(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6291609
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】自動設定可能な電動ドライバ制御装置
(51)【国際特許分類】
B25B 23/14 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
B25B23/14 620E
B25B23/14 620J
B25B23/14 640E
B25B23/14 620G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-58328(P2017-58328)
(22)【出願日】2017年3月24日
【審査請求日】2017年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227386
【氏名又は名称】日東工器株式会社
(72)【発明者】
【氏名】荒井 彰太
【審査官】
亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2017/043535(WO,A1)
【文献】
特開2008−279589(JP,A)
【文献】
特開2000−176850(JP,A)
【文献】
特開2008−55563(JP,A)
【文献】
実開平2−135175(JP,U)
【文献】
特開平2−311276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 23/14
B23P 19/06
G05B 19/18
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準時間以内に適正なねじ締結が行われたねじの本数を判定して、作業工程の合否を判定する機能を有する電動ドライバ制御装置であって、
ねじ締結時間を計測するねじ締結時間計測手段と、
ねじ締結本数を計測するねじ締結本数計測手段と、
前記ねじ締結時間との比較の対象となるねじ締結設定時間及び前記ねじ締結本数との比較の対象となるねじ締結設定本数を記録する情報記録手段と、
複数の工程のうちの一つを指定する工程値を各工程に割り振られた値に変更する次工程移行手段と、
通常駆動モードと自動設定モードとを切替えるモード切替手段と、を有し、
該モード切替手段により通常駆動モードから自動設定モードへ移行された状態で実際のワークにねじ締結を行ったときに、前記次工程移行手段により前記工程値が次工程の値に変更されるまでの間に締結されたねじに対して前記ねじ締結時間計測手段によって計測された前記ねじ締結時間と前記ねじ締結本数計測手段によって計測された前記ねじ締結本数とをその時の工程を示す工程値に関連付けてそれぞれ前記ねじ締結設定時間及び前記ねじ締結設定本数として前記情報記録手段に記録し、
前記通常モードにおいては、ねじ締結を行なったときに、前記ねじ締結時間計測手段及び前記ねじ締結本数計測手段により計測されたねじ締結時間及びねじ締結本数を前記ねじ締結を行なったときの工程値に関連付けて前記情報記録手段に記録されている前記ねじ締結設定時間及び前記ねじ締結設定本数とそれぞれ比較してねじ締結の合否判定を行うようにされている事を特徴とする電動ドライバ制御装置
【請求項2】
前記ねじ締結設定時間を前記情報記録手段に記録する際、計測されたねじ締結時間の最大値、最小値、平均値のうちの少なくとも一つを選択して記録可能な請求項1に記載の電動ドライバ制御装置。
【請求項3】
自動設定モードにおいて既に計測されているねじ締結時間を基準とした上下限時間を設定し、計測されたねじ締結時間が前記上下限時間の範囲内である場合には、既に締結されているねじと同一のねじを締め付けたと判断するようにすることが可能な請求項1又は2記載の電動ドライバ制御装置
【請求項4】
前記ねじ締結時間が、該上下限時間の範囲に収まらなかった場合に次工程のねじと判定し、それまでに計測されたねじ締結時間及びねじ締結本数を現在の工程値に関連付けてそれぞれねじ締結設定時間及びねじ締結設定本数として情報記録手段に記録し、自動的に前記次工程移行手段で、工程値を次工程の値へ変更可能とされる請求項3記載の電動ドライバ制御装置。
【請求項5】
ねじ締結時間が、該上下限時間の範囲に収まらなかった場合に作業者に警告を行なう警告手段を備える請求項3記載の電動ドライバ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ドライバを制御する為の電動ドライバ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動ドライバ制御装置は、通常、数多の工程のねじ締結設定時間及びねじ締結設定本数を記録していて、ねじ締結作業において締め付け負荷トルクが一定値以上に達したときのねじ締結時間を測定し、記録されているねじ締結設定時間と比較することでねじの締結ミスを防止出来るようになっている。また、ねじ締結本数をカウントし、記録されているねじ締結設定本数と比較することで、ねじの締め忘れを防止出来る様にもなっている。
【0003】
特許文献1〜3では、設定情報の登録の手間を削減する為に、実際のワークにねじ締結を行ったときに電動ドライバ制御装置内部でねじ締結時間又は回転回数を計測するとともにねじ締結本数をカウントして、自動的に設定の登録が完了するモードを提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−290245号公報
【特許文献2】特開2006−062063号公報
【特許文献3】特開2000−176850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような電動ドライバ制御装置においては、単一工程の登録しか行なえなく、ねじ締結時間やねじ締結本数が異なる別工程の設定情報を登録する為には、作業者自身が工程値の変更を行なったり、データメモリのバンクの参照を行ったりする必要がある。
【0006】
本発明は、自動で数多くの工程のねじ締結設定時間、及びねじ締結設定本数を設定可能とされた電動ドライバ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、
基準時間以内に適正なねじ締結が行われたねじの本数を判定して、作業工程の合否を判定する機能を有する電動ドライバ制御装置であって、
ねじ締結時間を計測するねじ締結時間計測手段と、
ねじ締結本数を計測するねじ締結本数計測手段と、
前記ねじ締結時間との比較の対象となるねじ締結設定時間及び前記ねじ締結本数との比較の対象となるねじ締結設定本数を記録する情報記録手段と、
複数の工程のうちの一つを指定する工程値を各工程に割り振られた値に変更する次工程移行手段と、
通常駆動モードと自動設定モードとを切替えるモード切替手段と、を有し、
該モード切替手段により通常駆動モードから自動設定モードへ移行された状態で実際のワークにねじ締結を行ったときに、前記次工程移行手段により前記工程値が次工程の値に変更されるまでの間に締結されたねじに対して前記ねじ締結時間計測手段によって計測された前記ねじ締結時間と前記ねじ締結本数計測手段によって計測された前記ねじ締結本数とをその時の工程を示す工程値に関連付けてそれぞれ前記ねじ締結設定時間及び前記ねじ締結設定本数として前記情報記録手段に記録し、
前記通常モードにおいては、ねじ締結を行なったときに、前記ねじ締結時間計測手段及び前記ねじ締結本数計測手段により計測されたねじ締結時間及びねじ締結本数を前記ねじ締結を行なったときの工程値に関連付けて前記情報記録手段に記録されている前記ねじ締結設定時間及び前記ねじ締結設定本数とそれぞれ比較してねじ締結の合否判定を行うようにされている事を特徴とする電動ドライバ制御装置を提供する。
【0008】
これにより、自動設定モードに入り実際のワークにねじ締結を行うだけで数多の工程内のねじ締結設定時間とねじ締結設定本数を情報記録手段へと容易に登録することができる。
【0009】
具体的には、前記ねじ締結設定時間を前記情報記録手段に記録する際、計測されたねじ締結時間の最大値、最小値、平均値のうちの少なくとも一つを選択して記録可能とすることができる。
【0010】
より具体的には、自動設定モードにおいて既に計測されているねじ締結時間を基準とした上下限時間を設定し、計測されたねじ締結時間が前記上下限時間の範囲内である場合には、既に締結されているねじと同一のねじを締め付けたと判断するようにすることができる。
【0011】
また具体的には、前記ねじ締結時間が、該上下限時間の範囲に収まらなかった場合に次工程のねじと判定し、それまでに計測されたねじ締結時間及びねじ締結本数を現在の工程値に関連付けてそれぞれねじ締結設定時間及びねじ締結設定本数として情報記録手段に記録し、自動的に前記次工程移行手段で、工程値を次工程の値へ変更可能とすることができる。
【0012】
さらに具体的には、ねじ締結時間が、該上下限時間の範囲に収まらなかった場合に作業者に警告を行なう警告手段を備えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電動ドライバ制御装置の外観図である。
【
図2】
図1の電動ドライバ制御装置の機能ブロック図である。
【
図3】
図1の電動ドライバ制御装置における通知動作を示す第1のフローチャートである。
【
図4】
図1の電動ドライバ制御装置における通知動作を示す第2のフローチャートである。
【
図5】
図1の電動ドライバ制御装置における通知動作を示す第3のフローチャートである。
【
図6】
図1の電動ドライバ制御装置におけるデータ保存の関連を示すブロック図である。
【
図7】
図1の電動ドライバ制御装置における通知動作を示す第4のフローチャートである。
【
図8】
図1の電動ドライバ制御装置における通知動作を示す第5のフローチャートである。
【
図9】
図1の電動ドライバ制御装置における通知動作を示す第6のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る電動ドライバ制御装置100は
図1及び
図2に示すように、電動モータ210(
図1には図示せず)によって回転駆動されるビットホルダ220を有する電動ドライバ200を制御可能な制御回路300を備える。ビットホルダ220には、締め付け対象となるねじに合わせて適宜選択されたドライバビット222が取り外し可能に取付けられる。制御回路300にはさらに、LED表示部110と複数の操作ボタン120とを有するインターフェース部130が設けられている。該電動ドライバ200は、電動モータ210を起動させるための起動スイッチ(図示しない)と電動モータ210を停止させる為のブレーキスイッチ(図示しない)を電動ドライバ200本体内に備えている。この起動スイッチはビットホルダ220に取り付けられたドライバビット222をねじに押しつけることでON状態となり、それによってモータ制御部340が電動モータ210の駆動を開始するようになっている。また、制御回路300は、各種演算処理とねじ締結本数測定手段を兼ねている演算部310と、設定パラメータなどのデータを保存しておくための情報記録手段であるメモリ320と、時間の計測を行うねじ締結時間計測手段である時間計測部330とを有する。
【0015】
当該電動ドライバ200においてはさらに、電動モータ210とビットホルダ220がクラッチ(図示しない)によって連結されている。ビットホルダ222に一定以上のトルクが加わることによりクラッチが切れ、電動モータ210とビットホルダ220の連結を解除すると同時にブレーキスイッチをONすることで電動モータ210を停止する。アジャストリング(図示しない)を回すことでクラッチにかかるバネ圧が変わり、クラッチが切れるときのトルク、すなわち締付トルクの変更が行なえる。
【0016】
当該電動ドライバ制御装置100は生産ラインなどで一人の作業者が異なる種類のねじを順次連続して締め付けていくような場合等において、異なった長さのねじの締結を行った際に不良のねじ締結を行ったことを作業者に知らせる為の
図3に示す機能を備える。具体的には、起動スイッチをONにする(S3−2)と電動モータ210が起動し(S3−4)、ねじ締結を開始する。この時、時間計測部330で時間計測を開始する(S3−6)。ビットホルダ220に加わるトルクの大きさが予めアジャストリングによって設定したトルク値に達するとクラッチが切れ(S3−8)、電動モータ210の停止(S3−10)を行った後、時間計測を終了する(S3−12)。計測された時間がねじ締結時間となり、この値を、ねじ締結設定時間となるねじ締結最小時間410とねじ締結最大時間420の両方と比較する(S3−14)。ねじ締結最小時間410を超え、ねじ締結最大時間420未満の値が基準時間となり、基準時間以内のねじ締結時間であれば正常なねじ締結と判断し、LED表示部110によって作業者にOKを知らせる(S3−16)。ねじ締結時間が基準時間から外れた場合には、不良のねじ締結と判断し、LED表示部110によって作業者にNGを知らせる(S3−18)。
【0017】
当該電動ドライバ制御装置100はねじ締結漏れを防ぐ為に、
図4に示す機能を備える。具体的には、まずねじ締結本数を初期化して0にする(S4−2)。起動スイッチをONにする(S4−4)と電動モータ210が起動し(S4−6)、ねじ締結が行なわれる。ビットホルダ220に加わるトルクの大きさが予めアジャストリングによって設定したトルク値に達するとクラッチが切れ(S4−8)、電動モータ210を停止する(S4−10)。ねじ締結が行われたと判断し、ねじ締結本数に1を加算する(S4−12)。その後、ねじ締結本数とねじ締結設定本数430とを比較し(S4−14)、両方の値が等しければ規定本数のねじ締結を行えたと判断し、作業者に作業終了を知らせる(S4−16)。ねじ締結本数がねじ締結設定本数430以下である場合には、起動待ちの状態へと遷移し(S4−18)、ねじ締結本数とねじ締結設定本数430が等しくなるまで上記動作を繰り返す。
【0018】
また、
図5に示す様に
図3、
図4に示す機能を組み合わせて一連の作業でねじ締結の不良と締結漏れの確認を行うようにすることもできる。すなわち、ねじ締結時間が基準時間内かの判定を行い(S5−16)、基準時間内に収まっていればねじ締結本数に1を加算する(S5−18)。その後ねじ締結本数設定値と比較(S5−21)を行い、値が等しければLED表示部110によって作業者に作業終了を知らせる(S5−22)。ねじ締結時間が基準時間から外れていた場合はLED表示部110によって作業者にNGを知らせる(S5−20)。
【0019】
図6に示す様に、複数のねじ締結最大時間とねじ締結最小時間とねじ締結本数は工程値に関連付けて保存されている。演算部310は工程値を読み込むことで、ねじ締結時間やねじ締結本数との比較を行う際に参照する、ねじ締結最大時間、ねじ締結最小時間、及びねじ締結設定本数を判断する。例えば
図6のように各値が記録されている場合には、最初の工程では、ねじ締結時間が0.5秒を超え0.8秒未満であれば正常にねじ締結が行なわれたと判断し、正常に3本のねじ締結が完了するとその工程を終了して、次の工程に移る。次の工程では、同様にねじ締結時間が1秒を超え1.3秒未満であれば正常にねじ締結が行われたと判断し、正常に6本のねじ締結が完了するとその工程を終了して次工程に移る。この様に工程値の参照を0とした場合には、ねじ締結最小時間は0.5秒、ねじ締結最大時間は0.8秒、ねじ締結設定本数は3本となる。同様に工程値の参照を1とした場合には、それぞれ1秒、1.3秒、6本となるようにされている。
【0020】
メモリ320へのねじ締結最大時間とねじ締結最小時間とねじ締結設定本数の登録は
図7に示す方法で行える。具体的には、まずインターフェース部130のモード切替ボタン(モード切替手段)120aを押すことで、ねじ締結を行う通常モードから自動設定モードへと移行する(S7−2、S7−4)。制御回路300の演算部310は工程値に初期値0を設定し(S7−6)、ねじ締結本数に初期値0を設定する(S7−8)。ワークにねじをセットし、起動スイッチが押され(S7−10)電動モータ210が起動し(S7−12)始めたと同時に、時間計測部330によって時間計測を開始する(S7−14)。クラッチが作動し(S7−16)電動モータ210が停止(S7−18)したら時間計測も止め(S7−20)、その時のねじ締結時間を演算装置内部の演算用レジスタ(図示せず)に保存する(S7−22)。その後演算部310にてねじ締結本数に1の加算を行う(S7−24)。同一のねじの締め付け作業がある場合には、上記ねじ締め動作を繰り返す。このとき、ねじ締結時間は既に前のねじ締結時間が保存されているレジスタ以外の場所へと保存する。同じ締結時間での作業が終了した場合は、インターフェース部130の次工程移行ボタン(次工程移行手段)120bを押すことにより工程値を変更するか、又は自動設定モードを終了するかを選択する。
【0021】
工程値変更が選択された場合には、演算部310にて演算用レジスタに保存されたねじ締結時間の最大値と最小値を判断し、工程値400に対応するねじ締結最大時間、ねじ締結最小時間にそれぞれ登録する(S7−28)。ねじ締結本数をねじ締結設定本数へと登録する。工程値を次の値へと変更させ(S7−30)、再びねじ締結時間とねじ締結本数の計測から登録までを行う。自動設定モードの終了が選択された場合には、ねじ締結最大時間、ねじ締結最小時間、及びねじ締結設定本数を保存(S7−32)した後、工程値の変更は行なわず、通常モードへと移行する(S7−34)。
【0022】
また、メモリ320へ登録される際にはねじ締結最大時間420、ねじ締結最小時間410、ねじ締結設定本数の全てが保存されても良いし、作業者による操作ボタン120の選択によって選ばれた少なくとも一つが保存されても良い。
【0023】
ねじ締結最大時間とねじ締結最小時間をメモリ320へ保存する際には、計測された値の最大値と最小値をそのまま保存しても良いし、一定の値を最大値には加算し、最小値には減算した値を保存しても良い。
【0024】
また、自動設定モード中に、同一のねじであると判断するための上下限時間の設定が行える。
【0025】
図8に示す動作は、ねじ締結時間計測し演算用レジスタに格納されるまでは
図7と同様に行われる。工程値が変更された後、一回目のねじ締結時間に対して所定の値を加算して判定上限時間とし、また該ねじ締結時間に対して所定の値を減算して判定下限時間として、これら判定上限時間と判定下限時間とを演算用レジスタへと保存し(S8−26)ねじ締結本数に1加算する(S8−28)。同一工程値内で計測されたねじ締結時間が判定下限時間から判定上限時間までの値に収まらなかった場合は、次工程のねじと判断される。ねじ締結本数から1減算し(S8−38)、それまでに計測された値をメモリ320へ登録した後(S8−40)、工程値を次の値にする(S8−42)。その後ねじ締結時間を演算レジスタへと保存しねじ締結本数を1とする(S8−44)。また、この時のねじ締結時間を基に再び判定上限時間と判定下限時間を計算し、演算用レジスタへと保存する(S8−46)。これにより作業者の入力無く工程値の変更が行える。
【0026】
また、
図9に示す動作は上記と同様にねじ締結時間計測し演算用レジスタに格納されるまでは
図7と同様に行われる。工程値が変更された後、一回目のねじ締結時間に対して加算と減算を行い判定上限時間と判定下限時間を演算用レジスタへと保存する(S9−26)。同一工程値内で計測されたねじ締結時間が判定下限時間から判定上限時間までの値に収まらなかった場合は、警告手段であるブザー350により作業者に対して警告を行う(S9−32)。これにより同一工程内で誤ったねじを選択し締結したと判断することが可能となる。
【符号の説明】
【0027】
電動ドライバ制御装置100;LED表示部110;操作ボタン120;モード切替ボタン120a;次工程移行ボタン120b;インターフェース部130;電動ドライバ200;電動モータ210;ビットホルダ220;ドライバビット222;演算部310;メモリ320;時間計測部330;モータ制御部340;ブザー350;工程値400;ねじ締結最小時間410;ねじ締結最大時間420;ねじ締結設定本数430
【要約】
【課題】実際に作業を行なうワークにねじ締結を行うだけで、数多の工程のねじ締結の合否判定に必要なパラメータを設定可能な電動ドライバ制御装置を提供すること。
【解決手段】自動設定モードに移行した状態でねじ締結を行うと、制御回路300内部でねじ締結時間とねじ締結本数を計測しており、次工程移行手段によって工程値400の変更が行なわれると、計測していた値をその時指していた工程値400に対するねじ締結設定時間と、ねじ締結設定本数としてメモリ320へと保存し、自動設定モードを終えるまで上記のシステムを繰り返し、設定を行う。
【選択図】
図7