特許第6292680号(P6292680)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6292680
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】手持ち式装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20180305BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20180305BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   G06K7/10 436
   H05K5/02 D
   G07G1/00 311E
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-146958(P2016-146958)
(22)【出願日】2016年7月27日
(65)【公開番号】特開2018-18236(P2018-18236A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2016年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100147809
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 順一
(72)【発明者】
【氏名】小澤 卓哉
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−224047(JP,A)
【文献】 特開2006−246566(JP,A)
【文献】 特開2009−265951(JP,A)
【文献】 特開平08−050628(JP,A)
【文献】 特開平01−266796(JP,A)
【文献】 特開2013−058550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
H05K 5/02
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御基板を内蔵する本体と、
前記本体から突出する突出部と、
第1保持部に前記本体を保持するための第1被保持部と、
前記第1保持部とは異なる方法で第2保持部に前記本体を保持するための第2被保持部と
前記第1保持部及び前記第2保持部とは異なる方法で第3保持部に前記本体を保持するための第3被保持部とを備え、
前記第1被保持部は、前記突出部に設けられ、
前記第3被保持部は、前記第3保持部としての挟持対象物を前記本体とともに挟持するための部位であって、前記突出部の軸と交差する方向へ前記突出部から延びる板状をなしており、
前記第2被保持部は、前記突出部又は前記第被保持部に設けられる
ことを特徴とする手持ち式装置。
【請求項2】
前記第1被保持部は、前記突出部の先端に設けられ、前記第1保持部に磁力で保持するための磁石を有し、
前記第2被保持部は、前記第2保持部としてのフック状部材に係止するための孔を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の手持ち式装置。
【請求項3】
前記第2被保持部は、前記突出部の先端に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の手持ち式装置。
【請求項4】
前記第2被保持部は、前記第被保持部に設けられる
ことを特徴とする請求項に記載の手持ち式装置。
【請求項5】
前記本体が、ユーザが手で持つための把持部と、バーコードを読み取る読取部とを有する手持ち式バーコード読取装置である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の手持ち式装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち式装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの商店でPOS(point−of−sale)端末が広く普及している。POS端末では、一般的に、バーコード読取装置によって商品の情報などが読み取られる。このようなバーコード読取装置の中には、店員が手で持って使用する手持ち式バーコード読取装置がある。
【0003】
手持ち式バーコード読取装置は、商店の店員がそれを使用しないとき、レジカウンター、レジ台などといったPOS端末が設置される台の上に置かれることがある。このとき、店員の手、顧客の商品などが台上の手持ち式バーコード読取装置に当たるなどして、手持ち式バーコード読取装置が台上から落下して破損することがある。
【0004】
これを防ぐために、例えば特許文献1には、第1の掛合部材に第2の掛合部材を掛け合わせることによって、置き台に保持する手持ち式バーコード読取装置が開示されている。第1の掛合部材は、装置本体に取り付け取外し自在の帯状部材に取り付けられた掛合部材である。すなわち、第1の掛合部材は、帯状部材を介して、装置本体に取り付けられる。第2の掛合部材は、例えば置き台の所定位置に取り付けられた掛合部材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平3−093966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された手持ち式バーコード読取装置では、第1の掛合部材に第2の掛合部材を掛け合わせる手間と時間が掛かる。特に商店で顧客が清算のために列をなしているような場合には、この手間と時間は大きい。
【0007】
また、特許文献1に開示された手持ち式バーコード読取装置では、置き台の所定位置に第2の掛合部材を取り付ける必要がある。置き台によっては、第2の掛合部材を取り付けることが難しいことがある。
【0008】
例えば、ネジにより取り付けられる第2の掛合部材の場合、スチール製の置き台に第2の掛合部材をネジ止めすることは難しい。また例えば、粘着テープなどで取り付けられる第2の掛合部材の場合、第2の掛合部材の取り付けに適した箇所に、十分な強度で粘着させるスペースが確保できないことがある。このような場合、第2の掛合部材を置き台に取り付けることが難しい。
【0009】
このように、手持ち式バーコード読取装置を使用しないときの扱いにおいて、商店の店員などといった、手持ち式バーコード読取装置のユーザに不便さがある。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ユーザの利便性を向上させることが可能な手持ち式装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る手持ち式装置は、制御基板を内蔵する本体と、前記本体から突出する突出部と、第1保持部に前記本体を保持するための第1被保持部と、前記第1保持部とは異なる方法で第2保持部に前記本体を保持するための第2被保持部と、前記第1保持部及び前記第2保持部とは異なる方法で第3保持部に前記本体を保持するための第3被保持部とを備え、前記第1被保持部は、前記突出部に設けられ、前記第3被保持部は、前記第3保持部としての挟持対象物を前記本体とともに挟持するための部位であって、前記突出部の軸と交差する方向へ前記突出部から延びる板状をなしており、前記第2被保持部は、前記突出部又は前記第被保持部に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させる手持ち式装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1に係る手持ち式バーコード読取装置の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る手持ち式バーコード読取装置の外観を示す図であって、(a)は、正面図であり、(b)は、右側面図であり、(c)は、底面図である。
図3】実施の形態1に係る被保持部材の斜視図である。
図4】実施の形態1に係る被保持部材の外観を示す図であって、(a)は、正面図であり、(b)は、左側面図であり、(c)は、右側面図であり、(d)は、背面図であり、(e)は、平面図であり、(f)は、底面図である。
図5】本発明の変形例1に係る被保持部材の斜視図である。
図6】本発明の変形例2に係る被保持部材の斜視図である。
図7】本発明の変形例3に係る被保持部材の斜視図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る被保持部材の斜視図である。
図9】実施の形態2に係る被保持部材の外観を示す図であって、(a)は、正面図であり、(b)は、左側面図であり、(c)は、右側面図であり、(d)は、背面図であり、(e)は、平面図であり、(f)は、底面図である。
図10】本発明の実施の形態3に係る被保持部材の斜視図である。
図11】実施の形態3に係る被保持部材の外観を示す図であって、(a)は、正面図であり、(b)は、左側面図であり、(c)は、右側面図であり、(d)は、背面図であり、(e)は、平面図であり、(f)は、底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、前、後、上、下、左、右の方向を表す用語は、説明のために用いるのであって、本発明を限定する趣旨ではない。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る手持ち式バーコード読取装置100は、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどで顧客が購入する商品に付されたバーコードを読み取ることによって、その商品に関する情報を取得するための装置である。以下、手持ち式バーコード読取装置を単に「バーコード読取装置」とも称する。
【0016】
バーコード読取装置100は、斜視図である図1及び正面図などである図2に示すように、本体101と、被保持部材102とを備える。本体101は、制御基板(不図示)などを内蔵し、図示しない上位装置であるPOS端末との間でデータを送受信するためのケーブル103が接続される。本体101と被保持部材102とは、典型的には、樹脂を材料として作られる。
【0017】
本体101は、把持部104と、傾斜部105と、読取部106とを有する。
【0018】
把持部104は、ユーザが手で持つための部位であって、概ね上下方向を長さ方向として、手で握れる程度の長さを有する。把持部104の前面には、詳細後述する被保持部材102を係止するためのスリット(不図示)が設けられている。本実施の形態において、スリットは、四角形の各辺の一部に設けられる。
【0019】
傾斜部105は、把持部104の上端から上後方へ向かって延びる部位である。
【0020】
読取部106は、傾斜部105の先端に設けられ、読取対象としてのバーコードを読み取る。詳細には、読取部106は、バーコードに光を照射し、その反射光に基づいて、バーコードが示す情報を取得する。
【0021】
読取部106の機能は、例えば、上述の制御基板の他に、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子、受光素子、光学レンズなどから構成される。これらの読取部106の機能を実現するための各部材は、上述の制御基板とともに本体101に内蔵されるとよい。
【0022】
なお、読取対象は、情報を有するものであれば、バーコードに限られず、例えば、RF(Radio Frequency)タグなどであってもよい。
【0023】
被保持部材102は、斜視図である図3及び正面図などである図4に示すように、本体101とは別体で構成される部材であり、突出部107と、磁石保持部108と、孔部109と、挟持部110と、係止部112とを有する。
【0024】
被保持部材102が、図1及び図2に示すように、本体101に取り付けられると、突出部107が、本体101から突出する。突出部107は、図3及び図4に示すように、前後方向に沿った軸方向に突出する柱状の柱状部111と、柱状部111から延びる延設部113とを有する。
【0025】
柱状部111は、前後方向の軸に沿って突出する柱状の部位であって、先端が塞がれており、基端が開放した中空の四角柱状をなす。
【0026】
係止部112は、柱状部111の基端に設けられており、本体101の把持部104に設けられた図示しないスリットに挿設された状態で、先端の爪が本体101に係止される。このような係止部112により、被保持部材102が本体101に取り付けられる。そして、係止部112が本体101に取り付けられると、柱状部111は、本体から離れる方向である前方に突出する。
【0027】
延設部113は、柱状部111の前後方向の軸と交差する方向へ柱状部111から延びる。本実施の形態に係る延設部113は、上方へ延びる平板状の部位である。
【0028】
磁石保持部108は、柱状部111の先端部に設けられて、磁石114を有する。本実施の形態に係る柱状部111の先端部は、柱状部111の前端部に相当する。磁石保持部108に設けられた磁石114は、磁石に吸着する部材(以下、「吸磁部材」という。)に本体101を磁力で保持するための部材である。磁石114は、例えば、その前面が外部に露出するように磁石保持部108に埋設され、接着剤、粘着テープなどで磁石保持部108に固定される。
【0029】
吸磁部材は、例えば、POS端末、又は、POS端末の周辺に配置された物に設けられる磁石、当該物を構成する鉄などの強磁性体で作られた部材などである。
【0030】
POS端末の周辺とは、例えば、POS端末の操作時にユーザの手が届く範囲である。そして、POS端末の周辺に配置された物とは、例えば、POS端末が載置されるPOS端末台、POS端末の操作時にユーザの手が届く範囲の壁面である。
【0031】
孔部109は、延設部113に形成され、図示しないフック状部材に係止するための孔を有する。
【0032】
フック状部材は、例えば、孔部109の孔を係止するフック状の部位と、POS端末、又は、POS端末の周辺に配置された物に固定される部位とを含む。フック状部材をPOS端末、又は、POS端末の周辺に配置された物に固定する方法は、ネジ止め、粘着テープ、磁力などである。
【0033】
挟持部110は、本体101とともに挟持対象物を挟持するための部位であって、基端が柱状部111に固定されており、柱状部111の前後方向の軸と交差する方向へ延びる板状をなす。
【0034】
挟持部110は、可撓性を有する。そのため、挟持部110と本体101との間に挟持対象物が挟まれると、挟持部110が前方へ撓む。これによって、挟持部110と本体101との距離が離れるとともに、平板状へ復元しようとする付勢力が挟持部110に生じる。すなわち、挟持部110と本体101との間に挟持対象物が挟まれ、それによって、挟持部110と本体101との距離が離れると、付勢力が挟持部110に生じる。そして、この付勢力は、本体101へ向かう、すなわち本体101との距離を近づける方向である後方へ向かう力である。これにより、挟持部110は、本体101とともに挟持対象物を挟持することができる。
【0035】
挟持対象物は、例えば、バーコード読取装置100のユーザが身に着けている服のポケット、ベルトである。また、挟持対象物は、POS端末、又は、POS端末の周辺に設けられる上下方向に平行な板状の部材であってもよい。この板状の部材は、バーコード読取装置100の全体の重さを支えることができる程度の強度と、挟持部110と本体101との間で挟むことができる程度の厚さとを有すればよい。
【0036】
これまで、本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置100の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係るバーコード読取装置100の使用方法について説明する。
【0037】
本実施の形態では、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどに設置されるPOS端末に接続されたバーコード読取装置100を例に説明する。
【0038】
使用時には、ユーザは、本体101の把持部104を把持して、顧客が購入する商品などに付されたバーコードに読取部106をかざす。これにより、バーコード読取装置100は、バーコードに含まれる情報を読み取る。読み取られた情報は、ケーブル103を介してPOS端末に送信される。
【0039】
ユーザは、顧客が購入する商品のすべてについてバーコードの読み取りが完了すると、通常、次の顧客の対応をするまで、バーコード読取装置100を使用しない。
【0040】
本実施の形態では、POS端末が載置されるPOS端末台が鉄製であり、フック状部材がPOS端末に取り付けられているとする。
【0041】
ユーザは、バーコード読取装置100を使用しないとき、磁石保持部108と挟持部110と孔部109とのいずれかで、本体101を保持する。
【0042】
磁石保持部108を吸磁部材に着脱することは容易である。ただ、磁石保持部108により保持されているときに、例えばユーザの手、物などがバーコード読取装置100に当たることなどによって磁石保持部108が吸磁部材から離されると、本体101が落下してしまう可能性がある。そのため、磁石保持部108による保持は、例えば、商店の混雑時など、バーコード読取装置100の使用と不使用とを頻繁に切り替える必要があるときなどに適している。
【0043】
挟持部110は、磁石保持部108と同様の特徴を有する。すなわち、挟持部110を挟持対象物に着脱することは容易である。ただ、挟持部110により保持されているときに、ユーザの手、物などがバーコード読取装置100に当たることなどによって挟持部110が挟持対象物から離されると、本体101が落下してしまう可能性がある。そのため、挟持部110は、磁石保持部108と同様に、例えば、商店の混雑時など、バーコード読取装置100の使用と不使用とを頻繁に切り替える必要があるときなどに適している。
【0044】
磁石保持部108と挟持部110とは、吸磁部材が取り付けられているか否か、ユーザがポケット付の服やベルトを身に着けているか否か、ユーザがどちらを使い易いか、などの状況に応じて使い分けられるとよい。
【0045】
これに対して、孔部109をフック状部材に着脱することは手間が掛かる。しかし、孔部109により本体101を保持すれば、バーコード読取装置100にユーザの手などが当たってもバーコード読取装置100は落下し難く、バーコード読取装置100をしっかりと保持することができる。そのため、孔部109による保持は、例えば、不使用の時間が比較的多い時などに適している。
【0046】
ただし、ここで説明した磁石保持部108、挟持部110、孔部109の特徴や使い分けは、一般的に想定できるものに過ぎない。磁石保持部108に保持された磁石が備える磁力の強さ、挟持部110が挟持する力の大きさ、孔部109とフック状部の掛かり具合などといった具体的な状況に応じて、磁石保持部108、挟持部110、孔部109が適宜使い分けられてよいのは勿論である。
【0047】
そして、使用を再開するときには、ユーザは、吸磁部材、挟持対象物、又は、フック状部材からバーコード読取装置100を取り外して、バーコード読取装置100を上述のように使用するとよい。
【0048】
これまで説明したように、実施の形態1に係るバーコード読取装置100は、吸磁部材に本体101を保持するように、突出部107に設けられた磁石保持部108と、フック状部材に本体101を保持するように、突出部107に設けられた孔部109とを備える。
【0049】
このように、バーコード読取装置100は、異なる方法で本体101を保持する保持部に対応した被保持部を備える。そのため、バーコード読取装置100を使用しないときに、ユーザは、磁石保持部108と孔部109とのいずれの被保持部で本体101を保持するかを選択することができる。
【0050】
これにより、例えば不使用時の状況に応じて本体101を保持する方法を選択することができるので、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0051】
本実施の形態に係る磁石保持部108は、突出部107が備える柱状部111の先端に設けられ、磁石を有する。突出部107の先端に設けることで、磁石保持部108を設けるための部位を別個に設ける必要がないので、被保持部材102をコンパクトにすることができる。従って、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0052】
本実施の形態に係るバーコード読取装置100は、挟持部110をさらに備える。挟持部110は、磁石保持部108及び孔部109のいずれとも異なる方法で本体101を保持する保持部としての挟持対象物に対応した被保持部である。
【0053】
そのため、バーコード読取装置100を使用しないときに、ユーザは、さらに、本体101を保持するための被保持部として、磁石保持部108と孔部109とに加えて挟持部110を選択することができる。
【0054】
これにより、例えば、不使用時の状況だけでなく、吸磁部材が取り付けられているか否かといったユーザの周辺の状況、ユーザが身に着けている物などに応じて本体101を保持する方法を選択することができる。従って、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0055】
本実施の形態に係る挟持部110と延設部113とは、それぞれ、下方と上方とへ延びており、把持部104の長手方向である上下方向に沿って、柱状部111から互いに反対の方向へ延びている。これに対して、仮に挟持部110と延設部113とが例えば、左右方向に沿って、柱状部111から互いに反対の方向へ延びると、本体101を正面から見た場合に、挟持部110と延設部113とがそれぞれ本体101の左右の端部よりも突出する。本実施の形態によれば、バーコード読取装置100の幅(バーコード読取装置100を正面から見た場合の左右の長さ)を、概ね本体101の幅(本体101を正面から見た場合の左右の長さ)よりも小さくすることができる。従って、バーコード読取装置100は、コンパクトな構成で複数の被保持部108〜110を備えることが可能になる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本実施の形態は、次のように変形されてもよい。
【0057】
例えば、実施の形態1では、被保持部材102が、本体101とは別に構成され、その被保持部材102を本体101に取り付ける例により説明したが、本体101と被保持部材102とが一体に構成されてもよい。
【0058】
例えば、実施の形態1では、柱状部111が、中空の四角柱状である場合を例に説明したが、柱状部111は、軸に沿って突出する柱状であればよい。すなわち、柱状部111は、中実であってもよい。また、柱状部111は、軸方向から見た形状が、例えば、円形であってもよく、四角形以外の多角形であってもよい。
【0059】
例えば、実施の形態1では、上位装置としてのPOS端末装置と有線で接続された手持ち式バーコード読取装置を例に説明した。しかし、手持ち式バーコード読取装置は、上位装置に有線で接続されるものに限られず、無線で接続されてもよい。また、手持ち式バーコード読取装置は、上位装置に接続されず、単独で使用されるものであってもよい。さらに、本発明は、手持ち式バーコード読取装置に限られず、懐中電灯、家庭用ゲーム機のコントローラ、手持ち式の電動のこぎりなどといった種々の手持ち式装置に適用することができる。
【0060】
(変形例1)
実施の形態1では、被保持部材102が、磁石保持部108、孔部109、挟持部110といった3種の被保持部を備えることによって、3種類の異なる方法で本体101を保持することができるバーコード読取装置100を例に説明した。しかし、被保持部材には、2種以上の被保持部が設けられていればよく、本変形例では、2種類の被保持部が設けられる例を説明する。
【0061】
変形例1に係る被保持部材202は、実施の形態1と同様に、本体101とは別体で構成される部材である。
【0062】
被保持部材202は、斜視図である図5に示すように、突出部207と、磁石保持部108と、挟持部110と、係止部112とを有する。すなわち、本変形例に係る被保持部材202は、孔部109を有していない点で、実施の形態1に係る被保持部材102とは異なる。
【0063】
突出部207は、実施の形態1と同様の柱状部111を有する。すなわち、本変形例に係る突出部207は、孔部109が設けられる延設部113を有していない点で、実施の形態1に係る突出部107とは異なる。
【0064】
本変形例によれば、例えばユーザの周辺の状況、ユーザが身に着けている物などに応じて本体101を保持する方法を選択することができる。従って、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0065】
(変形例2)
本変形例においても、変形例1と同様に、2種類の被保持部が設けられる例を説明する。
【0066】
変形例2に係る被保持部材302は、実施の形態1と同様に、本体101とは別体で構成される部材である。
【0067】
被保持部材302は、斜視図である図6に示すように、突出部107と、磁石保持部108と、孔部109と、係止部112とを有する。すなわち、本変形例に係る被保持部材302は、挟持部110を有していない点で、実施の形態1に係る被保持部材102とは異なる。
【0068】
本変形例によっても、変形例1と同様の効果を奏する。
【0069】
(変形例3)
本変形例においても、変形例1と同様に、2種類の被保持部が設けられる例を説明する。
【0070】
変形例3に係る被保持部材402は、実施の形態1と同様に、本体101とは別体で構成される部材である。
【0071】
被保持部材402は、斜視図である図7に示すように、突出部107と、孔部109と、挟持部110と、係止部112とを有する。すなわち、本変形例に係る被保持部材402は、磁石保持部108を有していない点で、実施の形態1に係る被保持部材102とは異なる。
【0072】
本変形例によっても、変形例1と同様の効果を奏する。
【0073】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置は、実施の形態1と同様の本体101と、本実施の形態に特徴的な被保持部材502とを備える。被保持部材502は、3種類の異なる方法で本体を保持することができる点で実施の形態1に係る被保持部材102と同様であるが、孔部を設ける場所が実施の形態1に係る被保持部材102と異なる。
【0074】
被保持部材502は、斜視図である図8及び正面図などである図9に示すように、実施の形態1と同様の挟持部110、磁石保持部108及び係止部112と、実施の形態1とは異なる突出部507及び孔部509とを有する。
【0075】
突出部507は、実施の形態1と同様の柱状部111を有する。すなわち、本変形例に係る突出部507は、延設部113を有していない点で、実施の形態1に係る突出部107とは異なる。
【0076】
孔部509は、実施の形態1に係る孔部109とは異なり、挟持部110に設けられる。
【0077】
これまで、本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置の構成について説明した。
【0078】
本実施の形態に係るバーコード読取装置の使用方法は、実施の形態1に係るバーコード読取装置100と概ね同様である。
【0079】
すなわち、使用時には、ユーザは、本体101の把持部104を把持して、顧客が購入する商品などに付されたバーコードに読取部106をかざす。その結果、バーコードに含まれる情報は、ケーブル103を介してPOS端末に送信される。
【0080】
そして、ユーザは、バーコード読取装置100を使用しないとき、磁石保持部108と挟持部110と孔部509とのいずれかで、本体101を保持することができる。使用を再開するときには、ユーザは、吸磁部材、挟持対象物、又は、フック状部材からバーコード読取装置を取り外して、バーコード読取装置を上述のように使用するとよい。
【0081】
以上、本発明の実施の形態2について説明した。
【0082】
実施の形態2によれば、実施の形態1に係るバーコード読取装置100と同様の効果を奏する。
【0083】
また、本実施の形態では、孔部509が、挟持部110に設けられる。これにより、被保持部材502が実施の形態1に係る延設部113に相当する部位を有しなくても、3種類の方法で本体101を保持することができる。従って、被保持部材502を実施の形態1に係る被保持部材102よりもコンパクトにすることができるので、ユーザの利便性をより向上させることが可能になる。
【0084】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るバーコード読取装置は、スリットに代わる小さい孔が設けられている点で実施の形態1とは異なる本体(不図示)と、本実施の形態に特徴的な被保持部材602とを備える。
【0085】
被保持部材602は、3種類の異なる方法で本体を保持することができる点で実施の形態1,2に係る被保持部材102,502と同様であるが、孔部を設ける場所が実施の形態1,2に係る被保持部材102,502と異なる。また、被保持部材502を本体に固定する方法が異なる。
【0086】
被保持部材602は、斜視図である図10及び正面図などである図11に示すように、実施の形態1と同様の挟持部110と、実施の形態1とは異なる突出部607、磁石保持部608及び孔部609とを有する。被保持部材602は、実施の形態1に係る被保持部材102とは異なり、係止部112を有しない。
【0087】
実施の形態1に係る突出部107と同様に、被保持部材602が本体に取り付けられると、突出部607が本体から突出する。突出部607は、柱状部111を有する。本実施の形態に係る突出部607は、延設部113を有しないことが、実施の形態1に係る突出部107と異なる。
【0088】
ここで、被保持部材602が係止部112を有しないのは上述の通りである。本実施の形態に係る被保持部材602は、例えば、本体に設けられた小さい孔に挿設されるネジにより、本体に取り付けられる。柱状部111の基端部には、ネジを取り付けるためのネジ孔が設けられる。なお、図11においては、柱状部111の基端部に設けられるネジ孔は図示していない。
【0089】
磁石保持部608は、実施の形態1と同様に、柱状部111の先端に設けられて、吸磁部材に本体101を磁力で保持するための磁石114を有する。本実施の形態に係る磁石保持部608は、左右に配置された2つ磁石を有する点で、実施の形態1に係る磁石保持部108と異なる。
【0090】
なお、本実施の形態においても、柱状部111の先端部及び基端部は、それぞれ、柱状部111の前端部及び後端部に相当する。
【0091】
孔部609は、実施の形態1と同様に、図示しないフック状部材に係止するための孔を形成する部位である。本実施の形態に係る孔部609は、実施の形態1とは異なり、柱状部111の先端部に設けられる。詳細には、孔部609は、柱状部111の先端部のうち、磁石保持部608に取り付けられている2つの磁石の間に設けられる。
【0092】
これまで、本発明の実施の形態3に係るバーコード読取装置の構成について説明した。
【0093】
本実施の形態に係るバーコード読取装置の使用方法は、実施の形態1に係るバーコード読取装置100と概ね同様である。
【0094】
すなわち、使用時には、ユーザは、本体の把持部104を把持して、顧客が購入する商品などに付されたバーコードに読取部106をかざす。その結果、バーコードに含まれる情報は、ケーブル103を介してPOS端末に送信される。
【0095】
そして、ユーザは、バーコード読取装置100を使用しないとき、磁石保持部608と挟持部110と孔部609とのいずれかで、本体を保持することができる。使用を再開するときには、ユーザは、吸磁部材、挟持対象物、又は、フック状部材からバーコード読取装置を取り外して、バーコード読取装置を上述のように使用するとよい。
【0096】
以上、本発明の実施の形態3について説明した。
【0097】
実施の形態3によれば、実施の形態1に係るバーコード読取装置100と同様の効果を奏する。
【0098】
また、磁石保持部608と孔部609とのいずれもが、突出部607が有する柱状部111の先端に設けられる。これにより、実施の形態1に係る延設部113に相当する部位を有しなくても、3種類の方法で本体を保持するバーコード読取装置を実現することができる。従って、コンパクトな構成で、例えば不使用時の状況に応じて本体101を保持する方法を選択することができるので、ユーザの利便性をより向上させることが可能になる。
【0099】
これまで説明した磁石保持部108,608及び吸磁部材の組み合わせと、孔部109,509,609及びフック状部材の組み合わせと、挟持部110及び挟持対象物の組み合わせは、第1被保持部及び第1保持部の組み合わせと、第2被保持部及び第2保持部の組み合わせと、第3被保持部及び第3保持部の組み合わせとのいずれかの互いに異なる組み合わせに相当する。
【0100】
例えば、磁石保持部108,608が、第1被保持部に相当する場合、吸磁部材は、第1保持部に相当する。孔部109,509,609が、第2被保持部に相当する場合、フック状部材は、磁力とは異なる方法で本体101を保持する部材であって、第2保持部に相当する。挟持部110が、第3被保持部に相当する場合、挟持対象物は、磁力及び係止とは異なる方法で本体101を保持する部材であって、第3保持部に相当する。
【0101】
また例えば、挟持部110が、第1被保持部に相当する場合、挟持対象物は、磁力及び係止とは異なる方法で本体101を保持する部材であって、第1保持部に相当する。孔部109,509,609が、第2被保持部に相当する場合、フック状部材は、磁力とは異なる方法で本体101を保持する部材であって、第2保持部に相当する。磁石保持部108,608が、第3被保持部に相当する場合、吸磁部材は、第3保持部に相当する。
【0102】
以上、本発明の実施の形態1〜3について説明したが、実施の形態は、次のように変形されてもよい。
【0103】
例えば、被保持部材102,202,302,402,502,602を本体101に取り付ける方法は、実施の形態1,2のような爪による係止、実施の形態3のようなネジ止めに限られず、接着剤などによる接着などであってもよい。
【0104】
接着剤などで被保持部材を本体に接着する場合、被保持部材が有する柱状部の基端部には、係止部112やネジ止めのための孔を設ける必要がない。柱状部の基端部は、例えば容易に接着できるように平らにされていればよい。そのため、被保持部材の構成を簡易にすることができる。
【0105】
また、本体には、実施の形態1〜3で説明したようなスリットや小さい孔が設けられなくてもよい。そのため、被保持部材の取り付けが予定されていないためにスリットや小さい孔を有さない本体であっても、被保持部材を容易に取り付けることができる。
【0106】
以上、本発明の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、これらに限られない。例えば、本発明は、これまで説明した実施の形態及び変形例の一部又は全部を適宜組み合わせた形態、その形態に適宜変更を加えた形態をも含む。
【0107】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
(付記1)
制御基板を内蔵する本体と、
前記本体から突出する突出部と、
第1保持部に前記本体を保持するための第1被保持部と、
前記第1保持部とは異なる方法で第2保持部に前記本体を保持するための第2被保持部とを備え、
前記第1被保持部は、前記突出部に設けられ、
前記第2被保持部は、前記突出部又は前記第1被保持部に設けられる
ことを特徴とする手持ち式装置。
(付記2)
前記第1被保持部は、前記突出部の先端に設けられ、前記第1保持部に磁力で保持するための磁石を有する
ことを特徴とする付記1に記載の手持ち式装置。
(付記3)
前記第2被保持部は、前記突出部の先端に設けられ、前記第2保持部としてのフック状部材に係止するための孔を有する
ことを特徴とする付記2に記載の手持ち式装置。
(付記4)
前記突出部は、
前記本体から突出する柱状部と、
前記柱状部の軸と交差する方向へ前記柱状部から延びる延設部とを有し、
前記第2被保持部は、前記延設部に形成され、前記第2保持部としてのフック状部材に係止するための孔を有する
ことを特徴とする付記2に記載の手持ち式装置。
(付記5)
前記第1保持部及び前記第2保持部とは異なる方法で第3保持部に前記本体を保持するように、前記突出部に設けられた第3被保持部をさらに備え、
前記第3被保持部は、前記第3保持部としての挟持対象物を前記本体とともに挟持するための部位であって、前記突出部の軸と交差する方向へ前記突出部から延びる板状をなしている
ことを特徴とする付記2から4のいずれか1つに記載の手持ち式装置。
(付記6)
前記第1被保持部は、前記第1保持部としての挟持対象物を前記本体とともに挟持するための部位であって、前記突出部の軸と交差する方向へ前記突出部から延びる板状をなしている
ことを特徴とする付記1に記載の手持ち式装置。
(付記7)
前記第2被保持部は、前記第1被保持部に設けられ、前記第2保持部としてのフック状部材に係止するための孔を有する
ことを特徴とする付記6に記載の手持ち式装置。
(付記8)
前記第1保持部及び前記第2保持部とは異なる方法で第3保持部に前記本体を保持するように、前記突出部に設けられた第3被保持部をさらに備え、
前記第3被保持部は、前記突出部の先端に設けられ、前記第1保持部に磁力で保持するための磁石を有する
ことを特徴とする付記7に記載の手持ち式装置。
(付記9)
前記突出部は、
前記本体から離れる方向へ突出する柱状部と、
前記柱状部の軸と交差する方向へ前記柱状部から延びる延設部とを有し、
前記第2被保持部は、前記延設部に形成され、前記第2保持部としてのフック状部材に係止するための孔を有する
ことを特徴とする付記6に記載の手持ち式装置。
(付記10)
制御基板を内蔵する本体と、
前記本体から突出する突出部と、
前記本体を第1保持部に保持するために、前記突出部に設けられた第1被保持部と、
前記第1保持部とは異なる方法で第2保持部に前記本体を保持するために、前記突出部に設けられた第2被保持部とを備え、
前記本体は、
ユーザが手で持つための把持部と、
バーコードを読み取る読取部とを有する
ことを特徴とする手持ち式バーコード読取装置。
(付記11)
前記突出部は、
前記本体から突出する柱状部と、
前記柱状部の軸と交差する方向へ前記柱状部から延びる延設部とを有し、
前記第1被保持部は、前記第1保持部としての挟持対象物を前記本体とともに挟持するための部位であって、前記突出部の軸と交差する方向へ前記突出部から延びる板状をなしており、
前記第2被保持部は、前記延設部に形成され、前記第2保持部としてのフック状部材に係止するための孔を有する
ことを特徴とする付記10に記載の手持ち式バーコード読取装置。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、POS端末に接続される手持ち式バーコード読取装置など、手で持って使用する種々の装置に有用に利用することができる。
【符号の説明】
【0109】
100 バーコード読取装置
101 本体
102,202,302,402,502,602 被保持部材
103 ケーブル
104 把持部
105 傾斜部
106 読取部
107,207,507,607 突出部
108,608 磁石保持部
109,509,609 孔部
110 挟持部
111 柱状部
112 係止部
113 延設部
114 磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11