【実施例】
【0016】
図1は本発明の一実施例であるパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、
図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、
図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
【0017】
[パチンコ機10の全体構成]
実施例のパチンコ機10は、
図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(
図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
【0018】
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
【0019】
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
【0020】
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。
【0021】
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(
図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(
図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(
図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
【0022】
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、
図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(
図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の外枠を囲むように配置されたセンター役物50と、センター役物50の下側に配置され遊技球の入賞を検知する始動口スイッチ36a(
図3参照)を有する始動口36と、始動口36に取り付けられた開閉可能なチューリップ式の普通電動役物38と、始動口36の下方に配置された開閉可能な大入賞口44と、遊技領域31の左右下部に配置され遊技球の入賞を検知する一般入賞口スイッチ45a(
図3参照)を有する計4つの一般入賞口45と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口46と、を備える。また、遊技盤30は、この他、普通図柄作動ゲート32の下側には風車48が設けられ、上述した各入賞口の周辺等には遊技球をガイドしたり弾いたりする図示しない多数の釘が設けられている。
【0023】
普通電動役物38は、始動口36に設けられた翼片部38a,38bと、翼片部38a,38bを作動させる普通電動役物ソレノイド39(
図3参照)と、を備える。この普通電動役物39は、
図2に示すように、翼片部38a,38bが直立しているときには始動口38への遊技球の入賞の可能性が比較的低い通常状態となり(図中点線で表示)、翼片部38a,38bが左右に開いているときには始動口36への遊技球の入賞の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図中実線で表示)。
【0024】
大入賞口44は、通常は遊技球を受け入れない閉状態とされており、大当り遊技(特別遊技)のときに、大入賞口ソレノイド44a(
図3参照)によって遊技球を受け入れやすい開放状態となるよう駆動される。大入賞口44には、遊技球の入賞を検知すると共にその入賞数をカウントするための大入賞口スイッチ44b(
図3参照)が取り付けられている。本実施例では、大当り遊技の処理として、大入賞口スイッチ44bが遊技球の入賞を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、25秒)が経過するまでを1ラウンドとして大入賞口44を開放し、規定ラウンドまで大入賞口44の開放動作を繰り返す。なお、各ラウンドの間には、所定時間(例えば、2秒間)だけ大入賞口44を閉状態とする。
【0025】
図柄表示装置40は、
図4の構成図に例示するように、普通図柄の変動表示および停止表示が可能な普通図柄表示装置41と、特別図柄の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示装置42と、を備える。普通図柄表示装置41は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41aおよび右普通図柄表示部41bを備える。
図5に、普通図柄表示装置41の表示態様の一例を示す。普通図柄表示装置41は、
図5に示すように、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に消灯した表示態様(
図5の上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41aが点灯し右普通図柄表示部41bが消灯した表示態様(
図5の上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41aが消灯し右普通図柄表示部41bが点灯した表示態様(
図5の上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に点灯した表示態様(
図5の上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。普通図柄表示装置41は、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより変動表示し、変動表示の実行時間が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で停止表示される。このとき、停止表示された表示態様が特定の表示態様(例えば、
図5の上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして普通電動役物39を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。なお、普通図柄の変動表示中に、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過したときには、普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。普通図柄の変動表示の保留数は保留図柄35bによって表示される。
【0026】
特別図柄表示装置42は、
図4に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された特別図柄表示部42aとラウンド表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示装置42は、始動口36の入賞が検知されたときに、表示状態を順次切り替えることにより変動表示し、変動表示の実行時間が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で停止表示される。このとき、停止表示された表示態様が特定の表示態様であるときに、大当りとして大入賞口44を一定時間(例えば、25秒など)に亘って開放する。
図6に、大当り時における特別図柄表示装置42の表示態様の一例を示す。図示するように、第1の通常大当りは、特別図柄表示部42aにおける右上,右下,左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様である(
図6の上から1段目参照)。また、第1の確変大当りは、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様であり(
図6の上から2段目参照)、第2の確変大当りは、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様である(
図6の上から3段目参照)。なお、大当り時における表示態様は、上記態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、各大当り時における表示態様の種類も1種類に限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が始動口36に入賞したときには、特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。特別図柄の変動表示の保留数は保留図柄35aによって表示される。
【0027】
ここで、第1の通常大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、15ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄が当りで停止表示されたときに普通電動役物39の開放時間が延長される状態(いわゆる時短状態)となる大当り態様である。なお、第1の通常大当りに係る大当り遊技の終了後には、大当り判定の結果が大当りとなる確率が低い低確率状態(低確率モードとも呼ぶ)となる。第1の確変大当りは、第1の通常大当りと同様に大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、15ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、次に大当りを引くまで、大当り判定の結果が大当りとなる確率が低確率モードよりも高くなる確変状態(高確率モードとも呼ぶ)となり且つ時短状態となる大当り態様である。また、第2の確変大当りは、大入賞口44の開放が第1の通常大当りよりも少ないラウンド数(例えば、2ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、次に大当りを引くまで確変状態となり且つ時短状態となる大当り態様である。なお、本実施例では、大当り遊技の開始に際して、その大当り遊技の最大ラウンド数を示す図柄を表示するラウンド表示部42bを、図柄表示装置40の一部に設けてある(
図4参照)。このラウンド表示部42bは、特別図柄表示部42aと同様に7セグメント表示器を用いて構成される。ラウンド表示部42bの表示態様としては、上段および中段の横棒セグメントと左上,左下の縦棒セグメントとが点灯(英字の「F」の形に点灯)する表示態様と、上段,中段,下段の横棒セグメントと右上および左下の縦棒セグメントとが点灯(算用数字の「2」の形に点灯)する表示態様とがあり、前者の表示態様が「第1の通常大当り」および「第1の確変大当り」を契機とする大当り遊技のラウンド数表示に対応し、後者の表示態様が「第2の確変大当り」を契機とする大当り遊技のラウンド数表示に対応する。
【0028】
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されるもので、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、
図7に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。この演出表示装置34は、遊技球が始動口36に入賞したときに、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。
図8に、演出表示装置34の演出図柄の変動表示,仮停止,確定表示の一例を示す。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするようにスクロール変動し、スクロール変動の実行時間が経過すると、左の演出図柄34Lが仮停止し,その後に右の演出図柄34Rが仮停止し,最後に中の演出図柄34Mの順に仮停止する。そして、中の演出図柄34Mが仮停止して仮停止時間が経過すると、3つの演出図柄34L,34M,34Rが完全に停止した確定表示となる。ここで、仮停止中には、実施例では、演出図柄がスクロール変動の方向(上下方向)にユラユラと揺れるように表示するものとした。なお、仮停止の状態では、演出図柄は未だ確定されていないため、そのまま確定表示されることもあるが、再変動して別の演出図柄で確定表示されることもある。演出図柄34L,34M,34Rが停止表示されると、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり(
図8(a)参照)、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかったときにはリーチありの外れとなり(
図8(b)参照)、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致したときに大当りとなる(
図8(c)参照)。この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示装置42により表示される特別図柄の当否の結果と一致する。
【0029】
また、演出表示装置34は、本実施例では、表示画面内に特別図柄用の保留図柄35aと普通図柄用の保留図柄35bも表示されている。保留図柄35aは、特別図柄の変動表示中に始動口36に遊技球が入賞するごとに左側から順に一つずつ表示され、特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入賞時とは逆の順に消去される。保留図柄35bも、普通図柄の変動表示中に普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過するごとに左側から順に一つずつ表示され、普通図柄の変動表示が開始されるごとにゲート通過時とは逆の順に消去される。
【0030】
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として
図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、
図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70と、賞球や球貸の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、
図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を
図10に示す。
【0031】
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、
図3に示すように、始動口スイッチ36からの入賞信号が直接に入力されると共にゲートスイッチ32aからの通過信号や大入賞口スイッチ44bおよび一般入賞口スイッチ45aからの入賞信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や普通電動役物ソレノイド39への駆動信号,大入賞口ソレノイド44aへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。また、主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。
【0032】
払出制御基板80は、賞球や球貸の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、
図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号が中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。
【0033】
サブ制御基板90は、
図9に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90は、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、各種LEDランプ93aを駆動したり可動式の装飾部材を作動させるための装飾モータ93bを駆動したりする装飾駆動基板93,演出ボタン26からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
【0034】
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信している。
【0035】
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。
図10は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(ステップS100)、遊技開始処理(ステップS110)と、普通図柄遊技処理(ステップS120)と、普通図柄当り遊技処理(ステップS130)と、特別図柄遊技処理(ステップS140)と、大当り遊技処理(ステップS150)と、を繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、ステップS110〜S150の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
【0036】
[遊技開始処理]
ステップS110の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(ゲートスイッチ32aや始動口スイッチ36a,大入賞口スイッチ44b,一般入賞口スイッチ45bなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種乱数値(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,リーチ用乱数,変動パターン決定用乱数など)を更新したりする。続いて、遊技球の入賞に関わるスイッチ(始動口スイッチ36aや大入賞口スイッチ44b,一般入賞口スイッチ45aなど)が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定されると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に保存し、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御基板80に送信して遊技開始処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入賞が検知されて主制御基板70から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。遊技開始処理が終了すると、主制御処理に戻って次のステップS120の普通図柄遊技処理に進む。
【0037】
[普通図柄遊技処理]
ステップS120の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄を決定する。即ち、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄(
図5の上から4段目参照)を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄(
図5の上から1〜3段目参照)のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動表示時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動表示時間が経過するのを待つ。変動表示時間の設定は、時短状態にないときには長時間(例えば、30秒)に設定され、時短状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動表示時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、普通電動役物38の開放時間を設定し、普通電動役物38の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。普通電動役物38の開放時間は、時短状態にないときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、時短状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、普通電動役物38の開放は、上述したように、普通電動役物ソレノイド39を駆動制御することによって、一対の翼片部38a,38bを左右に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のステップS130の普通図柄当り遊技処理に進む。
【0038】
[普通図柄当り遊技処理]
ステップS130の普通図柄当り遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、普通電動役物38が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が始動口36に入賞しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が始動口36に入賞してもいないと判定されると、普通電動役物38の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定されたり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が始動口36に入賞していると判定されると、普通電動役物38の駆動を停止して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のステップS140の特別図柄遊技処理に進む。
【0039】
[特別図柄遊技処理]
ステップS140の特別図柄遊技処理は、
図11(前半部分)および
図12(後半部分)に示すフローチャートに従って実行される。
図11および
図12の特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して始動口36に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS200)。始動口36に遊技球が入賞したと判定されると、現在の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(ステップS202)。現在の保留数が上限値よりも少ないと判定されたときには、保留数を値1だけインクリメントすると共に(ステップS204)、判定用乱数を取得してRAM70cの所定の判定用乱数記憶領域に格納し(ステップS206)、始動入賞時コマンドをサブ制御基板90に送信する(ステップS208)。ここで、ステップS206で取得される判定用乱数としては、始動口36への遊技球の入賞により行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに特別図柄表示装置42に停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,大当り判定の結果が外れで演出表示装置34の表示画面に演出図柄を変動表示する際にリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ用乱数などが挙げられる。また、始動入賞時コマンドには、記憶した判定用乱数を示すコマンドや保留数を示すコマンドが含まれる。これらのコマンドは、共通の始動入賞時コマンドとして送信するものの他、個別のコマンドとして送信するものとしてもよい。なお、ステップS200で始動口36に遊技球が入賞していないと判定されたり、ステップS202で保留数が上限値に達していると判定されると、ステップS204〜S208の処理をスキップして次の処理に進む。
【0040】
次に、大当り遊技中であるか否か(ステップS210)、特別図柄変動表示中であるか否か(ステップS212)、停止表示時間中であるか否か(ステップS214)、保留数が値0であるか否か(ステップS216)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定されると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のステップS150の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、特別図柄変動表示中でなく、停止表示時間中でなく、保留数が値0でもないと判定されると、保留数を値1だけデクリメントし(ステップS218)、乱数記憶領域に記憶されている判定用乱数のうち最も古い判定用乱数(大当り判定用乱数)を読み出す(ステップS220)。そして、大当り判定テーブルと読み出した大当り判定用乱数とを用いて大当り判定を行い(ステップS222)、図柄変動開始処理を実行して(ステップS224)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。ここで、大当り判定テーブルには、
図13(a)に例示する低確率モード用の大当り判定テーブルと、
図13(b)に例示する高確率モード用の大当り判定テーブルとが用意されており、現在の遊技状態が通常モード(低確率モード)であるときには低確率モード用のテーブルを用いて大当り判定を行い、現在の遊技状態が確変モード(高確率モード)であるときには高確率モード用のテーブルを用いて大当り判定を行う。なお、低確率モード用の大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜796のうち値60,61のときに大当りとし(1/398.5の大当り確率)、高確率モード用の大当り判定テーブルでは当り判定用乱数が値0〜796のうち値60〜79のときに大当りとするものとした(1/39.85の大当り確率)。以下、
図14に例示する図柄変動開始処理についての詳細を説明する。
【0041】
図14の図柄変動開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、現在の遊技状態がどの状態にあるかを判定、即ち、低確率モードで且つ時短状態にない遊技状態(低確率非時短状態)であるか、低確率モードで且つ時短状態にある遊技状態(低確率時短状態)であるか、高確率モードの遊技状態(高確率状態)であるかを判定する(ステップS300)。なお、この判定は、後述する確変フラグや変動短縮フラグの値を調べることにより行うことができる。続いて、大当り判定の結果が大当りであるか否かを判定し(ステップS302)、大当りと判定されると、大当り用変動パターンテーブルを設定する(ステップ
S304)。ここで、大当り用変動パターンテーブルは、変動パターン決定用乱数と変動パターンと変動時間とが対応付けられており、ステップS300で判定した遊技状態に応じて遊技状態毎に設定される。
図15に低確率モード時の大当り用変動パターンテーブルの一例を示し、
図16に高確率モード時の大当り用変動パターンテーブルの一例を示す。なお、
図15および
図16には、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。図示するように、低確率非時短状態にあるときには
図15(a)に示す低確率非時短時大当り用変動パターンテーブルを設定し、低確率時短状態にあるときには
図15(b)に示す低確率時短時大当り用変動パターンテーブルを設定する。また、高確率状態にあるときには
図16に示す高確率時大当り用変動パターンテーブルを設定する。
【0042】
大当り用変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を取得し(ステップS306)、大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS308)、設定した大当り用変動パターンテーブルと取得した変動パターン決定用乱数とを用いて大当り図柄変動パターンを設定すると共に読み出した大当り図柄決定用乱数を用いて停止表示させる大当り図柄を設定する(ステップS310)。
図17に大当り図柄決定用テーブルの一例を示す。大当り図柄は、本実施例では、
図17に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜値101のときに
図6の上段の停止図柄が選択されて「第1の通常大当り」となり(約40%の大当り振り分け確率)、大当り図柄決定乱数が値102〜値203のときに
図6の中段の停止図柄が選択されて「第1の確変大当り」となる(約40%の大当り振り分け確率)。また、大当り図柄決定用乱数が値204〜値255のときに
図6の下段の停止図柄が選択されて「第2の確変大当り」となる(約20%の大当り振り分け確率)。
【0043】
ステップS302で大当り判定の結果が大当りでないと判定されると、さらに、リーチ用乱数を用いてリーチ表示を行うか否かを判定し(ステップS312)、リーチ表示を行うときにはリーチあり外れ用変動パターンテーブルを設定し(ステップS314)、リーチ表示を行わないときにはリーチなし外れ用変動パターンテーブルを設定する(ステップS316)。ここで、外れ用変動パターンテーブル(リーチありなしを含む)は、大当り用変動パターンテーブルと同様に、変動パターン決定用乱数と変動パターンと変動時間とが対応付けられており、ステップS300で判定した遊技状態に応じて遊技状態毎に設定され、遊技状態が時短状態にないときには更に特別図柄の保留数毎にも設定される。
図18に低確率モード時の外れ用変動パターンテーブルの一例を示し、
図19に高確率モード時の外れ用変動パターンテーブルの一例を示す。なお、
図18および
図19のテーブルには、リーチなし外れ用変動パターンテーブルとリーチあり外れ用変動パターンテーブルとをまとめて図示している。また、
図18および
図19には、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。外れ用変動パターンテーブルの設定は、図示するように、低確率非時短状態にあるときには
図18(a)に示す低確率非時短時外れ用変動パターンテーブルを設定(リーチなしの場合は
図18(a)上段の低確率非時短時リーチなし外れ用変動パターンテーブルを設定しリーチありの場合は
図18(a)下段の低確率非時短時リーチあり外れ用変動パターンテーブルを設定)し、低確率時短状態にあるときには
図18(b)に示す低確率時短時外れ用変動パターンテーブルを設定(リーチなしの場合は
図18(b)上段の低確率時短時リーチなし外れ用変動パターンテーブルを設定しリーチありの場合は
図18(b)下段の低確率時短時リーチあり外れ用変動パターンテーブルを設定)する。また、高確率状態にあるときには
図19に示す高確率時外れ用変動パターンテーブルを設定(リーチなしの場合は
図19上段の高確率時リーチなし外れ用変動パターンテーブルを設定しリーチありの場合は
図19下段の高確率時リーチあり外れ用変動パターンテーブルを設定)する。
【0044】
外れ用変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を取得し(ステップS318)、設定した外れ用変動パターンテーブルと取得した変動パターン決定用乱数とを用いて外れ図柄変動パターンを設定すると共に外れ図柄を設定する(ステップS320)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と図示しない外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することもできる。
【0045】
こうして大当り図柄変動パターンおよび大当り図柄あるいは外れ図柄変動パターンおよび外れ図柄を設定すると、特別図柄の変動表示を開始すると共に(ステップS322)、図柄変動開始時コマンドをサブ制御基板90に送信して(ステップS324)、図柄変動開始処理を終了する。ここで、図柄変動開始時コマンドには、大当りのときには大当り図柄変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれ、外れのときには外れ図柄変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれている。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、演出表示装置34の制御を行う。
【0046】
図11および
図12の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄の変動表示が開始された後は、次に特別図柄遊技処理が実行されたときにステップS212で特別図柄が変動表示中と判定されるため、主制御基板70のCPU70aは、変動表示時間(変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS226)。変動表示時間は特別図柄の変動パターンを決定する際に変動パターンに応じて決定されているから、変動表示時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と決定されている変動表示時間とを比較することにより行うことができる。変動表示時間が経過していないと判定されると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動表示時間が経過していると判定されると、特別図柄の変動を停止し(ステップS228)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(ステップS230)。図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90は、その図柄停止コマンドを演出表示制御基板91に転送する。そして、停止表示時間を設定し(ステップS232)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS234)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定されると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされると、ステップS214で停止表示時間中と判定されるため、再びステップS234で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定されると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(ステップS236)。
【0047】
ステップS236で大当り図柄と判定されると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(ステップS238)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(ステップS240)。これにより、後述する大当り遊技処理によって大当り遊技が開始されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や時短機能,開放延長機能を一旦停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(ステップS242,S244)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(ステップS246〜S250)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のステップS150の大当り遊技処理に進む。
【0048】
一方、ステップS236で大当り図柄でないと判定されると、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS252)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(ステップS254)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(ステップS256)。ここで、変動短縮カウンタは、時短(普通図柄の変動短縮)状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り終了後に大当り態様に応じた値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、時短状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、時短状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(ステップS258)、開放延長フラグをオフとし(ステップS260)、遊技状態が時短状態から非時短状態に変更されたことを示す遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(ステップS262)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグなどが含まれる。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に制御信号を出力して演出表示装置34の背景画面を時短用の背景から非時短用の背景に変更する等の処理を行う。なお、ステップS254の判定は通常モードか確変モードか否かに拘わらず実行されるが、第1の確変大当りや第2の確変大当りでは、大当り終了後に、変動短縮カウンタに10,000回が設定されるため、これらの確変大当りの場合に、変動短縮カウンタが値0となることは通常あり得ず、次回に大当りを引くまで時短状態が終了することはない。
【0049】
[大当り遊技処理]
ステップS150の大当り遊技処理は、
図20に示すフローチャートに従って実行される。
図20の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンか否か、即ち大当り遊技中か否かを判定する(ステップ400)。大当り遊技中でないと判定されると、そのまま大当り遊技処理を終了する。大当り遊技処理を終了すると、前述したように、主制御処理のステップS110の遊技開始処理に戻ってステップ110〜S150の処理が繰り返し実行される。一方、大当り遊技中と判定されると、大入賞口44が開放中であるか否かを判定する(ステップS402)。いま、大当りが発生した直後を考えると、大入賞口44は閉鎖しているため、ステップS402では否定的な判定がなされ、次に、大当り遊技終了条件が成立しているか否かを判定する(ステップS404)。この判定は、大入賞口44の開放動作の繰り返し回数(ラウンド数)が大当り態様に応じて決定される規定回数に達したか否かを判定することにより行われる。本実施例では、大当り態様が第1の通常大当りか第1の確変大当りであればラウンド数が15回に達したか否か、大当り態様が第2の確変大当りであればラウンド数が2回に達したか否かを判定する。大当りが発生した直後は、ステップS404で大当り遊技終了条件は成立していないと判定されるため、次に、規定の閉鎖時間(本実施例では、2秒)が経過したか否かを判定し(ステップS406)、規定の閉鎖時間が経過したと判定されると、大入賞口44が開放されるよう大入賞口ソレノイド44aを駆動制御して(ステップS408)、大当り遊技処理を一旦終了する。
【0050】
大入賞口44の開放を開始すると、次に大当り遊技処理が実行されたときにステップS402で大入賞口44が開放中と判定されるから、大入賞口44が開放を開始してからの経過時間が所定の開放時間に達したか否か(ステップS410)、大入賞口44に入賞した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したか否か(ステップS412)を判定する。ここで、開放時間は、大当り態様に応じて異なる時間が定められており、本実施例では、第1の通常大当りか第1の確変大当りかのいずれかのときには25秒となり、第2の確変大当りのときには6秒となる。大入賞口44が開放を開始してからの経過時間が所定の開放時間に達しておらず大入賞口44へ入賞した遊技球の数が規定数に達してもいないときには、大入賞口44の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口44が開放を開始してからの経過時間が所定の開放時間に達していると判定されたときや、開放時間に達していなくても大入賞口44へ入賞した遊技球の数が規定数に達していると判定されたときには、大入賞口44が閉鎖されるよう大入賞口ソレノイド44aを駆動制御して(ステップS414)、大当り遊技処理を一旦終了する。大入賞口44が閉鎖されると、次に大当り遊技処理が実行されたときにステップS402で大入賞口44が開放中でないと判定されるから、大当り遊技終了条件が成立していない限りは規定の閉鎖時間が経過するまで待って大入賞口44を開放する(ステップS404〜S408)。このように閉鎖状態を挟みながら大入賞口44の開放動作を繰り返すことにより大当り遊技が進行される。大入賞口44の開放動作の繰り返し回数が規定回数に達すると、ステップS404で大当り遊技終了条件が成立したと判定され、
図21に例示する大当り遊技終了時処理を実行して(ステップS416)、大当り遊技処理を終了する。
【0051】
図21の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(ステップS450)、大当り図柄が確変図柄、即ち今回の大当りが第1の確変大当りか第2の確変大当りかのいずれかであるかを判定する(ステップS452)。確変図柄でない、即ち今回の大当りが第1の通常大当りであると判定されると、確変フラグはオフのまま維持して、変動短縮カウンタを100回にセットし(ステップS454)、確変図柄と判定されると、確変フラグをオンとすると共に(ステップS456)、変動短縮カウンタを10,000回にセットする(ステップS458)。上述したように、変動短縮カウンタが10,000回にセットされると、実質的には、次回の大当りを引くまで時短状態が継続される。こうして変動短縮カウンタをセットすると、変動短縮フラグをオンとすると共に(ステップS460)、開放延長フラグをオンとし(ステップS462)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(ステップS464)、大当り遊技終了時処理を終了する。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に制御信号を出力して演出表示装置34の背景画面を確変用あるいは時短用の背景に設定する等の処理を行う。
【0052】
[演出制御処理]
次に、サブ制御基板90により実行される動作について説明する。
図22は、サブ制御基板90のCPU90aにより実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、保留発生時処理(ステップS500)と、図柄変動演出処理(ステップS510)と、大当り遊技演出処理(ステップS520)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、大当り遊技演出処理は、詳細には説明しないが、主制御基板70から大当りの開始を示す大当り遊技開始指定コマンドや大当りの終了を示す大当り遊技終了指定コマンドなどが受信されたか否かを判定し、大当り遊技開始指定コマンドを受信すると、大当りファンファーレ画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力し、大当り遊技終了指定コマンドを受信すると、エンディング画面が演出表示装置34に表示されるよう演出表示制御基板91に制御信号を出力することにより行われる。なお、各種演出では、演出表示装置34の画面表示に合わせて、音声がスピーカ28a,28bから出力されるようアンプ基板92に駆動信号を出力したり、LED93aが点灯するよう装飾駆動基板93に駆動信号を出力したりする。
【0053】
[保留発生時処理]
保留発生時処理は、
図23に例示するフローチャートに従って実行される。
図23の保留発生時処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、
図11の特別図柄遊技処理のステップS208の処理で主制御基板70により送信される始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS600)。始動入賞時コマンドには、前述したように、判定用乱数を示すコマンドや保留数を示すコマンドが含まれる。始動入賞時コマンドを受信していない場合にはそのまま保留発生時処理を終了する。一方、始動入賞時コマンドを受信すると、保留数カウンタを値1だけインクリメントし(ステップS602)、判定用乱数情報を保留数カウンタの値と関連付けてRAM90cに記憶し(ステップS604)、保留図柄35aの表示を一つ追加して(ステップS606)、保留発生時処理を終了する。
【0054】
[図柄変動演出処理]
図柄変動演出処理は、
図24に例示するフローチャートに従って実行される。
図24の図柄変動演出処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、短縮変動モードフラグがオフであるか否かを判定し(ステップS700)、短縮変動モードフラグがオフのときには
図25に例示する通常変動モード時図柄変動演出処理を実行し(ステップS702)、短縮変動モードフラグがオンのときには
図26に例示する短縮変動モード時図柄変動演出処理を実行する(ステップS704)。ここで、短縮変動モードフラグは、現在の遊技状態が時短状態(短縮変動モード)であることを示すフラグであり、
図21の大当り遊技終了時処理のステップS464で主制御基板70から遊技状態指定コマンドを受信したときに、遊技状態指定コマンドに含まれる変動短縮フラグがオンのときにはオンにセットし、変動短縮フラグがオフのときにはオフにセットされる。以下、通常変動モード時図柄変動演出処理と短縮変動モード時図柄変動演出処理の詳細を順に説明する。
【0055】
図25の通常変動モード時図柄変動演出処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、
図14の図柄変動開始処理のステップS324の処理で主制御基板70により送信される図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS710)。図柄変動開始時コマンドを受信したと判定されると、図柄変動演出パターンを設定すると共に(ステップS712)、停止図柄を設定して(ステップS714)、図柄変動演出を開始する(ステップS716)。ここで、図柄変動演出パターンは、
図8に示すように、図柄変動演出の開始により3つの演出図柄34L,34M,34Rがスクロール変動により変動表示を開始し、それぞれの仮停止を経て図柄停止コマンドの受信に合わせて確定表示される演出パターンが設定されており、これに
図14の図柄変動開始処理で決定された変動パターンに応じた予告演出やリーチ演出などが組み合わされる。なお、変動開始時コマンドを受信していないと判定されると、ステップS712〜S716の処理をスキップして次の処理に進む。そして、図柄停止コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS718)、図柄停止コマンドを受信したと判定されると、図柄変動演出を終了して(ステップS720)、通常変動モード時図柄変動演出処理を終了する。なお、図柄停止コマンドを受信していないと判定されると、そのまま通常変動モード時図柄変動演出処理を終了する。
【0056】
図26の短縮変動モード時図柄変動演出処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS730)、図柄変動開始時コマンドを受信したと判定されると、特殊変動演出カウンタが値0であるか否か(ステップS732)、特殊変動演出終了フラグがオフか否かを判定する(ステップS734)。ここで、特殊変動演出カウンタは、演出図柄の変動表示の演出として後述する特殊変動演出を実行する残り回数を示すカウンタであり、特殊変動演出を開始する度に値1ずつデクリメントされる。また、特殊変動演出終了フラグは、特殊変動演出の終了を示すフラグであり、特殊変動演出カウンタが値0までカウントダウンされたときにオンされる。特殊変動演出カウンタが値0と判定され且つ特殊変動演出終了フラグがオフと判定されると、特別図柄の現在の保留数が値3以上か否かを判定する(ステップS736)。現在の保留数が値3未満と判定されると、後述する通常変動演出実行処理を行う(ステップS738)。一方、現在の保留数が値3以上と判定されると、RAM90cに記憶されている判定用乱数情報(大当り判定用乱数やリーチ用乱数)を読み出し(ステップS740)、RAM90cに記憶されている判定用乱数情報のうち乱数値が特殊値である判定用乱数情報があるか否かを判定する(ステップS742)。ここで、特殊値は、特殊変動演出を行うか否かを決定するために予め定められた乱数値であり、実施例では、大当り判定用乱数が大当りを示す乱数値やリーチ用乱数がリーチ表示を示す乱数値などが含まれている。RAM90cに乱数値が特殊値である判定用乱数情報がないと判定されると、通常変動演出実行処理を行う(ステップS738)。一方、ステップS742でRAM90cに乱数値が特殊値である判定用乱数情報があると判定されると、その特殊値までの保留数(該当する判定用乱数情報に関連付けられている保留数カウンタの値)に値1をマイナスした数を特殊変動演出カウンタに設定して(ステップS744)、後述する特殊変動演出実行処理を行う(ステップS746)。なお、ステップS730で図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定されると、ステップS732〜S748の処理をスキップして次の処理に進む。そして、
図11の特別図柄遊技処理のステップS230の処理で主制御基板70により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定し(ステップ750)、図柄停止コマンドを受信しているときには、図柄変動演出を終了して(ステップS752)、短縮変動モード時図柄変動演出処理を終了する。なお、図柄停止コマンドを受信していないと判定されると、短縮変動モード時図柄変動演出処理を一旦終了する。
【0057】
ステップS730の図柄変動開始時コマンドの受信に合わせて特殊変動演出を開始しステップS750の図柄停止コマンドの受信に合わせて特殊変動演出を終了することにより1回の特殊変動演出を行うと、特殊変動演出カウンタが値0となるまで図柄変動開始時コマンドを受信する度に特殊変動演出実行処理を繰り返す(ステップS732,S746)。そして、特殊変動演出カウンタが値0となって初回に図柄変動開始時コマンドを受信したときには、ステップS734で特殊変動演出終了フラグがオンと判定され、特殊変動演出終了フラグをオフとして(ステップS748)、通常変動演出実行処理を行う(ステップS738)。以下、ステップS738の通常変動演出実行処理とステップS746の特殊変動演出実行処理の詳細を順に説明する。
【0058】
ステップS738の通常変動演出実行処理は、
図27に示すように、通常変動演出パターンを設定すると共に(ステップS760)、停止図柄を設定して(ステップS762)、通常変動演出を開始することにより行われる(ステップS764)。ここで、通常変動演出パターンは、前述した通常変動モード時の変動演出パターンと同様の変動演出パターンが設定される。
【0059】
ステップS746の特殊変動演出実行処理では、
図28に示すように、特殊変動演出パターンを設定すると共に(ステップS770)、停止図柄を設定して(ステップS772)、特殊変動演出を開始する(ステップS774)。ここで、特殊変動演出パターンは、特殊変動演出の開始により3つの演出図柄34L,34M,34Rの全てを仮停止とし、図柄停止コマンドの受信に合わせて仮停止の状態から確定表示される演出パターンが設定されており、通常変動演出パターンのスクロール変動が省略されたものとなっている。また、停止図柄の設定は、前回に確定表示した図柄をコピーして設定するものとした。
図29に、特殊変動演出を含む演出図柄の変動の様子を示す。
図29(a)〜(e)と
図29(j)〜(n)が通常変動演出の様子であり、
図29(f)〜(i)が特殊変動演出の様子である。ここで、
図29の例では、
図29(a)〜(e)の通常変動演出の最中に、始動口36に遊技球が入賞し、これに伴って主制御基板70から送信される判定用乱数情報(大当り判定用乱数)が大当りを示す特殊値であり且つそのときの保留数が値3(特殊変動演出カウンタが値2)である場合を示す。
図29(a)〜(e)の通常変動演出では、3つの演出図柄34L,34M,34Rが上から下へスクロール変動し(
図29(a)参照)、左の演出図柄34Lが仮停止して上下方向にユラユラと揺れた状態となり(
図29(b)参照)、次に右の演出図柄34Rが仮停止して上下方向にユラユラと揺れた状態となり(
図29(c)参照)、次に中の演出図柄34Mが仮停止して上下方向にユラユラと揺れた状態となり(
図29(d)参照)、図柄停止コマンドが受信されたときに3つの演出図柄34L,34M,34Rの全てが完全に停止した確定表示となる(
図29(e)参照)。そして、特殊変動演出は、3つの演出図柄34L,34M,34Rの全てを前回に確定表示された図柄のまま維持した状態で仮停止を行い(
図29(f)参照)、図柄停止コマンドが受信されたときに3つの演出図柄34L,34M,34Rの全てを完全に停止して確定表示(
図29(g)参照)する処理を特殊変動演出カウンタの数だけ繰り返すことにより行われる。特殊変動演出カウンタは特殊値と判定した判定用乱数情報に関連付けられた保留数に値1をマイナスしたものを設定しているから、特殊変動演出が終了した次の通常変動演出では、特殊値(大当りを示す乱数値やリーチ表示を示す乱数値など)に従った変動パターンによってスクロール変動と仮停止と確定表示が行われる。
図29の例では、判定用乱数情報(大当り判定用乱数)が大当りを示す特殊値である場合を考えているから、特殊変動演出が終了した次の通常変動演出では、リーチ演出を伴って大当り図柄で確定表示される(
図29(j)〜
図29(n)参照)。このように特殊変動演出を実行することにより、遊技(保留の消化)は進行しているものの、遊技者にはあたかも遊技が停滞(フリーズ)しているような印象を感じさせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0060】
特殊変動演出を開始すると、特殊変動演出カウンタを値1だけデクリメントして(ステップS776)、特殊変動演出カウンタが値0か否かを判定する(ステップS778)。特殊変動演出カウンタが値0でないと判定されたときにはこれで特殊変動演出実行処理を終了し、特殊変動演出カウンタが値0と判定されると、特殊変動演出終了フラグをオンとして(ステップS780)、特殊変動演出実行処理を終了する。
【0061】
以上説明した実施例のパチンコ機10によれば、短縮変動モード時において、始動口36への遊技球の入賞に伴って得られる判定用乱数情報が特殊値でないときには、図柄変動開始時コマンドの受信に合わせて演出図柄34L,34M,34Rのスクロール変動を開始し、各演出図柄34L,34M,34Rの仮停止を経て図柄停止コマンドを受信したときに確定表示させる通常変動演出を実行し、判定用乱数情報が特殊値であるときには、図柄変動開始時コマンドの受信に合わせて前回に確定表示した演出図柄34L,34M,34Rを維持したまま仮停止を行い、図柄停止コマンドを受信したときに確定表示させる特殊変動演出を実行するから、遊技は進行しているが遊技者にはあたかも遊技が停滞(フリーズ)しているような印象を強く感じさせることができる。特に、短縮変動モード時では、スクロール変動はリーチ表示がないときにはその変動時間が僅かであり(
図18(b)および
図19参照)、何らの演出効果を奏するものではないから、スクロール変動を省略することにより、その後のリーチ表示などの演出をより引き立たせることができる。これらの結果、興趣の向上を図ることができる。しかも、特殊変動演出は、保留数が値3以上のときに特殊変動演出を連続的に実行するから、特殊変動演出が遊技者に与える印象をさらに強くすることができ、興趣の向上をさらに図ることができる。また、特殊変動演出を特殊値と判定される判定用乱数情報までの保留数に値1をマイナスした回数だけ実行し、特殊変動演出が終了した次の通常変動演出では特殊値である判定用乱数情報に従って変動表示を行うから、特殊値の定め方によって特殊変動演出が終了した後の次の通常変動演出を遊技者に大当りを期待させる演出とすることができる。
【0062】
実施例では、判定用乱数情報が特殊値の場合、判定用乱数情報に関連付けられている保留数に値1をマイナスした数を特殊変動演出の実行回数(特殊変動演出カウンタ)に設定するものとしたが、特殊変動演出の実行回数は保留数の範囲内であれば何回であっても構わない。例えば、判定用乱数情報の特殊値に大当りを示す乱数値やリーチ表示を示す乱数値を含めるものとし、判定用乱数情報に関連付けられた保留数をそのまま特殊変動演出の実行回数に設定する場合には、特殊変動演出の最後の実行において3つの演出図柄34L,34M,34Rを仮停止の状態から再変動させることにより、リーチ表示を行ったり大当り図柄で確定表示させたりするものとしてもよい。
【0063】
実施例では、特殊変動演出を実行するか否かの判定を、始動口36への遊技球の入賞に伴って取得される判定用乱数情報に基づいて行うものとしたが、これに限られず、判定用乱数情報とは別に抽選することにより行うものとしてもよい。この場合の変形例の短縮変動モード時図柄変動演出処理を
図30に示し、変形例の通常変動演出処理を
図31に示す。なお、
図30の短縮変動モード時図柄変動演出処理や
図31の通常変動演出処理の各処理のうち実施例の
図26の短縮変動モード時図柄変動演出処理や
図27の通常変動演出実行処理と同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明は重複するから省略する。
図30の短縮変動モード時図柄変動演出処理では、ステップS730で図柄変動開始時コマンドを受信したと判定されステップS732で特殊変動演出カウンタが値0と判定されステップS734で特殊変動演出終了フラグがオフと判定されステップS736で保留数が値3以上と判定されると、特殊変動演出を実行するか否かの抽選を行う(ステップS740B)。この抽選は、例えば、特殊変動演出用の乱数を取得し、取得した乱数値と予め定められた当選用の値とを比較することにより行うことができる。抽選結果が当選のときには(ステップS742B)、特殊変動演出カウンタを現在の保留数(保留数カウンタ)に値1をマイナスした数に設定して(ステップS744B)、特殊変動演出実行処理を行い(ステップS746)、抽選結果が当選でない、即ち外れのときには、通常変動演出実行処理を行う(ステップS738)。ステップS734で特殊変動演出終了フラグがオンと判定されると、この特殊変動演出終了フラグをオフとすると共に(ステップS748)、特殊変動演出終了後変動開始フラグをオンとして(ステップS748B)、通常変動演出実行処理を行う(ステップS738)。
図31の通常変動演出実行処理では、特殊変動演出終了後変動開始フラグがオフであるか否かを判定し(ステップS760B)、特殊変動演出終了後変動開始フラグがオフのときには通常変動演出パターンを設定し(ステップS760)、特殊変動演出終了後変動開始フラグがオンのときには特別演出に対応する通常変動演出パターンを設定し(ステップS762B)、特殊変動演出終了後変動開始フラグをオフとする(ステップS764B)。ここで、特別演出には、ステップアップ予告やカットイン予告等の図柄変動時の予告演出やリーチ演出が含まれる。したがって、特殊変動演出によって遊技者に対して通常の変動表示とは異なる印象を与えつつ、特殊変動演出が終了した後の次の通常変動演出にはさらに特別演出が伴うため、遊技者に対して大当りを期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0064】
実施例やその変形例では、特別図柄の保留数が値3以上であることを条件として特殊変動演出を実行するものとしたが、例えば特別図柄の保留数が値4以上であることを条件とするなど特殊変動演出を連続実行させることができる範囲内で如何なる保留数を条件するものとしてもよい。また、特殊変動演出の単発実行を許容するものとすれば、特別図柄の保留数を値2以上としたり、保留数の条件を省略するものとしてもよい。
【0065】
実施例では、始動口36への遊技球の入球を契機として演出図柄表示装置34に保留図柄35aの表示を1つずつ追加し、保留の消化に伴って保留図柄35aを1つずつ消去するものとしたが、特殊変動演出中には特殊変動演出が終了するまで全ての保留図柄35aを一時的に消去するものとしてもよい。この場合、例えば、
図26の短縮変動モード時図柄変動演出処理において特殊変動演出カウンタが値0以外のときに全ての保留図柄35aの表示を消去するものとし、特殊変動演出カウンタが値0のときに保留数カウンタの数だけ保留図柄35aの表示を行うものとすればよい。これにより、遊技者は保留図柄35aの表示からでは特殊表示演出で保留が消化されているかどうかを確認することができないから、特殊表示演出の演出効果をさらに高めることができる。
【0066】
実施例では、演出図柄の仮停止中には、スクロール変動の方向にユラユラと揺れるように表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、スクロール変動の方向に直交する方向や回転方向など演出図柄が揺れる方向は如何なる方向としてもよい。また、仮停止中の演出図柄の停止位置を確定表示時の位置とズラすものとしてもよいし、仮停止中には演出図柄は完全に停止しているものの図柄の大きさや形状、色が確定表示時の大きさや形状、色と異なるように表示するものとしてもよい。即ち、確定表示と区別できる態様であれば如何なる態様で演出図柄を仮停止してもよいのである。
【0067】
実施例では、演出図柄を特別図柄の演出に用いるものとしたが、これに限定されるものではなく、普通図柄の演出に用いるなど、当り外れの判定を行なうための判定図柄であれば如何なる図柄の演出に用いるものとしてもよい。なお、演出図柄を普通図柄の演出に用いる場合、
図22の演出制御処理で扱う各種コマンドや判定用乱数情報について特別図柄に関するものに代えて普通図柄に関するものを用いるものとすればよい。
【0068】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例ではパチンコ機10が本発明の「遊技機」に相当し、始動口36が「始動口」に相当し、特別図柄遊技処理のステップS206の処理を実行する主制御基板70が「判定用乱数取得手段」に相当し、主制御基板70のRAM70cが「乱数記憶手段」に相当し、特別図柄遊技処理のステップS222の処理を実行する主制御基板70が「判定手段」に相当し、特別図柄表示装置42とこれを表示制御する図柄表示基板40aとが「判定図柄表示手段」に相当し、演出図柄表示装置34と図柄変動演出処理を実行するサブ制御基板90と演出表示制御基板91とが「演出図柄表示手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。