(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0018】
(1)本発明の実施の形態に係る電力計測装置は、電力計測部と、通信相手である対象装置と無線通信を行い、前記電力計測部による計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能な通信部とを備え、前記通信部は、他の装置を介さずに前記対象装置と通信を行なう第1動作と、前記電力計測装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継、および他の装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継を並行して行なうことが可能な中継装置を介して前記対象装置と通信を行なう第2動作とを行なうことが可能である。
【0019】
このように、対象装置と直接通信する動作と中継装置を介して対象装置と通信する動作とを実行可能な構成により、これら2つの動作を用いて各種情報の取得および柔軟な通信ネットワークの構築を容易に実現することができる。たとえば、有線接続部、液晶画面、およびメモリ接続部等の設定用のインタフェースを設けることなく、無線ネットワークへの接続を可能とすることができる。したがって、本発明の実施の形態に係る電力計測装置では、簡易な構成で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0020】
(2)好ましくは、前記通信部は、前記第1動作において、前記中継装置に関する設定情報を前記対象装置から受信し、前記設定情報を用いて前記第2動作を行なう。
【0021】
このような構成により、対象装置と直接通信する動作において、たとえば中継装置との無線通信を行なうために必要な情報を対象装置から取得することができるため、簡易な処理で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0022】
(3)好ましくは、前記電力計測装置は、さらに、前記第1動作および前記第2動作を切り替えるための操作部を備え、前記通信部は、前記第1動作を行なっている状態において、前記操作部に対して第1の操作が行われると、前記第1動作を停止して前記第2動作を開始し、前記第2動作を行なっている状態において、前記操作部に対して第2の操作が行われると、前記第2動作を停止して前記第1動作を開始する。
【0023】
このように、第1動作および第2動作を切り替えるための操作部を設ける構成により、たとえば、対象装置から電力計測装置に提供した設定情報に誤りがあった場合でも、第2動作から第1動作への手動切り替えが可能になることから、電力計測装置がどの装置とも通信不能となる状況を回避することができる。
【0024】
(4)本発明の実施の形態に係る電力計測システムは、電力計測装置と、対象装置とを備え、前記電力計測装置は、前記対象装置と無線通信を行い、電力の計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能であり、前記電力計測装置は、他の装置を介さずに前記対象装置と無線通信を行なうことが可能であり、前記対象装置は、他の装置を介さずに前記電力計測装置と無線通信を行なっている状態において、前記電力計測装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継、および他の装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継を並行して行なうことが可能な中継装置に関する設定情報を前記電力計測装置へ送信し、前記電力計測装置は、前記対象装置から受信した前記設定情報を用いることにより、前記中継装置を介して前記対象装置と通信を行なう。
【0025】
このように、電力計測装置が、対象装置と直接通信する動作と中継装置を介して対象装置と通信する動作とを実行可能な構成により、これら2つの動作を用いて各種情報の取得および柔軟な通信ネットワークの構築を容易に実現することができる。たとえば、有線接続部、液晶画面、およびメモリ接続部等の設定用のインタフェースを設けることなく、無線ネットワークへの接続を可能とすることができる。したがって、本発明の実施の形態に係る電力計測システムでは、簡易な構成で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0026】
(5)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、電力計測装置と、対象装置とを備える電力計測システムにおける通信制御方法であって、前記電力計測装置は、前記対象装置と無線通信を行い、電力の計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能であり、前記電力計測装置が、他の装置を介さずに前記対象装置と無線通信を行なうステップと、前記対象装置が、他の装置を介さずに前記電力計測装置と無線通信を行なっている状態において、前記電力計測装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継、および他の装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継を並行して行なうことが可能な中継装置に関する設定情報を前記電力計測装置へ送信するステップと、前記電力計測装置が、前記対象装置から受信した前記設定情報を用いることにより、前記中継装置を介して前記対象装置と通信を行なうステップとを含む。
【0027】
このように、電力計測装置が、対象装置と直接通信する動作と中継装置を介して対象装置と通信する動作とを実行可能な構成により、これら2つの動作を用いて各種情報の取得および柔軟な通信ネットワークの構築を容易に実現することができる。たとえば、有線接続部、液晶画面、およびメモリ接続部等の設定用のインタフェースを設けることなく、無線ネットワークへの接続を可能とすることができる。したがって、本発明の実施の形態に係る通信制御方法では、簡易な構成で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0028】
(6)本発明の実施の形態に係る通信制御プログラムは、通信相手である対象装置と無線通信を行い、電力の計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能な電力計測装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、他の装置を介さずに前記対象装置と通信を行なう第1動作を行なうステップと、前記電力計測装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継、および他の装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継を並行して行なうことが可能な中継装置を介して前記対象装置と通信を行なう第2動作を行なうステップとを実行させるためのプログラムである。
【0029】
このように、対象装置と直接通信する動作と中継装置を介して対象装置と通信する動作とを実行可能な構成により、これら2つの動作を用いて各種情報の取得および柔軟な通信ネットワークの構築を容易に実現することができる。たとえば、有線接続部、液晶画面、およびメモリ接続部等の設定用のインタフェースを設けることなく、無線ネットワークへの接続を可能とすることができる。したがって、本発明の実施の形態に係る通信制御プログラムでは、簡易な構成で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る電力計測システムの構成を示す図である。
【0031】
図1を参照して、電力計測システム301は、家庭内および職場内等の宅内に構築され、電力計測装置101と、無線LANルータ(中継装置)151と、PCS(パワーコンディショナ)162と、発電装置163と、CTセンサ164と、端末装置202とを備える。電力計測装置101は、電圧変換回路11と、演算処理部12と、通信部13と、記憶部14と、クロック回路15と、電源回路16と、操作部17とを備える。電圧変換回路11の一部または全部、および演算処理部12の一部または全部が、本発明の実施の形態に係る電力計測部に相当する。
【0032】
電力計測装置101は、たとえば、宅内における売買電力を計測するとともに、宅内における発電電力を計測する。そして、電力計測装置101は、たとえば、宅内における発電電力、消費電力および売買電力を示す計測情報を作成して保持する。また、電力計測装置101は、作成した計測情報を無線信号に含めて無線LANルータ151へ送信する。
【0033】
無線LANルータ151は、電力計測装置101から受信した無線信号に含まれる計測情報を再び無線信号に含めて端末装置202へ送信する。
【0034】
端末装置202は、無線LANルータ151経由で電力計測装置101から受信した計測情報を処理することにより、各種電力のグラフ表示、料金表示、および二酸化炭素の削減量の表示等を行なう。
【0035】
CTセンサ164は、分電盤166において、電力系統161に接続された電力線165を通して流れる電流を測定し、測定した電流値に応じた信号を電圧変換回路11へ出力する。
【0036】
発電装置163は、たとえば、太陽光発電装置であり、発電した直流電力をPCS162へ出力する。
【0037】
PCS162は、発電装置163から受けた直流電力を交流電力に変換して電力線165へ出力する。また、PCS162は、発電装置163の発電電力を測定し、測定結果を示す信号を演算処理部12へ出力する。
【0038】
電圧変換回路11は、CTセンサ164から受けた信号を、CTセンサ164によって測定された電流値に応じたレベルの電圧であって適切な範囲の電圧に変換して演算処理部12へ出力する。また、電圧変換回路11は、電力線165の電圧を適切な範囲の電圧に変換して演算処理部12へ出力する。
【0039】
演算処理部12は、たとえばCPU(Central Processing Unit)またはマイコンであり、各種演算処理および各ユニットの制御を行なう。たとえば、演算処理部12は、電圧変換回路11から受けた各電圧、およびPCS162から受けた信号に基づいて、宅内における発電電力、消費電力および売買電力を示す計測情報を作成して記憶部14に保存する。なお、計測情報は、電力を示す情報に限らず、電圧または電流等を示す情報であってもよい。記憶部14は、たとえばフラッシュメモリである。
【0040】
具体的には、発電装置163の発電量が大きく、発電装置163からPCS162および電力線165を介して電力系統161に電力が供給されている売電状態では、演算処理部12において売電力が算出される。また、発電装置163の発電量が足りず、電力系統161から電力線165を介して宅内に電力が供給されている状態では、演算処理部12において買電力が算出される。また、演算処理部12は、売電状態において、宅内の総消費電力=発電装置163の発電量−売電量と算出し、買電状態において、宅内の総消費電力=発電装置163の発電量+買電量と算出する。
【0041】
通信部13は、無線LANルータ151と無線信号を送受信することにより、無線LANルータ151を介して端末装置202と各種情報をやり取りする。
【0042】
より詳細には、演算処理部12は、各種情報を通信部13へ出力する。通信部13は、演算処理部12から受けた情報を含む無線信号を生成して無線LANルータ151経由で端末装置202へ送信する。
【0043】
また、通信部13は、無線LANルータ151から受信した無線信号に含まれる各種情報を取得し、取得した情報を演算処理部12へ出力する。
【0044】
具体的には、たとえば、通信部13は、無線LANルータ151から受信した無線信号に含まれる端末装置202からの電力情報要求を取得し、取得した電力情報要求を演算処理部12へ出力する。
【0045】
演算処理部12は、通信部13から電力情報要求を受けて、記憶部14から計測情報を取得し、取得した計測情報を通信部13へ出力する。
【0046】
通信部13は、演算処理部12から受けた計測情報を含む無線信号を生成して無線LANルータ151経由で端末装置202へ送信する。
【0047】
操作部17は、たとえばスイッチを含み、ユーザの操作に応じた操作信号を演算処理部12へ出力する。クロック回路15は、演算処理部12の動作クロックを生成して演算処理部12へ出力する。電源回路16は、電力計測装置101における各回路に電力を供給する。電源回路16は、たとえばPCS162から電力の供給を受ける。
【0048】
図2は、本発明の実施の形態に係る電力計測装置の動作モードの一例であるダイレクトモードを示す図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る電力計測装置の動作モードの一例であるルータモードを示す図である。
【0049】
電力計測装置101における通信部13(
図1参照)は、通信相手である対象装置たとえば端末装置202と無線通信を行い、電力計測部による計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能である。
【0050】
また、通信部13は、他の装置を介さずに端末装置202と通信を行なう第1動作と、無線LANルータ151を介して端末装置202と通信を行なう第2動作とを行なうことが可能である。通信部13は、たとえば演算処理部12からの指示に従い、第1動作および第2動作を切り替える。
【0051】
図2を参照して、第1動作の一例であるダイレクトモードにおいて、電力計測装置101は、無線LANのアクセスポイントすなわち親機として動作する。また、端末装置202は、無線LANの子機として動作する。すなわち、ダイレクトモードにおいて、電力計測装置101は、他の装置を介さずに端末装置202と通信可能である。
【0052】
図3を参照して、第2動作の一例であるルータモードにおいて、電力計測装置101は、無線LANの子機として動作する。また、端末装置202は、無線LANの子機として動作する。すなわち、ルータモードにおいて、電力計測装置101は、前述のように、無線LANの親機である無線LANルータ151を介して端末装置202と通信可能である。
【0053】
ルータモードにおいて、無線LANルータ151は、たとえば、PC172および外部ネットワーク171間で送受信される情報の中継、端末装置202および外部ネットワーク171間で送受信される情報の中継、ならびに電力計測装置101および端末装置202間で送受信される情報の中継を並行して行なうことが可能である。なお、このような通信機能を有する装置であればよく、無線LANルータには限定されない。
【0054】
電力計測装置101がルータモードで動作することにより、端末装置202は、電力計測装置101だけでなく、無線LANルータ151を介して他の装置と各種通信を並行して行なうことができる。
【0055】
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る電力計測システムにおける計測情報の伝送動作について説明する。
【0056】
電力計測システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0057】
図4は、本発明の実施の形態に係る電力計測システムが計測情報を伝送する際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
【0058】
通信部13は、第1動作において、無線LANルータ151に関する設定情報を端末装置202から受信し、当該設定情報を用いて第2動作を行なう。
【0059】
操作部17は、たとえば、第1動作および第2動作を切り替えるために設けられる。通信部13は、第1動作を行なっている状態において、操作部17に対して第1の操作が行われると、第1動作を停止して第2動作を開始し、第2動作を行なっている状態において、操作部17に対して第2の操作が行われると、第2動作を停止して第1動作を開始する。
【0060】
具体的には、
図4を参照して、まず、電力計測装置101は、ダイレクトモードで動作している、すなわち無線LANの親機として動作している状態である(ステップS1)。
【0061】
また、端末装置202は、たとえば、無線LANの子機として無線LANルータ151と通信接続を確立している状態であり、無線LANルータ151のSSIDおよびパスワード等の、無線LANルータ151と通信するための設定情報を保持している(ステップS2)。
【0062】
次に、端末装置202は、親機として動作する電力計測装置101のSSIDを検索する(ステップS3)。
【0063】
次に、端末装置202および電力計測装置101間でSSIDおよびパスワード等の各種情報が送受信されることにより、端末装置202および電力計測装置101間の通信接続が確立する(ステップS4)。このとき、端末装置202および無線LANルータ151間の通信接続は切断される。
【0064】
次に、端末装置202は、正しい時刻の計測情報を電力計測装置101から取得するために、時刻情報を電力計測装置101へ送信する(ステップS5)。
【0065】
次に、電力計測装置101は、端末装置202から受信した時刻情報に基づいて、自己の時計を設定する。電力計測装置101は、この時計を用いて、各種電力の測定結果と時刻とを対応付けた計測情報を作成する(ステップS6)。
【0066】
次に、端末装置202は、保持している設定情報を電力計測装置101へ送信する。なお、端末装置202は、設定情報を保持している構成(ステップS2)に限らず、ユーザが端末装置202に対して設定情報を入力する構成であってもよい(ステップS7)。
【0067】
次に、電力計測装置101は、端末装置202から受信した設定情報を記憶部14に保存する(ステップS8)。
【0068】
次に、ユーザが、たとえば操作部17のスイッチを切り替える。操作部17は、スイッチの切り替えを示す操作信号を演算処理部12へ出力する(ステップS9)。
【0069】
次に、電力計測装置101は、この操作信号により、ダイレクトモードからルータモードへ切り替える、すなわち親機の動作から子機の動作へ切り替える(ステップS10)。
【0070】
次に、電力計測装置101は、保持している設定情報を用いて、無線LANルータ151との間で各種情報を送受信することにより、無線LANルータ151との通信接続を確立する(ステップS11)。
【0071】
また、端末装置202は、電力計測装置101との通信接続が切断されるため、無線LANルータ151との間で各種情報を送受信することにより、無線LANルータ151との通信接続を再び確立する(ステップS12)。
【0072】
次に、端末装置202は、電力情報要求を無線LANルータ151経由で電力計測装置101へ送信する(ステップS13およびS14)。
【0073】
次に、電力計測装置101は、端末装置202から電力情報要求を受信して、計測情報を無線LANルータ151経由で端末装置202へ送信する(ステップS15およびS16)。
【0074】
次に、端末装置202は、電力計測装置101から受信した計測情報を処理することにより、各種電力のグラフ表示、料金表示、および二酸化炭素の削減量の表示等を行なう(ステップS17)。
【0075】
また、端末装置202は、たとえば、電力要求情報を電力計測装置101へ定期的に送信することにより、計測情報を定期的に受信し、各種電力表示を更新する。
なお、電力計測システム301は、端末装置202から電力計測装置101への時刻情報の送信(ステップS5)および電力計測装置101における時計の設定(ステップS6)を行なわない構成であってもよい。
【0076】
なお、設定情報は、無線LANルータ151との通信接続確立のための情報のみを含むものであってもよいし、通信接続確立後の情報の送受信に必要な情報のみを含むものであってもよいし、これらを両方含むものであってもよい。
【0077】
ところで、電力計測装置をたとえば無線LANのネットワークに接続する場合、SSIDおよびパスワード等の設定を電力計測装置に対して行なう必要がある。たとえば特許文献1および2に記載の技術を用いる場合、有線接続部、液晶画面、またはメモリ接続部等の設定用のインタフェースが電力計測装置において必要となってしまう。
【0078】
特に、電力計測装置は、計測用の配線が長くならないように、分電盤に近い位置に配置される場合が多い。このため、電力計測装置は、天井付近等のユーザが操作しづらい位置に配置される場合が多い。このような場合、PCおよびメモリ等を電力計測装置に接続するのは困難であり、また、高圧のかかる電力計測装置の蓋を一般のユーザが開ける等の作業も好ましくない。また、電力計測装置の接続設定は、頻繁に行なうものではなく、設置時にのみ行なう場合が多いため、設定入力のために各種接続部を設けることは、製造コストがかさみ、無駄が多い。
【0079】
これに対して、本発明の実施の形態に係る電力計測装置では、通信部13は、通信相手である対象装置たとえば端末装置202と無線通信を行い、電力計測部による計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能である。通信部13は、他の装置を介さずに端末装置202と通信を行なう第1動作と、無線LANルータ151を介して端末装置202と通信を行なう第2動作とを行なうことが可能である。
【0080】
このように、端末装置202と直接通信する動作と無線LANルータ151を介して端末装置202と通信する動作とを実行可能な構成により、これら2つの動作を用いて各種情報の取得および柔軟な通信ネットワークの構築を容易に実現することができる。たとえば、有線接続部、液晶画面、およびメモリ接続部等の設定用のインタフェースを設けることなく、無線ネットワークへの接続を可能とすることができる。
【0081】
したがって、本発明の実施の形態に係る電力計測装置では、簡易な構成で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0082】
また、本発明の実施の形態に係る電力計測装置では、通信部13は、第1動作において、無線LANルータ151に関する設定情報を端末装置202から受信し、当該設定情報を用いて第2動作を行なう。
【0083】
このような構成により、端末装置202と直接通信する動作において、たとえば無線LANルータ151との無線通信を行なうために必要な情報を端末装置202から取得することができるため、簡易な処理で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0084】
また、本発明の実施の形態に係る電力計測装置では、操作部17は、たとえば、第1動作および第2動作を切り替えるために設けられる。そして、通信部13は、第1動作を行なっている状態において、操作部17に対して第1の操作が行われると、第1動作を停止して第2動作を開始し、第2動作を行なっている状態において、操作部17に対して第2の操作が行われると、第2動作を停止して第1動作を開始する。
【0085】
このように、第1動作および第2動作を切り替えるための操作部17を設ける構成により、たとえば、端末装置202から電力計測装置101に提供した設定情報に誤りがあった場合でも、第2動作から第1動作への手動切り替えが可能になることから、電力計測装置101がどの装置とも通信不能となる状況を回避することができる。
【0086】
また、本発明の実施の形態に係る電力計測システムおよび通信制御方法では、まず、電力計測装置101が、他の装置を介さずに端末装置202と無線通信を行なう。次に、端末装置202が、他の装置を介さずに電力計測装置101と無線通信を行なっている状態において、無線LANルータ151に関する設定情報を電力計測装置101へ送信する。次に、電力計測装置101が、端末装置202から受信した設定情報を用いることにより、無線LANルータ151を介して端末装置202と通信を行なう。
【0087】
このように、電力計測装置101が、端末装置202と直接通信する動作と無線LANルータ151を介して端末装置202と通信する動作とを実行可能な構成により、これら2つの動作を用いて各種情報の取得および柔軟な通信ネットワークの構築を容易に実現することができる。たとえば、有線接続部、液晶画面、およびメモリ接続部等の設定用のインタフェースを設けることなく、無線ネットワークへの接続を可能とすることができる。
【0088】
したがって、本発明の実施の形態に係る電力計測システムおよび通信制御方法では、簡易な構成で無線ネットワークへの接続設定を行なうことができる。
【0089】
なお、本発明の実施の形態に係る電力計測システムは、無線LANシステムを用いた無線通信を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力計測システム301は、無線LANシステムの代わりに、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTEに従う移動体通信システム、およびWiMAX等、他の無線通信システムを用いた無線通信を行なう構成であってもよい。
【0090】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0091】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0092】
[付記1]
電力計測装置であって、
電力計測部と、
通信相手である対象装置と無線通信を行い、前記電力計測部による計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能な通信部とを備え、
前記通信部は、他の装置を介さずに前記対象装置と通信を行なう第1動作と、前記電力計測装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継、および他の装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継を並行して行なうことが可能な中継装置を介して前記対象装置と通信を行なう第2動作とを行なうことが可能であり、
前記中継装置はルータであり、
前記計測情報は、宅内における発電電力、消費電力および売買電力の少なくともいずれか1つを示す、電力計測装置。
【0093】
[付記2]
電力計測装置と、
対象装置とを備え、
前記電力計測装置は、前記対象装置と無線通信を行い、電力の計測結果に基づく計測情報を無線信号に含めて送信可能であり、
前記電力計測装置は、他の装置を介さずに前記対象装置と無線通信を行なうことが可能であり、
前記対象装置は、他の装置を介さずに前記電力計測装置と無線通信を行なっている状態において、前記電力計測装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継、および他の装置と前記対象装置との間で送受信される情報の中継を並行して行なうことが可能な中継装置に関する設定情報を前記電力計測装置へ送信し、
前記電力計測装置は、前記対象装置から受信した前記設定情報を用いることにより、前記中継装置を介して前記対象装置と通信を行い、
前記中継装置はルータであり、
前記計測情報は、宅内における発電電力、消費電力および売買電力の少なくともいずれか1つを示す、電力計測システム。