特許第6292219号(P6292219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6292219
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】電子機器、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/00 20100101AFI20180305BHJP
   G04G 21/02 20100101ALI20180305BHJP
【FI】
   G04G21/00 301A
   G04G21/02 Z
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-256956(P2015-256956)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-120223(P2017-120223A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2017年4月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】森谷 信一
(72)【発明者】
【氏名】山口 友一
(72)【発明者】
【氏名】今村 圭一
(72)【発明者】
【氏名】花房 紀人
(72)【発明者】
【氏名】辻村 泰一郎
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−212427(JP,A)
【文献】 特開平4−119020(JP,A)
【文献】 実開平5−4089(JP,U)
【文献】 特表2009−541772(JP,A)
【文献】 特開2015−169500(JP,A)
【文献】 特開2012−83107(JP,A)
【文献】 特開2005−121480(JP,A)
【文献】 特開2010−32407(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3014102(JP,U)
【文献】 特開平8−110230(JP,A)
【文献】 特開2015−14515(JP,A)
【文献】 特開平9−297191(JP,A)
【文献】 特開2015−4685(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0188210(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00−99/00
G04R 20/00−60/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の位置情報を取得する第一の位置取得手段と、
前記第一の位置情報とは異なる第二の位置情報を取得する第二の位置取得手段と、
前記第一の位置情報に関連する情報を取得する第一の情報取得手段と、
前記第二の位置情報に関連する情報を取得する第二の情報取得手段と、
前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記第二の位置情報に関連する情報に対応する表示部の表示位置を特定する特定手段と、
第一の位置情報に関連する情報の表示位置と、前記特定手段で特定された第二の位置情報に関連する情報の表示位置との間に、前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第一の位置情報を設定する設定手段を更に備え、
前記第一の情報取得手段は、前記設定手段による設定結果に基づいて、前記第一の位置情報に関連する情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第二の情報取得手段は、現在の位置情報に基づいて、前記第二の位置情報に関連する情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第一の位置情報に関連する情報の表示位置は表示部に固定され
記第二の位置情報に関連する情報の表示位置は前記第二の位置情報に関連する情報に応じて表示位置が変更される、
ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示制御手段は、予め決められた第一の位置情報に関連する情報の表示位置と、前記特定手段で特定された第二の位置情報に関連する情報の表示位置との間に、前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記表示部の表示領域の所定の領域において前記差分情報を連続量で表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記所定の領域は、前記表示領域の周縁部分に配置される、
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記第一の位置情報と、前記第二の位置情報とから、前記差分情報が連続量で表示される所定の領域の位置を設定する領域設定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記領域設定手段により設定された当該所定の領域に前記差分情報を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
第一の情報取得手段は、前記第一の位置情報に関連する情報として第一の時刻情報を取得し、
第二の情報取得手段は、前記第二の位置情報に関連する情報として第二の時刻情報を取得し、
差分情報生成手段は、前記第一の時刻情報と、前記第二の時刻情報とに基づいて、時差情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記差分情報生成手段により生成される差分情報は、前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報との差分の大きさを含み、
前記表示制御手段は、前記差分情報生成手段により生成された差分情報における差分の大きさに基づいて、表示態様を変更させた前記連続量による表示を行うように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記差分情報生成手段により生成された差分情報における差分の大きさが所定の基準値よりも大きい場合、表示態様を変更させた前記連続量による表示を行うように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報とに基づいて、前記表示態様を昼夜表現させるように前記連続量による表示を行うように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項13】
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報と、前記第二の位置情報とに基づいて、前記差分情報が連続量で表示される所定の領域とは異なる表示領域に地図を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項6から12のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報とに基づいて前記地図上に昼夜表現を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報と前記第二の位置情報とに基づいて前記差分情報が連続量で表示される所定の領域に対して並列的に前記地図上に昼夜表現を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報とに基づいて前記地図上の中心点から前記差分情報生成手段により生成された差分情報に基づいた角度をなす扇形の範囲で前記地図上に昼夜表現を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項17】
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報と前記第二の位置情報とに基づいて、地図を表示させ、表示領域の所定の領域において前記差分情報を連続量で表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項18】
前記表示制御手段は、前記地図と、前記所定の領域に連続量で表示される前記差分情報とを、前記第一の位置情報と、前記第二の位置情報とに基づく位置関係で表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項19】
前記第一の位置情報に関連する情報及び第二の位置情報に関連する情報は、時刻、緯度、経度、標高、又は気温に関する情報を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項20】
第一の位置情報を取得する第一の位置取得ステップと、
前記第一の位置情報とは異なる第二の位置情報を取得する第二の位置取得ステップと、
前記第一の位置情報に関連する情報を取得する第一の情報取得ステップと、
前記第二の位置情報に関連する情報を取得する第二の情報取得ステップと、
前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報との差分情報を生成する差分情報生成ステップと、
前記第二の位置情報に関連する情報に対応する表示部の表示位置を特定する特定ステップと、
第一の位置情報に関連する情報の表示位置と、前記特定ステップで特定された第二の位置情報に関連する情報の表示位置との間に、前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示方法。
【請求項21】
コンピュータを、
第一の位置情報を取得する第一の位置取得手段、
前記第一の位置情報とは異なる第二の位置情報を取得する第二の位置取得手段、
前記第一の位置情報に関連する情報を取得する第一の情報取得手段、
前記第二の位置情報に関連する情報を取得する第二の情報取得手段、
前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報との差分情報を生成する差分情報生成手段、
前記第二の位置情報に関連する情報に対応する表示部の表示位置を特定する特定手段、
第一の位置情報に関連する情報の表示位置と、前記特定手段で特定された第二の位置情報に関連する情報の表示位置との間に、前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地球上の複数の地点の時刻を時計の文字盤の円周上に表示させる技術がある(特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、時計の文字盤の円周上に時刻目盛りと経度の目盛りとを表示させ、選択された複数の都市の経度に応じた円周上の位置に矢印を表示させることで、一つの文字盤上において同時に複数都市の位置と現在時刻の情報を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−66245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、表示される複数都市の夫々の情報は容易に読み取ることができるが、複数の都市間における時差などの差分に関する情報は表示される情報のみではユーザは容易に把握することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より容易に複数位置間における差分情報を把握可能な表示を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の電子機器は、
第一の位置情報を取得する第一の位置取得手段と、
前記第一の位置情報とは異なる第二の位置情報を取得する第二の位置取得手段と、
前記第一の位置情報に関連する情報を取得する第一の情報取得手段と、
前記第二の位置情報に関連する情報を取得する第二の情報取得手段と、
前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記第二の位置情報に関連する情報に対応する表示部の表示位置を特定する特定手段と、
第一の位置情報に関連する情報の表示位置と、前記特定手段で特定された第二の位置情報に関連する情報の表示位置との間に、前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より容易に複数位置間における差分情報を把握可能な表示を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の電子機器の一実施形態に係る時計型リスト端末1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態の画面の表示例を説明するための模式図である。
図3】地図表示領域R2における昼夜表現の描画方法を説明するための模式図である。
図4図1の時計型リスト端末1の機能的構成のうち、時差表示処理及び昼夜表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図5図4の機能的構成を有する図1の時計型リスト端末1が実行する時差表示処理の流れを説明するフローチャートである。
図6図4の機能的構成を有する図1の時計型リスト端末1が実行する昼夜表示処理の流れを説明するフローチャートである。
図7】地図表示領域R2における昼夜表現以外の他の表現例を説明するための模式図である。
図8】地図表示領域R2における昼夜表現以外の他の表現例を説明するための模式図である。
図9】地図表示領域R2における昼夜表現以外の他の表現例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の電子機器の一実施形態に係る時計型リスト端末1(電子機器)のハードウェアの構成を示すブロック図である。
時計型リスト端末1は、例えば、スマートウォッチとして構成される。
【0011】
時計型リスト端末1は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、GPS部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0012】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0013】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0014】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、GPS部16、入力部17、出力部18、記憶部19、通信部20及びドライブ21が接続されている。
【0015】
GPS部16は、GPS(Global Positioning System)センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等の各種センサにより構成される。GPS部16からは、位置情報、姿勢情報等の時計型リスト端末1の移動に関する情報を取得することが可能となる。
【0016】
入力部17は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0017】
出力部18は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
【0018】
記憶部19は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
【0019】
通信部20は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信可能に構成され、他の時計型リスト端末1との間で行う通信を制御する。
【0020】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0021】
このように構成される時計型リスト端末1では、特定の都市間の時差を表示画面の周縁に量的に表示する機能を有する。
また、時計型リスト端末1では、地球儀を所定の方向から俯瞰したデザインで表示し、当該デザインに合致させる形で現在時刻に対応した昼夜の表示を重畳して行うことができる機能を有する。
【0022】
図2は、本実施形態の画面の表示例を説明するための模式図である。
表示画面DIは、図2に示すように、外周縁に沿って円周状に時差表示領域R1と、時差表示領域R1の内側に円形形状の地図表示領域R2とにより構成される。
【0023】
時差表示領域R1には、予め登録した時差の基準となる都市(以下、「ホームタウン」という。)と、センサ部型時計端末1が位置している時差対象となる都市(以下、「現在都市」という。)の時差が表示される。
本実施形態においては、図2に示すように、24時間表示(360°を24等分して表示した場合)の0時(24時)の位置(時計表示の12時の位置)にホームタウンを示す始点PSを表示し、ホームタウンとの時差に応じた位置に現在都市の終点PEを表示する。始点PSと、終点PEとの間は、ホームタウンと現在都市との時差に応じて、矢印Ar1を表示する。
矢印Ar1の方向は、ホームタウンの時刻を基準とした場合にホームタウンと現在都市との時差がマイナスのとき、始点PSから右回りに描画され、当該時差がプラスの場合、始点PSから左回りに描画される。
例えば、ホームタウンと現在都市の時差がホームタウンから17時間前である場合には、右回りの矢印で終点PEが0から17刻みの位置となる。また、ホームタウンと現在都市の時差がホームタウンから17時間後である場合には、左回りの矢印で終点PEが0から7刻みの位置となる。なお、時差の前後については、矢印の方向で表示する場合に限られず、プラスマイナスに応じて異なる色で表示するように構成してもよい。
【0024】
さらに、始点PSの近傍にホームタウンの都市名と、ホームタウンの時刻と日付が表示され、終点PEの近傍に現在都市の都市名が表示される。
本例では、ホームタウンが東京で現在都市がサンフランシスコとなっており、東京−サンフランシスコ間の時差は、東京からサンフランシスコが17時間前(−17時間)であるため、0刻みの位置に東京[TOKYO]を示す始点PSと、始点PSから右回りに17刻みの位置にサンフランシスコ[SANFRANCISCO]を示す終点PEが表示され、右回りの矢印Ar1が表示される。
このように時差を始点PSと終点PEとの間の矢印Ar1のグラフ表現で表示することで、時差をアナログ的な連続量として把握することができ、現在都市とホームタウンの時差を直感的に把握させることが可能となる。なお、本実施形態の表示画面は、略円形形状をしているため、特定の都市間の時差を表示画面の周縁に量的に表示することで、円周と24時間をイメージとしてリンクさせることができ、直感的に時差を正確に把握させることができる。
【0025】
また、矢印Ar1の表示態様は時差の大きさに基づいて変更してもよく、例えば都市間の時差が大きい場合は、矢印Ar1の幅を細くするように表示し、都市間の時差が小さい場合は、矢印Ar1の幅を太く表示するように構成してもよい。
さらに、都市間の時差の大きさに基づいて、矢印Ar1の色・明度を変更してもよく、例えば、都市間の時差が大きい場合は、矢印Ar1の色を薄く、明度を下げるように表示し、都市間の時差が小さい場合は、矢印Ar1の色を濃く、明度を上げるように構成してもよい。
【0026】
地図表示領域R2には、地球儀を所定の方向から俯瞰した地図Mと、地図M上に重畳して、現在の日時表示D1と、ホームタウンと現在都市の時差の数値D2が表示される。
【0027】
図Mは、本実施形態においては、地球儀を真北から俯瞰した北極点が中心となる図柄で表示され、北半球の領域が表示されている。
また、地図Mは、ホームタウンHTの位置が24時間表示の0時(24時)の位置(時計表示の12時の位置)に表示される。
さらに、地図Mには、現在時刻において昼夜の違いを表現する表示がなされる。本実施形態においては、夜の場合に暗さを表現するように影SDを表示する。表示される影SDは、昼と夜の間の領域をぼかして表示するように構成される。
昼夜の表示は、現在都市の緯度/経度/標高から、各地点における日の出と日の入りの時刻を算出して、各地点における現在時刻との時間差分を算出し、算出された時間差分に対応する角度を算出して、地図M上において、日の入り時刻以降の該当箇所に影SDを表示することにより昼夜表現を実現する。
このように地図Mに対して、現在時刻に応じた昼夜の表現を行うことで、ホームタウンの時刻と一日のサイクルにおける現在の位置(昼夜状況)も直感的に把握させることが可能となる。
【0028】
昼夜表現の描画方法は、種々の方法があるが、例えば、1地点(都市)を基準にすれば夜の影を描画することが可能であり、基準にした地点の時刻情報を基に影のおおよそのかかり方を描画することができる。
本実施形態においては、より厳密に影を描画するために、複数地点の時刻情報と日の出日の入りの時刻との差分情報から影を描画する。
また、地図表示領域R2における昼夜表現は、図2の例のように影SDの境目を直線的な表現とすることもできるが、球体での地図(地球儀)のイメージを優先して、中央部分に行くにつれて湾曲する形に表現することができる。
【0029】
具体的には、昼夜表現の影は、以下の手法で影を描画することができる。
図3は、地図表示領域R2における昼夜表現の描画方法を説明するための模式図である。なお、本手法は、2点の位置(ホームタウンと現在都市)が同じ半球にあることが前提となる。また、本例では、図3に示すように、地点A(ホームタウン)が日の入り時刻である例を用いて説明する。
(1)2地点夫々の日の出・日の入り時刻の情報を取得し、日の出/日の入り時刻と現在時刻とが近い方との時間差分(時間経過)を算出する。本例の場合は、地点Aは日の入り時刻と同じため時間差分(時間経過)はなく、地点Bは日の出時刻と数時間の時間差分が存在する。
(2)算出された時間差分(時間経過)を球体地図(地球儀)上の角度に換算する。
(3)換算した角度に基づいて、正確な日の入り・日の出の位置を算出する。この場合、緯度差があればあるほど、緯度の差に応じて、半円から欠けた描画に変わり、綺麗な半円から変形していくが、影の位置と2点の各位置の関係(時間差分・角度)は正しいため、描画としては不自然なものとなるが、一応、直感的に2点の昼夜状態及び日の出日の入りからの経過状態を把握することができる。結果、影の位置と2点の位置から、日の出日の入りの時刻からの経過時間が感覚的に推測することができる。
なお、緯度差が特に極端になり、日の出日の入りが存在しないような極夜・白夜の場合には、描画困難となる。そのため、描画が困難と判断された場合には、影の描画をやめ、テキストで2点夫々の昼夜の状態を表示する等の処理をしてもよい。
【0030】
図4は、図1の時計型リスト端末1の機能的構成のうち、時差表示処理及び昼夜表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
時差表示処理とは、ホームタウンと現在都市の情報から時差表示領域R1に時差を表示する一連の処理をいう。
昼夜表示処理とは、ホームタウンと現在都市の情報から地図表示領域R2に地図に対応した昼夜を表示する一連の処理である。
【0031】
時差表示処理を実行する場合には、図4に示すように、CPU11において、設定処理部51と、関連情報取得部52と、位置情報取得部53と、時差算出処理部54と、出力制御部55と、が機能する。
【0032】
また、記憶部19の一領域には、ホームタウン設定情報記憶部71と、現在都市情報記憶部72とが設定される。
ホームタウン設定情報記憶部71には、ユーザによって設定されたホームタウンの設定情報(例えば、ホームタウンの都市名)が記憶される。
現在都市情報記憶部72には、取得された位置情報に対応する現在都市の情報(例えば、現在都市の都市名)が記憶される。
【0033】
設定処理部51は、ユーザにより任意にホームタウンを設定する処理を実行する。
具体的には、設定処理部51は、ホームタウンの設定情報があるか否かを判定する。
また、設定処理部51は、ユーザによる入力部17へのホームタウンの設定操作によりホームタウンの設定を行う。ホームタウンの設定情報は、ホームタウン設定情報記憶部71に記憶される。
【0034】
関連情報取得部52は、タイムゾーンや時刻情報等の位置(ホームタウンや現在都市)に関連する情報(以下、「関連情報」という。)を取得する。
具体的には、関連情報取得部52は、ホームタウンのタイムゾーンや時刻情報等のホームタウンの関連情報を外部サーバ100から通信部20を介して取得する。
また、関連情報取得部52は、特定された現在都市のタイムゾーンや時刻情報等の現在都市の関連情報を外部サーバ100から通信部20を介して取得する。
なお、実施形態において、ホームタウン/現在都市の関連情報は、最新のホームタウンの関連情報を取得するように外部サーバ100から取得したが予め記憶したものを用いてもよい。
【0035】
位置情報取得部53は、GPS部16から位置情報を取得する。そして、位置情報取得部53は、取得した位置情報から現在都市を特定する。
【0036】
時差算出処理部54は、ホームタウンと現在都市との時差を算出する処理を実行する。
具体的には、時差算出処理部54は、取得したホームタウンと現在都市の時刻情報から時差を算出する。若しくは、取得した現在都市の時刻情報及びタイムゾーンの情報と、ホームタウンのタイムゾーンとを比較することで、ホームタウンの時刻情報がない場合でも、時差を算出することが出来る。同様に、ホームタウンの時刻情報とタイムゾーン、現在都市のタイムゾーンが取得されている場合も時差を算出することが出来る。
また、時差算出処理部54は、算出した時差が閾値以上であったか否かを判定する。なお、判定に用いる閾値はユーザが任意に設定するように構成してもよい。
また、時差算出処理部54は、時差に基づき差分描画用の角度を算出する。本実施形態においては、算出する差分描画用の角度は、地球の回転表現に対応するように360度を時差24時間とした場合の角度である。即ち、時差1時間に対する差分描画用の角度は15度となる。具体的には、ホームタウンが東京で、現在都市がサンフランシスコであった場合に、東京からサンフランシスコは時差17時間前であり、差分描画用の角度は、15度×17時間=255度(時計表だと8時付近)になる。なお、ホームタウンよりも時差が後の場合には、逆方向(左回り方向)の角度が算出される。
【0037】
出力制御部55は、時差表示領域R1に時差表示を行うように出力部18を制御する。
具体的には、出力制御部55は、時差表示を行うように出力部18を制御する。本実施形態においては、時差表示は、図2に示すように、24時間表示の0時(24時)の位置(時計表示の12時の位置)にホームタウンを示す始点PSを表示し、ホームタウンとの時差の時間の位置に現在都市の終点PEを表示する。始点PSと、終点PEとの間は、ホームタウンからの時差の方向に応じて、矢印Ar1を表示する。さらに、始点PS付近には、ホームタウンの都市名と日時を表示し、終点PE付近には、現在都市の都市名を表示する。
【0038】
昼夜表示処理を実行する場合には、図4に示すように、CPU11において、関連情報取得部52と、昼夜判定部56と、出力制御部55と、が機能する。
また、記憶部19の一領域には、地図情報記憶部73が設定される。
地図情報記憶部73には、地図情報が記憶される。本実施形態においては、当該地図情報を用いて、地球儀を真北からみた北極点を中心とした地図が描画される。
【0039】
関連情報取得部52は、ホームタウンや現在都市の関連情報を取得する。
具体的には、関連情報取得部52は、ホームタウンと現在都市の時刻と、日の出・日の入り時刻を外部サーバ100から通信部20を介して取得する。
【0040】
昼夜判定部56は、所定の時刻における所定の地点の昼夜判定を行う。
具体的には、昼夜判定部56は、現在時刻と日の出・日の入り時刻との差分から昼夜状態を判定する。現在時刻と日の出・日の入り時刻との差分で、地球上における現在時刻の昼夜の状況を判定することができる。
【0041】
出力制御部55は、地図表示領域R2に昼夜表示を行うように出力部18を制御する。
具体的には、地図表示領域R2にホームタウン及び現在都市の地点と共に、地図情報記憶部73に記憶される地図を表示するように出力部18を制御する。具体的には、地図(本実施形態においては、北極点を中心とする北半球)の対応する座標位置上にホームタウンと、現在都市が表示される。
また、出力制御部55は、該当地点(ホームタウン及び現在都市)の昼夜状態に基づいて、地図に夜を示す影を描画するように出力部18を制御する。
また、出力制御部55は、図2に示すように、ホームタウンが12時の方向になるように地図の向きを調整して表示するように出力部18を制御する。
なお、本実施形態においては、地図Mの描画は、ホームタウンが12時の方向になるように表示したが、これに限られない。例えば、現在都市を12時の方向となるようにしてもよいし、北極点が中心に表示されるように構成したが、任意の都市(ホームタウン/現在都市)を中心に表示するような表示を行ってもよい。
【0042】
図5は、図4の機能的構成を有する図1の時計型リスト端末1が実行する時差表示処理の流れを説明するフローチャートである。
時差表示処理は、時計表示の一部の機能として表示され、ユーザによる入力部17への時計表示処理開始の操作を受けて開始される。
【0043】
ステップS11において、設定処理部51は、ホームタウンの設定情報があるか否かを判定する。
ホームタウンの設定情報がある場合には、ステップS11においてYESと判定されて、処理はステップS13に進む。
ホームタウンの設定情報がない場合には、ステップS11においてNOと判定されて、処理はステップS12に進む。
【0044】
ステップS12において、設定処理部51は、ユーザによる入力部17へのホームタウンの設定操作によりホームタウンの設定を行う。ホームタウンの設定情報は、ホームタウン設定情報記憶部71に記憶される。
【0045】
ステップS13において、関連情報取得部52は、ホームタウンのタイムゾーンや時刻情報等のホームタウンの関連情報を外部サーバ100から通信部20を介して取得する。なお、本実施形態において、ホームタウンの関連情報は、最新のホームタウンの関連情報を取得するように外部サーバ100から取得したものを用いてもよい。若しくは、予め記憶部19に記憶された関連情報から、ホームタウンに関連する情報を用いるように構成してもよい。
【0046】
ステップS14において、位置情報取得部53は、GPS部16から位置情報を取得する。そして、位置情報取得部53は、取得した位置情報から現在都市を特定する。
【0047】
ステップS15において、関連情報取得部52は、特定された現在都市のタイムゾーンや時刻情報等の現在都市の関連情報を外部サーバ100から通信部20を介して取得する。なお、本実施形態において、現在都市の関連情報は、最新の現在都市の関連情報を取得するように外部サーバ100から取得したものを用いてもよい。若しくは、予め記憶部19に記憶された関連情報から、現在都市に対応する情報を用いるように構成してもよい。
【0048】
ステップS16において、時差算出処理部54は、取得したホームタウンと現在都市の時刻情報から時差を算出する。
【0049】
ステップS17において、時差算出処理部54は、算出した時差が閾値以上であったか否かを判定する。
時差が閾値以上でない場合には、ステップS17においてNOと判定されて処理はステップS18に進む。
【0050】
ステップS18においては、出力制御部55は、ホームタウンの時刻と、現在都市の時刻を時差表示領域R1に表示するように出力部18を制御する。その後、処理はステップS21に進む。
【0051】
これに対して、時差が閾値以上である場合には、ステップS17においてYESと判定されて処理はステップS19に進む。
【0052】
ステップS19において、時差算出処理部54は、時差に基づき差分描画用の角度を算出する。本実施形態においては、算出する差分描画用の角度は、360度を時差24時間とした場合の角度である。即ち、時差が1時間に対する差分描画用の角度は15度となる。具体的には、ホームタウンが東京で、現在都市がサンフランシスコであった場合に、サンフランシスコは時差17時間前であり、差分描画用の角度は、15度×17時間=255度(時計表だと8時付近)になる。なお、ホームタウンよりも時差が後の場合には、逆方向(左回り方向)の角度が算出される。
【0053】
ステップS20において、出力制御部55は、時差表示を行うように出力部18を制御する。本実施形態においては、時差表示は、図2に示すように、24時間表示の0時(24時)の位置(時計表示の12時の位置)にホームタウンを示す始点PSを表示し、ホームタウンとの時差の時間の位置に現在都市の終点PEを表示する。始点PSと、終点PEとの間は、ホームタウンからの時差に応じた方向に、矢印Ar1を表示する。さらに、始点PS付近には、ホームタウンの都市名と日時を表示し、終点PE付近には、現在都市の都市名を表示する。
【0054】
ステップS21において、CPU11は、所定時間経過したか、ユーザの入力部17への処理終了操作があった場合に時差表示処理を終了するか否かを判定する。
処理を終了しない場合には、ステップS21においてNOと判定されて、処理はステップS12に戻り、再びホームタウンの設定等をし、時差表示を行う。
処理を終了する場合には、ステップS21においてYESと判定されて、時差表示処理は終了する。
なお、時差表示処理の終了によって、例えば、スリープモードに移行するように構成できるか、この場合、スリープモード中は色合い、輝度、明度を抑えた表示に変更するように構成してもよい。また、表示の変更は、スリープモードに限らず、電池の残量等に応じて行ってもよい。
【0055】
図6は、図4の機能的構成を有する図1の時計型リスト端末1が実行する昼夜表示処理の流れを説明するフローチャートである。
昼夜表示処理は、時計表示の一部の機能として表示され、ユーザによる入力部17への時計表示処理開始の操作を受けて開始される。
【0056】
ステップS31において、関連情報取得部52は、ホームタウンと現在都市の夫々の時刻と日の出・日の入り時刻とを外部サーバ100から通信部20を介して取得する。
【0057】
ステップS32において、昼夜判定部56は、各地点における現在時刻と日の出・日の入り時刻との差分から昼夜を判定する。現在時刻と日の出・日の入り時刻との差分で、地球上における現在時刻の昼夜の状況を判定することができる。
【0058】
ステップS33において、出力制御部55は、地図表示領域R2にホームタウン及び現在都市の地点と共に、地図情報記憶部73に記憶される地図を表示するように出力部18を制御する。具体的には、地図(本実施形態においては、北極点を中心とする北半球)の対応する座標位置上にホームタウンと、現在都市が表示される。
【0059】
ステップS34において、出力制御部55は、該当地点(ホームタウン及び現在都市)の昼夜状態に基づいて、地図に夜を示す影を描画するように出力部18を制御する。
【0060】
ステップS35において、出力制御部55は、ホームタウンが12時の方向になるように地図の向きを調整して表示するように出力部18を制御する。その後、昼夜表示処理は終了する。なお、本実施形態においては、地図Mの描画は、ホームタウンが12時の方向になるように表示したが、これに限られない。例えば、現在都市を12時の方向となるようにしてもよいし、北極点が出力部18の中心に来るように表示したが、任意の都市(ホームタウン/現在都市)を出力部18の中心に表示するような表示を行ってもよい。
【0061】
時計型リスト端末1では、以上のように時差表示と、昼夜表示を行って、さらに、日時等を表示することで、図2に示すような表示を行うことができる。
【0062】
<変形例>
図7乃至図9は、地図表示領域R2における昼夜表現以外の他の表現例を説明するための模式図である。
図7(a)に示すように、通常の時差の矢印Ar1の表示と並列的に昼夜表現の矢印Ar2の表示を組み合わせたパターンを昼夜表現とすることができる。即ち、時差の矢印Ar1と同様に、日の入り(日の出)までの時間を連続量で円周状に図柄を用いて表現し、時差の矢印Ar1の内側に日の出との時間差分を示す別の矢印Ar2で表示する。
この際、日の出や日の入りの時刻をまたがない場合には、図7(b)に示すように、日の入りと現在時刻との間の部分を矢印Ar2で表示する。
なお、本例では、地点Bのみ時間差分があるが、2地点両方に同様の描画処理を行うように構成してもよい。また、どちらも日の出日の入りを跨いでいない場合は、近い日の出日の入り時点との時間差分を上述した図3と同様の手法で描画が可能となる。
【0063】
また、図8に示すように、時差を表示する矢印Ar1において、昼夜の状態に基づいて表示形態を変更して表示させるように構成してもよい。
具体的には、各地点における現在時刻と日の出・日の入り時刻との時間差分を算出し、その時間差分から差分描画用の角度を算出する。この角度の算出方法は上述の算出方法を用いる。
上述した実施形態で記載した時差表示のために表示する矢印Ar1を地図M上に描画した後、昼夜表現のために算出された角度に基づき、該矢印Ar1の表示態様を変更する。即ち、昼に属する矢印Ar1の領域を領域Ar1−Dのように昼表現とし、夜に属する矢印Ar1の領域を領域Ar1−Nのように夜表現とするように構成することができる。
具体的には、各地点における日の出日の入りの時刻との時間差分に基づいた角度の差分に基づいて、該角度差分に対応する範囲の矢印Ar1の色・明度・模様等を変更するように表示処理を行う。
なお、本例の場合も、2地点両方に同様の表現処理を行ってもよい。始点PSと終点PEに対して、昼夜表示をするように構成してもよく、昼に属する始点PS−Dや夜に属する終点PE−Nのように特定の地点において昼夜表現をするように構成してもよい。
【0064】
また、各地点における現在時刻と日の出・日の入り時刻との時間差分に応じて表示態様を変更して表示するように構成することができる。
ホームタウンA/現在都市Bと日の出/日の入りとの間の領域に昼/夜に対応する表現を付加する。具体的には、矢印表示でなく、例えば、図9(a)に示すように、中心からの地点A及び地点Bと日の出/日の入りの境目を結んだ扇型の領域RH,RCを特定して、図9(b)に示すように、該当する領域RH,RCが属する昼夜の状態を、表現を変えて表示することができる。本例では、地点Aから日の入りまでの領域RHが昼に属するため昼領域RH−Dとして表示され、地点Bから日の出までの領域RCが夜に属するため夜領域RC−Nとして表示される。この場合は、上述した影の表現を用いた表示ではないため、2つの地点が北南半球を跨いでも描画が困難となることがなく、且つ、直感的に各地点の昼夜状況及び経過時間が把握できる。
なお、例えば、扇形の表現に限らず、他の図形での表現や輝度値の変更等を表現とするように構成してもよい。
【0065】
以上のように構成される時計型リスト端末1は、設定処理部51と、位置情報取得部53と、関連情報取得部52と、時差算出処理部54と、出力制御部55と、を備える。
設定処理部51は、第一の位置(ホームタウン)を取得する。
位置情報取得部53は、第一の位置(ホームタウン)とは異なる第二の位置(現在都市)を取得する。
関連情報取得部52は、第一の位置(ホームタウン)に関連する情報を取得する。
また、関連情報取得部52は、第二の位置(現在都市)に関連する情報を取得する。
時差算出処理部54は、第一の位置に関連する情報と、第二の位置(現在都市)に関連する情報とに基づいて、差分情報を生成する。
出力制御部55は、差分情報を連続量で表示させるように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、より容易に複数位置間における差分情報を把握可能な表示を可能にすることができる。
【0066】
関連情報取得部52は、設定処理部51による設定結果に基づいて、第一の位置(ホームタウン)に関連する情報を取得する。
これにより、時計型リスト端末1においては、任意の位置の差分情報を把握可能な表示を可能にすることができる。
【0067】
第二の取得手段は、現在の位置情報を第二の位置(現在都市)とする。
これにより、時計型リスト端末1においては、現在位置との他の位置間における差分情報を把握可能な表示を可能にすることができる。
【0068】
出力制御部55は、表示領域の所定の領域において差分情報を連続量で表示させるように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、連続量で表示されることにより、より直感的に複数位置間における差分情報を把握することができる。
【0069】
所定の領域は、表示領域の周縁部分に配置される。
これにより、時計型リスト端末1においては、周縁部分に配置されるために、他の表示よりも認識しやすい位置で差分情報を把握させることができる。
【0070】
また、時差算出処理部54は、第一の位置(ホームタウン)と、第二の位置(現在都市)とから、表示領域における所定の領域の位置を設定する。
出力制御部55は、時差算出処理部54により設定された当該所定の領域に差分情報を表示させるように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、差分情報を領域として連続的に示すために、より直感的に複数位置間における差分情報を把握させることができる。
【0071】
位置情報取得部53は、第一の位置(ホームタウン)に関連する情報として第一の時刻情報を取得する。
関連情報取得部52は、第二の位置(現在都市)に関連する情報として第二の時刻情報を取得する。
時差算出処理部54は、第一の時刻情報と、第二の時刻情報とに基づいて、時差情報を生成する。
これにより、時計型リスト端末1においては、より容易に複数位置間における時差の情報を把握可能な表示を可能にすることができる。
【0072】
時差算出処理部54により生成される差分情報は、第一の位置(ホームタウン)に関連する情報と、第二の位置(現在都市)に関連する情報との差分の大きさを含む。
出力制御部55は、時差算出処理部54により生成された差分情報における差分の大きさに基づいて、表示態様を変更させた連続量による表示を行うように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、より直感的に差分の大きさを把握させることができる。
【0073】
出力制御部55は、時差算出処理部54により生成された差分情報における差分の大きさが所定の基準値よりも大きい場合、表示態様を変更させた連続量による表示を行うように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、より直感的に所定の基準値よりも大きい差分の大きさを把握させることができる。
【0074】
出力制御部55は、第一の位置(ホームタウン)と、第二の位置(現在都市)とに基づいて所定の領域とは異なる表示領域に地図を表示させるように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、地図との対比において絶対的な位置関係を、より直感的に把握させることができる。
【0075】
出力制御部55は、第一の位置(ホームタウン)に関連する情報と、第二の位置(現在都市)に関連する情報とに基づいて地図上に昼夜表現を表示させるように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、第一の位置と第二の位置の昼夜状況や時差における絶対時間の感覚を与えることができる。
【0076】
出力制御部55は、第一の位置(ホームタウン)と第二の位置(現在都市)とに基づいて地図を表示させ、表示領域の所定の領域において差分情報を連続量で表示させるように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、第一の位置と第二の位置とに基づいて地図が表示され、地図に対応して差分を表示するために、地図との対比において絶対的な位置関係を、より直感的に把握させることができる。
【0077】
出力制御部55は、地図と、所定の領域に連続量で表示される差分情報とを、第一の位置(ホームタウン)と、第二の位置(現在都市)とに基づく位置関係で表示させるように出力部18を制御する。
これにより、時計型リスト端末1においては、第一の位置(ホームタウン)と、第二の位置(現在都市)に対応する位置関係で地図を表示し、地図に対応して差分を表示するために、地図との対比において絶対的な位置関係を、より直感的に把握させることができる。
【0078】
第一の位置(ホームタウン)に関連する情報及び第二の位置(現在都市)に関連する情報は、時刻、緯度、経度、標高、又は気温に関する情報を含む。
これにより、時計型リスト端末1においては、種々の差分を情報として提示することができる。
【0079】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0080】
上述の実施形態では、表示する都市名が長い場合には、短縮したり、都市コード等の略式名称としたりするように構成することができる。
【0081】
また、上述の実施形態では、時差算出処理部54により算出した時差が閾値以上であったか否かを判定するように構成したが、この実施形態に限定されず、閾値を超えているか否かを判定せずに、時差の連続量表示を行うように構成しても良い。
【0082】
また、上述の実施形態では、都市間の差分を表示する例として時差を用いたがこれに限れない。都市間等の複数のポイントにおける差分を表示することができればよく、例えば、気温・緯度・経度等といった情報の差分を量的に表示してもよい。また、2点間の差分に限らずに複数点同士の差分や基準値等からの差分を表示するように構成してもよい。
【0083】
また、上述の実施形態では、ディスプレイとして構成される出力部18の形状を略円形形状とした、矩形でも任意の形状に構成してもよい。
【0084】
また、上述の実施形態では、一方の地点(ホームタウン)のみを任意に設定可能に構成したが、現在都市とした他方の地点も任意に設定可能に構成してもよい。
【0085】
また、上述の実施形態では、描画内容を時計型リスト端末1で処理するように構成したが外部サーバ等の外部で処理して、表示のみを時計型リスト端末1で行うように構成してもよい。これに対して、すべての処理を時計型リスト端末1で行うように構成してもよい。
【0086】
また、上述の実施形態では、スケールを固定し、差分を長さとして量的に表現したが、差分値の大きさに応じて連続値表示のスケールを変更してもよい。
【0087】
また、上述の実施形態では、任意の地点や現在位置の地点以外にも、取得した他の端末の位置を表示する地点として構成してもよい。
【0088】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される電子機器は、時計型リスト端末1を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、時差表示処理機能及び昼夜表示処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、時計装置、スマートフォン、スマートウォッチ、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0089】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が時計型リスト端末1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0090】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0091】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図1のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図1のROM12や、図1の記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0092】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0093】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0094】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
第一の位置情報を取得する第一の位置取得手段と、
前記第一の位置情報とは異なる第二の位置情報を取得する第二の位置取得手段と、
前記第一の位置情報に関連する情報を取得する第一の情報取得手段と、
前記第二の位置情報に関連する情報を取得する第二の情報取得手段と、
前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報とに基づいて、差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
[付記2]
前記第一の位置情報を設定する設定手段を更に備え、
前記第一の情報取得手段は、前記設定手段による設定結果に基づいて、前記第一の位置情報に関連する情報を取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の電子機器。
[付記3]
前記第二の情報取得手段は、現在の位置情報を前記第二の位置情報とする、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の電子機器。
[付記4]
前記表示制御手段は、前記表示部の表示領域の所定の領域において前記差分情報を連続量で表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至3の何れか1つに記載の電子機器。
[付記5]
前記所定の領域は、前記表示領域の周縁部分に配置される、
ことを特徴とする付記4に記載の電子機器。
[付記6]
前記第一の位置情報と、前記第二の位置情報とから、前記差分情報が連続量で表示される所定の領域の位置を設定する領域設定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記領域設定手段により設定された当該所定の領域に前記差分情報を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の電子機器。
[付記7]
第一の情報取得手段は、前記第一の位置情報に関連する情報として第一の時刻情報を取得し、
第二の情報取得手段は、前記第二の位置情報に関連する情報として第二の時刻情報を取得し、
差分情報生成手段は、前記第一の時刻情報と、前記第二の時刻情報とに基づいて、時差情報を生成する、
ことを特徴とする付記1乃至6の何れか1つに記載の電子機器。
[付記8]
前記差分情報生成手段により生成される差分情報は、前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報との差分の大きさを含み、
前記表示制御手段は、前記差分情報生成手段により生成された差分情報における差分の大きさに基づいて、表示態様を変更させた前記連続量による表示を行うように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至7の何れか1つに記載の電子機器。
[付記9]
前記表示制御手段は、前記差分情報生成手段により生成された差分情報における差分の大きさが所定の基準値よりも大きい場合、表示態様を変更させた前記連続量による表示を行うように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記8に記載の電子機器。
[付記10]
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報と、前記第二の位置情報とに基づいて、前記差分情報が連続量で表示される所定の領域とは異なる表示領域に地図を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記4乃至9の何れか1つに記載の電子機器。
[付記11]
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報とに基づいて前記地図上に昼夜表現を表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記10に記載の電子機器。
[付記12]
前記表示制御手段は、前記第一の位置情報と前記第二の位置情報とに基づいて、地図を表示させ、表示領域の所定の領域において前記差分情報を連続量で表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記10又は11に記載の電子機器。
[付記13]
前記表示制御手段は、前記地図と、前記所定の領域に連続量で表示される前記差分情報とを、前記第一の位置情報と、前記第二の位置情報とに基づく位置関係で表示させるように前記表示部を制御する、
ことを特徴とする付記12に記載の電子機器。
[付記14]
前記第一の位置情報に関連する情報及び第二の位置情報に関連する情報は、時刻、緯度、経度、標高、又は気温に関する情報を含む、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の電子機器。
[付記15]
第一の位置情報を取得する第一の位置取得ステップと、
前記第一の位置情報とは異なる第二の位置情報を取得する第二の位置取得ステップと、
前記第一の位置情報に関連する情報を取得する第一の情報取得ステップと、
前記第二の位置情報に関連する情報を取得する第二の情報取得ステップと、
前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報とに基づいて、差分情報を生成する差分情報生成ステップと、
前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
[付記16]
コンピュータを、
第一の位置情報を取得する第一の位置取得手段、
前記第一の位置情報とは異なる第二の位置情報を取得する第二の位置取得手段、
前記第一の位置情報に関連する情報を取得する第一の情報取得手段、
前記第二の位置情報に関連する情報を取得する第二の情報取得手段、
前記第一の位置情報に関連する情報と、前記第二の位置情報に関連する情報とに基づいて、差分情報を生成する差分情報生成手段、
前記差分情報を連続量で表示させるように表示部を制御する表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0095】
1・・・時計型リスト端末,11・・・CPU,12・・・ROM,13・・・RAM,14・・・バス,15・・・入出力インターフェース,16・・・GPS部,17・・・入力部,18・・・出力部,19・・・記憶部,20・・・通信部,21・・・ドライブ,31・・・リムーバブルメディア,51・・・設定処理部,52・・・関連情報記憶部,53・・・位置情報取得部,54・・・時差算出処理部,55・・・出力制御部,56・・・昼夜判定部,71・・・ホームタウン設定情報記憶部,72・・・現在都市情報記憶部,73・・・地図情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9