(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記係止部材は、前記光ファイバーを覆うように配置される嵌合用部材と嵌合することにより、前記嵌合用部材を介して前記光ファイバーを保持する請求項1に記載の出力測定装置用アダプタ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
キャリブレーションを実施する際には、光の強度を測定する出力測定装置に、光ファイバーから放出される光が入射される。その際、光ファイバーを挿入するためのアダプタを出力測定装置に接続することがある。光ファイバーをアダプタ内に挿入することにより、出力測定装置に対する光ファイバーの位置を一定に保持しやすくなる。
【0011】
光の出力をより正確に測定する観点から、アダプタ本体内における光ファイバーの位置が、キャリブレーション時に一定に保持されると有益である。キャリブレーション終了後は、施術のために、アダプタから光ファイバーが引き抜かれる。従って、光ファイバーをアダプタ内に固定できる一方で、その固定状態を容易に解除できると有益である。
【0012】
まず、本開示の一態様の概要を説明する。
【0013】
本開示の一態様である出力測定装置用アダプタは、本体部と、係止部材とを備える。本体部は、光の強度を測定する出力測定装置と接続する接続部と、光ファイバーを挿入可能な挿入口を有する胴体部とを有する。係止部材は、胴体部に対して着脱可能な係止部材であって、胴体部に挿入された状態において光ファイバーを保持する。
【0014】
ある態様において、係止部材は、光ファイバーを覆うように配置される嵌合用部材と嵌合することにより、嵌合用部材を介して光ファイバーを保持する。
【0015】
ある態様において、光ファイバーは、嵌合用部材を有する。
【0016】
ある態様において、本体部は、嵌合用部材を有する。
【0017】
ある態様において、嵌合用部材には凹部が形成されている。係止部材は、凹部と嵌合してもよい。
【0018】
ある態様において、凹部は、光ファイバーの軸方向に垂直な面内において対向する両側に形成されており、係止部材は、互いに対向する脚部を有する。脚部が凹部を挟み込むことにより嵌合用部材と係止部材とが嵌合してもよい。
【0019】
ある態様において、脚部は、互いに対向する面に突起部を有する。凹部と突起部とが嵌合してもよい。
【0020】
ある態様において、胴体部は、内部に溝部を有する。脚部の先端が溝部に嵌合してもよい。
【0021】
ある態様において、嵌合用部材は、光ファイバーの外側において光ファイバーの軸方向と垂直な方向に沿って嵌合用部材を貫通する孔を有し、係止部材は、突起部を有する。突起部が孔と嵌合してもよい。
【0022】
ある態様において、突起部は、互いに対向する複数の突起を含む。複数の突起は、光ファイバーを挟んで対向するように孔の内部に挿入されてもよい。
【0023】
ある態様において、係止部材は、互いに対向する脚部を更に有し、胴体部は、内部に溝部を有する。脚部の先端が溝部に嵌合してもよい。
【0024】
上述の出力測定装置用アダプタは、光線力学的治療法に用いられてもよい。
【0025】
以下に、本開示の出力測定装置用アダプタの一例を示す実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1(a)は、本開示の例示的な出力測定装置用アダプタの外観を示す。
図1(a)に示す出力測定装置用アダプタ1は、本体部2と、係止部材4とを備える。本体部2は、胴体部5と、出力測定装置と接続するように構成された接続部6とを備えている。図示するように、接続部6は、胴体部5の一方の端部P側に設けられている。胴体部5及び接続部6は、内部に光ファイバー3を挿入できる空間を有する。胴体部5の他方の端部Q側には、開口が設けられており、光ファイバー3は、この開口から挿入される。接続部6は、光強度を測定する出力測定装置内へ挿入される。胴体部5は、例えば樹脂で形成されており、略四角形の断面を持つ柱状形状を有し得る。接続部6のうち、胴体部5の端部P側と接続する部分は、胴体部5と一体形成され得る。図示する例では、この一体形成された部分に、例えば光を透過するアクリル又はポリカーボネートなどの樹脂からなる先端部7が接続されている。図示する例において、先端部7は、断面が円形の錐体形状をしており、内部に光ファイバー3を挿入できる空間を有し、光ファイバー3は、この先端部7まで挿入されている。先端部7の胴体部5とは反対側の端部は閉鎖されていてもよいし開放されていてもよい。出力測定装置用アダプタ1は、例えば光線力学的治療法に用いられる。
【0027】
係止部材4は、胴体部5に対して着脱自在に構成されている。係止部材4は、例えば胴体部5に形成された開口を介して胴体部5に挿入される。係止部材4が胴体部5に挿入された状態においては、係止部材4の一部は胴体部5から突出しており、他の部分は胴体部5の内部に位置する。係止部材4は、胴体部5に挿入された状態において光ファイバー3を保持する。係止部材4の構成の詳細は後述する。
【0028】
出力測定装置用アダプタ1は、胴体部5の端部Q側の開口と接続する光ファイバー導入部8を更に備えていてもよい。光ファイバー導入部8は、例えばゴムなどの弾性材料から構成され、中空の円筒形状をしている。光ファイバー導入部8は、光ファイバー3の急峻な折れ曲がりを防止する。
【0029】
図1(b)は、出力測定装置用アダプタ1が出力測定装置と接続された状態を示す。
図1(b)に例示する出力測定装置9は、レーザー出力装置と出力測定装置とが一体となっている装置である。図示するように、レーザーの出力端子には、光ファイバー3の一方の端部が接続されている。また、出力測定用の端子には、光ファイバー3が内部に挿入された出力測定装置用アダプタ1が接続されている。
図1(b)に示すとおり、出力測定装置用アダプタ1の接続部6(不図示)が、出力測定装置9の内部に挿入されている。このような接続状態でレーザーを出力すると、レーザーの出力を測定する端子へ光ファイバー3を通してレーザーが入射する。この入射したレーザーの強度を出力測定装置9が測定する。
【0030】
出力測定装置用アダプタ1の詳細構造を説明する。
図1(c)は、出力測定装置用アダプタ1の内部を示す。
図1(c)は、胴体部5及び胴体部5と一体形成されている接続部6の一部分の断面を示しており、本体部2の内部に挿入された光ファイバー3及び係止部材4を図示している。なお、
図1(c)は、
図1(a)におけるA−A’軸方向に平行かつ本体部2の中央を通る平面での断面斜視図である。図示する例では、胴体部5及び接続部6の内部に、胴体部5の長手方向に沿って中央に溝が形成されており、その溝に光ファイバー3が配置されている。典型的には、光ファイバー3は、軸方向に垂直な断面における形状が円であり、光ファイバー3を配置するための溝の断面は、円の一部が欠損したC形の形状であり得る。
図1(c)に例示する構成において、光ファイバー3の端部近傍には、周面に凹部11が設けられた嵌合用部材10が装着されている。嵌合用部材10は、例えばプラスチックから構成される。嵌合用部材10のプラスチックの表面は光ファイバー3の被覆を傷つけないような加工を施しているとより好ましい。嵌合用部材10の詳細は後述する。
【0031】
図2は、光ファイバー3の先端部の例示的な構成を示す。図示する例では、光ファイバー3の光出射側の先端部にスリーブ30が装着されている。スリーブ30は、典型的には、光ファイバー3の全周を覆う。スリーブ30は、内部にレンズを有していてもよい。図示するように、スリーブ30は、嵌合用部材10よりも光ファイバー3の光出射側の先端の近くに位置する。
【0032】
図3は、光ファイバー3の軸方向に垂直に光ファイバー3及び嵌合用部材10を切断したときの模式的な断面を示す。
図3に例示する構成では、嵌合用部材10は、断面において円環状の一部が切断されたC字形状を有している。従って、
図3に例示する構成では、光ファイバー3を切り欠きの方向(
図3において下方向)にスライドさせることにより、嵌合用部材10と光ファイバー3とを分離することができる。典型的には、図示するように、嵌合用部材10における光ファイバー3の径方向に沿った幅は、スリーブ30の直径よりも小さい。
【0033】
上述したように、係止部材4は、胴体部5に挿入された状態において光ファイバー3を保持する。このとき、係止部材4は、嵌合用部材10を介して光ファイバー3を保持してもよい。光ファイバー3と嵌合用部材10との間に嵌合用部材10を介在させることにより、出力測定装置に対する光ファイバー3のより正確な位置決めを実現し得る。
【0034】
典型的には、嵌合用部材10は、係止部材4と嵌合する。この嵌合構造を更に詳しく説明する。
【0035】
図4(a)は、本開示の実施の形態1における係止部材4と嵌合用部材10とを拡大して示す。嵌合用部材10には、凹部11が形成されている。この凹部11は、例えば、光ファイバー3の軸方向に垂直な断面において、光ファイバー3の直径方向に対向する2箇所に形成される。ここでは、凹部11は、嵌合用部材10の、光ファイバー3の軸方向に垂直な面内において対向する両側に形成されている(後述する
図4(c)参照)。
図4(a)に例示する構成では、係止部材4が挿入される方向及び光ファイバー3の軸方向の両方に垂直な方向において嵌合用部材10の両側に、光ファイバー3の軸方向に一定の幅を持つ溝が、嵌合用部材10の上方から下方にわたって形成されている。これらの2つの溝は、光ファイバー3側にそれぞれ底面を有している。
【0036】
係止部材4は、互いに対向する少なくとも2本の脚部12を有し得る。この脚部12は、本体部2の内部に挿入される部分である。図示する例では、脚部12は互いに対向し、それぞれが直方体形状を有する。なお、脚部12の形状は、柱状であればよく、直方体形状に限られない。例えば直方体形状の角をわずかに削った略四角柱でもよい。図示するように、脚部12は、係止部材4が胴体部5に挿入された状態において胴体部5の外部に位置する突出部13と接続している。突出部13は、係止部材4のうち、本体部2の外部に配置される部分である。
図1(a)において、係止部材4のうち、本体部2の外側から視認できる部分が突出部13である。突出部13は、例えば直方体形状を有する。典型的には、胴体部5には突出部13よりも面積が小さい開口が設けられており、この開口に係止部材4が挿入される。このとき、脚部12は開口より本体部2の内部へ挿入される。一方、突出部13は、開口を通過せず本体部2の外部に突出する。係止部材4は、胴体部5の中央よりも接続部6に近い位置において胴体部と結合され得る。接続部6側に近い位置において係止部材4と嵌合用部材10とが嵌合すると、光ファイバー3のより先端側を固定し得る。そのため、光ファイバー3の安定な保持を実現しやすい。
【0037】
再び
図4(a)を参照する。典型的には、光ファイバー3の軸方向における凹部11の幅は、脚部12の幅よりもわずかに大きい。また、互いに対向する脚部12の間隔は、凹部11の底面間の距離よりも大きい。更に、対向する脚部12の間隔は、2つの凹部11の深さと凹部11の底面間の距離とを足し合わせた長さよりも小さい。このような構成とすることで、脚部12は、嵌合用部材10の上方から凹部11内にスライドされることにより、凹部11を挟み込むことができる。これにより、係止部材4は、凹部11に嵌合され得る。嵌合用部材10をC字形状としている場合は、脚部12が凹部11と嵌合したときに脚部12が凹部11を押すことにより光ファイバー3をより強く挟み込むようにすることもできる。
【0038】
図4(b)〜(e)は、出力測定装置用アダプタ1を光ファイバー3の軸方向に垂直な面で切断したときの断面を示す。
図4(b)〜(e)は、
図1(a)におけるB−B’断面図である。
図4(c)及び(e)は、それぞれ、
図4(b)及び(d)における光ファイバー3周辺の拡大図である。
図4(b)及び(c)は、本体部2へ係止部材4を挿入しはじめている状態を示す。
図4(b)及び(c)に示す状態においては、まだ嵌合用部材10の凹部11と係止部材4の脚部12とは嵌合していない。
図4(d)及び(e)は、嵌合用部材10の凹部11と係止部材4の脚部12とが嵌合した状態を示す。これらの図からわかるように、脚部12が凹部11を挟むように係止部材4を本体部2の内部へ挿入することによって、嵌合用部材10と係止部材4とが嵌合され得る。これにより、光ファイバー3が係止部材4によって出力測定装置用アダプタ1に固定され得る。
【0039】
係止部材4が本体部2の内部に挿入されることにより、光ファイバー3の軸方向に沿った嵌合用部材10の移動が抑制される。すなわち、嵌合用部材10が本体部2の内部において固定されるので、出力測定装置用アダプタ1からの光ファイバー3の抜け落ちを防止し得る。例えば、光ファイバー3の先端部にスリーブ30が装着されている場合を考える。この場合において、出力測定装置用アダプタ1の接続部6とは反対側に光ファイバー3が移動すると、スリーブ30の直径が嵌合用部材10の直径よりも大きい(
図3参照)ので、スリーブ30の端面が嵌合用部材10の端面に当たる。嵌合用部材10が本体部2の内部において固定されているので、スリーブ30の端面が嵌合用部材10の端面に当たると、光ファイバー3はこれ以上同じ方向に移動しない。つまり、出力測定装置用アダプタ1からの光ファイバー3の抜け落ちを防止できる。これにより、光ファイバー3本体の損傷を抑制しながら、出力測定装置用アダプタ1からの光ファイバー3の抜け落ちを防止できる。
【0040】
なお、接着等により、嵌合用部材10を光ファイバー3に固定しておいてもよい。この場合は、スリーブ30の有無及びスリーブ30の直径の大きさにかかわらず、係止部材4を本体部2の内部へ挿入することによって光ファイバー3を出力測定装置用アダプタ1に固定し得る。また、嵌合用部材10の断面形状は上述の例に限定されず、光ファイバー3の全周を覆う形状であってもよい。
【0041】
本体部2は、光ファイバー3の軸方向に沿って延びる溝をその内部に有し得る。
図4(b)に示す例では、胴体部5の内部において光ファイバー3が配置される部分の左右に、本体部2の外側(紙面の表側及び裏側)に向かって延びる溝部14が設けられている。この溝部14の断面形状は、例えば係止部材4の脚部12の断面形状と相似であって、かつ脚部12の断面よりもわずかに大きい。溝部14の一側面は、凹部11の底面と整合する平面上に形成されていてもよい。この一側面と対向するもう1つの側面は、脚部12の幅よりもわずかに大きな距離をあけて形成されている。
図4(d)からわかるように、係止部材4を本体部2の内部へ挿入すると、脚部12が溝部14に挿入される。すなわち、脚部12の先端が溝部14へ嵌合する。溝部14を設けることにより、脚部12をより正確に位置決めし得る。
【0042】
ここで、出力測定装置用アダプタ1の使用方法の一例の概略を説明する。
【0043】
出力測定装置用アダプタ1は、例えばキャリブレーションの実施に際して用いられる。まず、胴体部5の端部に設けられた開口を介して、出力測定装置用アダプタ1の内部に光ファイバー3の一方の端部を挿入する。このとき、出力測定装置用アダプタ1の内部に挿入される光ファイバー3の先端付近には、予め嵌合用部材10が装着されている。次に、胴体部5の側面に設けられた開口から係止部材4を挿入する。係止部材4の挿入により、嵌合用部材10を挟むように係止部材4の脚部12が配置される。これにより、光ファイバー3が出力測定装置用アダプタ1の内部に固定され、出力測定装置用アダプタ1からの光ファイバー3の抜けが防止される。
【0044】
なお、
図1(c)に示すように、2以上の部品の組み合わせから胴体部5が構成されていてもよい。例えば上下に分割可能な2つの部品の組み合わせによって胴体部5が構成されていてもよい。この場合、例えば、嵌合用部材10を被せた光ファイバー3を2つの部品のいずれかの上に配置し、光ファイバー3を2つの部品で挟む。その後、係止部材4を本体部2に挿入するようにしてもよい。光ファイバー3に予め嵌合用部材10を装着することに代えて、本体部2(例えば胴体部6)の内部に嵌合用部材10を固定しておいてもよい。
【0045】
次に、レーザー装置のレーザーの出力端子に、光ファイバー3の他方の端部を接続する。次に、出力測定装置の出力測定用の端子に、出力測定装置用アダプタ1の先端部7を挿入及び接続する。これにより、出力測定装置に出力測定装置用アダプタ1が接続され、光ファイバー3が出力測定装置に光学的に結合される。レーザー装置、光ファイバー3及び出力測定装置が光学的に結合された状態(
図1(b)参照)でキャリブレーションを実施する。なお、出力測定装置と出力測定装置用アダプタ1との間の接続の方法は特定の方法に限定されない。例えば、爪と孔との嵌合、ねじを用いた結合を適用し得る。
【0046】
キャリブレーションの終了後、出力測定装置の出力測定用の端子から出力測定装置用アダプタ1を分離する。次に、胴体部5の側面に設けられた開口から係止部材4を引き抜く。これにより、出力測定装置用アダプタ1内における光ファイバー3の固定が解除される。次に、出力測定装置用アダプタ1の内部から、光ファイバー3の端部を引き抜く。このとき、光ファイバー3とともに、嵌合用部材10を出力測定装置用アダプタ1の内部から取り出してもよい。その後、光ファイバー3を用いて施術を行う。
【0047】
このように、本開示によれば係止部材4を本体部2から外部へ引き抜くことにより、係止部材4と嵌合用部材10の固定状態を容易に解除することができる。従って、嵌合用部材10を介して出力測定装置用アダプタ1に固定されていた光ファイバー3を本体部2から容易に引き出すことができる。
【0048】
(実施の形態2)
実施の形態2は、係止部材を用いて光ファイバーを出力測定装置用アダプタ1内において固定するための構成の他の一例である。
【0049】
図1を用いて説明した出力測定装置用アダプタ1と出力測定装置との間の接続は、実施の形態2でも同様であり得る。そのため、重複する説明を省略する。また、実施の形態1と同様の構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0050】
図5(a)は、本開示の実施の形態2における係止部材4aと嵌合用部材10aとを拡大して示す。図示する例では、光ファイバー3に装着された嵌合用部材10aに、凹部15が形成されている。ここでは、凹部15は、半球状の窪みである。この凹部15は、嵌合用部材10aの、光ファイバー3の軸方向に垂直な面内において対向する両側に形成されている。すなわち、光ファイバー3の軸方向に垂直な断面において、光ファイバー3の直径方向に対向する2箇所に凹部15が形成されている。凹部15の底面は、光ファイバー3側に位置する。
【0051】
係止部材4aは、互いに対向する少なくとも2本の脚部12aを有する。脚部12aの互いに対向する面には、突起部16が形成されている。ここでは、実施の形態1と同様に、脚部12aは、互いに対向し、それぞれが直方体形状である。脚部12aは、突出部13と接続している。突出部13は、例えば直方体形状を有する。係止部材4aが胴体部5に挿入された状態において、突出部13は、胴体部5の外部に位置する。
【0052】
係止部材4aが胴体部5に挿入された状態において凹部15と突起部16とが嵌合する。脚部12aに形成される突起部16の形状は、例えば凹部15と相似な半球状である。突起部16は、脚部12aのいずれかに形成されていればよい。ただし、脚部12aの互いに対向する位置に突起部16を形成すると、凹部15と突起部16とがより嵌合しやすい。典型的には、互いに対向する突起部16の頂部間の距離は、凹部15の底部間の距離よりも大きい。また、互いに対向する突起部16の頂部間の距離は、一方の凹部15の開口と他方の凹部15の開口との間の距離よりも小さい。対向する脚部12aの間隔は、嵌合用部材10aの凹部15が形成されていない部分の直径よりも大きい。このような構成とすることで、脚部12aは、嵌合用部材10aの上方から凹部15内にスライドされることにより、凹部15を挟み込むことができる。凹部15及び突起部16の形状は半球状に限られない。凹部15及び突起部16の形状は、四角柱、四角錐、多角柱、多角錐などの形状でもよい。
【0053】
図5(b)〜(e)は、本開示の実施の形態2における出力測定装置用アダプタを光ファイバー3の軸方向に垂直な面で切断したときの断面を示す。
図5(b)〜(e)は、
図1(a)におけるB−B’断面図に相当する。
図5(c)及び(e)は、それぞれ、
図5(b)及び(d)における光ファイバー3周辺の拡大図である。
図5(b)及び(c)は、本体部2へ係止部材4を挿入しはじめている状態を示す。
図5(b)及び(c)に示す状態においては、まだ嵌合用部材10aの凹部15と係止部材4aが備える突起部16とは嵌合していない。
図5(d)及び(e)は、嵌合用部材10aの凹部15と係止部材4aが備える突起部16とが嵌合した状態を示す。これらの図からわかるように、突起部16は、脚部12aが延びる方向(本体部2の一つの面の外部から内部に貫通する方向)に対して垂直な方向に形成されている。凹部15は、係止部材4を本体部2の外部から内部に挿入したときに突起部16と対向する位置に形成されている。従って、脚部12aが凹部15を挟むように係止部材4aを本体部2の内部へ挿入することによって、嵌合用部材10aと係止部材4aとが嵌合され得る。これにより、光ファイバー3が係止部材4aによって出力測定装置用アダプタ1に固定され得る。
【0054】
また、本体部2は、溝部14を内部に有していてもよい。この溝部14の断面形状は、例えば係止部材4aの脚部12aの断面形状と相似であって、かつ脚部12aの断面よりもわずかに大きい。
図5(d)からわかるように、係止部材4aを本体部2の内部へ挿入すると、脚部12aが溝部14に挿入される。すなわち、脚部12aの先端が溝部14へ嵌合する。溝部14を設けることにより、脚部12aをより正確に位置決めし得る。
【0055】
なお、係止部材4aを本体部2から外部へ引き抜くことにより、係止部材4aと嵌合用部材10aの固定状態を容易に解除することができる。従って、光ファイバー3を本体部2から容易に引き出すことができる。
【0056】
(実施の形態3)
実施の形態3は、係止部材を用いて光ファイバーを出力測定装置用アダプタ1内において固定するための構成の更に他の一例である。
【0057】
図1を用いて説明した出力測定装置用アダプタ1と出力測定装置との間の接続は、実施の形態3でも同様であり得る。そのため、重複する説明を省略する。また、実施の形態1と同様の構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0058】
図6(a)は、本開示の実施の形態3における係止部材4bと嵌合用部材10bとを拡大して示す。図示する例では、光ファイバー3に装着された嵌合用部材10bは、光ファイバー3を覆うように形成されている。嵌合用部材10bには、光ファイバー3の外側において光ファイバー3の軸方向と垂直な方向に沿って嵌合用部材10bを貫通する孔17が形成されている。
図6(a)に例示する構成では、光ファイバー3の軸方向に沿って孔17が2つ形成されている。孔17は、本体部2の、係止部材4bを挿入するための開口が形成されている面に対して垂直に延びている。ここでは、光ファイバー3を挟んで平行に延びるように形成された2つの孔17a及び17b(
図6(a)において不図示)を有する嵌合用部材10bを例示する。
【0059】
係止部材4bは、互いに対向する少なくとも2本の脚部12を有する。係止部材4bは、2つの脚部12の間に、突起部18を有している。
図6(a)に示す例では、突起部18は、互いに対向する2つの突起18a及び18bを含む。ここでは、嵌合用部材10bにおいて光ファイバー3の軸方向に沿って配置された2つの孔17に対応して、係止部材4bは、2組の突起部を有している。すなわち、ここでは、係止部材4bは、合計で4つの突起を有する。なお、実施の形態1と同様に、係止部材4bが胴体部5に挿入された状態において、突出部13は、胴体部5の外部に位置する。
【0060】
係止部材4bを挿入するための開口が形成されている面と平行な平面における突起部18の断面積は、孔17の断面積よりも小さい。すなわち、突起部18は、孔17に挿入できる大きさを有する。突起部18は、少なくとも1つ形成されていればよい。ただし、光ファイバー3を挟んで対向する位置に形成されていると、より安定した光ファイバー3の固定を実現しやすい。突起部18は、係止部材4bが本体部2の外部から内部へ挿入されるときに、孔17の延びる方向の延長線上に位置するように形成されている。更に突起部18は、脚部12が本体部2の一つの面の外部から内部に挿入される方向に沿って延びている。このような構成とすることで、係止部材4bを嵌合用部材10bの上方からスライドすることにより、突起部18を孔17内に挿入することができる。
【0061】
図6(b)〜(e)は、本開示の実施の形態3における出力測定装置用アダプタを光ファイバー3の軸方向に垂直な面で切断したときの断面を示す。
図6(b)〜(e)は、
図1(a)におけるB−B’断面図に相当する。
図6(c)及び(e)は、それぞれ、
図6(b)及び(d)における光ファイバー3周辺の拡大図である。
図6(b)及び(c)は、本体部2へ係止部材4bを挿入しはじめている状態を示す。
図6(b)及び(c)に示す状態においては、まだ嵌合用部材10bの孔17と係止部材4bが備える突起部18とは嵌合していない。
図6(d)及び(e)は、嵌合用部材10bの孔17と係止部材4bが備える突起部18とが嵌合した状態を示す。これらの図からわかるように、脚部12が光ファイバー3を挟むように係止部材4bを本体部2の内部へ挿入することによって、嵌合用部材10bと係止部材4bとが嵌合する。これにより、光ファイバー3が係止部材4bによって出力測定装置用アダプタ1に固定される。ここでは、嵌合用部材10bの孔17a及び17bと突起部18に含まれる突起18a及び18bとがそれぞれ嵌合したとき、突起18a及び18bは、光ファイバー3を挟んで対向するようにそれぞれ孔17a及び17bの内部に挿入される。そのため、係止部材4bと嵌合用部材10bとをより確実に嵌合することができる。なお、孔17は貫通孔でなくてもよく、底面を有する窪みであってもよい。例えば、孔17と突起部18とが嵌合したときに、突起部18の先端が孔17の窪みに挿入される構成としてもよい。
【0062】
また、本体部2は、溝部14を内部に有していてもよい。この溝部14の断面形状は、例えば係止部材4bの脚部12の断面形状と相似であって、かつ脚部12の断面よりもわずかに大きい。
図6(d)からわかるように、係止部材4bを本体部2の内部へ挿入すると、脚部12が溝部14に挿入される。すなわち、脚部12の先端が溝部14へ嵌合する。溝部14を設けることにより、脚部12をより正確に位置決めし得る。
【0063】
なお、係止部材4bを本体部2から外部へ引き抜くことにより、係止部材4bと嵌合用部材10bの固定状態を容易に解除することができる。従って、光ファイバー3を本体部2から容易に引き出すことができる。
【0064】
(実施の形態4)
実施の形態4は、係止部材を用いて光ファイバーを出力測定装置用アダプタ1内において固定するための更に他の構成の一例である。
【0065】
図1を用いて説明した出力測定装置用アダプタ1と出力測定装置との間の接続は、実施の形態4でも同様であり得る。そのため、重複する説明を省略する。また、実施の形態1と同様の構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略することがある。
【0066】
図7(a)は、本開示の実施の形態4における係止部材4cと嵌合用部材10cとを拡大して示す。図示する例では、光ファイバー3に装着された嵌合用部材10cは、光ファイバー3を覆うように形成されている。嵌合用部材10cには、光ファイバー3の外側において光ファイバー3の軸方向と垂直な方向に沿って嵌合用部材10cを貫通する孔19が形成されている。孔19は、本体部2の、係止部材4cを挿入するための開口が形成されている面に対して垂直延びている。ここでは、孔19は、係止部材4cを挿入するために胴体部5(不図示)に設けられた開口の直下の位置であって、かつ光ファイバー3の直上に形成されている。
【0067】
係止部材4cは、互いに対向する少なくとも2本の脚部12を有する。係止部材4cは、2つの脚部12の間に、突起部20を有する。ここでは、互いに対向する2つの脚部12の間の中央の位置に突起部20が形成されている。なお、実施の形態1と同様に、係止部材4cが胴体部5に挿入された状態において、突出部13は、胴体部5の外部に位置する。
【0068】
係止部材4cを挿入するための開口が形成されている面と平行な平面における突起部20の断面積は、孔19の断面積よりも小さい。すなわち、突起部20は、孔19に挿入できる大きさを有する。突起部20は、少なくとも1つ形成されていればよく、複数であってもよい。例えば、突起部20は、光ファイバー3の長さ方向(軸方向)に沿って係止部材4c上に複数形成されていてもよい。このとき、孔19は、突起部20にあわせて嵌合用部材10cに複数形成され得る。突起部20は、係止部材4cが本体部2の外部から内部へ挿入されるときに、孔19の延びる方向の延長線上に位置するように形成されている。更に突起部20は、脚部12が本体部2の外部から内部に挿入される方向に突出している。このような構成とすることで、係止部材4cを嵌合用部材10cの上方からスライドすることにより、突起部20を孔19内に挿入することができる。
【0069】
図7(b)〜(e)は、本開示の実施の形態4における出力測定装置用アダプタを光ファイバー3の軸方向に垂直な面で切断したときの断面を示す。
図7(b)〜(e)は、
図1(a)におけるB−B’断面図に相当する。
図7(c)及び(e)は、それぞれ、
図7(b)及び(d)における光ファイバー3周辺の拡大図である。
図7(b)及び(c)は、本体部2へ係止部材4cを挿入しはじめている状態を示す。
図7(b)及び(c)に示す状態においては、まだ嵌合用部材10cの孔19と係止部材4cが備える突起部20とは嵌合していない。
図7(d)及び(e)は、嵌合用部材10cの孔19と係止部材4cが備える突起部20とが嵌合した状態を示す。これらの図からわかるように、脚部12が光ファイバー3を挟むように係止部材4cを本体部2の内部へ挿入することによって、嵌合用部材10cと係止部材4cとが嵌合する。これにより、光ファイバー3が係止部材4cによって出力測定装置用アダプタ1に固定される。すなわち、係止部材4cを本体部2の内部へ挿入すると、突起部20が孔19に挿入されることによって、これらが嵌合する。典型的には、突起部20が孔19に嵌合したとき、突起部20の先端は、光ファイバー3の外周面に接触しない。つまり、突起部20の先端と光ファイバー3との間には隙間が形成されている(
図7(e)参照)。なお、孔19は貫通孔でなくてもよく、底面を有する窪みであってもよい。すなわち、孔19と突起部20とが嵌合したときに突起部20の先端が孔19の窪みに挿入される構成であってもよい。
【0070】
また、本体部2は、溝部14を内部に有していてもよい。この溝部14の断面形状は、例えば係止部材4cの脚部12の断面形状と相似であって、かつ脚部12の断面よりもわずかに大きい。
図7(d)からわかるように、係止部材4cを本体部2の内部へ挿入すると、脚部12が溝部14に挿入される。すなわち、脚部12の先端が溝部14へ嵌合する。溝部14を設けることにより、脚部12をより正確に位置決めし得る。
【0071】
なお、係止部材4cを本体部2から外部へ引き抜くことにより、係止部材4cと嵌合用部材10cの固定状態を容易に解除することができる。従って、光ファイバー3を本体部2から容易に引き出すことができる。
【0072】
以上のような構成を採用することにより、いずれの実施の形態に記載した本開示の出力測定装置用アダプタにおいても、本体部2と容易に着脱可能な状態で光ファイバー3を本体部2内に固定することができる。光ファイバー3は、例えば光ファイバー3に設けられた嵌合用部材10と、本体部2の外部から内部へ挿入される係止部材とが嵌合することにより、本体部2と容易に着脱可能な状態で本体部2内に固定される。なお、前述した種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。