特許第6291636号(P6291636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6291636縫製品・鞄・容器類作成のための土台パーツと補助・補強・付属パーツ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6291636
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】縫製品・鞄・容器類作成のための土台パーツと補助・補強・付属パーツ
(51)【国際特許分類】
   A45C 7/00 20060101AFI20180305BHJP
   A42C 1/00 20060101ALI20180305BHJP
   B44C 1/28 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   A45C7/00 R
   A42C1/00 G
   B44C1/28 B
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-155087(P2015-155087)
(22)【出願日】2015年8月5日
(65)【公開番号】特開2017-29570(P2017-29570A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2016年6月6日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】714002741
【氏名又は名称】松井 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】松井 裕美子
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−106611(JP,U)
【文献】 特開2008−100059(JP,A)
【文献】 特表2002−520117(JP,A)
【文献】 米国特許第7607461(US,B2)
【文献】 特開2015−80527(JP,A)
【文献】 実開昭49−52723(JP,U)
【文献】 実開昭52−6762(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0196104(US,A1)
【文献】 特開2006−314773(JP,A)
【文献】 特開2002−272524(JP,A)
【文献】 実開昭53−12411(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3140282(JP,U)
【文献】 国際公開第02/069746(WO,A2)
【文献】 特開2012−167383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00−15/08
A41H 43/00
A42B 1/02
A42C 1/00
B44C 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状を保ち土台及び骨組みとなることを目的に、余分な表地を処理するための抜け溝、及び結合部の合わせ位置に設けたガイド用溝、及びダーツやタック部分の表地を挟み込む切り込み溝、及び軽量化と作業効率とデザイン性を図るための空き、及び包み込む表地の厚みに対し微調整可能な蛇腹形を備え、結合後に倒れるべき方向にあらかじめ倒れている縫い代部分を備えることを特徴とするバッグ及び鞄及び帽子及び洋服及び容器のパーツ
【請求項2】
請求項1に記載のバッグ及び鞄及び帽子及び洋服及び容器のパーツと、連結固定ネジ及びコーナー連結固定ネジと、ネジ締め補助パーツとを備えてなるバッグ及び鞄及び容器のネジパーツセットであって、前記バッグ及び鞄及び帽子及び洋服及び容器のパーツは、ネジの頭部とネジ穴とが一体化して沈み込むような窪みを設けたネジ穴を有し、連結固定ネジ及びコーナー連結固定ネジは、複数のネジの頭部同士を連結させた状態に形成し、ネジ締め補助パーツは、ネジの固定を補助するための、ネジ頭部の溝に挿入する突起箇所を有することを特徴とするバッグ及び鞄及び容器のネジパーツセット。
【請求項3】
請求項1に記載のバッグ及び鞄及び帽子及び洋服及び容器のパーツと、付属パーツとを備えてなるバッグ及び鞄及び容器のパーツセットであって、付属パーツは、過重負荷の軽減及びデザイン変更に伴うパーツとパーツのつなぎ合わせのため及び強度を高めたい箇所の補強のためのつなぎ合わせ補助パーツと、表地を保護するためのかぶせシートと、結合部の緩みを目視及び確認でき雨や埃をよけることを目的としたファスナー付き保護カバー内蔵の内袋、ファスナー付き出来上りポケットと、を備えることを特徴とするバッグ及び鞄及び容器のパーツセット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟質・硬質、およびその組み合わせによる合成樹脂や化学繊維の素材のほか一部分に金属・ファスナー・ゴムを用いて、作業効率を高めながら容易に縫製品や鞄・容器を作ることができる土台及び骨組みのパーツと補助・補強パーツ及びその付属品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在縫製品の作成については、型紙の作成・縫い線の目印となる切り躾をした表地の作成・芯地の作成・切り躾をした裏地の作成など作業工程が複雑で縫製知識が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−272524号公報
【特許文献2】特開平11−290111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、古い布などは再利用されずに処分されているものが多く、ごく一部の人しか他の作品に再利用する知識や手段を持っていない状況である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ミシンを持たない人や縫製知識がない人でも作品作りが容易となるよう考案しているもので、おおよその形状を保ち土台及び骨組みとなるパーツを表地で包み込み、縫製・組み立て・組み合わせ作業を容易に進めていくことができるよう工夫したものである。
【発明の効果】
【0006】
各パーツは解体することが出来るため、内袋の洗濯・表地の取り替えなども可能であり、さらにパーツの一部を使用しなかったり、追加して使用したり、不要な部分を切り取ったり、相対する部分を違う形状のパーツに取り替えたりすることで、大きさや形の変化・軽量化を図ることができ、パーツと布の使い方次第でさまざまなデザイン展開が可能であることを特色とする。
【0007】
従来のような型紙作成や切り躾などの印を付ける必要がなく、パーツが芯地や裏地の役目を果たしたり、部分的に硬度・強度を高めることにより土台及び骨組みとなるもので、不要箇所を切り取り軽量化も図れる。このように、パーツに複数の要素を兼ね備えた機能を持たせているため、縫製作業の単純化と効率化が可能となる。
【0008】
パーツ複数回使用できる利点があるため、新しい生地の利用だけでなく、和服・洋服地の再利用を積極的に推奨することで古い布の活発な利用が望めると共に、さまざまな土台及び骨組みとなるパーツを提供することで、独自性・意外性のある作品作りが楽しみながら行われることを特に期待し、作業の簡素化を大きな目的として考案している。
【0009】
縫製知識のない初心者やミシンを持たない人を想定し、縫製品の土台及び骨組みとなるパーツを提供することで作品作りが容易になるよう考案しているが、表地の初期状態でさまざまな加工作業を済ませおおよその形状を保つことができるため、縫製知識がありミシンを持っている人にとっても得意分野を活かしながら作業の簡素化と作品形状の安定を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1-1】バックを例にした構成パーツ図である。(実施例1)
図1-2】各パーツ結合イメージ図である。
図1-3】表地で包みバックとして完成させた縮小イメージ図である。
図2】底面の説明図である。
図3】前面(背面)の説明図である。
図4】側面の説明図である。
図5-1】開き口パーツの説明図である。
図5-2-1】開き口と持ち手が繋がったパーツ例の説明図である。
図5-2-2】開き口と持ち手が繋がったパーツ例の側面説明図である。
図6-1】保護カバー付き内袋の説明図である。
図6-2】重ね内袋例の説明図である。
図7-1】ファスナー付き出来上り内ポケット例の説明図である。
図7-2】ポケット口補助パーツ例の説明図である。
図8】固定ネジ挿入の説明図である。
図9-1-1】連結固定ネジの正面図である。
図9-1-2】連結固定ネジの背面図である。
図9-1-3】連結固定ネジの側面図である。
図9-1-4】連結固定ネジに使用する連結ワッシャーの正面図である。
図9-2】コーナー連結固定ネジを背面斜めから見た拡大図である。
図9-3】単独固定ネジの正面図である。
図9-4】底面・側面・前面パーツのネジ締め結合拡大説明図である。
図10】側面を円形にした場合の変形実施例説明図である。(実施例2)
図10-1】丸みのあるバック例の表地抜け溝説明図である。(実施例3)
図10-2】丸みのあるバック例の底面表地抜け溝拡大説明図である
図11】丸みのあるパーツに対する補強パーツの説明図である。
図12-1】片側に印付けしたテープ状補助パーツの説明図である。
図12-2】両側に印付けしたテープ状補助パーツの説明図である。
図12-3】パーツとパーツのつなぎ合わせ補助パーツ例の説明図である。
図13】かぶせシート状補助パーツ例の説明図である。
図14-1】ネジ締め補助パーツの底面図である。
図14-2】ネジ締め補助パーツの中央位置からの断面説明図である。
図14-3】ネジ締め補助パーツの側面図である。
図15-1】ジャケット前身頃パーツ説明図である。(実施例4)
図15-2】後ろ見頃パーツの一部分を示した図である。
図15-3】袖パーツの詳細説明図である。
図15-4】前身頃と後ろ身頃の肩結合部分拡大説明図である。
図15-5-1】前身頃脇ダーツの拡大説明図である。
図15-5-2】前身頃脇ダーツに表地をかぶせた状態の説明図である。
図15-6】ウエストタックの拡大説明図である。
図16-1】六枚はぎ帽子の頭部パーツ1枚の説明図である。(実施例5)
図16-2】帽子頭部パーツ3枚を並べた説明図である。
図16-3】帽子のつば部分パーツの説明図である。
図16-4】帽子の頭部パーツ結合部分の底部から見た拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
過重負担・軽量化・通気性・耐熱性・対紫外線・洗濯可能回数などの考慮点ごとに適切な素材を各パーツに用い、表地に対してより柔軟性を保つようにしながらも部分的に硬度や強度を変え、縫製品の土台及び骨組みとしての使用を実現させるものである。
【実施例1】
【0012】
図1−1ではバックパーツを例に関連する各構成パーツを示し、1に底面、2に前面、3に背面、4に側面、5に開き口のパーツを示しており、それぞれの説明図として、図2に底面、図3に前面(背面)、図4に側面、図5−1に開き口パーツ、図5−2−1に開き口と持ち手が繋がったパーツ、図5−2−2にその開き口と持ち手が繋がったパーツの側面図を示している。底面と前面と背面と側面の各パーツを結合させると図1−2となり、さらに図5−2−1の開き口と持ち手が繋がったパーツを使用して表地をかぶせ結合組み合わせたた例が図1−3で縮小イメージ図として示しているが、図5−1の開き口パーツに既存の持ち手や側面に肩掛けベルトなどを施し形状を変化させることも可能である。
図2底面の6は底鋲穴、7−1と7−2と7−3と7−4はパーツを包み込んだ際に生じる表地の余分な布の抜け溝を各コーナー4か所に設けたものである。図3で示した8は結合部分の浮きが気になる場合やネジを使用しないで作成する時に使用する返し縫いなどのガイド用穴である。9は8のガイド用穴を縦・横両方に対応させたものである。10は作業をし易くするための指を入れる切り込みを入れた溝、11は軽量化を図るため、また指を入れて作業をし易くするための開きである。12−2はネジを挿入する穴であるが図面上のいろいろな穴はすべて利用するのではなく、デザインに合わせて必要箇所を使用するものである。このほか、肩ベルトや持ち手の付け位置を変えたり、ギャザーやタックでの膨らみを加えることでデザイン変化が可能である。図4側面の14は底面との結合の際に発生する表地の厚みに対応できるよう一段または複数段の蛇腹形状とするものである。図5−1で示した開き口には逆に開けた表地の抜け溝15を設け、開き口の相対する2面のみ使用する場合は、パーツの不要な面を切り取ることも可能である。図5−2−1で示した開き口と持ち手が繋がったパーツの持ち手は15−1から15−2まで繋がっているが切り離しての使用も可能であり、また図5−2−2開き口と持ち手が繋がったパーツの側面図で示した15−3も持ち手の取り付けの長さを選び短く切り取って使用できるようガイドラインを付けているものである。
図6−1は保護カバー付き内袋の詳細図として前面を開きわかりやすく示した。16は袋の内側であり16−1と16−2はネジ止めした後、は縫い終わって取り付けた後、向かい合わせとなるもので、16−3は保護カバー付き内袋の縫いガイドラインである。17は両開きファスナーで、このファスナーは開いた状態で取り付けるものであり、必要に応じて図6−2の重ね内袋とともに二重に合わせて逆さまに取り付けることにより完成させるものである。18は保護カバーで、あらかじめ、この保護カバー付き内袋の裏側ファスナー横に取り付け済みであり、ファスナーを開き上部に引き上げ使用するものである。19は保護カバーを持ちあげて使用する際、持ち手を通す開きであり、20はデザインにサイド用肩ベルトなどを使用する際の開きで先端の21はその都度開閉して使用し、22部分はゴムを通してある。
図7−1はファスナー付き出来上り内ポケットのパーツ例を示したもので、これを図7−2のポケット口補助パーツに表地をかぶせた物とともに利用し各パーツの設置可能な穴を選びポケットを配置し固定させるものである。23−1はファスナー、23−2はネジ挿入穴、24はポケット袋の縫い止まり位置を示している。
図8は、25の連結固定ネジ及び26のコーナー連結固定ネジ及び27の単独固定ネジ挿入例を示したもので、必要箇所に応じて使用するものである。連結固定ネジについての詳細は図9−1−1に正面図、図9−1−2に背面図、図9−1−3に側面図として示し、必要な数の連結固定ネジに切り取って使用することも可能である。図9−1−4では連結ワッシャー正面図を示したもので、固定ネジと同じ種類がある。図9−2では図8の26のコーナー連結固定ネジに関して背面斜めから見た拡大図を示し、また27の単独固定ネジについては図9−3に正面図を示しており、この単独固定ネジは連結固定ネジ25を切り取って一つの単独固定ネジとすることと同じである。図9−4では27単独固定ネジと27−2のナットと27−3のワッシャーを用いてネジ締めする場合の関連性を含め、拡大詳細図として示しており、底面と前面と側面の各パーツを結合させるとき、図2の底面13−1に図4側面の13−3と図3の前面の13−2とが重なるよう合わせ、前面パーツネジ穴12−2から側面パーツネジ穴12−3を通し底面パーツネジ穴12−1を通し締めるものであるが、それぞれのパーツの厚みの違いやネジ穴の形状の違いなどを斜視図にして示したもので、穴12−1と穴12−3の正面図が12−aで穴12−2の正面図が12−bである。この12−2の前面パーツネジ穴は27のネジ頭部が隙間なく沈み込むよう窪みを付けて工夫し緩みを極力少なくするものである。
【実施例2】
【0013】
図10では実施例1の図3前面(背面)を二枚使用し、側面パーツを28の円形に取り替え底面を使用しない場合の筒型バック例を示した。一部分表地をはがした状態でわかり易く示したもので、底面がないため前面と背面の底の結合部に図12−3で示したつなぎ合わせ補助パーツの中央線32−3に前面(背面)の底辺を合わせて使用しているものである。このつなぎ合わせ補助パーツは使用する箇所によって自由に必要なだけ切り取り持ち手の補強パーツとしたり、また、実施例1の側面パーツの代わりに骨組み用として利用し側面パーツをあえて使用しないことで図1−3に示したバックの側面の外見に若干の膨らみを持たせた形状を可能とする。この筒型バック例の側面パーツ28を底面として使用し縦にすると筒状の巾着型になり、また側面を五角形や六角形のパーツを用いてつなぎ合わせるとボール状になるなど、パーツの組み合わせ方の変更でさまざまな形状の変化が可能である。
【実施例3】
【0014】
図10−1では結合部に丸みがあるパーツ例としてバックの背面を例に示し従来のギャザー・タックを設置する箇所に29−1や29−2のように表地抜け溝を長さや数を調整して設け、また各コーナーに14の蛇腹形を取り入れることにより、底面との間に発生する表地の影響を解消させるものである。同じく底面結合部の丸みに対しても図10−2の29−3のように抜け溝を必要数設け表地の重なりを防いで簡単に不要な表地を処理できるものである。この例で示した楕円の底面パーツと図3で示した前面(背面)パーツと図12−3のつなぎ合わせパーツを利用することで形状を変化させることが出来、必ずしも底面との円周が合致しなくてもデザインの展開は可能であることを特色としている。この丸みのあるバックの補強パーツを図11に示し30は前面・背面を補強し、30−1は開き口を30−2は持ち手を、30−3は底面との結合部をそれぞれ補強し、31は側面に取り付ける場合の肩ベルトなどを補強するものである。
【0015】
図12−1では32−1のように片側だけガイド用穴や印付けをしたテープ状補助パーツを示し、図12−2では32−2のように両側に印付けをしたテープ状補助パーツを示したが各用途に合わせ直線・曲線があり、従来のバイヤステープの機能を持たせている。切り込みを入れ使用したり、薄物の縫製の際には縫い線補強テープとなるものである。
【0016】
各パーツを包み込んだ表地を保護したい場合などに使用するかぶせシート状補助パーツを図13において実施例1の前面・背面用として示したが無地透明なものから模様入り、あるいは内側の表地が柄となって現れるよう一部切り抜きのほか、場合によっては前面・背面パーツの代用として使用することも可能である。
【0017】
図14−1ではネジ締め補助パーツの底面図を示しており、これは図9−3単独固定ネジ27の溝27−1に33−1の突起部分を合わせることでネジ頭部の固定を補助する。図14−2ではネジ締め補助パーツの、33−2中央位置部分の33−2aから33−2bのラインに沿って切断した上部断面図を示し、さらに図14−3でネジ締め補助パーツの側面図を示している。
【実施例4】
【0018】
洋服のジャケットを例に図15−1でダーツとタックのある前身頃を示し、34−4は襟、34−5は衿に続く上前の見返し、34−6は上前裾に対する見返しパーツである。34−2は脇ダーツ、34−3はウエストタック部でいずれも閉じた状態を示している。図15−2は後ろ見頃パーツの一部分を示したもので後ろ身頃肩端の34−1−2部分を拡大表示したのが34−1−2aの円内である。34−1−2後ろ見頃肩端と図15−1の34−1−1前身頃肩端を結合させる際のイメージ図を拡大して図15−4で示したが、34−1−3のように通常の縫製において縫い代を片側に倒すところはパーツの段階で既に折り返してあるもので、パーツを型紙として表地の裁断に利用する時は開いて使用し、表地をかぶせ肩結合ガイドライン34−1−4と肩結合ガイドライン34−1−5を合わせて結合後、表地と共にパーツも元の折り返した状態に戻る仕組みである。図15−1において閉じた状態で示した34−2脇ダーツを、図15−5−1で拡大して示し、34−2のガイドラインに沿って必要な切り込みを入れた後に34−2−1−1の縫いガイドライン1と34−2−1−2の縫いガイドライン2を結合させるもので、重なり状態を示した。34−2−2は折り返してある縫い代部分の切り込みガイドラインで、おおよその印付けをしてあり、図15−5−2では表地をかぶせた状態を示し、34−2−3は表地である。袖パーツを示した図15−3の後ろ身頃側との結合部35−1−1について35−1−1aの円内に、また、前身頃側との結合部35−2−1については35−2−1aの円内に詳細を拡大して示している。35−3−1のラインは半袖作成切り取りガイドライン、35−3−2は七分丈袖の作成切り取りガイドライン、35−3−3は折り返し七分袖作成切り取りガイドラインとして印を付けており、長袖だけでなくパーツの不要な部分を切り取り、図12−1や図12−2のテープ状補助パーツを利用し切り込みを入れながらカーブラインを調節することによって自由なデザインへの変更を可能とする。図15−6では、図15−1において閉じた状態で示した34−3ウエストタックを開いた状態で拡大図として示し、34−3−1は切り込みガイドライン、34−3−2は表地のタック分を入れ込むための切り開き箇所で余分な表地の抜け溝となる。
【実施例5】
【0019】
6枚はぎの帽子を例に図16−1に頭部パーツ1枚を示した。図16−2は頭部パーツ6枚のうち3枚を結合させるために並べたイメージ図であり、36−1と36−2を洋服の例と同様に結合させていくもので、36−3は作業をしやすくした空きである。図16−3はつば部分のパーツを示し36−4はつばと頭部パーツとの結合ガイドラインであり、図16−4では頭部パーツをつなぎ合わせていく場合の下から見た重なりを拡大図として示している。
【0020】
このように縫製・組み立て・組み合わせ方法も含めて土台及び骨組みとなるパーツと補助・補強・付属パーツを提供することで、ミシンを持っていなくても、また縫製の知識がなくても独自性・独創性のある作品作りが可能となる考案である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
ものづくりをきっかけとして、古い布・廃棄する布の有効活用や、繊維・縫製・ベルト、金具などの関連業界への波及効果も期待され、また楽しみながらパーツを複数回利用し続ける過程で縫製に対してより興味を持つことができれば低価格ミシンへの需要も望め、さらに、簡単な作業なので多忙な人からの制作依頼を高齢者・障害者が対応することで雇用の面でも期待されるところである。
【符号の説明】
【0022】
1 長方形バック例の底面
2 長方形バック例の前面
3 長方形バック例の背面
4 長方形バック例の側面
5 長方形バック例の開き口
6 長方形バック例の底鋲穴
7−1 長方形バック例の表地の抜け溝1
7−2 長方形バック例の表地の抜け溝2
7−3 長方形バック例の表地の抜け溝3
7−4 長方形バック例の表地の抜け溝4
8 結合部の返し縫いをする場合のガイド用溝
9 縦と横に対応した返し縫いをする場合のガイド用溝
10 指を入れて作業をしやすくするための切り込み溝
11 軽量化を図るためと指を入れて作業をしやすくするための開き
12−1 底面パーツのネジ穴
12−2 前面(背面)パーツのネジ穴
12−3 側面パーツのネジ穴
12−a 底面パーツ穴12−1と側面パーツ穴12−3の正面図
12−b 前面パーツ穴12−2の正面図
13−1 側面と前面との合わせ位置
13−2 底面と側面との合わせ位置
13−3 底面と前面との合わせ位置
14 1段または複数段の蛇腹形状
15 開き口に設けた表地の抜け溝
15−1 開き口と持ち手が繋がる部分1
15−2 開き口と持ち手が繋がる部分2
15−3 持ち手の長さ変更ガイドライン
16 保護カバー付き内袋の内側
16−1 向かい合わせ面1
16−2 向かい合わせ面2
16−3 保護カバー付き内袋を縫いつける場合のガイドライン
17 保護カバー付き内袋の両開きファスナー
18 保護カバー
19 保護カバーの持ち手通し開き
20 保護カバーの肩ベルトの通し用開き
21 保護カバーの肩ベルト通し用先端開閉部分
22 保護カバーのゴム挿入部分
23−1 ファスナー付き出来上り内ポケット
23−2 ファスナー付き出来上り内ポケットのネジ挿入穴
24 ファスナー付き出来上り内ポケットの袋部分縫い止まり位置
25 連結固定ネジ
26 コーナー連結固定ネジ
27 単独ネジ
27−1 ネジ締め補助パーツで各ネジを固定するための溝
27−2 ナット
27−3 ワッシャー
28 円形バックの側面パーツ
29−1 丸みのあるバックでの長さの違う表地の抜け溝1
29−2 丸みのあるバックでの長さの違う表地の抜け溝2
29−3 丸みのあるバックの底面に設けた表地の抜け溝
30 丸みのあるバックの背面を補強
30−1 丸みのあるバックの開き口を補強
30−2 丸みのあるバックの持ち手を補強
30−3 丸みのあるバックの底面を補強
31 丸みのあるバックのサイド肩掛け取り付け部を補強
32−1 片側一列の印やガイド用穴
32−2 両側二列の印やガイド用穴
32−3 つなぎ合わせ補助パーツ中央合わせライン
33−1 各ネジの正面溝に入れる突起
33−2 ネジ締め補助パーツ断面図の中央切断箇所
33−2a ネジ締め補助パーツ断面図の切断始まり地点
33−2b ネジ締め補助パーツ断面図の切断終わり地点
34−1−1 前身頃肩端
34−1−2 後ろ身頃肩端
34−1−2a 後ろ身頃肩端部分拡大表示
34−1−3 パーツの段階で折り返されている肩部分
34−1−4 肩結合ガイドライン1
34−1−5 肩結合ガイドライン2
34−2 前身頃脇ダーツライン
34−2−1−1 脇ダーツの縫いガイドライン1
34−2−1−2 脇ダーツの縫いガイドライン2
34−2−2 縫い代部分の切り込みガイドライン
34−2−3 パーツにかぶせた表地
34−3 前身頃ウエストタック
34−3−1 ウエストタックの切り込みガイドライン
34−3−2 タックとしての表地抜け溝
34−4 襟
34−5 見返し
34−6 上前裾に対する見返しパーツ
35−1−1 袖の後ろ身頃側との結合部分
35−1−1a 袖の後ろ身頃側との結合部分拡大表示
35−2−1 袖の前身頃側との結合部分
35−2−1a 袖の前身頃側との結合部分拡大表示
35−3−1 半袖作成切り取りガイドライン
35−3−2 七分丈袖の作成切り取りガイドライン
35−3−3 折り返し七分袖作成切り取りガイドライン
36−1 帽子の頭部パーツ結合位置1
36−2 帽子の頭部パーツ結合位置2
36−3 帽子の頭部パーツ作業用開き
36−4 帽子頭部パーツとの結合ガイドライン
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2-1】
図5-2-2】
図6-1】
図6-2】
図7-1】
図7-2】
図8
図9-1-1】
図9-1-2】
図9-1-3】
図9-1-4】
図9-2】
図9-3】
図9-4】
図10
図10-1】
図10-2】
図11
図12-1】
図12-2】
図12-3】
図13
図14-1】
図14-2】
図14-3】
図15-1】
図15-2】
図15-3】
図15-4】
図15-5-1】
図15-5-2】
図15-6】
図16-1】
図16-2】
図16-3】
図16-4】