(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記熱循環装置(23)は送風装置であって、前記除湿熱交換器(21)と前記再熱熱交換器(22)とは、前記送風装置によって形成された気流の流路に設けられることを特徴とする
請求項1から3のいずれかに記載の空気調和機。
前記空気調和機は、前記第1の配管(P1)の第2の合流部(K7)から分岐された第1の接続管(P7)と、前記第2の配管(P2)から分岐された第2の接続管(P8)と、をさらに備え、
前記第2の合流部(K7)は、前記第1の室内側冷媒調節装置(V5)と前記室外熱交換器(12)との間に位置し、
前記空気調和機は、前記第1の接続管と前記第2の接続管とに並列接続された複数の室内ユニット(200A,200B)をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の空気調和機。
前記第2の切換装置(V3)は、前記第1の切り換え状態において、前記第3の配管(P3)と前記第1分岐管(P4)とを連通させるとともに、前記第2分岐管(P5)と前記第3分岐管(P6)とを連通させる、
請求項1から9のいずれかに記載の空気調和機。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、室外ユニットと除湿再熱室内ユニットとを備え、除湿再熱室内ユニットが室内に提供する気流の温度のバラツキを回避でき、且つ、除湿再熱室内ユニットの除湿熱交換器と再熱熱交換器が役割を十分に果たすことのできる空気調和機を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本発明の請求項1に係わる空気調和機は、室外ユニットと、除湿再熱室内ユニットと、を備え、前記室外ユニットは圧縮機構と室外熱交換器とを含み、前記除湿再熱室内ユニットは除湿熱交換器と第1の室内側冷媒調節装置とを含み、前記空気調和機は、前記圧縮機構の吐出側に接続された吐出管と、前記圧縮機構の吸込側に接続された吸込管と、前記吐出管、前記室外熱交換器、前記第1の室内側冷媒調節装置、前記除湿熱交換器を順に接続する第1の配管と、前記除湿熱交換器と前記吸込管とを接続する第2の配管と、をさらに備えて除湿回路を構成し、前記除湿再熱室内ユニットは、再熱熱交換器と、第2の室内側冷媒調節装置と、前記除湿再熱室内ユニットの熱量又は冷却量を室内に送り込むための熱循環装置と、をさらに含み、前記空気調和機は、第3の配管と、前記吐出管から分岐された分岐管と、をさらに備え、前記第3の配管が前記第1の配管の第1の合流部、前記第2の室内側冷媒調節装置、前記再熱熱交換器、前記分岐管を順に接続して再熱回路を構成し、前記第1の合流部は前記第1の室内側冷媒調節装置と前記室外熱交換器との間に位置する。
【0008】
本発明の請求項2に係わる空気調和機は、本発明の請求項1に係わる空気調和機に基づいて、前記室外ユニットが、第1の切換装置の第1の切り換え状態と第1の切換装置の第2の切り換え状態との間で切り換えすることのできる第1の切換装置をさらに備え、前記第1の切換装置の第1の切り換え状態で、前記第1の切換装置は、前記第1の配管と前記吸込管とを連通させると共に、前記第2の配管と前記吐出管とを連通させ、また、前記第1の切換装置の第2の切り換え状態で、前記第1の切換装置は、前記第1の配管と前記吐出管とを連通させると共に、前記第2の配管と前記吸込管とを連通させる。
【0009】
本発明の請求項3に係わる空気調和機は、本発明の請求項2に係わる空気調和機に基づいて、前記空気調和機が、第2の切換装置の第1の切り換え状態と第2の切換装置の第2の切り換え状態との間で切り換えすることのできる第2の切換装置をさらに備え、前記第2の切換装置の第1の切り換え状態で、前記第2の切換装置は前記第3の配管と前記分岐管とを連通させ、前記第2の切換装置の第2の切り換え状態で、前記第2の切換装置は前記第3の配管と前記吸込管とを連通させる。
【0010】
本発明の請求項4に係わる空気調和機は、本発明の請求項3に係わる空気調和機に基づいて、前記第1の切換装置が四方弁である。
【0011】
本発明の請求項5に係わる空気調和機は、本発明の請求項3に係わる空気調和機に基づいて、前記第2の切換装置が前記室外ユニットに設けられる。
【0012】
本発明の請求項6に係わる空気調和機は、本発明の請求項1に係わる空気調和機に基づいて、前記第1の室内側冷媒調節装置と前記第2の室内側冷媒調節装置が、電動弁又は電磁弁である。
【0013】
本発明の請求項7に係わる空気調和機は、本発明の請求項1に係わる空気調和機に基づいて、前記熱循環装置が送風装置であって、前記除湿熱交換器と前記再熱熱交換器が、前記送風装置によって形成された気流の流路に設けられる。
【0014】
本発明の請求項8に係わる空気調和機は、本発明の請求項7に係わる空気調和機に基づいて、前記流路において、前記除湿熱交換器が前記再熱熱交換器の上流側又は下流側に設けられ、又は、前記流路において、前記除湿熱交換器と前記再熱熱交換器とが並列して設けられる。
【0015】
本発明の請求項9に係わる空気調和機は、本発明の請求項1に係わる空気調和機に基づいて、前記吸込管に液体貯蔵装置が設けられる。
【0016】
本発明の請求項10に係わる空気調和機は、本発明の請求項1に係わる空気調和機に基づいて、前記空気調和機が、前記第1の配管の第2の合流部から分岐された第1の接続管と、前記第2の配管から分岐された第2の接続管とをさらに備え、前記第2の合流部は前記第1の室内側冷媒調節装置と前記室外熱交換器との間に位置し、また、前記空気調和機は、前記第1の接続管と前記第2の接続管に並列接続された複数の室内ユニットをさらに備える。
【0017】
本発明の請求項11に係わる空気調和機は、本発明の請求項1に係わる空気調和機に基づいて、前記熱循環装置が水循環装置であって、前記除湿熱交換器と前記再熱熱交換器が、前記水循環装置で流動する循環水を介して熱量又は冷却量を室内に送り込む。
【0018】
本発明の請求項12に係わる空気調和機は、本発明の請求項1乃至請求項11のいずれかに係わる空気調和機に基づいて、前記空気調和機が、複数の前記室外ユニットをさらに備え、複数の前記室外ユニットの第1の配管は合流し、複数の前記室外ユニットの第2の配管は合流し、複数の前記室外ユニットの第3の配管は合流する。
【0019】
本発明の請求項13に係わる空気調和機の制御方法は、本発明の請求項3乃至請求項12のいずれかに係わる空気調和機を制御するものであって、制御ユニットによって前記空気調和機を第1モード、第2モード、第3モード、第4モードの間で切り換え、前記第1モードで、前記第1の切換装置は前記第1の切換装置の第1の切り換え状態に切り換えられると共に、前記第2の切換装置は前記第2の切換装置の第1の切り換え状態に切り換えられ、前記第2モードで、前記第1の切換装置は前記第1の切換装置の第2の切り換え状態に切り換えられると共に、前記第2の切換装置は前記第2の切換装置の第2の切り換え状態に切り換えられ、前記第3モードで、前記第1の切換装置は前記第1の切換装置の第2の切り換え状態に切り換えられると共に、前記第2の切換装置は前記第2の切換装置の第1の切り換え状態に切り換えられ、前記第4モードで、前記第1の切換装置は前記第1の切換装置の第2の切り換え状態に切り換えられると共に、前記第2の切換装置は前記第2の切換装置の第2の切り換え状態に切り換えられ、且つ、前記熱循環装置の運転は停止される。
【0020】
本発明の請求項14に係わる空気調和機は、本発明の請求項13に係わる空気調和機の制御方法に基づいて、前記第3モードで、前記空気調和機が除霜運転を行う。
【発明の効果】
【0021】
本発明の空気調和機によると、除湿再熱室内ユニットの除湿熱交換器によって室内空気の除湿を行うと共に、除湿再熱室内ユニットの再熱熱交換器によって室内空気の再熱を行うことができる。従って、室内ファンによって形成される風路における除湿熱交換器の下流に電気加熱ユニットを追加する構造に比べ、エネルギー消費を削減できると共に、除湿再熱室内ユニットが室内に供給する空気の温度のバラツキを回避でき、室内者の快適感を高めることができる。そして、室内の冷媒回路に直列接続される除湿熱交換器と再熱熱交換器を室内ファンによって形成される風路に順に設ける構造に比べ、除湿熱交換器と再熱熱交換器とがいずれも役割を十分に果たすことができ、除湿の不十分や加熱量の不足を避けることができる。そして、室外ユニットによって大気へ排出される一部の廃熱を再熱熱交換器に用いることによって、廃熱の利用を実現し、エネルギー消費効率を向上させ、省エネ・環境保護を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明の空気調和機の各実施形態を説明する。
【0024】
(1)実施形態1
先ず、
図1を参照して、実施形態1の空気調和機1の基本構造を説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室外ユニット100と、除湿再熱室内ユニット200と、を備え、前記室外ユニット100は、圧縮機構としての圧縮機11と、室外熱交換器12と、室外ファン13と、室外側冷媒調節装置としての弁V2と、液体貯蔵装置としての液体貯蔵タンク14と、を備え、前記除湿再熱室内ユニット200は、第1の室内熱交換器としての除湿熱交換器21と、第1の室内側冷媒調節装置としての弁V5とを備える。ここで、弁V5としては電動弁又は電磁弁を用いることができる。
【0026】
そして、
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は第1の配管組によって圧縮機11の吐出側、室外熱交換器12、弁V2、弁V5、除湿熱交換器21、液体貯蔵タンク14、圧縮機11の吸込側を順に接続して除湿回路を構成し、ここで、前記第1の配管組は、直列接続される吐出管P0と、第1の配管P1と、第2の配管P2と、吸込管PIとを備え、また、前記吐出管P0は圧縮機11の吐出側に接続され、前記第1の配管P1は吐出管P0、室外熱交換器12、弁V2、弁V5、除湿熱交換器21を順に接続し、前記第2の配管P2は除湿熱交換器21と吸込管PIとを接続し、前記吸込管PIは圧縮機11の吸込側に接続される。ここで、吐出管P0は圧縮機11の吐出側から
図1中の点K0まで延長し、第1の配管P1は
図1中の点K0から除湿熱交換器21の冷媒流動方向(
図1中の矢印を参照)の上流側の端部まで延長し、第2の配管P2は除湿熱交換器21の冷媒流動方向の下流側の端部から
図1中の点K1まで延長し、吸込管PIは
図1中の点K1から圧縮機11の吸込側まで延長し、液体貯蔵タンク14は吸込管PIの途中に設けられる。
【0027】
次に、
図1を参照して実施形態1の空気調和機1の特徴的な構造を説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1の除湿再熱室内ユニット200は、第1の室内熱交換器としての除湿熱交換器21と第1の室内側冷媒調節装置としての弁V5を備える以外、第2の室内熱交換器としての再熱熱交換器22と、熱循環装置としての送風装置である室内ファン23と、第2の室内側冷媒調節装置としての弁V6と、をさらに備え、除湿熱交換器21と再熱熱交換器22は室内ファン23によって形成される空気の流路に設けられる。ここで、弁V6としては電動弁又は電磁弁を用いることができる。そして、除湿熱交換器21は、室内ファン23によって形成される空気の流路における再熱熱交換器22の上流側に設けられる。
【0029】
そして、
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、第2の配管組によって吐出管P0の途中位置、再熱熱交換器22、弁V6、第1の配管P1の途中位置を順に接続して再熱回路を構成し、ここで、前記第2の配管組は直列接続される分岐管P4と第3の配管P3を含み、前記分岐管P4は吐出管P0の途中位置から分岐され、前記第3の配管P3によって分岐管P4、再熱熱交換器22、弁V6、第1の配管P1の途中位置を順に接続する。ここで、分岐管P4は
図1中の点K2にて分岐されて
図1中の点K4まで延長し、第3の配管P3は
図1中の点K4から弁V2と弁V5との間に位置する
図1中の点K5(本発明の第1の合流部に相当)まで延長する。
【0030】
そして、本実施形態の空気調和機1はさらに、制御ユニットを備え(未図示)、該制御ユニットは、空気調和機1の圧縮機11、室外ファン13、弁V2、室内ファン23、弁V5、弁V6等の部品の動作を制御する。
【0031】
上記構造によって、本実施形態の空気調和機1は除湿再熱運転モードで運転することができる。
【0032】
次に、本実施形態の空気調和機1による除湿再熱運転モードでの運転を説明する。
【0033】
空気調和機1が起動された後、室外ユニット100の圧縮機11が冷媒を圧縮し、圧縮機11により圧縮されて吐出された冷媒の一部は、室外熱交換器12に搬送され、圧縮機11により圧縮されて吐出された冷媒の他の部分は、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22に搬送される。
【0034】
室外熱交換器12に搬送された冷媒は、室外熱交換器12において室外ファン13によって取り込まれた室外空気と熱交換を行った後、弁V2を通過する。弁V2を通過した後の冷媒は、除湿再熱室内ユニット200に搬送される。
【0035】
一方、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22に搬送された冷媒は、再熱熱交換器22において室内ファン23によって取り込まれた室内空気と熱交換と行うことで、室内空気を再加熱(以下、再熱と称する)する。再熱熱交換器22において室内空気と熱交換を行った後の冷媒は弁V6を通過してから、室外ユニット100から第1の配管P1を流れて除湿再熱室内ユニット200に搬送された冷媒と合流する。
【0036】
合流後の冷媒は、除湿再熱室内ユニット200の弁V5を通過し、その後、除湿熱交換器21に搬送され、除湿熱交換器21に搬送された冷媒は、該除湿熱交換器21において室内ファン23によって取り込まれた室内空気と熱交換を行うことで、室内空気の除湿を行う。除湿熱交換器21において室内空気と熱交換を行った後の冷媒は室外ユニット100に搬送されて、液体貯蔵タンク14を経て圧縮機11に戻る。
【0037】
本実施形態の空気調和機1によると、除湿再熱室内ユニット200が、室内ファン23によって取り込まれた空気と熱交換を行う除湿熱交換器21と再熱熱交換器22とを含み、除湿再熱室内ユニット200の除湿熱交換器21を用いて室内ファンによって取り込まれた室内空気を除湿すると共に、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22を用いて室内ファンによって取り込まれた室内空気を再熱することができる。従って、室内ファンによって形成される風路における除湿熱交換器の下流に電気加熱ユニットを追加する構造に比べ、本実施形態の空気調和機1によると、エネルギー消費を削減し、除湿再熱室内ユニットが室内に供給する空気の温度のバラツキを回避でき、室内者の快適感を高めることができる。そして、室内の冷媒回路に直列接続された除湿熱交換器と再熱熱交換器を室内ファンによって形成される風路に順に設けた構造に比べ、本実施形態の空気調和機1によると、除湿熱交換器と再熱熱交換器がいずれも十分な役割を果たすことができ、除湿の不十分や加熱量の不足を避けることができる。そして、室外ユニットによって大気へ排出される一部の廃熱を再熱熱交換器に用いることによって、廃熱の利用を実現し、エネルギー消費効率を向上させ、省エネ・環境保護を実現できる。
【0038】
(2)実施形態2
図2は、本発明の実施形態2に係わる空気調和機1Aの回路の構造を示す図である。本実施形態の空気調和機1Aの構造は、上記実施形態1の空気調和機1と大体同じであって、上記実施形態1と同一の部品に対して同一の符号を標記し、主に上記実施形態1と異なる部分を説明する。
【0039】
本実施形態において、
図2に示すように、室外ユニット100"は、第1の切換装置としての四方切換弁V1を備え、該四方切換弁V1は、吐出管P0、第1の配管P1、第2の配管P2、吸込管PIを接続し、且つ、第1の切り換え状態と第2の切り換え状態との間で切り換えすることができ、前記第1の切り換え状態で、四方切換弁V1は第1の配管P1と吸込管PIとを連通させると共に、第2の配管P2と吐出管P0とを連通させ、また、前記第2の切り換え状態で、四方切換弁V1は第1の配管P1と吐出管P0とを連通させると共に、第2の配管P2と吸込管PIとを連通させる。
【0040】
上記構造によると、本実施形態の空気調和機1Aが、室外ユニット100"の四方切換弁V1を第1の切り換え状態に切り換えることで暖房モードで運転することができ、また、室外ユニット100"の四方切換弁V1を第2の切り換え状態に切り換えることで除湿再熱モードで運転することもできる。
【0041】
本実施形態の空気調和機1Aが除湿再熱モードで行う運転が上記実施形態1の空気調和機1による除湿再熱モードでの運転と同じであるので、ここで説明を省略する。以下、
図2を参照して、本実施形態の空気調和機1Aによる暖房モードでの運転のみを説明する。
【0042】
暖房モードで、空気調和機1Aは、制御ユニットによって室外ユニット100"の四方切換弁V1を第1の切り換え状態に切り換えすることで、第1の配管P1と吸込管PIとを、第2の配管P2と吐出管P0とを連通させる。
【0043】
当該状態において、室外ユニット100"の圧縮機11は冷媒を圧縮し、圧縮機11によって圧縮されて吐出された冷媒の一部は、除湿再熱室内ユニット200の除湿熱交換器21に搬送され、圧縮機11によって圧縮されて吐出された冷媒の他の部分は、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22に搬送される。
【0044】
除湿再熱室内ユニット200の除湿熱交換器21に搬送された冷媒は、除湿熱交換器21において室内ファン23によって取り込まれた室内空気と熱交換を行うことで、室内空気を加熱する。除湿熱交換器21において室内空気と熱交換を行った後、冷媒は弁V5を通過する。
【0045】
一方、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22に搬送された冷媒は、再熱熱交換器22において室内ファン23によって取り込まれた室内空気と熱交換を行うことで、室内空気を加熱する。再熱熱交換器22において室内空気と熱交換を行った後、冷媒は弁V6を通過する。
【0046】
弁V5を通過した冷媒は、弁V6を通過した冷媒と合流し、その後、室外ユニット100"に搬送されて弁V2を通過する。弁V2を通過した後の冷媒は、室外熱交換器12に搬送され、室外熱交換器12において室外ファン13によって取り込まれた室外空気と熱交換を行う。室外熱交換器12において室外空気と熱交換を行った後の冷媒は、液体貯蔵タンク14を経て圧縮機11に戻る。
【0047】
本実施形態の空気調和機1Aによると、室外ユニット100"の四方切換弁V1を第1の切り換え状態に切り換えすることで、除湿熱交換器21と再熱熱交換器22とがともに凝縮器の役割を果たして、室内空気を加熱することができる。従って、空気調和機全体の効率を向上させる。
【0048】
そして、本実施形態の空気調和機1Aによると、室外ユニット100"の四方切換弁V1を第2の切り換え状態に切り換えすることで、上記実施形態1と同様に、除湿再熱室内ユニット200の除湿熱交換器21を介して室内ファン23によって取り込まれた室内空気を除湿すると共に、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22を介して室内ファン23によって取り込まれた室内空気を再熱することができる。従って、室内ファンによって形成される風路における除湿熱交換器の下流に電気加熱ユニットを追加する構造に比べ、本実施形態の空気調和機1Aによると、エネルギー消費を削減し、除湿再熱室内ユニットが室内に供給する空気の温度のバラツキを回避でき、室内者の快適感を高めることができる。そして、室内の冷媒回路に直列接続される除湿熱交換器と再熱熱交換器を室内ファンによって形成される風路に順に設ける構造に比べ、本実施形態の空気調和機1Aによると、除湿熱交換器と再熱熱交換器がいずれも十分な役割を果たすことができ、除湿の不十分や加熱量の不足を避けることができる。そして、室外ユニットによって大気へ排出される一部の廃熱を再熱熱交換器に用いることによって、廃熱の利用を実現し、エネルギー消費効率を向上させ、省エネ・環境保護を実現できる。
【0049】
(3)実施形態3
図3は、本発明の実施形態3に係わる空気調和機1Bの回路の構造を示す図である。本実施形態の空気調和機1Bの構造は、上記実施形態2の空気調和機1Aと大体同じであって、上記実施形態2と同一の部品に対して同一の符号を標記し、主に上記実施形態2と異なる部分を説明する。
【0050】
本実施形態において、
図3に示すように、空気調和機1Bの室外ユニット100""は、分岐管P5と、分岐管P6と、スロットルV4と、第2の切換装置としての四方切換弁V3とを含む。ここで、前記分岐管P5は吸込管PIの
図3中の点K6から分岐され、前記分岐管P6は分岐管P5の
図3中の点K3から分岐され、前記スロットルV4は分岐管P6に設けられ、また、前記四方切換弁V3は第3の配管P3、分岐管P4、分岐管P5、分岐管P6を接続し、且つ、第1の切り換え状態と第2の切り換え状態との間で切り換えすることができ、前記第1の切り換え状態で、四方切換弁V3は第3の配管P3と分岐管P4とを連通させると共に、分岐管P5と分岐管P6とを連通させて環状回路を形成し、また、前記第2の切り換え状態で、四方切換弁V3は第3の配管P3と分岐管P5とを連通させると共に、分岐管P4と分岐管P6とを連通させる。そして、四方切換弁V3に蓄積されたオイルを回路に導入して分離回収することでオイルの蓄積による四方切換弁V3の失効を防止するように、前記スロットルV4がキャピラリーチューブであることが好ましい。
【0051】
上記構造によると、本実施形態の空気調和機1Bは、制御ユニットによって、第1モード、第2モード、第3モード、第4モードの間で切り換えすることができ、ここで、前記第1モードで、四方切換弁V1が第1の切り換え状態に切り換えられると共に、四方切換弁V3も第1の切り換え状態に切り換えられ、前記第2モードで、四方切換弁V1が第2の切り換え状態に切り換えられると共に、四方切換弁V3も第2の切り換え状態に切り換えられ、また、前記第3モードで、四方切換弁V1は第2の切り換え状態に切り換えられると共に、四方切換弁V3は第1の切り換え状態に切り換えられ、前記第4モードで、四方切換弁V1は第2の切り換え状態に切り換えられると共に、四方切換弁V3は第2の切り換え状態に切り換えられ、また、室内ファン23の運転は停止される。
【0052】
本実施形態の空気調和機1Bが第1モードで行う運転は上記実施形態2の空気調和機1Aによる暖房モードでの運転と同じであって、本実施形態の空気調和機1Bが第3モードで行う運転は上記実施形態2の空気調和機1Aによる除湿再熱モードでの運転と同じであるので、ここで説明を省略する。そして、本実施形態の空気調和機1Bが第2モードで行う運転と第4モードで行う運転とが大体同じであるので、以下、
図3を参照して、本実施形態の空気調和機1Bによる第2モードでの運転のみを説明する。
【0053】
第2モードで、空気調和機1Bは、制御ユニットによって、室外ユニット100""の四方切換弁V1を第2の切り換え状態に切り換えして、室外ユニット100""の四方切換弁V3を第2の切り換え状態に切り換えすることで、第1の配管P1と吐出管P0とを連通させ、第2の配管P2と吸込管PIとを連通させ、第3の配管P3と分岐管P5とを連通させる。
【0054】
当該状態において、室外ユニット100""の圧縮機11が冷媒を圧縮し、圧縮機11によって圧縮されて吐出された冷媒は室外熱交換器12に搬送される。室外熱交換器12に搬送された冷媒は、室外熱交換器12において室外ファン13によって取り込まれた室外空気と熱交換を行い、その後、弁V2を通過する。弁V2を通過した後の冷媒は、除湿再熱室内ユニット200に搬送される。
【0055】
除湿再熱室内ユニット200に搬送された冷媒は、
図3中の点K5で分流され、一部は弁V5を通過して除湿熱交換器21に搬送され、他の部分は弁V6を通過して再熱熱交換器22に搬送される。
【0056】
除湿熱交換器21に搬送された冷媒は該除湿熱交換器21において室内ファン23によって取り込まれた室内空気と熱交換を行うことで、室内空気を冷却する。
【0057】
一方、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22に搬送された冷媒は、再熱熱交換器22において室内ファン23によって取り込まれた室内空気と熱交換を行うことで、室内空気を冷却する。
【0058】
除湿熱交換器21において室内空気と熱交換を行った後の冷媒と、再熱熱交換器22において室内空気と熱交換を行った後の冷媒は、室外ユニット100""に搬送されて
図3中の点K6において合流し、その後、液体貯蔵タンク14を経て圧縮機11に戻る。
【0059】
本実施形態の空気調和機1Bによると、制御ユニットによって第1モードに切り換えられて、上記実施形態2と同様に、除湿熱交換器21と再熱熱交換器22とが凝縮器の役割を果たして室内空気を加熱することができる。従って、空気調和機全体の効率を向上させる。
【0060】
そして、本実施形態の空気調和機1Bによると、制御ユニットによって第3モードに切り換えられて、上記実施形態1と同様に、除湿再熱室内ユニット200の除湿熱交換器21を用いて室内ファン23によって取り込まれた室内空気を除湿すると共に、除湿再熱室内ユニット200の再熱熱交換器22を用いて室内ファン23によって取り込まれた室内空気を再熱することができる。従って、室内ファンによって形成される風路における除湿熱交換器の下流に電気加熱ユニットを追加する構造に比べ、本実施形態の空気調和機1Bによると、エネルギー消費を削減し、除湿再熱室内ユニットが室内に供給する空気の温度のバラツキを回避でき、室内の快適感を高めることができる。そして、室内の冷媒回路に直列接続される除湿熱交換器と再熱熱交換器とを室内ファンによって形成される風路に順に設ける構造に比べ、本実施形態の空気調和機1Bによると、除湿熱交換器と再熱熱交換器がいずれも十分な役割を果たすことができ、除湿の不十分や加熱量の不足を避けることができる。そして、室外ユニットによって大気へ排出される一部の廃熱を再熱熱交換器に用いることによって、廃熱の利用を実現し、エネルギー消費効率を向上させ、省エネ・環境保護を実現できる。
【0061】
そして、本実施形態の空気調和機1Bは、第1モードで一定時間にわたって運転した後、室外ユニット100""に結霜が出来て、システムの効率を低下させる。しかし、本実施形態の空気調和機1Bにおいて、第1モードで一定時間にわたって運転した後、除湿熱交換器21が蒸発器の役割を果たし、再熱熱交換器22が凝縮器の役割を果たす第3モードに切り換えして除霜処理を行うか、又は除湿熱交換器21と再熱熱交換器22がともに蒸発器の役割を果たす第4モード(以下、第3モードと第4モードとを除霜モードと称し、第3モードを第1の除霜モードと、第4モードを第2の除霜モードと称することもある)に切り換えすることができる。そして、本実施形態の空気調和機1Bが第2の除霜モードに切り換えられて除霜処理を行う時、室内ファン23の運転が停止されるので、室内の温度が低下して不快感を生じることを避けることができ、一方、これには限定されず、除湿熱交換器21と再熱熱交換器22とが蒸発器として除霜処理を行う時に、室内ファン23を低速で運転させて、室内に弱い気流を提供することもできる。そして、本実施形態の空気調和機1Bが第1の除霜モードに切り換えられて除霜処理を行う時、除湿熱交換器21を蒸発器として、再熱熱交換器22を凝縮器とすると、除霜速度が第2の除霜モードより遅いが、再熱熱交換器22が再加熱の役割を果たしているので、室内ファン23が継続して運転しても、室内に冷風を吐出することなく、恒温除霜を実現できる。
【0062】
そして、本実施形態の空気調和機1Bにおいて、制御ユニットは、設けられたセンサー(例えば、除湿再熱室内ユニット200に設けられた室内の温度、吐出風の温度又は熱交換の温度を検出するための温度センサーや室内の湿度又は吐出風の湿度を検出するための湿度センサー、室外ユニット100""に設けられた室外の温度又は熱交換の温度を検出するための温度センサー)により収集したデータ又は利用者が設定したパラメータに基づいて、除霜モードに移行又は退出する必要があるか否か、及び、第1の除霜モード又は第2の除霜モードに移行する必要があるか否かを判定する。
【0063】
そして、本実施形態の空気調和機1Bにおいて、制御ユニットにコマンドを予め設定して、第1モードで一定時間にわたって運転した後に除霜モードに移行し、他の一定時間にわたって運転してから除霜モードから退出するようにすることができる。例えば、第1モードで運転する場合、30分間隔で除霜モードに切り換えし、1分間運転してから再び第1モードに切り換えするように設定することができる。
【0064】
(4)実施形態4
図4は、本発明の実施形態4に係わる空気調和機1Cの回路の構造を示す図である。本実施形態の空気調和機1Cの構造は、上記実施形態3の空気調和機1Bと大体同じであって、上記実施形態3と同一の部品に対して同一の符号を標記し、主に上記実施形態3と異なる部分を説明する。
【0065】
本実施形態において、
図4に示すように、空気調和機1Cはさらに、第1の配管P1から分岐された第1の接続管P7と、第2の配管P2から分岐された第2の接続管P8とを含む。ここで、前記第1の接続管P7は、第1の配管P1の
図4中の点K7(本発明の第2の合流部に相当する)から分岐され、該点K7は弁V5と室外熱交換器12との間に位置し、より具体的には、該点K7は弁V5と弁V2との間に位置し、前記第2の接続管P8は第2の配管P2の
図4中の点K8から分岐される。
【0066】
そして、本実施形態において、
図4に示すように、空気調和機1Cはさらに、それぞれ熱交換器とスロットルを含む二つの室内ユニット200A、200Bを含み、当該二つの室内ユニット200A、200Bは第1の接続管P7と第2の接続管P8に並列接続される。
【0067】
本実施形態の空気調和機1Cによると、上記実施形態3の空気調和機1Bと同様な技術効果を実現できる。
【0068】
(5)実施形態5
図5は、本発明の実施形態5に係わる空気調和機1Dの回路の構造を示す図である。本実施形態の空気調和機1Dの構造は、上記実施形態4の空気調和機1Cと大体同じであって、上記実施形態4と同一の部品に対して同一の符号を標記し、主に上記実施形態4と異なる部分を説明する。
【0069】
本実施形態において、
図5に示すように、空気調和機1Dは、室外ユニット100""を含む以外、室外ユニット100""Aをさらに含み、該室外ユニット100""Aの構造は室外ユニット100""と同じである。
【0070】
そして、本実施形態において、
図5に示すように、室外ユニット100""の第1の配管P1は室外ユニット100""Aの第1の配管P1Aと合流し、室外ユニット100""の第2の配管P2は室外ユニット100""Aの第2の配管P2Aと合流し、室外ユニット100""の第3の配管P3は室外ユニット100""Aの第3の配管P3Aと合流する。ここで、室外ユニット100""の第1の配管P1と室外ユニット100""Aの第1の配管P1Aとは
図5中の点K9で合流し、室外ユニット100""の第2の配管P2と室外ユニット100""Aの第2の配管P2Aとは
図5中の点K10で合流し、室外ユニット100""の第3の配管P3と室外ユニット100""Aの第3の配管P3Aとは
図5中の点K11で合流する。
【0071】
本実施形態の空気調和機1Dによると、上記実施形態3の空気調和機1Dと同様な技術効果を実現できる。
【0072】
(6)他の実施形態
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、上記具体的な実施形態は本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の範囲を離脱せずに、上述した内容に基づいてさまざまな修正を行うことができる。
【0073】
例えば、上記実施形態1〜実施形態5において、室内ファン23によって形成される空気の流路において、除湿熱交換器21が再熱熱交換器22の上流側に設けられて、先ず空気を加熱した後に除湿処理を行っているが、これには限定されず、室内ファンによって形成される空気の流路において、除湿熱交換器を再熱熱交換器の下流側に設けて、先ず空気を加熱した後に除湿処理を行うこともでき、この場合、再熱熱交換器が再加熱の役割を果たしているのではないので、本発明における再熱熱交換器は特定されるものではなく、除湿熱交換器との風路における相対位置も限定されていない。そして、除湿熱交換器と再熱熱交換器とが室内ファンによって形成される空気の流路に並列して設けられて、一部の空気を除湿すると共に、他の一部の空気を加熱することができる。そして、除湿熱交換器と再熱熱交換器との設置位置は室内ファンによって形成される空気の流路に限定されず、例えば、水循環装置で熱交換を行うこともでき、具体的には、除湿熱交換器及び/又は再熱熱交換器の周囲に熱交換を行うための水循環管路を設けて、管路で循環して流動する循環水を介して熱量又は冷却量を室内に提供することもできる。
【0074】
そして、上記実施形態1において、室外ユニット100が、室外側冷媒調節装置としての弁V2を備えているが、これには限定されず、該弁V2を省略することもできる。
【0075】
そして、上記実施形態3において、スロットルV4として、キャピラリーチューブ以外に、電動弁又は電磁弁を用いることもできる。
【0076】
そして、上記実施形態3において、第2の切換装置としての四方切換弁V3を空気調和機1Bの室外ユニット100""に設けて、空気調和機1Bの構造がコンパクト化され、小型化に有利である。しかし、これには限定されず、四方切換弁V3を除湿再熱室内ユニット200に設けることができるし、室外ユニット100""と除湿再熱室内ユニット200との間に設けることもできる。
【0077】
そして、上記実施形態3において、第2の切換装置として、四方切換弁V3を用いているが、これには限定されず、上記四方切換弁V3の替わりに三方弁を用いることもできる。この時、上記実施形態3中の分岐管P6とスロットルV4を省略し、三方弁を、第3の配管P3と分岐管P4とを連通させる第1の切り換え状態と、第3の配管P3と分岐管P5とを連通させる第2の切り換え状態との間で切り換えできるように接続すればよい。
【0078】
そして、上記実施形態3において、分岐管P5が吸込管PIの
図3中の点K6から分岐されているが、これには限定されず、
図6に示すように、分岐管P5の替わりに、一端が弁V3に接続され、他端が液体貯蔵タンク14に接続される管P5"を用いることもできる。また、当該構造を
図4、
図5に示す構造にも応用できることは言うまでもない。
【0079】
そして、上記実施形態4において、室内ユニット200Aと室内ユニット200Bの二つの室内ユニットが第1の接続管P7と第2の接続管P8に並列接続されているが、これには限定されず、第1の接続管P7と第2の接続管P8に一つの室内ユニットのみが接続されることができるし、三つ以上の室内ユニットが並列接続されることもできる。
【0080】
そして、上記実施形態4において、室内ユニットAと室内ユニットBが同一の構造を有しているが、これには限定されず、室内ユニット200Aと室内ユニット200Bの構造が異なっていることもできる。
【0081】
そして、上記実施形態5において、第1の配管〜第3の配管がそれぞれ合流する室外ユニット100""と室外ユニット100""Aの二つの室外ユニットを含んでいるが、これには限定されず、第1の配管〜第3の配管がそれぞれ合流する三つ以上の室外ユニットを含むこともできる。
【0082】
そして、上記実施形態5において、室外ユニット100""と室外ユニット100""Aの構造が同様であるが、これには限定されず、室外ユニット100""と室外ユニット100""Aの構造が異なっていることもできる。
【0083】
そして、上記実施形態1〜実施形態5において、吸込管PIに液体貯蔵装置としての液体貯蔵タンク14が設けられているが、これには限定されず、該液体貯蔵タンクを省略することもできる。
【0084】
そして、図示していないが、上記実施形態1〜実施形態5において、回路における分?管路として、例えばY字形のアダプタのような分岐管を用いることができるし、直接に管路に孔を開けて溶接することもできる。
【0085】
そして、互いに矛盾しない限り、上記実施形態1〜実施形態5の構造を結合する又はその中の一部の部品を削除することができる。