(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293211
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】流体投与装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20180305BHJP
A61M 5/152 20060101ALI20180305BHJP
A61M 5/158 20060101ALI20180305BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20180305BHJP
A61M 5/20 20060101ALN20180305BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/152
A61M5/158 500F
A61M5/168 540
!A61M5/20 550
【請求項の数】26
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-145061(P2016-145061)
(22)【出願日】2016年7月25日
(62)【分割の表示】特願2014-522952(P2014-522952)の分割
【原出願日】2012年7月25日
(65)【公開番号】特開2016-182430(P2016-182430A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2016年8月22日
(31)【優先権主張番号】61/576,405
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/511,321
(32)【優先日】2011年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514022235
【氏名又は名称】プレシフレックス エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイラモズ,ルシアン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン,メリッサ
(72)【発明者】
【氏名】ワリシュ,ジュディ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヤセヴァック,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブリューウィラー,マイケル
【審査官】
和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−539444(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/002649(WO,A1)
【文献】
特表2009−526575(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0095014(US,A1)
【文献】
特表2006−501878(JP,A)
【文献】
特表2009−538692(JP,A)
【文献】
米国特許第05050612(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0054400(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/152
A61M 5/158
A61M 5/168
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に一定量の流体を投与するための流体投与装置であって、
(a)装着者の皮膚に対して保持されるよう適応された基底部を有するハウジング本体と、
(b)隔膜を有すると共に流体貯蔵部を形成する膜を備え、ハウジング本体の内部に可撓性中空膜を配置するように適応される可撓性中空膜収容部と、
(c)隔膜停止部と、
(d)第1端部および第2端部を有する針を固定する注射装置と、
(e)上記針の第1端部が可撓性中空膜の隔膜に穿刺され、第2端部が生体の皮下に注射されるようにハウジング本体から延長され、さらに可撓性中空膜を圧搾して、中に貯蔵される流体が針を介して可撓性中空膜から排出され生体に注入されるよう適応された圧搾機構を作動し、針の第2端部が生体の皮膚を穿刺すると、針の第1端部が隔膜停止部に挿入されるように注射装置をトリガするトリガ機構と、
を含んでなることを特徴とする流体投与装置。
【請求項2】
内部に流体が貯蔵される可撓性中空膜は、収容部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項3】
圧搾は、トリガ機構が作動する軸に対して横方向に行われることを特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項4】
針の第2端部は、ハウジング本体から延長する際、ハウジング本体の基底部に角度をなして延長されることを特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項5】
上記トリガ機構はセンサによって制御されることを特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項6】
上記トリガ機構は受信機によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項7】
上記トリガ機構は時間関数により制御されることを特徴とする請求項6に記載の流体投与装置。
【請求項8】
上記トリガ機構を収容するための第2ハウジングを含み、該第2ハウジングはハウジング本体に着脱可能に接続されることを特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項9】
インジケータによって注入が完了したことが示されることを特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項10】
生体に一定量の流体を投与するための流体投与装置であって、
(a)装着者の皮膚に流体投与装置が固定可能となるように、その基底部に粘着剤が塗布されてなるハウジング本体と、
(b)隔膜を有すると共に流体貯蔵部を形成する膜を備え、ハウジング本体の内部に可撓性中空膜を配置するように適応される可撓性中空膜収容部と、
(c)隔膜停止部と、
(d)第1端部と第2端部を有する針を固定する注射装置と、
(e)上記第1端部において針が可撓性中空膜の隔膜に穿刺され、第2端部は生体の皮下に注射されるようにハウジング本体から延長され、さらに可撓性中空膜を圧搾して、中に貯蔵される流体が針を介して可撓性中空膜から排出され生体に注入されるよう適応された圧搾機構を作動し、針の第2端部が生体の皮膚を穿刺すると、針の第1端部が隔膜停止部に挿入されるように注射装置をトリガするトリガ機構と、
を含んでなることを特徴とする流体投与装置。
【請求項11】
上記圧搾は、トリガ機構が作動される軸に対して横方向に行われることを特徴とする請求項10に記載の流体投与装置。
【請求項12】
上記針は、その第2端部においてハウジング本体から延長する際、ハウジング本体の基底部に角度を有して延長することを特徴とする請求項10に記載の流体投与装置。
【請求項13】
上記トリガ機構はセンサによって制御されることを特徴とする請求項10に記載の流体投与装置。
【請求項14】
上記トリガ機構は受信機によって制御されることを特徴とする請求項10に記載の流体投与装置。
【請求項15】
上記トリガ機構は、時間関数により制御されることを特徴とする請求項14に記載の流体投与装置。
【請求項16】
上記トリガ機構を収容するための第2ハウジングを備え、該第2ハウジングはハウジング本体に着脱可能に接続されることを特徴とする請求項10に記載の流体投与装置。
【請求項17】
インジケータによって注射が完了したことが示されることを特徴とする請求項10に記載の流体投与装置。
【請求項18】
生体に一定量の流体を投与するための流体投与装置であって、
(a)装着者の付属器官の周囲に取り付けられるように適応された伸縮性のあるバンドによって、装着者の皮膚に対して保持される基底部を備えるハウジング本体と、
(b)隔膜を有すると共に流体貯蔵部を形成する膜を備え、ハウジング本体の内部に可撓性中空膜を配置するように適応される可撓性中空膜収容部と、
(c)隔膜停止部と、
(d)第1端部と第2端部を有する針を固定する注射装置と、
(e)上記第1端部において針が可撓性中空膜の隔膜に穿刺され、第2端部は生体の皮下に注射されるようにハウジング本体から延長され、さらに可撓性中空膜を圧搾して、中に貯蔵される流体が針を介して可撓性中空膜から排出され生体に注入されるよう適応された圧搾機構を作動し、針の第2端部が生体の皮膚を穿刺すると、針の第1端部が隔膜停止部に挿入されるように注射装置をトリガするトリガ機構と、
を含んでなることを特徴とする流体投与装置。
【請求項19】
上記流体投与装置を装着者の皮膚に対して保持するための保持装置は腕時計バンドである、上記ハウジング本体は腕時計用筐体であることを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【請求項20】
上記圧搾は、トリガ機構が作動される軸に対して横方向に行われることを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【請求項21】
上記針は、その第2端部においてハウジング本体から延長する際、ハウジング本体の基底部に角度を有して延長することを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【請求項22】
上記トリガ機構はセンサによって制御されることを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【請求項23】
上記トリガ機構はラジオ受信機によって制御されることを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【請求項24】
上記トリガ機構は、時間関数により制御されることを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【請求項25】
上記トリガ機構を収容するための第2ハウジングを備え、該第2ハウジングはハウジング本体に着脱可能に接続されることを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【請求項26】
インジケータによって注射が完了したことが示されることを特徴とする請求項18に記載の流体投与装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は2011年7月25日に出願された米国仮出願第61/511,321号の便益を主張し、その全ての内容はここに参照に組み込まれる。
【0002】
本特許文書に開示されるものの一部には、著作権保護の対象である器具が含まれている。特許商標庁において特許開示されているため、著作権所有者は第三者による特許文書又は特許開示のファクシミリ複製に異論はないはずである。さもなければ、何があっても権利を留保するはずである。また、本願に記載される第三者の特許又は記事は、先行技術を理由として、本発明がその物件を先行する権利がないことを承認するものとして考慮すべきでない。
【背景技術】
【0003】
本発明は、流体ディスペンサーに関し、より詳細には生体に一定量の流体を投与するための流体ディスペンサーに関する。
【0004】
あるトリガ事象によって生体に流体を投与することが可能な従来の装置は、多くの使用者にとって、かさ張って扱いにくく、かなりの場所をとるか専用の保管場所を必要とし、精度に欠けるか、あるいは単純にコストが高い物である。例えば、参照することにより本件に組み込まれるハンおよびその他による米国特許第78790010に開示される輸液セットでは、針と注射・引き込み機構は患者の皮膚から垂直に延長して構成されていることにより、かさ張って見た目が悪く不自然な皮膚の付属器となっている従来の自動注射器が説明されている。さらに、ハンおよびその他は粘着性パッドの使用について記載しているが、用量を投与するのに必要とされるよりも長い時間、患者に粘着し、その後取り外されることは想定されていない。
【0005】
参照することにより本発明に組み込まれるアンダーソンおよびその他による米国特許公開第2012/0022499では、本質的に従来の流体貯蔵部が使用され、その流体貯蔵部とカニューレによって接続する針を有する低輪郭装置が開示される。しかし、この装置の輪郭高さは針の長さ以上であると定義され、針は生体の皮膚に垂直に挿入されることを留意されたい。
【0006】
従って、必要とされるのは、トリガ事象によって生体に薬物を自動で投与するための、単純で非常にコンパクトな構造の流体ディスペンサーである。
【0007】
また、必要とされるのは、それが必要とされる場合に対応できるように、何時間あるいは数日間でも生体内に入れた状態での使用に適応された流体ディスペンサーである。
【0008】
また、必要とされるのは、その最少の輪郭が投与に用いられる針の穿刺深さを有さない流体ディスペンサーである。
【発明の概要】
【0009】
生体に一定量の流体を投与するための流体投与装置を提供する。流体投与装置は、第1端部および第2端部を有する針を備える。針は、第1端部において可撓性中空膜の隔膜に接続し、第2端部において生体に皮下注射が行われるように適応される。針は、生体の表面に対して概ね非直交の角度で注射が行われるように、ガイド部によって誘導される。針の第1および第2端部は、共通の方向に共に移動しながら、それぞれの対応する穿孔表面を穿孔する。他の実施形態では、投与装置はハウジング本体、可撓性流体貯蔵部、注射装置およびトリガ機構を含んでなる。ハウジング本体は、装置の作動部品を収容する。可撓性流体貯蔵部はハウジング本体の中に配置され、流体貯蔵部を包囲してなる。注射装置は針を備え、流体貯蔵部と流体連結する。トリガ機構は、針を解放して生体に流体が投与されるように注射装置を作動させる。
【0010】
流体投与装置は、(使用者によって伸縮性のあるバンドや絆創膏、または粘着性パッドを使用して)生体の皮膚に固定され、生体に流体を投与すべく手動、自動または遠隔で作動される。
【0011】
本発明の目的は、最小限の場所を必要とする流体ディスペンサーを提供することである。
【0012】
本発明のまた別の目的は、例えば、手首、足首、頭部またはその他の身体の部分に沿ってまたはその周囲に装着されたり、または衣服や運動用品などの物体に装備される場合などの、従来技術による流体ディスペンサーが成しえなかった要件に適したコンパクトな流体ディスペンサーを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による流体ディスペンサーの略図を示す。
【
図2】本発明による流体ディスペンサーの断面図を示す。
【
図3A】本発明の代案的な第2実施形態の、第1位置における流体貯蔵部の概略的断面図を示す。
【
図3B】
図3Aで示した代案的な第2実施形態の、第2位置における概略的断面図を示す。
【
図4】本発明の流体貯蔵部の第3実施形態の略図を示す。
【
図5】本発明の流体ディスペンサーのための筐体の斜視図を示す。
【
図6】本発明の流体ディスペンサーのための第2の筐体の斜視図を示す。
【
図7】本発明の流体ディスペンサーのための第3の筐体の斜視図を示す。
【
図8】使用者または医療専門家によって行われる、本発明の初期設定方法を示すフローチャートを示す。
【
図9】流体注射装置によって実施される、本発明の方法のフローチャートを示す。
【
図10】モジュラー式の遠隔トリガ装置を備えた本発明の代案的な第4実施形態の斜視図を示す。
【
図11A】本発明の代案的な第5実施形態の断面図を示す。
【
図11B】
図11Aで示した代案的な第5実施形態の進行的な部分断面図であり、注射工程における針の進行を示す。
【
図11C】
図11Aで示した代案的な第5実施形態の進行的な部分断面図であり、注射工程における針の進行を示す。
【
図11E】本発明と共に使用する遠隔作動装置の斜視図を示す。
【
図12B】本発明の第6実施形態の第2斜視図であり、安全ロックを取り外す状態を示す。
【
図12C】本発明の第6実施形態の第3斜視図であり、装置が作動された状態を示す。
【
図12D】本発明の第6実施形態の切り取り図であり、作動される直前の状態を示す。
【
図12F】本発明の第6実施形態の拡大切り取り図を示す。
【
図12G】本発明の第6実施形態の別の拡大切り取り図であり、機構のさらなる動作を示す。
【
図13B】本発明の第7実施形態の部分的に透明な斜視図を示す。
【
図13C】本発明の第7実施形態の部分的に透明な斜視図を示す。
【
図13E】本発明の第7実施形態の部分斜視図を示す。
【
図14A】本発明の代案的な第8実施形態の斜視図を示す。
【
図14B】本発明の代案的な第8実施形態を下から見た第2斜視図を示す。
【
図14C】本発明の代案的な第8実施形態の斜視図であり、筐体が透明な図を示す。
【
図14D】本発明の代案的な第8実施形態の機構の進行的な動作の斜視図を示す。
【
図14E】本発明の代案的な第8実施形態の機構のさらなる進行的な動作の斜視図を示す。
【
図14F】本発明の代案的な第8実施形態の機構のさらなる進行的な動作の斜視図を示す。
【
図14G】本発明の代案的な第8実施形態の機構の進行的な動作の斜視図を示す。
【
図14H】本発明の代案的な第8実施形態の機構のさらなる進行的な動作の斜視図を示す。
【
図15】本発明の代案的な第9実施形態の断面図であり、針が真っ直ぐになるように機構部が皮膚表面に合わせて傾斜された状態を示す。
【
図16A】本発明の隔膜のような停止部またはプラグを有する流体貯蔵部の代案的な実施形態の概略的側面図を示す。
【
図18】本発明のまた別の方法のフローチャートを示す。
【
図19A】本発明における膜の第1実施形態の斜視図を示す。
【
図19B】本発明における膜の第2実施形態の斜視図を示す。
【
図19C】本発明における膜の第3実施形態の斜視図を示す。
【
図19D】本発明における膜の第4実施形態の断面図を示す。
【
図20B】本発明を使用した注射工程の概略的な進行を示し、注射時および後退時における針の変形を示す。
【0014】
図面に示される要素は単純化及び明確性のために開示され、必ずしも縮尺で描かれてないことは、当業者には明らかである。例えば、本発明の様々な実施形態の理解をより深めるために、図面のいくつかの要素の寸法は、その他の要素に対して強調して描かれていることもある。さらに、本件で用いられる「第1」、「第2」やその類の用語は、とりわけ、類似する要素を区別するために使用され、必ずしも順次的または時系的な順番を示すものではない。また、明細書および/または請求項における「正面(front)」、「背面(back)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」やその類の用語は、便宜的な目的で使用され、必ずしも限定的な相対位置を総合的に表わすものではない。上記のように用いられる用語は、例えば本願で開示される様々な実施形態が、明確に図示又は説明される以外の構成および/または配向でも操作可能であるような、適切な状況下では置き換えられてもよいことを当業者は理解されたい。
【0015】
以下の説明は本発明の例示的な実施形態であり、発明者にとっての最適な仕様の概念を表しており、いかなる場合も本発明の範囲、適用、構成を限定することを意図したものではない。むしろ、以下の説明は、本発明の様々な実施形態を実施するための便宜的な実例を提供することを意図したものである。後に明らかとなるように、開示される例示的実施形態で記載される全ての要素の機能および/または配置は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変更することが可能である。
【0016】
略図である
図1を参照すると、流体ディスペンサー10は流体貯蔵部26、任意的なプライミングシステム21、トリガ機構24および注射装置22がハウジング16内に内包されてなる。
【0017】
次に
図2を参照すると、第1実施形態の流体投与装置10は生体14に一定量の流体12を投与する。投与装置10は、ハウジング本体16、ベローズ(またはピストン装置)20、注射装置22およびトリガ機構24を含んでなる。ハウジング本体16には、装置10の操作部品が収納される。ベローズ20は通常収縮された(弾性抵抗に対して伸縮する)状態で、右側面18が右側壁部19に固定されると共に流体貯蔵部26を内包して、ハウジング本体16内のベローズハウジング17の中に配置される。
図3A、3B及び4を参照とした代案的な実施形態57および59では、ベローズ20の代わりにロール膜(roll−membrane)65または平らな可撓性膜67が使用されていることを留意されたい。
【0018】
注射装置22は、流体貯蔵部26と流体連結された針30を有する。トリガ機構24は、生体14に流体12が注射されるよう針30を解放するべく、注射装置22を作動させる。トリガ機構24は、押し下げられることで、ベローズ20に固定的に取り付けられた、または一体的に形成されたロッド34を解放する解放棒32を含んでなる。
【0019】
操作時において、装置10は投与される流体12で満たされている必要がある。そのために、ベローズ20は管状部品36を介して充満され、一例として弁や栓40やその他の閉鎖装置を用いて密閉される。余分な空気が本管部42を介して排出された後、弁または栓44が閉鎖される。ベローズ20内に流体が充満されるに従い、ベローズの全長は伸長し、ベローズ20の最も左側に位置する側面46が、線Aから図で示される位置まで移動する。解放棒32(
図5では棒状部品10として、またその他の図でも開示される)は、ベローズ20の一番左側の側面46を栓44が開放される位置に固定するために配置される。流体システムは本管部42に取り付けられた可撓性管状部品50を用いることで閉鎖した状態に保たれる。可撓性管状部品50は、通常は閉鎖しているが、流体が流入する際にのみ開放されるように形成される。このように形成することで、流体12を無菌状態でベローズ20内に貯蔵することが可能となる。
【0020】
注射装置22の針30は、その一方の端部が可撓性管状部品50に取り付けられてなる。針30は、針と一体的に形成されると共に、第1伸縮バネ54を内包するカップ状のフランジ52を有する。図で示される定位置において、第1動作抑制棒56はロッド34から延長して形成され、フランジ52を開放して針30が生体14に穿刺されるように、動作抑制棒56が十分に右側に移動するまで、ベローズ20が充満された際に生じる針30の下方向の動作を抑止する。第2動作抑制棒60は、第2伸縮バネ64を内包する第2のカップ状フランジ62を抑止する。生体に十分な量の流体が投与され、第2のフランジ62が解放されるまで第2動作抑制棒60を牽引するように、ベローズ20が十分に右方向に移動したら、第2フランジ62は第1フランジ52と接触し、生体14から針30を引き抜く。生体14に流体12を注入した後、自動的に針が後退することで、装置10の操作サイクルは完了する。
【0021】
トリガ機構24はセンサ、受信機70を用いて、または既定用量によっては時間関数により制御される。センサまたは受信機70は、バッテリー72などの電源によって駆動されることが可能で、起動棒32を起動する微小モータ74を制御する。このように、トリガは手動で行われる必要はない。
【0022】
任意的に、装置10にはトリガ機構22を収納する第2ハウジング80が備えられてもよい。第2ハウジング80はハウジング本体16から取外し可能に接続され、ハウジング本体とその内包物とは個別に配置されてもよい。
【0023】
注射装置22の針30は、流体貯蔵部26と流体連結する可撓性カテーテル50に接続される。
【0024】
装置10によって投与される流体12は、薬物、流体キャリアに懸濁されたビタミン、抗毒素、血清、またはインスリンなどの薬剤やホルモン剤などを含む。本件で用いられる「薬物」という用語には、ペプチドまたはタンパク質(およびその模倣薬)、抗原、ワクチン、ホルモン剤、鎮痛剤、片頭痛剤、抗凝固剤、中枢神経系の疾患および状態の治療のための薬剤、麻薬拮抗剤、免疫抑制剤、AIDSの治療に用いられる薬剤、キレート剤、抗狭心症剤、化学療法薬剤、鎮静剤、抗腫瘍薬、プロスタグランジン、抗利尿剤およびDNAまたは遺伝子療法の補助となるDNA/RNA分子が含まれるが、上記に限定されないものとする。
【0025】
典型的な薬物には、インスリン、カルシトニン、カルシトニン遺伝子調節タンパク質、ベタセロン、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン・アルファ、ベータ、ガンマなどのインターフェロン、ソマトロピン、成長ホルモン、ソマトスタチン、インスリン様成長因子(ソマトメジン)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、組織プラスミノゲン活性化因子(TPA)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、オキシトシン、エストラジオール、成長ホルモン、酢酸ロイプロリド、第VIII因子、インターロイキン2などのインターロイキンおよびそれらの誘導体および拮抗剤、例えばIL−1raなどを含むペプチド、タンパク質、ホルモン剤;フェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ブプレノルフィン、レボルファノール、モルヒネ、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、オキシモルフォン、メタドン、リドカイン、ブピバカイン、ジクロフェナク、ナプロキセン、パべリン(paverin)およびそれらの誘導体などの鎮痛剤;スマトリプタン、麦角アルカロイド類およびそれらの誘導体などの片頭痛剤;ヘパリン、ヒルジンおよびそれらの誘導体などの抗凝固剤;スコポラミン、オンダンセトロン、ドンペリドン、メトクロプラミドおよびそれらの誘導体などの制吐剤;ジルチアゼム、クロニジン、ニフェジピン、ベラパニル、5−硝酸イソソルビド、有機硝酸塩、心疾患の治療に用いられる薬剤およびその誘導体などの心血管作動薬、降圧剤、血管拡張剤;ベンゾジアゼピン、フェノチアジンおよびそれらの誘導体などの鎮静剤;デフェロキサミンおよびその誘導体などのキレート剤;デスモプレシン、バソプレシンおよびそれらの誘導体などの抗利尿剤;フルオロウラシル、ブレオマイシンおよびそれらの誘導体などの抗腫瘍剤;プロスタグランジンおよびその誘導体;ビンクリスチンおよびその誘導体、注意欠陥障害の治療薬、メチルフェニダート、フルボキサミン、ビソプロロール、タクロリムス、サクロリムス、サクロリムス(sacrolimus)、シクロスポリン、アクテムラ(トシリズマブ)、アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)、アーゼラ(オファツムマブ)アバスチン(ベバシズマブ)、ベンリスタ(ベリムマブ)、シムジア(セルトリズマブ ペゴル)、エルビタックス(セツキシマブ)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、ヒュミラ(アダリムマブ)、イラリス(カナキヌマブ)ルセンティス(ラニビズマブ)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、パージェタ(ペルツズマブ)、プロリア(デノスマブ)、レミケード(インフリキシマブ)、シンポニー(ゴリムマブ)、ソリリス(エクリズマブ)、ステラーラ(ウステキヌマブ)、タイサブリ(ナタリズマブ)、ベクチビックス(パニツムマブ)、エクスジバ(デノスマブ)、ゾレア(オマリズマブ)、エルボイ(イピリムマブ)およびゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)などの化学療法薬剤が含まれる。
【0026】
選択的に、装置10には、軸上に伸長する溝部を通ってハウジング16の外側に延長し、生体14に投与された流体12の量を示すことが可能となるように、その全長に沿って表示が付されてなるインジケータ90が備えられてもよい。
【0027】
また別の実施形態において、電源22は太陽電池、巻かれた腕時計用ぜんまい、振動質量体によって生じる運動(自動巻きの時計に用いられる物など)、または圧縮空気が貯蔵された空気圧系統などであってもよい。
【0028】
本件に適するモータ74は、アメリカ合衆国、ニューヨーク州に所在を置くニュースケールテクノロジー社(New Scale Technologies Inc.)のスクイグル(SQUIGGLE)(登録商標)である。
【0029】
また別の実施形態では、装置10は、腕時計バンドなどのバンド(例として
図11Dを参照)によって生体14の皮膚に当てられる。
【0030】
また別の実施形態では、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、シーダグローブに所在を置くServometer/PMG LLC(PN400−31988)のミクロベローズ20が装置10に用いられる。
【0031】
微量注射では、15μLから30μLの用量が0.5秒から2秒の時間枠で皮下(>5mm)に注射される。これに適する針の寸法は0.3mmから0.45mmとされる。
図5で示される筐体16´の全体的な寸法は、その直径が約4mmで且つ全長が約15mmであることが好ましい。次に
図6を参照すると、筐体16´は自動粘着シール部71によって皮膚に接着または付着される。初めに注射器が装着された際に使用されなかった場合に注射器を再接着することができるように、流体注射器の装着後に接着剤がアルコールによって除去できるような接着剤が選択されなければならない。筐体16´は、ハウジング16と、流体が投与されるまでトリガ24へのアクセスを防止するスライド式パネルなどの密閉部73とから構成される。選択的に、薄い可撓性素材からなる隔膜(装置の下側、すなわち針と使用者の皮膚との間に配置されるため図示されない)によって、針注射装置22は外部要素から密閉される。スライド式パネル73は、
図10で示されるRFトリガや時限トリガなどの遠隔式トリガと代替することも可能である。事故的にトリガされるのを防止するための、または振動や衝撃、材料のクリープに耐性のある別の安全装置(図示なし)が、安全性を向上するために付加されてもよい。
【0032】
図8を参照すると、本発明の使用法100はいくつかのステップからなる。第1ステップ102では、例えば消毒薬と綿棒を用いた清浄など、注射される部分の準備が行われる。第2ステップ104では、使用者によって流体注射器の安全シールが剥がされる。第3ステップ106では、流体注射器の粘着性パッドから保護層が取り除かれ、流体注射器が使用者の皮膚に接着される。第4ステップ110では、トリガへのアクセスのため使用者によってトリガパネルが開かれる。第5ステップ112では、使用者によってトリガが作動され、それによって流体注射の自動工程が開始される。
【0033】
図9を参照すると、流体注射の自動工程120は流体注射器の制御電子回路によって実行され、その工程は7つのステップからなる。第1自動ステップ122では、本発明の作動システムが始動される。第2自動ステップ124では、流体注射器の事前準備が行われる。第3自動ステップ126では、針が皮下注射される。第4自動ステップ130で流体が投与される。第5自動ステップ132では、針が引き込まれ格納される。使用が終わると、流体注射器は使用者によって取り外され、まだ注射部分が消毒されていない場合は消毒される。
【0034】
図10を参照すると、トリガ機構24は、トリガを作動可能となるようにトリガとインターフェイス接続されるよう、流体注射器10´にクリップされた(clipped on)制御モジュール200の無線インターフェイスを介して制御されてもよい。
【0035】
次に
図11Aから
図15を参照すると、その他の実施形態300,400,500,600および700において、流体貯蔵部12は可撓性の流体貯蔵部である。可撓性流体貯蔵部はハウジング本体の中に配置される。針を備える注射装置は、流体貯蔵部と流体連結されて形成される。注射装置は、針が解放されて生体に流体が投与されるように、トリガ機構によって作動される。
【0036】
特に
図11Aから11Eを参照すると、別の実施形態における流体投与装置310は、生体の皮膚の穿刺を容易にするために、好ましくはベベル(斜端)加工が施された第1端部314および第2端部316を有する針312を備える。針312は、第1端部314が可撓性中空膜322の壁部320の隔膜360と接続し、第2端部316が生体に皮下注射されるように構成される。針312は、生体の皮膚の表面326に対して実質的に非直交の角度αで注射されるように、第2端部316の周囲においてガイド324によって誘導される。ハウジング332内の注射装置330は、一方の端部にフランジ336が形成されると共に長手方向に移動可能に配置された中空の移動コレット334と、中に移動コレット334が配置されると共に、一方の端部はフランジ336に当接し、もう一方の端部はハウジング332に当接する延長バネ338と、可撓性膜収容部340であって、針312が可撓性膜収容部340の中に取り付けられると、その第1端部314は(好ましくは容量が20μlの)可撓性膜322に隣接して保持され、その第2端部316はガイド324内に収容されるように針312が取り付けられると共に、移動コレット334内に配置される可撓性膜収容部340と、移動コレット334に押圧すると共に、使用者が接触可能となるようにハウジング332の外に延長する使用者用の押しボタン342とを有する。可撓性膜収容部340は、延長バネ338と比較してバネ定数Kが少ない圧縮バネ346の第1端部344と接続し、圧縮バネ346はもう一方の端部350でハウジング332と接続する。可撓性膜収容部340の一方の端部には、移動コレット334のフランジ336の端面部354を越えて延長するフランジ352が形成される。
図11Aで示される図において、延長バネ346は実質的に弛緩した状態にあり、圧縮バネ338は圧力が加えられた状態にある。ハウジング332内のタング(tang)の固定肩部356によって、圧縮バネ338は圧縮された状態に維持される。
【0037】
操作において、使用者が移動コレット334に作用する押しボタン342を押すと、移動コレットが固定肩部356に付勢し、これによって圧縮バネ338が伸長し、可撓性膜収容部340の可撓性流体貯蔵部322を針312と共にハウジング332の反対側の端へ移動させる。この移動工程の間、針312の第1端部314は可撓性流体貯蔵部322の隔膜360を貫通し、針312がガイド324を介して生体の皮膚の表面326に向かって誘導されるに従って、中に収容された流体362がプライミングされる。任意的にプライミング工程の後に、さらなる移動によって針312は生体14に通常3mmから5mmの既定の深さで注射される。可撓性膜収容部のフランジ352は、ハウジング332の内側表面に形成された対応する傾斜部またはカム表面364に到達すると、溝部が形成されてなる可撓性膜収容部340を、流体貯蔵部322から流体362がさらに絞り出されるように圧潰して(
図11Cを参照)残留する流体を排出するように、フランジ352には傾斜が形成されてなる。このようにすることで、トリガ機構が作動する軸に対して横方向に圧搾が行われる。可撓性膜収容部のフランジ352が圧潰されると、可撓性膜収容部は移動コレット334を通過することが可能となり、延長バネ338によって引っ張られると同時に針312を生体14から引き抜き、ハウジング332内に安全に収容する。ここでは、コレット334の内側表面によって可撓性膜収容部340のタングが圧潰状態に保たれることにより、膜において圧力が維持されているため、生体からの体液の吸引が防がれることに留意されたい。この時点で、流体投与装置310は生体14の皮膚の表面326から取り除かれ、廃棄されてもよい。
【0038】
故意ではない作動に備えて、ロック構造370によって押しボタン342が押し下げられるのは防止される。
【0039】
次に
図11Dを参照すると、流体投与装置300は(使用者が皮膚に対して手で圧力を加えるか、伸縮性のあるバンド301や絆創膏、または粘着性パッドを用いて)生体14の皮膚に固定され、流体が生体14に投与されるように手動、自動または遠隔操作で作動される。例えば、使用者は流体投与装置300を治療する生体14の皮膚に当てて保持するだけでよい。代案的には、針312が通過するハウジング332の基底部が皮膚にしっかりと固定されるように、流体投与装置300(または図示されるような一連の装置)が取り付けられた伸縮性のあるバンド301を引き伸ばして生体14の付属器官303の周囲に装着されてもよい。例えば、参照することにより本発明に組み込まれるPCT/IB2010/002055およびPCT/IB2010/002054のPCT出願で開示されるように、流体投与装置300は腕時計用バンドに取り付けられた腕時計用筐体に収容されてもよい。任意的に、装着者の好みに応じて、バンドおよび筐体は装飾的および/または貴金属から形成されてもよい。さらに、ハウジング332は、接着剤が装置を生体の皮膚に取り付ける前に塗布される面を有する基底部を含んでなる。(例えば、
図12Aおよび
図13Aで示されるような)自己粘着パッド390,490,590を使用することも可能である。
【0040】
次に
図11Eを参照すると、流体投与装置300は流体投与装置300を中に収納する付属品307を含んで構成されることも可能で、付属品307はラジオ受信機やその類とアクチュエータを備え、モバイル装置311からの指令信号を受信し所定の時間にアクチュエータを作動して、自動的に生体14に流体が定量投与される。
【0041】
図12Aから
図12Gを参照すると、代案的な流体投与装置400は第1端部314と第2端部316を有する針312を備える。特に
図12Dと12Eを参照すると、針312は、第1端部314において可撓性中空膜422の隔膜420と接続し、第2端部316は生体14に皮下注射するように適応される。針312は、生体14の表面326に対して概ね非直交の角度αで注射が行われるように、ガイド部424によって誘導される。
【0042】
非直交の角度で注射が行われることによって、装置が注射される生体の表面に対して確実に低輪郭であることに資する。皮膚の皮下層に確実に注射されるように5mmの深さで注射しなければならない場合、従来のシステムを用いると、最低でも5mmの深さで注射を行うには皮膚表面から直交に延長しなければならない。角度を有して皮膚に穿刺すると共に、ガイド部を通過するように変形可能な(例として
図20Bを参照)延性かつ可鍛性を有する針を用いることによって、過剰に高いまたは盛り上がった輪郭を有することなく、長細い装置を用いることが可能となる。低輪郭であることによって、長時間の使用の間に装着者が不注意から装置を取り外しにくくし、また装着時に装置がより目立ちにくくなる。さらに、人間に使用する際には美的側面もあり、人間の身体と異質な物体が身体に直接的に取り付けられる場合、目に触れないのが最も好ましい。身体に取り付けられる輸液用器具は、多くの人からイボと同じくらいみっともないものとみなされている。従って、本発明の装置も可能な限り小さく低輪郭であることが重要となる。
【0043】
ハウジング432内の注射装置430は、長手方向に移動可能に配置される移動ブロック434を有し、移動ブロック434はハウジング432の反対側に向かって移動するよう圧縮バネ438(一方の端部はハウジング432に、もう一方の端部はバネスライド433に固定される)によって付勢される。針312は、移動ブロック434がハウジング432の反対側に移動するよう解放された際、隔膜420に突き刺さるように移動ブロック434に取り付けられる。使用者押しボタン442aおよび442b(
図12Dで最も明確に示される)は、ハウジング432を水平方向にスライドし、図示のように押し下げられていない位置にある場合、圧縮バネ438を圧力が加えられた位置に維持することで、移動ブロック434が可撓性流体貯蔵部422に向かって移動するのを防ぐ。押しボタン442aと442bが内側に押されると、高いバネ定数K(通常、延長バネ446の10倍の数値)を有する圧縮バネ438が解放され、カム435を介してハウジング432の反対側に移動ブロック434を移動させる。そして移動ブロック434はバネ作用によって流体貯蔵部422に対して押圧され、流体貯蔵部を圧潰して中の流体を排出して針312のプライミングを行い、針312の第2端部316を生体14に穿刺する。流体貯蔵部422内の流体がすべて排出されると、(移動ブロック434を軸に回転する)カム435のアーム452aと452bが対応するカム表面464を乗り上げてバネスライド433と圧縮バネ438を乗り越え、その一方の端部が移動ブロックに、もう一方の端部がハウジング432に固定される延長バネ446を解放し、針312と共に移動ブロック434を引っ張り、移動ブロックを定位置に戻すと同時に針を生体14から引き抜きハウジング432の中に安全に収容する。
【0044】
特に
図12Bを参照すると、故意ではない作動に対する安全策として、ロック機構470によって押しボタン442aと442bが押されるのが防止される。代案として、バネの周囲に配置されハウジングに取り付けられる(例:接着される)フィルム固定ストラップが固定手段として備えられてもよく、フィルムは付属する金属片に選択的に抵抗または磁気誘導を加えることで溶解可能な材料で形成される。加熱された金属片によって固定ストラップは溶解し、注射と引き抜きを行うように装置を解放する。フィルムには、ポリプロピレンやタイベックなどの低融点を有する材料が用いられる。金属部品は、例えばチタンや、電流に反応して温度が変化するその他の導体で形成されたものが用いられる。金属部品はフィルムと接触する。その金属は、例えばチタンや、電流に反応して温度が変化するその他の導体であってもよい。外部装置によって、電流が直接接触または磁気誘導を介して金属部品に印加される。金属ロッドが加熱され、その局所熱がフィルムに伝導されその一部を溶解することで裂け目および破損を生じ、これによってバネを解放して注射および引き抜き工程を始動させる。
【0045】
次に
図13Aから
図13Gを参照すると、さらに代案的な流体投与装置800は、ストリップ803を剥がすと粘着面が露わになる自己粘着面801などの方法によって、生体14の皮膚に当てられる。流体投与装置800は解放タブ802を引き出すことで作動される。安全機能として、解放タブ802には小さなスナップ部804が備わってなる。流体投与装置800から解放タブを引き出すには、このスナップ部804による保持力を超越しなければならない。解放タブ802が取り外されると、圧縮バネ806によってスライダー810が前進駆動される。スライダー810のカム表面812は針保持部814に対してカム運動を行い、針保持部814とそれに固定される針816を垂直方向に押し下げる。針816には、可撓性膜824の流体貯蔵部隔膜822を穿刺するよう適応された第1端部820と、生体14の皮膚を穿刺するように適応された第2端部826を有する。針816が生体14の皮膚に望ましい深さで穿刺されるように、約2mm程度の移動行程は許容される。この動作によって針816の第2端部826が皮膚に穿刺され、もう一方の端部が流体貯蔵部隔膜822に穿刺される。この動作が進むにつれて、流体貯蔵部824は針保持部814に作用するスライダーによって圧潰され、流体貯蔵部824内に貯蔵されていた流体が針816を介して排出され生体に投与される。スライダー810がその移動行程の最後まで到達すると、針保持部814を乗り越える。これによって、針保持部814と針816は標準位置に戻ることが可能となり、皮膚から針が引き抜かれる。流体貯蔵部824には、針の第1端部が突き刺さって栓をすることで、針を引き抜く際に生体の体液が吸引されることを防ぐ隔膜停止部が任意的に備えられてもよい。
【0046】
次に
図14Aから
図14Hを参照すると、さらに代案的な流体投与装置500では、ハウジング532とクランク533の間に周知の方法で取り付けられたねじりバネ537が用いられる。トリガされると、ねじりバネはクランク533を回し、クランク533はクランクとピストンブロック534の間に回転式に取り付けられたロッド535を介して針512のプライミングを行って生体14に穿刺し(またはこの逆の順序で行い)、流体を投与した後、生体から針を引き抜き安全にハウジング内に収容する。針312は、針312の第1端部314が可撓性中空膜522に当接する第1位置から、可撓性中空膜内の流体がブロックによって絞り出され針312を介して生体14に投与される第2位置へ、ハウジング532内の経路を滑動するように形成されるピストンブロック534に取り付けられる。
【0047】
特に
図14Bを参照すると、穴部525は針312がハウジングを通過し患者の皮膚に穿刺されるために形成される。装置をより衛生化するために、穴部525は薄膜で被覆されてもよく、これによって装置が複数回に渡って装着されても穴部に接着剤が蓄積することが防止される。取外し可能な層またはタブで保護される自己粘着性のバージョンでは、取外し可能な層またはタブが同様の機能を果たすため、このような薄膜で穴部525が被覆される必要はない。
【0048】
操作において、使用者は押しボタン542を解放する安全ピン570を取り除く。そして、使用者が押しボタン542を押すとクランク533が解放される。クランク533戸の間に回転式に取り付けられたロッド535は、ピストンブロック534を可撓性膜522に向かって移動させ、針312の第1端部314を隔膜520に穿刺する。その動作が進むにつれて、針のプライミングを行い、針の第2端部316を移動し、ガイド部524による誘導を介して生体に穿刺し(またはこの逆の順序で行い)、内部の流体を排出した後、クランクがさらに回転すると戻しバネによって付勢されることで生体14から針を引き抜き安全にハウジング532に収納する。
【0049】
次に、
図10から
図14Gに関連する実施形態にも適応可能な、
図15を参照とするまた別の代表的な実施形態では、針612は角度を有する部分316が形成されてなる必要はなく、むしろ隔膜を穿刺する第1端部614に平行に真っ直ぐ延長して形成されてもよい。針612の第1端部614および第2端部616は、共に共通の方向に移動しながらそれぞれの対応する穿刺表面を穿刺する。これは、注射装置全体が基底面に平行に設計されるのではなく、注射角度と同一平面上に設計される場合に可能となる。この実施形態のハウジングはそのように適応されるか、または装置自体が角度を有する台620に取り付けられる。
【0050】
次に
図16Aから16Cを参照すると、針を取り除く際に投与した流体の吸引を防止する可撓性流体貯蔵部900が開示される。通常の皮下注射プロトコルでは、針はまず皮膚にある程度の深さで穿刺され(3mmから5mm)、穿刺されて初めて薬剤が表皮に投与され、最終的に針は引き抜かれるため、このような機能は重要となる。本実施形態か同様の物が使用されない限り、流体は針が皮膚に穿刺される間ずっと、皮膚の表面から最終的な深さに到達するまで線状に投与される。また、針を取り除く際、投与された流体の一部が再び針に吸引される恐れが少なからずある。本実施形態では、流体貯蔵部900は、その底面部または(針の第1端部に関連して)最遠端部に隣接して隔膜のような停止部902が備わってなり、注射工程が終わると針312の第1端部314が止め部に突き刺さり第1端部を完全に封鎖することによって、望ましくない投与液の吸引を防止する。この代案として、隔膜のような停止部または栓902の代わりに、一方向弁(図示なし)または詰め替えが不可能な流体貯蔵部が体液が吸引されて貯蔵部に戻るのを防ぐために用いられてもよい。
【0051】
投与から引き抜きの間、隔膜360に針312の第一端部314が突き刺さったままの状態で維持されることが、本発明の機能面からは望ましい。隔膜は、針の遠端を隔膜から引き抜くために必要な力は、針を引き抜くと共に流体貯蔵部本体が装置内を後方に滑動するために必要な力よりも大きくなるように形成される。代案として、隔膜のような停止部902は、針が引き抜かれる間に流体貯蔵部が針に固定されたまま維持される介助となる。
【0052】
図17を参照として、本発明の別の様相では、生体14に流体を皮下投与するための方法1000が提供される。方法1000は以下のステップからなる。第1ステップ1002では、針312の第1端部314が流体貯蔵部322の隔膜360を穿刺する。第2ステップ1004で、針312に流体が充満される。第3ステップ1006で、針312の第2端部316が生体14の皮膚を穿刺する。第4ステップ1010では、既定の用量の流体が既定の深さで生体14に投与される。第5ステップ1012では、針が生体14から引き抜かれ密閉された空間に収容される。任意的な第6ステップ1014で、流体投与装置は適切に処分される。
【0053】
次に
図18を参照として、複数のステップからなる代案的な方法1100が開示される。第1ステップ1102では、針312の第2端部316はガイド部324を通って生体の皮膚に約2mm程度進入する。第2ステップ1104で、針312の第1端部314は流体貯蔵部322の隔膜360に突き刺さる。第3ステップ1106で、針312が流体で充満される。第4ステップ1110では、既定の用量の流体が既定の深さで生体14に投与される。この時、
図16Aから
図16Cで示されるように、針の第1端部は任意的に隔膜のような停止部または栓に穿刺される。第5ステップ1112では、針が生体14から引き抜かれ密閉された空間に収容される。第6ステップ1114で、流体投与装置は適切に処分される。
【0054】
次に
図19Aから19Dを参照として、本発明に用いられる可撓性流体膜は無限とも思える多種多様な形状をとることができる。
図19Aを参照すると、一例として、
図11Aから
図11Eで説明された実施形態においてとりわけ適する可撓性流体膜700は、相互に接続してひとつの長細い膜を形成する第1蛇腹部702と第2蛇腹部704を有する。蛇腹部702は長さAを有し、例えば可撓性膜収容部340などによって水平方向に圧潰されると蛇腹部702を折り畳むことが可能となる蛇腹状の折り畳み部706が形成されてなる。もう一方の蛇腹部704は、軸方向に折り畳むことが可能な蛇腹状の折り畳み部710を有する。膜700は、それぞれが異なる方向に圧縮可能な2つの部品から形成されるため、注射工程の際に投与される流体用量の変更に適応可能である。例えば、蛇腹部702または704のそれぞれの直径または大きさを変更することができ、
図11Aから
図11Eの実施形態で示されるようにそれぞれが直列で作動されるところ、蛇腹部Bが圧縮される速度と蛇腹部Aが水平方向に圧潰される速度との2つの注射速度が選択可能となる。特に
図19Bと
図19Cを参照すると、蛇腹部702または蛇腹部704のいずれかの部分のみを用いることも可能である。
図19Cに開示される実施形態は、軸方向の圧縮がほとんどなく(
図11Aを参照)、コレット340の動作の最後に軽く挟まれる程度の場合に最も適するものである。
【0055】
次に
図19Dを参照すると示される、
図12Aから
図14Hの実施形態での使用に典型的な膜780は、四角形または円形の水平断面を有し、その軸方向断面は円錐形状を有し、この端部が隔膜784に挿入されると円錐の広い方の表面782が針312の第1端部314から遠位となる。隔膜のような停止部902は、針312の第1端部314が停止部に突き刺さって針を閉鎖させることで吸引が防がれるように、広い方の表面782に取り付けられる。折り畳み部786は、膜を平らな状態になるまで順番に折り畳むことで、流体貯蔵部780に貯蔵される流体のほとんどを排出可能とする。針312の第1端部314を停止部の突き刺すことで、伸長しようとする力に対して第1端部314が膜を隔膜784から停止部902に固定するため、膜780が伸長する(そして吸引が行われる)のを確実に防止する。
【0056】
膜は、製造施設の無菌環境において装置が組み立てられる際に、あらかじめ充満された輸液用器具400内に挿入される。これらの装置400は使い捨てで用いられるよう意図されるため、使用者または医者は装置の装着、トリガ、取り外し以外に、装置と相互作用を持つものではない。これによって、装置が使い捨てで用いられることが保証される。
【0057】
次は
図20を参照すると示される、本発明を用いた注射工程の進行は、スタンバイ、注射、投与、そして引き抜きの段階から構成される。スタンバイ段階において、針は装置の中に収められ、流体貯蔵部は充満された状態で、装置は患者の皮膚に当てられる。注射段階では、皮下1.5mmから2mmで針が皮内の皮膚層に穿刺される。投与段階では、流体経路が開放され、針が皮下4mmから5mmの目的深さまで穿刺される間、流体貯蔵部は流体を排出する。針は流体貯蔵部の隔膜に固定されており、針が引き抜かれると貯蔵部/隔膜も共に滑動する。流量は流体貯蔵部の設計(材料の特性、形状など)、流体経路の大きさ(針の内径)および皮下の抵抗に大きく依存する。27から31G(微細)の針312を介して流体貯蔵部から流体の排出が開始されると、バネの運動を遅延させるのに十分な抵抗が生じ、最初のボーラス(first bolus)は針が皮膚から引き抜かれる前に投与される。
【0058】
任意的に、注射が完了したかどうかを示すためのインジケータが備わってもよい。使用者が、輸液工程が完了し、装置を取り外してもよいことが分かるようなフィードバックを備えることも重要となる。代案としては、バネが収縮して針保持部が最終位置まで到達するとクリック音が鳴る、スナップ式のインターフェイスが備わってもよい。また、針の一部に色が付され、その部分が窓の下を移動すると針保持部が収縮したことを示すような覗き窓が備えられてもよい。
【0059】
任意的に、装着者の皮膚に投与装置を固定するために、装置の基底部に粘着剤が塗布されてもよい。ある実施形態では、基底部には粘着剤として粘着性パッドが固定的に取り付けられ、反対面には保護シートが貼られ、剥がされると粘着面が露わになるように形成される。
【0060】
可撓性中空膜には流体(例:上記されたものを含むすべての流体)が内包され、収容部に機能的に配置される。
【0061】
ある実施形態では、トリガ機構は遠隔制御によるセンサまたは無線ラジオ受信機によって制御される。注射速度の制御は時間関数により、例えば、これらの実施形態における圧縮バネ338,438,806,537の機能に取って代わるマイクロモータアクチュエータを制御することによって可能となる。このようなモータ(例:スクイグル(Squiggle))は、装置を安価に製造可能とすると同時により高価な作動および制御システムの設置を可能とするように、装置に着脱式に取り付けられ、再利用のために取り外されるモジュラー部品の一部として形成されてもよい。このような装置は、モータと電子部が上方部分200に一体的に形成され、用量および注射/引き抜き装置はハウジング本体16´の中に配置される
図10のユニットで示される。
【0062】
また別の実施形態では、流体投与装置はトリガ機構を収納する第2ハウジングを含んでなる。第2ハウジングはハウジング本体と取外し可能に接続される。
【0063】
本発明は、長時間に及ぶボーラスにも、従来の自動注射器が所要する時間の間(例:数秒間)、自動注射器を注射部位にしっかりと持つことができない患者によっても使用することができることを理解されたい。
【0064】
有利な点として、本発明は低輪郭の自動注射器または輸液用器具を提供することで、保持装置を使用する生体の皮膚に接着または保持される際も、装着者によって不本意に取り外される可能性が低い。
【0065】
本発明のさらなる利点は、信頼性が高く簡単な、生体に注射する手段を提供すできることである。
【0066】
本発明のさらなる利点は、確実な自己注射が可能な装置を提供できることである。
【0067】
本発明のさらなる利点は、装置の小さな寸法と、機構部が包囲されている構造によって、二度目の利用を不可能とし、これによって二次汚染や一人目の使用者から二人目の使用者へ病気が感染するリスクがなくなる点である。
【0068】
本発明のさらなる利点は、本願の流体投与装置は、そのような使用が必要な場合に応じて、数時間あるいは数日間に及ぶ生体への使用に適していることである。
【0069】
本発明のさらなる利点は、本願の流体投与装置の最小とされる輪郭が、注射に用いられる針の穿刺深さを有さない点である。
【0070】
本発明のさらなる利点は、通常治療効果を発揮するために必要とされる活性剤、薬剤や流体の用量は非常に少ないため、現在では医師や看護師が(注射貯蔵部の周囲に付された目盛りを読んで)投与された量を見るために通常高度希釈されて調剤されているが、本発明は典型的な治療に必要とされる量の活性剤を注射できるため、自己注射および、様々な病気の治療に用いられる本質的にどんな治療薬の滅菌注射にも対応している。
【0071】
本願で開示および説明される特定の実施案は、本発明の代表的および最適な形態を示すものであって、本発明の範囲を制限することを意図したものでは決してないことを理解されたい。さらに、本願に包含される様々な図面で示されるすべての接続線(connecting lines)は、様々な部品間の例示的な機能的関係および/または物理的接続を表すものである。その他多くの代案的または付加的な物理的接続または機能的関係は当業者には明白であることを留意されたい。
【0072】
また、本願の装置、システムおよび/または方法は、本願と同様の機能を有するすべての物品、サービスまたは情報の使用、販売および/または流通を目論んだものである。
【0073】
本願の明細書および図面は限定するためではなく例示的なものとして理解されたく、本願で説明されるすべての改良は、例えそれが出願時に明確に請求されていない場合でも、本願の請求範囲に包含されることを意図される。従って、本願発明の範囲は、上記された単なる例示案からではなく、添付されるまたは後で補正あるいは追加される請求項、またはそれに法的に相当する物によって判断されるべきである。例えば、すべての方法または工程の請求項で記載されるステップは、どの順番であっても実行可能であり、請求項に記載される特定の順番に限定されるものではない。さらに、装置の請求項で記載される要素および/または部品は、本願と本質的に同様の成果をもたらす様々な置換で組立または操作的に構成されることも可能である。総じて、本願発明は請求項で記載される特定の構成に限定されるものではない。
【0074】
本願で記載される便益、利点や解決法は、請求項の必須、重要または不可欠な特徴または要素であると考慮されるべきではない。
【0075】
本願で用いられる「からなる」、「から構成される」やその他の同様の言い回しは、要素の非限定的な一覧を表すために用いられ、その要素一覧から構成される本発明の工程、方法、物品、構成または装置は記載される要素のみを含むわけではなく、本明細書に記載されるその他の要素を含むことも可能である。また、「を含む」、「を含んでなる」または「本質的に含む」といった言い回しは、別段に指定のない限り、列挙される要素のみに発明の範囲を限定する意図で用いられるものではない。本発明の実施に用いられる上記された要素、材料または構造の組み合わせまたは改良は、本発明の一般原則から逸脱することなく、当業者によってその他の設計に変更または適応することも可能である。
【0076】
上記で挙げられた特許及び文献は、別段の記載のない限り、本開示に反しない範囲において、参照することにより本件に組み入れられる。
【0077】
本発明の他の特徴及び実施形態は、添付の請求項において説明される。
【0078】
さらに、本発明は、新規性、進歩性及び産業上の利用性を具備すると考慮される本明細書、添付の請求項及び/又は図面において説明された全ての特徴の可能な全ての組み合わせから構成されることを考慮されたい。
【0079】
著作権は本出願人又はその譲受人によって所有され、1つ又は複数の請求項で定義される権利の第三者へのライセンスに関しては、その他の請求項で定義される発明を使用する黙示的なライセンスは許可されていない。さらに、公衆又は第三者に対して、添付物を含む本特許明細書明を基にした二次的著作物及びいかなるコンピュータピログラムも、それを作成する明示的又は黙示的なライセンスは許可されていない。
【0080】
上述された発明の実施形態において、様々な変更及び改良を加えることが可能である。本発明の、特定の具体的な実施形態が開示及び説明されたが、幅広い改良、変更及び置換が上述の実施形態では考慮される。上記の説明には多くの特定事項が含まれるが、発明の範囲を限定するものとしてではなく、むしろ1つ又はその他の好適な実施形態の例示であると考慮されたい。場合によっては、本発明のいくつかの特徴は、対応する他の特徴を使用することなく用いられる。従って、上述の説明は広義に解釈され、単なる実例又は例示として理解され、本発明の精神及び範囲は本出願で最終的に発行される請求項によってのみ限定されるべきである。