【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態は、直流電流を電圧波に変換するステップと、少なくとも2つの電気キャパシタへの入口で前記電圧波を付与するステップと、前記キャパシタからの出口で前記電圧を前記電気的負荷に供給するステップと、を含む、電気的負荷への電力伝達方法を開示する。
【0014】
すなわち、この実施形態は、実質的には、従来技術の変圧器を少なくとも2つの電気的キャパシタで置換し、そのことによって、変圧器での漏電の問題を解決することを含む。
【0015】
キャパシタのこの対の存在によって、一次回路と二次回路との間のガルバニック絶縁および充電デバイスに供給するのに十分な電力を伝達することを保証することがさらに可能である。
【0016】
電圧波が供給される各々のキャパシタはインピーダンスとみなされ得るものであり、そのことによって、十分に高い電圧波の周波数および/または十分に大きい電気的キャパシタおよび/または十分に大きな振幅を有する電圧波によって、有利には、電気的キャパシタの対からの出口で、充電デバイスに供給するのに十分に大きい電圧波を得ることが可能である。
【0017】
本発明の一態様では、方法は、前記電気的キャパシタ(125、130)からの出口で前記電圧波を整流するステップを含んでもよい。
【0018】
本発明のこの実施形態は、充電デバイスが直流電流を供給されなければならないときに有利である。
【0019】
本発明のさらなる態様では、直流電圧を電圧波に変換するステップが、能動スイッチ、例えばトランジスタ(MOSFET、BJT、IGBT等)をオンおよびオフに交互に切り替えるステップを含んでいてもよい。
【0020】
すなわち、本発明のこの態様は、スイッチング処置によって電圧波を生成する可能性をもたらし、そのことは、信頼性が高くおよび容易に制御可能である非常に単純な解決手段を表す。
【0021】
この文脈で、スイッチング処置を用いて電気的キャパシタを介して高電力を送信することが、簡単な普通の仕事ではないということを考えてみることには、それだけの価値がある。少なからぬ量だけ電圧波の振幅を増大することは、ガルバニック絶縁キャパシタの前に変圧器または昇圧回路を、および、ガルバニック絶縁キャパシタの後に変圧器または降圧回路を使用することを意味し、このことには、場所を塞ぐこと、漏電、および価格が比較的増大することが伴う。
【0022】
電圧波の振幅を増大することは、安全性の点からさらに有害である。他方でキャパシタを増大することは、誘電率がより高い誘電材料を使用すること、および/または、誘電体の厚さを低減することを意味し、このことには、ガルバニック絶縁を比較的悪化させること、および漏電の増大、および/または、アーマチュアの寸法が増大し、その結果として場所を塞ぐことが増大することが伴う。
【0023】
最後に、例えば、場合によっては共振型またはほぼ共振型の、ブリッジまたはハーフブリッジのスイッチング配置設計などの、既知のタイプの何らかのスイッチング・システムによって電圧波の周波数を増大することは、一般的には、漏電の増大、および、フローティング・ノードを基準とするスイッチの存在に起因して能動スイッチの駆動が困難で高価になることを招く。
【0024】
この理由で、本発明の態様は、直流電圧を電圧の波に変換するステップが、前記能動スイッチの各遷移ステップ、すなわち、オフ(抑制される)からオン(飽和)へ、およびオンからオフへの両方の間に、前記能動スイッチに付与される電力(電圧および/または電流)を実質的に零値に低下させるステップを含んでいてもよい。
【0025】
この方法では、漏電がスイッチング・サイクルの間に少なからず低減され、このようにして、サイクルの周波数を、したがって、それらのサイクルにより生成される電圧波の周波数を増大することが可能になり、その結果、同じ付与される電圧が与えられるとして、送信される電力を増大することが可能になり、または、同じ送信される電力が与えられるとして、付与される電圧を低下させることが可能になる。
【0026】
本発明のさらなる態様では、直流電圧の電圧波への変換ステップが、固定の電位が基準とされた単一の能動スイッチに基づく回路上の体系を使用するステップ、すなわち、上記で説明したモードにしたがって、単一の能動スイッチ、例えば単一のトランジスタ(例えばMOSFET、BJT、IGBT等)をオンおよびオフに交番でスイッチするステップを含んでいてもよい。
【0027】
この方法では、上記で説明した利点だけでなく、回路の複雑性が非常に低減され、かつ能動スイッチのドライバが単純化され、したがってその能動スイッチは、より高い周波数で案内(pilot)され得る。
【0028】
他方で、この方法を適用するときに起こり得る典型的な問題は、充電デバイスに伝達される電力を制御することが困難であるということであり、そのことは、この伝達される電力が、充電デバイス自体によって決まる場合があり、さらには一定でもなく、事前に知られてもいない場合があるという事実に起因する。
【0029】
典型的には、実際には、設計点からの作動点の各々の変位が、システムの性能の落ち込みまたは不完全な挙動を決定するので、ただ1つのトランジスタを用いた共振型配置設計が、一定であり知られている負荷に適用可能である。
【0030】
この理由で、本発明の他の態様は、用いることで充電デバイスに送信される電力を変動させることが可能なモードに関係する。
【0031】
これらの態様の1つによれば、方法は、前記能動スイッチのオンおよびオフの切替の1または複数のサイクルを防止または変更するステップを含んでいてもよい。
【0032】
オンおよびオフに切り替えるサイクルが抑制されるとき、すなわち遂行されないとき、充電デバイスに全体として送信される電力は、有利には低減され、高度に効率的であり、伴う漏電が非常に低い。
【0033】
オンおよびオフに切り替えるサイクルは、例えば、能動スイッチの電気パイロット信号を一時的に中断することにより抑制され得る。
【0034】
より詳細には、本発明の態様は、充電デバイスに伝達されることになる電力の所定の基準値を基礎として、抑制されるサイクルの数および/または周波数を調節する可能性を含む。
【0035】
このようにして、有利には、供給されることになる特定の充電デバイスによって、および、一般的には必要性によってより多くのことによって修正され得る、上記で述べた基準値を達成するように、充電デバイスに送信される電力を調節することが可能である。
【0036】
さらに、より詳細には、伝達される電力を調節することが、例えば、充電デバイスに伝達される電力を測定するステップと、測定された電力と所定の基準値との間の差を算出するステップと、差を最小化するように、抑制されるオンおよびオフにスイッチするサイクルの数および/または周波数を調節するステップと、を含むフィードバック制御によって遂行され得る。
【0037】
充電デバイスへの電力の調節の第1のモードに加えて、またはその第1のモードの代わりに、電気的負荷に並列に設定される電気的線路上に電圧波を一時的に偏移させるステップを含む調節の第2のモードが使用され得る。
【0038】
電圧波が電気線路上に偏移させられるとき、充電デバイスは供給されず、そのことによって、その充電デバイスに送信される電力が全体として低減される。
【0039】
この偏移させるステップを可能にするために、電気線路は、第2の能動スイッチ、例えば第2のトランジスタ(MOSFET、BJT、IGBT等)および第3のキャパシタを備え得るものであり、第3のキャパシタは、第2の能動スイッチに直列に接続され、第2の能動スイッチがオンにスイッチされる(すなわち飽和である)ときに、充電デバイスに対して短絡回路とみなされるのに十分に高いキャパシタ値を有する。
【0040】
この場合でもまた、本発明の態様は、充電デバイスに伝達されることになる電力の所定の基準値を基礎として、スイッチするステップの継続期間、および/または、用いることで偏移させるステップが最終的に反復される周波数を調節することを含む。
【0041】
このようにして、有利には、供給されることになる特定の充電デバイスによって修正され得る基準値を達成するような方途で、充電デバイスに現実に送信される電力を調節することが可能である。
【0042】
具体的には、伝達される電力を調節することが、例えば、充電デバイスに伝達される電力を測定するステップと、測定された電力と所定の基準値との間の差を算出するステップと、差を最小化するように、偏移ステップの継続期間、および/または、用いることで偏移ステップが最終的に反復される周波数を調節するステップと、を含むフィードバック制御によって遂行され得る。
【0043】
充電デバイスへの電力を調節するための第3の方策が、初期直流電圧を調節するステップを含んでいてもよい。
【0044】
初期直流電圧を調節することは、例えば、任意のタイプ、例えば線形、スイッチング、さらには他のもののDC/DCコンバータによって得られるものである。
【0045】
前述の場合でのように、この方策もまた、例えば実際に伝達された電力のフィードバック制御によって、充電デバイスに伝達することが所望される電力の所定の基準値を基礎として電圧を調節することを含み得る。
【0046】
この第3の方策は、前述の方策の1つもしくは複数の代わりに、またはそれらと組み合わせて実装され得る。
【0047】
本発明の異なる態様は、初期直流電圧を生成することに関係する。
【0048】
この直流電圧は実際には、直流電圧生成器、例えば電池によって生成され得るものであり、または、例えば共用の配電網により提供される交流型の電圧を整流するステップにより生成され得る。
【0049】
本発明の異なる態様では、各キャパシタの第1のアーマチュアが、ユーザ・デバイス上に設置され、一方で、各電気的キャパシタの第2のアーマチュアが、ユーザ・デバイスとは分離され独立している供給デバイス上に設置され、前記方法が、前記ユーザ・デバイスを、その各々に設置された前記アーマチュアが同一のガルバニック絶縁キャパシタを実現するように供給デバイスに近付けるステップを含む。
【0050】
本発明のこの態様は、供給デバイスとユーザ・デバイスとの間で、容量性の方法で、ワイヤレスで、電力を伝達するための方法を描写するものであり、すなわちそのユーザ・デバイスは、機能するために、またはそのユーザ・デバイスの内部電池を充電するために、電気的に供給され得る。
【0051】
このようにして、一方および他方に設置されたアーマチュアが、本明細書で、上記で説明したキャパシタを実現するように、ガルバニック接触なしで、例えばセル電話などの電気的/電子デバイスに、そのデバイスを供給デバイス上に単に置くことにより供給することが可能である。
【0052】
本発明のさらなる実施形態は、電気的負荷に電力を伝達するための装置であって、少なくとも1対の電気的キャパシタと、直流電圧を電圧波に変換する手段と、前記キャパシタへの入口で前記電圧波を付与する手段と、前記キャパシタからの出口で前記電圧を前記電気的負荷に供給する手段と、を備えた電気的負荷への電力伝達装置を開示する。
【0053】
本発明のこの実施形態は、本質的には、本明細書で、上記で説明した電力の伝達方法を遂行すること、したがって関係のある利点を得ることを可能にする装置を提供する。
【0054】
特に2つのキャパシタの存在によって、一次回路と二次回路との間のガルバニック絶縁、さらには、充電デバイスに供給するのに十分である電力を伝達すること、同時に、変圧器の、ならびに、従来技術で使用されている能動素子およびリアクタンス素子での漏電の問題を解決することを保証することが可能である。
【0055】
本発明の態様では装置は、前記キャパシタからの出口で電圧波を整流する手段もまた備え得る。
【0056】
本発明のこの実施形態は、充電デバイスが直流電圧を供給されることになるときに有利である。
【0057】
本発明のさらなる態様では、直流電圧を電圧波に変換する手段が、少なくとも、能動スイッチ、例えばトランジスタ(MOSFET、BJT、IGBT等)と、交互に能動スイッチをオン(すなわち飽和)およびオフ(すなわち抑制)にスイッチするのに適した電気的パイロット信号を生成するための手段(ドライバ)と、が設けられるスイッチング回路を備え得る。
【0058】
より詳細には、好ましくは固定の、好ましくは最小で低い電位(接地)に関係する、1つだけの能動スイッチ、例えば1つのトランジスタのみ(MOSFET、BJT、IGBT等)を利用するスイッチング回路が使用される場合があり、そのことは、信頼性が高く、容易に制御可能であり、および経済的である非常に単純な解決策を表す。あるいは、例えば、関係のあるドライバとともに2つ以上の能動スイッチを備える、他のタイプのスイッチング回路が使用される場合がある。
【0059】
スイッチング回路(すなわち、そのスイッチング回路を編成する電気的構成要素)は、電圧波がキャパシタに付与されるということのみが大切であるので、ガルバニック絶縁キャパシタの上流、または、そのガルバニック絶縁キャパシタの下流、すなわち、ガルバニック絶縁キャパシタと充電デバイスとの間のいずれかに物理的に位置させられる場合があるということがさらに明示される。
【0060】
この文脈でもまた、すべての既知のスイッチング回路が、漏電の程度が適度な高電力電圧波を生成することが可能であるとは限らないということを述べることには、それだけの価値がある。
【0061】
例えば、一部の典型的なスイッチング回路はフローティング・トランジスタを利用し、したがってそのフローティング・トランジスタは、高レベルの動的な漏電を伴う、本来低速のブートストラップ回路またはハード・スイッチング回路が設けられたドライバを必要とし、それらが実際には、最大スイッチング周波数を、したがって、生成される電圧波の周波数を制限する。
【0062】
この理由で、本発明の好適な態様では、直流電圧の、電圧波への変換手段は、能動スイッチの各々の遷移ステップ、すなわち、オフからオンへ、およびオンからオフへの両方の間に、スイッチング回路の能動スイッチにより放散される電力(電圧および/または電流)を実質的に零値に低下させるように調節される、例えばほぼ共振する、または共振する、リアクタンス回路もまた備える。
【0063】
リアクタンス回路は、相互に特別に接続される、1つまたは複数のコンデンサおよび1つまたは複数のインダクタを備える電気回路である。リアクタンス回路を調整することは、それぞれ容量および電気的インダクタンスの点から、コンデンサおよびインダクタを設定(dimensioning)することにある。
【0064】
本発明のこの態様では、直流電圧の電圧波への変換手段は、実際上は、スイッチング回路およびリアクタンス回路の両方を考慮して、e、f、e/f等々の級の増幅器の回路と融合可能である(assimilable)回路図を備える。
【0065】
これにより、能動スイッチのスイッチング・サイクルの間の漏電が少なからず抑えられ、これにより、これらのサイクルの周波数の、したがって、それらのサイクルにより生成される電圧波周波数の増大が行われるということが可能になり、その結果、同じ付与される電圧が与えられるとして、送信される電力が増大され得るものであり、または、同じ送信される電力が与えられるとして、付与される電圧が低下させられ得る。
【0066】
電圧の周波数を増大することは、送信されることになる同じ電力が与えられるとして、すべてのリアクタンス構成要素、および特にガルバニック絶縁キャパシタの寸法を低減することが可能である利点をもたらす。
【0067】
本発明の態様ではリアクタンス回路は、電圧波を、充電デバイスに向けて通過するように、その電圧波の基本周波数の少なくとも1つを残してフィルタリングするように調整され得る。
【0068】
50%のデューティ・サイクルを有する矩形波電気信号を用いてスイッチング回路の能動スイッチを案内する場合を考慮すると、リアクタンス回路は、生成された電圧の第1の基本周波数が通過することを可能にするように構設され得るものであり、その場合、電圧波の生成手段は、e級増幅器と融合可能であることになる。あるいはリアクタンス回路は、電圧波の第3の基本周波数、および/または、他のより大きな高調波が通過することを可能にするように構設され得るものであり、その場合、電圧波の生成手段は、f級増幅器と融合可能であることになる。これに対して、リアクタンス回路が、e/f級増幅器等々と同様の挙動によって、より高い周波数の基本周波数が通過することを可能にする、または、同時にいくつかの周波数が通過することを可能にするような方途で構設されるということが可能である。
【0069】
本発明のこの態様には、充電デバイスへの電力の伝達を改善する、および、放散されるエネルギーを最小限に抑える利点がある。
【0070】
この点で、リアクタンス回路を規定する電気的構成要素は、すべてがガルバニック絶縁キャパシタの上流に、または、すべてがそのガルバニック絶縁キャパシタの下流に、もしくは、ガルバニック絶縁キャパシタと充電デバイスとの間に物理的に位置させられる場合があり、あるいはそれらの電気的構成要素は、部分的にガルバニック絶縁キャパシタの上流に、および部分的にそのガルバニック絶縁キャパシタの下流に分散させられる場合があり、ただしこのことは、このことが効果を修正することなく行われるということが明示される。
【0071】
さらにガルバニック絶縁キャパシタは、リアクタンス回路の一体部品である場合さえあり、または、そのリアクタンス回路から独立している場合がある。
【0072】
さらに本発明の態様は、充電デバイスに送信される電力が変動させられ得る方途に関係する。
【0073】
これらの態様の1つでは装置は、電気的パイロット信号を制御するための手段を備え得るものであり、制御手段が、前記能動スイッチの1つまたは複数の連続的なオンおよびオフに切り替えるサイクルを防止または変更するように、前記電気的パイロット信号の生成を中断または修正するように構成される。
【0074】
抑制されるサイクルの間、電気的負荷は供給されず、システムは自由減衰振動モードによって振動し続ける。もたらされるサイクルの間、充電デバイスは代わりに供給され、システムは強制振動モードによって振動する。
【0075】
先に解説したように、本発明のこの態様には、伴う漏電が非常に小さく効率が高い、充電デバイスに送信される全体としての電力の変動を可能にする利点がある。
【0076】
より詳細には本発明の態様は、制御手段が、負荷に伝達されることになる電力に特有である電気的パラメータの所定の基準値を基礎として、抑制されるサイクルの数および/または周波数(すなわち、パイロット信号の中断の継続期間、および/または、用いることで中断が場合によっては反復され得る周波数)を調節するように構成されるという可能性を含む。
【0077】
電力に特有である上記の電気的パラメータは、電力自体である場合があり、または、充電デバイスの供給電圧、もしくは場合によっては充電デバイスに送信される供給電流である場合がある。
【0078】
このようにして、有利には、供給されることになる特定の充電デバイスによって修正され得る、上記で述べた基準値を達成するような方途で、充電デバイスに送信される電力に特有な電気パラメータを調節することが可能である。
【0079】
さらにより詳細には、制御手段が、適切なセンサを使用して、例えば、低電圧での二次側が元になるフィードバック信号を生成するのに適したセンサによって、または、基にして充電デバイス上の電力が間接的に算出され得る一次側上の1つもしくは複数の電圧および/または電流の値を測定するのに適したセンサを使用して、電力に特有な上記で述べた電気パラメータを測定するように、次いで、電力に特有な電気的パラメータの測定結果と所定の基準値との間の差を算出するように、および、差を最小化するように、抑制されるオンおよびオフにスイッチするサイクルの数および/または周波数を調節するようになどで構成され得る。
【0080】
制御手段に加えて、またはその制御手段の代わりに、装置は、電気的負荷に並列に設定される電気的線路上に電圧波を一時的に偏移させるための手段を備え得る。
【0081】
電圧波が電気線路上に偏移させられるとき、充電デバイスは供給されず、そのことによって、その充電デバイスに送信される電力が全体として低減される。
【0082】
電圧波を偏移させるための手段は、例えば、第2の能動スイッチ、例えばトランジスタ、電気線路に沿って第2の能動スイッチに直列に配置構成される第3の電気キャパシタ、および、交互に第2の能動スイッチをオン(すなわち飽和)およびオフ(すなわち抑制する)にスイッチするための電気的パイロット信号を生成するための手段(ドライバ)を備え得る。
【0083】
第3の電気キャパシタは、第2の能動スイッチがオンである(すなわち飽和である)ときに、充電デバイスに対して短絡回路とみなされるのに十分に高い値を有さなければならない。
【0084】
これにより、第2の能動スイッチがオンであるとき、キャパシタにより伝達される電気エネルギーが制御容量上に偏移させられ、一方でその第2の能動スイッチがオフであるとき、充電デバイスがすべてのエネルギーを吸収する。
【0085】
第2の能動スイッチがオンであるとき、回路内で交換される無効電力のみが存在し、一方でその第2の能動スイッチがオフであるとき、エネルギーが充電デバイスに伝達されるので、システムの効率が絶えず高くあり得るということは注目すべきである。
【0086】
第2の能動スイッチの電気パイロット信号はPWM信号等々であり得るものであり、そのことによって、充電デバイスに送信される電力は、電気パイロット信号のデューティ・サイクルに比例する。
【0087】
第2の能動スイッチのパイロット信号は、スイッチング回路の能動スイッチのパイロット信号とは無関係であることに留意されたい。
【0088】
本発明の態様は、装置が、充電デバイスに伝達されることになる電力に特有である電気パラメータの所定の基準値を基礎として、偏移ステップの継続期間、および/または、用いることで偏移ステップが最終的に反復される周波数を調節するための手段を備えるという可能性を含む。
【0089】
この場合でもまた、電力に特有な電気パラメータは、電力自体である場合があり、または、供給充電の電圧、もしくは充電デバイスに送信される供給電流である場合さえある。
【0090】
この方途では有利には、供給されることになる特定の充電デバイスによって修正され得る基準値を達成するような方途で、充電デバイスに送信される電力に特有な電気パラメータを調節することが可能である。
【0091】
調節手段は例えば、先に述べた第2の能動スイッチの電気パイロット信号のデューティ・サイクルを調節するように構成される制御回路を備え得る。
【0092】
より詳細には、制御回路が、電力に特有な上記で述べた電気パラメータを測定するように、電力に特有な電気パラメータの測定結果と所定の基準値との間の差を算出するように、および、差を最小化するように、第2の能動スイッチの電気パイロット信号のデューティ・サイクルを調節するように構成され得る。
【0093】
この調節システムは非常にリアクタンス性であること、および、出力電圧上のリップルが非常に小さくなり得ることに留意されたい。実際には、電圧波生成回路(例えば、eまたはfまたはe/f級)の作動周波数が非常に高いことを考慮して、制御回路は、電圧波生成回路の作動周波数とは無関係に任意の周波数で、したがって必要であれば高い周波数でもまた(MHzまたは数百kHzでさえも)、上に述べたようにリップルが非常に小さい状態で作動することが可能である。
【0094】
この機能図のさらなる利点は、二次側に位置する制御回路が、一次回路に対して完全に独立しているということである。
【0095】
このことによって、全体の制御処理が低電圧回路側の側で行われるので、一次側から二次側へのフィードバック信号のさらなる高価な送信回路(典型的には、いかなる場合でもガルバニック絶縁を保証する、一次または二次のフィードバック信号の、光アイソレータまたは別の伝達手段)を不要にすることが可能になる。
【0096】
やはり負荷に送信される電力を調節するために、装置は、上記で説明した手段に加えて、またはその手段の代わりに、初期直流電圧を調節するための手段を備え得る。
【0097】
調節手段は、例えば、スイッチング回路の上流に位置するDC/DCコンバータ、例えば線形、スイッチング、または任意の他のタイプのDC/DCコンバータを備え得る。
【0098】
前述の場合でのように、本発明のこの態様は、例えばフィードバック制御図によって、電気的負荷に伝達されることになる電力に特有な電気パラメータ(電力自体、充電デバイスの供給電圧、または充電デバイスの供給電流)を基礎として、電圧を調節するような方途で構成される電圧調節手段もまた備え得る。本発明の異なる態様は、初期直流電圧を生成することに関係する。
【0099】
本発明の態様では装置は、電圧波を生成する変換手段に供給するための、直流電圧生成器、例えば電池を備え得る。
【0100】
この場合では装置全体が、実際にはDC/DCコンバータの部類に入ることになる。
【0101】
あるいは装置は、交流電圧を直流電圧に整流するための、および、電圧波を生成するためのコンバータ手段に直流電圧を供給するなどの、交流電圧源、例えば共用の配電網に接続可能である、出力リップルを低減するためのフィルタを伴う、整流器手段、例えばダイオード・ブリッジ整流器を備え得る。
【0102】
第2の場合では、装置全体が、実際にはAC/DCコンバータの部類に入る。
【0103】
本発明の実施形態では、ガルバニック絶縁キャパシタの各々が事前組立の構成要素、すなわちコンデンサである場合があり、したがってキャパシタが同じデバイス内に設置される場合がある。
【0104】
この実施形態は、装置全体が、実際には、例えば供給または再充電されなければならない電気/電子デバイスなどの電気的負荷に、電気ケーブルを介して接続され得る、(単一の構成要素を意味すると解される)コンバータを構成するようなものである。
【0105】
あるいは本発明のさらなる実施形態では、装置は、ユーザ・デバイス、および、ユーザ・デバイスとは別々であり独立している供給デバイスを備え、ユーザ・デバイスは、ガルバニック絶縁キャパシタの各々の第1のアーマチュアを備え、一方で供給デバイスは、キャパシタの各々の第2のアーマチュアを備える。
【0106】
本発明のこの実施形態では、装置は、供給デバイスとユーザ・デバイスとの間で、容量性の方途で、およびワイヤレスで、電力を伝達するのに適したものとなり、そのユーザ・デバイスは、機能することが可能であるように、またはそのユーザ・デバイスの内部電池を充電するために、電気的に供給される。
【0107】
特にユーザ・デバイスは、受信デバイスに、および放出デバイスに設置されたアーマチュアが、本明細書で、上記で説明したガルバニック絶縁キャパシタを実際に実現するように、供給デバイス上に単に置くことにより供給または再充電され得る、例えばセル電話、コンピュータ等々のような任意の電気/電子デバイスであり得る。
【0108】
本発明のさらなる特性および利点が、図面の付随する一覧で説明する図の助力によって、非限定的な例として提供する以下の説明を読むことで明らかになろう。