特許第6292006号(P6292006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6292006
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   H02M3/28 V
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-92592(P2014-92592)
(22)【出願日】2014年4月28日
(65)【公開番号】特開2014-220995(P2014-220995A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年11月24日
(31)【優先権主張番号】201310162805.1
(32)【優先日】2013年5月6日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ユエチン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ホンレー
【審査官】 東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−234178(JP,A)
【文献】 特開2001−238445(JP,A)
【文献】 特開2005−151681(JP,A)
【文献】 特開2006−149092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多出力端子を有する電源回路であって、
相互にカップリングされた複数の出力巻線を有するトランスを備え、
前記複数の出力巻線のうち少なくとも一対の出力巻線であって双方の巻線が同じ巻き数を有する部分の、同じ極同士の一端をコンデンサを介して接続し、他端を直接接続していることを特徴とする電源回路。
【請求項2】
請求項1記載の電源回路であって、
前記少なくとも一対の出力巻線の少なくとも一方を、中間タップまたは付加巻線の増設により他方の出力巻線と巻数を合致させることを特徴とする電源回路。
【請求項3】
請求項1記載の電源回路であって、
相互にカップリングされた少なくとも2つの出力巻線を備え、
該2つの出力巻線のそれぞれにおいて、巻き数が同じであり、かつ同極の部分から中間タップを引き出し、該2つの中間タップの間をコンデンサを介して接続することを特徴とする電源回路。
【請求項4】
請求項1記載の電源回路であって、
相互にカップリングされた第一出力巻線と、第二出力巻線と、第三出力巻線とを有するトランス、を備え、
前記第一出力巻線において、前記第二出力巻線または前記第三出力巻線のどちらか一方の出力巻線の巻き数と同数であり、かつ同極の部分から第一中間タップを引き出し、前記一方の出力巻線の同極部を第一のコンデンサを介して接続し、さらに、前記第二出力巻線または前記第三出力巻線の他方の出力巻線の巻き数と同数であり、かつ同極の部分から第二中間タップを引き出し、前記他方の出力巻線の同極部を第二のコンデンサを介して接続することを特徴とする電源回路。
【請求項5】
請求項1記載の電源回路であって、
相互にカップリングされた3つの出力巻線を有するトランスを備え、
該3つの出力巻線のそれぞれにおいて、互いの巻き数が同じであり、かつ同極の部分から中間タップを引き出し、該3つの中間タップの任意の2つの間をコンデンサを介して接続することを特徴とする電源回路。
【請求項6】
請求項1記載の電源回路であって、
前記複数の出力巻線の少なくとも1つがフィードバック制御されていることを特徴とする電源回路。
【請求項7】
請求項1記載の電源回路であって、
フライバック又はフォーワード電源回路であることを特徴とする電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源回路に関するものであり、特にクロスレギュレーションが改善される電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源では、出力電圧を常に監視して、誤差増幅器で基準電圧と比較して、常に正しい電圧が出力されるように電源回路の出力を制御している。ここで、複数の出力端子を有するスイッチング電源(マルチ出力電源)の場合には、安定化のために、あるひとつの出力をモニターすると、もう片方の安定性が保てなくなるという問題がある。特に、安定化をモニターしている出力側で負荷変動が起こると、一次側巻線を共有している別の出力にも干渉して安定した出力が保てなくなってしまう。マルチ出力電源において、ある出力側の電圧変動が他の出力の電圧に干渉することをクロスレギュレーションという。このクロスレギュレーションは、マルチ出力電源でよくある問題のひとつである。「クロスレギュレーション」の判定には、変動する出力端の基準電圧値に対する実際の電圧値の変動率を利用する。
【0003】
2以上の出力端子を有するスイッチング電源装置は広く使われている。しかしながら、出力端子から取り出す電力に大きな差異があると、電圧変動率が悪化する場合があることが広く知られている。図1は、一般的なフライバック型の2出力電源装置1である。電源装置1は、一次コイルNpと、お互いカップリングされる第一出力コイル(二次コイル)Ns1及び第二出力コイル(二次コイル)Ns2と、一次コイルNpと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、を備える。
【0004】
このような電源装置1では、一つの出力端Vo1の電圧を監視(フィードバック制御)して、電圧値が安定するようにスイッチングトランジスタQ1のデューティを調整することが一般的である。その他の出力端Vo2は通常監視(フィードバック制御)しない。その結果、各出力端の出力電力に大きな相違があると、フィードバック制御していない出力端の電圧変動率が大きくなる可能性がある。
【0005】
図1に示す回路において、第一出力端Vo1=10V(フィードバック制御有り)、負荷が0.1A〜20Aである。第二出力端Vo2=5V(フィードバック制御なし)、負荷が5A(固定)である。この時、出力電圧の変動値を図2に示す。図2から分かるように、Vo2が非常に不安定であり、3Vから6Vの範囲で大きな変動があった。
【0006】
このような電圧変動率の悪化を抑えるために、ダミー抵抗等で擬似的に負荷を重くして、安定化を図る手段等がとられているが、この場合変換効率の悪化は避けられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、変換効率の悪化を抑えるとともに電圧変動率の改善を図る電源回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電源回路は、多出力端子を有する電源回路であって、相互にカップリングされた複数の出力巻線を有するトランスを備え、前記複数の出力巻線のうち少なくとも一対の出力巻線であって双方の巻線が同じ巻き数を有する部分の、同じ極同士の一端をコンデンサ(クロスコンデンサ)を介して接続し、他端を直接接続していることを特徴とする。このような構成によれば、複数の出力端の間のクロスレギュレーションを向上させて、電圧変動率を低減することができる。
【0009】
また、前記少なくとも一対の出力巻線であって双方が同じ巻き数を有する部分の他端を、直接接続した構成により、簡単にクロスコンデンサを各種の電源回路に接続でき、クロスレギュレーションを向上することができる。さらに、本発明の電源回路において、前記少なくとも一対の出力巻線の少なくとも一方を、中間タップまたは付加巻線の増設により他方の出力巻線と巻数を合致させても良い。このような構成によれば、簡単にクロスコンデンサを各種の電源回路に接続でき、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0010】
また、本発明の電源回路において、相互にカップリングされた少なくとも2つの出力巻線を備え、該2つの出力巻線のそれぞれにおいて、巻き数が同じであり、かつ同極の部分から中間タップを引き出し、該2つの中間タップの間をクロスコンデンサを介して接続することもできる。このような構成によれば、2出力のクロスレギュレーションが良い電源回路を簡単に形成できる。
【0011】
また、本発明の電源回路において、相互にカップリングされた第一出力巻線と、第二出力巻線と、第三出力巻線とを有するトランス、を備え、前記第一出力巻線において、前記第二出力巻線または第三出力巻線のどちらか一方の出力巻線の巻き数と同数であり、かつ同極の部分から第一中間タップを引き出し、前記一方の出力巻線の同極部を第一のクロスコンデンサを介して接続し、さらに、前記第二出力巻線または前記第三出力巻線の他方の出力巻線の巻き数と同数であり、かつ同極の部分から第二中間タップを引き出し、前記他方の出力巻線の同極部を第二のクロスコンデンサを介して接続することを特徴とする。このような構成によれば、3出力のクロスレギュレーションが良い電源回路を簡単に形成できる。
【0012】
また、本発明の電源回路において、相互にカップリングされた3つの出力巻線を有するトランスを備え、該3つの出力巻線のそれぞれにおいて、互いの巻き数が同じであり、かつ同極の部分から中間タップを引き出し、それぞれの中間タップの間を接続する3つの接続方法からの任意の2つを選択して、それぞれの中間タップをクロスコンデンサを介して接続することを特徴とする。このような構成によれば、3出力のクロスレギュレーションが良い電源回路を簡単に形成できる。
【0013】
また、本発明の電源回路において、前記複数の出力巻線の少なくとも1つがフィードバック制御されていることを特徴とする。このような構成によれば、フィードバック制御されていない出力端の電圧変動率が減少でき、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0014】
また、本発明の電源回路において、前記電源回路はフライバック又はフォワード方式のスイッチング電源回路であることを特徴とする。このような構成によれば、クロスコンデンサを各タイプの電源回路に接続でき、クロスレギュレーションを向上することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電源回路によれば、電源回路の構成が大きく変えずに、通常のコンデンサ素子を追加するだけで、電源回路のクロスレギュレーションを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来技術のフライバックであり、2つ出力端がある電源装置1を示す図である。
図2図1に示す電源装置1の出力電圧のグラフである。
図3】本発明の第1の実施形態に係る電源回路100を示す図である。
図4図3に示す電源回路が動作する時の等価回路図である。
図5図3に示す電源回路100におけるクロスコンデンサCcrossの作用を示す図である。
図6図3に示す電源回路100におけるクロスコンデンサCcrossの作用を示す図である。
図7図3に示す電源回路100の出力電圧のグラフである。
図8A】本発明の第2の実施形態に係る電源回路200を示す図である。
図8B】本発明の第2の実施形態の変形例である電源回路201を示す図である。
図8C】本発明の第2の実施形態の変形例である電源回路202を示す図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る電源回路300を示す図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る電源回路400を示す図である。
図11】本発明の第5の実施形態に係る電源回路500を示す図である。
図12】本発明の第6の実施形態に係る電源回路600を示す図である。
図13図12に示す電源回路600が動作する時の等価回路図である。
図14】本発明の第7の実施形態に係る電源回路700を示す図である。
図15】本発明の第8の実施形態に係る電源回路800を示す図である。
図16】本発明の第9の実施形態に係る電源回路900を示す図である。
図17】本発明の第10の実施形態に係る電源回路1000を示す図である。
図18A】本発明の第11の実施形態に係る電源回路1100を示す図である。
図18B】本発明の第11の実施形態の変形例である電源回路1101を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下において、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
[第1の実施形態]
図3は、図1に示したフライバック方式2出力の電源装置1に本発明にかかる技術を付加した回路であり、本発明の第1の実施形態に係る電源回路100を示す図である。図3の電源回路100は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1及び第二出力巻線(二次巻線)Ns2と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、を備える。一次巻線Npと二次巻線Ns1、Ns2との巻き線方向が逆になっているため、フライバック式電源回路を構成する。ここで、第一出力巻線Ns1において、第二出力巻線Ns2と同じ巻き数の部分(ノード101)から中間タップTap101を引き出し、該中間タップTap101及び第二出力巻線Ns2の同じ極同士をクロスコンデンサ(Ccross)を介して接続し、その他端(ノード102、ノード104)を電気的に直接接続することを特徴とする。
【0020】
図4は、図3に示す電源回路が動作する時の等価回路図である。ここで、負荷を接続すると負荷電流の差異によりクロスコンデンサ(Ccross)の両端には電位差を生じる。電圧の高い出力回路側の出力巻線からクロスコンデンサを介して電圧の低い出力回路側の出力巻線側へ、クロスコンデンサの両端の電圧が低下するように電流が流れる。Ns1-2側の電圧がNs2側の電圧より高い状況を仮定すると、等価回路図(図4)中Ns1-2のリーケージインダクタンス(Lf1-2)と巻線抵抗(R1-2)およびNs2のリーケージインダクタンス(Lf2)と巻線抵抗(R2)を考慮しCcross→R1-2→Lf1-2→Ns1-2→Ns2→Lf2→R2→Ccrossの経路で、クロスコンデンサCcross電流が流れ、結果として出力電圧の差が小さくなる。
【0021】
図5図6は、図3に示す電源回路100におけるクロスコンデンサCcrossの作用を示す図である。ここで、説明が便利になるため、巻線Ns1-1の巻数を0とする。第一出力端Vo1は重い負荷が掛かり、第二出力端Vo2は軽い負荷が掛かる時、第一出力端Vo1に大きな電流が流し、リーケージインダクタンスLf1-2が存在するため、リーケージインダクタンスLf1-2両端の電圧VLf1-2(VLf1-2=L・dI/dt)が大きくなる。その結果、Ns1-2両端の電圧VNs1-2(VNs1-2=VLf1-2+Vo1)が大きくなる。これに従い、巻線Ns2の電圧が上がって、エネルギーが第二出力端Vo2に転送する。しかしながら、クロスコンデンサCcrossを追加したため、図5に示す第1の状態で、クロスコンデンサCcrossが経路を提供し、巻線Ns2のエネルギーを第二出力端Vo2に代わり、第一出力端Vo1に転送する。図6に示す第2の状態で、エネルギーの転送が終わった後、エネルギーの転送によるクロスコンデンサCcrossの電圧変動が、巻線Ns1-2、Ns2によって自動的にバランスを取る。したがって、クロスコンデンサCcrossの電圧平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0022】
第一出力端Vo1は軽い負荷が掛かり、第二出力端Vo2は重い負荷が掛かる時、同じように、クロスコンデンサCcrossが巻線Ns1-2に余ったエネルギーを第二出力端Vo2に転送する。従って、クロスレギュレーションが大きく向上する。
【0023】
図7は、図3に示す電源回路100の出力電圧のグラフである。図3に示す電源回路100に、第一出力端Vo1=10V(フィードバック制御有り)、負荷が0.1A〜20Aである。第二出力端Vo2=5V(フィードバック制御なし)、負荷が5A(固定)である。この時、出力電圧の変動値を図7に示す。図7から分かるように、Vo2も非常に安定して、ほぼ5Vに固定している。これにより、電源回路100のクロスレギュレーションが大きく改善されていることがわかる。
【0024】
また、本実施形態において、1つの出力端がフィードバック制御され、その他の出力端がフィードバック制御されていない。ただし、2つの出力端それぞれからの出力電圧を一定の比率で足し合わせた値を用いてフィードバック制御を行ってもよい。例えば、第一出力端Vo1の電圧値の80%と第二出力端Vo2の電圧値の20%との合計が規定値になるよう制御してもよい。このような電源回路で、クロスコンデンサCcrossのエネルギー平衡作用により、同様にクロスレギュレーションを向上することができる。
【0025】
また、本実施形態において、上記他端(ノード102、ノード104)の間にワイヤを介して直接接続しているが、ノード102、ノード104の間に、例えばコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。巻線Ns1-2と巻線Ns2とをクロスコンデンサCcrossを介して閉じたループになればよく、ここで例としてコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを使うのは、ノード102とノード104との間に相対的に安定な電圧を提供するためである。
【0026】
また、本実施形態において、巻線Ns1-1の巻数は0であってもよい、この場合、電源回路100が2つの同じ又は逆の出力を有するものである。
【0027】
また、本実施形態において、第二出力巻線Ns2に対して、中間タップを引き出さず、付加巻線を増設することにより、第二出力巻線Ns2を付加巻線を介してクロスコンデンサCcrossと接続してもよい。このように、第二出力巻線Ns2に付加巻線を追加することにより合計となる巻線の巻数が巻線Ns1-2(又はNs1)と等しくなる。このようにすれば、本実施形態とほぼ同様なクロスレギュレーションの向上する効果が得ることができる。
【0028】
[第2の実施形態]
図8Aは、本発明の第2の実施形態に係る電源回路200を示す図である。第2の実施形態に係る電源回路200は、第一出力巻線(二次巻線)Ns1と第二出力巻線(二次巻線)Ns2と共に中間タップを引き出す点で、第1の実施形態に係る電源回路100と主に相違している。
【0029】
電源回路200は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1及び第二出力巻線(二次巻線)Ns2と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、を備える。一次巻線Npと二次巻線Ns1、Ns2との巻き線方向が逆になっているため、フライバック式電源回路を構成する。また、第一出力巻線Ns1及び第二出力巻線Ns2において、巻数が同じ部分(ノード201、ノード203)から中間タップTap201、Tap202を引き出し、且つ、該中間タップTap201、Tap202をクロスコンデンサCcrossを介して接続し、その他端(ノード202、ノード204)を電気的に接続する。
【0030】
電源回路200は図3に示す電源回路100と動作原理が同じである。巻線Ns1-2と巻線Ns2-2がクロスコンデンサCcrossに接続する。クロスコンデンサCcrossのエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0031】
また、本実施形態において、1つの出力端がフィードバック制御され、その他の出力端がフィードバック制御されていない。ただ、2つの出力端が割合でフィードバック制御されてもよい。このような電源回路で、クロスコンデンサCcrossのエネルギー平衡作用により、同様にクロスレギュレーションを向上することができる。
【0032】
また、本実施形態では、上記他端(ノード202、ノード204)の間は電気的に直接接続して、2つのプラス(+)出力端を有する電源回路を構成するが、ノード202、ノード204の間にコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。巻線Ns1-2と巻線Ns2-2とがクロスコンデンサCcrossを介して閉じたループになればよい。
【0033】
例えば、図8Bは、本発明の第2の実施形態の変形例である電源回路201を示す図である。上記他端(ノード202、ノード204)の間にコンデンサC2を介して接続して、1つのプラス(+)出力端及び1つのマイナス(-)出力端を有する電源回路を構成する。本変形例では、2つのコンデンサC2、Ccrossを介して、巻数が同じである巻線Ns1-2と巻線Ns2-2とが閉じたループを構成して、2つの出力端の電圧差を低減てき、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0034】
また、例えば、図8Cは、本発明の第2の実施形態の更なる変形例である電源回路202を示す図である。上記他端(ノード202、ノード204)がそれぞれ交流のグラウンドに接続して、2つのアイソレイトされた出力端を有する電源回路を構成する。本変形例では、グランドGND、Ccrossを介して、巻数が同じである巻線Ns1-2と巻線Ns2-2とが閉じたループを構成して、2つの出力端の電圧差を低減てき、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0035】
また、本実施形態及びその変形例において、巻線Ns1-1及び巻線Ns2-1の巻数が0であってもよい。巻線Ns1-1のみ又は巻線Ns2-1のみの巻数が0である場合、第1の実施形態と同じ構成となる。巻線Ns1-1と巻線Ns2-1と共に0である場合、電源回路200が2つの同じ又は逆の出力を有するものである。
【0036】
また、本実施形態の第一出力巻線Ns1と第二出力巻線Ns2との位置を交換してもよい。
【0037】
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態に係る電源回路300を示す図である。第3の実施形態に係る電源回路300は、第二出力巻線(二次巻線)Ns2が付加巻線を増設することにより、第一出力巻線(二次巻線)Ns1と接続する点で、第2の実施形態に係る電源回路200と主に相違している。
【0038】
電源回路300は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1及び第二出力巻線(二次巻線)Ns2と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、を備える。一次巻線Npと二次巻線Ns1、Ns2との巻き線方向が逆になっているため、フライバック式電源回路を構成する。また、第一出力巻線Ns1に中間タップTap301(ノード301)を引き出し、第二出力巻線Ns2に対して、付加巻線Ns2-add(ノード303)を増設して、巻線Ns1-2の巻数が巻線Ns2と巻線Ns2-addの合計巻数とが等しくなるよう構成する。本実施例では、第一出力巻線Ns1の中間タップTap301(ノード301)と第二出力巻線Ns2の付加巻線Ns2-add(ノード303)とは同じ極同士がクロスコンデンサCcrossを介して接続し、その他端(ノード302、ノード304)を電気的に接続する。
【0039】
電源回路300は図3に示す電源回路100と動作原理が同じである。巻線Ns1-2と巻線(Ns2+Ns2-add)がクロスコンデンサCcrossに接続する。クロスコンデンサCcrossのエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0040】
また、本実施形態において、1つの出力端がフィードバック制御され、その他の出力端がフィードバック制御されていない。ただ、2つの出力端が割合でフィードバック制御されてもよい。このような電源回路で、クロスコンデンサCcrossのエネルギー平衡作用により、同様にクロスレギュレーションを向上することができる。
【0041】
また、本実施形態において、上記他端(ノード302、ノード304)の間にワイヤを介して直接接続しているが、ノード302、ノード304の間にコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。巻線Ns1-2と巻線(Ns2-add+Ns2)とがクロスコンデンサCcrossを介して閉じたループになればよい。
【0042】
また、本実施形態において、第一出力巻線Ns1に対して、付加巻線N1-addを増設してもよい、巻線(Ns1-add+Ns1)の巻数と巻線(Ns2-add+Ns2)の巻数が等しいとなる。このような構成により、同様なクロスレギュレーションが向上する効果が得られる。また、第一出力巻線Ns1及び第二出力巻線Ns2の両方又はいずれの一方、中間タップまたは付加巻線の増設により、クロスコンデンサCcrossと第一出力巻線Ns1と第二出力巻線Ns2とを含む回路(図中の太い線の部分)の中に、2つの出力端の巻線の巻数を合致させる。
【0043】
また、本実施形態の第一出力巻線Ns1と第二出力巻線Ns2との位置を交換してもよい。
【0044】
[第4の実施形態]
図10は、本発明の第4の実施形態に係る電源回路400を示す図である。第4の実施形態に係る電源回路400は、フォワード式電源回路である点で、第2の実施形態に係る電源回路200と主に相違している。
【0045】
図10に示す電源回路400は、第2の実施形態に係る電源回路200と比べて、二次巻線側の構成が異なる。二次巻線Ns1、Ns2の巻き線方向は、第2の実施形態の電源回路200の二次巻線の巻き線方向と逆転されており、一次巻線Npと二次巻線Ns1、Ns2との巻き線方向は同じであり、フォワード式電源回路を構成する。また、第一出力巻線Ns1側が整流素子D3、整流素子D4、インダクタLs1及びコンデンサC1を含む。第二出力巻線Ns2側が整流素子D5、整流素子D6、インダクタLs2及びコンデンサC2を含む。また、第一出力巻線Ns1及び第二出力巻線Ns2において、巻数が同じ部分(ノード401、ノード403)から二つ中間タップTap401、Tap402を引き出し、且つ、該中間タップTap401、Tap402(ノード401、ノード403)をクロスコンデンサCcross(クロスコンデンサ)を介して接続し、その他端(ノード402、ノード404)を電気的に接続する。
【0046】
電源回路400は図8Aに示す電源回路200と動作原理が同じである。巻線Ns1-2と巻線Ns2-2がクロスコンデンサCcrossに接続する。クロスコンデンサCcrossのエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0047】
また、本実施形態において、1つの出力端がフィードバック制御され、その他の出力端がフィードバック制御されていない。ただ、2つの出力端が割合でフィードバック制御されてもよい。このような電源回路で、クロスコンデンサCcrossのエネルギー平衡作用により、同様にクロスレギュレーションを向上することができる。
【0048】
また、本実施形態において、上記他端(ノード402、ノード404)の間にワイヤを介して直接接続しているが、ノード402、ノード404の間にコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。巻線Ns1-2と巻線Ns2-2とがクロスコンデンサCcrossを介して閉じたループになればよい。
【0049】
また、本実施形態の電源回路400が第2の実施形態の電源回路200と同じように、上記他端(ノード402、ノード404)の間にワイヤを介して直接接続して、2つのプラス(+)出力端を有する電源回路を構成する。さらに、第2の実施形態の変形例のように、上記他端(ノード402、ノード404)の間にコンデンサを接続して、1つのプラス(+)出力端及び1つのマイナス(-)出力端を有する電源回路を構成しても良い。又は、上記他端(ノード402、ノード404)がそれぞれコンデンサを介してグラウンドに接続して、2つのアイソレイトされた出力端を有する電源回路を構成することもできる。これは、第2の実施形態の変形例と同じ効果が得られる。
【0050】
また、本実施形態及びその変形例において、巻線Ns1-1及び巻線Ns2-1の巻数はいずれも0であってもよい。巻線Ns1-1と巻線Ns2-1の巻数が共に0である場合、電源回路400が2つの同じ又は逆の出力を有するものである。
【0051】
また、本実施形態の第一出力巻線Ns1と第二出力巻線Ns2との位置を交換してもよい。
【0052】
また、本実施形態の出力巻線Ns2は、第3の実施形態と同じように、付加巻線を増設することによりクロスコンデンサCcrossと接続することもできる。
【0053】
[第5の実施形態]
図11は、本発明の第5の実施形態に係る電源回路500を示す図である。第5の実施形態に係る電源回路500は、ハーフブリッジ式の電源回路である点で、第2の実施形態に係る電源回路200と主に相違している。
【0054】
電源回路500は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1及び第二出力巻線(二次巻線)Ns2と、一次巻線Npと接続されるスイッチ素子Q2、Q3と、を備える。第一出力巻線Ns1が巻線Ns1-1、Ns1-2、Ns1-3、Ns1-4に分割され、第二出力巻線Ns2が巻線Ns2-1、Ns2-2、Ns2-3、Ns2-4に分割される。
【0055】
その中、巻線Ns1-2及び巻線Ns2-2、巻線Ns1-3及び巻線Ns2-3の巻数が同じである。巻線Ns1-2及び巻線Ns2-2が第1のクロスコンデンサCcross501を介して接続し、巻線Ns1-3及び巻線Ns2-3が第2のクロスコンデンサCcross502を介して接続する。また、巻線Ns1-1及び巻線Ns1-4、又は、巻線Ns2-1及び巻線Ns2-4の巻数が0であってもよい。この場合、中間タップがない。
【0056】
電源回路500は先の電源回路200の動作原理と同じである。巻線Ns1-2と巻線Ns2-2をクロスコンデンサCcross501に接続する。クロスコンデンサCcross501のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。また、巻線Ns1-3と巻線Ns2-3がクロスコンデンサCcross502に接続する。クロスコンデンサCcross502のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0057】
また、本実施形態において、他端(ノード501、ノード502)の間にワイヤを介して直接接続しているが、ノード501、ノード502の間にコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。巻線Ns1-2及び巻線Ns2-2、巻線Ns1-3及び巻線Ns2-3がクロスコンデンサCcross501 、Ccross502を介して閉じたループになればよい。
【0058】
[第6の実施形態]
図12は、本発明の第6の実施形態に係る電源回路600を示す図である。第6の実施形態に係る電源回路600は、3つの出力端を有する点で、第2の実施形態に係る電源回路200と主に相違している。
【0059】
電源回路600は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1、第二出力巻線(二次巻線)Ns2、及び第三出力巻線(二次巻線)Ns3と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、第三出力端Vo3に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D3と、を備える。一次巻線Npと二次巻線Ns1、Ns2、Ns3との巻き線方向が逆になっているため、フライバック式電源回路を構成する。また、第一出力巻線Ns1において、第二出力巻線Ns2の巻き数と同じであり、かつ同極の部分から中間タップTap602(ノード602)を引き出し、第三出力巻線Ns3の巻き数と同じであり、かつ同極の部分から中間タップTap601(ノード601)を引き出し、且つ、中間タップTap601と第三出力巻線Ns3と、及び、中間タップTap602と第二出力巻線Ns2とをクロスコンデンサCcross602、Ccross601を介してそれぞれ接続する。
【0060】
図13は、図12に示す電源回路600が動作する時の等価回路図である。電圧の高い出力回路側の出力巻線からクロスコンデンサを介して電圧の低い出力回路側の出力巻線側へCcross601→R1-3→Lf1-3→Ns1-3→Ns2→Lf2→R2の経路で、クロスコンデンサCcross601の両端の電圧が低下するよう電流が流れ込み、結果として出力電圧の差が小さくなる。同様に、Ccross602→R1-2→Lf1-2→Ns1-2→R1-3→Lf1-3→Ns1-3→Ns3→Lf3→R3の経路で、クロスコンデンサCcross602の両端の電圧が低下するよう電流が流れ込む。
【0061】
電源回路600は電源回路200の動作原理と同じである。巻線(Ns1-2+Ns1-3)と巻線Ns3をクロスコンデンサCcross602に接続する。クロスコンデンサCcross602のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。また、巻線Ns1-3と巻線Ns2をクロスコンデンサCcross601に接続する。クロスコンデンサCcross601のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0062】
また、本実施形態において、1つの出力端がフィードバック制御され、その他の2つの出力端がフィードバック制御されていない。ただ、2つの出力端が割合でフィードバック制御され、もう1つの出力端がフィードバック制御されなくてもよい。又は、3つの出力端共にが割合でフィードバック制御されてもよい。このような電源回路で、クロスコンデンサCcross601、Ccross602のエネルギー平衡作用により、同様にクロスレギュレーションを向上することができる。
【0063】
また、本実施形態において、ノード601と巻線Ns3の同極端、およびノード602と巻線Ns2の同極端の間にコンデンサを介して接続し、ノード603とノード605の間およびノード603とノード604の間にワイヤを介して直接接続しているが、ノード603とノード604の間、ノード603とノード605の間にコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。それぞれの巻線がクロスコンデンサCcross601、Ccross602を介して閉じたループになればよい。
【0064】
また、本実施形態において、巻線Ns1-1の巻数は0であってもよい。このような配置は、第一出力電圧と第二出力電圧とが等しい状態に応用する(例えば、二つとも12V又は±12V)。
【0065】
[第7の実施形態]
図14は、本発明の第7の実施形態に係る電源回路700を示す図である。第7の実施形態に係る電源回路700は、中間タップの位置が異なる点で、第6の実施形態に係る電源回路600と主に相違している。
【0066】
電源回路700は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1、第二出力巻線(二次巻線)Ns2、及び第三出力巻線(二次巻線)Ns3と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、第三出力端Vo3に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D3と、を備える。一次巻線Npと二次巻線Ns1、Ns2、Ns3との巻き線方向が逆になっているため、フライバック式電源回路を構成する。また、第一出力巻線Ns1において、第三出力巻線Ns3の巻き数と同じであり、かつ同極の部分から中間タップTap701を引き出し、第二出力巻線Ns2において、第三出力巻線Ns3の巻き数と同じであり、かつ同極の部分から中間タップTap702を引き出し、且つ、中間タップTap701と第三出力巻線Ns3と、及び、中間タップTap702と第三出力巻線Ns3とをクロスコンデンサCcross701、Ccross702を介して接続する。
【0067】
電源回路700は電源回路600の動作原理と同じである。巻線Ns1-2と巻線Ns3がクロスコンデンサCcross701に接続する。クロスコンデンサCcross701のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。また、巻線Ns2-2と巻線Ns3がクロスコンデンサCcross702に接続する。クロスコンデンサCcross702のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0068】
また、本実施形態において、1つの出力端がフィードバック制御され、その他の2つの出力端がフィードバック制御されていない。ただ、2つの出力端が割合でフィードバック制御され、もう1つの出力端がフィードバック制御されなくてもよい。又は、3つの出力端共にが割合でフィードバック制御されてもよい。このような電源回路で、クロスコンデンサCcross701、Ccross702のエネルギー平衡作用により、同様にクロスレギュレーションを向上することができる。
【0069】
また、本実施形態において、同極端(ノード703、ノード705)の間にワイヤを介して直接接続し、ノード704とノード705の間にコンデンサを介して接続している。この構成で、出力端が2つのプラス出力及び1つのマイナス出力となる。例えば、(+5V,-12V,+12V),(+5V,-15V,+15V)など。また、ノード703とノード705の間、ノード704とノード705の間にコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。巻線Ns1-2及び巻線Ns3、又は、巻線Ns2-2及び巻線Ns3、がクロスコンデンサCcross701、Ccross702を介して閉じたループになればよい。
【0070】
[第8の実施形態]
図15は、本発明の第8の実施形態に係る電源回路800を示す図である。第8の実施形態に係る電源回路800は、中間タップ及びクロスコンデンサの数及び位置が異なる点で、第6の実施形態に係る電源回路600と主に相違している。
【0071】
電源回路800は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1、第二出力巻線(二次巻線)Ns2、及び第三出力巻線(二次巻線)Ns3と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、第三出力端Vo3に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D3と、を備える。上記カップリングされる3つの出力巻線において、該3つの出力巻線のそれぞれにおいて、お互い巻き数が同じであり、かつ同極の部分から中間タップを引き出し、該3つの中間タップTap801〜803(ノード801〜803)の任意の2つの間に、コンデンサが接続される。つまり、電源回路800がノード801、802、803の任意の2つの間に、少なくとも1つのコンデンサが接続される。
【0072】
電源回路800は先の電源回路600の動作原理と同じである。巻線Ns1-2と巻線Ns2-2がクロスコンデンサCcross801に接続する。クロスコンデンサCcross801のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。また、巻線Ns2-2と巻線Ns3-2がクロスコンデンサCcross802に接続する。クロスコンデンサCcross802のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。また、巻線Ns1-2と巻線Ns3-2がクロスコンデンサCcross803に接続する。クロスコンデンサCcross803のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0073】
また、本実施形態において、同極端(ノード804、ノード805)の間にコンデンサを介して接続し、同極端(ノード805、ノード806)の間にコンデンサ接続し、同極端(ノード804、ノード806)の間にワイヤを介して直接接続している。この構成で、出力端が2つのプラス出力及び1つのマイナス出力となる。例えば、(+5V,-12V,+12V),(+5V,-15V,+15V)など。また、ノード804とノード805の間、ノード805とノード806の間、ノード804とノード806の間にコンデンサ、定電圧源、又はツェナーダイオードを介して接続してもよい。巻線Ns1-2及び巻線Ns2-2、巻線Ns2-2及び巻線Ns3-2、又は、巻線Ns1-2及び巻線Ns3-2がクロスコンデンサCcross801、Ccross802を介して閉じたループになればよい。
【0074】
[第9の実施形態]
図16は、本発明の第9の実施形態に係る電源回路900を示す図である。第9の実施形態に係る電源回路900は、中間タップ及びクロスコンデンサの位置が異なる点で、第6の実施形態に係る電源回路600と主に相違している。
【0075】
電源回路900は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1、第二出力巻線(二次巻線)Ns2、及び第三出力巻線(二次巻線)Ns3と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、第三出力端Vo3に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D3と、を備える。第一出力巻線Ns1において、第二出力巻線Ns2の巻き数と同じであり、かつ同極の部分から中間タップTap901を引き出し、中間タップTap901と第二出力巻線Ns2と、をクロスコンデンサCcross901を介して接続し、第二出力巻線Ns2において、第三出力巻線Ns3の巻き数と同じであり、かつ同極の部分から中間タップTap902を引き出し、中間タップTap902と第三出力巻線Ns3と、をクロスコンデンサCcross902を介して接続する。
【0076】
電源回路900は先の電源回路600の動作原理と同じである。巻線Ns1-2と巻線Ns2がクロスコンデンサCcross901に接続する。クロスコンデンサCcross901のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。また、巻線Ns2-2と巻線Ns3がクロスコンデンサCcross902に接続する。クロスコンデンサCcross902のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0077】
電源回路900により、出力が5V、12V、24Vの3出力の電源回路を実現できる。
【0078】
[第10の実施形態]
図17は、本発明の第10の実施形態に係る電源回路1000を示す図である。第10の実施形態に係る電源回路1000は、中間タップ及びクロスコンデンサの数及び位置が異なる点で、第6の実施形態に係る電源回路600と主に相違している。
【0079】
電源回路1000は、一次巻線Npと、お互いカップリングされる第一出力巻線(二次巻線)Ns1、第二出力巻線(二次巻線)Ns2、及び第三出力巻線(二次巻線)Ns3と、一次巻線Npと直列接続されるスイッチ素子Q1と、スイッチ素子Q1を制御するための制御回路Ic(未図示)と、第一出力端Vo1に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D1と、第二出力端Vo2に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D2と、第三出力端Vo3に電力を供給するための整流素子(ダイオード)D3と、を備える。第一出力巻線Ns1と第二出力巻線Ns2との巻き数が同じであり、それらの同極の部分をクロスコンデンサCcross1001を介して接続し、第二出力巻線Ns2において、第三出力巻線Ns3の巻き数と同じであり、かつ同極の部分から中間タップTap1001を引き出し、該当中間タップTap1001と第三出力巻線Ns3と、をコンデンサを介して接続する。
【0080】
電源回路1000は電源回路600の動作原理と同じである。巻線Ns1と巻線Ns2がクロスコンデンサCcross1001に接続する。クロスコンデンサCcross1001のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。また、巻線Ns2-2と巻線Ns3がクロスコンデンサCcross1002に接続する。クロスコンデンサCcross1002のエネルギー平衡作用により、クロスレギュレーションを向上することができる。
【0081】
電源回路1000により、出力が5V、±12V或5V、±15Vの3出力の電源回路を実現できる。
【0082】
[第11の実施形態]
図18Aは、本発明の第11の実施形態に係る電源回路1100を示す図である。上述の実施形態に、クロスコンデンサがトランスを構成する出力巻線を接続するが、クロスコンデンサは、出力相互インダクタンスを構成する出力巻線を接続してもよい。
【0083】
第11の実施形態に係る電源回路1100が、巻線N1101〜N1104からなる出力相互インダクタンスを有する。その中、巻線N1101及び巻線N1103の巻数が同じである。クロスコンデンサCcross1101が巻線N1101及び巻線N1103の同極端(ノード1101、ノード1103)を接続する。その他の同極端(ノード1102、ノード1104)に出力コンデンサC1、C2を介して電気的に接続される。
【0084】
クロスコンデンサCcross1101、出力コンデンサC1、C2、巻線N1101及び巻線N1103が閉じたループを構成するため、上述各実施形態と同じように、クロスコンデンサCcross1101の作用で、巻線N1101と巻線N1103との電圧差が低減し、2つの出力端間のクロスレギュレーションを向上することができる。
【0085】
図18Bは、本発明の第11の実施形態の変形例である電源回路1101を示す図である。その他の同極端(ノード1102、ノード1104)の間にコンデンサC1を介して接続して、1つのプラス(+)出力端及び1つのマイナス(-)出力端を有する電源回路を構成する。且つ、コンデンサC1、Ccross1101を介して、巻数が同じである巻線N1101と巻線Ns1102とが閉じたループを構成して、2つの出力端の電圧差を低減てき、クロスレギュレーションを向上することができる。また、本実施形態及び変形例において、巻線N1102及び巻線Ns1104の巻数が0であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
Np…一次巻線;Ns1…第一出力巻線;Ns2…第二出力巻線;Ns3…第三出力巻線;Q1…スイッチ素子;Vo1…第一出力端;Vo2…第二出力端;Vo3…第三出力端;D1…整流素子;D2…整流素子;100,200,201,202,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1101…電源回路;Tap101,Tap201,Tap202,Tap301,Tap401,Tap402,Tap601,Tap602,Tap701,Tap702,Tap801,Tap802,Tap803,Tap901,Tap902,Tap1001…中間タップ;Node101〜104, Node201〜204,Node301〜304,Node401〜404, Node501〜502,Node601〜605,Node701〜705,Node801〜806, Node901〜902…ノード;Ccross, Ccross501〜502,Ccross601〜602, Ccross701〜702, Ccross801〜803, Ccross901〜902,Ccross1001〜1002,Ccross1101…コンデンサ(クロスコンデンサ);C1〜C3…コンデンサ(出力コンデンサ);Lf1-1,Lf1-2, Lf1-3,Lf2,Lf3…リーケージインダクタンス;Ns1-1,Ns1-2, Ns1-3,Ns1-4,Ns2-1,Ns2-2, Ns2-3 ,Ns2-4, Ns3-1, Ns3-2…巻線;Ns2-add…付加巻線,N1101〜1104…巻線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B