(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明による間仕切り装置を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0020】
図1は、本実施形態における間仕切り装置1を示す斜視図である。
(間仕切り装置)
図1に示すように、間仕切り装置1は、床面上に立設された下部構造2と、下部構造2上に設けられた上部構造3と、を備えている。
【0021】
(下部構造)
下部構造2は、床面上に立設され、間仕切り装置1内に形成される空間Sを囲む少なくとも一対の壁体4を備えている。本実施形態においては、下部構造2は、平面視略矩形状で、その三方の辺P1,P2,P3を囲むよう、壁体4が設けられている。そして、下部構造2は、残る一辺P4に向けて開口した開口部5を有し、この開口部5から空間S内への出入りができるようになっている。この開口部5は、下部構造2の一辺P4において幅方向の中間部に形成されており、その両側には壁体4が形成されている。
平面視略矩形状の下部構造2は、その四隅が湾曲形状をなしている。
【0022】
壁体4は、床面上に複数枚のパネル体11を立設して互いに連結させることによって構成されている。具体的には、辺P1,P2,P3の中央部には、それぞれ平板状のパネル体11Pが配置され、辺P1と辺P2の角部、辺P2と辺P3の角部、辺P3と辺P4の角部には、それぞれ平面視L字状に湾曲した湾曲形状のパネル体11Rが配置されている。開口部5の両側に設けられた壁体4は、辺P1と辺P4、辺P3と辺P4の交差部に配置された湾曲形状のパネル体11Rの一部によって形成されている。
【0023】
(上部構造)
上部構造3は、下部構造2において、互いに対向する二辺P1,P3の壁体4,4の上端部間に架け渡されている。上部構造3は、第一のパネル部6Aと、第二のパネル部6Bと、連結部材7と、を備えている。
【0024】
第一のパネル部6Aは、一方の辺P1の壁体4側から他方の辺P3の壁体4側に向けて延びるよう設けられている。第二のパネル部6Bは、他方の辺P3の壁体4側から一方の辺P1の壁体4側に向けて延びるよう設けられている。これら第一のパネル部6A,6Bは、それぞれ壁体4から鉛直上方に延びる第一平面部6pと、第一平面部6pの上端から湾曲する湾曲部6qと、湾曲部6qの先端から水平方向に延びる第二平面部6rと、を有している。これら第一のパネル部6A,6Bは、それぞれ第二平面部6rを間仕切り装置1の中心側に向けて設けられている。
なお、本実施形態では、第一平面部6pと第二平面部6rとの間には、湾曲部6qが設けられているが、第一平面部6pの上端に直接第二平面部6rが設けられる構成であってもよい。
【0025】
これら第一のパネル部6Aの第二平面部6r側の先端部6sと、第二のパネル部6Bの第二平面部6r側の先端部6sとは、開口部5の幅方向(辺P1,P3を結ぶ方向(以下、この方向を幅方向と適宜称する。))に沿って、間隔を開けて配設されている。
【0026】
そして、第一のパネル部6Aの先端部6sと、第二のパネル部6Bの先端部6sとの間には、これらを互いに連結する連結部材7が設けられている。
連結部材7は、例えば、第一のパネル部6Aの先端部6sおよび第二のパネル部6Bの先端部6sに沿った方向(辺P1,P3に沿った方向)に間隔をあけて、1本以上、本実施形態では例えば2本が設けられている。
【0027】
このようにして、上部構造3には、第一のパネル部6Aの先端部6sと、第二のパネル部6Bの先端部6sとの間には、上方に向けて開口した矩形状の開口部8が形成されている。
そして、上部構造3の第一のパネル部6A,第二のパネル部6Bは、1枚以上、本実施形態では2枚のパネル体11(パネル体11Q)を並べて接続することによって構成されている。
【0028】
(パネル体)
次に、上記下部構造2の壁体4、上部構造3の第一のパネル部6A,第二のパネル部6Bを構成するパネル体11について説明する。
なお、パネル体11には、平板状のパネル体11P、下部構造2の四隅に配置された湾曲形状のパネル体11Q、上部構造3の第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bに配置された側面視したときに、中間部で湾曲した略L字状のパネル体11Rがある。以下におけるパネル体11の構成の説明は、平板状のパネル体11Pを例に挙げて説明を行う。
【0029】
図2は、本実施形態におけるパネル体11の構成を示す斜視展開図である。
図3は、パネル体11の板厚方向中間部における半断面図である。
図4は、パネル体11の端部を示す上面図である。
図5は、パネル体11の直線部の構造を示す断面図である。
図6は、パネル体11のコーナー部の構造を示す断面図である。
図2に示すように、間仕切り装置1を構成する各パネル体11は、パネル基材(基材)12と、パネル基材12の両面に沿って設けられたクッション材(軟性材)13と、パネル基材12およびクッション材13を覆う表皮材14と、固定部材30と、を備えている。
【0030】
(パネル基材)
パネル基材12は、パネル状の芯材15と、芯材15の外周部に沿って設けられたフレーム20と、芯材15およびフレーム20の両面を覆うように設けられたベースシート18と、を備えている。
【0031】
芯材15は、例えば紙系材料、樹脂系材料、木質系材料等から形成されている。この芯材15は、なるべく軽量とするのが好ましい。そこで、本実施形態では、芯材15は、紙系材料から形成され、板厚方向に貫通する孔15hが多数並設された、例えば断面六角形状の孔15hが複数千鳥状に組み合わされたハニカム構造とされている。
【0032】
(フレーム)
図2、
図3に示すように、この芯材15の外周部には、フレーム20が設けられている。フレーム20は、芯材15の四辺に沿って設けられた枠材21A,21B,21C,21Dを備えている。各枠材21A,21B,21D,21Dは、金属系材料、樹脂系材料等から形成されている。
枠材21A,21Bは、芯材15において互いに対向する2辺に沿って上下方向に延在し、パネル体11の幅方向両側に設けられている。枠材21C,21Dは、枠材21A,21Bに直交して横方向に延在し、パネル体11の上下方向両側に設けられている。これら枠材21A,21Bと枠材21C,21Dとは、L字状のブラケット22を介し、ボルト23、あるいは溶接、接着等によって接合されている。これら枠材21A,21B,21C,21Dによって、全体として矩形状をなしたフレーム20が形成されている。
【0033】
図4〜
図6に示すように、各枠材21A,21B,21C,21Dは、フレーム20の内周側の芯材15の外周端面15aに対向する基部21eと、基部21eの幅方向両側からそれぞれフレーム20の外周側に向けて立ち上がる側壁部21fと、からなる、断面略U字状に形成されている。これにより、基部21eと、両側の側壁部21f,21fとに囲まれた部分は、溝25とされている。
このようにして、パネル基材12は、その側端面に沿って連続し、パネル基材12の内方に向けて凹んだ溝25を有している。
【0034】
ここで、
図3に示すように、L字状のブラケット22は、枠材21Aまたは21Bに沿って枠材21Aまたは21Bの端部に設けられる第一プレート部22aと、第一プレート部22aに直交し、枠材21Cまたは21Dに沿って枠材21Cまたは21Dの端部に設けられる第二プレート部22bと、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bに沿ってL字状のブラケット22の屈曲方向内側に設けられたリブ部22cとが一体に形成されている。
【0035】
L字状のブラケット22の第一プレート部22a、第二プレート部22bには、雌ネジ部29が形成されている。またブラケット22の第一プレート部22aに沿う枠材21Aまたは21Bの基部21eと、第二プレート部22bに沿う枠材21Cまたは21Dの基部21eには、それぞれ、雌ネジ部29に対向した位置に、貫通孔28が形成されている。
【0036】
リブ部22cは、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bから、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bに直交して、パネル体11の内周側に向けて突出形成されている。このリブ部22cは、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bの幅方向両側、つまり、パネル体11の一面側と他面側とにそれぞれ形成されている。このリブ部22cは、第一プレート部22aおよび第二プレート部22bの曲げ強度を高める補強部材として機能するだけでなく、芯材15の角部の押さえ部材としても機能することができる。すなわち、パネル基材12の一面側と他面側にそれぞれ設けられたリブ部22cの間に芯材15が挟み込まれる。パネル基材12においては、四隅にこのようなブラケット22が設けられることにより、芯材15をフレーム20の内側に保持できるようになっている。
【0037】
なおここで、
図2では、平面板状のパネル体11Pの例を示したが、平面視または側面視した状態で略L字状としたパネル体11Q,11Rの場合には、フレーム20の上下の枠材21C,21D(パネル体11Qの場合)または左右の枠材21A,21B(パネル体11Rの場合)を湾曲させる。
【0038】
図5、
図6に示すように、フレーム20および芯材15を覆うように、芯材15の両面には、シート状のベースシート18が設けられている。ベースシート18は、例えばボール紙等から形成されている。このベースシート18は、芯材15よりも外形寸法が大きく、その外周部18aがフレーム20の表面20fに接着剤等により接着されている。
【0039】
(クッション材)
クッション材13は、パネル基材12の表面を形成するベースシート18に沿って設けられている。クッション材13は、ベースシート18を介して、芯材15の全体を覆うように設けられている。さらに、クッション材13は、その外周端部13sが、フレーム20を構成する各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを覆うように設けられている。つまり、クッション材13は、芯材15およびフレーム20を覆うように設けられている。
このクッション材13は、柔軟性および弾性を有した材料、例えば発泡ウレタン材等から形成されている。
【0040】
本実施形態において、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11(パネル体11P,11Q)には、その表面に、複数の長円形状の(凹凸部)凹部17が形成されている。以下、凹部17を形成するための構成について説明する。
図7は、パネル基材12の表面に沿って設けられたクッション材13を示す断面図であり、(a)は表皮材14を非装着の状態におけるクッション材13の断面図、(b)は表皮材14を装着した状態におけるクッション材13の断面図である。
図2に示すように、クッション材13には、複数の貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、例えば、上下方向を長軸方向とした長円形状とされている。そして、クッション材13の外表面13fには、複数の貫通孔16が、上下方向および上下方向に直交する横方向に、間隔を空けて配列されている。
【0041】
図5、
図7に示すように、各貫通孔16は、クッション材13においてパネル基材12とは反対側を向く外表面13fからパネル基材12側に対向する対向面13gまで、クッション材13の厚さ方向に貫通して形成されている。
図7(a)に示すように、各貫通孔16は、その内周面16fが外表面13fと直交して形成されている。これにより、貫通孔16の周縁に角部16vが形成されている。
このような貫通孔16が形成されたクッション材13をパネル基材12の表面に設けることで、パネル基材12の表面に角部16vを有する凹凸形状が形成される。
【0042】
(表皮材)
図5、
図7に示すように、表皮材14は、クッション材13の全体を覆うよう設けられている。表皮材14は、クッション材13の外表面13fと、貫通孔16において外表面13fに直交する内周面16fと、貫通孔16の底部に露出するベースシート18の露出面18fとに沿うよう、接着されている。このようにして、表皮材14が、クッション材13に形成された複数の貫通孔16に沿うことで、パネル体11の表面には、複数の長円形状の(凹凸部)凹部17が形成されている。そして、各凹部17において、表皮材14は、貫通孔16を通して、パネル基材12の表面を形成するベースシート18に接着されている。
ここで、表皮材14は、例えばポリエステル等、弾性変形可能な材質で形成され、伸長した状態でクッション材13及びパネル基材12を覆っている。クッション材13は、外表面13f側の貫通孔16の周縁において外方に向けて凸となる角部16vが、表皮材14によって内方に向けて押圧される。これにより、クッション材13は、角部16vにおいて圧縮方向に弾性変形し、貫通孔16の角部16vは、円弧状断面とされている。
【0043】
また、
図5、
図6に示すように、クッション材13および表皮材14は、パネル基材12よりも大きな外形寸法を有している。そして、クッション材13および表皮材14は、その外周端部13e,14eが、パネル基材12の外周縁部、つまり各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込んで、溝25内側に巻き込まれている。このクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eが、各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込む部分で、クッション材13が表皮材14によって圧縮される。これにより、パネル体11は、外周端部11sに向かうにしたがって、その厚みが漸次小さくするように形成されている。また、パネル体11は、外周端部11sにおいてクッション材13および表皮材14が各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込む部分で、丸く円弧状に形成されている。
これらクッション材13及び表皮材14が、表皮構造を構成している。
【0044】
(固定部材)
固定部材30は、溝25に嵌め込まれている。固定部材30は、溝25内側に巻き込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを、溝25の内周面と固定部材30の外周面との間に挟み込んでいる。これにより、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eをフレーム20の側壁部21fに固定している。
【0045】
ここで、
図2に示すように、固定部材30は、矩形状のパネル基材12の外周部の直線部分12Sに配置される直線部固定部材30Sと、矩形状のパネル基材12の外周部のコーナー部12Cに配置されるコーナー部固定部材30Cと、を備えている。
【0046】
図5に示すように、直線部固定部材30Sは、直線部固定部材30Sが連続する方向に直交する断面形状が、互いに平行に位置する側部プレート部31,31と、側部プレート部31,31どうしを一体に連結する連結プレート部32と、を備えている。
【0047】
側部プレート部31,31は、フレーム20の溝25を形成する側壁部21fとの間に、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを挟み込む。このため、側部プレート部31,31の間隔は、溝25の側壁部21f,21fの間隔よりも所定寸法小さく形成されている。これら側部プレート部31,31は、直線部固定部材30Sを溝25内に嵌め込んだときに、先端部31a,31aが溝25の基部21eに突き当たるよう形成されている。
【0048】
連結プレート部32は、側部プレート部31,31の先端部31a,31aよりも、溝25の基部21eから離間する方向にオフセットして形成されている。これにより、直線部固定部材30Sは、側部プレート部31,31と連結プレート部32とにより、断面略H字状をなしている。そして、直線部固定部材30Sは、溝25内に嵌め込んだ状態で、側部プレート部31,31の先端部31a,31a側と、連結プレート部32と、溝25の基部21eとに囲まれた部分に、空間S1が形成されるようになっている。この空間S1は、溝25内に巻き込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eの余剰部、すなわち外周端部13e,14eのうちフレーム20の基部21eに突き当たった部分よりも先端部分(不図示)を収容できる収容空間として機能する。
【0049】
また、側部プレート部31,31において、溝25の側壁部21f,21fに対向する側には、突起33,33が形成されている。この突起33,33は、側部プレート部31,31と側壁部21f,21fとの間に挟み込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eに食い込むようになっている。これにより、直線部固定部材30Sは、クッション材13および表皮材14が溝25から抜け出ることを防止している。
【0050】
さらに、側部プレート部31,31において、連結プレート部32よりも溝25の基部21eから離間する側には、側部プレート部31,31から内方に向けて突出する突条34,34が形成されている。そして、これら突条34,34と、側部プレート部31,31と、連結プレート部32とに囲まれて、オプション部材取付部として保持溝35が形成されている。
【0051】
図3に示すように、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11(パネル体11P,11Q)の上部のコーナー部12Cに配置されるコーナー部固定部材30Cは、上下方向に延びる第一直線状部38Aと、第一直線状部38Aの上端から屈曲して横方向に延びる第二直線状部38Bとから、略L字状に形成されている。
第一直線状部38Aは、上下方向に延びる枠材21Aまたは枠材21Bの上端部において溝25内に嵌め込まれる。第二直線状部38Bは、第一直線状部38Aの一端から連続して形成され、横方向に延びる枠材21Cまたは枠材21Dの両端部において溝25内に嵌め込まれる。
【0052】
図6に示すように、第一直線状部38A、第二直線状部38Bは、それぞれが連続する方向に直交する断面形状が、互いに平行に位置する側部プレート部36,36と、側部プレート部36,36どうしを一体に連結する連結プレート部37と、を備えている。
【0053】
側部プレート部36,36は、フレーム20の溝25を形成する側壁部21f,21fとの間に、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを挟み込む。このため、側部プレート部36,36の間隔は、溝25の側壁部21f,21fの間隔よりも所定寸法小さく形成されている。これら側部プレート部36,36は、コーナー部固定部材30Cを溝25内に嵌め込んだときに、先端部36a,36aが溝25の基部21eに突き当たるよう形成されている。
ここで、側部プレート部36,36において、溝25の側壁部21f,21fに対向する側に、凸部36t,36tが形成されている。この凸部36t,36tは、側部プレート部31,31と側壁部21f,21fとの間にクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eを挟み込むようになっている。
【0054】
連結プレート部37は、側部プレート部36,36の先端部36a,36aよりも、溝25の基部21eから離間する方向にオフセットして形成されている。これにより、コーナー部固定部材30Cは、側部プレート部36,36と連結プレート部37により、断面略H字状をなしている。そして、直線部固定部材30Sは、溝25内に嵌め込んだ状態で、側部プレート部36,36の先端部36a,36a側と、連結プレート部37と、溝25の基部21eとに囲まれた部分に、空間S2が形成されるようになっている。この空間S2は、溝25内に巻き込まれたクッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eの余剰部、すなわち外周端部13e,14eのうちフレーム20の基部21eに突き当たった部分よりも先端部分(不図示)を収容できる収容空間として機能する。なおここで、連結プレート部37は、直線部固定部材30Sにおける連結プレート部32よりも基部21eに近く、空間S2は、空間S1よりも小さく形成されている。
【0055】
図3に示すように、このようなコーナー部固定部材30Cは、溝25に対し、コーナーキャップ40によって固定されている。コーナーキャップ40は、第一直線状部41Aと、第一直線状部41Aの一端に連続し、第一直線状部41Aに直交して延びる第二直線状部41Bとからなる略L字状をなしている。
図6に示すように、これら第一直線状部41A,第二直線状部41Bは、コーナー部固定部材30Cの第一直線状部38A,第二直線状部38Bに対し、側部プレート部36,36との間に挿入され、連結プレート部37に突き当てられている。
そして、
図3に示すように、第一直線状部41Aの下端部には、突起片43が下方に向けて突出形成されている。この突起片43が、直線部固定部材30Sの上端部において、連結プレート部32と突条34との間の保持溝35(
図5参照)に挿入されている。
【0056】
また、第二直線状部41Bには、ボルト45を挿入するボルト挿通孔44が形成されている。このボルト挿通孔44に挿通させたボルト45により、コーナーキャップ40と、コーナー部固定部材30C、枠材21C、ブラケット22の第二プレート部22bが一体に締結されている。
【0057】
(支持脚)
下部構造2の壁体4を構成するパネル体11の下部両端部のコーナー部には、それぞれ、支持脚50が取付られている。この支持脚50は、床面に接地することで、パネル体11を床面上に立設させる。
支持脚50は、パネル基材12の下部端部12Pで溝25内に収容される下部支持部51と、下部支持部51の一端から上方に延び、パネル基材12の側部下端部12Qで溝25内に収容される側部支持部52と、下部支持部51よりも下方に延びる支持脚部53と、を一体に備えている。
【0058】
下部支持部51はフレーム20の下端部の溝25の底面を形成する基部21eに突き当てて固定されている。また、側部支持部52は、フレーム20の側端部の溝25の底面を形成する基部21eに突き当てて固定されている。
下部支持部51および側部支持部52には、ボルト48が挿通されるボルト挿通孔54が形成されている。このボルト挿通孔54に挿通されるボルト48は、雌ネジ部29および貫通孔28にねじ込まれるようになっている。これにより、支持脚50が、パネル体11に固定される。
【0059】
支持脚部53は、下部支持部51よりも下方に延び、その下端部に、高さ調整ネジ49がねじ込み可能とされている。
【0060】
(パネル体下部における連結)
図8は、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11の下部の角部に設けられた支持脚50における連結構造の一例を示す斜視図である。
図9は、パネル体11,11どうしの下部における連結構造を示す断面図である。
図8、
図9に示すように、下部構造2の壁体4において、互いに隣接するパネル体11,11どうしは、下部どうしが以下のようにして連結されている。
支持脚50には、オプション部材として、隣接して配置される他のパネル体11と連結するための連結部材55の一端が係止可能とされている。このため、支持脚50には、下部支持部51よりも下方に膨出した膨出部56が一体に形成されている。
【0061】
そして、この膨出部56には、パネル体11の厚さ方向に沿った支持脚50の中間部に、プレート状の連結部材55の一端が挿入可能なスリット57が形成されている。スリット57は、膨出部56において他方のパネル体11に隣接する側の側面56aおよび下面56bに開口している。
図9に示すように、スリット57の上部には、後述する連結部材55の突起部58Aが挿入される挿入凹部57aが、上方に向けて凹んで形成されている。そして、スリット57の上部において、膨出部56の側面56a側には、挿入凹部57aに隣接して、下方に向けて突出する突起部57bが形成されている。
【0062】
また、膨出部56には、スリット57内に挿入された連結部材55を係止するための、係止孔56hが、パネル体11の厚さ方向に沿って貫通形成されている。
【0063】
連結部材55は、両端部にそれぞれ貫通孔55hが形成されている。また、連結部材55の両端部には、それぞれ、上方に向けて突出する突起部58Aが形成されている。また、連結部材55には、両端部の突起部58A,58Aの間に、上方に向けて突出する中央突起部58Bが形成されている。そして、中央突起部58Bと、その両側の突起部58Aとの間には、下方に向けて凹となる係合凹部58Cが形成されている。
【0064】
突起部57bおよび係合凹部58Cは、膨出部56の側面56a側、中央突起部58B側が、上下方向に延在する鉛直面57f、58fとされ、その反対側が、上方に行くにしたがい鉛直面57f、58fから離間する傾斜面57g、58gとされている。これにより、突起部57bおよび係合凹部58Cは、いずれも下方に行くにしたがいその幅寸法が漸次小さくなるテーパ状をなしている。
この係合凹部58Cに、スリット57の突起部57bが嵌め込まれることで、連結部材55と支持脚50とを、パネル体11,11が隣り合う方向において、容易に位置決めできるようになっている。
【0065】
互いに隣接するパネル体11,11どうしを連結するには、貫通孔55hが形成された連結部材55の両端部を、支持脚50のスリット57に挿入する。連結部材55の両端部の係合凹部58Cに、それぞれ、両側のパネル体11に設けられた支持脚50の突起部57bを嵌め込む。ここで、突起部57bおよび係合凹部58Cは、いずれも下方に行くにしたがいその幅寸法が漸次小さくなるテーパ状をなしている。したがって、係合凹部58Cに突起部57bが挿入されることで、連結部材55と支持脚50とが、パネル体11,11が隣り合う方向において互いに位置決めされる。これにより、連結部材55に形成された両端部の貫通孔55hと、支持脚50の係止孔56hとが連通する。そこで、これら貫通孔55h及び係止孔56hに連結ボルト59を挿通・締結させる。これにより、連結部材55によって、パネル体11,11どうしが下端部で連結される。
【0066】
(パネル体上部における連結)
図10は、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11,11どうしの上部における連結構造の一例を示す斜視図である。
この
図10に示すように、下部構造2の壁体4において、互いに隣接するパネル体11,11どうしは、それぞれの上端部どうしを、上部連結部材61によって連結することができる。
この上部連結部材61は、コーナーキャップ40に代えて、コーナー部固定部材30Cに取り付けられる。上部連結部材61の両端部61a,61aには、ボルト挿通孔62が形成されている。
また、上部連結部材61の中間部61bの下面側には、互いに隣接するパネル体11,11の上部に配置されたコーナー部固定部材30C.30Cの間隔を規制する間隔規制部63が下方に向けて突出形成されている。間隔規制部63が、互いに隣接するパネル体11,11の上部に配置されたコーナー部固定部材30C.30Cの間に挿入されることで、パネル体11,11どうしの間隔を規制することができる。
このような上部連結部材61によって、互いに隣接するパネル体11,11の上端部どうしを連結するには、以下のようにする。
まず、上部連結部材61を、互いに隣接するパネル体11,11の上部に配置されたコーナー部固定部材30C.30C上に載せる。このとき、上部連結部材61の両端部61a,61aの下面が、コーナー部固定部材30Cの第二直線状部38Bに対し、側部プレート部36,36との間に挿入され、連結プレート部37に突き当てられている。そして、間隔規制部63が、互いに隣接するパネル体11,11の上部に配置されたコーナー部固定部材30C.30Cの間に挿入されることで、パネル体11,11どうしの間隔を規制することができる。より具体的には、間隔規制部63の両側面63a,63aに、コーナー部固定部材30Cの第一直線状部38Aの連結プレート部37を突き当てることで、パネル体11,11どうしの間隔を適正に位置決めできる。この状態で、ボルト挿通孔62に挿通させたボルト64を、貫通孔28を通して雌ネジ部29に締結させることにより、上部連結部材61と、コーナー部固定部材30C、枠材21C(
図3参照)、ブラケット22の第二プレート部22b(
図3参照)を一体に固定する。これによって、互いに隣接するパネル体11,11の上端部どうしが連結される。
【0067】
(パネル体どうしの上下方向の連結)
図11は、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11(パネル体11P,11Q)と、上部構造3の第一のパネル部6A,第二のパネル部6Bを構成するパネル体11(パネル体11R)とを、上下方向に連結する構造を示す立断面図である。
図11に示すように、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11の上端部の上方に、上部構造3の第一のパネル部6Aまたは第二のパネル部6Bを構成するパネル体11を連結する場合、上下方向連結部材66を設ける。
【0068】
上下方向連結部材66は、下部構造2のパネル体11の上部両端部に設けられたコーナー部固定部材30Cの第一直線状部38Aの連結プレート部37と、上部構造3のパネル体11の下部両端部に設けられたコーナー部固定部材30Cの第一直線状部38Aの連結プレート部37とに沿う両端部66a,66aを備えている。両端部66a,66aには、ボルト挿通孔62が形成されている。ボルト挿通孔62に挿通させたボルト64を、貫通孔28を通して雌ネジ部29に締結させることにより、上下方向連結部材66と、コーナー部固定部材30C、枠材21C、ブラケット22を一体に固定する。
【0069】
また、上下方向連結部材66の中間部66bには、互いに上下に位置するパネル体11,11のコーナー部固定部材30C.30Cの間隔を規制する間隔規制部67が側方に向けて突出形成されている。間隔規制部67が、互いに上下に位置するパネル体11,11の上部に配置されたコーナー部固定部材30C.30Cの第二直線状部38B、38Bの間に挿入され、両側面63a,63aに、コーナー部固定部材30Cの第一直線状部38Aの連結プレート部37を突き当てることで、パネル体11,11どうしの上下方向の間隔を規制することができる。
【0070】
図11に示した構成においては、下部構造2のパネル体11には、隣接して他のパネル体11が隣接配置されている。
このため、上下方向連結部材66は、隣接する他のパネル体11のコーナー部固定部材30Cの第二直線状部38Bの連結プレート部37に沿う端部66cと、互いに隣接するパネル体11,11どうしの間隔を規制する間隔規制部63とが、さらに一体に形成されている。間隔規制部63が、互いに隣接するパネル体11,11の上部に配置されたコーナー部固定部材30C.30Cの間に挿入される。そして、間隔規制部63の側面63aが隣接する他のパネル体11の第一直線状部38Aの連結プレート部37に突き当たることで、パネル体11,11どうしの間隔を規制することができる。
【0071】
図12は、間仕切り装置1の下部構造2と上部構造3の連結部、および上部構造3を構成するパネル体11と連結部材7との連結部を示す断面図である。
図13は、下部構造2と上部構造3の連結部の拡大断面図である。
図12、
図13に示すように、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11とが、直線部分12Sどうしで上下に対向する部分においては、チャンネル材300によって下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11とが連結されている。
図13に示すように、チャンネル材300は、例えば断面C字状で、上下に対向するパネル体11,11同士の連結部分において、互いに対向する直線部固定部材30S、30Sの側部プレート部31,31と、連結プレート部32とに、囲まれた部分に嵌め込まれている。
【0072】
(連結部材の連結構造)
図14は、パネル体11と連結部材7との連結部を示す側断面図、
図15は、
図14の平面図、
図16は、
図14のX−X矢視断面図である。
図17は、連結部材7のパネル体11への連結部における部品構成を示す斜視展開図である。
図1に示したように、上部構造3において、前記したように、2本の連結部材7が、第一のパネル部6Aの先端部6sおよび第二のパネル部6Bの先端部6sの両端部にそれぞれ接続されている。連結部材7は、第一のパネル部6Aの先端部6sと、第二のパネル部6Bの先端部6sとを結ぶ方向に延在する、例えば断面C字状の棒状の材料、いわゆるチャンネル材から形成されている。
【0073】
図12、
図14、
図15に示すように、連結部材7と、第一のパネル部6Aの先端部6s、第二のパネル部6Bの先端部6sの両端部は、接続部材70を介して連結されている。
図14〜
図17に示すように、接続部材70は、第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bを構成するパネル体11のパネル基材12において、先端部6sで辺P1,P3に沿った溝25内に収容される第一支持部71と、第一支持部71の一端から直交して延び、パネル基材12において先端部6sに隣接する側端部6tで辺P2,P4に沿った溝25内に収容される第二支持部72と、第一支持部71から第二支持部72とは反対側に延びる挿入ブロック部73と、を一体に備えている。
【0074】
第一支持部71、第二支持部72は、それぞれ、コーナー部固定部材30Cの連結プレート部37に突き当てて固定されている。
第一支持部71および第二支持部72には、ボルト74が挿通されるボルト挿通孔75が形成されている。このボルト挿通孔75に挿通されるボルト74は、雌ネジ部29および貫通孔28にねじ込まれるようになっている。これにより、接続部材70が、第一のパネル部6Aの先端部6sおよび第二のパネル部6Bの先端部6sの両端部において、それぞれ、パネル体11に固定される。
【0075】
挿入ブロック部73は、例えば断面C字状をなした連結部材7内に挿入される。挿入ブロック部73は、その高さ寸法が、連結部材7の内周面の高さ寸法とほぼ等しくされている。また、挿入ブロック部73は、その幅寸法W1が、連結部材7の内周面の幅寸法W2よりも小さく設定されている。そして、挿入ブロック部73の上下面には、それぞれ雌ネジ孔76が形成されている。
一方、連結部材7の上下面には、ボルト挿通孔77が形成されている。挿入ブロック部73を連結部材7内に挿入し、雌ネジ孔76とボルト挿通孔77とが連通するように挿入ブロック部73と連結部材7とが位置合わせされた状態で、ボルト78がボルト挿通孔77を通して雌ネジ孔76にねじ込まれるようになっている。これにより、接続部材70が連結部材7の端部に連結される。
【0076】
連結部材7には、これを覆うカバー部材80が装着可能とされている。カバー部材80は、断面略U字状で、互いに平行な平面部80a,80bと、これら平面部80a,80bどうしを一端側で一体に連結する連結部80cと、が一体に形成されている。このカバー部材80は、柔軟性および弾性を有した樹脂材料等により形成されている。
そして、カバー部材80は、上下の平面部80a,80bにより、連結部材7を上下から挟み込むことによって、連結部材7に装着される。このとき、カバー部材80は、連結部80cを間仕切り装置1の外方に向けて装着される。
カバー部材80の上下の平面部80a,80bには、前記のボルト78が挿通される挿通孔81が形成されている。これにより、カバー部材80は、ボルト78によって、連結部材7および挿入ブロック部73に共締めされている。
【0077】
ここで、前記したように、挿入ブロック部73は、その高さ寸法が、連結部材7の内周面の高さ寸法とほぼ等しい。したがって、連結部材7に対して挿入ブロック73は、上下方向において嵌め合わされている。第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bは、壁体4側から張り出した片持ち状であるために、組立段階で、先端部6sが垂れ下がってしまう可能性がある。そこで、先端部6sに接続部材70を取り付け、挿入ブロック73を連結部材7内に挿入することで、第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bの先端部6s,6sの垂れ下がりを矯正した状態に維持することができる。
一方、挿入ブロック部73は、その幅寸法W1が、連結部材7の内周面の幅寸法W2よりも小さく設定されている。しかも、連結部材7と挿入ブロック部73は、上下に同軸に配置されたボルト78,78によって締結されている。これによって、平面視した状態で、連結部材7内で、挿入ブロック73の向き、つまり連結部材7の軸方向に対する挿入ブロック73の軸方向を、水平面内でボルト78の軸周りに傾けて連結することができる。組立段階で、第一のパネル部6Aの先端部6sに取り付けた連結部材7の挿入ブロック73と、第二のパネル部6Bの先端部6sに取り付けた連結部材7の挿入ブロック73とが、辺P1,P3に沿った方向で互いにずれてしまう可能性がある。ずれが生じた場合、連結部材7の両端部の挿入ブロック部73,73の軸方向に対して、連結部材7を水平面内で傾けて斜めに連結することで、前記のずれを吸収することができる。
【0078】
(オプション部材の取付構造)
上記したような間仕切り装置1においては、例えば、第一のパネル部6Aの先端部6sや第二のパネル部6Bの先端部6sに、各種のオプション部材200を装着することができる。
これには、
図5に示したように、パネル体11の溝25に設けられた直線部固定部材30Sの保持溝35内に、雌ネジ部材90を設ける。そして、例えば照明装置等のオプション部材を、不図示のボルトを突条34,34間に挿通させて雌ネジ部材90に締結させる。
また、上記と同様の構成により、第一のパネル部6Aや第二のパネル部6Bの側端部6tにも、適宜のオプション部材を装着することができる。
【0079】
さらに、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分にも、各種のオプション部材を装着することができる。
これには、
図13に示すように、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分に設けたチャンネル材300に、上下のパネル体11,11から外方に向けて延びるアーム301を設ける。このアーム301に、各種のオプション部材を取り付けることができる。
【0080】
また、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分には、例えば以下のようにして照明装置を取り付けることができる。
図18は、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分に照明装置を取り付けた例を示す斜視図である。
図19は、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分における照明装置の取付構造を示す断面図である。
図20は、
図19の要部拡大断面図である。
図21は、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分における照明装置の配線構造を示す断面図である。
【0081】
図18に示すように、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分に、下部構造2のパネル体11の上端部に沿って水平方向に延びる照明装置310が取り付けられている。
図19、
図20に示すように、照明装置310は、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分に、ブラケット(オプション部材)320を介して取り付けられている。
【0082】
図18に示すように、ブラケット320は、照明装置310の長手方向両端部にそれぞれ配置されている。
図20に示すように、ブラケット320は、下部構造2のパネル体11と、上部構造3のパネル体11との連結部分において、下部構造2のパネル体11の上端部に固定され、下部構造2のパネル体11と上部構造3のパネル体11との間から、空間Sの内方に向けて突出して設けられている。
ブラケット320の基端部320Fは、パネル基材12の上端部の溝(ブラケット支持溝)25に設けられた直線部固定部材30Sの連結プレート部32に突き当たる係止部320aと、係止部320aの端部から屈曲し直線部固定部材30Sの側部プレート部31に沿って延びる側壁部320bと、側壁部320bの端部から屈曲し、パネル体11の外周端部13sに沿って延びる外壁部320cと、を備えている。係止部320aには、不図示の貫通孔が形成されている。
このブラケット320の基端部320Fは、貫通孔(不図示)にボルト340を挿通させ、その先端部を、直線部固定部材30Sの保持溝35内に設けられた雌ネジ部材341にねじ込むことによって、溝25内に固定されている。
【0083】
さらに、ブラケット320は、外壁部320cの端部から、パネル体11から空間Sの内方に向けて離間するにしたがい、斜め下方に傾斜した傾斜部321が形成されている。傾斜部321の中間部には切欠き部322が形成され、この切欠き部322と傾斜部321の先端部321bとの間に、照明装置支持部323が形成されている。照明装置支持部323は、傾斜部321の一部を形成し、斜め下方に傾斜している。この照明装置支持部323は、照明装置310の長手方向に所定長連続して略長方形状をなしている。
また、傾斜部321の下側には、照明装置支持部323を補強するため、照明装置支持部323に直交する補強リブ320dが、一体に形成されている。
【0084】
照明装置310は、照明装置本体311と、照明装置本体311を覆うカバー312と、を備えている。
照明装置本体311は、下部構造2のパネル体11の上端部に沿って水平方向に延びるよう設けられている。照明装置本体311は、LED(Light Emitting Diode)等の不図示の点状光源を、照明装置本体311の長手方向、つまり、下部構造2のパネル体11の上端部に沿った水平方向に複数列設させて備えている。
カバー312は、全体として円筒状をなしており、その上面が平坦部312aとされている。この平坦部312aには、上方に向けて開口した開口部313が形成されている。カバー312の底部には、照明装置本体311を固定する固定面314が形成されている。固定面314は、平坦部312aに対して傾斜している。カバー312の外周面には、固定面314に対向した位置に、両端部に係止爪315a,315aを有した係止溝315が、照明装置310の長手方向に連続して形成されている。
【0085】
このような照明装置310は、その両端部において、係止溝315に対し、ブラケット320の照明装置支持部323が、照明装置310の長手方向に沿って挿入されることで支持されている。この状態で、照明装置支持部323が係止溝315の底面に対向し、照明装置支持部323の両端部が係止爪315a,315aによって抱え込まれるようにして保持されている。そして、照明装置支持部323に形成された不図示の雌ネジ孔にビスがねじ込まれ、ビスの先端部が係止溝315の底面に突き当てられている。これによって、ブラケット320の照明装置支持部323が照明装置310の係止溝315から抜けないよう固定されている。
このようにして、照明装置310は、照明装置支持部323によって、照明装置310の軸周りの角度が位置決めされて支持されている。
図19に示すように、このようにしてブラケット320に支持された状態で、照明装置310は、照明装置本体311が、上方、かつ空間Sの幅方向中央側(第一のパネル部6Aの先端部6s側)に向けて照明光を発するようになっている。また、開口部313(平坦部312a)は、鉛直上方を向くようになっている。
【0086】
図21に示すように、照明装置本体311の不図示の回路基板に一端が接続された配線316は、ブラケット320に沿って、上下に対向するパネル体11,11同士の連結部分の溝25,25間に導入されている。そして、
図18に示すように、配線316は、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11の上端面の溝(収容溝)25から、このパネル体11の側端面の溝(収容溝)25を通して、下方に配索されている。そして、配線316は、パネル体11の外部に導出され、直流・交流コンバータ331を介して、商用電源に接続されている。
【0087】
図19に示すように、このような構成の照明装置310においては、照明装置本体311で発光された照明光Wは、斜め上方に向けて照射される。その照明光Wは、上部構造3を構成する第一のパネル部6A,第二のパネル部6Bにおいて空間Sに面した側の天井面Tに照射される。
これにより、空間Sにおいては、第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bの湾曲部6q、第二平面部6rからなる、間仕切り装置1内の空間Sの上方を覆う天井面Tが明るく照らされ、いわゆる間接照明による照明光Wを得ることができる。
したがって、上部構造3において、少なくとも照明光Wが照射される部分は、なるべく明るい色彩、淡い色彩とするのが好ましい。空間S内を効果的に照明することができる。
【0088】
上述した間仕切り装置1は、上部構造3を構成する一方の側の第一のパネル部6Aの先端部6sと他方の側の第二のパネル部6Bの先端部6sとが、互いに対向する対向する壁体4どうしを結ぶ方向に沿って間隔をあけて設けられている。これにより、上部構造3において、第一のパネル部6Aと第二のパネル部6Bとの間に開口部8が形成される。これにより、間仕切り装置1内の空間Sの独立性を高めつつ、開放感を確保することができる。
そして、この開口部8を通して光や風が透過するので、間仕切り装置1の上方からの光や風等を遮るのを抑えることができる。したがって、間仕切り装置1を室内に設置した場合であっても、間仕切り装置1内の空間Sの照度不足を防ぎ、空気調和を効率的に行うことができる。
また、第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bが湾曲部6qを備えるため、湾曲部6qを備えずに第一平面部6pの上端に直接第二平面部6rが設けられる構成に比較し、空間Sを圧迫感の少ない柔らかい印象とすることができる。
【0089】
また、第一のパネル部6Aの先端部6sと第二のパネル部6Bの先端部6sは、連結部材7により連結されているので、第一のパネル部6Aと第二のパネル部6Bを一体化し、上部構造3の強度を確保することができる。
【0090】
さらに、第一のパネル部6Aの先端部6sと第二のパネル部6Bの先端部6sとを複数本の連結部材7で連結することにより、第一のパネル部6Aと第二の連結パネル部の連結強度をさらに高めることができる。
【0091】
加えて、第一のパネル部6Aおよび第二のパネル部6Bは、パネル基材12と、パネル基材12の側端面に沿って溝25を備えている。このように、オプション部材を取り付けるための溝25が、パネル基材12の表面ではなく側端面に形成されているため、オプション部材を取り付けるための構造がパネル体11の表面に露出するのを最小限に抑え、美観を損なうのを防ぐことができる。
【0092】
そして、連結部材7の端部が、溝25に固定された接続部材70を介して、パネル基材12に連結されている。これにより、接続部材70の一部が溝25内に収容され、連結部材7の接続部分が外部に露出するのを最小限に抑えることができる。
また、溝25が、第一のパネル部6Aおよび第二のパネル部6Bの先端部6sおよび側端部6tに沿って設けられ、溝25に、オプション部材が取付可能とされている。これにより、第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bの先端部6sに、様々なオプション部材を取り付けることができる。
【0093】
さらに、上述した間仕切り装置1によれば、パネル体11において、パネル基材12およびクッション材13を覆う表皮材14が、パネル体11の外周部において、パネル基材12の外周縁部を回り込んで溝25の内側に巻き込まれている。このため、パネル体11の外周部は、パネル基材12が露出することなく、表皮材14で覆われることになる。
さらに、表皮材14は、溝25内で固定部材30により固定されるため、固定部材30がパネル体11の外周部に露出するのを抑えることができる。
これにより、パネル体11の外観を、柔軟な、有機的な印象とすることができる。
【0094】
さらに、上述したパネル体11においては、クッション材13の外周端部13eが、表皮材14とともに、パネル基材12の外周縁部で溝25の内側に巻き込まれている。このように、表皮材14だけでなく、表皮材14によって覆われるクッション材13も、パネル基材12の外周縁部を回り込んで溝25の内側に巻き込まれているので、パネル体11の外周部が、より柔軟な印象の外観となる。
【0095】
また、下部構造2を構成するパネル体11において、クッション材13は、貫通孔16によりパネル基材12の表面に凹凸形状を形成し、表皮材14は、パネル基材12およびクッション材13を覆うことで、凹凸形状に沿うことで凹部17を形成する。
このようにして、表皮材14によって覆われた部分に凹部17が形成されるので、パネル体11の意匠性が高まる。
【0096】
加えて、クッション材13は、弾性を有してパネル基材12の表面に角部16vを有する凹凸形状を形成し、表皮材14は、角部16vを圧縮方向に弾性変形させてクッション材13およびパネル基材12を覆っている。
これにより、形成された凹部17は、クッション材13の角部16vが表皮材14によって圧縮方向に弾性変形している。このため、表皮材14が角部16vに突き当たった部分で角部16vの反発力によって押圧される。したがって、凹部17の形状が維持されるとともに、表皮材14がクッション材13の外表面13fに沿った方向で
図4(b)中に矢印Tで示す方向に伸長され、表皮材14が弛むのを抑えることができる。
このようにして、意匠性に優れたパネル体11を低コストで提供することが可能となる。
【0097】
また、クッション材13は、周縁に角部16vを有する貫通孔16が形成されている。
これにより、パネル基材12の表面に凹凸形状を形成することができる。
クッション材13の大きさを、パネル基材12の表面の大きさよりも小さくすれば、クッション材13の外周縁部の角部16vによって、パネル基材12の表面に凹凸形状を形成することができる。この場合、凹凸形状を設計通りに形成するには、クッション材13を、パネル基材12の表面に対して正確に位置決めする必要がある。これに対し、クッション材13自体に、貫通孔16を形成すると、パネル基材12表面に沿ってクッション材13を配置するのみで、凹凸形状を正確に実現できる。これにより、凹凸形状のデザインの自由度が高まる。
【0098】
さらに、上述した間仕切り装置1においては、下部構造2の壁体4に、上部構造3において壁体4上からその上方の第一のパネル部6A側または第二のパネル部6B側に向けて延出した部分に向けて、下方から照明光Wを照射する照明装置310が備えられている。
これにより、上部構造3において、間仕切り装置1内の空間Sの上方を覆う天井面Tに向けて照明装置310から照明光Wを照射することができ、空間S内の明るさを確保することができる。
【0099】
しかも、照明装置310は、下部構造2を構成する壁体4と、上部構造3を構成する第一のパネル部6A、第二のパネル部6Bとの連結部に設けられたブラケット320により支持されている。そして、ブラケット320は、壁体4を構成するパネル体11の上端面に形成された溝25に基端部320F側が固定されている。これにより、ブラケット320が壁体4の表面や壁体4の外部に露出するのを最小限に抑え、美観を向上させることができる。
【0100】
さらに、壁体4を構成するパネル体11の上端面および側端面に沿って形成された溝25に、照明装置310の配線316が収容されている。
これにより、配線316が壁体4表面等に露出するのを抑え、美観を向上させることができる。しかも、溝25はパネル体11の上端面および側端面に沿っているので、間仕切り装置1の組立段階において、パネル体11の上端面および側端面に配線316を容易に配索させることができる。
【0101】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、カバー部材80と、連結部材7と、挿入ブロック部73とを、ボルト78によって共締めする構成としたが、これに限らない。例えば、連結部材7と、挿入ブロック部73をボルトによって横方向に一体に締結し、カバー部材80の上下の平面部80a,80bを、別のボルトによって連結部材7に締結してもよい。
【0102】
また、上記実施形態においては、パネル基材12の外周部の全周にわたって溝25を形成するものとしたが、これに限るものではなく、周方向の少なくとも一部に溝25が形成されていれば良い
【0103】
また、溝25内で表皮材14を固定する固定手段として、固定部材30を例に挙げたが、表皮材14を固定できるのであれば、他のいかなる構成としてもよい。例えば、固定部材30の断面形状、構造等については、何ら限定するものではない。さらには、表皮材14を、タッカーや接着等によって溝25内に固定するようにしてもよい。
【0104】
上記実施形態では、軟性材として、弾性を有したクッション材13を例に挙げたが、軟性材は、弾性を有さず、少なくとも軟性を有していれば良い。
【0105】
さらに、上記実施形態では、パネル基材12を、芯材15、フレーム20、およびベースシート18から形成したが、これに限るものではない。例えば、単体で所要の強度を確保できるのであれば、例えば、樹脂材料等からなるパネルをそのままパネル基材12とし、その外周部に溝25を形成するようにしてもよい。また、基材は、例えば、各種什器の外表面を構成する部材等とすることもできる。これにより、什器の表面に、凹凸部を形成し、意匠性を高めることが可能となる。
【0106】
また、上記実施形態では、凹凸形状を形成する貫通孔16は、例えば、上下方向を長軸方向とした長円形状としたが、長円形以外の、円形、多角形状等、あるいは企業ロゴ等の他の形状としてもよい。
【0107】
さらに、上記実施形態では、貫通孔16は、その内周面16fが外表面13fと直交することで、外周縁部に角部16vを形成したが、内周面16fが外表面13fとが傾斜して交差してもよい。
【0108】
加えて、上記実施形態では、クッション材13および表皮材14の外周端部13e,14eが、パネル基材12を構成する各枠材21A,21B,21C,21Dの側壁部21fを回り込んで、溝25内に巻き込まれている。しかし、クッション材13を、パネル基材12の外周寸法よりも小さくして、表皮材14のみを溝25内に巻き込むようにしてもよい。
【0109】
さらに、上記実施形態で示したような表皮構造は、パネル基材12の両面に形成するとは限らず、パネル基材12の一面側にのみ形成するようにしてもよい。
【0110】
なお、上記実施形態では、クッション材13および表皮材14を備えるようにしたが、クッション材13および表皮材14は必須の構成ではない。
【0111】
また、上記実施形態で示した照明装置310は、互いに対向する一対の壁体4のうちの少なくとも一方に設けられていれば良い。
さらに、上記間仕切り装置1に限らず、床面上に立設された壁体4を備えた下部構造2と、下部構造2上に設けられた上部構造3と、を備え、上部構造3は、壁体4上から上方に向かって延出するとともに壁体4の一方の側に向けて延出するパネル部を備える構成であれば、上記したのと同様にして照明装置310を設けることが可能である。
また、照明装置310を取り付けるためのブラケット320の形状や構造、取付部位は、いかなる構成としてもよい。例えば、ブラケット320は、基端部320Fを溝25内に固定せず、下部構造2の壁体4を構成するパネル体11の上端面に固定する等してもよい。
さらに、照明装置310自体についても、壁体4上から壁体4の一方の側に延出した部分に向けて、下方から照明光Wを照射するのであれば、いかなる構成のものを用いてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。