特許第6292992号(P6292992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6292992
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】鍋
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   A47J27/00 101B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-125176(P2014-125176)
(22)【出願日】2014年6月18日
(65)【公開番号】特開2016-2354(P2016-2354A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】599086973
【氏名又は名称】及源鋳造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(72)【発明者】
【氏名】及川 久仁子
(72)【発明者】
【氏名】及川 秀春
(72)【発明者】
【氏名】橋本 太郎
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−091522(JP,U)
【文献】 実開昭48−020754(JP,U)
【文献】 実開昭50−156351(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J27/00−27/13
A47J27/20−29/06
A47J33/00−36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロの五徳に載置される底面を有した底壁及び該底壁の外周から立ち上がる側壁を有した鍋本体を備え、該鍋本体の底壁の中央に貫通孔を形成し、該貫通孔の開口縁に内側に立設される筒状の通気筒を一体形成した鍋において、
上記貫通孔に臨んで設けられ上記五徳の中央に上記鍋本体の底壁の温度を検知するセンサが設けられたコンロの当該五徳に載置したときに該センサに当接可能な当接部と、該当接部の周囲に形成され上記通気筒内に連通する通気孔と、上記当接部を上記底壁及び通気筒の少なくとも何れかに支持する支持部とを備えて構成し、
上記貫通孔を中央部分が上記底壁の底面と同位の下面を有して形成され上記底壁に一体形成される盤体で塞ぎ、該盤体の中央部分を上記当接部として構成し、上記盤体の当接部の周囲に通気筒内に連通する通気孔を貫通形成し、該通気孔を形成する上記当接部以外の部分を該当接部の支持部として構成したことを特徴とする鍋。
【請求項2】
上記通気孔を、上記底壁の底面側から見て上記貫通孔の中心点を中心として等角度関係で複数形成するとともに、該各通気孔を上記貫通孔の中心点を中心とする点対称に設けたことを特徴とする請求項1記載の鍋。
【請求項3】
上記複数の各通気孔の形状及び大きさを同じに形成したことを特徴とする請求項2記載の鍋。
【請求項4】
上記盤体を、穴が多数形成された網状体で構成し、該網状体の中央部分を上記当接部として構成し、上記網状体の穴を通気孔として構成したことを特徴とする請求項1記載の鍋。
【請求項5】
上記貫通孔の周囲に、上記通気孔に連通する環状の凹部を形成したことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の鍋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼き物,煮物,燻製等の調理に用いられる鍋に係り、特に、鍋本体の中央に底壁を貫通しガスなどの熱を内部に伝達し易くした鍋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の鍋としては、例えば、特開2002−142968号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。
図12に示すように、この鍋100は、容器状の鍋本体101と、蓋102とを備えている。鍋本体101は、コンロKの五徳Gに載置される底面103を有した底壁104及びこの底壁104の外周から立ち上がる側壁105を有している。鍋本体101の底壁104の中央には、貫通孔106が形成されており、この貫通孔106の開口縁に内側に立設される筒状の通気筒107が一体形成されている。通気筒107の上端には天板108が一体形成され、天板108には通孔109が形成されている。そして調理するときは、鍋本体101を例えばガスコンロKの五徳Gに載せ、鍋本体101の内部に調理物を入れ、蓋102をして、ガスに点火して加熱して調理する。この場合、通気筒107を介して熱が内部に伝達されるとともに、通気筒107及び通孔109を通して熱気が内部に導入されるので、加熱効率が良いものになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−142968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、ガスコンロKにおいては、調理する鍋の過熱があったときには、ガスを弱めたり消火する制御を行うものが普及してきている。この種のガスコンロKには、図12に示すように、五徳Gの中央に鍋の底壁に当接して底壁の温度を検知するサーミスタやバイメタルを内蔵したセンサSが設けられている。
しかしながら、図12に示すように、上記従来の鍋100を用い、このガスコンロKにより調理を行う場合には、鍋本体101の中央に貫通孔106が形成され通気筒107があるので、センサSが貫通孔106に臨んで底壁104に当接しないことから、温度検知をすることができず、実質的にガスコンロKの機能を生かすことができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、五徳の中央に鍋本体の底壁の温度を検知するセンサが設けられたコンロを使用するとき、通気筒の機能を保持しつつ、コンロのセンサによる底壁の温度検知を可能にし、汎用性の向上を図った鍋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の鍋は、コンロの五徳に載置される底面を有した底壁及び該底壁の外周から立ち上がる側壁を有した鍋本体を備え、該鍋本体の底壁の中央に貫通孔を形成し、該貫通孔の開口縁に内側に立設される筒状の通気筒を一体形成した鍋において、上記貫通孔に臨んで設けられ上記五徳の中央に上記鍋本体の底壁の温度を検知するセンサが設けられたコンロの当該五徳に載置したときに該センサに当接可能な当接部と、該当接部の周囲に形成され上記通気筒内に連通する通気孔と、上記当接部を上記底壁及び通気筒の少なくとも何れかに支持する支持部とを備えて構成している。
【0007】
これにより、この鍋を用い、五徳の中央に鍋本体の底壁の温度を検知するセンサが設けられた例えばガスコンロを用いて調理を行う場合には、鍋本体をコンロの五徳に載せ、鍋本体の内部に調理物を入れ、必要に応じ蓋をして、加熱して調理する。この場合、鍋本体をコンロの五徳に載せた状態では、貫通孔がセンサに対向するが、貫通孔には当接部が臨んでいるので、この当接部がセンサに当接する。そのため、鍋本体の加熱中においては、底壁の熱は支持部及び当接部に伝達されることから、センサにより底壁の温度を測定することができるようになる。このため、例えば、鍋本体が過熱状態になっても、これを検知することができるので、この場合には、火力を弱めたり消火することができ、安全を図ることができる。
また、鍋本体の加熱中においては、ガスコンロの熱気は、通気孔を通って通気筒内に導入されるので、通気筒を介して鍋本体内部に熱を伝達することができるとともに、通気筒を通った熱気も鍋本体内部に導入することができることから、通気筒の機能を保持することができる。
即ち、五徳の中央に鍋本体の底壁の温度を検知するセンサが設けられたコンロを使用するとき、通気筒の機能を保持しつつ、コンロのセンサによる底壁の温度検知を可能にするので、汎用性の向上を図ることができる。
【0008】
そして、必要に応じ、上記貫通孔を中央部分が上記底壁の底面と同位の下面を有して形成され上記底壁に一体形成される盤体で塞ぎ、該盤体の中央部分を上記当接部として構成し、上記盤体の当接部の周囲に通気筒内に連通する通気孔を貫通形成し、該通気孔を形成する上記当接部以外の部分を該当接部の支持部として構成している。
盤体に通気孔を形成する構成なので、製造が容易になる。また、当接部を、底壁の底面と同位の下面を有して形成された盤体の中央部分で構成したので、センサへの当接を確実に行わせることができる。
【0009】
また、必要に応じ、上記通気孔を、上記底壁の底面側から見て上記貫通孔の中心点を中心として等角度関係で複数形成するとともに、該各通気孔を上記貫通孔の中心点を中心とする点対称に設けた構成としている。各通気孔の配置のバランスがよくなり、コンロからの熱気を偏ることなく通気孔から通気筒へ導入することができ、熱伝達のムラを防止することができる。
【0010】
更に、必要に応じ、上記複数の各通気孔の形状及び大きさを同じに形成した構成としている。各通気口の形状と大きさが同じなので、コンロからの熱気をより一層偏ることなく通気孔から通気筒へ導入することができ、熱伝達のムラを防止することができる。
【0011】
そしてまた、必要に応じ、上記盤体を、穴が多数形成された網状体で構成し、該網状体の中央部分を上記当接部として構成し、上記網状体の穴を通気孔として構成している。網状体を設けるだけでよいので、製造が容易になる。
【0012】
また、必要に応じ、上記貫通孔の周囲に、上記通気孔に連通する環状の凹部を形成した構成としている。熱気を凹部で受けるので、底面をフラットにする場合に比較して、通気孔への熱気の導入を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、五徳の中央に鍋本体の底壁の温度を検知するセンサが設けられた例えばガスコンロを用いて調理を行う場合には、鍋本体をコンロの五徳に載せると、当接部がセンサに当接するので、センサにより底壁の温度を測定することができるようになる。このため、例えば、鍋本体が過熱状態になっても、これを検知することができるので、この場合には、火力を弱めたり消火することができ、安全を図ることができる。また、鍋本体の加熱中においては、ガスコンロの熱気は、通気孔を通って通気筒内に導入されるので、通気筒を介して鍋本体内部に熱を伝達することができるとともに、通気筒を通った熱気も鍋本体内部に導入することができることから、通気筒の機能を保持することができる。即ち、五徳の中央に鍋本体の底壁の温度を検知するセンサが設けられたコンロを使用するとき、通気筒の機能を保持しつつ、コンロのセンサによる底壁の温度検知を可能にするので、汎用性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る鍋の鍋本体を示す断面斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る鍋の底面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る鍋の鍋本体を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係る鍋をコンロの五徳に載置した状態で示す断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る鍋において、当接部,通気孔及び支持部の変形例を示す底面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る鍋において、当接部,通気孔及び支持部の別の変形例を示す底面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る鍋において、当接部,通気孔及び支持部のまた別の変形例を示す底面図である。
図8】本発明の実施の形態に係る鍋において、当接部,通気孔及び支持部の更にまた別の変形例を示す底面図である。
図9】本発明の実施の形態に係る鍋において、当接部,通気孔及び支持部の他の変形例を示す底面図である。
図10】本発明の実施の形態に係る鍋において、当接部,通気孔及び支持部のまた他の変形例を示す底面図である。
図11】本発明の実施の形態に係る鍋において、当接部,通気孔及び支持部の更にまた他の変形例を示す要部断面図である。
図12】従来の鍋の一例をその不具合とともに示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る鍋について詳細に説明する。
図1乃至図4には、本発明の実施の形態に係る鍋Nを示している。この鍋Nは、パンを焼く鍋であり、例えば鉄製の鋳物で一体成形された容器状の鍋本体1と、同様に例えば鉄製の鋳物で一体成形された蓋10とから構成されている。鍋本体1は、コンロKの五徳Gに載置される底面2を有した底壁3及び底壁3の外周から立ち上がる側壁4を有して形成されている。5は側壁4に一体形成された一対の把手である。この鍋本体1の底壁3の中央は凹所6になっており、この凹所6の中央に凹所6より小径で底面2側から見て円形の貫通孔7が形成されている。また、貫通孔7の開口縁には内側に立設される筒状の通気筒8が一体形成されている。通気筒8の高さは側壁4の高さと略同じに設定されている。また、蓋10にも一対の把手11が一体形成されている。
【0016】
鍋本体1は、貫通孔7に臨んで設けられた当接部20が設けられている。この当接部20は、五徳Gの中央に鍋本体1の底壁3の温度を検知するセンサSが設けられたコンロKの当該五徳Gに載置したときに、このセンサSに当接可能に形成されている。また、当接部20の周囲には、通気筒8内に連通する通気孔21が形成されている。更に、当接部20は、底壁3及び通気筒8の少なくとも何れかに支持部23で支持されている。
【0017】
詳しくは、貫通孔7を中央部分が底壁3の底面2と同位の下面24を有して形成され底壁3に一体形成される盤体25で塞ぎ、この盤体25の中央部分を当接部20として構成している。当接部20は、底壁3の底面2側から見て、貫通孔7と同心であって貫通孔7より小径の略円形に形成されている。そして、盤体25の当接部20の周囲に通気筒8内に連通する通気孔21が貫通形成されており、この通気孔21を形成する当接部20以外の部分が当接部20の支持部23として構成されている。当接部20,通気孔21及び支持部23が形成される盤体25は、実施の形態では鋳物の成形により一時に形成され、盤体25であることから、製造が容易になる。
【0018】
通気孔21は、底壁3の底面2側から見て貫通孔7の中心点Pを中心として等角度関係で複数形成されるとともに、各通気孔21は貫通孔7の中心点Pを中心とする点対称に設けられている。また、複数の各通気孔21の形状及び大きさは同じに形成されている。実施の形態では、通気孔21は、貫通孔7の中心点Pを中心とした同心円に沿った長孔状に形成され、この同心円上に90°間隔で4つ設けられている。
【0019】
更に、底壁3の中央は凹設されて凹所6を形成していることから、貫通孔7の周囲には、通気孔21に連通する環状の凹部26が形成される。図4に示すように、凹部26の断面は台形に形成される。即ち、盤体25の通気孔21を形成する当接部20以外の部分が支持部23を構成するが、支持部23はこの凹部26を形成する傾斜した壁面となる。そのため、通気孔21はこの凹部26を構成する傾斜した壁面に形成されることになる。
【0020】
従って、この実施の形態に係る鍋Nを用い、図1及び図4に示すように、五徳Gの中央に鍋本体1の底壁3の温度を検知するセンサSが設けられた例えば周知のガスコンロKを用いて調理を行う場合には、以下のようになる。センサSは、一般には、進退動可能にコンロK本体側に設けられ、スプリングで進出方向に付勢されている。鍋本体1をコンロKの五徳Gに載せ、鍋本体1を五徳Gに載せる前あるいはその後に、鍋本体1の内部に調理物としてのパンの生地を入れ、蓋10をして、加熱する。この場合、鍋本体1をコンロKの五徳Gに載せた状態では、貫通孔7がセンサSに対向するが、貫通孔7には当接部20が臨んでいるので、この当接部20がセンサSに当接する。この場合、当接部20を、底壁3の底面2と同位の下面24を有して形成された盤体25の中央部分で構成したので、センサSへの当接を確実に行わせることができる。これにより、鍋本体1の加熱中においては、底壁3の熱は支持部23及び当接部20に伝達されることから、センサSにより底壁3の温度を測定することができるようになる。このため、例えば、鍋本体1が過熱状態になっても、これを検知することができるので、この場合には、火力を弱めたり消火することができ、安全を図ることができる。
【0021】
また、鍋本体1の加熱中においては、ガスコンロKの熱気は、通気孔21を通って通気筒8内に導入されるので、通気筒8を介して鍋本体1内部に熱を伝達することができるとともに、通気筒8を通った熱気も鍋本体1内部に導入することができることから、通気筒8の機能を保持することができる。
この場合、通気孔21は、形状及び大きさを同じに形成され、底壁3の底面2側から見て貫通孔7の中心点Pを中心として等角度関係で複数形成されるとともに、各通気孔21は貫通孔7の中心点Pを中心とする点対称に設けられているので、各通気孔21の配置のバランスがよくなり、コンロKからの熱気を偏ることなく通気孔21から通気筒8へ導入することができ、熱伝達のムラを防止することができる。
【0022】
更にまた、貫通孔7の周囲に、通気孔21に連通する環状の凹部26が形成されることから、この凹部26で熱気を受けるので、底面2をフラットにする場合に比較して、通気孔21への熱気の導入を確実に行うことができる。
即ち、五徳Gの中央に鍋本体1の底壁3の温度を検知するセンサSが設けられたコンロKを使用するとき、通気筒8の機能を保持しつつ、コンロKのセンサSによる底壁3の温度検知を可能にするので、汎用性の向上を図ることができる。
【0023】
図5には、当接部20,通気孔21及び支持部23の変形例を示している。当接部20は上記と同様に略円形に形成されるが、通気孔21の大きさと数を異ならせている。図5(a)は通気孔21が2つのものを示し、図5(b)は通気孔21が3つのものを示し、図5(c)は通気孔21が5つのものを示し、図5(d)は通気孔21が6つのものを示し、図5(e)は通気孔21が8つのものを示す。
【0024】
図6は、当接部20,通気孔21及び支持部23の別の変形例を示している。当接部20は上記と同様に略円形に形成されるが、通気孔21の形状と数を異ならせている。通気孔21の形状を円形とし、これを16個設けている。
【0025】
図7は、当接部20,通気孔21及び支持部23のまた別の変形例を示している。これは、当接部20と支持部23を直線の板状に形成して貫通孔7の中央に架設し、左右に略半円形の通気孔21を形成したものである。
【0026】
図8は、当接部20,通気孔21及び支持部23の更にまた別の変形例を示している。これは、円盤状の盤体25の中央を当接部20とし、その周囲に、4つの同じ大きさの円形の通気孔21を形成したものである。
【0027】
図9は、当接部20,通気孔21及び支持部23の他の変形例を示している。当接部20は上記と同様に略円形に形成し、この当接部20を貫通孔7の開口縁に1つの支持部23で片持ち支持し、貫通孔7の開口縁と当接部20の外周縁との間を、通気孔21としている。
【0028】
図10は、当接部20,通気孔21及び支持部23のまた他の変形例を示している。これは、盤体25を、穴が多数形成された網状体で構成し、この網状体の中央部分を当接部20として構成し、他を支持部23とし、網状体の穴を通気孔21として構成している。この網状体からなる盤体25は、貫通孔7に溶接などで後付される。
【0029】
図11は、当接部20,通気孔21及び支持部23の更にまた他の変形例を示している。当接部20を貫通孔7より小径の板体で構成し、この当接部20を、通気筒8の内壁面から延びる棒状の支持部23の先端に固定して支持し、当接部20の外周縁と貫通孔7の開口縁との間を通気孔21としたものである。
【0030】
尚、上記実施の形態に係る鍋Nは、五徳Gの中央に鍋本体1の底壁3の温度を検知するセンサSが設けられた周知のガスコンロKを用いて調理を行う場合について説明したが、センサSがない普通のコンロにおいても使用できることは勿論である。また、上記実施の形態において、当接部20,通気孔21及び支持部23の形状や大きさは上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。更に、鍋本体1及び蓋10の材質は鉄製鋳物に限定されるものではなく、他の金属、陶磁器,耐熱ガラスなど、適宜変更して差支えない。更にまた、本実施の形態に係る鍋Nは、蓋10を備えているが、鍋本体1のみで構成されるものでもよい。また、本実施の形態では、本発明をパン焼き用の鍋Nに適用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、しゃぶしゃぶ用の鍋など他の調理用の鍋に適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0031】
N 鍋
K コンロ
G 五徳
S センサ
1 鍋本体
2 底面
3 底壁
4 側壁
6 凹所
7 貫通孔
P 貫通孔の中心点
8 通気筒
10 蓋
20 当接部
21 通気孔
23 支持部
24 下面
25 盤体
26 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12