(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照しながら詳述する。なお、以下の実施形態は、本出願の特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが、発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
(監視装置ネットワークシステム)
図1に示すように、本実施形態の監視装置ネットワークシステムは、監視装置防犯システムとして、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)の情報を受信するGPSセンサ13を備える監視装置1と、携帯情報通信端末(例えば、携帯電話、デジタル・オーディオプレーヤー、ノートパソコン、PDA(PERSONAL DIGITAL ASSISTANCE)等、以下単に携帯端末という)MPと、管理サーバSVとを含むものとして構成されている。GPSセンサ13は、複数のGPS衛星50の情報をもとに、監視装置1の現在位置座標値(緯度・経度・高度)情報を取得するものである。
また、監視装置1、携帯端末MP、及び管理サーバSVは、基地局(図示省略)を含む通信ネットワーク(例えば、インターネット)40を介して接続されている。
【0018】
監視装置1、携帯端末MP、及び管理サーバSVは、インターネット40を無線通信技術(例えば、Wi−Fi、WiMAX、LTE等)を用いて接続可能である。
また、例えば、監視装置1、携帯端末MP、及び管理サーバSVのそれぞれの端末からの情報(信号)を、パケットに変換し、当該情報(信号)を送受信するようにすることもある(パケット通信)。
【0019】
(管理サーバSV)
図2に示すように、外部の管理サーバSVは、監視装置1や携帯端末MPに係る情報を表示する第1表示画面SV1と、後述の監視カメラ11の撮影データ(撮影情報)に係る処理やパン・チルト(水平方向・垂直方向)駆動等の制御を行う第1可搬式監視カメラ制御装置SV2と、インターネット40を介して監視装置1や携帯端末MPと接続する第1通信制御装置SV3と、監視カメラ11によってされた撮影データの処理・解析を行う画像処理・解析装置SV4と、監視カメラ11の撮影データを記録する記録装置SV5とを備えている。
【0020】
(携帯端末MP)
携帯端末MPは、監視装置1や管理サーバSVに係る情報を表示する第2表示画面MP1と、監視カメラ11の撮影データに係る処理やパン・チルト駆動等の制御を行う第2可搬式監視カメラ制御装置MP2と、インターネット40を介して監視装置1や管理サーバSVと接続する第2通信制御装置MP3とを備えている。
【0021】
また、管理サーバSV及び携帯端末MPでは、種々の情報が管理可能であって、例えば、監視装置1の現在位置情報や、監視装置1によって撮影された撮影データ、又は監視装置1における各種センサ情報(信号)を取得し、監視可能であるとともに、これらの情報に基づいて、監視カメラ11や後述のソーラーパネル(太陽電池パネル)21の駆動制御など様々な処理を行うこともできる。
さらに、管理サーバSVは、画像処理・解析装置SV4を備えており、撮影データの画像処理・解析の処理を行うことができるようになっている。
なお、携帯端末MPに、画像処理・解析機能、及び記録装置を設けるようにしてもよい。
【0022】
(監視装置1)
図1及び
図2に示すように、本実施形態の監視装置1は、監視カメラ11を有するカメラユニット10と、ソーラーパネル21を有するパネルユニット20と、カメラユニット10及びパネルユニット20と双方向通信可能であるとともに、基地局(図示省略)含むインターネット40を介して、管理サーバSV及び携帯端末MPと接続する制御ユニット30とを備えている。
【0023】
図1に示すように、監視装置1は、屋外の任意の場所に持ち運び移動及び設置可能であって、制御ユニット30を収容するベース部2(本体)と、当該ベース部2に立設され、鉛直方向に所定の高さ、例えば人間の身長よりも上方(例えば2m以上)に延びる支柱3(本体)と、当該支柱3の上部、例えば地面から2m程度の位置に下向きL字型の保持部3aによって保持されているカメラユニット10と、支柱3の頂部に設けられ、太陽、又は照明灯からの光を太陽電池を用いて電力に変換し、後述のバッテリー31に蓄電するソーラーパネル21を含むパネルユニット20と、当該パネルユニット20の上部に設けられ、後述の被検知対象である人間によって盗難が行われた場合に、報知作動が行われる警報器(警報装置)4とを備えている。
【0024】
さらに、支柱3の下端には、支柱3を垂直軸回りに360度回転可能とする駆動モータ3bが設けられ、駆動モータ3bは、監視装置1を設置する場合に、最適の方向、例えば南方向(特定の方向)を正面とし、この正面に対して、ソーラーパネル21の受光面が向くように回転させて初期設定する。
【0025】
(カメラユニット10)
図1に示すように、カメラユニット10は、透明の下向き半球形のケースカバー10a内に、赤外線を照射して被検知対象の位置を特定可能な赤外線センサ(図示省略)を有し、夜間も含め時間等に限定されることなく、被検知対象を撮影可能な監視カメラ11と、監視カメラ11を水平方向に回転させるパン駆動、及び垂直方向に回転させるチルト駆動を可能とするカメラ駆動部(モータ)12(
図2参照)と、カメラユニット10の上部表面に設けられ、GPSによって自らの現在位置座標値を取得するGPSセンサ13と、下向き半球形のケースカバー10aの最下端に設けられ、所定検知範囲(例えば、監視装置1を中心とした半径3m)内に進入した被検知対象(例えば、人間、火災)を検知する検知センサ14と、監視カメラ11によって撮影された撮影データを記録する記録部(
図2参照)15とを備えている。
また、記録部15は、専用の読み取り装置に装着された可搬性の記憶媒体(CD−ROMやDVD−ROM、光ディスク、PCカード、SDカード等)が該当する。
【0026】
(監視カメラ11/カメラ駆動部12)
監視カメラ11は、透明な半球形のケースカバー10aを通して、監視装置1の周囲を撮影可能とし、カメラ駆動部12によって、撮影区画をパン・チルト駆動することが可能である。
また、ズーム機能を備えているため、被検知対象を拡大・縮小することにより、その周囲を広範に観測して、さらに詳細な情報を得ることもできる。
【0027】
監視カメラ11によって撮影された撮影データは、監視装置1の設置位置から遠く離れた場所であっても、管理者(又はそれに準ずる者)は、管理サーバSVの第1表示画面SV1や携帯端末MPの第2表示画面MP1の表示画面を通して監視することができる。
また、例えば、後述の盗難に対応する第2優先モードにおいても、管理サーバSVの画像処理・解析装置SV4と合わせて視認可能であるので、より的確に不測の事態(自然現象、人為的いずれも含む異常状態)を把握することができる。
【0028】
(GPSセンサ13)
GPSセンサ13は、複数のGPS衛星50のうち、上空にある数個の衛星からの信号を常時受信しており、自らの現在位置の座標値(以下、現在位置座標値)を常に検知している。
従って、監視装置1が不測の事態で移動してしまった場合であっても、監視装置1の現在位置座標値を確認することができる。
GPSセンサ13によって検知(取得)された現在位置座標値は、現在位置座標値信号として後述の差分検出部35に送信され、監視装置1を任意の位置に設置した際の初期設置座標値との差分(後述のしきい値より大)が生じたことにより検出された差分信号を受信した信号判断部34によって、後述の第1優先モード〜第4優先モード、及び待機モード(通常モード)のいずれのモード信号であるかが判断される。
初期設置座標値と現在位置座標値との差分は、
図7に示すように、一定の距離(例えば、20cm)L0であるしきい値を超えたとき、差分が生じたとし、差分信号を信号判断部34へ送信する。これにより、監視装置1が、初期設置座標値から僅かに差分が生じた際に、不要に第1優先モード〜第4優先モードのモード判断を行う必要がなくなる。
【0029】
また、不測の事態に迅速に対応するため、管理者(又はそれに準ずる者)は、いつでも管理サーバSV及び携帯端末MPを通し、監視装置1の現在位置座標値の情報(信号)を取得することができる。
【0030】
(検知センサ14)
検知センサ14は、例えば、後述の人感センサ14a、炎検知センサ14b等を選択的に搭載可能であって、単一のセンサ、又は複数種類のセンサを設けることができる。
検知センサ14は、所定検知範囲内の被検知対象の有無を検知し、検知信号を制御ユニット30の信号判断部34に送信する。
監視装置1の所定検知範囲内に被検知対象が進入した場合、検知センサ14が被検知対象の存在有りと検知し、検知信号が信号判断部34に送信された後、後述の信号判断部34の判断した結果情報を外部の管理サーバSV及び携帯端末MPに送信する。
また、監視装置1の所定検知範囲内に被検知対象が存在しない場合、検知センサ14は被検知対象の存在無しと検知し、検知信号を信号判断部34に送信する。
【0031】
監視カメラ11は、GPSセンサ13及び検知センサ14によって信号(情報)が検出・検知されたことに基づいて、後述のカメラ起動指示手段321からの起動信号を受信して撮影を開始する。
これにより、監視カメラ11は、常に撮影を行う必要がなく、電力消費の低減が可能であり、記録部15の記憶容量を圧迫することがない。
なお、本実施形態では、検知センサ14をカメラユニット10に設けたが、パネルユニット20における照度センサ23と同じ監視装置1の頂部に設けることで、より広範囲を監視して、防犯性を高めることもできる。
【0032】
(人感センサ14a)
人感センサ14aは、人間の存在を被検知対象として検知するセンサであって、赤外線、可視光線、音波、超音波等を用いて、被検知対象から得られる光、音などの放射エネルギーの強さ、時間の長さ、物理量変化のスペクトル分布、放射源の位置・変位・分布の変化等に反応して作動する。
また、人感センサ14aは、被検知対象をより確実に検知するために複数設けてもよく、設置位置をカメラユニット10の最下端に限定するものではない。
【0033】
(炎検知センサ14b)
被検知対象を火災とした炎検知センサ14bは、所定検知範囲内の可燃物が燃える火災等の炎から放射される紫外線から赤外線に至る幅広い帯域の光線の色やゆらぎを検知するセンサであって、例えば、林道や海岸に設置された監視装置1の周囲で火事が起こった場合に、炎の色やゆらぎに反応して作動する。
これにより、炎検知センサ14bによって検知された例えば山火事等は、監視カメラ11が撮影を行うとともに、管理サーバSV及び携帯端末MPに情報が送信され、当該情報を確認した管理者(又はそれに準ずる者)が異常状態である不測の事態に速やかに対応することができる。
【0034】
(記録部15)
記録部15は、専用の読み取り装置に装着された着脱可能の記憶媒体であって、一定期間の撮影データを保存(記録)する。
記録部15によって撮影された撮影データは、管理者(又はそれに準ずる者)が管理者用パスワードを携帯端末MPに入力することで、カメラユニット10のケースカバー10aを開放可能とし、取り出すことができるものとする。
【0035】
(パネルユニット20)
図1及び
図2に示すように、パネルユニット20は、板状であって、支柱3の頂部に設け、太陽光等で発電を行うソーラーパネル21と、ソーラーパネル21を水平方向に回転させるパン駆動に回転させるパン駆動を可能とするパネル駆動部(モータ)22と、監視装置1の周囲の環境光の明暗を検出する照度センサ23と、照度センサ23の下部に設け、第2優先モードの場合に、報知作動が行われる警報器4とを備えている。
【0036】
(ソーラーパネル21/パネル駆動部22)
ソーラーパネル21は、複数の太陽電池の集合体であって、例えば1000×600mmの方形とし、パネル駆動部22によってパン駆動が可能である。
また、ソーラーパネル21は、太陽光等の光を効率よく得られるように、支柱3の頂部に設けたパネル駆動部22に傾斜するように取り付けられている。
【0037】
(照度センサ23)
照度センサ23は、監視装置1の頂部に設けられ、周囲の環境光の光量(明暗)を検知することにより、ソーラーパネル21を照射する光量を検出、つまりソーラーパネル21がより多くの発電が行われる最適な向きを検出する。この検出情報は、制御ユニット30のパネル制御部33に送信される。検出情報を受信したパネル制御部33は、ソーラーパネル21が最適な向きに駆動するための駆動信号(制御信号)をパネル駆動部22に送信し、これにより、ソーラーパネル21はパン駆動(水平方向の駆動)する。
これにより、太陽光等をより確実に得られるように追尾することができ、バッテリー31に効率よく蓄電できる。
【0038】
(警報器4)
警報器4は、ソーラーパネル21の上端中央であって、照度センサ23の下部に設けられ、不測の事態が起こった場合(本実施形態では後述の盗難に対応する第2優先モード)に、警告音が報知作動される。
なお、本実施形態では、警報器4は、パネルユニット20に設けたが、設置位置は、例えば、カメラユニット10における監視カメラ11の表面に設けることで、監視カメラ11のみが盗難に合った場合に、監視カメラ11の断線とともに警報が作動するようにしてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、第2優先モードの場合に報知作動が行われるようになっているが、その他転倒等の不測の事態にも、監視装置1が設置されている周囲にいる人間に、警告音として報知作動が行われるようにしてもよい。
さらに、警報器4を、スピーカー機能を有するものとし、管理サーバSV及び携帯端末MPを介して、管理者(又はそれに準ずる者)の音声を報知音としてもよい。これにより、不測の事態に適宜対応可能となる。
【0040】
(制御ユニット30)
図2に示すように、制御ユニット30は、ベース部2(
図1参照)内に、ソーラーパネル21によって得られた電力を蓄電するバッテリー31と、カメラユニット10を制御するカメラ制御部32と、パネルユニット20を制御するパネル制御部33と、カメラユニット10から制御ユニット30に送信された信号を判断する信号判断部34と、GPSセンサ13の初期設置時の初期設置座標値(緯度・経度)と、現在位置座標値(緯度・経度)との差分を検出する差分検出部35と、監視装置1に係るすべての情報(信号)を、インターネット40を介して、管理サーバSV及び携帯端末MPへ送信し、また管理サーバSV及び携帯端末MPからの指示(信号)を受信する通信制御部36とを備えている。以下の説明においては、監視装置1に係る情報(信号)は、通信制御部36を省略して説明する。
なお、監視装置1を運搬する際には、監視装置1の質量を軽くしておき、監視装置1を設置した後には、重くして移動を困難とするように、ベース部2に重りを取付可能としてもよい。
【0041】
(カメラ制御部32)
カメラ制御部32は、後述の信号判断部34から信号を受信し、当該信号に基づいて、監視カメラ11に撮影を開始するための起動信号(制御信号)を送信するカメラ起動指示手段321と、検知センサ14によって被検知対象が検知された場合には、カメラ駆動部12にパン・チルト駆動するための駆動信号(制御信号)をカメラ駆動部12に送信し、GPSセンサ13によって初期設置座標値と現在位置座標値との座標値の差分が検出された場合には、管理サーバSV及び携帯端末MPからのマニュアル監視作動開始信号に基づいて、管理サーバSV及び携帯端末MPからの駆動信号(監視作動開始信号)によってパン・チルト駆動可能とし、カメラ駆動部12にパン・チルト駆動するための駆動信号(マニュアル駆動信号、制御信号)をカメラ駆動部12に送信し、被検知対象を追尾するカメラ駆動手段322とを備えている。
また、パネル制御部33は、信号判断部34によって判断された第2優先モードに基づいて、警報器4に報知作動信号を送信し、警報器4が報知作動を行うようにしてある。
【0042】
(パネル制御部33)
パネル制御部(パネル駆動手段)33は、照度センサ23によって検知・検出された周囲の環境光の明暗に基づいて、パネル駆動部22にパン駆動するための駆動信号(制御信号)を送信し、パネル駆動部22を駆動させ、ソーラーパネル21がより電力を得られるように最適な方向に向けて移動させる構成としてある。
また、本実施形態では、パネル制御部33が、警報器4の報知作動処理を行う。
【0043】
(信号判断部34)
信号判断部34は、カメラユニット10から制御ユニット30に送信された信号を、GPSセンサ13、人感センサ14a、及び炎検知センサ14bのいずれかから送信された信号であるかを判断する構成とする。
信号判断部34は、判断した結果情報(後述の第1優先モード〜第4優先モード、及び待機モード(通常モード))を、通信制御部36を介して、外部の管理サーバSV及び携帯端末MPに送信し、かつカメラ制御部32、及びパネル制御部33にも、合わせて送信する。
【0044】
本実施形態では、異常状態である不測の事態を「盗難及び転倒」と定義し、監視装置1の所定検知範囲内の進入者の存在を検知したことで処理される第1優先モード、監視装置1自体が進入者によって移動させられ(例えば盗難)、監視装置1が持ち運ばれたことで、監視装置1の本体が人為的に移動させられた異常状態の可能性が高いと処理される第2優先モード(不測の事態)、監視装置1が強風等により転倒したことで、監視装置1の本体が自然現象で転倒させられた異常状態の可能性が高いと処理される第3優先モード(不測の事態)、監視装置1の所定検知範囲内の可燃物が燃えることで火災を検知したことで処理される第4優先モード、及び第1優先モード〜第4優先モードのいずれの状態にも該当しない待機モード(通常モード)を、信号判断部34によって判断するものとする。
当該優先モードを信号判断部34において判断することにより、判断後の処理を適宜変更することができる。
【0045】
以下、
図3を参照して、信号判断部34によって行われる処理の流れを説明する。
信号判断部34は、カメラユニット10における差分検出部35を介してのGPSセンサ13の差分信号、及び検知センサ14(人感センサ14a、炎検知センサ14b)の検知信号を受信し、当該各信号の検出があった場合(S500でYES)、いずれかの信号であるか信号判断処理を行う(S510)。
【0046】
(第1優先モード)
信号判断部34は、現在、第1優先モード中ではなく(S520でNO)、かつ受信した信号が、人感センサ14aからの所定検知範囲内に進入者有りと検知した検知信号であった場合(S530でYES)、第1優先モードと判断し(S531)、第1優先モードであることをカメラ制御部32と、管理サーバSV及び携帯端末MPに送信する。
図4においては省略してあるが、優先モードの信号は、原則、カメラ制御部32、パネル制御部33、管理サーバSV及び携帯端末MPに送信するものとする。つまり、信号判断部34が、信号判断処理を行った際は、カメラ制御部32、パネル制御部33、管理サーバSV及び携帯端末MPに優先モード信号を送信する。
【0047】
(第2優先モード)
信号判断部34は、現在、第1優先モード中であって(S520YES)、かつ受信した信号が、GPSセンサ13に基づいた差分検出部35からの差分信号であった場合(S540でYES)、第2優先モード(不測の事態)と判断し(S541)、第2優先モード(不測の事態)であることを、カメラ制御部32、パネル制御部33、管理サーバSV及び携帯端末MPに送信する。
ここで、差分信号でなかった場合(S540でNO)は、単に第1優先モード中であることを示す。また、第1優先モード中に、更に監視装置1の所定検知範囲内に進入者があった場合が考えられる。
【0048】
(第3優先モード)
信号判断部34は、現在、第1優先モード中ではなく(S520でNO)、かつ受信した信号が、人感センサ14aからの検知信号でもなく(S530でNO)、GPSセンサ13に基づいた差分信号からの信号であった場合(S550でYES)、第3優先モード(不測の事態)と判断し(S551)、第3優先モード(不測の事態)であることをカメラ制御部32、パネル制御部33、管理サーバSV及び携帯端末MPに送信する。
人感センサ14aからの検知信号がないということは、所定検知範囲内に被検知対象である進入者の存在がないという検知信号を受信したことを示す。
【0049】
(第4優先モード)
信号判断部34は、現在、第1優先モード中ではなく(S520でNO)、かつ受信した信号が、人感センサ14aからの検知信号でもなく(S530でNO)、GPSセンサ13に基づいた差分信号からの信号でもなかった場合(S550でNO)、第4優先モードと判断し(S561)、第4優先モードであることをカメラ制御部32、パネル制御部33、管理サーバSV及び携帯端末MPに送信する。
【0050】
(待機モード)
上述の第1優先モード〜第4優先モードのいずれの処理もされていない状態、つまり、検知センサ14(人感センサ13a、炎検知センサ14b)が所定検知範囲内に、被検知対象(人間、火災)を検知したことによる検知信号、又はGPSセンサ13によって検知されている現在位置座標値と、監視装置1を任意の位置に設置した初期設置座標値との差分が生じたことにより検出された差分信号が、信号判断部34に送信されるまでの状態を待機モード(通常モード)とする。
当該待機モードでは、制御ユニット30内のカメラ制御部32がカメラユニット10に起動信号や駆動信号等を送信することはなく、またパネル制御部33がパネルユニット20に駆動信号や作動信号等を送信することはないので、電力消費を低減できる。
【0051】
(差分検出部35)
差分検出部35は、初期設置時に、GPSセンサ13によって検出されたGPSセンサ13の初期設置座標値を記憶する記憶手段351と、当該記憶手段351によって記憶された初期設置座標値、及びGPSセンサ13によって常時取得される現在位置座標値の座標値の差分を検出する差分検出手段352とを備えている。
また、差分検出手段352は、差分を検出次第、信号判断部34に差分信号を送信する。
【0052】
(監視装置1の主要な処理の流れ)
次に、
図4〜6を参照して、不測の事態が発生した際の監視装置1の主要な処理の流れを説明する。
【0053】
(監視装置1の初期設置)
図4を参照して、監視装置1の初期設置に係る処理の流れを説明する。
管理者(又はそれに準ずる者、例えば設置作業を行う作業者)が、監視装置1を任意の位置に設置し、管理サーバSV及び携帯端末MPに、監視装置1を初期化するための初期設置操作を行うことに基づいて(M100)、管理者(又はそれに準ずる者)によって操作が行われた管理サーバSV及び携帯端末MPは、差分検出部35の記憶手段351に初期設置座標値記憶要求信号を送信する(M110)。
なお、携帯端末MPは、管理用アプリ等をインストールすることで、管理者(又はそれに準ずる者)の操作によって制御ユニット30を直接的、又は間接的(管理サーバSVを介して)に制御することができる。
【0054】
GPSセンサ13は、常時、現在位置座標値(現在位置情報)を検出し(M120)、現在位置座標値信号を差分検出部35に送信している(M121)。
記憶手段351は、初期設置座標値要求信号に基づいて、GPSセンサ13からの現在位置座標値である初期設置座標値を記憶する(M130)。つまり、この初期設置座標値が監視装置1の初期設置座標値となる。
差分検出手段352は、記憶手段351によって記憶された初期設置座標値と、常時検知している現在位置座標値との差分を求める際に、記憶手段351に記憶された初期設置座標値を参照する(M131)。
【0055】
初期設置後、監視装置1は、被検知対象の存在有りと検知した検知信号、又はGPSセンサ13の信号に基づく差分信号の検知、又は検出がなされるまで待機モードとなる。
【0056】
(地磁気センサ)
また、監視装置1を任意の位置に初期設置作業が行われる際に、監視装置1の自動制御の中心をなす正面を向く(最適な方向)、例えば南方向を確実に向くように、監視装置1に地磁気センサ(図示省略)を設ける。
地磁気センサによって検出された地磁気に基づいて、制御ユニット30が駆動モータ3bを駆動し、ソーラーパネル21が最適な方向を向くように駆動制御する。
これにより、初期設置の際の調整作業が不要となり、設置作業を行う作業者が管理者等の専門の知識や能力を有する必要はなく、作業速度があがるとともに、作業の効率化を図ることができる。
【0057】
(監視装置1の第1優先モード)
図4を参照して、監視装置1の所定検知範囲内に進入者が進入した場合における処理の流れを説明する。
被検知対象である進入者が、監視装置1の所定検知範囲(例えば、監視装置1を中心とした半径3m)内に進入した場合、人感センサ14a(
図4における検知センサ14)は、進入者(被検知対象)の存在有りと検知するとともに(M200)、信号判断部34に、進入者の存在有りと検知した検知信号を送信する(M201)。
検知信号を受信した信号判断部34は、検知信号について信号判断処理を行う(M210)。
【0058】
信号判断処理の結果、信号判断部34は、第1優先モードであると判断し(
図3参照)、管理サーバSV及び携帯端末MPに、第1優先モード信号を送信するとともに(M211)、カメラ制御部32に、第1優先モード信号を送信する(M212)。 この時、パネル制御部33にも、第1優先モード信号を送信しているが、本実施形態では、第1優先モード信号を受信したパネル制御部33は、駆動処理等を行わないため、省略している。
【0059】
第1優先モード信号を受信したカメラ制御部32は、起動及び駆動処理を行い(M220)、監視カメラ11に起動信号(制御信号)を送信するとともに(M221)、カメラ駆動部12に駆動信号(制御信号)を送信する(M222)。
【0060】
起動信号を受信した監視カメラ11は、進入者の撮影を開始し(M230)、管理サーバSV及び携帯端末MPに、撮影データを送信するとともに(M231)、記録部15に、撮影データを送信する(M232)。
撮影データを受信した記録部15は、撮影データの記録を開始する(M240)。同様に、撮影データを受信した管理サーバSVは、記録装置SV5に記録を開始する。
【0061】
この時、監視カメラ11は、人感センサ14aによる進入者の存在ありと検知した検知信号に基づいて、カメラ駆動部12が進入者を追尾するようにパン・チルト駆動を行う(M250)。これにより、確実に進入者を撮影することができる。
【0062】
その後、進入者が、監視装置1の所定検知範囲内(つまり、人感センサ14aの所定検知範囲内)から消失(所定検知範囲外へ脱出)した場合、検知センサ14は、被検知対象(進入者)に対して非検知となる(M207)。
非検知とは、言い換えると検知センサ14が所定検知範囲内に被検知対象の存在なしと検知したことを示す。
【0063】
信号判断部34は、人感センサ14aが進入者の存在ありと検知した検知信号が送信されなくなったことに基づいて(言い換えると、人感センサ14aが進入者の存在無しと検知した検知信号を受信したことに基づいて)、待機モードであると判断し(M260)、管理サーバSV及び携帯端末MPに、待機モード信号を送信するとともに(M261)、カメラ制御部32に、待機モード信号を送信する(M262)。
【0064】
待機モード信号を受信したカメラ制御部32は、監視カメラ11及びカメラ駆動部12に係る停止処理を行い(M270)、監視カメラ11に停止信号を送信するとともに(M271)、カメラ駆動部12に停止信号を送信する(M272)。
【0065】
停止信号を受信した監視カメラ11は、撮影を停止し(M280)、管理サーバSV及び携帯端末MPへ撮影データの送信を停止する(停止信号付撮影データの送信)とともに(M281)、記録部15へ撮影データの送信を停止する(停止信号付撮影データの送信)(M282)。
これにより、記録部15は、撮影データの記録を停止する(M247)。
【0066】
監視カメラ11の撮影停止に合わせて、カメラ制御部32から停止信号を受信したカメラ駆動部12は、進入者を追尾するパン・チルト駆動を停止する(M257)。これにより、監視装置1は、待機モードとなり、電力消費を抑えることができる。
【0067】
(監視装置1の第2優先モード)
次に、
図5を参照して、監視装置1が盗難された場合における処理の流れを説明する。
本実施形態の第2優先モードは、監視装置1の所定検知範囲内に進入者が進入し、進入者が監視装置1に接近するとともに、監視装置1を持ち運んだことにより、盗難が行われたと想定し説明を行う。
そのため、前述の第1優先モードで人感センサ14aが、所定検知範囲内に被検知対象(進入者)の存在有りと検知した(M200)旨の説明は省略し、存在有りと検知後、監視装置1が移動させられたことに基づいて、以下説明を行う。
【0068】
進入者が、監視装置1を持ち運ぶことにより、GPSセンサ13が任意の位置に初期設置を行った初期設置座標値から移動し、常時、現在位置座標値を検出している(M300)GPSセンサ13から差分検出部35に現在位置座標値信号(現在位置情報)が送信され(M301)、現在位置座標値信号を受信した差分検出部35は、初期設置座標値と現在位置座標値との差分を検出し(M302)、差分信号を信号判断部34に送信する(M303)。
差分信号を受信した信号判断部34は、差分信号について信号判断処理を行う(M310)。
【0069】
信号判断処理の結果、信号判断部34は、第2優先モードであると判断し(
図3参照)、管理サーバSV及び携帯端末MPに、第2優先モード信号を送信するともに(M311)、カメラ制御部32に、第2優先モード信号を送信し(M312)、パネル制御部33に、第2優先モード信号を送信する(M313)。
【0070】
第2優先モード信号を受信したカメラ制御部32は、現在、第1優先モード中であるため、監視カメラ11は既に進入者の撮影を開始しており、監視カメラ11に起動信号(制御信号)を送信する(M221)ことなく、カメラ駆動部12に駆動信号(制御信号)を送信する(M222)こともない。
さらに、監視カメラ11によって撮影された撮影データは、既に管理サーバSV及び携帯端末MPと記録部15とに送信され(M231、M232)、記録を開始している(M240)。
【0071】
第2優先モード信号を受信したパネル制御部33は、報知作動処理を行い(M314)、警報器4に報知作動信号を送信する(M315)。
報知作動信号を受信した警報器4は、監視装置1が設置されている周囲に警告音を報知する報知作動を行う(M316)。
【0072】
また、第2優先モード信号を受信したパネル制御部33は、パン駆動停止処理を行い(M317)、パネル駆動部22に停止信号を送信する(M318)。
停止信号を受信したパネル駆動部22は、ソーラーパネル21の自動駆動(太陽光等追尾作動)の停止作動を行う(M319)。
このように、不測の事態である異常状態において、不要な機能を停止することにより、電力の低減ができる。
【0073】
第2優先モード信号を受信した管理サーバSV及び携帯端末MPは、第1表示画面SV1及び第2表示画面MP1に当該情報を表示する。当該情報を確認した管理者(又はそれに準ずる者)は、管理サーバSV及び携帯端末MPに対して、手動でのマニュアル監視操作が可能となるように、遠隔操作が可能となるように切り替えるため、マニュアル操作スイッチ(図示省略)がオンとなるように、動作処理を行う(M330)。
【0074】
マニュアル監視操作がなされた管理サーバSV及び携帯端末MPは、マニュアル監視作動処理を行い(M331)、カメラ制御部32に監視作動開始信号(監視作動開始指示)を送信する(M332)。
【0075】
進入者を追尾するようにパン・チルト駆動処理を行っていた(M220)カメラ制御部32は、監視作動開始信号を受信したことに基づいて、パン・チルト駆動のマニュアル操作開始処理を行い(M340)、カメラ駆動部12にマニュアル駆動信号を送信する(M341)。
これにより、カメラ駆動部12に対して、マニュアルで操作することが可能となる。
【0076】
マニュアル駆動信号を受信したカメラ駆動部12は、管理者(又はそれに準ずる者)の手動でのマニュアル操作に基づいて進入者を追尾するようにマニュアル駆動を開始する(M342)。
【0077】
その後、進入者が、監視装置1の所定検知範囲内(つまり、人感センサ14aの所定検知範囲内)から消失(所定検知範囲外へ脱出)した場合、検知センサ14は、被検知対象(進入者)に対して非検知となる(M208)。
信号判断部34は、人感センサ14aが進入者の存在有りと検知した検知信号が送信されなかったことに基づいて(言い換えると、人感センサ14aが進入者の存在無しと検知した検知信号を受信したことに基づいて)、信号判断処理を行い(M320)、第1優先モードであるならば、カメラ制御部32、管理サーバSV及び携帯端末MPに待機モードである旨信号を送信するが、第2優先モード中であるため、カメラ制御部32、パネル制御部33、管理サーバSV及び携帯端末MPに信号を送信することはない。
【0078】
進入者の消失を確認した管理者(又はそれに準ずる者)は、管理サーバSV及び携帯端末MPに対して、手動でのマニュアル監視操作を停止するように、遠隔操作が不能となるように切り替えるため、マニュアル操作スイッチ(図示省略)がオフとなるように、オフ動作処理を行う(M350)。
また、進入者が監視装置1の所定検知範囲内から消失しない場合であっても、管理者(又はそれに準ずる者)が管理サーバSV及び携帯端末MPに対して、手動でのマニュアル監視操作を停止するように、マニュアル操作スイッチ(図示省略)がオフとなるように、オフ動作処理が可能である。
【0079】
手動でのマニュアル監視操作の停止となった管理サーバSV及び携帯端末MPは、マニュアル監視作動解除処理を行い(M351)、パネル制御部33に第2優先モード解除信号(第2優先モード解除指示)を送信するとともに(M352)、カメラ制御部32に監視作動停止信号(監視作動停止指示)を送信する(M353)。
第2優先モード解除信号、及び監視作動停止信号は、言い換えると、待機モード信号でもある。
【0080】
第2優先モード解除信号を受信したパネル制御部33は、パン駆動停止解除処理を行い(M354)、パネル駆動部22に停止解除信号を送信する(M355)。
停止解除信号を受信したパネル駆動部22は、ソーラーパネル21の停止解除、つまり自動駆動(太陽光等追尾作動)の開始作動を行う(M356)。
【0081】
さらに、第2優先モード解除信号を受信したパネル制御部33は、報知停止処理を行い(M357)、警報器4に報知作動停止信号を送信する(M358)。
報知作動停止信号を受信した警報器4は、監視装置1が設置されている周囲に警告音を報知していた報知作動の報知停止を行う(M359)。
【0082】
監視作動停止信号を受信したカメラ制御部32は、パン・チルト駆動のマニュアル操作停止処理を行い(M360)、カメラ駆動部12にマニュアル駆動停止信号、つまり自動追尾開始信号を送信する(M361)。
マニュアル駆動停止信号を受信したカメラ駆動部12は、マニュアル駆動を停止する(M362)。
これにより、カメラ駆動部12は、上述のように、人感センサ14aの検知信号に基づいて進入者を追尾可能となる。
【0083】
監視作動停止信号を受信したカメラ制御部32は、監視カメラ停止処理を行い(M370)、監視カメラ11に停止信号を送信する(M371)。
停止信号を受信した監視カメラ11は、撮影を停止し(M380)、管理サーバSV及び携帯端末MPへ撮影データの送信を停止する(停止信号付撮影データの送信)とともに(M381)、記録部15へ撮影データの送信を停止する(停止信号付撮影データの送信)(M382)。記録部15は、撮影データの記録を停止する(M248)。
これにより、監視装置1は待機モードとなり、電力消費を抑えることができる。
【0084】
なお、管理者(又はそれに準ずる者)は、常に監視装置1の現在位置座標値(現在位置情報)を管理サーバSV及び携帯端末MPを介して取得可能とすることにより、不測の事態(ここでは、盗難)に確実に対応することができる。
【0085】
(監視装置1の第3優先モード)
次に、
図6を参照して、監視装置1が万一転倒した場合における処理の流れについて説明する。
監視装置1が強風等によって転倒した場合、監視装置1は、期設置位置から移動、つまりGPSセンサ13が初期設置座標値から移動する(
図7における距離L1)。
GPSセンサ13は、常時、現在位置座標値(現在位置情報)を検出し(M400)、現在位置座標値(現在位置情報)を差分検出部35に送信している(M401)。現在位置座標値を受信した差分検出部35は、任意の位置に初期設置した際の初期設置座標値と現在位置座標値との差分を検出し(M402)、差分信号を信号判断部34送信する(M403)。
差分信号を受信した信号判断部34は、差分信号について信号判断処理を行う(M410)。
【0086】
信号判断処理の結果、信号判断部34は、第3優先モードであると判断し(
図3参照)、管理サーバSV及び携帯端末MPに、第3優先モード信号を送信するとともに(M411)、カメラ制御部32に、第3優先モード信号を送信し(M412)、パネル制御部33に、第3優先モード信号を送信する(M413)。
【0087】
第3優先モード信号を受信したパネル制御部33は、パン駆動停止処理を行い(M414)、パネル駆動部22に停止信号を送信する(M415)。
停止信号を受信したパネル駆動部22は、ソーラーパネル21の自動駆動(太陽光等追尾作動)の停止作動を行う(M416)。
【0088】
第3優先モード信号を受信したカメラ制御部32は、起動処理を行い(420)、監視カメラ11に起動信号(制御信号)を送信する(M421)。
起動信号を受信した監視カメラ11は、監視装置1の周囲の撮影を開始し(M430)、管理サーバSV及び携帯端末MPに、撮影データを送信するとともに(M431)、記録部15に、撮影データを送信する(M432)。
撮影データを受信した記録部15は、撮影データの記録を開始する(M440)。
【0089】
第3優先モード信号を受信した管理サーバSV及び携帯端末MPは、第1表示画面SV1及び第2表示画面MP1に当該情報を表示する。当該情報を確認した管理者(又はそれに準ずる者)は、管理サーバSV及び携帯端末MPに対して、マニュアル監視操作を可能とするべく、遠隔操作が可能となるように切り替えるため、マニュアル操作スイッチ(図示省略)がオンとなるように、動作処理を行う(M450)。
【0090】
マニュアル監視操作がなされた管理サーバSV及び携帯端末MPは、マニュアル監視作動処理を行い(M451)、カメラ制御部32に監視作動開始信号(監視作動開始指示)を送信する(M452)。
監視作動開始信号を受信したカメラ制御部32は、管理サーバSV及び携帯端末MPからの駆動操作によってパン・チルト駆動が可能となるように、パン・チルト駆動のマニュアル操作開始処理を行い(M453)、カメラ駆動部12にマニュアル駆動信号を送信する(M454)。
これにより、カメラ駆動部12に対して、マニュアルで操作することが可能となる。
【0091】
マニュアル駆動信号を受信したカメラ駆動部12は、管理者(又はそれに準ずる者)の手動でのマニュアル操作に基づいて、監視装置1の周囲を監視するように、マニュアル駆動を開始する(M455)。
【0092】
その後、監視装置1の周囲を確認した管理者(又はそれに準ずる者)は、管理サーバSV及び携帯端末MPに対して、マニュアル監視操作を停止するように、マニュアル操作スイッチ(図示省略)がオフとなるように、オフ動作処理を行う(M460)。
【0093】
手動でのマニュアル監視操作の停止となった管理サーバSV及び携帯端末MPは、マニュアル監視作動解除処理を行い(M461)、パネル制御部33に第3優先モード解除信号(第3優先モード解除指示)を送信するとともに(M462)、カメラ制御部32に監視作動停止信号(監視作動停止指示)を送信する(M463)。
第3優先モード解除信号、及び監視作業停止信号は、言い換えると、待機モード信号でもある。
【0094】
第3優先モード解除信号を受信したパネル制御部33は、パン駆動停止解除処理を行い(M464)、パネル駆動部22に停止解除信号を送信する(M465)。
停止解除信号を受信したパネル駆動部22は、ソーラーパネル21の停止解除、つまり自動駆動(太陽光等追尾作動)の開始作業を行う(M466)。
【0095】
監視作動停止信号を受信したカメラ制御部32は、パン・チルト駆動のマニュアル操作停止処理を行い(M470)、カメラ駆動部12にマニュアル駆動停止信号、つまり自動追尾開始信号を送信する(M471)。
マニュアル駆動停止信号を受信したカメラ駆動部12は、マニュアル駆動を停止する(M472)。
これにより、カメラ駆動部12は、上述のように、人感センサ14aの検知信号に基づいて進入者を追尾可能となる。
【0096】
監視作動停止信号を受信したカメラ制御部32は、監視カメラ停止処理を行い(M480)、監視カメラ11に停止信号を送信する(M481)。
停止信号を受信した監視カメラ11は、撮影を停止し(M490)、管理サーバSV及び携帯端末MPへ撮影データの送信を停止する(停止信号付撮影データの送信)とともに(M491)、記録部15へ撮影データの送信を停止する停止信号付撮影データの送信)(M492)。記録部15は、撮影データの記録を停止する(M449)。
これにより、監視装置1は、待機モードとなり、電力消費を抑えることができる。
【0097】
(監視装置1の第4優先モード)
次に、監視装置1の所定検知範囲内に被検知対象である炎を検知した場合における処理の流れを説明する。
被検知対象である炎が、監視装置1の所定検知範囲(例えば、監視装置1を中心とした半径10m)内で発生した場合、炎検知センサ14b(
図4における検知センサ14)は、所定検知範囲内に被検知対象(炎)の存在有りと検知するとともに(M200)、信号判断部34に、存在有りと検知信号を送信する(M201)。
存在有りと検知信号を受信した信号判断部34は、検知信号について信号判断処理を行う(M210)(
図4参照)。
【0098】
信号判断処理の結果、信号判断部34は、第4優先モードであると判断し(
図3参照)、カメラ制御部32、パネル制御部33、管理サーバSV及び携帯端末MPに、第4優先モード信号を送信する。
【0099】
検知センサ14による検知信号を第4優先モードと判断した後は、
図6に示す第3優先モードと同様の処理の流れとなるため、説明を省略する。
【0100】
以上により、監視装置1は、自由に様々な場所に設置することが容易であって、通常の監視装置のように所定検知範囲内に人間が進入した際に検知可能な第1優先モード、及び被検知対象を火災とした第4優先モードに対応可能であるとともに、不測の事態(異常状態)である「盗難、及び転倒」に対応した第2優先モード、及び第3優先モードを設けることにより、不測の事態を含む様々な状況に迅速に対応可能である。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような変更を施すことが可能である。
(1)設置場所の環境や用途に合わせて、検知センサ14を、必要なセンサ(例えば、放射能検知センサ)を適宜取り付けることとし、その他不測の事態にも対応可能とする。
検知センサ14を、放射能検知センサとした場合、例えば放射能が使用されている工場等の監視を目的とし放射能有りと検知した際は、管理サーバSV及び携帯端末MPを介して管理者(又はそれに準ずる者)に当該情報が送信され、迅速に対応可能となる。
【0102】
(2)管理サーバSV及び携帯端末MPは、制御ユニット30からの情報(信号)を制御(処理)するためのものであるので、いずれか一方のみ設けることとしてもよい。
【0103】
(3)本実施形態においては、監視装置1に係るすべての情報(信号)は、通信制御部36を介して(説明省略)管理サーバSV及び携帯端末MPのいずれにも送信しているが、管理サーバSVのみに情報(信号)を送信してもよく、また携帯端末MPのみに情報(信号)を送信してもよい。
監視装置1に対しても、管理サーバSV及び携帯端末MPから送信する必要はなく、管理サーバSVからのみの指示(信号)を受信してもよく、同様に、携帯端末MPからのみの指示(信号)を受信することで、処理が行われてもよい。
つまり、適宜設定によって、監視装置1、管理サーバSV、及び携帯端末MPのいずれの組み合わせによっても信号のやり取りが可能とする。
【0104】
(4)
図7に示すように、監視装置1の支柱3に、上下方向に間隔をおいて、GPSセンサ13及び副GPSセンサ131の2つ設け、例えば、不測の事態である転倒の際、GPSセンサ13及び副GPSセンサ131の各々の現在位置座標値の差分(距離L2)を検出することにより、転倒を検出してもよい。
任意の位置に設置可能な監視装置1において、被検知対象を撮影可能な監視カメラ11と、所定検知範囲内の被検知対象の有無を検知する検知センサ14と、自らの現在位置座標値を取得するGPSセンサ13と、検知センサ14からの検知信号、及び現在位置座標値信号を受信し処理を行い、監視カメラ11に制御信号を送信する制御ユニット30と、制御ユニット30は、任意の位置に設置した際の初期設置座標値を記憶するとともに、前記被検知対象の存在有りと検知した検知信号を受信し、かつ初期設置座標値と現在位置座標値との差分が生じたことに基づいて、本体が、人為的に移動させられた異常状態の可能性が高いと判断し、外部へ送信するように構成されている。