(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記脛骨部品形成用モールドアセンブリの脛骨と対向する面は、織り目加工が施された面を有することを特徴とする請求項1に記載のセメントモールドアセンブリの組み合わせ。
前記脛骨部品形成用モールドアセンブリの前記第1モールド部材と前記第2モールド部材とのいずれか一方は、目盛りを有することを特徴とする請求項1または2に記載のセメントモールドアセンブリの組み合わせ。
前記内側壁は、シリコーンよりも剛性の高い材料を含む外層に連結する、シリコーンを含む内層を有し、前記剛性の高い材料は、任意でポリカーボネート、ポリアミド、コポリエステルのうちのいずれかによって形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリの組み合わせ。
脛骨部品の脛骨トレイと主に接触する関節面の部分の側方位置において、ただし前記側方位置というのは任意ではあるが、前記大腿骨部品形成スペースに通ずる注入ポートを備える連結部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリの組み合わせ。
前記髄内管部品形成用モールドアセンブリの前記髄内管部品形成スペースは、細長い円筒状のモールドスペースと、一端部に、寸法が小さく軸方向に伸びるスペースとを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリの組み合わせ。
前記髄内管部品形成用モールドアセンブリは、形成されるステム部品を細長い骨内スペースに挿入するのを容易にするため、前記一端部の反対の端部において、丸みを帯びた面を有することを特徴とする請求項6に記載のセメントモールドアセンブリの組み合わせ。
前記髄内管部品形成用モールドアセンブリの前記細長い柔軟性部材は少なくとも半透明であり、前記柔軟性部材を通してX線写真が透けて見えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリの組み合わせ。
前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリと、前記大腿骨部品形成用モールドアセンブリと、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリとにそれぞれ設けられたポートを通して、抗生物質混入骨セメントを、前記脛骨膝部品形成スペースと、前記大腿骨部品形成スペースと、前記髄内管部品形成スペースとに注入するステップと、
前記モールドセンブリのそれぞれにおいて、前記抗生物質混入骨セメントが硬化したら、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリからは脛骨膝部品を、前記大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリからは大腿骨膝部品を、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリからは髄内管部品をそれぞれ取り出すステップと、をさらに含む請求項9に記載の方法。
前記脛骨膝部品を取り除くステップは、突起部を有するネジ状の取り外し器具を、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリのネジ状の前記ポートにねじ込み、前記脛骨膝部品を押すことで、前記脛骨膝部品を前記モールド部材のうちの一つから引き離すステップを含む請求項10に記載の方法。
前記抗生物質混入骨セメントが硬化する間、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリをX線写真の上に置き、前記X線写真が示す患者の髄内管の実際の構造に適合するように、前記細長い柔軟性部材を曲げるステップをさらに含む請求項9乃至11のいずれか一項に記載の方法。
前記髄内管部品形成スペースは、細長い円筒状のモールドスペースと、前記髄内管部品の端部における摘み部分を形成するための、寸法が小さく軸方向に伸びるスペースとを含み、前記摘み部分を摘むことで、患者の髄内管から前記髄内管部品を取り除くことができることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の方法。
前記髄内管部品形成用モールドアセンブリから取り外した前記髄内管部品の末端部と、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリから取り外した前記脛骨膝部品と前記大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリから取り外した前記大腿骨膝部品との二つのうちのいずれか近い方との間に、柔らかい状態の骨セメントを配置するステップをさらに含む請求項9乃至13のいずれか一項に記載の方法。
前記第1モールド部材は、前記ステム形成スペースを画定し、また脛骨ベアリング形成面を有し、前記第2モールド部材は、脛骨トレイ形成面を有することを特徴とする請求項15に記載のセメントモールドアセンブリ。
前記第1モールド部材は脛骨トレイ形成面を有し、前記第2モールド部材は、脛骨ベアリング形成面と、前記ステム形成スペースを画定するカニューレ部分とを有することを特徴とする請求項15に記載のセメントモールドアセンブリ。
前記第1及び第2モールド部材の外側に、第1プレート及び第2プレートがそれぞれ配置され、前記第1及び第2プレートは少なくとも2本のロッドによって連結され、前記第1プレートが前記第2プレートに対して選択的・段階的に位置調整されることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリ。
前記第2モールド部材を前記第1モールド部材の前記スペースへと段階的に挿入していくと、前記第1及び第2モールド部材の少なくともいずれか一つに設けられた注入ポートから、前記脛骨部品形成スペース内のセメントが押し出されることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリ。
前記第2モールド部材を前記スペースへと段階的に挿入する前に、前記スペース内に少なくとも部分的に配置され、前記脛骨部品に一体的に組み込まれる強化部材を含むことを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリ。
前記強化部材は、前記プラットフォーム形成スペースに収容され、前記第1閉端部にほぼ対向する第1横部と、前記ステム形成スペースに収容される第2長手部を有することを特徴とする請求項20に記載のセメントモールドアセンブリ。
前記脛骨膝部品形成スペース内に抗生物質混入骨セメントを注入するためのネジ状入口ポートと、突起部を有するネジ状取り外し器具とをさらに備え、前記突起部は、前記取り外し器具が前記入口ポートにねじ込まれると、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリの前記ネジ状ポートを通り、前記モールド部材のうちの一つから前記脛骨膝部品を押して引き離すことを特徴とする請求項15乃至22のいずれか一項に記載のセメントモールドアセンブリ。
【発明の概要】
【0005】
このセクションは本開示内容の要約となるが、その全範囲や全特徴を網羅するわけではない。
【0006】
感染箇所に抗生物質を投与するための仮インプラントを形成するセメントモールドアセンブリは、第1モールドと第2モールドとを含む。第1モールドは、開端部と内壁とを有することができる。第1モールドは、プラットフォーム形成スペースとステム形成スペースとを含む脛骨部品形成スペースを画定することができる。第2モールドは、前記閉端部の方向に向かって前記内壁に支えられながら前記脛骨部品形成スペース内へと段階的に摺動される胴部を有することができる。第2モールドを前記脛骨部品形成スペース内へと段階的に挿入することで、前記脛骨部品形成スペース内のセメントを、前記胴部と前記内壁に押し付け、前記プラットフォーム形成スペースによって形成される脛骨トレイ部と、前記ステム形成スペースによって形成されるステム部とを一体的に有する脛骨部品が形成される。
【0007】
他の特徴によれば、第1モールドは、前記開端部の反対側に位置するポートを有し、セメントをそこから受け入れることができる。前記セメントモールドアセンブリは、前記第1及び第2モールドのそれぞれの外側に、第1プレートと第2プレートとをさらに備えることができる。また、前記セメントモールドアセンブリは、前記第1及び第2プレートを連結する少なくとも2つのロッドをさらに備えることができる。前記ロッドと前記第1及び第2プレートは、選択的・段階的に位置調整が可能である。前記第2モールドが前記脛骨部品形成スペースへ段階的に挿入されると、前記第1及び第2プレートは段階的に互いに接近する。前記ロッドは、前記第1及び第2プレートのうちの一つの対向面と係合する歯部を有することができる。第2モールドの胴部は、脛骨ベアリング面にほぼ相当する形状を有することができる。第1モールドは、シリコーンで形成することができる。第2モールドは、シリコーンで形成することができる。
【0008】
感染箇所に抗生物質を投与するための仮インプラントを形成する他のセメントモールドアセンブリは、第1モールドと第2モールドとを含む。第1モールドは、第1閉端部と、第2開端部と、側壁とを有することができる。第1モールドは、その中にスペースを画定することができる。第2モールドは、基部と、そこから伸びるカニューレ部材とを有することができる。前記基部は、第2モールド部材が第1閉端部の方向に向かって前記側壁に支えられながら前記スペース内へと段階的に摺動されるように、第1モールド部材の前記側壁を補完する面を有することができる。第2モールドを前記スペース内へと段階的に挿入していくと、前記スペース内のセメントが前記カニューレ部材へと流れる。第1モールドと第2モールドとを共に使用することで、前記スペースによって形成される脛骨トレイ部と、前記カニューレ部材によって形成されるステム部とを一体的に有する脛骨部品を得ることができる。
【0009】
他の特徴によれば、上記のセメントモールドアセンブリは、第2モールドを前記スペース内へと段階的に挿入する前に、前記スペース内に少なくとも部分的に配置される強化部材をさらに有することができる。強化部材は、前記脛骨部品の一部として組み込まれる。また、強化部材は、第1閉端部にほぼ対向する第1横部と、カニューレ部材に収容される第2長手部とを有することができる。カニューレ部材は、おおむね長方形の断面図を有することができる。第2モールドの基部は、織り目加工の面を有することができる。第1モールドの側壁は、目盛りを備えることができる。第1モールドはシリコーンで形成することができる。第2モールドはポリエチレンで形成することができる。強化部材は、生体適合性金属で作製することができる。
【0010】
さらに他の特徴によれば、感染箇所に抗生物質を投与するための仮インプラントを形成するセメントモールドアセンブリは、共同でスペースを画定する外側壁と内側壁とを有するモールド胴部を備えることができる。前記内側壁は、仮インプラントの形状を決定する際に動かすことができる。モールド胴部は、関節部形成部とステム形成部とを含むことができる。関節部形成部とステム形成部は、共同で、関節部形成部によって形成される関節部と、ステム形成部によって形成されるステム部とを一体的に有する大腿骨部品を形成することができる。
【0011】
他の特徴によれば、前記ステム形成部は、前記関節部形成部に対して取り外し可能に連結することができる。また、前記ステム形成部は、前記関節部形成部に対して螺合することができる。さらに、前記ステム形成部は、第1ネジ溝を有する第1端部と、第2ネジ溝を有する第2端部とを有することができる。第1ネジ溝は前記関節部形成部に対して螺合することができる。第2ネジ溝はセメント供給装置と螺合することができる。前記胴部は通気孔を備えることができる。他の特徴によれば、前記スペース内に、強化部材を少なくとも部分的に配置することができる。強化部材は、前記大腿骨部品の一部として組み込むことができる。
【0012】
感染箇所に抗生物質を投与するための仮インプラントを形成する方法は、インプラント胴部形成スペースとインプラントステム形成スペースとを含むインプラント形成スペースを画定する第1モールドを用意するステップを含む。さらに、第2モールドも用意する。インプラント形成スペースには流体を注入することができる。第1及び第2モールドの少なくともいずれか一方を他方に近づけることで、第1モールドに対して流体を押し付けることができる。流体が硬化した後、完成した仮インプラントを第1モールドから取り外すことができる。仮インプラントは、インプラント胴部形成スペースとインプラントステム形成スペースとのそれぞれによって形成されるインプラント胴部とインプラントステムとを一体的に有する。
【0013】
前記インプラント形成スペースは、脛骨部品形成スペースを含むことができる。他の特徴によれば、前記インプラント形成スペースは大腿骨部品形成スペースを含むこともできる。さらに他の特徴によれば、前記方法は、第1プレートに設けられた接続ポートに対して、流体供給装置を螺合するステップをさらに含むことができる。第1及び第2モールドの少なくともいずれか一方を他方に近づける前記ステップは、ロッドから伸びる歯部を第2プレートに対して段階的に係合させるステップを含むことができる。
【0014】
本発明は、さらに、3つの個別のセメントモールドアセンブリの組み合わせを提供する。それぞれのアセンブリは、膝の感染箇所に抗生物質を投与するための仮の膝インプラント部品を形成する。脛骨膝部品形成用モールドアセンブリは、第1モールド部材に収容される第2モールド部材を有し、それら2つのモールド部材の間には脛骨部品形成スペースが画定される。脛骨部品形成スペースは、脛骨トレイ面と、脛骨ベアリング面と、任意でステム部とを画定する。第2モールド部材は、係合部材を通じて、脛骨部品形成スペースが取り得る複数の厚さのうちの所望の厚さが得られるまで、第1モールド部材に対して選択的・段階的に位置調整される。大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリは、大腿骨と対向する面の形状を定める内側壁と、脛骨部品の脛骨トレイと接触する関節面の形状を定める外側壁との間に形成される大腿骨部品形成スペースを有する。髄内管部品形成用モールドアセンブリは、細長い柔軟性部材によって画定される細長い髄内管部品形成スペースを有し、該柔軟性部材は、患者の髄内管に適合するように該スペースの調整を可能にする。
【0015】
他の特徴によれば、前記脛骨部品形成用モールドアセンブリの脛骨と対向する面は、織り目加工の面を有することができる。前記脛骨部品形成用モールドアセンブリの第1及び第2モールド部材のうちの一つは、目盛りを備えることができる。前記内側壁は、シリコーンよりも剛性の高い材料を含む外層に連結する、シリコーンを含む内層を有し、該剛性の高い材料は、任意でポリカーボネート、ポリアミド、コポリエステルのうちのいずれかによって形成される。ネジ状連結部を設けることで、脛骨部品の脛骨トレイと主に接触する関節面の部分の側方位置において、ただし前記側方位置というのは任意ではあるが、前記大腿骨部品形成スペースに通ずる注入ポートが得られる。
【0016】
他の特徴によれば、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリの前記髄内管部品形成スペースは、細長い円筒状のモールドスペースと、末端部の一つにおける、寸法が小さく軸方向に伸びるスペースとを含むことができる。また、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリは、前記末端部の一つとは反対側の挿入側端部において、丸みを帯びた面を有することができる。それにより、形成されたステム部品を細長い骨内スペース内に挿入することが容易になる。前記髄内管部品形成用モールドアセンブリの前記柔軟性部材は、少なくとも該柔軟性部材を通してX線写真が透けて見えるほどに半透明にすることができる。
【0017】
仮の膝インプラントを作製し、感染箇所に抗生物質を投与する他の方法は、第1モールド部材と第2モールド部材とを有する脛骨膝部品形成用モールドアセンブリを用意するステップを含む。第2モールド部材が第1モールド部材に挿入されることで、脛骨プラットフォーム形成部と、任意でステム形成部とを含む脛骨膝部品形成スペースが画定される。プラットフォーム形成部の所望の厚さが得られるまで、第1及び第2モールド部材の係合部材を連続的に係合させ、第1及び第2モールド部材の少なくともいずれか一方を他方に近づける。該方法は、大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリを用意するステップをさらに含む。大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリは、大腿骨と対向する面の形状を定める内側壁と、脛骨膝部品の脛骨トレイと接触する関節面の形状を定める外側壁との間に形成される大腿骨部品形成スペースを有する。該方法は、髄内管部品形成用モールドアセンブリを用意するステップをさらに含む。髄内管部品形成用モールドアセンブリは、細長い柔軟性部材によって画定される細長い髄内管部品形成スペースを有し、該柔軟性部材は、患者の髄内管に適合するように該スペースの調整を可能にする。
【0018】
他の特徴によれば、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリと、前記大腿骨部品形成用モールドアセンブリと、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリのそれぞれに設けられたポートを通じて、前記脛骨膝部品形成スペースと、前記大腿骨部品形成スペースと、前記髄内管部品形成スペースのそれぞれに、抗生物質混入骨セメントを注入することができる。それぞれのモールドアセンブリ内で抗生物質混入骨セメントが硬化したら、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリからは脛骨膝部品を、前記大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリからは大腿骨膝部品を、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリからは髄内管部品をそれぞれ取り出すことができる。脛骨膝部品を取り外すステップは、突起部を有するネジ状取り外し器具を前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリのネジ状ポートにねじ込み、前記モールド部材のうちの一つから脛骨膝部品を押して引き離すステップを含むことができる。
【0019】
他の特徴によれば、骨セメントの硬化中、前記髄内管部品形成用モールドアセンブリをX線写真の上に置いて、X線写真が示す特定患者の髄内管の実際の構造に適合するように、前記細長い柔軟性部材を曲げることできる。前記髄内管部品形成スペースは、細長い円筒状のモールドスペースと、前記髄内管部品の端部における摘み部分を形成するための、寸法が小さく軸方向に伸びるスペースとを含むことができ、前記摘み部分を摘むことで、患者の髄内管から前記髄内管部品を取り除くことができる。前記髄内管部品形成用モールドアセンブリから取り外した前記髄内管部品の末端部と、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリから取り外した前記脛骨膝部品と前記大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリから取り外した前記大腿骨膝部品の二つのうちのいずれか近い方との間に、柔らかい状態の骨セメントを配置し、それら二つの部品を連結することができる。前記髄内管部品形成用モールドアセンブリから形成された髄内管部品を患者の髄内管に挿入し、該髄内管部品に対して、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリから取り除かれた前記脛骨膝部品と、前記大腿骨膝部品形成用モールドアセンブリから取り除かれた前記大腿骨膝部品のうちいずれか近い方を、患者の実際の体内構造に適合するように、相対的な前後の位置関係、または内外の位置関係、またはその両方に従って配置することができる。
【0020】
感染箇所に抗生物質を投与するための仮の膝インプラント部品を形成する別のセメントモールドアセンブリは、第1閉端部と、第2開端部と、側壁とを有し、スペースを画定する第1モールド部材を有することができる。第2モールド部材は基部を有する。該基部は、第2モールド部材が第1閉端部の方向に向かって側壁に支えられながら前記スペース内へと段階的に摺動されるように、第1モールド部材の側壁を補完する面を有しており、それによって、ステム形成スペースとプラットフォーム形成スペースとを含む脛骨膝部品形成スペースを画定する。第1モールド部材と第2モールド部材の係合部材の互いに係合させることで、第2モールド部材に対する第1モールド部材の段階的な位置調整が可能になり、結果として、プラットフォーム形成スペースの所望の厚さが得られる。
【0021】
他の特徴によれば、前記第1モールド部材は、前記ステム形成スペースを画定し、また脛骨ベアリング形成面を有し、前記第2モールド部材は、脛骨トレイ形成面を有することができる。代替的に、前記第1モールド部材は脛骨トレイ形成面を有し、前記第2モールド部材は、脛骨ベアリング形成面と、前記ステム形成スペースを画定するカニューレ部分とを有することができる。前記第1及び第2モールド部材の外側に、第1プレート及び第2プレートをそれぞれ配置することができる。前記第1及び第2プレートは少なくとも2本のロッドによって連結することができ、前記第1プレートが前記第2プレートに対して選択的・段階的に位置調整される。
【0022】
前記第2モールド部材を前記第1モールド部材の前記スペースへと段階的に挿入していくと、前記第1及び第2モールド部材の少なくともいずれか一つに設けられた注入ポートから、前記脛骨部品形成スペース内のセメントが押し出される。前記セメントモールドアセンブリは、前記第2モールド部材を前記スペースへと段階的に挿入する前に、前記スペース内に少なくとも部分的に配置され、前記脛骨部品に一体的に組み込まれる強化部材を備えてもよい。前記強化部材は、前記プラットフォーム形成スペースに収容され、前記第1閉端部にほぼ対向する第1横部と、前記ステム形成スペースに収容される第2長手部を有することができる。
【0023】
他の特徴によれば、前記第2モールド部材の前記基部は、織り目加工の端面を有することができる。前記第1モールド部材の前記側壁には目盛りが設けられていてもよい。前記セメントモールドアセンブリは、前記脛骨膝部品形成スペース内に抗生物質混入骨セメントを注入するためのネジ状インレットポートと、突起部を有するネジ状取り外し器具とをさらに備えることができる。前記突起部は、前記取り外し器具が前記インレットポートにねじ込まれると、前記脛骨膝部品形成用モールドアセンブリの前記ネジ状ポートを通り、前記モールド部材のうちの一つから前記脛骨膝部品を押して引き離すことができる。
【0024】
感染箇所に抗生物質を投与するために使われる仮の膝インプラントの部品を形成する別の方法は、第1閉端部と、第2開端部と、側壁とを有し、スペースを画定する第1モールド部材を用意するステップを含む。また、前記第1モールド部材の前記側壁を補完する面を含む基部を有する第2モールド部材を用意する。前記第2モールド部材が前記第1閉端部の方向に向かって前記側壁に支えられながら前記スペース内へと段階的に摺動されるように、前記第2モールド部材の前記基部を、前記第1モールド部材の前記スペース内に挿入し、ステム形成スペースとプラットフォーム形成スペースとを含むインプラント形成スペースを画定する。さらに、前記第1及び第2モールド部材の係合部材を連続的に係合させることで、前記第1及び第2モールド部材うちの少なくとも一方を、他方へと押し進める。前記プラットフォーム形成スペースの所望の厚さが得られたら押し進めることを止める。また、前記インプラント形成スペースには流体が注入される。前記流体の硬化後に、前記インプラント胴部形成スペースと前記インプラントステム形成スペースのそれぞれによって形成される脛骨インプラント胴部とインプラントステムを一体的に有する仮インプラントを、前記第1モールド部材から取り外す。
【0025】
他の特徴によれば、前記インプラント形成スペースは脛骨膝部品形成スペースを含むことができる。また、前記インプラント形成スペースは大腿骨部品形成スペースを含むこともできる。また、前記インプラント形成スペースに通ずる接続ポートに流体供給装置を螺合することもできる。前記インプラント形成スペースに流体を注入する前記ステップは、前記押し進めるのを止めるステップの事前に行われ、押し進めるのを止めると、前記第1及び第2モールド部材の少なくともいずれか一つに設けられた注入ポートから、前記流体が流出する。
【0026】
他の適用可能な分野は、下記の説明において明らかになるであろう。このセクションでの説明や具体例は、例示を目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【0027】
添付の図面は、好ましい実施形態の例示のみを目的としており、可能な全ての実施方法を示しているわけではない。また、図面は、本開示の範囲を制限するものでもない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
いくつかの図面において使用される同じ参照番号は、同じ構成部品を表している。
【0030】
以下、本発明の実施形態を添付の図を参照して詳述する。
【0031】
整形外科手術で使用される仮インプラントを作製するためのセメントモールドに関わる、以下の実施形態の説明は、本質的に単に例示を目的としたものであり、本開示や、発明の適用・使用を制限するものではない。また、以下では、本発明を膝関節用のセメントモールドを例として詳述するが、本発明が膝関節用のセメントモールドだけに限定されるのではなく、他の整形外科手術のための他の様々な箇所において適用されうることは当業者には理解されよう。よって、本発明及び請求項は、適切であれば、人体のいかなる骨にも適用可能であることが理解されよう。また、本明細書中で使用される「スペーサー」と「仮インプラント」という言葉は、同じ部品を指すものとして理解されたい。なお、この「発明の詳細な説明」のセクションの最後に、本発明の技術を理解するための一助となる、用語や表現の非限定的な説明を加えた。
【0032】
図1乃至
図5を参照すると、感染箇所に抗生物質を供給する仮インプラントを形成するためのセメントモールドアセンブリが示されており、これを図を通して参照番号10で示す。セメントモールドアセンブリ10は、第1モールド12、第2モールド14、第1プレート16、第2プレート18、及び複数のロッド20を有することができる。セメントモールドアセンブリ10は、さらにプラグ22を有することができる。以降の説明でより明らかにされるが、第2モールド14は、選択的及び段階的に第1モールド12内に挿入され、脛骨トレイ部とステム部とを有する一つの脛骨部品を形成する。
【0033】
第1モールド12は、開端部26と内壁28とを含む第1モールド胴部24を有することができる。また、第1モールド12は、プラットフォーム形成スペース32とステム形成スペース34とを含む脛骨部品形成スペース30を画定することができる。第1モールドポート38がモールド胴部24を貫通するように形成され、ステム形成スペース34と直線状に合わせられる。
【0034】
第2モールド14は、外壁42と、端面44と、脛骨プラットフォーム形成面46とを含む第2モールド胴部40を有することができる。一例として、脛骨プラットフォーム形成面46は、対応する脛骨ベアリング面となる外形を有してもよい。第2モールド胴部40の外壁42の寸法は、第1モールド12の内壁28よりも若干小さく、第2モールド14が選択的及び段階的に脛骨部品形成スペース30内に挿入できるようになっている。一例として、第1モールド12と第2モールド14とはシリコーンから成る。
【0035】
第1プレート16は、複数の開口52を含む第1プレート胴部50を有することができる。第1プレート16からは第1プレート突起部54が延びている。第1プレート突起部54は、ネジ状供給ポート56を含むことができる。第2プレート18は、複数の開口62を含む第2プレート胴部60を有することができる。各ロッド20は、第1端部68と第2端部70とを有する細長い胴部66で形成される。各第1端部68の先端には、突起部72が形成される。
【0036】
細長い胴部66は、それぞれ歯部76を有する。第2端部70は、第2プレート18上の開口62にはめ込まれる。ロッド20の第1端部68上の突起部72は、第1プレート16上の開口52にはめ込まれる。第2プレート18を第1プレート16に段階的に近づけると、歯部76は、各開口62において第2プレート胴部60と段階的に係合するようになっている(結果的に、第2モールド14は、第1モールド12内へと段階的に取り込まれる)。
【0037】
脛骨部品形成スペース30内へ第2モールド14を段階的に挿入していくことで、脛骨プラットフォーム形成スペース32によって形成される脛骨プラットフォームの高さや厚さを調整することができる。その厚さは、第2モールド14の外壁42に目盛り90を設けることなどで確認できる。目盛り90は、セメントモールドアセンブリ10の他の部品にも設けてもよい。第2プレート上の開口62を通過した歯部76の数を数えることで、外科医は、付加的、もしくは代替的に、脛骨トレイプラットフォームの厚さを推測することもできる。
【0038】
次に
図4及び
図5を参照して、感染箇所に抗生物質を供給する仮インプラントを、モールドアセンブリ10を使用して作製する方法を詳述する。一例として、外科医は、第2モールド14を第1モールド12の脛骨部品形成スペース30内へと段階的に挿入して、所望の深さ、もしくは所望のスペースの厚さまで進めることができる。その後、外科医は、第1プレート16上のネジ状供給ポート56に流体供給装置80を連結する。一例として、流体供給装置80は、流体86を供給装置80から脛骨部品形成スペース30内へと流入させるハンドルを有することができる(図示はせず)。もちろん、他の構成を有する流体供給装置を使うこともできる。流体供給装置80と各ポート38との連結は、違う形をとることも可能である。例えば、ルアーロックでの連結や、ノズルでの連結などが可能である。
【0039】
十分な量の流体86が脛骨部品形成スペース30に流入したら、流体供給装置80は外してもよい。その後、プラグ22をネジ状供給ポート56にねじ込み、流体(つまり、抗生物質混入セメント)が所望の状態になるまで硬化させる。簡単にまとめると、このプロセスは、モールドアセンブリ10を組み立てるステップと、第1モールド12と第2モールド14とを互いに段階的に近づけ、所望の脛骨部品形成スペース深さもしくは厚さを得るステップと、脛骨部品形成スペース内を流体で満たし、それを十分に硬化させるステップと、最後にモールドアセンブリ10から脛骨部品を取り除くステップとを含む。
【0040】
流体86が十分硬化したら、モールドアセンブリ10を完成した仮インプラント92から取り外す。仮インプラント92は、脛骨トレイ部94とステム部96とを含むことができる。ステム部96の上に示されている、硬化した流体86の部分98は、破棄してもよい。モールドアセンブリ10はどのような方法で取り外してもよく、例えば、第1モールド12を切断してもよい。外科医は、付加的に、もしくは代替的に、第2モールド14を脛骨部品形成スペース30から引き抜いてもよい。もちろん他の方法もあり得る。
【0041】
次に
図6乃至
図9を参照すると、感染箇所に抗生物質を供給する仮インプラントを形成するためのセメントモールドアセンブリが示されており、これは本発明の他の特徴に従って作製されたものである。これを図を通して参照番号110で示す。セメントモールドアセンブリ110は、第1モールド112と第2モールド114とを含むことができる。一つの例おいては、モールドアセンブリ110は、強化部材116をさらに任意で有することができる(
図7乃至
図9に示す)。以降の説明で明らかになるが、強化部材116は、仮インプラント内で硬い強化構造を作製する場合に、モールドアセンブリ110と共に使用される。第2モールド114は、選択的及び段階的に第1モールド112内に挿入され、脛骨トレイ部とステム部とを有する一つの脛骨部品を形成する。
【0042】
第1モールド112は、第1閉端部126と第2開端部128とを含むモールド胴部124を有することができる。モールド胴部124は側壁130を含むことができる。側壁130は目盛り132を有することができる。第1モールド112は、スペース136を画定する。仮インプラントの作製過程を確認するため、第1モールド112は透明、もしくは半透明の素材で作製してもよい。本明細書で開示される他のモールドも同様に、透明、もしくは半透明の素材で形成することができる。
【0043】
第2モールド114は、外壁142を含む第2モールド胴部140を有することができる。第2モールド114は、さらに基部144と、そこから延びるカニューレ部材146をさらに有することができる。基部144は、壁142によって形成され、第1モールド112の側壁130の形状を補完する面を有する。以降の説明で明らかになるように、第2モールド114は、第1閉端部126に向かって側壁130に支えられながら、スペース136内へと段階的に摺動させることができる。カニューレ部材146は、該部材を貫通する入口ポート150を有することができる。図に示した例では、カニューレ部材146はおおむね長方形の断面を有する。第2モールド114の基部144は織り目加工の端面154を有することができる。一例として、この織り目加工の端面154によって、形成後の脛骨トレイをモールドアセンブリ110から容易に取り外すことができる。第1モールド112はシリコーンから作製することができる。第2モールド114はポリエチレンから作製することができる。
【0044】
強化部材116は、第1閉端部126に対向する第1横部160と、カニューレ部材146に挿入される第2長手部162とを有することができる。強化部材116は、第2モールド114をスペース136へと段階的に挿入する前に、スペース136内に少なくとも部分的に設置することができる。強化部材116は、最終的に作製される脛骨部品の一部として組み込むことができる。強化部材116の形状は、単なる一例であることは理解されよう。強化部材116はどのような形状であってもよい。また、本明細書で開示される仮インプラントは、いずれも強化部材を中に組み込んで形成することができる。強化部材116は生体適合性金属で作製することができる。
【0045】
モールドアセンブリ110の使用方法を一つの例で説明する。図では示されていないが、前述したような流体供給装置をポート150において連結し、第1モールド112と第2モールド114との間のスペース136に流体を注入する。脛骨部品形成スペース136に十分な量の流体86が流入したら、流体供給装置を取り外す。次に外科医は、第2モールド114を第1モールド112内へと挿入し、第2モールド114が第1モールド112の脛骨部品形成スペース136内に段階的に進むようにする。脛骨部品形成スペース136内へ第2モールド114をさらに挿入していくことで、脛骨プラットフォーム形成スペース172によって形成される脛骨プラットフォームの高さや厚さを調整することができる。その厚さは、第2モールド114の内壁、もしくは外壁124に設けられた目盛り132等で確認できる。目盛り132は、セメントモールドアセンブリ110の他の部品にも設けてもよい。第2モールド114の上のスペース136の厚さを目視することで、外科医は、付加的、もしくは代替的に、脛骨トレイスペース172の厚さを推測することもできる。上記のように段階的に挿入していくと、余分な流体86が、ポート150を通して脛骨部品形成スペース30から押し出される。
【0046】
第2モールド114は、所望の脛骨トレイスペースの厚さが得られるまで、第1モールド112の第1閉端部126に向かって押し進めることができる。付加的に、もしくは代替的に、第1モールド112を第2モールド114に向かって押すこともできる。ある例においては、外科医は、第1モールド112の側壁130に設けられた目盛り132を参照することができる。目盛り132は、側壁130の外面、もしくは内面のいずれに設けてもよい。ある例においては、余分な流体はポート150を通して排出されることが理解されよう。
【0047】
流体が十分硬化したら、モールドアセンブリ110を完成した仮インプラント170から取り外す。仮インプラント170は、脛骨トレイ部172とステム部174とを含むことができる。硬化した流体の部分176は破棄してもよい。上述したように、モールドアセンブリ110はどのような方法で取り外してもよい。
【0048】
次に
図10乃至
図12を参照すると、感染箇所に抗生物質を供給する仮インプラントを形成するためのセメントモールドアセンブリが示されており、これは本発明の他の特徴に従って作製されたものである。これを図を通して参照番号210で示す。セメントモールドアセンブリ210は、共同でスペース218を画定する外壁214と内壁216とを含むモールド胴部212(
図11参照)を有することができる。内壁216は、仮インプラントの形状を決定する際に動かすことができる。
【0049】
モールド胴部212は、第1モールド部材219と、第2モールド部材220と、第3モールド部材221と、第4モールド部材222とを合わせて形成することができる。モールド胴部212は、関節部形成部223とステム形成部224を含むことができる。スペース218は、関節部形成部223とステム形成部224によって画定される。具体的には、ステム形成部224は、組み立てられた状態で内側面216と共に作用する内面226を有する(
図11参照)。関節部形成部223とステム形成部224は、共同で一つの大腿骨部品230を形成する(
図12参照)。この大腿骨部品230は、関節部形成部223によって形成される関節部232と、ステム形成部224によって形成されるステム部234を有する。
【0050】
一例として、ステム形成部224は関節部形成部223と連結することができる。図示した例においては、ステム形成部224は、関節部形成部223に対して螺合されている。ステム形成部224は、第1ネジ溝242を有する第1端部240と、第2ネジ溝246を有する第2端部244を含むことができる。第1ネジ溝242は、第3モールド部材221に設けられたネジ溝247に対して螺合させることができる。第2ネジ溝246は、プラグ248、もしくはセメント供給装置(図示せず)に対して螺合させる。すでに説明した方法と同様に、流体がスペース218内へと注入される。一例として、流体の注入中にモールド胴部212から空気を抜くため、モールド胴部212が通気孔250を有してもよい。そのような通気孔は、ここで開示する他のいずれのモールドにも設けることができる。
図7で示す強化部材116と似たような強化部材も、セメントモールドアセンブリ210の一部として組み込んで、大腿骨部品を形成することができる。完成した大腿骨部品230は、セメントモールドアセンブリ210から取り外すことができる。
【0051】
図13乃至
図18は、セメントモールドアセンブリの他の例をさらに示す。これらのセメントモールドアセンブリは、膝関節の仮スペーサーとして使われるモールド部品を、抗生物質混入セメントを用いて作製するために使用される。上述した例にも当てはまることだが、
図13及び
図14に示す大腿関節用スペーサー部品を形成するためのセメントモールドアセンブリ310や、
図16の髄内管部品411を形成するための
図15に示すセメントモールドアセンブリ410や、
図17及び
図18に示す仮脛骨部品を形成するためのセメントモールドアセンブリ510は、個別に提供することも、例えばキットとしてまとめて提供することもできる。それらを組み合わせて使用することで、膝関節用仮スペーサーのための、様々な望ましい抗生物質セメント部品を得ることができる。
【0052】
図13及び
図14は、大腿骨部品用のセメントモールドアセンブリ310を示す。この例は、すでに説明した
図10乃至
図12におけるモールドアセンブリ210の大腿骨部品部と類似している。この大腿骨部品用モールドアセンブリ310が前述したモールドアセンブリ210と異なるのは主に、関節部形成部323である第1モールド部材319の連結部343における開口部345(ポート)からセメントが注入されることと、このモールドアセンブリ310は、ステム部を一体的に形成するモールド部品を有さないことである。
【0053】
連結部343は、第1モールド部材319に設けられ、それを貫通する開口部345を備える。第1モールド部材319は、シリコーン材料で形成することができる。抗生物質混入骨セメントは、その開口部345を通してスペース318内に注入される。第1モールド部材319に設けられる開口部345は、脛骨部品と係合する大腿骨部品の主関節面から離れた箇所に位置するように、側方に配置することができる。その場合、スペース318に通ずる開口部345は、外壁314における角315と角317の間の部分には配置されない。
【0054】
図示した例が示すように、開口部345は、脛骨スペーサーと接触する主関節面を形成する壁325と、大腿骨と係合、もしくは直接対向する面を形成する壁(内側面部材316の内面)との間の外壁314の部分で、スペース318と斜めに交差する。よって、開口部345は、関節面のほぼ側方に、換言すれば、主関節面の側方に配置することができる。さらに開口部は、関節面の前に、換言すれば、脛骨部品と係合する大腿骨部品の主関節面の前に配置することもできる。
【0055】
図10乃至
図12に示した大腿骨部品用モールドアセンブリ210と同様、大腿骨と係合、もしくは直接対向する面を形成する壁は、剛性モールド部材321に連結する内側面シリコーン部材316を有することができる。剛性部材321は、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、コポリエステルなどから形成することができる。内壁部材316は、シリコーンで形成することができ、その角部部分には
図10の通気孔250のような通気孔を有することができる。そうすることで、モールドスペース318内を完全に骨セメントで満たすことができる。モールドスペース318が完全に骨セメントで満たされたら、ネジ溝347を通して、プラグ348を連結部343にねじ込み、開口部345に蓋をする。シリコーン製の第1モールド部材319は、例えば、プラグ348のネジ溝347と係合するネジ溝347を有する、より剛性の高い挿入部分を有してもよい。
【0056】
図17及び
図18は、仮の脛骨スペーサー部品を形成するためのセメントモールドアセンブリ510を示す。この例での脛骨スペーサー用セメントモールドアセンブリ510は、第1モールド512と、第1モールド512の中に挿入される第2モールド514と、第2モールド514の開口部538(ポート)に蓋をするプラグ522とを含むことができる。図示した例では、第1モールド部材512は、脛骨プラットフォーム形成面546を有し、この形成面546は、大腿骨用モールドアセンブリ310によって作製される大腿骨部品の関節面と係合する脛骨部品の上面を形成する。
【0057】
第1モールド部材512は、内方向に突出する係合部材575を有する。
図1乃至
図5で説明したのと同様、この係合部材575は、第2モールド部材514が第1モールド部材512内に押し込まれるにつれて、第2モールド部材514の対応する係合部材576と係合するようになっている。係合部材575と対応する係合部材576は、様々な形をとることができる。図示したように、係合部材575と対応する係合部材576は、一つ以上の突起状部材をそれぞれ有することができ、これによって、互いの突起状部材は、突起状部材の間の一つ以上の溝と次々に係合することができる。
【0058】
さらに、このように様々な形をとる係合部材575と576、及びその間の溝は、
図18に示すように、正方形の断面、もしくは、
図4及び
図5に示す歯部76と同様に、のこぎり状の断面を有することができる。後者の場合、係合部材575と576は、例えば、内側のモールド部材514においては上方に向かって角度を付け(
図17及び
図18に示す位置関係における上方)、外側のモールド部材512においては下方に向かって角度を付けることができる。係合部材575と576は、第1モールド部材514の内側の全周に渡って延在してもよいし、途切れる形であってもよい。例えば、係合部材575と576は、縦方向に離間した突起状部材から成る3つまたは4つ、あるいはそれ以上の縦領域(図における位置関係における縦方向)を有してもよく、それらの縦領域を第1モールド部材514の内側の全周に渡って均等なスペース間隔で配置することができる。この場合は、
図1に示した3つのロッド66と同様である(それぞれのロッド66は、歯部76から成る3つの領域の1つを有する)。
【0059】
第2モールド部材514は、第1モールド部材512と共に、ステム部形成スペース534とプラットフォーム形成スペース532を形成する。これは、
図1乃至
図7で説明したものと同様である。また、第2モールド部材514の内面554は、
図7で示したのと同様、織り目加工を施すことができる。第2モールド部材514は、適切であればどのような材料からでも作製することができる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いて第2モールド部材514を形成してもよい。
【0060】
第2モールド部材514の係合部材576は、周方向に伸びる突起の形状をとることができ、谷状、もしくはその両方の形であってもよい。よって、係合部材576は、上述した係合部材575と同様な構造をとることができる。つまり、横方向(図示した位置関係における横方向)に伸びる係合部材576は、一列から成ってもよいし、複数列から成ってもよい。また、係合部材576は、第2モールド部材514の全外周に渡って連続的に延在してもよいし、もしくは連続せずに、全周に渡って均一に配置された3つまたは4つ、あるいはそれ以上の縦領域の形をとってもよい。
【0061】
第2モールド部材514は、モールドスペース532と534に通ずる注入開口部となるネジ状開口部538を有することができる。骨セメントをモールドスペース532と534に注入する際、プラグ522を第2モールド部材514にねじ込み、開口部538に蓋をすることができる。
図17及び
図18に示す脛骨部品形成用モールドアセンブリ510は、
図1乃至
図5の脛骨部品用モールドアセンブリ10と、
図6及び
図7の脛骨部品用モールドアセンブリ110で説明したプロセスとほぼ同様のプロセスで使用することができる。
【0062】
流体が所望の状態まで硬化したら、外科医は第1モールド部材512を切断することができる。もしくは、第1モールド部材512を第2モールド部材514から引き離してもよい。そのようにすれば、形成された脛骨膝部品が第2モールド部材514に付着したままの状態になる。これはどのような場合でも起こりうるが、第2モールド部材514の面554に織り目加工を施した場合には特にそうなりやすい。
図17に示すプラグ522をネジ状開口部538から取り除いた後は、
図17Aに示す取り外し器具523を代わりに挿入する。取り外し器具523をネジ状開口部538へとねじ込むと、その突起部524によって、形成された脛骨インプラントを第2モールド部材514から押し出すことができる。
【0063】
なお、突起部524は図においては誇張されていること、及び/または、突起部524を強調するために、そのネジ溝が実際より短く示されていることは理解されたい。実際は、ネジ状開口部538と取り外し器具523におけるネジ溝が、突起部524の先端面が脛骨部品に接触する前に、互いに係合する。よって、取り外し器具523をネジ状開口部538にさらにねじ込むと、突起部524は脛骨部品の最も近い面に触れ、脛骨部品を第2モールド部材514から取り外すように押し始める。一例として、突起部524の長さは約5mmである。ネジ状開口部538、もしくは取り外し器具523、もしくはその両方におけるネジ溝の長さは、5mmより大きくてもよい。
【0064】
図15は、髄内管部品形成用モールドアセンブリ410を示し、
図16は、それを使用して形成した髄内管部品411を部分的に示す。一度体内から除去した脛骨膝部品、もしくは大腿骨膝部品から延びるステム部を収容するために、抗生物質混入骨セメントから作られた髄内管仮インプラント411を、以前に骨中に形成された細長いスペースに挿入することが必要になる場合もある。これは、例えば、感染がそのような髄内管まで拡大している場合に起こりやすい。髄内管部品用モールドアセンブリ410を使用することによって、そのような目的のための髄内管部品411を作製することができる。
【0065】
モールドアセンブリ410は、細長い円筒状のモールドスペース424を内包する細長いモールド部材422を有することができる。スペース424の一端には、より寸法が小さく、軸方向に伸びるタブ形成スペース425が設けられる。このような寸法の小さいタブ形成スペース425によって、
図16に示す髄内管仮インプラント411の一端に設けられたプレート部材426が形成される。プレート部材426のベース面と接する髄内管部品411の円筒部の端面は、半径状になっており、それによって、プレート部材426を外れさせようと働く応力に対処することができる。よって、後の手術において、髄内管部品411を細長い骨中スペースから取り出す際には、寸法が小さく、軸方向に伸びるタブ426は、外科医にとって掴み易い部分となる。
【0066】
モールドスペース424の反対の端部には、丸みを帯びた面427を設けることができる。そのような面427を設けることによって、モールドアセンブリ410から形成される髄内管部品411を骨中のステムスペース内に挿入する際、面427から挿入すれば、挿入が容易になる。モールドスペース424への骨セメントの注入は、ネジ状開口部442(ポート)を通して行なう。スペース424が満たされたら、ネジ状プラグ448によって蓋をすることができる。髄内管部品形成スペース424内を骨セメントで完全に満たすには、開口部442の反対位置にある、スペース424の端部に、通気ポート450を設ければよい。
【0067】
第1モールド部材422は、軟質材料から作製することができる。そうすることで、第1モールド部材422は、実質上、その全長におけるいかなる箇所においても、角度を付けたり、曲げたりすることができる。事実、
図15の点線で示すように、モールド部材422は、その全長における複数箇所で曲げることができる。例えば、第1モールド部材422を曲げることによって、一つ以上の比較的まっすぐな部分と、一つ以上の曲線部分とを有する髄内管部品形成スペース424を形成することができる。それによって、既に存在する骨内スペースの様々な形状に対応することができる。そのような場合、適切な形状に第1モールド部材422を曲げた後、モールドスペース424内で抗生物質混入骨セメントが硬化する間、その曲げた状態でモールド部材422を固定すればよい。上述のように第1モールド部材422に柔軟性があれば、X線に合わせて第1モールド部材422を曲げることもできる。その場合、例えば、セメントの硬化中に、X線の上に直接モールド部材422を置いて曲げればよい。
【0068】
抗生物質混入骨セメントがモールドスペース424内で硬化したら、外科医はモールド部材422を切断するだけで、モールドスペース424から髄内管仮インプラントを取り出すことができる。代替的に、第1モールド部材422は、二つの補助的モールド部材から構成されてもよい(図示せず)。その場合、例えば、ねじ状開口部442付近でそれら二つを螺合すればよい。形成された髄内管部品411をモールドスペース424から取り外す際には、補助的モールド部材を単に互いから引き離すことで、容易に取り外すことができる。
【0069】
骨内の様々な長さを有する髄内管に対応するために、モールド部材422を所望の長さに切断することもできる。挿入される端部である切断部は、切断したままにしてもよいし、丸みを帯びた面を有するように加工してもよい。例えば、切断や形状加工を容易にするため、セメントが十分硬化する前に、外科医はモールド422とセメントを切断することができる。もしくは、形成された髄内管インプラントがモールアセンブリ410から取り外した後、それを切断することもできる。
【0070】
また、製造者側が、異なる軸方向長さを有する複数の第1モールド部材422や、異なる様々の髄内管部品用アセンブリ410を提供してもよい。その場合、外科医は、最適な軸方向長さのモールドスペース424が得られるモールド部材422、もしくはモールドアセンブリ422を選ぶだけでよい。
【0071】
形成された髄内管部品411をモールドアセンブリ410から取り外した後は、その髄内管仮部品411を患者の髄内管に挿入することができる。その際、丸みを帯びた端部から挿入する。そのようにすることで、寸法の小さい摘み用タブ426を外科医が掴むことができ、髄内管仮部品を髄内管スペースへと容易に挿入することができる。髄内管仮部品411を取り除くべき時が来れば、外科医はタブ426を掴んで、容易に髄内管仮部品411を取り除くことができる。その場合、外科医は、例えばペンチのような器具でタブ426を掴み、患者の髄内管スペースから髄内管仮インプラント411を引き抜くことができる。
【0072】
また、髄内管インプラント411は、インプラント手術中に脛骨部品に連結することもできる。例えば、外科医は、柔らかい状態の抗生物質混入骨セメントを髄内管インプラント411のプレート部材426に塗布することができる。骨セメントは、硬化する間、モールドアセンブリ310やモールドアセンブリ510等によって形成されたインプラントに対して、髄内管インプラント411を連結する。よって、そのような仮スペーサーを取り除く手術において、髄内管インプラント411を髄内管から引き抜くことは、以前のインプラント手術においてそれが連結されたインプラントも同時に取り除くことを意味する(つまり、単一の一体的なインプラント部品を取り除くことになる)。
【0073】
図15及び
図16と共に説明した、髄内管インプラント411を形成するための専用モールドアセンブリ410を使うことで、特定患者の髄内管の実際の構造を示すX線写真に適合するように、第1モールド部材422を曲げることができる。また、それによって、髄内管と近くに存在する他のインプラント部品の、実際の前後・内外の位置関係(特定患者の実際の体内構造に相当)に適合するように、形成された髄内管インプラント411を、その別のインプラント部品に対して配置することができる。
【0074】
上記の実施形態の説明は、単に例示と説明を目的としたものであって、包括的な説明ではなく、この開示を限定するものでもない。特定の実施形態における個々の構成要素や特徴は、多くの場合、その実施形態のみに限定されるのではなく、可能であれば、特に明記されていなくても、他の実施形態にも同様に適用できる。同一のものを様々な方法で変更することもできる。そのような変更は、この開示内容から逸脱したものとして見なされるべきではなく、この開示の範囲に含まれるものである。
【0075】
[用語の非限定的な説明]
ここで使われているセクションやサブセクションのタイトル(例えば、「前書き」や「発明の開示」)は、本開示におけるテーマを大まかに分類したものに過ぎず、本発明の技術や態様の開示を制限するものではない。特に、「前書き」の内容は、新規性のある技術を含む場合があり、また先行技術の言及とはならないこともある。また、「発明の開示」で述べられている事柄は、本発明の技術やその実施形態の範囲を包括的、もしくは完全に網羅したものではない。また、本明細書のあるセクションにおいて、ある材料を有用性があると分類・言及したとしても、それは便宜上そのようにしたに過ぎない。よって、その材料がある構成物の一部として使用される場合、述べられた分類に従って、その材料が必ず、もしくは単独で機能するという推測はなされるべきではない。
【0076】
本発明の実施形態を示す説明や具体例は、単に例示を目的とし、本発明の範囲を限定するものではない。また、ある特徴を有する実施形態を複数言及したとしても、他の特徴を有する他の実施形態、もしくは述べられた特徴の異なる組み合わせを有する他の実施形態を除外するという意味ではない。具体例は、本発明の技術による構成物や方法をどうのように作成・使用するかという例示を目的とし、明言されない限りは、本発明のある実施形態が実際に試された、もしくはそうではないということを示すものではない。
【0077】
本明細書で使われる「望ましい」、「好ましい」といった表現は、ある状況においてある有用性が得られる実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下で、もしくは異なる状況下で、「好ましい」となる他の実施形態もある。また、一つ以上の好ましい実施形態を開示したとしても、他の実施形態は有用でないという意味ではなく、本発明の範囲からそれらの実施形態を除外するという意味でもない。
【0078】
本明細書で使われる「含む」、「有する」といった類の言葉は、非制限的な意味合いを持ち、例えば、リストにおけるある項目を「含む」として挙げたとしても、本発明に関わる材料、構成物、装置、方法にとって有用な他の類似項目を除外するということではない。また、「〜できる」、「〜であってもよい」といった類の言葉も同様であり、例えば、ある実施例がある構成要素や特徴を有することができる(有してもよい)という表現は、それらの構成要素や特徴を含まない他の実施例を除外するという意味ではない。
【0079】
本明細書では、「含む」、「有する」等の非限定語の同義語である「備える」というオープンエンド様式の言葉も、本発明の実施形態を説明したり、その範囲を主張するために使われているが、場合によっては、「成る」、「実質的に成る」というより限定的な言葉を使って、実施形態の範囲を表現することも可能である。したがって、材料、部品、プロセスについて言及する実施形態において、本発明の技術がそのような材料、部品、プロセスから「成る」実施形態を含む場合、追加的な材料、部品、プロセスを含まないことになる。また、本発明の技術がそのような材料、部品、プロセスから「実質的に成る」実施形態を含む場合、該実施形態の重要な特性に影響を与える追加的な材料、部品、プロセスを含まないことになる。上のような場合、そのような追加的な材料、部品、プロセスが本願で明確に言及されていなくても、それらは除外される。例えば、構成要素A、B、Cを用いて、組成物やプロセスについて言及するとき、構成要素A、B、及びCから「成る」、もしくは「実質的に成る」実施形態であれば、当該技術分野では言及されているかもしれない構成要素Dを除外するということである。構成要素Dが除外されると明細書に明記されていない場合でも、それは除外の対象になる。
【0080】
ある構成要素や層が、ほかの構成要素や層に、「接触している」、「係合する」、「接続されている」、「連結されている」などと表現される場合は、前者が後者に「直接」接触している、係合する、接続されている、もしくは連結されているか、または、他の構成要素や層が介在するかのどちらかである。対照的に、ある構成要素が他の構成要素や層に対して、「直接接している」、「直接係合している」、「直接接続されている」、「直接連結されている」などと表現される場合は、介在する構成要素や層が存在しないということである。構成要素の間の関係を説明する他の言葉も、同じように解釈されたい(例えば、「間に」と「直接間に」、「近辺に」と「間近に」など)。明細書中で使われる「及び/または」という言葉は、一つ以上の関連リスト項目のすべての組み合わせを含むことを意味する。
【0081】
上述の組み合わせの例を、制約なしに下記に挙げる。
1.感染箇所に抗生物質を投与するために使われる仮インプラントを形成するセメントモールドアセンブリであって、
前記セメントモールドアセンブリは、開端部と内壁とを有する第1モールドを備え、前記第1モールドは、プラットフォーム形成スペースとステム形成スペースとを含む脛骨部品形成スペースを画定し、
前記セメントモールドアセンブリは、さらに胴部を有する第2モールドを備え、前記第2モールドは、前記第1閉端部の方向に向かって前記内壁に支えられながら、前記脛骨部品形成スペース内へと段階的に摺動され、
前記第2モールドを前記脛骨部品形成スペース内へと段階的に挿入していくと、前記脛骨部品形成スペース内のセメントが、前記胴部と前記内壁に押し付けられ、結果として、前記プラットフォーム形成スペースによって形成される脛骨トレイ部と前記ステム形成スペースによって形成されるステム部とを一体的に有する脛骨部品が形成されることを特徴とするセメントモールドアセンブリ。
2.前記第1モールドは、前記開口部とは反対側に、セメントを受け入れるためのポートを有することを特徴とする請求項1に記載のセメントモールドアセンブリ。
3.前記第1及び第2モールドの外側にそれぞれ配置された第1プレートと第2プレートとをさらに備える請求項2に記載のセメントモールドアセンブリ。
4.前記第1及び第2プレートの間には少なくとも2つのロッドが連結されていることを特徴とする請求項4に記載のセメントモールドアセンブリ。
5.前記少なくとも2つのロッドと、前記第1及び第2プレートは、選択的・段階的に位置調整が可能であり、前記第1及び第2プレートは、前記第2モールドが前記脛骨部品形成スペース内へと段階的に挿入されると、段階的に互いに接近することを特徴とする請求項4に記載のセメントモールドアセンブリ。
6.前記少なくとも2つのロッドは、前記第1及び第2プレートのうちの一つの対向面と係合する歯部を有すること特徴とする請求項5に記載のセメントモールアセンブリ。
7.前記第2モールドの前記胴部は、脛骨ベアリング面にほぼ相当する形状を有することを特徴とする請求項1に記載のセメントモールドアセンブリ。
8.前記第1モールドはシリコーンから形成されることを特徴とする請求項1に記載のセメントモールドアセンブリ。
9.前記第2モールドはシリコーンから形成されることを特徴とする請求項1に記載のセメントモールドアセンブリ。
10.感染箇所に抗生物質を投与するために使われる仮インプラントを形成するセメントモールドアセンブリであって、
第1閉端部と、第2開端部と、側壁とを有し、スペースを画定する第1モールドと、
基部と、前記基部から伸びるカニューレ部材とを有する第2モールドとを備え、前記基部は、前記第2モールドが前記第1閉端部の方向に向かって前記側壁に支えられながら前記スペース内へと段階的に摺動されるように、前記第1モールドの前記側壁を補完する面を有し、
前記第2モールドを前記スペースに段階的に挿入していくと、前記スペース内のセメントが前記カニューレ部材へと流れ、前記第1及び第2モールドは、共同で、前記スペースによって形成される脛骨トレイ部と、前記カニューレ部材によって形成されるステム部とを一体的に含む脛骨部品を形成することを特徴とするセメントモールドアセンブリ。
11.前記第2モールドを前記スペースへと段階的に挿入する前に、前記スペース内に少なくとも部分的に配置される強化部材をさらに備え、前記強化部材は、前記脛骨部品の一部として組み込まれることを特徴とする請求項10に記載のセメントモールドアセンブリ。
12.前記強化部材は、前記第1閉端部にほぼ対向する第1横部と、前記カニューレ部材に収容される第2長手部とを有することを特徴とする請求項11に記載のセメントモールドアセンブリ。
13.前記カニューレ部材は、おおむね長方形の断面を有することを特徴とする請求項10に記載のセメントモールドアセンブリ。
14.前記第2モールドの前記基部は、織り目加工の端面を有することを特徴とする請求項10に記載のセメントモールドアセンブリ。
15.前記第1モールドの前記側壁には目盛りが設けられていることを特徴とする請求項10に記載のセメントモールドアセンブリ。
16.前記第1モールドはシリコーンから形成されることを特徴とする請求項10に記載のセメントモールドアセンブリ。
17.前記第2モールドはポリエチレンから形成されることを特徴とする請求項10に記載のセメントモールドアセンブリ。
18.前記強化部材は生体適合性金属で形成されることを特徴とする請求項11に記載のセメントモールドアセンブリ。
19.感染箇所に抗生物質を投与するために使われる仮インプラントを形成するセメントモールドアセンブリであって、
共同でスペースを画定する外側壁と内側壁を有するモールド胴部を備え、前記内側壁は、前記仮インプラントの形状を決定する際に動かすことができ、前記モールド胴部は、関節部形成部とステム形成部とを含み、前記関節部形成部と前記ステム形成部は共同で、前記関節部形成部によって形成される関節部と、前記ステム形成部によって形成されるステム部とを一体的に有する大腿骨部品を形成することを特徴とするセメントモールドアセンブリ。
20.前記ステム形成部は、前記関節部形成部に対して取り外し可能に連結されることを特徴とする請求項19に記載のセメントモールドアセンブリ。
21.前記ステム形成部は、前記関節部形成部に対して螺合されることを特徴とする請求項20に記載のセメントモールドアセンブリ。
22.前記ステム形成部は、第1ネジ溝を有する第1端部と、第2ネジ溝を有する第2端部とを備え、前記第1ネジ溝は前記関節部形成部に対して螺合され、前記第2ネジ溝はセメント供給装置と螺合されることを特徴とする請求項21に記載のセメントモールドアセンブリ。
23.前記胴部は通気孔を備えることを特徴とする請求項19に記載のセメントモールドアセンブリ。
24.前記スペース内に少なくとも部分的に配置される強化部材をさらに備え、前記強化部材は、前記大腿骨部品の一部として組み込まれることを特徴とする請求項19に記載のセメントモールドアセンブリ。
25.感染箇所に抗生物質を投与するために使われる仮インプラントを形成するための方法であって、
インプラント胴部形成スペースとインプラントステム形成スペースを含むインプラント形成スペースを画定する第1モールドを用意するステップと、
第2モールドを用意するステップと、
前記インプラント形成スペースに流体を注入するステップと、
前記第1及び第2モールドの少なくともいずれか一方を他方に近づけることで、前記第1モールドに対して前記流体を押し付けるステップと、
前記流体が硬化したら、前記インプラント胴部形成スペースと前記インプラントステム形成スペースのそれぞれによって形成されるインプラント胴部とインプラントステムを一体的に有する仮インプラントを、前記第1モールドから取り外すステップとを含む方法。
26.前記インプラント形成スペースは、脛骨部品形成スペースを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
27.前記インプラント形成スペースは、大腿骨部品形成スペースを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
28.第1プレートに設けられた接続ポートに対して、流体供給装置を螺合するステップをさらに含む請求項25に記載の方法。
29.前記第1及び第2モールドの少なくともいずれか一方を他方に近づける前記ステップは、ロッドから伸びる歯部を第2プレートに対して段階的に係合させるステップを含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。