(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記ブロッキング発振回路では、入力電圧が接合部飽和電圧である0.6Vより低い場合には、上記スイッチング素子のベース−エミッタ間電圧(Vbe)より低いため、当該スイッチング素子をオン状態とするベース電流が流れずに、入力電圧を昇圧できないという問題がある。すなわち、ブロッキング発振回路が起動しないという問題がある。このため、上記環境発電素子による発電電圧を昇圧して利用する場合、電子回路を駆動させるのに十分な電圧を発生できない可能性がある。
また、環境要因による発電では、風力のように電圧変動幅が大きい物が多く、入力電圧を単純に昇圧する回路では出力電圧が高くなりすぎる場合がある。このため、出力電圧を定電圧化する定電圧回路を追加する必要がある。しかしながら、当該定電圧回路が電力を消費するため、低入力電力時の効率が下がるという問題がある。
一方、低消費電力の定電圧回路の入力電圧は製造プロセスの関係で6V以下の物が中心であるため、比較的大きな入力電圧が入力された場合に、回路が破損するおそれがあるという問題もあった。
【0006】
本発明は、直流電源を確実に昇圧できる昇圧回路を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る昇圧回路は、
昇圧回路であって、ディプレッション型トランジスタである第1発振素子及びエンハンスメント型トランジスタである第2発振素子を有し、入力される直流電源を交流変換する発振回路
と、前記発振回路から出力される電圧を前記第2発振素子のゲートに印加させる経路上に設けられ、当該昇圧回路から出力される電圧がゲートに印加されるディプレッション型トランジスタである出力電圧制御素子と、を備え、前記発振回路は
、前記第1発振素子により発振が起動された後に前記第2発振素子による発振動作に移行することを特徴とする。
【0008】
上記一態様によれば、発振回路の起動時には、ディプレッション型トランジスタである第1発振素子を用いた発振が行われ、発振回路の起動後には、エンハンスメント型トランジスタである第2発振素子を用いた発振が行われる。
ここで、発振回路の起動時には、第1発振素子及び第2発振素子の各ゲートに電圧は印加されておらず、第2発振素子はオフ状態であるが、第1発振素子は、ドレイン−ソース間で電流が導通可能なオン状態である。従って、発振回路は、第1発振素子を用いた発振が可能であり、昇圧回路に比較的低い直流電源が入力される場合でも、当該直流電源を確実に昇圧できる。
また、出力電圧制御素子により、第2発振素子のゲートに印加される電圧が制御されるので、昇圧回路により出力される電圧を制御できる。これにより、定電圧機能を実現できる他、低電圧起動時には定電圧回路の電力消費が無視できる。
【0009】
上記一態様では、前記発振回路の起動後に、前記発振回路から出力される電圧を前記第1発振素子のゲートに印加して、前記第1発振素子をオフ状態にする経路を有することが好ましい。
上記一態様によれば、発振回路の起動後には、当該発振回路から出力される電圧が第1発振素子のゲートに印加されるので、当該第1発振素子をオフ状態とすることができる。従って、第1発振素子による発振起動後に、エンハンスメント型トランジスタである第2発振素子による発振動作に確実に移行できる。
ここで、エンハンスメント型トランジスタである第2発振素子のドレイン−ソース間の抵抗値が、ディプレッション型トランジスタである第1発振素子のドレイン−ソース間の抵抗値より低い場合には、第1発振素子を用いて発振する場合に比べ、第2発振素子を用いて発振する方が電力損失は少ない。このため、このような構成の場合に、第1発振素子をオフ状態にして、第2発振素子を用いた発振とすることにより、電力損失を抑制でき、入力される直流電源を効率よく昇圧できる。
【0010】
上記一態様では、前記第1発振素子に直列に接続され、前記第1発振素子の導通を制御するディプレッション型トランジスタである導通制御素子と、前記導通制御素子のゲートに、当該昇圧回路から出力される電圧を印加して前記導通制御素子をオフ状態とする経路と、を有することが好ましい。
ここで、第1発振素子としては、発振回路に入力される直流電源が比較的低電圧でも発振させやすい素子を選択することが好ましいが、昇圧回路からの出力電圧の増大に応じて当該第1発振素子がオフ状態になる条件を満たす素子を選ぶことが困難な場合がある。
これに対し、上記一態様では、昇圧回路から出力される電圧が、ディプレッション型トランジスタである導通制御素子のゲートに印加されることで当該導通制御素子がオフ状態となり、ひいては、第1発振素子のドレイン−ソース間の導通を規制できる。従って、第1発振素子に直列に接続される導通制御素子を設けることで、発振回路を発振させやすくすることができる他、出力電圧の増大に応じて第1発振素子をオフ状態とすることができる。
【0012】
本発明の他の一態様に係る昇圧回路は、直流電源が入力される入力部と、前記入力部に入力された直流電源が入力される一次コイル、及び、二次コイルを有するトランスと、前記二次コイルの出力電圧を整流する整流素子と、前記整流素子により整流された直流電圧を出力する出力部と、それぞれ並列に配設され、前記一次コイルの出力端にそれぞれのドレインが接続される第1FET及び第2FETと、を備え、前記第1FET及び前記第2FETのそれぞれのソースは、グランドに接続され、前記第1FET及び前記第2FETのそれぞれのゲートには、前記二次コイルの出力電圧が印加され、前記第1FETは、当該第1FETのゲートに電圧が印加されていない状態でドレイン−ソース間が導通可能であるFETで構成され、前記第2FETは、当該第2FETのゲートに電圧が印加されている状態でドレイン−ソース間が導通可能となるFETで構成されることを特徴とする。
【0013】
なお、FETは、電界効果トランジスタ(Field effect transistor)の略語である。また、整流素子としては、ダイオード等の整流素子を採用できる。
上記他の一態様によれば、昇圧回路の起動時には、第1FET及び第2FETのそれぞれのゲートに電圧は印加されておらず、第2FETはオフ状態であるが、第1FETは、ドレイン−ソース間で電流が導通可能なオン状態である。このため、ドレイン電流Idが流れてトランスの昇圧比と第1FETのトランスコンダクタンスgmとによる電圧ゲインが1以上になると、トランスを含めた回路の発振(電圧変換)が可能である。そして、トランスの二次コイルの出力電圧は、整流素子を介して出力部へと出力されるとともに、第2FETのゲートに印加されて当該ゲートを正にバイアスし、当該第2FETがオン状態となって、当該第2FETのドレイン−ソース間を導通可能とすることができる。従って、比較的低い電圧の直流電源が入力部に入力される場合でも、昇圧回路による当該直流電源の変換を確実に実施できる。
【0014】
上記他の一態様では、前記第1FETは、ディプレッション型FETで構成され、前記第2FETは、エンハンスメント型FETで構成される。
なお、ディプレッション型FETは、例えば、ディプレッション型MOSFETの他、JFET(Junction FET:接合型FET)を含む。また、エンハンスメント型FETとしては、エンハンスメント型MOSFETを例示できる。
上記他の一態様によれば、ディプレッション型FETは、ゲートに電圧が印加されていない状態でドレイン−ソース間の導通が可能である。従って、入力部に入力される直流電源の電圧が比較的低い場合でも、回路を発振状態に移行でき、当該直流電源を確実に昇圧変換できる。
【0015】
なお、上記他の一態様では、第2FETを構成するエンハンスメント型FETとして、ディプレッション型FETに比べてドレイン−ソース間の抵抗値が低いものを選択すれば、電流がディプレッション型FETのドレイン−ソース間を導通するよりも、エンハンスメント型FETのドレイン−ソース間を導通する方が電力損失は少ない。
このことから、第2FETとして上記抵抗値が低いエンハンスメント型FETを採用することにより、昇圧回路の起動後に、第2FETを動作状態とし、当該第2FETのドレイン−ソース間に電流を導通させることで、電力損失を低減できる。従って、入力される直流電源を効率よく変換できる。
【0016】
上記他の一態様では、前記整流素子により整流された直流電圧を前記第1FETのゲートに印加する経路上に配設される抵抗を備えることが好ましい。
ここで、第1FETがディプレッション型FETで構成されている場合、当該第1FETのドレイン−ソース間は、ゲートに電圧が印加された状態であっても導通状態となる。この場合、第2FETがスイッチング動作を開始してゲート電位が下がってオフ状態に遷移しても、第1FETは導通状態であるため、当該第1FETにスイッチング動作に寄与しない電流が流れてしまい、入力電圧の変換効率を下げる要因となる。
これに対し、上記他の一態様では、二次コイルから出力されて整流素子により整流された直流電圧は、抵抗を介して第1FETのゲートに印加される。これによれば、当該ゲートに印加される電圧を第1FETの閾値電圧より下げることができる。このため、第1FETのドレイン−ソース間を電流が流れづらくなり、第1FETをオフ状態に保ち、オン抵抗の低い第2FETのスイッチング動作のみの状態に移行することができる。従って、電力損失を一層抑制でき、入力される直流電源を効率よく変換できる。
【0017】
上記他の一態様では、前記出力部の出力電圧が所定値となるように、前記二次コイルから前記第2FETのゲートに入力される電圧を制御する制御素子を備えることが好ましい。
なお、このような制御素子としては、FETを例示でき、更にディプレッション型FETを例示できる。
ここで、第2FETのゲートには二次コイルの出力電圧が印加されることから、昇圧回路が起動されて当該出力電圧が高くなるに従って当該ゲートに印加される電圧も高くなる。この場合、当該第2FETを過剰な電流が導通して、二次コイルの出力電圧、ひいては、出力部の出力電圧が高くなりすぎる可能性がある。
これに対し、上記他の一態様によれば、制御素子が、出力部の出力電圧、すなわち、二次コイルの出力電圧が所定値となるように、二次コイルから第2FETのゲートに印加される電圧を制御する。これによれば、二次コイルの出力電圧、ひいては、出力部の出力電圧が過剰に高くなることを抑制できる。従って、昇圧回路の出力電圧を安定化できる他、昇圧回路の汎用性を向上できる。
【0018】
上記他の一態様では、前記二次コイルと前記整流素子とを結ぶ経路から分岐し、前記二次コイルの出力電圧を前記第1FETのゲートに印加する経路上に配設されるコンデンサを備えることが好ましい。
上記他の一態様によれば、第1FETのゲートに印加される交流分をコンデンサにより効率よく第1FETのゲートに伝達できるため、当該第1FETの動作、及び、トランスの発振を安定化でき、ひいては、昇圧回路の動作を安定化できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の昇圧回路によれば、直流電源を確実に昇圧できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る昇圧回路10Aの構成を示す回路図である。なお、
図1及び
図2では、各実施形態で最小限の構成のみ図示している。
本実施形態に係る昇圧回路10Aは、上記環境発電素子等を有する電源部(図示省略)から入力される直流電源を昇圧して出力する回路である。詳述すると、昇圧回路10Aは、入力される正の直流電圧(例えば+0.2V)を昇圧し、負の直流電圧を出力する昇圧回路である。
【0022】
[昇圧回路の構成]
このような昇圧回路10Aは、
図1に示すように、電源部と接続される入力部INと、トランスT、コンデンサC1,C2,C3、整流素子としてのダイオードD、第1FET1、第2FET2及び抵抗R1,R2を有する発振回路100と、発振回路100から出力された直流電圧を出力する出力部OUTと、を備える。これらのうち、発振回路100は、入力部INを介して電源部から入力される直流電源を交流変換するとともに昇圧して出力する。
トランスTは、一次コイルT1、二次コイルT2及びコアT3を有する。
一次コイルT1の一端は、入力部INと経路L1を介して接続されている。この経路L1は途中で分岐しており、分岐した経路L2はグランドに接続されている。この経路L2上には、コンデンサC1が配設されている。
二次コイルT2の一端はグランドと接続され、他端は経路L3を介して出力部OUTに接続されている。この経路L3は、3箇所で分岐しており、二次コイルT2側で分岐した2つの経路L4,L5のうち、経路L4は、後述する経路L6に接続され、経路L5は、第2FET2のゲートに接続されている。なお、経路L4上には、コンデンサC2が配設されている。このコンデンサC2は、第1FET1のゲートに印加される交流分をコンデンサにより効率良く第1FETのゲートに伝達し、トランスを含めた回路の発振を安定させるものである。
【0023】
また、経路L3において、経路L4,L5の分岐位置と出力部OUTとの間の位置には、カソード側を二次コイルT2側に向け、アノード側を出力部OUT側に向けたダイオードDが配設されている。更に、経路L3においてダイオードDと出力部OUTとの間には、当該経路L3から分岐してグランドに接続される経路L9が設けられ、当該経路L9上には、コンデンサC3が設けられている。
更に、昇圧回路10Aには、経路L9においてコンデンサC3に対する経路L3側の位置から分岐して、当該経路L9と上記経路L4とを接続する経路L10が設けられている。この経路L10の経路L4に対する接続部位は、当該経路L4におけるコンデンサC2と経路L6に対する接続部位との間に設定されている。このような経路L10には、抵抗R2が配設されている。
【0024】
第1FET1及び第2FET2は、それぞれ異なるFETにより構成されている。
具体的に、第1FET1は、本発明の第1発振素子に相当し、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)のうちのディプレッション型FETにより構成されている。本実施形態では、第1FET1として、ディプレッション型nチャネルMOSFETが採用されている。
すなわち、第1FET1は、閾値電圧Vthが負電位であり、ゲートに当該閾値電圧Vthを正側に超える電圧が印加されている状態でドレイン−ソース間が導通可能となるFETである。換言すると、第1FET1は、ゲートに電圧が印加されていない状態でドレイン−ソース間を電流が導通し、負側にある閾値電圧Vthを下回る電圧がゲートに印加された状態でドレイン−ソース間を電流が導通しないFETである。
【0025】
第2FET2は、本発明の第2発振素子に相当し、MOSFETのうちのエンハンスメント型FETで構成されている。本実施形態では、第2FET2として、エンハンスメント型nチャネルMOSFETが採用されている。
すなわち、第2FET2は、閾値電圧Vthが正電位であり、ゲートに閾値電圧Vthを超える電圧が印加された状態でドレイン−ソース間が導通可能となるFETである。換言すると、第2FET2は、ゲートに電圧が印加されていない状態ではドレイン−ソース間を電流が導通せず、ゲートに電圧(正側にある閾値電圧Vthを正側に超える電圧)が印加されている状態でドレイン−ソース間を電流が導通するFETである。
なお、本実施形態では、第2FET2を構成するエンハンスメント型MOSFETは、第1FET1を構成するディプレッション型MOSFETよりオン抵抗が小さいものが採用されている。
【0026】
これら第1FET1及び第2FET2のドレインは、それぞれ、経路L7を介して一次コイルT1の他端と接続されている。また、第1FET1及び第2FET2のソースは、それぞれ、経路L8を介してグランドに接続されている。
一方、第1FET1のゲートは、上記経路L4が接続される経路L6と接続されている。この経路L6は、グランドと接続されており、当該経路L6においてグランドと経路L4が接続される部位との間には、抵抗R1が配設されている。この抵抗R1は、抵抗値が比較的高い抵抗であり、第1FET1のゲートの起動時電位をゼロに保つ。他方、第2FET2のゲートは、上記経路L5に接続されている。
【0027】
なお、第1FET1は、出力部OUTの負電圧(ダイオードDを介した出力電圧)を抵抗R2と抵抗R1とで分圧した電圧がゲートに印加された際に、オフ状態となる閾値電圧Vthが設定されたFETとしておく。換言すると、抵抗R2は、抵抗R1とで分圧された電圧が第1FET1の閾値電圧Vthより負側の値となる抵抗値の抵抗が選択される。
【0028】
ここで、上記一次コイルT1と二次コイルT2とは、それぞれ、グランドから見て一次コイルT1と第1FET1との接合部電圧が下がる時に、二次コイルT2の出力電位が正に増加する向きとなっている。このため、第2FET2がオン動作に入ると二次コイルT2の出力は正にバイアスされ、更に深く第2FET2がオン状態になる。当該第2FET2が十分にオン状態になると、一次コイルT1の電流の変化が無くなり、二次コイルT2の出力は減少し始める。二次コイルT2の出力電位が下がってくると、第2FET2のゲート電位も低くなるので、一次コイルT1の電流は減少し始めて、二次コイルT2の出力を更に負方向にバイアスする。第2FET2は、閾値電圧Vth以下になった時点でオフ状態になるが、第1FET1は、負にバイアスされた時点でオフ状態になる。第1FET1及び第2FET2がそれぞれオフ状態になると、一次コイルT1の電流変化が無くなるため、二次コイルT2の出力電圧が正方向に振れる。これを繰り返すことで、発振回路100は発振している。二次コイルT2は、トランスなので出力は交流となる。この交流の負側成分を、上記ダイオードDにより整流することで、昇圧回路10Aは、昇圧したDC電圧(直流電圧)を得ている。
なお、二次コイルT2の出力は交流であるので、正側成分を整流して利用しても良い。しかしながら、負側成分のDC電圧を利用することにより、以降に説明する第2FET2の切り離しや出力の定電圧化を実現している。
【0029】
[昇圧回路の作用]
このような昇圧回路10Aは、以下のように作用する。
第1FET1では、上記のように、ゲートに電圧が印加されていない状態でドレイン−ソース間を電流が導通する。このため、発振回路100の起動時(入力部INに電源部からの電圧が入力し始めの時)では、第1FET1のドレイン−ソース間を電流が流れる。一方、第2FET2では、ゲートに閾値電圧Vth以上の電圧が印加されている状態でドレイン−ソース間を電流が導通可能となる。このため、発振回路100の起動時では、第2FET2は、ドレイン−ソース間を電流が導通しづらいオフ状態にある。
これにより、発振回路100の起動時においては、第1FET1のドレイン−ソース間が導通しやすい状態にあるので、入力部INから経路L1を介して入力される電流は、一次コイルT1を導通し、二次コイルT2から変圧(昇圧)された電圧が経路L3上のダイオードDを介して出力部OUTに出力される。
【0030】
ここで、経路L3から分岐した経路L4,L5のうち、経路L4は、第1FET1のゲートと接続される経路L6と接続され、経路L5は、第2FET2のゲートと接続されている。
このため、発振回路100の起動後には、第1FET1のゲートには、ダイオードD、経路L3から分岐する経路L9、更に、当該経路L9から分岐する経路L10を介した電圧が、経路L4(経路L4における経路L10との接続部位から経路L6との接続部位までの範囲)及び経路L6を介して印加される。すなわち、第1FET1のゲートには、ダイオードD及び抵抗R2を介した電圧が印加される。このため、当該ゲートに印加される電圧は、抵抗R2が設けられていない場合に比べて負にバイアスされ、第1FET1のオン状態を維持する電圧の範囲を超えた電圧(第1FET1の閾値電圧Vthを負側に超えた電圧)が当該ゲートに印加される。これにより、発振回路100の起動後に出力部OUTの電位が負になることで第1FET1をオフ状態にすることができ、当該第1FET1のドレイン−ソース間を電流が流れることによる電力損失の発生を抑制できる。
【0031】
また、発振回路100の起動後には、二次コイルT2から出力された電圧、すなわち、第2FET2のソース−ドレイン間の導通を可能とする電圧が、経路L3から分岐する経路L5を介して、当該第2FET2のゲートに印加される。この第2FET2は、上記のように、ドレイン−ソース間の導通が可能となった場合のドレイン−ソース間の抵抗値(オン抵抗)が、同じ場合の第1FET1のドレイン−ソース間の抵抗値(オン抵抗)より小さいものが採用されている。
【0032】
このため、発振回路100の起動後では、オン/オフ両状態の主体は第2FET2が担うことで、第1FET1のオン抵抗による電力損失が抑制される。
これにより、昇圧回路10Aは、入力電圧を効率よく昇圧でき、昇圧された電圧を出力部OUTから出力できる。例えば、上記構成の昇圧回路10Aでは、入力部INに対する入力電圧が略200mVで、かつ、入力電流が略100μAである場合に、70%の効率で略2.5Vの出力電圧を得ることができた。
【0033】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る昇圧回路10Aによれば、以下の効果がある。
発振回路100の起動時には、ディプレッション型トランジスタである第1FET1を用いた発振が行われ、発振回路100の起動後には、エンハンスメント型トランジスタである第2FET2を用いた発振が行われる。
ここで、発振回路100の起動時には、第1FET1及び第2FET2の各ゲートに電圧は印加されておらず、第2FET2はオフ状態であるが、第1FET1は、ドレイン−ソース間で電流が導通可能なオン状態である。従って、発振回路100は、第1FET1を用いた発振が可能であり、昇圧回路10Aに比較的低い直流電源が入力される場合でも、当該直流電源を確実に昇圧できる。
【0034】
発振回路100の起動後には、当該発振回路100から出力される電圧が第1FET1のゲートに印加されるので、当該第1FET1をオフ状態とすることができる。従って、第1FET1による発振起動後に、第2FET2による発振動作に確実に移行できる。
ここで、第2FET2は、ドレイン−ソース間の抵抗値が第1FET1のドレイン−ソース間の抵抗値より低いMOSFETが採用されているので、第1FET1を用いて発振する場合に比べ、第2FET2を用いて発振する方が電力損失は少ない。このため、発振回路100の発振起動後に第1FET1をオフ状態にして、第2FET2を用いた発振とすることにより、電力損失を抑制でき、入力される直流電源を効率よく昇圧できる。
【0035】
発振回路100の起動時では、第1FET1及び第2FET2の各ゲートには電圧が印加されていない。ここで、第1FET1は、ゲートに電圧が印加されていない状態でオン状態であるので、一次コイルT1を電流が導通し、発振回路100が起動する。そして、トランスTの二次コイルT2から出力された電圧は、ダイオードDを介して出力部OUTに出力されるとともに、第2FET2のゲートに印加される。これにより、当該第2FET2のゲートに電圧が印加され、当該第2FET2をオン状態にすることができる。従って、比較的低い電圧の直流電源が入力部INに入力される場合でも、発振回路100を起動でき、昇圧回路10Aによる直流電源の昇圧を確実に実施できる。
【0036】
ディプレッション型MOSFETでは、ゲートに電圧が印加されていない状態でドレイン−ソース間を電流が導通可能である。このため、このようなディプレッション型MOSFETを第1FET1として採用することで、入力部INに入力される直流電源の電圧が比較的低い場合でも、発振回路100を起動させることができ、当該直流電源を確実に昇圧できる。
ここで、低電流でもトランスコンダクタンスgmの大きい発振の起動に適したディプレッション型MOSFETでは、オン抵抗が大きくなる傾向にあるのに対し、本実施形態では、起動後動作のエンハンスメント型MOSFETにより構成される第2FET2は、ディプレッション型FETにより構成される第1FET1よりオン抵抗が小さいもので構成されている。このため、第1FET1よりも第2FET2を導通する方が電力損失は少ない。このことから、第2FET2を上記オン抵抗が小さいエンハンスメント型FETで構成し、発振回路100の起動後に、当該第2FET2のドレイン−ソース間を電流が導通するように構成することで、電力損失を低減できる。従って、入力される直流電源を効率よく昇圧できる。
【0037】
二次コイルT2の出力端と出力部OUTとを結ぶ経路L3から分岐し、当該二次コイルT2の出力電圧を第1FET1のゲートに印加させる経路L4上には、コンデンサC2が配設されている。これによれば、当該第1FET1のゲートに印加される交流分をコンデンサにより効率よく第1FETのゲートに伝達できるため、第1FET1の動作、及び、トランスTの発振を安定化でき、ひいては、昇圧回路10Aの動作を安定化できる。
【0038】
第1FET1がディプレッション型nチャネルMOSFETで構成されている場合、当該第1FET1のドレイン−ソース間は、ゲートに電圧が印加されていない状態であっても電流が導通可能である。この場合、発振回路100の起動後も、オン抵抗が低いエンハンスメント型FETで構成された第2FET2がオフ状態になる閾値電圧Vth以下から第1FET1のゲートが負にバイアスされて当該第1FET1がオフ状態になる期間の間、オン抵抗が高い第1FET1が少なからず電流を流すため、入力される直流電源の昇圧効率を下げる要因となる。
これに対し、出力部OUTの負出力電圧は、ダイオードD及び抵抗R2を介して第1FET1のゲートに印加されるので、当該ゲートに印加される電圧を当該第1FET1の閾値電圧Vthより負側に下げることができる。すなわち、第1FET1に負バイアスをかけることができる。これによれば、発振回路100の起動後では、一次コイルT1を介した電流が第1FET1のドレイン−ソース間を流れなくなり、オン抵抗が低い第2FET2のみスイッチング動作するようになる。従って、電力損失を一層抑制でき、入力される直流電源を効率よく昇圧できる。
【0039】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る昇圧回路は、上記昇圧回路10Aの構成に加え、二次コイル、ひいては、出力部からの出力電圧を一定にするための導通制御素子及び抵抗を有する点で、当該昇圧回路10Aと相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図2は、本実施形態に係る昇圧回路10Bの構成を示す回路図である。
本実施形態に係る昇圧回路10Bは、
図2に示すように、発振回路100が出力電圧制御素子としての第3FET3と抵抗R3とを更に有する他は、上記昇圧回路10Aと同様の構成及び機能を有する。
具体的に、昇圧回路10Bでは、経路L5上にディプレッション型nチャネルMOSFETで構成される第3FET3が配設されている。この第3FET3のドレインは、経路L5における経路L3との分岐位置側に接続され、ソースは、経路L5における経路L3との分岐位置側とは反対側に接続される。また、第3FET3のゲートは、経路L9における経路L10の分岐位置より経路L3側に分岐位置を有する経路L11と接続されている。このような第3FET3は、出力部OUTにより出力予定の電圧に応じた出力電圧の閾値電圧を有するFETである。すなわち、当該閾値電圧は、第2FET2のゲートに当該閾値電圧を印加することで、出力部OUTの出力電圧が予定電圧と略一致するように設定された電圧値である。
更に、経路L5において第3FET3のソースから第2FET2のゲートに至るまでの範囲内にて分岐する経路L12が設けられ、当該経路L12は、抵抗R3を介してグランドと接続されている。
【0041】
このような昇圧回路10Bにおける発振回路100の起動時では、ディプレッション型nチャネルMOSFETで構成された第3FET3はオン状態となっている。そして、発振回路100が起動し、二次コイルT2の出力電圧(負電圧)が増大して、第3FET3のゲートに対する入力電圧が閾値電圧未満になる(当該閾値電圧を負側に超える)と、第3FET3が高抵抗状態となり、正帰還電圧は第3FET3の高抵抗値と抵抗R3とで分圧される。このように、二次コイルT2の出力は分圧されるので、第2FET2のゲート電圧の交流振幅は小さくなり、第2FET2のオン状態が制限されるため、二次コイルT2の出力電圧の増大を抑制し、出力部OUTの出力電圧(例えば、−3V)を安定的に出力可能としている。
【0042】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る昇圧回路10Bによれば、上記昇圧回路10Aと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
出力電圧制御素子としての第3FET3が、出力部OUTの出力電圧(すなわち、二次コイルT2の出力電圧)が予定電圧となるように、二次コイルT2から第2FET2のゲートに印加される電圧(正帰還電圧)を制御する。これによれば、二次コイルT2の出力電圧、ひいては、出力部OUTの出力電圧が過剰に高くなることを抑制できる。従って、昇圧回路10Bの出力電圧を安定化できる他、昇圧回路10Bの汎用性を向上できる。
また、発振回路100の起動直後では、第3FET3はオン状態であり、ゲートは高インピーダンスであることから電流を消費しないため、一番入力電力の少ない起動時のエネルギー変換効率を下げることなく、定電圧機能を実現できる。
【0043】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る昇圧回路は、上記昇圧回路10Aと同様の構成を有する他、上記第1FET1のソースに他のFETのドレインを接続することで、発振回路の起動後に第1FET1を確実にオフ状態とする。この点で、本実施形態に係る昇圧回路は、昇圧回路10Aと相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図3は、本実施形態に係る昇圧回路10Cの構成を示す回路図である。
以下、本実施形態に係る昇圧回路10Cと、上記昇圧回路10Aとの相違点について主に説明する。
上記昇圧回路10A(
図1参照)では、発振回路100を構成する第1FET1及び第2FET2のそれぞれのソースは、経路L8を介してグランドに接続されていた。これに対し、昇圧回路10Cでは、
図3に示すように、第2FET2のソースは、経路L8を介してグランドに接続され、発振回路100は、第1FET1のソースにドレインが接続される第4FET4を有する。
【0045】
また、上記昇圧回路10Aでは、経路L9から分岐する経路L10は、経路L6を介して第1FET1のゲートに接続される経路L4と接続されていた。これに対し、昇圧回路10Cでは、経路L10には、それぞれ直列に接続された抵抗R4,R5が設けられ、当該経路L10の他端は、グランドに接続されている。そして、抵抗R4と抵抗R5との間にて経路L10から分岐する経路L13は、第4FET4のゲートに接続されている。
一方、第4FET4のソースは、グランドに接続されている。
【0046】
第4FET4は、本発明の導通制御素子に相当する。この第4FET4は、本実施形態では、第1FET1と同様にディプレッション型nチャネルMOSFETで構成されており、当該第1FET1に対して直列に設けられている。この第4FET4は、発振回路100の起動後に第1FET1をオフにする機能を有する。
【0047】
ここで、第1FET1として、昇圧回路に入力される直流電源が比較的低電圧でも発振回路を発振させやすい素子を選択することが好ましい。しかしながら、昇圧回路からの出力電圧の増大に応じて第1FET1がオフ状態になる条件を満たす素子を選ぶことが困難な場合がある。
これに対し、上記第1及び第2実施形態にて第1FET1が有する機能を、発振回路100における第1FET1及び第4FET4に分けることで、両方の目的、すなわち、
発振回路100を発振させやすくすること、及び、出力電圧の増大に応じて第1FET1をオフ状態とすることを高性能に達成できる。
【0048】
具体的に、第1FET1及び第4FET4は、ゲートに電圧が印加されていない状態でドレイン−ソース間を電流が導通する。このため、発振回路100の起動時(入力部INに電源部からの直流電源が入力し始めの時)では、第1FET1のドレイン−ソース間、及び、第4FET4のドレイン−ソース間を電流が流れる。一方、上記のように、発振回路100の起動時では、第2FET2は、ドレイン−ソース間を電流が導通しづらいオフ状態にある。
従って、発振回路100の起動時においては、第1FET1のドレイン−ソース間が導通しやすい状態にあるので、入力部INから経路L1を介して入力される直流電源は、一次コイルT1を導通し、二次コイルT2から変圧(昇圧)された電圧が経路L3上のダイオードDを介して出力部OUTに出力される。
【0049】
一方、発振回路100の起動後には、経路L3からダイオードDを介した直流電圧が経路L9、L10,L13を介して、第4FET4のゲートに印加される。これら経路L9,L10,L13のうち、経路L13は、経路L10において抵抗R4,R5の間から分岐しているので、第4FET4のゲートには、抵抗R4,R5により分圧された電圧が印加される。このため、当該第4FET4のゲートに印加される電圧は、これら抵抗R4,R5が設けられていない場合に比べて負にバイアスされ、第4FET4をオン状態とする電圧の範囲を超えた電圧(第4FET4の閾値電圧Vthを負側に超えた電圧)が当該ゲートに印加される。これにより、発振回路100の起動後に第4FET4をオフ状態にすることができ、ひいては、第1FET1のドレイン−ソース間を電流が流れることによる電力損失の発生を抑制できる。
【0050】
また、発振回路100の起動後には、二次コイルT2から出力された電圧、すなわち、第2FET2のソース−ドレイン間の導通を可能とする電圧が、経路L3から分岐する経路L5を介して、当該第2FET2のゲートに印加される。この第2FET2は、上記のように、ドレイン−ソース間の導通が可能となった場合のドレイン−ソース間の抵抗値(オン抵抗)が、同じ場合の第1FET1のドレイン−ソース間の抵抗値(オン抵抗)より小さいものが採用されている。このため、発振回路100の起動後では、第1FET1のオン抵抗による電力損失が抑制される。
【0051】
従って、第4FET4として、第1FET1の切り離しに好適な負電圧の閾値電圧Vthを有するディプレッション型素子とすることで、発振回路100におけるディプレッション型素子である第1FET1による発振から、エンハンスメント型素子である第2FET2への発振動作移行を最適化できる。
なお、このような構成の昇圧回路10Cでは、第1FET1から第2FET2への移行制御用の抵抗R1,R2による分圧は必要でなくなるので、抵抗R2を省略できる。同様に、昇圧回路10Cでは、第4FET4の負側の閾値電圧Vthが、経路L9の出力電圧と一致している場合には、当該経路L9を第4FET4へ直接接続すれば、第4FET4のオフ動作移行のために使用している抵抗R4,R5も省略できる。このため、昇圧回路10Cの部品数削減及び構成簡略化にも効果がある。
【0052】
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る昇圧回路10Cによれば、上記昇圧回路10Aと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
昇圧回路10Cでは、発振時にオンとなるディプレッション型素子である第1FET1と、発振後にオンとなるエンハンスメント型素子である第2FET2への移行用のディプレッション型素子である第4FET4とが別に設けられている。これによれば、発振回路100の発振に最適な第1FET1(ディプレッション型素子)と、第2FET2への移行後に当該第1FET1を切り離す第4FET4(ディプレッション型素子)とを個別に選んで組み合わせることができる。このため、DC−DC変換電圧の低減化及び効率を向上できる。また、第4FET4の閾値電圧Vthを適切に選ぶことにより、上記のように、抵抗R4、R5の分圧回路も省略できる。従って、この場合には、上記効果を奏しつつ、部品点数の増加を抑制できる。
【0053】
なお、上記では、第1FET1を発振用の素子とし、第4FET4を第2FET2への移行用素子(第1FET1の導通制御素子)と示したが、第4FET4を発振用素子とし、第1FET1を第2FET2への移行用素子としてもよい。この場合は、第1FET1及び第4FET4の各ゲートに電圧が入力される経路を入れ替えればよい。
また、上記第2実施形態にて示した昇圧回路10Bを構成する第1FET1を、昇圧回路10Cのように、第1FET1及び第4FET4に分けてもよい。これによれば、当該昇圧回路10Bが奏することができる効果と、昇圧回路10Cが奏することができる効果とを、同時に奏することができる。
【0054】
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、第1FET1、第3FET3及び第4FET4として、ディプレッション型nチャネルMOSFETを採用したが、本発明はこれに限らない。すなわち、第1FET1、第3FET3及び第4FET4の少なくともいずれかに、JFETを採用してもよい。
ここで、nチャネルJFETは、ディプレッション型nチャネルMOSFETと同様に、0V以下に設定された閾値から0Vまでの範囲(0Vを含む)の電圧がゲートに印加された場合に、ドレイン−ソース間で電流の導通が可能となり、当該範囲外の電圧が印加されるとオフ状態となる。このため、発振回路の起動時に、第1FET1をオン状態にすることができ、発振回路の起動、すなわち、入力される直流電源の変換(昇圧)を実施できる。
【0055】
なお、昇圧回路10A,10Bにおいて、第1FET1をnチャネルJFETで構成する場合には、当該第1FET1のゲートには、抵抗R2を介さずに二次コイルT2の出力電圧がダイオードDを介して印加される構成とすることができる。すなわち、第1FET1をnチャネルJFETで構成する場合には、発振回路の起動後、当該nチャネルJFETのゲートに負電圧が印加されて第1FET1がオフ状態となることから、上記抵抗R2は設けなくてよい。昇圧回路10Cにおいては、第4FET4をnチャネルJFETで構成する場合には、同様の理由により、抵抗R4,R5を省略できる。
このような構成によれば、昇圧回路の構成が複雑化することを抑制できる。この他、抵抗R2,R4,R5を設けることによる電力損失がないことから、当該抵抗R2,R4,R5を設ける場合に比べ、入力される直流電源を効率よく変換(昇圧)できる。
【0056】
上記各実施形態では、第1FET1をディプレッション型nチャネルMOSFETで構成し、第2FET2をエンハンスメント型nチャネルMOSFETで構成した。また、上記第2実施形態では、第3FET3をディプレッション型nチャネルMOSFETで構成した。更に、上記第3実施形態では、第4FET4をディプレッション型nチャネルMOSFETで構成した。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、第1FET1をディプレッション型pチャネルMOSFET又はpチャネルJFETで構成し、第2FET2をエンハンスメント型pチャネルMOSFETで構成してもよい。同様に、第3FET3及び第4FET4をディプレッション型pチャネルMOSFETで構成してもよい。また、上記のように、MOSFETに限らず、本発明を構成可能であれば、他のFETでもよい。
各FETをpチャネルFETで構成する場合には、入力部INへの入力電圧(直流電源)を負電圧入力とし、更に、ダイオードDの極性を反転させればよい。但し、この場合には、出力部OUTの出力は、正出力となる。
【0057】
上記各実施形態では、入力部INには正電圧が入力され、出力部OUTは負電圧を出力するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、上記のように、負電圧が入力部INに入力され、出力部OUTが正電圧を出力する構成としてもよく、入力部INに入力される電圧の正負と、出力部OUTから出力される電圧の正負とが一致するように構成してもよい。
上記各実施形態では、トランスTは、単相複巻変圧器で構成したが、本発明はこれに限らず、単相単巻変圧器で構成してもよい。
【0058】
上記各実施形態では、昇圧回路10A,10B,10Cは、それぞれ、
図1〜
図3に示した回路構成を有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、本発明を実現可能な構成であれば、他の回路素子が配設されていてもよい。
上記各実施形態では、昇圧回路10A,10B,10Cは、太陽光発電素子及び熱電変換素子等の環境発電素子からの直流電源を昇圧する昇圧回路として構成した。しかしながら、本発明はこれに限らず、多様な用途に用いられる昇圧回路として構成することも可能である。