルの中にフィードバック情報が含まれるため、端末100は、判定結果を示すフィードバック情報を基地局200に送信するための信号をUL信号の送信期間内に送信する必要が無い。そのため、ULデータの伝送速度を低下させることを抑制しつつ、基地局200にフィードバック情報を送信することができる。
【0077】
また、本実施の形態1では、プリアンブルを配置するサブキャリアが、UL信号に用いられるOFDM伝送のサブキャリア間隔の2倍になるサブキャリアから構成される例について説明した。これにより、プリアンブルが、互いに同一の2つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。そのため、基地局200において、プリアンブルを検出する際に、FFT区間を短くすることができるため、他の信号(例えば、ULデータの信号)との干渉を回避することができ、マルチパスや同期誤差によるプリアンブル検出精度の劣化を抑制することができる。また、他システムからの干渉を検出することができる。
【0078】
なお、本実施の形態1では、
図4Aに示したように、DL信号が正しく受信できた場合に0を除く4の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群(第2のサブキャリア群)にプリアンブルを配置する例について説明した。また、
図4Bに示したように、DL信号が正しく受信できなかった場合に0を除く2の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群(第3のサブキャリア群)にプリアンブルを配置する例について説明した。本開示は、これらに限定されない。第2のサブキャリア群と、第3のサブキャリア群とが互いに異なっていれば、基地局200において、端末100がDL信号を正しく受信できたか否かを判定することができる。
【0079】
また、第2のサブキャリア群は、UL信号に用いられるOFDM伝送のサブキャリア群(第1のサブキャリア群)のサブキャリア間隔のN倍(Nは4以上の整数)のサブキャリア間隔を有するサブキャリアを含んでいればよい。そして、第3のサブキャリア群は、第2のサブキャリア群と、第2のサブキャリア群に含まれない少なくとも1つのサブキャリアを含み、第3のサブキャリア群のサブキャリア間隔は、第1のサブキャリア群のサブキャリア間隔のM倍(Mは2以上N未満の整数)であればよい。
【0080】
例えば、第2のサブキャリア群は、0を除く8の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群であってもよく、第3のサブキャリア群は、0を除く4の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群であってもよい。この場合、第2のサブキャリア群のサブキャリア間隔は、第1のサブキャリア群のサブキャリア間隔の8倍、または、16倍となり、第3のサブキャリア群のサブキャリア間隔は、第1のサブキャリア群のサブキャリア間隔の4倍、または、8倍となる。この場合、第2のサブキャリア群にプリアンブルを配置することにより生成されるプリアンブルは、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。また、第3のサブキャリア群にプリアンブルを配置することにより生成されるプリアンブルは、互いに同一の4つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。
【0081】
また、本実施の形態1では、第2のサブキャリア群と第3のサブキャリア群が0のサブキャリア番号に対応するサブキャリアを含まないとして説明したが、第2のサブキャリア群および/または第3のサブキャリア群は、0のサブキャリア番号に対応するサブキャリアを含んでいても良い。
【0082】
<実施の形態1の変形例1>
本実施の形態1の変形例1として、プリアンブルの配置の別の一例について、
図8を参照して説明する。
図8は、本実施の形態1におけるプリアンブル配置の第3の例を示す図である。
【0083】
図8に示す配置例は、
図4Bに示した配置例と同様、DL信号が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。ただし、
図4Bと異なり、DL信号が正しく受信できた場合の配置例(
図4A参照)に対して追加されるサブキャリアの送信電力が、他のサブキャリアの送信電力よりも大きくなっている。
【0084】
配置部105aは、DL信号が正しく受信できなかった場合に、
図8に示すように、プリアンブルを配置し、サブキャリアの送信電力を設定する。これにより、基地局におけるプリアンブルの検出精度を向上させることができる。
【0085】
<実施の形態1の変形例2>
上述した例では、DL信号が正しく受信できたか否かという誤り検出の結果に基づいて、プリアンブルを配置するサブキャリアを変更する例について説明した。例えば、DL信号には、複数の信号(例えば、DL制御情報を含む信号(以下、DL制御情報信号))が含まれている場合がある。この場合、誤り検出部103は、それぞれの信号から得られるデータに対して誤り検出を行うことによって、それぞれの信号が正しく受信できたか否かを判定する。
【0086】
本実施の形態1の変形例2では、DL信号が複数の信号を有し、誤り検出部103が複数の信号から得られるデータそれぞれに対して誤り検出を行う例について、
図9A、
図9Bを参照して説明する。
【0087】
なお、以下では、DL信号が、3つのDL制御情報信号(DL制御情報信号#1、DL制御情報信号#2、DL制御情報信号#3)を含むとして説明する。
【0088】
図9Aは、本実施の形態1におけるプリアンブル配置の第4の例を示す図である。
図9Bは、本実施の形態1におけるプリアンブル配置の第5の例を示す図である。
【0089】
変形例2では、3つのDL制御情報信号が全て正しく受信できた場合、
図4Aに示したように、プリアンブルは、0を除く4の倍数のサブキャリア番号(サブキャリア番号#−8、#−4、#4、#8等)に対応するサブキャリア群(第2のサブキャリア群)に配置される。そして、3つのDL制御情報信号の中で正しく受信できなかったDL制御情報信号が存在する場合、正しく受信できなかったDL制御情報信号に応じて、プリアンブルを配置するサブキャリアが第2のサブキャリア群に対して追加される。
【0090】
図9Aに示す配置例は、DL制御情報信号#1が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。
図9Aに示すように、プリアンブルは、第2のサブキャリア群と、サブキャリア番号#−2および#2に対応するサブキャリアとに配置される。
【0091】
図9Bに示す配置例は、DL制御情報信号#2が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。
図9Bに示すように、プリアンブルは、第2のサブキャリア群と、サブキャリア番号#−6および#6に対応するサブキャリアとに配置される。
【0092】
なお、図示しないが、DL制御情報信号#3が正しく受信できなかった場合、プリアンブルは、第2のサブキャリア群と、サブキャリア番号#−10および#10に対応するサブキャリアとに配置される。
【0093】
また、例えば、DL制御情報信号#1とDL制御情報信号#2とが正しく受信できなかった場合、プリアンブルは、第2のサブキャリア群と、サブキャリア番号#−2、#2、#6および#6に対応するサブキャリアとに配置される。
【0094】
端末100と基地局200は、DL制御情報信号とプリアンブルのサブキャリアとの対応関係を保持する。そのため、基地局200のプリアンブル検出部203は、プリアンブルに対してFFT処理を行い、サブキャリア毎の受信電力成分を得ることによって、端末100によってプリアンブルが配置されたサブキャリアを判定し、対応関係を参照することによって、端末100が正しく受信できなかったDL制御情報信号を判定する。これにより、DL制御情報信号が複数になった場合であっても、端末100は、基地局200に対して、正しく受信できなかったDL制御情報信号を示すフィードバック情報を送信することができる。
【0095】
また、この変形例2において、
図9A、
図9Bいずれの場合であっても、プリアンブルが配置されるサブキャリアの間隔は、UL信号に用いられるOFDM伝送のサブキャリア間隔の2倍、または、2の整数倍に広がる。そのため、実施の形態1で説明したように、プリアンブルは、互いに同一の2つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。
【0096】
なお、上記で説明したプリアンブル配置はあくまで一例であり、本発明においては、DL制御情報信号が正しく受信できた場合と正しく受信できなかった場合とが、基地局200において識別可能であれば、別のプリアンブル配置も可能である。例えば、DL制御情報信号が正しく受信できなかった場合、端末100において、0を除く4の倍数のサブキャリア番号(例えば、#±4、#±8、・・・)に対応するサブキャリアにはプリアンブルを配置せず、0を除く、2の倍数であって4の倍数では無いサブキャリア番号(例えば、#±2、#±6、・・・)に対応するサブキャリアのみにプリアンブルを配置することも可能である。
【0097】
また、DL制御情報信号が正しく受信できた場合においても、DL信号の通信品質が良好でないため、DL信号を送信する周波数の変更を端末が基地局に対して指示する場合等においては、端末はプリアンブルを配置するサブキャリアを変更してもよい。この場合、DL制御情報信号が正しく受信できなかった場合とは異なるサブキャリアにプリアンブルを配置してもよい。例えば、DL制御情報信号が正しく受信できたが、周波数を変更したい場合においては、サブキャリア#0すなわち直流成分にプリアンブルを配置する等が可能である。通信環境によっては、DL信号の方がUL信号より他システムからの干渉の影響が大きい場合も考えられるため、このような動作も有効である。
【0098】
つまり、端末は、基地局にフィードバックする情報に応じてプリアンブルを配置するサブキャリアを変更することによって、端末がDL信号を正常に受信できたか否かを示すフィードバック情報(つまり、ACK/NACKの情報)の他に、様々な情報(例えば、DL信号の送信周波数の変更を指示する情報)を基地局に対してフィードバックすることができる。その際、端末と基地局との間で、プリアンブルを配置するサブキャリアとフィードバック情報との対応関係を共通にすることにより、基地局は、端末からのフィードバック情報を識別できる。
【0099】
(実施の形態2)
実施の形態1では、誤り検出の結果に基づいて、プリアンブルを配置するサブキャリアを変更する例について説明した。本実施の形態2では、誤り検出の結果に基づいて、プリアンブルの一部の極性を変更する例について説明する。
【0100】
<端末の構成>
図10は、本実施の形態2に係る端末300の構成を示す図である。なお、
図10において、
図1と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。具体的に、
図10に示す端末300は、
図1の端末100に対して、プリアンブル設定部305の構成が異なる。
【0101】
プリアンブル設定部305は、配置部305aと、逆フーリエ変換部305bと、極性変更部305cとを有し、誤り検出部103から取得する誤り検出結果に基づいてプリアンブルを設定する。
【0102】
配置部305aは、OFDM伝送に用いられるサブキャリア群(第1のサブキャリア群)の一部のサブキャリアからなるサブキャリア群(第4のサブキャリア群)にプリアンブルを配置する。以下では、一例として、第4のサブキャリア群は、0を除く8の倍数のサブキャリア番号(サブキャリア番号#−16、#−8、#8、#16等)に対応するサブキャリア群として説明する。
【0103】
逆フーリエ変換部305bは、配置部305aにより第4のサブキャリア群に配置されたプリアンブルに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンドのプリアンブルを得る。第4のサブキャリア群は、0を除く8の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群であるため、IFFT処理によって得られるプリアンブルは、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。
【0104】
極性変更部305cは、DL信号に誤りが無いことを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できた場合、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶプリアンブルの極性を変更せずに付加部106へ出力する。極性変更部305cは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できなかった場合、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶプリアンブルのうち、一部の信号成分の極性を反転させたプリアンブルを生成し、付加部106へ出力する。極性変更部305cにおける極性反転については、後述する。
【0105】
<基地局の構成>
次に、本実施の形態2に係る基地局400の構成例について
図11を用いて説明する。
図11は、本実施の形態2に係る基地局400の構成例を示すブロック図である。なお、
図11において、
図2と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。具体的に、
図11に示す基地局400は、
図2の基地局200に対して、プリアンブル検出部403の構成が異なる。
【0106】
プリアンブル検出部403は、無線受信部201から取得したベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出する。そして、プリアンブル検出部403は、抽出したプリアンブルに基づき、端末300からのフィードバック情報を判定する。端末300からのフィードバック情報は、端末300が基地局400から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示す情報である。プリアンブル検出部403は、端末300からのフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。
【0107】
具体的に、プリアンブル検出部403は、相互相関部403aと、判定部403bとを備える。
【0108】
相互相関部403aは、無線受信部201から取得するベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出し、プリアンブルに対して相互相関処理を行う。相互相関部403a
は、相互相関処理の結果を判定部403bへ出力する。相互相関部403aにおける相互相関処理については、後述する。
【0109】
判定部403bは、相互相関処理の結果に基づき、プリアンブルが示すフィードバック情報を判定する。具体的には、前述の通り、UL信号のプリアンブルは、端末300が基地局400から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かに応じて、プリアンブルの一部の信号成分の極性が反転される。判定部403bは、相互相関処理にピークが発生しているか否かに基づいて、端末300が基地局400から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを判定する。判定部403bは、端末100が基地局200から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示すフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。
【0110】
<プリアンブルの構成と相関処理>
次に、極性変更部305cにおいて極性反転されたプリアンブルおよび相互相関部403aにおけるプリアンブルの相関処理について、
図12A、
図12Bを参照して説明する。
図12Aは、本実施の形態2におけるプリアンブルと相関結果の第1の例を示す図である。
図12Bは、本実施の形態2におけるプリアンブルと相関結果の第2の例を示す図である。
【0111】
前述の通り、プリアンブルは、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号である。
図12A、
図12Bでは、ULデータの信号とGTとの間に存在するプリアンブルの8つの信号成分に対して、それぞれ、Preamble(#1)〜Preamble(#8)と付している。また、
図12Bにおいて、Preamble(#8)の極性が反転した信号成分を、Preamble(#8)’として示している。
【0112】
また、相互相関部403aは、相互相関処理の一例として、Preamble(#1)とPreamble(#1)の極性を反転させた信号成分(以下、Preamble(#1)’と呼ぶ)との組を基準信号とし、この基準信号と、プリアンブル内で隣接する2つの信号成分の組(例えば、Preamble(#1)とPreamble(#2))との相互相関を順に行う。
【0113】
図12Aに示す例は、DL信号が正しく受信できた場合のプリアンブルと、そのプリアンブルに対する相関処理の結果である。
図12Aに示すように、DL信号が正しく受信できた場合のプリアンブルに極性の変更が行われない。この場合、例えば、基準信号とPreamble(#1)およびPreamble(#2)の組との相互相関は、基準信号のPreamble(#1)’とPreamble(#2)とが互いに極性が異なる信号成分であるため、相互相関にピークが発生しない。他の信号成分の組についても、同様に、相互相関にピークが発生しないため、プリアンブルに対する相互相関の相関結果には、ピークが存在しない。
【0114】
図12Bに示す例は、DL信号が正しく受信できなかった場合のプリアンブルと、そのプリアンブルに対する相関処理の結果である。
図12Bに示すように、DL信号が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの終端の信号成分であるPreamble(#8)は、極性の反転が行われている。この場合、基準信号とPreamble(#7)およびPreamble(#8)’の組との相互相関は、Preamble(#1)’とPreamble(#8)’とが互いに極性が同一の信号成分であるため、プリアンブルの終端の位置に相当する位置にピークが発生する。
【0115】
判定部403bは、相互相関の結果、プリアンブルの終端の位置に相当する位置にピークが発生していない場合、端末300がDL信号を正しく受信できたことを示すフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。判定部403bは、相互相関の結果、プリアンブルの終端の位置に相当する位置にピークが発生している場合、端末300がDL信号を正しく受信できなかったことを示すフィードバック情報を送信データ制御部204へ出力する。
【0116】
<端末の処理>
次に、本実施の形態2に係る端末300の処理の流れについて説明する。端末300の処理は、
図6を参照して説明した端末100と同様であるが、S103とS104の詳細な処理が端末100の処理と異なる。以下、端末300のS103とS104の処理について、
図6を援用して説明する。
【0117】
S103の処理において、本実施の形態2の場合、プリアンブル設定部305は、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶプリアンブルを、DL信号を正しく受信できたことを示すプリアンブルとして設定する。
【0118】
S104の処理において、本実施の形態2の場合、プリアンブル設定部305は、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶプリアンブルのうち、一部の信号成分の極性を反転させたプリアンブルを、DL信号を正しく受信できなかったことを示すプリアンブルとして設定する。
【0119】
<基地局の処理>
次に、本実施の形態2に係る基地局400の処理の流れについて説明する。基地局400の処理は、
図7を参照して説明した端末200と同様であるが、S202の詳細な処理が基地局200の処理と異なる。以下、端末400のS202の処理について、
図7を援用して説明する。
【0120】
S202の処理において、本実施の形態2の場合、プリアンブル検出部403は、プリアンブルに対して相互相関処理を行い、相互相関処理の結果にピークが存在するか否かに基づいて、端末300が基地局400から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示すフィードバック情報を取得する。
【0121】
<効果>
以上説明したように本実施の形態2では、端末300が、プリアンブルの一部の信号成分の極性を判定することによって、DL信号を正しく受信できたか否かという判定結果に基づいたプリアンブルを設定する。これにより、プリアンブルの中にフィードバック情報が含まれるため、端末300は、判定結果を示すフィードバック情報を基地局400に送信するための信号をUL信号の送信期間内に送信する必要が無い。そのため、ULデータの伝送速度を低下させることを抑制しつつ、基地局400にフィードバック情報を送信することができる。
【0122】
また、本実施の形態2では、他の信号(例えば、ULデータの信号)との干渉を回避することができ、マルチパスや同期誤差によるプリアンブル検出精度の劣化を抑制することができる。
【0123】
なお、本実施の形態
2では、0を除く8の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群(第4のサブキャリア群)にプリアンブルを配置することによって、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号とするプリアンブルの例について説明した。本開示においては、プリアンブルの周期は、これに限定されない。例えば、第4のサブキャリア群は、UL信号に用いられるOFDM伝送のサブキャリア群(第1のサブキャリア群)のサブキャリア間隔のN倍(Nは2以上の整数)のサブキャリア間隔を有するサブキャリアから構成されていればよい。この場合、第4のサブキャリア群にプリアンブルを配置することにより生成されるプリアンブルは、互いに同一の信号がN個連続した周期信号となる。そして、この場合において、DL信号が正しく受信できなかった場合、N個連続した同一の信号のうちの一部の極性を反転させればよい。
【0124】
<実施の形態2の変形例1>
上述した本実施の形態2では、DL信号が正しく受信できたか否かという誤り検出の結果に基づいて、プリアンブルの一部の信号成分の極性を変更する例について説明した。本実施の形態2の変形例1では、DL信号が複数の信号(DL制御情報信号)を有し、誤り検出部103が複数の信号から得られるデータそれぞれに対して誤り検出を行う例について、
図13A、
図13Bを参照して説明する。
【0125】
なお、以下では、DL信号が、7つのDL制御情報信号(DL制御情報信号#1〜DL制御情報信号#7)を含むとして説明する。
【0126】
図13Aは、本実施の形態2におけるプリアンブルと相関結果の第3の例を示す図である。
図13Bは、本実施の形態2におけるプリアンブルと相関結果の第4の例を示す図である。
図13A、
図13Bでは、ULデータの信号とGTとの間に存在するプリアンブルの8つの信号成分に対して、それぞれ、Preamble(#1)〜Preamble(#8)と付している。また、
図13Aにおいて、Preamble(#2)の極性が反転した信号成分を、Preamble(#2)’として示している。また、
図13Bにおいて、Preamble(#5)の極性が反転した信号成分を、Preamble(#5)’として示している。
【0127】
なお、相互相関部403aにおけるプリアンブルに対する相互相関処理は、
図12A、
図12Bを参照して説明した処理と同様である。
【0128】
図13Aに示す例は、DL制御情報信号#1が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの例である。
図13Aに示すように、プリアンブルの2番目の信号成分(Preamble(#2))の極性が反転される。この場合、基準信号とPreamble(#1)およびPreamble(#2)’の組との相互相関は、Preamble(#1)’とPreamble(#2)’とが互いに極性が同一の信号成分であるため、Preamble(#2)’の位置に相当する位置にピークが発生する。
【0129】
図13Bに示す例は、DL制御情報信号#4が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの例である。
図13Bに示すように、プリアンブルの5番目の信号成分(Preamble(#5))の極性が反転される。この場合、基準信号とPreamble(#4)およびPreamble(#5)’の組との相互相関は、Preamble(#1)’とPreamble(#5)’とが互いに極性が同一の信号成分であるため、Preamble(#5)’の位置に相当する位置にピークが発生する。
【0130】
同様に、DL制御情報信号#k(kは1以上7以下の整数)が正しく受信できなかった場合、プリアンブルのk+1番目の信号成分(Preamble(#k+1))の極性が反転される。また、正しく受信できなかったDL制御情報信号が複数存在する場合も、同様に、該当するプリアンブルの複数の信号成分の極性が反転される。ただし、複数の連続するプリアンブルの信号成分を同時に極性反転する、例えばプリアンブル#5と#6を同時に極性反転すると、受信側で相関検出が正しくできなくなることが懸念される。このため、複数のプリアンブルの信号成分を連続して極性反転しないようにする必要がある。
【0131】
端末300と基地局400は、DL制御情報信号とプリアンブルの信号成分の極性が反転される位置との対応関係を保持する。そのため、基地局400のプリアンブル検出部403は、プリアンブルに対して相関処理を行い、相関処理のピークの位置を探索することによって、端末300が極性を反転したプリアンブルの信号成分の位置を判定する。そして、プリアンブル検出部403は、対応関係を参照することによって、端末300が正しく受信できなかったDL制御情報信号を判定する。これにより、DL制御情報信号が複数になった場合であっても、端末300は、基地局400に対して、正しく受信できなかったDL制御情報信号を示すフィードバック情報を送信することができる。
【0132】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、基地局と端末とを含む無線通信システムが複数の周波数帯を用いる例について説明する。なお、以下の説明では、無線通信システムが第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)との2つの周波数帯を用いる例を一例として説明する。そして、第1の周波数帯を用いて送受信されるUL信号、DL信号をそれぞれ第1のUL信号、第1のDL信号とし、第2の周波数帯を用いて送受信されるUL信号、DL信号をそれぞれ第2のUL信号、第2のDL信号として説明する。また、本実施の形態3では、第1のDL信号と第2のDL信号とを合せて、1つのDL信号として説明する。
【0133】
<端末の構成>
本実施の形態3に係る端末500の構成例について
図14を用いて説明する。
図14は、本実施の形態3に係る端末500の構成例を示すブロック図である。
【0134】
図14に示すように、端末500は、無線受信部501と、ベースバンド受信処理部502と、誤り検出部503と、ベースバンド送信処理部504と、プリアンブル設定部505と、付加部506と、無線送信部507と、から主に構成される。
【0135】
無線受信部501は、アンテナに受信された第1のDL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部501は、無線受信処理後の信号に対して第1の周波数帯に応じたダウンコンバートを行い、第1のベースバンド信号を得る。同様に、無線受信部501は、アンテナに受信された第2のDL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部501は、無線受信処理後の信号に対して第2の周波数帯に応じたダウンコンバートを行い、第2のベースバンド信号を得る。そして、無線受信部501は、第1および第2のベースバンド信号をベースバンド受信処理部502に出力する。
【0136】
ベースバンド受信処理部502は、無線受信部501から取得した第1および第2のベースバンド信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)処理、復調処理等のベースバンド受信処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部502は、ベースバンド受信処理が行われた受信データを誤り検出部503へ出力する。
【0137】
誤り検出部503は、ベースバンド受信処理が行われた受信データの誤りの有無を検出する。誤り検出部503は、誤り検出結果をプリアンブル設定部505に出力する。また、誤り検出部503は、誤りが検出されなかった場合、受信データを出力する。
【0138】
なお、本実施の形態3における誤り検出部503は、第1のDL信号と第2のDL信号から構成されるDL信号の受信データを1つの処理対象として誤り検出を行う。
【0139】
ベースバンド送信処理部504は、送信データ(ULデータ)に対して誤り訂正符号化および変調を行い、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、第1のUL信号用の送信データのベースバンド信号、および、第2のUL信号用の送信データのベースバンド信号を得る。そして、ベースバンド送信処理部504は、2つの送信データのベースバンド信号それぞれを付加部506へ出力する。
【0140】
プリアンブル設定部505は、配置部505aと、逆フーリエ変換部505bと、極性変更部505cとを有し、誤り検出部503から取得する誤り検出結果に基づいてプリアンブルを設定する。
【0141】
なお、本実施の形態3では、まず、プリアンブル設定部505が極性変更部505cを含まない例を説明する。そのため、
図14の極性変更部505cは、点線を用いて示されている。プリアンブル設定部505が極性変更部505cを含む例については、後述の本実施の形態3の変形例として説明する。
【0142】
配置部505aは、DL信号に誤りが無いことを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できた場合、第1のUL信号用のプリアンブル(第1のプリアンブル)を生成するためのプリアンブルのデータを配置し、第2のUL信号用のプリアンブル(第2のプリアンブル)を生成するためのプリアンブルのデータを配置しない。また、配置部505aは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できなかった場合、第2のプリアンブルを生成するためのプリアンブルのデータを配置し、第1のプリアンブルを生成するためのプリアンブルのデータを配置しない。なお、プリアンブルのデータは、予め既知のシンボルデータ等である。
【0143】
逆フーリエ変換部505bは、配置部505aにより配置されたプリアンブルに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンドのプリアンブルを得る。
【0144】
前述の通り、本実施の形態3では、まず、プリアンブル設定部505が極性変更部505cを含まない例を説明する。そのため、逆フーリエ変換部505bは、ベースバンドのプリアンブルを付加部506へ出力する。配置部505aが第1のプリアンブルまたは第2のプリアンブルのいずれか一方を生成するためのプリアンブルを配置するため、逆フーリエ変換部505bは、第1のプリアンブルまたは第2のプリアンブルのいずれか一方を付加部506へ出力する。
【0145】
一方で、本実施の形態3の変形例では、逆フーリエ変換部505bは、ベースバンドのプリアンブルを極性変更部505cへ出力する。本実施の形態3の変形例の詳細については後述する。
【0146】
極性変更部505cは、誤り検出結果に基づいて、プリアンブルの一部の信号成分を変更する。例えば、極性変更部505cは、プリアンブルの一部の信号成分をヌル信号に変更する。また、極性変更部505cは、プリアンブルの一部の信号成分の極性を反転する。なお、本実施の形態3では、プリアンブル設定部505が極性変更部505cを含まない例を説明し、極性変更部505cが極性を変更する例については、本実施の形態3の変形例として説明する。
【0147】
付加部506は、
図3に示したフレーム構成に基づき、第1のUL信号用の送信データのベースバンド信号に第1のプリアンブルを付加し、第2のUL信号用の送信データのベースバンド信号に第2のプリアンブルを付加する。その際、付加部506は、第1のプリアンブルまたは第2のプリアンブルのいずれか一方を取得する場合、取得したプリアンブルを対応するULデータのベースバンド信号に付加する。
【0148】
無線送信部507は、付加部506から取得した2つのベースバンドの送信信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部507は、無線送信処理後の信号に対して、送信に用いられる周波数帯に応じたアップコンバートを行い、第1のUL信号および第2のUL信号を得る。そして、無線送信部507は、アンテナから2つのUL信号を送信する。
【0149】
つまり、本実施の形態3では、プリアンブル設定部505は、DL信号を正しく受信できたか否かに基づいて、プリアンブルを付加する周波数帯を変更する。詳細には、プリアンブル設定部505は、DL信号を正しく受信できた場合、第1の周波数帯を用いて送信されるUL信号にプリアンブルを付加し、DL信号を正しく受信できなかった場合、第2の周波数帯を用いて送信されるUL信号にプリアンブルを付加する。
【0150】
なお、上記の実施の形態3では、複数の周波数帯を用いてDL信号を受信する場合に、誤り検出結果が1つである場合について示したが、本発明はこれに限定されることなく、DL信号を1周波数のみから送信する場合においても、同様に適用可能である。
【0151】
<基地局の構成>
本実施の形態3に係る基地局600の構成例について
図15を用いて説明する。
図15は、本実施の形態3に係る基地局600の構成例を示すブロック図である。
【0152】
図15に示すように、基地局600は、無線受信部601と、ベースバンド受信処理部602と、プリアンブル検出部603と、送信データ制御部604と、ベースバンド送信処理部605と、プリアンブル付加部606と、無線送信部607と、から主に構成される。
【0153】
無線受信部601は、アンテナに受信された第1のUL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部601は、無線受信処理後の信号に対して第1の周波数帯に応じたダウンコンバートを行い、第1のベースバンド信号を得る。同様に、無線受信部601は、アンテナに受信された第2のUL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部601は、無線受信処理後の信号に対して第2の周波数帯に応じたダウンコンバートを行い、第2のベースバンド信号を得る。そして、無線受信部601は、第1および第2のベースバンド信号をベースバンド受信処理部602およびプリアンブル検出部603に出力する。
【0154】
ベースバンド受信処理部602は、無線受信部601から取得した第1および第2のベースバンド信号に含まれるプリアンブルを用いて同期検波処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部602は、第1および第2ベースバンド信号それぞれに含まれるULデータの信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)処理等のベースバンド受信処理を行う。そして、ベースバンド受信処理部602は、ベースバンド受信処理が行われた受信データを出力する。
【0155】
なお、前述の通り、第1の周波数帯を用いて送信されるUL信号と第2の周波数帯を用いて送信されるUL信号とのいずれか一方にプリアンブルが付加される。ベースバンド受信処理部602は、いずれか一方に付加されているプリアンブルに基づいて、プリアンブルが付加されていない方の同期検波処理を行う。
【0156】
プリアンブル検出部603は、無線受信部601から取得した第1および第2のベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出する。そして、プリアンブル検出部603は、抽出したプリアンブルに基づき、端末500からのフィードバック情報を判定する。端末500からのフィードバック情報は、端末500が基地局600から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示す情報である。プリアンブル検出部603は、端末600からのフィードバック情報を送信データ制御部604へ出力する。
【0157】
具体的に、プリアンブル検出部603は、電力算出部603aと、判定部603bとを備える。
【0158】
電力算出部603aは、
図3に示したようなフレーム構成に基づき、第1および第2のベースバンド信号のプリアンブルの位置の信号を抽出する。そして、電力算出部603aは、抽出したプリアンブルの電力を算出する。電力算出部603aは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力および第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力を判定部603bへ出力する。
【0159】
判定部603bは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力および第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力に基づき、プリアンブルが示すフィードバック情報を判定する。具体的には、前述の通り、端末500のプリアンブル設定部505は、DL信号を正しく受信できたか否かに基づいて、プリアンブルを付加する周波数帯を変更する。そのため、判定部603bは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力および第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力と所定の閾値とを比較することによって、プリアンブルが付加された周波数帯を判定し、端末500が基地局600から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを判定する。判定部603bは、端末500が基地局600から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示すフィードバック情報を送信データ制御部604へ出力する。
【0160】
送信データ制御部604は、フィードバック情報に基づいて、送信するデータを選択する。具体的には、送信データ制御部604は、過去に送信した送信データを保持するバッファを有する。そして、送信データ制御部604は、端末500が基地局600から送信されたDL信号を正しく
受信できなかったことを示すフィードバック情報を取得した場合、バッファに保持する過去の送信データをベースバンド送信処理部605へ出力する。送信データ制御部604は、端末500が基地局600から送信されたDL信号を正しく受信できたことを示すフィードバック情報を取得した場合、現時点で取得する送信データをベースバンド送信処理部605へ出力する。なお、基地局600から送信される送信データは、例えば、端末500へ送信する制御情報(DL制御情報)である。
【0161】
ベースバンド送信処理部605は、送信データに対して誤り訂正符号化および変調を行い、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンド信号を得る。そして、ベースバンド送信処理部605は、ベースバンド信号をプリアンブル付加部606へ出力する。
【0162】
プリアンブル付加部606は、ベースバンド信号に対してプリアンブルを付加し、プリアンブルを含むベースバンド信号を無線送信部607へ出力する。
【0163】
無線送信部607は、プリアンブルを含むベースバンド信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部607は、無線送信処理後の信号に対して第1の周波数帯および第2の周波数帯それぞれに応じたアップコンバートを行い、第1のDL信号および第2のDL信号を得る。そして、無線送信部607は、アンテナから第1のDL信号および第2のDL信号を送信する。
【0164】
<プリアンブルの例>
本実施の形態3におけるプリアンブルの配置例について、
図16A、
図16Bを参照して説明する。
図16Aは、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第1の例を示す図である。
図16Bは、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第2の例を示す図である。
【0165】
図16A、
図16Bには、第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)とのそれぞれにおけるUL信号とDL信号とが示されている。
【0166】
図16Aに示す例は、DL信号が正しく受信できた場合のプリアンブルの配置例である。
図16Aに示すように、第1の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加され、第2の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加されていない。
【0167】
図16Bに示す例は、DL信号が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。
図16Bに示すように、第2の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加され、第1の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加されていない。
【0168】
<端末の処理>
次に、本実施の形態3に係る端末500の処理の流れについて説明する。端末500の処理は、
図6を参照して説明した端末100と同様であるが、S103とS104の詳細な処理が端末100の処理と異なる。以下、端末500のS103とS104の処理について、
図6を援用して説明する。
【0169】
S103の処理において、本実施の形態3の場合、プリアンブル設定部505は、第1の周波数帯を用いて送信されるUL信号に付加するプリアンブルを生成し、第2の周波数帯を用いて送信されるUL信号に付加するプリアンブルを生成しない。
【0170】
S104の処理において、本実施の形態3の場合、プリアンブル設定部505は、第2の周波数帯を用いて送信されるUL信号に付加するプリアンブルを生成し、第1の周波数帯を用いて送信されるUL信号に付加するプリアンブルを生成しない。
【0171】
<基地局の処理>
次に、本実施の形態3に係る基地局600の処理の流れについて説明する。基地局600の処理は、
図7を参照して説明した端末200と同様であるが、S202の詳細な処理が基地局600の処理と異なる。以下、端末600のS202の処理について、
図7を援用して説明する。
【0172】
S202の処理において、本実施の形態3の場合、プリアンブル検出部603は、2つの周波数帯を用いて送信されるUL信号それぞれのプリアンブルの位置の電力を算出し、プリアンブルが付加された周波数帯に基づいて、端末500が基地局600から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示すフィードバック情報を生成する。
【0173】
<効果>
以上説明したように本実施の形態3では、端末500が、プリアンブルを付加する周波数帯を変更することによって、DL信号を正しく受信できたか否かという判定結果に基づいたプリアンブルを設定する。これにより、プリアンブルの中にフィードバック情報が含まれるため、判定結果を示すフィードバック情報を基地局600に送信するための信号をUL信号の送信期間に送信する必要が無い。そのため、ULデータの伝送速度を低下させることを抑制しつつ、基地局600にフィードバック情報を送信することができる。
【0174】
また、本実施の形態3では、基地局600において、プリアンブル部分の受信電力に基づいて、各周波数帯のUL信号にプリアンブルが付加されているか否かを判定する。これにより、基地局600は、端末500からのフィードバック情報を容易に判定することができる。
【0175】
<実施の形態3の変形例1>
上述した本実施の形態3では、プリアンブル設定部505は、DL信号を正しく受信できなかった場合、第2の周波数帯を用いて送信されるUL信号にプリアンブルを付加する例について説明した。本実施の形態3の変形例1では、プリアンブル設定部505は、DL信号を正しく受信できなかった場合、第1の周波数帯を用いて送信されるUL信号と第2の周波数帯を用いて送信されるUL信号との両方にプリアンブルを付加する例について説明する。
【0176】
図17は、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第3の例を示す図である。
図17に示す例は、
図16Bに示した例と同様に、DL信号が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。ただし、
図16Bとは異なり、第1の周波数帯のUL信号と、第2の周波数帯のUL信号の両方にプリアンブルが付加されている。
【0177】
これにより、第1の周波数帯と第2の周波数帯との両方にプリアンブルが付加されるため、基地局600におけるプリアンブルの受信電力が改善され、端末500からのフィードバック情報の判定精度が向上する。
【0178】
<実施の形態3の変形例2>
上述した本実施の形態3では、DL信号を正しく受信できたか否かに基づいて、プリアンブルを付加する周波数帯を変更する例について説明した。本実施の形態3の変形例2では、DL信号が複数の信号(DL制御情報信号)を有し、誤り検出部503が複数の信号から得られるデータそれぞれに対して誤り検出を行う例について、
図18A〜
図18Dを参照して説明する。
【0179】
なお、変形例2では、DL信号が、3つのDL制御情報信号(DL制御情報信号#1〜DL制御情報信号#3)を含むとして説明する。
【0180】
図18Aは、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第1の変形例を示す図である。
図18Bは、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第2の変形例を示す図である。
図18Cは、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第3の変形例を示す図である。
図18Dは、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第4の変形例を示す図である。
図18A〜
図18Dには、第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)とのそれぞれにおけるUL信号とDL信号とが示されている。また、
図18A〜
図18Dに示されるPreamble_1とPreamble_2とは、互いに異なるプリアンブルである。
【0181】
図18Aに示す例は、DL信号が全て正しく受信できた場合のプリアンブルの配置例である。この例では、第1の周波数帯のUL信号と第2の周波数帯のUL信号とには、互いに同一のPreamble_1が付加される。
【0182】
図18Bに示す例は、DL制御情報信号#1が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。この例では、第1の周波数帯のUL信号にPreamble_2が付加され、第2の周波数帯のUL信号にPreamble_1が付加されている。
【0183】
図18Cに示す例は、DL制御情報信号#2が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。この例では、第1の周波数帯のUL信号にPreamble_1が付加され、第2の周波数帯のUL信号にPreamble_2が付加されている。
【0184】
図18Dに示す例は、DL制御情報信号#3が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの配置例である。この例では、第1の周波数帯のUL信号と第2の周波数帯のUL信号とには、互いに同一のPreamble_2が付加される。
【0185】
端末500のプリアンブル設定部505は、誤り検出部503から取得する誤り検出結果が示す複数のDL制御情報信号それぞれの受信の成否に基づいて、
図18A〜
図18Dに示すように、第1の周波数帯のUL信号と第2の周波数帯のUL信号に付加するプリアンブルを設定する。
【0186】
例えば、配置部505aは、Preamble_1として、
図4Aに示したようなプリアンブルの配置を行う。また、配置部505aは、Preamble_2として、
図4Bに示したプリアンブルの配置を行う。このように、配置部505aは、プリアンブルを配置するサブキャリアを変更することによって、互いに異なるプリアンブルを設定してもよい。
【0187】
そして、この場合、基地局600のプリアンブル検出部603は、各周波数帯のUL信号それぞれに付加されたプリアンブルの種類を検出することによって、フィードバック情報を判定する。例えば、電力算出部603aは、
図3に示したようなフレーム構成に基づき、第1の周波数帯および第2の周波数帯のベースバンド信号のプリアンブルを抽出する。そして、電力算出部603aは、抽出したプリアンブルそれぞれに対して、FFT処理等を行い、サブキャリア毎の受信信号成分を算出する。そして、判定部603bは、サブキャリア毎の受信信号成分に基づき、各周波数帯のUL信号に付加されたプリアンブルの種類を判定する。そして、判定部603bは、端末500からのフィードバック情報を判定する。
【0188】
この変形例2によれば、DL信号に複数の信号が含まれており、端末がそれぞれの信号の誤り検出の結果を示すフィードバック情報を効率よく、基地局に送信することができる。特に、この変形例2では、複数の周波数帯を用いてDL信号が送信されるため、DL信号に多くの制御情報信号が含まれる可能性がある。そのような場合であっても、効率よくフィードバック情報を送信できる。
【0189】
<実施の形態3の変形例3>
本実施の形態3の変形例2では、複数のDL制御情報信号それぞれを正しく受信できたか否かに基づいて、複数の周波数帯に付加するプリアンブルの種類を変更する例について説明した。本実施の形態3の変形例3では、複数のDL制御情報信号それぞれを正しく受信できたか否かに基づいて、プリアンブルの信号成分の一部をヌル信号に置き換える例について、
図19を参照して説明する。
【0190】
なお、変形例3では、DL信号が、8つのDL制御情報信号(DL制御情報信号#1〜DL制御情報信号#8)を含むとして説明する。また、変形例3では、実施の形態2と同様に、配置部505aが、第1の周波数帯および第2の周波数帯に用いられるプリアンブルとして、0を除く8の倍数のサブキャリア番号(サブキャリア番号#−16、#−8、#8、#16等)に対応するサブキャリア群にプリアンブルを配置する。つまり、第1の周波数帯および第2の周波数帯に用いられるプリアンブルは、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号である。
【0191】
図19は、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第5の変形例を示す図である。
図19には、第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)とのそれぞれにおけるプリアンブルが示されている。また、プリアンブルの8つの信号成分に対して、それぞれ、Preamble(#1)〜Preamble(#8)と付している。
【0192】
図19に示す例は、DL制御情報信号#2と、DL制御情報信号#7とが正しく受信できなかった場合のプリアンブルの例である。この例では、第1の周波数帯のプリアンブルにおいて、Preamble(#2)と、Preamble(#7)がヌル信号に置き換えられる。また、第2の周波数帯のプリアンブルにおいて、Preamble(#2)と、Preamble(7)とを除く信号成分がヌル信号に置き換えられている。
【0193】
つまり、変形例3では、第1の周波数帯のプリアンブルにおいて、正しく受信できなかったDL制御情報信号に対応するプリアンブルの信号成分がヌル信号に置き換えられ、第2の周波数帯のプリアンブルにおいて、正しく受信できたDL制御情報信号に対応するプリアンブルの信号成分がヌル信号に置き換えられている。
【0194】
端末500のプリアンブル設定部505は、誤り検出部503から取得する誤り検出結果が示す複数のDL制御情報信号それぞれの受信の成否に基づいて、
図19に示すように、第1の周波数帯のUL信号と第2の周波数帯のUL信号のプリアンブルの信号成分をヌル信号に置き換える。例えば、極性変更部505cが信号成分とヌル信号の置換処理を実行してもよい。
【0195】
そして、この場合、基地局600のプリアンブル検出部603は、各周波数帯のUL信号それぞれに付加されたプリアンブルのヌル信号の位置を検出することによって、フィードバック情報を判定する。例えば、電力算出部603aは、第1の周波数帯および第2の周波数帯のベースバンド信号のプリアンブルを抽出し、抽出したプリアンブルそれぞれの電力の時間変動を算出する。そして、判定部603bは、電力の時間変動からヌル信号の位置を判定し、端末500からのフィードバック情報を判定する。
【0196】
この変形例3によれば、DL信号に複数の信号が含まれている場合に、端末がそれぞれの信号の誤り検出の結果を示すフィードバック情報を効率よく、基地局に送信することができる。特に、この変形例3では、複数の周波数帯を用いてDL信号が送信されるため、DL信号に多くの制御情報信号が含まれる可能性がある。そのような場合であっても、効率よくフィードバック情報を送信できる。
【0197】
<実施の形態3の変形例4>
実施の形態3の変形例4では、上述した変形例3に対して、実施の形態2にて説明した極性反転を用いる例について説明する。
【0198】
図20は、本実施の形態3におけるプリアンブル配置の第6の変形例を示す図である。
図20には、
図19と同様に、第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)とのそれぞれにおけるプリアンブルが示されている。また、プリアンブルの8つの信号成分に対して、それぞれ、Preamble(#1)〜Preamble(#8)と付している。
【0199】
図20に示す例は、DL制御情報信号#2、#3、#7が正しく受信できなかった場合のプリアンブルの例である。この例では、第1の周波数帯のプリアンブルにおいて、Preamble(#2)とPreamble(#3)とPreamble(#7)とがヌル信号に置き換えられる。また、第2の周波数帯のプリアンブルにおいて、Preamble(#2)とPreamble(#3)Preamble(7)とを除く信号成分がヌル信号に置き換えられている。さらに、第2の周波数帯のプリアンブルにおいて、Preamble(#3)の極性が反転されている。
【0200】
つまり、変形例4では、第1の周波数帯のプリアンブルにおいて、正しく受信できなかったDL制御情報信号に対応するプリアンブルの信号成分がヌル信号に置き換えられ、第2の周波数帯のプリアンブルにおいて、正しく受信できたDL制御情報信号に対応するプリアンブルの信号成分がヌル信号に置き換えられている。そして、第2の周波数帯のプリアンブルにおいて、ヌル信号に置き換えられなかった信号成分が連続している場合、その時間軸方向で後ろに位置する信号成分の極性が反転されている。例えば、極性変更部505cが信号成分とヌル信号の置換処理および極性反転処理を実行してもよい。
【0201】
そして、この場合、基地局600のプリアンブル検出部603は、変形例3と同様に、各周波数帯のUL信号それぞれに付加されたプリアンブルのヌル信号の位置を検出することによって、フィードバック情報を判定する。さらに、この変形例4の場合、プリアンブル検出部603は、プリアンブルに対する相関処理を実行することによって、極性反転の位置を示す相関のピーク位置を検出する。
【0202】
この変形例4によれば、DL信号に複数の信号が含まれている場合に、端末がそれぞれの信号の誤り検出の結果を示すフィードバック情報を効率よく、基地局に送信することができる。特に、この変形例4では、複数の周波数帯を用いてDL信号が送信されるため、DL信号に多くの制御情報信号が含まれる可能性がある。そのような場合であっても、効率よくフィードバック情報を送信できる。
【0203】
また、この変形例4によれば、端末がプリアンブルの信号成分の一部を極性反転することにより、基地局が受信時に相互相関を算出した際にピークが発生するため、そのピーク位置に基づいて、プリアンブルのタイミング検出の精度を向上させることができる。
【0204】
また、DL制御情報信号が正しく受信できた場合においても、DL信号の通信品質が良好でないため、DL信号を送信する周波数の変更を端末が基地局に対して指示する場合等においては、端末は特定のプリアンブルの信号成分を極性反転する、あるいは特定のプリアンブルの信号成分を周波数f2から送信することも可能である。この場合は、DL制御情報信号が正しく受信できなかった場合とは異なるプリアンブルの信号成分を、極性反転する、あるいは周波数f2から送信することも可能である。
【0205】
つまり、端末は、基地局にフィードバックする情報に応じて特定のプリアンブルの信号成分の極性反転、および/または、特定のプリアンブルの信号成分を周波数f2から送信することによって、端末がDL信号を正常に受信できたか否かを示すフィードバック情報(つまり、ACK/NACKの情報)の他に、様々な情報(例えば、DL信号の送信周波数の変更を指示する情報)を基地局に対してフィードバックすることができる。
【0206】
例えば、DL信号の送信周波数の変更を指示する情報以外に、送信電力の変更を指示する情報、変調方式や誤り訂正の符号化率の変更を指示する情報、送信信号の位相を変更して送信する場合における位相値の変更を指示する情報、インタリーブパターンの変更を指示する情報、変調処理における信号配置(コンスタレーション)の変更を指示する情報、マルチキャリア通信における各サブキャリアに配置する送信信号の変更を指示する情報等も、基地局に対してフィードバックすることができる。
【0207】
また、例えば、MIMO通信のように、複数のアンテナを用いて送信を行う場合、送信ストリーム数の変更を指示する情報、各信号を送信するアンテナの変更を指示する情報、複数のアンテナから異なる信号を送信するか同一の情報を送信するかの変更を指示する情報、各アンテナから送信する信号に対して乗算する係数値の変更を指示する情報等も、基地局に対してフィードバックすることができる。
【0208】
その際、端末と基地局との間で、極性反転されるプリアンブルの信号成分の位置、および/または、周波数f2から送信されるプリアンブルの信号成分の位置とフィードバック情報との対応関係を共通にすることにより、基地局は、端末からのフィードバック情報を識別できる。
【0209】
なお、上記で説明した実施の形態3およびその各変形例は、2つの周波数帯を用いる例として説明したが、本開示はこれに限定されない。UL信号、および/または、DL信号の送受信に用いられる周波数帯は、3つ以上であってもよい。
【0210】
なお、上記で説明した各実施の形態およびそれらの変形例は、適宜組み合わせても良いし、適宜切替えてもよい。
【0211】
例えば、実施の形態3にて説明した方法を使用した後、実施の形態1にて説明した方法と実施の形態2にて説明した方法を一定時間用いることによって、周波数誤差の検出特性の劣化を防ぎ、タイミング検出劣化も防ぐことができる。
【0212】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、上記各実施の形態およびそれらの変形例において説明した、DL信号を送信する周波数帯の変更を端末が基地局に対して指示する例について具体的に説明する。
【0213】
本実施の形態4では、端末が基地局に対して通信に用いる周波数帯の変更を要求するために、UL信号のプリアンブルを変更する。プリアンブルの変更方法について、実施の形態1では、プリアンブルデータを配置するサブキャリアの組み合わせを変えることによって、プリアンブルを変更する方法を説明した。実施の形態2では、複数の信号成分からなるプリアンブルの一部の信号成分の極性を反転することによって、プリアンブルを変更する方法を説明した。端末がプリアンブルを変更する方法は、どちらの方法であっても良い。本実施の形態4では、実施の形態2において説明したプリアンブルの変更方法を適用する例について説明する。
【0214】
<端末の構成>
図21は、本実施の形態4に係る端末700の構成例を示すブロック図である。なお、
図21において、
図1と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。
【0215】
無線受信部701は、アンテナに受信された無線信号(DL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部701は、無線受信処理後の信号に対して、後述するシンセサイザ709から出力されるローカル信号に基づいて、ダウンコンバートし、ベースバンド信号を得る。そして、無線受信部701は、ベースバンド信号をベースバンド受信処理部102および干渉検出部708に出力する。
【0216】
干渉検出部708は、無線受信部701から取得したベースバンド信号のガードタイム区間を検出し、ガードタイムの受信レベル(干渉量)を測定し、測定値をプリアンブル設定部705へ出力する。
【0217】
プリアンブル設定部705は、配置部705aと、逆フーリエ変換部705bと、極性変更部705cとを有する。プリアンブル設定部705は、誤り検出部103から取得する誤り検出結果および干渉検出部708から取得する干渉量の測定値に基づいてプリアンブルを設定する。
【0218】
配置部705aは、OFDM伝送に用いられるサブキャリア群(第1のサブキャリア群)の一部のサブキャリアからなるサブキャリア群(第4のサブキャリア群)にプリアンブルを配置する。以下では、一例として、第4のサブキャリア群は、0を除く8の倍数のサブキャリア番号(サブキャリア番号#−16、#−8、#8、#16等)に対応するサブキャリア群として説明する。
【0219】
逆フーリエ変換部705bは、配置部705aにより第4のサブキャリア群に配置されたプリアンブルに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンドのプリアンブルを得る。第4のサブキャリア群は、0を除く8の倍数のサブキャリア番号に対応するサブキャリア群であるため、IFFT処理によって得られるプリアンブルは、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号となる。
【0220】
極性変更部705cは、DL信号に誤りが無いことを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できた場合、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶプリアンブルの極性を変更せずに付加部106へ出力する。以下、DL信号を正しく受信できた場合に付加部106へ出力されるプリアンブルを、通常のプリアンブルと呼ぶ。
【0221】
極性変更部705cは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、干渉量の測定値が所定値未満の場合、つまり、周波数帯の変更が必要では無い場合、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶプリアンブルのうち、第1の信号成分の極性を反転させたプリアンブルを生成し、付加部106へ出力する。第1の信号成分は、複数の信号成分であっても良い。以下、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、周波数帯の変更が必要では無い場合に付加部106へ出力されるプリアンブルを、再送要求用プリアンブルと呼ぶ。
【0222】
極性変更部705cは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、干渉量の測定値が所定値以上の場合、つまり、周波数帯の変更が必要であると判断する場合、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶプリアンブルのうち、第2の信号成分の極性を反転させたプリアンブルを生成し、付加部106へ出力する。第2の信号成分は、複数の信号成分であっても良い。第1の信号成分は、第2の信号成分として含まれていない信号成分を少なくとも1つ含む。以下、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、周波数帯の変更が必要である場合に付加部106へ出力されるプリアンブルを、周波数変更要求用プリアンブルと呼ぶ。
【0223】
極性変更部705cから付加部106へ出力される、通常のプリアンブルと、再送要求用プリアンブルと、周波数変更要求用プリアンブルとは、互いに異なるプリアンブルである。また、プリアンブルの違いと端末700からフィードバックする情報との対応関係は、端末700と後述する基地局800との間で既知である。
【0224】
なお、極性変更部705cにおける極性反転については、後述する。
【0225】
また、極性変更部705cは、周波数変更要求用プリアンブルを付加部106へ出力する場合、ローカル信号のキャリア周波数の変更指示を、後述するシンセサイザ709へ出力する。
【0226】
無線送信部707は、付加部106から取得したベースバンドの送信信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部707は、無線送信処理後の信号に対して、後述するシンセサイザ709から出力されるローカル信号に基づいてアップコンバートし、無線信号(UL信号)を得る。そして、無線送信部707は、アンテナからUL信号を送信する。
【0227】
シンセサイザ709は、キャリア周波数のローカル信号を発生させて無線受信部701および無線送信部707に出力する。シンセサイザ709は、周波数帯の変更指示を極性変更部705cから取得した場合、次のDL信号を受信するタイミングから、発生させるローカル信号のキャリア周波数を変更する。例えば、シンセサイザ709は、端末700と基地局800との間で予め決められた順に基づいて、キャリア周波数を変更する。例えば、現在通信に使用している周波数帯F1、および、通信に使用していない周波数帯F2、F3の3つの周波数帯が使用可能な周波数帯であり、F1、F2、F3の順で巡回して周波数帯を変更することが、端末700と基地局800との間で予め決められている場合、シンセサイザ709は、次のDL信号を受信するタイミングから、発生させるローカル信号のキャリア周波数を周波数帯F1に対応するキャリア周波数から周波数帯F2に対応するキャリア周波数へ変更する。
【0228】
なお、以降の説明において、シンセサイザが、周波数帯に対応するキャリア周波数を変更することを、適宜、周波数帯を変更する、として説明する。
【0229】
<基地局の構成>
次に、本実施の形態4に係る基地局800の構成例について
図22を用いて説明する。
図22は、本実施の形態4に係る基地局800の構成例を示すブロック図である。なお、
図22において、
図2と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。
【0230】
無線受信部801は、アンテナに受信された無線信号(UL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部801は、無線受信処理後の信号に対して、後述するシンセサイザ809から出力されるローカル信号に基づいて、ダウンコンバートし、ベースバンド信号を得る。そして、無線受信部801は、ベースバンド信号をベースバンド受信処理部202、プリアンブル検出部803に出力する。
【0231】
プリアンブル検出部803は、無線受信部801から取得したベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出する。そして、プリアンブル検出部803は、抽出したプリアンブルに基づき、端末700からのフィードバック情報を判定する。端末700からのフィードバック情報は、端末700が基地局800から送信されたDL信号を正しく受信できたか否かを示す情報、および、端末700が周波数帯の変更を要求するか否かを示す情報を含む。ここで、DL信号を正しく受信できないというのは、受信したDL信号に誤りが発生した場合や同期検出ができなかった場合等を意味する。また、周波数帯の変更を要求する場合とは、端末700が検出した現在使用中の周波数帯の干渉量が所定値以上である場合等を意味する。
【0232】
前述の通り、端末700は、基地局800から送信されたDL信号を正しく受信できたか否か、および、周波数帯の変更を要求するか否かに応じて、プリアンブルを変更し、通常のプリアンブル、再送要求用プリアンブル、周波数変更要求用プリアンブルのいずれか1つを送信する。
【0233】
プリアンブル検出部803は、端末700からのフィードバック情報を送信データ制御部804およびシンセサイザ809へ出力する。
【0234】
具体的に、プリアンブル検出部803は、相互相関部803aと、判定部803bとを備える。
【0235】
相互相関部803aは、無線受信部801から取得するベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出し、プリアンブルに対して相互相関処理を行う。相互相関部803a
は、相互相関処理の結果を判定部803bへ出力する。相互相関部803aにおける相互相関処理については、後述する。
【0236】
判定部803bは、相互相関処理の結果に基づき、プリアンブルが示すフィードバック情報を判定する。具体的には、前述の通り、UL信号のプリアンブルは、通常のプリアンブルと、再送要求用プリアンブルと、周波数変更要求用プリアンブルの3つのプリアンブルのうちのいずれか1つである。そして、通常のプリアンブルは、信号成分の極性が反転されないプリアンブルであり、再送要求用プリアンブルと周波数変更要求用プリアンブルでは、極性が反転される信号成分が互いに異なる。判定部803bは、相互相関処理にピークが発生しているか否か、および、ピークの位置に基づいて、端末700から受信したプリアンブルを判定する。
【0237】
判定部803bは、端末700から受信したプリアンブルが通常のプリアンブルであると判定した場合、次に送信する送信データを出力する指示を送信データ制御部804へ出力する。判定部803bは、端末700から受信したプリアンブルが再送要求用プリアンブルであると判定した場合、過去の送信データを出力する指示を送信データ制御部804へ出力する。判定部803bは、端末700から受信したプリアンブルが周波数変更要求用プリアンブルであると判定した場合、過去の送信データを再送する指示を送信データ制御部804へ出力し、周波数帯を変更する指示をシンセサイザ809へ出力する。
【0238】
送信データ制御部804は、プリアンブル検出部803から取得する指示に基づいて、送信するデータを設定する。具体的には、送信データ制御部804は、過去に送信した送信データを保持するバッファを有する。そして、送信データ制御部804は、次に送信する送信データを出力する指示を取得した場合、現時点で取得する送信データをベースバンド送信処理部205へ出力する。送信データ制御部804は、過去の送信データを再送する指示を取得した場合、バッファに保持する過去の送信データをベースバンド送信処理部205へ出力する。なお、基地局800から送信される送信データは、例えば、端末700へ送信する制御情報(DL制御情報)である。
【0239】
無線送信部807は、プリアンブルを含むベースバンド信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部807は、無線送信処理後の信号に対して、後述するシンセサイザ809から出力されるローカル信号を用いてアップコンバートし、無線信号を得る。そして、無線送信部807は、アンテナから無線信号(DL信号)を送信する。
【0240】
シンセサイザ809は、キャリア周波数のローカル信号を発生させて無線受信部801および無線送信部807に出力する。シンセサイザ809は、プリアンブル検出部803から取得する指示に基づいて、発生させるローカル信号のキャリア周波数を変更する。具体的には、シンセサイザ809は、プリアンブル検出部803から周波数帯を変更する指示を取得した場合、次のDL信号を送信するタイミングから、発生させるローカル信号のキャリア周波数を変更する。例えば、シンセサイザ809は、上述したシンセサイザ709と同様に、端末700と基地局800との間で予め決められた順に基づいて、周波数帯を変更する。
【0241】
<プリアンブルの構成と相関処理>
本実施の形態4の極性変更部705cにおける極性反転および相互相関部803aにおけるプリアンブルの相関処理については、実施の形態2と同様である。以下、
図12A、
図13A、
図13Bを援用して、通常のプリアンブルと、再送要求用プリアンブルと、周波数変更要求用プリアンブルについて説明する。
【0242】
前述の通り、本実施の形態4におけるプリアンブルは、互いに同一の8つの信号成分が時間軸方向に並ぶ周期信号である。
図12A、
図13A、
図13Bでは、ULデータの信号とGTとの間に存在するプリアンブルの8つの信号成分に対して、それぞれ、Preamble(#1)〜Preamble(#8)と付している。また、
図13Aにおいて、Preamble(#2)の極性が反転した信号成分を、Preamble(#2)’として示している。また、
図13Bにおいて、Preamble(#5)の極性が反転した信号成分を、Preamble(#5)’として示している。
【0243】
例えば、通常のプリアンブルは、
図12Aに示したプリアンブル、つまり、信号成分に極性の変更が行われていないプリアンブルである。また、例えば、上述した第1の信号成分がPreamble(#2)の場合の再送要求用プリアンブルは、
図13Aに示したプリアンブル、つまり、Preamble(#2)の極性が反転したプリアンブルである。また、上述した第2の信号成分がPreamble(#5)の場合の周波数変更要求用プリアンブルは、
図13Bに示したプリアンブル、つまり、Preamble(#5)’の極性が反転したプリアンブルである。
【0244】
判定部803bは、相互相関部803aにおけるプリアンブルの相関処理の結果に基づいて、プリアンブルを判定する。例えば、判定部803bは、相互相関の相関結果にピークが存在しない場合、端末700から受信したプリアンブルが通常のプリアンブルであると判定する。また、判定部803bは、
図13Aに示したように相関結果のPreamble(#2)’の位置に相当する位置にピークが発生した場合、端末700から受信したプリアンブルが再送要求用プリアンブルであると判定する。また、判定部803bは、
図13Bに示したように相関結果のPreamble(#5)’の位置に相当する位置にピークが発生した場合、端末700から受信したプリアンブルが周波数変更要求用プリアンブルであると判定する。
【0245】
次に、本実施の形態4におけるUL信号とDL信号について
図23A〜
図23Cを用いて説明する。
図23Aは、本実施の形態4におけるUL信号とDL信号の第1の例を示す図である。
図23Bは、本実施の形態4におけるUL信号とDL信号の第2の例を示す図である。
図23Cは、本実施の形態4におけるUL信号とDL信号の第3の例を示す図である。
【0246】
図23Aは、端末700が通常のプリアンブルを送信する場合のUL信号とDL信号を示す。端末700は、基地局800が周波数帯F1を用いて送信したDL信号#nを受信し、DL信号#nに誤りが無い場合、周波数帯F1を用いて、通常のプリアンブル(Preamble_A)を含むUL信号を基地局800に送信する。基地局800は、通常のプリアンブル(Preamble_A)を検出して、周波数帯F1を用いて次のDL信号#n+1を送信する。
【0247】
図23Bは、端末700が再送要求用プリアンブルを送信する場合のUL信号とDL信号を示す。端末700は、基地局800が周波数帯F1を用いて送信したDL信号#nを受信し、DL信号#nに誤りがあり、再送を要求する場合、かつ、干渉量が所定値未満であり、周波数変更を要求しない場合、周波数帯F1を用いて再送要求用プリアンブル(Preamble_B)を含むUL信号を基地局800に送信する。基地局800は、再送要求用プリアンブル(Preamble_B)を検出して、周波数帯F1を用いてDL信号#nを再送する。
【0248】
図23Cは、端末700が周波数変更要求用プリアンブルを送信する場合のUL信号とDL信号を示す。端末700は、基地局800が周波数帯F1を用いて送信したDL信号#nを受信し、DL信号#nに誤りがあり、再送を要求する場合、かつ、干渉量が所定値以上であり、周波数帯の変更を要求する場合、周波数帯F1を用いて周波数変更要求用プリアンブル(Preamble_C)を含むUL信号を基地局800に送信する。基地局800は、周波数変更要求用プリアンブル(Preamble_C)を検出して、周波数帯F1を周波数帯F2に変更し、周波数帯F2を用いてDL信号#nを再送する。
【0249】
<端末の処理>
次に、本実施の形態4に係る端末700の処理の流れについて、
図24を参照して説明する。
図24は、本実施の形態4に係る端末700の処理を示すフローチャートである。
【0250】
端末700の無線受信部701およびベースバンド受信処理部102は、DL信号の受信処理を行う(S301)。
【0251】
次に、プリアンブル設定部705は、ベースバンド受信処理が行われたデータの誤りの有無に基づき、DL信号を正しく受信できたか否かを判定する(S302)。
【0252】
DL信号を正しく受信できた場合(S302にてYES)、プリアンブル設定部705は、通常のプリアンブルを設定する(S303)。そして、フローは、S307の処理へ移行する。
【0253】
DL信号を正しく受信できなかった場合(S302にてNO)、プリアンブル設定部705は、干渉量は所定値以上か否かを判定する(S304)。
【0254】
干渉量が所定値以上の場合(S304にてYES)、プリアンブル設定部705は、周波数変更要求用プリアンブルを設定する(S305)。そして、フローは、S307の処理へ移行する。
【0255】
干渉量が所定値未満の場合(S304にてNO)、プリアンブル設定部705は、再送要求用プリアンブルを設定する(S306)。そして、フローは、S307の処理へ移行する。
【0256】
次に、付加部106および無線送信部707は、プリアンブルを含むUL信号の送信処理を行う(S307)。そして、端末700の処理は終了する。
【0257】
<基地局の処理>
次に、本実施の形態4に係る基地局800の処理の流れについて、
図25を参照して説明する。
図25は、本実施の形態4に係る基地局800の処理を示すフローチャートである。
【0258】
基地局800の無線受信部801は、UL信号の受信処理を行う(S401)。
【0259】
次に、プリアンブル検出部803は、UL信号に含まれるプリアンブルの判定処理を行う(S402)。
【0260】
次に、プリアンブル検出部803は、プリアンブルが通常のプリアンブルか否かを判定する(S403)。
【0261】
プリアンブルが通常のプリアンブルである場合(S403にてYES)、プリアンブル検出部803は、送信データ制御部804に対して指示を出力し、送信データ制御部804は、次に送信する送信データを出力する(S404)。そして、フローは、S408の処理へ移行する。
【0262】
プリアンブルが通常のプリアンブルでは無い場合(S403にてNO)、プリアンブル検出部803は、プリアンブルが周波数変更要求用プリアンブルであるか否かを判定する(S405)。
【0263】
プリアンブルが周波数変更要求用プリアンブルである場合(S405にてYES)、プリアンブル検出部803は、通信に用いる周波数帯を変更する指示をシンセサイザ809へ出力する。シンセサイザ809は、指示を取得し、周波数帯を変更する(S406)。そして、プリアンブル検出部803は、送信データ制御部804に対して前回送信した送信データを再送する指示を出力する。送信データ制御部804は、前回送信した送信データを再び出力する(S407)。そして、フローは、S408の処理へ移行する。
【0264】
プリアンブルが周波数変更要求用プリアンブルでは無い場合(S405にてNO)、つまり、プリアンブルが再送要求用プリアンブルである場合、プリアンブル検出部803は、送信データ制御部804に対して前回送信した送信データを再送する指示を出力する。送信データ制御部804は、前回送信した送信データを再び出力する(S407)。そして、フローは、S408の処理へ移行する。
【0265】
次に、ベースバンド送信処理部205、プリアンブル付加部206、および、無線送信部807は、送信データ制御部804から取得した送信データを含むDL信号の送信処理を行う(S408)。そして、基地局800の処理は終了する。
【0266】
<効果>
以上説明した本実施の形態4では、端末700が、DL信号を正しく受信できたか否か、および、周波数帯の変更を要求するか否かに基づいて、プリアンブルを設定する。これにより、プリアンブルの中に、DL信号の再送要求と周波数帯の変更要求とを含むフィードバック情報が含まれるため、端末700は、フィードバック情報を基地局800に送信するための信号をUL信号の送信期間内に送信する必要が無い。そのため、ULデータの伝送速度を低下させることを抑制しつつ、基地局800にフィードバック情報を送信することができる。
【0267】
また、本実施の形態4では、干渉量に応じて、端末700と基地局800の間の通信に用いる周波数帯を変更することができるため、通信品質が向上する。
【0268】
なお、本実施の形態4では、端末700が、複数の信号成分からなるプリアンブルの一部の信号成分の極性を反転することによってプリアンブルを変更する方法に基づいて、通常のプリアンブル、再送要求用プリアンブル、および、周波数変更要求用プリアンブルを設定する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、実施の形態1で説明したように、プリアンブルデータを配置するサブキャリアの組み合わせを変えることによってプリアンブルを変更する方法に基づいて、通常のプリアンブル、再送要求用プリアンブル、および、周波数変更要求用プリアンブルを設定しても良い。
【0269】
また、端末700によって設定されるプリアンブルが、通常のプリアンブル、再送要求用プリアンブル、および、周波数変更要求用プリアンブルの3通りである例について説明したが、本開示はこれに限定されない。端末700は、基地局800へフィードバックする情報に応じて、4通り以上のプリアンブルを設定しても良い。
【0270】
また、本実施の形態4では、端末700が、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、周波数帯の変更が必要であると判定した場合に、周波数変更要求用プリアンブルを設定するとした。例えば、端末700は、DL信号を正しく受信できた場合であっても、周波数帯の変更が必要であると判定した場合には、基地局800に周波数帯の変更を要求しても良い。この場合、端末700は、上述した3通りとは異なるプリアンブルとして、再送無しで周波数帯の変更を要求するプリアンブルを設定しても良い。基地局800は、再送無しで周波数帯の変更を要求するプリアンブルを受信した場合、周波数帯を変更する指示をシンセサイザ809へ出力し、次に送信する送信データを出力する指示を送信データ制御部804へ出力しても良い。
【0271】
また、本実施の形態4では、端末700と基地局800との間で予め決められた順に基づいて、基地局800が周波数帯を変更する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。基地局800と端末700の一方が、次に使用する周波数帯を決定し、次に使用する周波数帯の情報を他方に通知しても良い。
【0272】
例えば、端末700の干渉検出部708が、現在通信に使用している周波数帯の干渉量を含む使用可能な複数の周波数帯の干渉量を測定し、干渉量が最も低い周波数帯を、次に使用する周波数帯として判定しても良い。この場合、使用可能な複数の周波数帯に対応付けられた複数の周波数変更要求用プリアンブルが規定され、端末700は、次に使用する周波数帯に対応付けられた周波数変更要求用プリアンブルを設定しても良い。基地局800は、規定された複数の周波数変更要求用プリアンブルのうち、どのプリアンブルを受信したかに基づいて、次に使用する周波数帯を判定しても良い。
【0273】
また、基地局800が、現在通信に使用している周波数帯の干渉量を含む使用可能な複数の周波数帯の干渉量を測定する干渉測定部を有していても良い。この場合、基地局800の干渉測定部は、干渉量が最も低い周波数帯を、次に使用する周波数帯として判定し、判定結果を端末700へ通知しても良い。
【0274】
(実施の形態5)
本実施の形態5では、実施の形態3と同様に、基地局と端末とを含む、複数の周波数帯を用いる無線通信システムにおいて、DL信号を送信する周波数帯の変更を端末が基地局に対して指示する例について説明する。なお、以下の説明では、無線通信システムが第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)との2つの周波数帯を同時に用いて通信を行う例を一例として説明する。そして、第1の周波数帯を用いて送受信されるUL信号、DL信号をそれぞれ第1のUL信号、第1のDL信号とし、第2の周波数帯を用いて送受信されるUL信号、DL信号をそれぞれ第2のUL信号、第2のDL信号として説明する。また、本実施の形態5では、第1のDL信号と第2のDL信号とを合せて、1つのDL信号として説明する。
【0275】
<端末の構成>
図26は、本実施の形態5に係る端末900の構成例を示すブロック図である。なお、
図26において、
図14と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。
【0276】
無線受信部901は、アンテナに受信された第1のDL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部901は、無線受信処理後の信号に対して、後述するシンセサイザ909から出力される第1のキャリア周波数のローカル信号に基づいて、ダウンコンバートを行い、第1のベースバンド信号を得る。同様に、無線受信部901は、アンテナに受信された第2のDL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部901は、無線受信処理後の信号に対して、シンセサイザ909から出力される第2のキャリア周波数のローカル信号に基づいて、ダウンコンバートを行い、第2のベースバンド信号を得る。そして、無線受信部901は、第1および第2のベースバンド信号をベースバンド受信処理部502および干渉検出908に出力する。
【0277】
干渉検出部908は、無線受信部901から取得した第1および第2のベースバンド信号のガードタイム区間を検出し、ガードタイムの受信レベル(干渉量)を測定し、測定値をプリアンブル設定部905へ出力する。干渉検出部908が出力する干渉量は、第1の周波数帯と第2の周波数帯の両方において測定した2つの干渉量である。
【0278】
プリアンブル設定部905は、配置部905aと、逆フーリエ変換部905bと、極性変更部905cとを有し、誤り検出部503から取得する誤り検出結果および干渉検出部908から取得する干渉量の測定値に基づいてプリアンブルを設定する。
【0279】
なお、本実施の形態5では、まず、プリアンブル設定部905が極性変更部905cを含まない例を説明する。そのため、
図26の極性変更部905cは、点線を用いて示されている。プリアンブル設定部905が極性変更部905cを含む例については、後述の本実施の形態5の変形例として説明する。
【0280】
配置部905aは、DL信号に誤りが無いことを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できた場合、第1のUL信号用のプリアンブル(第1のプリアンブル)を生成するためのプリアンブルのデータを配置し、第2のUL信号用のプリアンブル(第2のプリアンブル)を生成するためのプリアンブルのデータを配置しない。
【0281】
また、配置部905aは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、2つの干渉量の測定値が所定値未満の場合、つまり、周波数帯の変更が必要では無い場合、第2のプリアンブルを生成するためのプリアンブルのデータを配置し、第1のプリアンブルを生成するためのプリアンブルのデータを配置しない。なお、プリアンブルのデータは、予め既知のシンボルデータ等である。
【0282】
また、配置部905aは、DL信号に誤りが有ることを示す誤り検出結果を取得した場合、つまり、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、2つの干渉量の測定値の少なくとも1つが所定値以上の場合、つまり、周波数帯の変更が必要である場合、第1のプリアンブルを生成するためのプリアンブルのデータと、第2のプリアンブルを生成するためのプリアンブルのデータを配置する。
【0283】
逆フーリエ変換部905bは、配置部905aにより配置されたプリアンブルに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行い、ベースバンドのプリアンブルを得る。
【0284】
前述の通り、本実施の形態5では、まず、プリアンブル設定部905が極性変更部905cを含まない例を説明する。そのため、逆フーリエ変換部905bは、ベースバンドのプリアンブルを付加部506へ出力する。
【0285】
一方で、本実施の形態5の変形例では、逆フーリエ変換部905bは、ベースバンドのプリアンブルを極性変更部905cへ出力する。本実施の形態5の変形例の詳細については後述する。
【0286】
極性変更部905cは、誤り検出結果および2つの干渉量の測定値に基づいて、プリアンブルの一部の信号成分を変更する。例えば、極性変更部905cは、プリアンブルの一部の信号成分をヌル信号に変更する。また、極性変更部905cは、プリアンブルの一部の信号成分の極性を反転する。なお、本実施の形態5では、プリアンブル設定部905が極性変更部905cを含まない例を説明し、極性変更部905cが極性を変更する例については、本実施の形態5の変形例として説明する。
【0287】
以下、本実施の形態5において、DL信号を正しく受信できた場合に付加部506へ出力されるプリアンブルを、通常のプリアンブルと呼ぶ。また、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、周波数帯の変更が必要では無い場合に付加部506へ出力されるプリアンブルを、再送要求用プリアンブルと呼ぶ。また、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、周波数帯の変更が必要である場合に付加部506へ出力されるプリアンブルを、周波数変更要求用プリアンブルと呼ぶ。
【0288】
つまり、本実施の形態5における、通常のプリアンブルは、第1のプリアンブルが送信され、第2のプリアンブルが送信されないことを指し、再送要求用プリアンブルは、第1のプリアンブルが送信されず、第2のプリアンブルが送信されることを指し、周波数変更要求用プリアンブルは、第1のプリアンブルと第2のプリアンブルの両方が送信されることを指す。
【0289】
なお、プリアンブル設定部905は、周波数変更要求用プリアンブルを付加部506へ出力する場合、周波数帯の変更指示を、後述するシンセサイザ909へ出力する。
【0290】
無線送信部907は、付加部506から取得した2つのベースバンドの送信信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部907は、無線送信処理後の信号に対して、シンセサイザ909から出力されるローカル信号に基づいたアップコンバートを行い、第1のUL信号および第2のUL信号を得る。そして、無線送信部907は、アンテナから2つのUL信号を送信する。
【0291】
シンセサイザ909は、キャリア周波数のローカル信号を発生させて無線受信部901および無線送信部907に出力する。シンセサイザ909は、周波数帯の変更指示をプリアンブル設定部905から取得した場合、次のDL信号を受信するタイミングから、発生させるローカル信号のキャリア周波数を変更する。例えば、シンセサイザ909は、端末900と基地局1000との間で予め決められた順に基づいて、周波数帯を変更する。例えば、現在通信に使用している2つの周波数帯(f1、f2)の組と、通信に使用していない2組の周波数帯(f3、f4)、(f5、f6)とが使用可能な周波数帯であり、(f1、f2)、(f3、f4)、(f5、f6)の順で巡回して周波数帯を変更することが、端末900と基地局1000との間で予め決められている場合、シンセサイザ909は、次のDL信号を受信するタイミングから、発生させるローカル信号の周波数帯の組を(f1、f2)から(f3、f4)へ変更する。
【0292】
次に、本実施の形態5に係る基地局1000の構成例について
図27を用いて説明する。
図27は、本実施の形態5に係る基地局1000の構成例を示すブロック図である。なお、
図27において、
図15と同様の構成については同一の符番を付し、その説明を省略する。
【0293】
無線受信部1001は、アンテナに受信された第1のUL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部1001は、無線受信処理後の信号に対して、後述するシンセサイザ1009から出力されるローカル信号に基づいて、ダウンコンバートを行い、第1のベースバンド信号を得る。同様に、無線受信部1001は、アンテナに受信された第2のUL信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。そして、無線受信部1001は、無線受信処理後の信号に対して、シンセサイザ1009から出力されるローカル信号に基づいて、第2の周波数帯に応じたダウンコンバートを行い、第2のベースバンド信号を得る。そして、無線受信部1001は、第1および第2のベースバンド信号をベースバンド受信処理部602およびプリアンブル検出部1003に出力する。
【0294】
プリアンブル検出部1003は、無線受信部1001から取得した第1および第2のベースバンド信号に含まれるプリアンブルを抽出する。そして、プリアンブル検出部1003は、抽出したプリアンブルに基づき、端末000からのフィードバック情報を判定する。端末1000からのフィードバック情報は、端末900が基地局1000から送信されたDL信号を正しく受信できたか否か、および、端末900が周波数帯の変更を要求するか否かを示す情報を含む。
【0295】
前述の通り、端末900は、基地局1000から送信されたDL信号を正しく受信できたか否か、および、周波数帯の変更を要求するか否かに応じて、プリアンブルを変更し、通常のプリアンブル、再送要求用プリアンブル、周波数変更要求用プリアンブルのいずれか1つを送信する。
【0296】
プリアンブル検出部1003は、端末900からのフィードバック情報を送信データ制御部1004およびシンセサイザ1009へ出力する。
【0297】
具体的に、プリアンブル検出部1003は、電力算出部1003aと、判定部1003bとを備える。
【0298】
電力算出部1003aは、
図3に示したようなフレーム構成に基づき、第1および第2のベースバンド信号のプリアンブルの位置の信号を抽出する。そして、電力算出部1003aは、抽出したプリアンブルの電力を算出する。電力算出部1003aは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力および第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力を判定部1003bへ出力する。
【0299】
判定部1003bは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力および第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力に基づき、プリアンブルが示すフィードバック情報を判定する。具体的には、前述の通り、端末900のプリアンブル設定部905は、DL信号を正しく受信できたか否か、および、周波数帯の変更を要求するか否かに基づいて、プリアンブルを付加する周波数帯を変更する。そのため、判定部1003bは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力および第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力と所定の閾値とを比較することによって、プリアンブルが付加された周波数帯を判定する。
【0300】
具体的には、判定部1003bは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力が閾値以上、第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力が閾値未満の場合、通常のプリアンブルを受信したと判定する。その場合、判定部1003bは、次に送信する送信データを出力する指示を送信データ制御部1004へ出力する。判定部1003bは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力が閾値未満、第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力が閾値以上の場合、再送要求用プリアンブルを受信したと判定する。その場合、判定部1003bは、過去の送信データを出力する指示を送信データ制御部1004へ出力する。判定部1003bは、第1のベースバンド信号のプリアンブルの電力が閾値以上、第2のベースバンド信号のプリアンブルの電力が閾値以上の場合、周波数変更要求用プリアンブルを受信したと判定する。その場合、判定部1003bは、過去の送信データを再送する指示を送信データ制御部1004へ出力し、周波数帯を変更する指示をシンセサイザ1009へ出力する。
【0301】
送信データ制御部1004は、プリアンブル検出部1003から取得する指示に基づいて、送信するデータを設定する。具体的には、送信データ制御部1004は、過去に送信した送信データを保持するバッファを有する。そして、送信データ制御部1004は、次に送信する送信データを出力する指示を取得した場合、現時点で取得する送信データをベースバンド送信処理部605へ出力する。送信データ制御部1004は、過去の送信データを再送する指示を取得した場合、バッファに保持する過去の送信データをベースバンド送信処理部605へ出力する。なお、基地局1000から送信される送信データは、例えば、端末900へ送信する制御情報(DL制御情報)である。
【0302】
無線送信部1007は、プリアンブルを含むベースバンド信号に対して、増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部1007は、無線送信処理後の信号に対して、シンセサイザ1009から出力されるローカル信号を用いてアップコンバートを行い、第1のDL信号および第2のDL信号を得る。そして、無線送信部1007は、アンテナから第1のDL信号および第2のDL信号を送信する。
【0303】
シンセサイザ1009は、2つのキャリア周波数のローカル信号を発生させて無線受信部1001および無線送信部1007に出力する。シンセサイザ1009は、プリアンブル検出部1003から取得する指示に基づいて、発生させるローカル信号のキャリア周波数を変更する。具体的には、シンセサイザ1009は、プリアンブル検出部1003から周波数帯を変更する指示を取得した場合、次のDL信号を送信するタイミングから、発生させるローカル信号のキャリア周波数を変更する。例えば、シンセサイザ1009は、上述したシンセサイザ909と同様に、端末900と基地局1000との間で予め決められた順に基づいて、2つの周波数帯を変更する。
【0304】
<プリアンブルの例>
本実施の形態5におけるプリアンブルの配置例とDL信号の配置例について、
図28A〜
図28Cを参照して説明する。
図28Aは、本実施の形態5におけるプリアンブル配置の第1の例を示す図である。
図28Bは、本実施の形態5におけるプリアンブル配置の第2の例を示す図である。
図28Cは、本実施の形態5におけるプリアンブル配置の第3の例を示す図である。
【0305】
図28A〜
図28Cには、第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)とのそれぞれにおけるUL信号とDL信号とが示されている。また、
図28Cには、第3の周波数帯(f3)と第4の周波数帯(f4)のDL信号が示されている。
【0306】
図28Aに示す例は、通常のプリアンブルの配置例である。
図28Aに示すように、第1の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加され、第2の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加されていない。
【0307】
図28Bに示す例は、再送要求用プリアンブルの配置例である。
図28Bに示すように、第2の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加され、第1の周波数帯のUL信号にはプリアンブルが付加されていない。なお、この場合、再送要求用プリアンブルの直後のDL信号は、基地局1000が再送した信号である。
【0308】
図28Cに示す例は、周波数変更要求用プリアンブルの配置例である。
図28Cに示すように、第1の周波数帯のUL信号と第2の周波数帯のUL信号にプリアンブルが付加されている。そして、端末900が周波数変更要求用プリアンブルを含むUL信号を送信した後、基地局1000は、DL信号の送信に用いる周波数帯を第1の周波数帯と第2の周波数帯の組(f1、f2)から第3の周波数帯と第4の周波数帯の組(f3、f4)へ変更している。
【0309】
<効果>
以上説明したように本実施の形態5では、端末900が、DL信号を正しく受信できたか否か、および、周波数帯の変更を要求するか否かに基づいて、プリアンブルを設定する。これにより、プリアンブルの中に、DL信号の再送要求と周波数帯の変更要求とを含むフィードバック情報が含まれるため、端末900は、フィードバック情報を基地局1000に送信するための信号をUL信号の送信期間内に送信する必要が無い。そのため、ULデータの伝送速度を低下させることを抑制しつつ、基地局1000にフィードバック情報を送信することができる。
【0310】
また、本実施の形態5では、基地局1000において、プリアンブル部分の受信電力に基づいて、各周波数帯のUL信号にプリアンブルが付加されているか否かを判定する。これにより、基地局1000は、端末900からのフィードバック情報を容易に判定することができる。
【0311】
また、本実施の形態5では、干渉量に応じて、端末900と基地局1000の間の通信に用いる周波数帯を変更することができるため、通信品質が向上する。
【0312】
<実施の形態5の変形例>
本実施の形態5の変形例では、プリアンブル設定部905は、DL信号を正しく受信できたか否か、および、周波数帯の変更を要求するか否かに基づいて、プリアンブルを変更する例について説明する。
【0313】
図29Aは、本実施の形態5におけるプリアンブル配置の第1の変形例を示す図である。
図29Bは、本実施の形態5におけるプリアンブル配置の第2の変形例を示す図である。
図29Cは、本実施の形態5におけるプリアンブル配置の第3の変形例を示す図である。
図29A〜
図29Cには、第1の周波数帯(f1)と第2の周波数帯(f2)とのそれぞれにおけるUL信号とDL信号とが示されている。また、
図29A〜
図29Cに示されるPreamble_1とPreamble_2とは、互いに異なるプリアンブルである。また、
図29Cには、第3の周波数帯(f3)と第4の周波数帯(f4)のDL信号が示されている。
【0314】
端末900の極性変更部905cは、互いに異なるプリアンブルを生成するために、プリアンブルの信号成分の一部の極性を反転する。または、極性変更部905cは、プリアンブルの信号成分の一部をヌル信号に置換する。なお、端末900の例えば、極性変更部905cがPreamble_1とPreamble_2を互いに異なるプリアンブルとして生成する方法、および、基地局1000が互いに異なるプリアンブルを検出する方法については、例えば、実施の形態1〜実施の形態3において説明した方法を用いれば良いので、詳細な説明は省略する。
【0315】
図29Aに示す例は、通常のプリアンブルの配置例である。
図29Aに示すように、第1の周波数帯のUL信号と第2の周波数帯のUL信号とには、互いに同一のPreamble_1が付加される。
【0316】
図29Bに示す例は、再送要求用プリアンブルの配置例である。
図29Bに示すように、第1の周波数帯のUL信号にPreamble_2が付加され、第2の周波数帯のUL信号にPreamble_1が付加されている。
【0317】
図29Cに示す例は、周波数変更要求用プリアンブルの配置例である。
図29Cに示すように、第1の周波数帯のUL信号と第2の周波数帯のUL信号とには、互いに同一のPreamble_2が付加される。そして、端末900が周波数変更要求用プリアンブルを含むUL信号を送信した後、基地局1000は、DL信号の送信に用いる周波数帯を第1の周波数帯と第2の周波数帯の組(f1、f2)から第3の周波数帯と第4の周波数帯の組(f3、f4)へ変更している。
【0318】
これにより、いずれのプリアンブルであっても、第1の周波数帯と第2の周波数帯との両方にプリアンブルが付加されるため、基地局1000におけるプリアンブルの受信電力が改善され、端末900からのフィードバック情報の判定精度が向上する。
【0319】
なお、上述したプリアンブルはあくまで一例であり、本開示はこれに限定されない。基地局と端末とを含む、複数の周波数帯を用いる無線通信システムにおいて、プリアンブルを送受信する周波数帯、送受信するプリアンブルの種類などに応じて、基地局と端末の間で、複数のフィードバック情報の送受信を行うことができる。
【0320】
なお、本実施の形態5では、2つの周波数帯の干渉量の少なくとも1つが所定値以上の場合に、周波数帯の変更が必要であると判定する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。現在使用している周波数帯のうち、干渉量が所定値以上の周波数帯を他の使用可能な周波数帯に変更し、干渉量が所定値未満の周波数帯を変更しない、としても良い。この場合、端末700は、変更が必要な周波数帯、つまり、干渉量が所定値以上の周波数帯を基地局800へ通知する。通知の方法は、例えば、プリアンブルの種類の変更、および/または、プリアンブルを送信する周波数帯の変更を組み合わせても良い。
【0321】
また、本実施の形態5では、端末900が、DL信号を正しく受信できなかった場合、かつ、周波数帯の変更が必要であると判定した場合に、周波数変更要求用プリアンブルを設定するとした。例えば、端末900は、DL信号を正しく受信できた場合であっても、周波数帯の変更が必要であると判定した場合には、基地局1000に周波数変更を要求しても良い。この場合、端末900は、上述した3通りとは異なるプリアンブルとして、再送無しで周波数帯の変更を要求するプリアンブルを設定しても良い。基地局1000は、再送無しで周波数帯の変更を要求するプリアンブルを受信した場合、周波数を変更する指示をシンセサイザ1009へ出力し、次に送信する送信データを出力する指示を送信データ制御部1004へ出力しても良い。
【0322】
また、本実施の形態5では、端末900と基地局1000との間で予め決められた順に基づいて、基地局1000が周波数帯を変更する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。基地局1000と端末900の一方が、次に使用する周波数帯を決定し、次に使用する周波数帯の情報を他方に通知しても良い。
【0323】
例えば、端末900の干渉検出部908が、現在通信に使用している周波数帯の干渉量を含む使用可能な複数の周波数帯の干渉量を測定し、干渉量が最も低い周波数帯を、次に使用する周波数帯として判定しても良い。この場合、使用可能な複数の周波数帯に対応付けられた複数の周波数変更要求用プリアンブルが規定され、端末900は、次に使用する周波数帯に対応付けられた周波数変更要求用プリアンブルを設定しても良い。基地局1000は、規定された複数の周波数変更要求用プリアンブルのうち、どのプリアンブルを受信したかに基づいて、次に使用する周波数帯を判定しても良い。なお、次に使用する周波数帯は、干渉量が最も低い周波数帯に限らず、所定の条件(例えば、閾値以下の干渉量となる周波数帯)を満たす周波数帯であっても良い。
【0324】
また、基地局1000が、現在通信に使用している周波数帯の干渉量を含む使用可能な複数の周波数帯の干渉量を測定する干渉測定部を有していても良い。この場合、基地局1000の干渉測定部は、干渉量が最も低い周波数帯を、次に使用する周波数帯として判定し、判定結果を端末900へ通知しても良い。なお、次に使用する周波数帯は、干渉量が最も低い周波数帯に限らず、所定の条件(例えば、閾値以下の干渉量となる周波数帯)を満たす周波数帯であっても良い。
【0325】
また、本開示は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。