(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6292348
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】無停電電源装置および該装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20180305BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
H02J9/06 110
H02J7/34 G
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-520284(P2017-520284)
(86)(22)【出願日】2016年4月6日
(86)【国際出願番号】JP2016061272
(87)【国際公開番号】WO2016189976
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2017年6月27日
(31)【優先権主張番号】特願2015-105912(P2015-105912)
(32)【優先日】2015年5月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】渡部 茂
(72)【発明者】
【氏名】岩井 一博
(72)【発明者】
【氏名】大野 飛鳥
【審査官】
赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/015570(WO,A1)
【文献】
特開2002−191126(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/141487(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/06
H02J 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
稼働系又は待機系のいずれかに属する複数の電源ユニット、停電待機系又は停電予備系のいずれかに属する複数のバッテリユニット、および、前記電源ユニット及び前記バッテリユニットを管理する情報統合管理ユニットから成る無停電電源装置であって、
前記情報統合管理ユニットに対し、前記複数の電源ユニットのいずれを稼働系又は待機系に属するかを指示するとともに前記複数のバッテリユニットのいずれを停電待機系又は停電予備系に属するかを指示する、外部接続された管理端末を備え、
前記情報統合管理ユニットは、前記管理端末から指示された内容に基づいて前記複数の電源ユニットを前記稼働系又は待機系のいずれかに設定するとともに前記複数のバッテリユニットを停電待機系又は停電予備系のいずれかに設定し管理することを特徴とする無停電電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の無停電電源装置において、
前記情報統合管理ユニットは、前記管理端末から指示された内容に基づいて前記無停電電源装置に接続された外部機器をパワーアシストする時間帯及び電力を設定し、設定された時間帯の開始時に前記外部機器に対しパワーアシストと電力の供給を開始し、設定された時間帯の終了時に前記外部機器に対する前記パワーアシストと前記電力の供給を停止することを特徴とする無停電電源装置。
【請求項3】
請求項1記載の無停電電源装置において、
前記情報統合管理ユニットは、前記管理端末から指示された内容に基づいて前記バッテリユニットを停電待機系又は停電予備系に設定し、停電発生時に、前記停電待機系のバッテリユニットのバッテリを使用して前記外部機器に対する必要な電力のバックアップ時間を確保することを特徴とする無停電電源装置。
【請求項4】
請求項3記載の無停電電源装置において、
前記情報統合管理ユニットは、前記停電発生時に、設定された前記停電予備系バッテリユニットのバッテリから前記外部機器に対しバックアップ電力を供給することを特徴とする無停電電源装置。
【請求項5】
請求項1記載の無停電電源装置において、
前記情報統合管理ユニットは、前記バッテリユニットそれぞれのバックアップ時間をジャーナルとして保存し、
前記管理端末によって指示された内容が前記停電予備系バッテリユニットのみでパワーアシストする指示であった場合に、前記情報統合管理ユニットは、前記ジャーナルに保存された前記バッテリユニットそれぞれのバックアップ時間を参照して、前記バックアップ時間が最小で且つユニット番号が最若番のバッテリユニットを前記停電予備系バッテリユニットとして選択し、選択したバッテリユニットのバッテリに使用してパワーアシストすることを特徴とする無停電電源装置。
【請求項6】
稼働系又は待機系のいずれかに属する複数の電源ユニット、停電待機系又は停電予備系のいずれかに属する複数のバッテリユニット、および、前記電源ユニット及び前記バッテリユニットを管理する情報統合管理ユニットから成る無停電電源装置の制御方法において、
外部接続された管理端末が、前記情報統合管理ユニットに対し、前記複数の電源ユニットのいずれを稼働系又は待機系に属するかを指示するとともに前記複数のバッテリユニットのいずれを停電待機系又は停電予備系に属するかを指示する過程、
前記管理端末から指示された内容に基づいて前記複数の電源ユニットを前記稼働系又は待機系のいずれかに設定し管理する過程、および、
前記管理端末から指示された内容に基づいて前記複数のバッテリユニットを停電待機系又は停電予備系のいずれかに設定し管理する過程、
を含んでなる無停電電源装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6記載の無停電電源装置の制御方法において、
前記管理端末から指示された内容に基づいて外部接続された外部機器をパワーアシストする時間帯及び電力を設定し、設定された時間帯の開始時に前記外部機器に対しパワーアシストと電力の供給を開始し、設定された時間帯の終了時に前記外部機器に対する前記パワーアシストと前記電力の供給を停止する過程を含む、
ことを特徴とする無停電電源装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6記載の無停電電源装置の制御方法において、
前記管理端末から指示された内容に基づいて前記バッテリユニットを停電待機系又は停電予備系に設定し、停電発生時に、前記停電待機系のバッテリユニットのバッテリを使用して前記外部機器に対する必要な電力のバックアップ時間を確保する過程を含む、
ことを特徴とする無停電電源装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8記載の無停電電源装置の制御方法において、
前記停電発生時に、設定された前記停電予備系バッテリユニットのバッテリから前記外部機器に対しバックアップ電力を供給する過程を含む、
ことを特徴とする無停電電源装置の制御方法。
【請求項10】
請求項6記載の無停電電源装置の制御方法において、
前記情報統合管理ユニットが、前記バッテリユニットそれぞれのバックアップ時間をジャーナルとして保存する過程を含み、
前記管理端末によって指示された内容が前記停電予備系バッテリユニットのみでパワーアシストする指示であった場合に、前記ジャーナルに保存された前記バッテリユニットそれぞれのバックアップ時間を参照して、前記バックアップ時間が最小で且つユニット番号が最若番のバッテリユニットを前記停電予備系バッテリユニットとして選択し、選択したバッテリユニットのバッテリに使用してパワーアシストする過程を含む、
ことを特徴とする無停電電源装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源の異常時に内蔵のバッテリから外部機器へ電力を供給する無停電電源装置に関し、特に、内蔵バッテリの寿命を延ばすことができる無停電電源装置および該装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)は、商用電源と外部機器(例.サーバやパソコン等の電気機器)との間に接続されて使用される。
【0003】
無停電電源装置は、商用電源が正常のときは商用電源の電力を外部機器へ出力するともに、商用電源から得られる電力で内蔵するバッテリを充電する。
【0004】
無停電電源装置は、商用電源側に停電などが発生して、商用電源から電力を供給できなくなると、内蔵するバッテリに蓄えられた電力を外部機器に供給する。
【0005】
また無停電電源装置は、上記のような停電対策を実施する以外に、電力のピークカット及びピークシフト対策を実施するときにも使用される。
【0006】
下記特許文献1に示す無停電電源装置においては、複数の無停電電源装置を同じ電力線で接続し、バッテリ容量が十分残っている無停電電源装置からバッテリ容量が少ない他の無停電電源装置へ、電力線を通じてバッテリの電力を供給することが記載されている。
【0007】
図1は、特許文献1に開示されている従来の無停電電源装置の構成を示す図である。
図1において、UPS(無停電電源装置)2-1,・・・,2-nは、AC電源が正常の場合に、AC電源からの電力を対応するPC(Personal Computer)11へ供給すると共にAC電源からの電力を内部バッテリに充電し、AC電源が異常(停電等)の場合に、このバッテリに蓄えられている電力を対応するPC11へ供給する構成となっている。また、UPS 2-1,・・・,2-n同士は、UPS間電力供給用ラインによって接続されていると共に、UPS間制御信号ラインによって接続されている。
【0008】
自己のバッテリ容量が十分残っているUPS2-1がバッテリ容量不足の他のUPS2-nへバッテリ電力を供給する場合について説明する。この場合、UPS2-1の電力伝送制御部(不図示)は、自己のバッテリ電力をUPS間電力供給用ラインに供給する。この際、他のUPS 2-2,・・・,2-nのうち、UPS 2-n側の電力伝送制御部(不図示)は、UPS間電力供給用ライン上の電力を取り込み可能な状態にセットされ、他のUPS 2-2,・・・,2-n-1などは、UPS間電力供給用ライン上の電力を取り込み不可能な状態にセットされている。この状態においては、UPS 2-1からのバッテリ電力は、UPS 2-nのみに供給されることになる。
【0009】
しかしながら、バッテリ容量が十分残っているバッテリと残量が少ないバッテリとで電力を融通すると、停電発生時などに外部機器に十分な電力を供給できなくなるという課題があった。
【特許文献1】特開2009−140507号公報(
図13)
【発明の開示】
【0010】
本発明の目的は、外部機器にバッテリ電力を供給する無停電電源装置において、充電されたバッテリの電力を十分に活用することができる無停電電源装置および該装置の制御方法を提供することにある。
【0011】
上記目的を達成するために本発明の一態様は、複数のバッテリユニットを停電待機系と停電予備系とで構成することで、商用電源に停電が発生した場合でも、停電待機系のバッテリユニットの電力を外部機器に出力して必要なバックアップ時間を確保するよう構成している。
【0012】
また上記目的を達成するために本発明の他の態様は、停電予備系バッテリをバックアップ系のバッテリユニットに切替えることで、パワーアシストするバッテリを停電予備系に限った運用をしても停電予備系バッテリの寿命を延ばすよう構成している。
【0013】
このように本発明は無停電電源装置に内蔵されるバッテリユニットを停電待機系および停電予備系で構成することで、商用電源に停電が発生した場合でも、常に外部機器に対する必要な電力バックアップ時間(例.180秒)を確保することができる。
【0014】
また本発明は停電予備系バッテリをバックアップ系のバッテリユニットに切替えることで、パワーアシストするバッテリを停電予備系に限った運用をしても停電予備系バッテリの寿命を延ばすことが可能となる。
【0015】
また本発明はバッテリユニットのバックアップ累積時間を基に停電予備系と停電待機系とを切替えことで、個々のバッテリユニットのバッテリ寿命を均等化することができる。
【0016】
また本発明は運用時のピーク時にバッテリからの電力を外部機器に出力するとともに電力需給に余裕のある夜間にバッテリを充電することで、電源ユニットに要求される電力需要を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】特許文献1に開示されている従来の無停電電源装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る無停電電源装置の構成例(その1)を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る無停電電源装置が電力のピークカットを行う場合の模式例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る無停電電源装置におけるパワーアシスト設定画面例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る無停電電源装置の構成例(その2)を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るパワーアシストするバッテリユニットの選択例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るパワーアシストするバッテリユニットの選択処理フローを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[実施例1]
図2は、本発明の実施形態に係る無停電電源装置の構成例(その1)を示すブロック図である。
【0019】
図2において本発明の実施形態に係る無停電電源装置10は、複数の電源ユニット(例.3つの電源ユニット1〜3)11〜13、複数のバッテリユニット(例.5つのバッテリユニット1〜5)14〜18、及び、1つの情報統合管理ユニット19から構成されている。
【0020】
ここで、電源ユニット(稼働系)11,12は、通常時、商用電源1の電力を外部機器20へ出力する。
【0021】
電源ユニット(待機系)13は、電源ユニット(稼働系)11,12のいずれかの障害発生時、電源ユニット(稼働系)として動作する。
【0022】
電源ユニット(稼働系)11,12は、バッテリユニット(例.バッテリユニット1〜5)14〜18の充電を行う。
【0023】
また電源ユニット(待機系)13は、電源ユニット(稼働系)11,12のいずれかが故障した時は、故障した電源ユニットに代わり、正常な電源ユニットと一緒にバッテリユニット14〜18の充電を行う。
【0024】
バッテリユニット(停電待機系)15〜18は、停電発生時に外部機器20へ電力を出力するバッテリユニットとして動作する。
【0025】
バッテリユニット(停電予備系)14は、電源ユニット(待機系)13の障害発生時、電源ユニット(待機系)として動作する。
【0026】
またバッテリユニット(停電予備系)14は、無停電電源装置10が電力のピークカットを実施するように設定されている場合には、ピークカット時にパワーアシストを行う。
【0027】
情報統合管理ユニット19は、外部に設けられたパソコン(管理端末)30に接続され、パソコン30からの各種設定により電源ユニット11〜13及びバッテリユニット14〜18の制御を行う。
【0028】
またパソコン(管理端末)30は、情報統合管理ユニット19を制御してパワーアシストする時間帯及び電力値を設定する。
【0029】
情報統合管理ユニット19は、パソコン(管理端末)30によって設定された時間帯になると、バッテリユニット(停電予備系)14のバッテリを用いてパワーアシストを行う。
【0030】
なお、
図2に示す情報統合管理ユニット19は、当業者に周知の情報処理装置によって実現されている。
【0031】
例えば、情報処理装置は、そのハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、記憶装置(ROM,RAM,HDDを含む)、入出力装置(通信インタフェース,ディスプレイ,プリンタ,マウス,キーボードなどを含む)などを備えて構成されている。
【0032】
通常、CPUは装置全体を制御する機能を有し、記憶装置(ROM,RAM,HDDを含む)はデータやプログラムを記憶する機能を有し、入出力装置は、データを入力したり、データを出力したり、外部装置との間でデータ通信を行ったりする機能を有している。
【0033】
機能を実現するに当たっては、上記した記憶装置に格納されたプログラムを上記したCPUが適宜読み出して実行することで機能が実現される。
【0034】
ここで本発明の実施形態に係る無停電電源装置が実施するパワーアシストの例を、以下の(1)、(2)について説明する。
(1)パワーアシストするバッテリユニットを停電待機系・停電予備系で対応した場合
情報統合管理ユニット19が、バッテリユニット14〜18を停電待機系・停電予備系で構成するように設定されていた場合、商用電源1の停電発生時には、停電待機系15〜18のバッテリを使用して外部機器20に対する必要なバックアップ時間(例.180秒)を確保する。
【0035】
さらに、停電予備系のバッテリユニットを、停電発生時に電源ユニット(待機系)3に代わる停電稼動系のバッテリユニットに切替えることで、バックアップ時間の延長を行うことが可能である。
(2)パワーアシストするバッテリユニットを停電予備系のみで対応した場合
情報統合管理ユニット19が、停電予備系バッテリユニットのみでパワーアシストする設定にされていた場合(図示例における停電予備系のバッテリユニットはバッテリユニット14)、停電予備系バッテリユニットの寿命が短くなる虞がある。
【0036】
それを回避するために、情報統合管理ユニット19は、ユニット19内の記憶装置(
図7のテーブルD1参照)に各バッテリのバックアップ累積時間を記憶しておき、情報統合管理ユニット19がユニット19内の記憶装置に記憶された各バッテリユニットのバックアップ累積時間を読み出し、各バッテリユニットのバックアップ累積時間が少ないバッテリユニットのバッテリをパワーアシストするバッテリに選んだうえで、選んだバッテリのバッテリユニットをパワーアシストする停電予備系のバッテリユニットに切替えることで、各バッテリユニットのバッテリ寿命を均等にする。
【0037】
図3は、本発明の実施形態に係る電源ユニットが電力のピークカットを行う場合の模式例を示す図である。
【0038】
図2および
図3において、本発明の実施形態に係る電源ユニット(稼働系)11,12は、電力需給に余裕のある夜間にバッテリへの充電を行い、電力需給のピーク時に上記夜間に充電されたバッテリを使用してパワーアシストを行うことで電源ユニット(稼働系)11,12に要求される電力需要を低く抑える。
【0039】
これを具体的に説明すると、
図2及び
図3に示すように、本発明の電源ユニット(稼働系)11,12は、電力需給に余裕のある夜間(例えば23時〜翌朝6時)の間にバッテリ14〜18を充電し、電力需給のピーク時(例えば12時〜15時)に充電されたバッテリ14〜18を使用してパワーアシストを行うことで、電源ユニット(稼働系)11,12に要求される電力需要を低く抑える。
【0040】
電源ユニット(稼働系)11,12に要求される電力需要を低く抑えることは、電力料金の削減効果に加えて、CO
2排出量を減らす効果がある。
【0041】
図4は、本発明の実施形態に係る無停電電源装置におけるパワーアシスト設定画面例を示す図である。
【0042】
図4のパワーアシスト設定画面は、無停電電源装置10に接続されたパソコン(管理端末)30の画面上に表示される設定入力画面であって、パワーアシスト開始時間(例.12:00)、パワーアシスト終了時間(例.15:00)、パワーアシスト電力(例.700W)、および、バッテリ充電開始時間(例.0:00)、をパソコン(管理端末)30から入力し、設定ボタン(画面右下)を操作することでパワーアシストの設定を行うものである。
【0043】
パワーアシスト設定画面上の設定情報(パワーアシスト開始時間、パワーアシスト終了時間、アシスト電力、および、バッテリ充電開始時間)は、ネットワーク経由で、情報統合管理ユニット19に送信され、情報統合管理ユニット19の記憶装置(不図示)内に設定される。
【0044】
情報統合管理ユニット19は、パワーアシスト開始時間(例.12:00)になると、設定されている情報に基づいてバッテリユニット1(停電予備系)14からアシスト電力(例.700W)を出力するよう制御する。
【0045】
パワーアシスト終了時間(例.15:00)になった場合、情報統合管理ユニット19は、バッテリユニット1(停電予備系)14からパワーアシスト電力(例.700W)の供給を停止するよう制御する。
【0046】
バッテリ充電開始時間(例.0:00)なった場合、情報統合管理ユニット19は、設定されている情報に基づいてバッテリユニット1(停電予備系)14等への充電を開始するよう制御する。
[実施例2]
図5は、本発明の実施形態に係る無停電電源装置の構成例(その2)を示すブロック図である。
【0047】
図5に示す無停電電源装置の構成例(その2)が上記した
図2に示す無停電電源装置の構成例(その1)と異なる点は、バッテリユニット(例.バッテリユニット1〜5)14〜18のバッテリ寿命を均等化するために、停電発生時に、停電予備系と停電待機系とを切替えて使用することにより、バッテリユニット14〜18のバッテリ寿命を切替え使用しない場合に較べて延長可能にするものである。
【0048】
具体的には、
図5において、商用電源1側に停電が発生(図示例では停電の発現を×印にて表示)した場合、停電予備系となっているバッテリユニット(図示例では、バッテリユニット1)を停電待機のバックアップ系のバッテリユニット15〜18のいずれかに切替えることにより、バックアップ時間の延長が可能となる。
【0049】
図示例では、停電予備系がバッテリユニット1になっているが、各バッテリユニットのバックアップ累積時間を基にしてパワーアシストするバッテリを、例えばバッテリユニット1からバッテリユニット2などに切替えることで、各バッテリユニットのバッテリ寿命の均等化を図ることが可能となる。
【0050】
図6は、本発明の実施形態に係るパワーアシストするバッテリユニットの選択例を示す図であって、1日当たり5時間のパワーアシストを行ったときの例を示すものである。
【0051】
図6において、スラッシュによって切り分けられた上段の数字は月日を表し、表中の[・・・h]は、パワーアシスト累積時間に基づいてパワーアシストするバッテリユニットを選択した例を示している。
図6について具体的に説明すると、
(1)9月22日においては、バッテリユニット1の累積時間が最小のため、バッテリユニット1を選択したものである。
(2)9月23日においては、バッテリユニット1の累積時間が最小且つ他の同じ累積時間のものと比較してユニット番号が若番のため、バッテリユニット1を選択したものである。
(3)9月24日においては、バッテリユニット2の累積時間が最小且つ他の同じ累積時間のものと比較してユニット番号が若番のため、バッテリユニット2を選択したものである。
(4)9月25日においては、バッテリユニット3の累積時間が最小のため、バッテリユニット3を選択したものである。
(5)9月26日においては、バッテリユニット5の累積時間が最小のため、バッテリユニット5を選択したものである。
(6)9月27日においては、バッテリユニット1の累積時間が最小且つ他の同じ累積時間のものと比較してユニット番号が若番のため、バッテリユニット1を選択したものである。
【0052】
図7は、本発明の実施形態に係るパワーアシストするバッテリユニットの選択処理フローを示す図である。
【0053】
図7の選択処理フローにおいて、情報統合管理ユニット19は、各バッテリユニットのパワーアシスト累積時間をユニット19内の記憶装置(不図示)(具体的には、
図7の右上部のテーブルD1のレコード)に記憶する。この例では、バッテリユニットが5基用意されている例を示しているが、この例のみに限定されない。
【0054】
パワーアシスト開始時間になったとき、情報統合管理ユニット19は、テーブルD1からバッテリユニット番号1のレコードに記憶されているパワーアシスト累積時間を取り出すとともにユニット19内の記憶装置(不図示)内に設けられる累積時間最小値記憶部D2のレコード(具体的には、
図7の右部中段参照)にユニット番号とパワーアシスト累積時間を記憶する(ステップS1及びテーブルD2)。
【0055】
情報統合管理ユニット19は、他のバッテリユニット番号について、上記バッテリユニット番号1に対したと同様のループ処理を行い、他のバッテリユニット番号すべてのループ処理を終了したかを判定する(ステップS2)。
【0056】
情報統合管理ユニット19は、他のバッテリユニット番号すべてのループ処理を終了していなければ(ステップS2=NO)、該当するバッテリユニット番号のパワーアシスト累積時間を
図7の右上部のテーブルD1のレコードから取り出す(ステップS3)。
【0057】
そして情報統合管理ユニット19は、上記ステップS1で実行した累積時間最小値記憶部D2に記憶されているパワーアシスト累積時間と比較し、累積時間最小値記憶部D2のレコードに記憶されている値より小さい場合(ステップS4=YES)には、ユニット番号とパワーアシスト累積時間を記憶部D2のレコードに記憶して更新する。
【0058】
これに対して、累積時間最小値記憶部D2のレコードに記憶されているパワーアシスト累積時間より大きい場合(ステップS4=NO)には、ステップS2に戻る。
【0059】
情報統合管理ユニット19は、ステップS2における他のバッテリユニット番号すべてのループ処理を終了した場合(ステップS2=YES)には、累積時間最小値記憶部D2に記憶されているユニット番号を取り出す(ステップS6)。
【0060】
情報統合管理ユニット19は、こうして取り出されたユニット番号のバッテリユニットをパワーアシストするバッテリユニットとして選択する。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、商用電源を電力源とするUPS(無停電電源装置)に限定されず、商用電源を電力源としない他の電源装置に対しても適用することが可能である。