特許第6293241号(P6293241)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293241
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】支払支援装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20180305BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   G07G1/12 361C
   G07G1/01 301D
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-219044(P2016-219044)
(22)【出願日】2016年11月9日
(62)【分割の表示】特願2015-166611(P2015-166611)の分割
【原出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2017-37676(P2017-37676A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2016年11月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】望月 克人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健也
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−157153(JP,A)
【文献】 特開2008−243134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引の合計金額を取得する取得手段と、
前記合計金額の少なくとも一部を均等に負担する人数を入力する第1の入力手段と、
前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が負担する均等負担金額を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出した均等負担金額を前記第1の入力手段により入力された人数と対にして表示面に表示するとともに、前記均等負担金額と当該均等負担金額を支払う人数とを対にして表示する表示行の次の行に追加ボタンを表示し、前記追加ボタンの操作に応じて、人数を入力する人数エリア及び金額を入力する金額エリアを前記表示面に表示する表示手段と、
前記合計金額のうち前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が均等に負担する金額とは異なった金額を負担する人数を前記人数エリアにて入力するとともに、前記人数エリアに入力される人数に属する各客が負担する金額を前記金額エリアにて入力する第2の入力手段とを具備し、
前記算出手段は、
前記第2の入力手段により人数及び金額が入力されない場合には、前記合計金額を前記第1の入力手段で入力された人数で除算することで前記均等負担金額を算出し、
前記第2の入力手段により人数及び金額が入力された場合には、当該入力された人数及び金額の積として求まる金額を前記合計金額から減算した金額を前記第1の入力手段で入力された人数で除算することで前記均等負担金額を算出する、
支払支援装置。
【請求項2】
前記合計金額のうち前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が均等に負担する金額、ならびに前記第2の入力手段により入力された人数に属する各客が負担する金額のいずれとも異なった金額を負担する人数と、当該人数に属する各客が負担する金額とを入力する第3の入力手段を更に備え、
前記算出手段は、
前記第2の入力手段によって入力された人数及び金額の積として求まる金額を前記合計金額から減算した金額から、前記第3の入力手段によって入力された人数及び金額の積として求まる金額を減算した金額を前記第1の入力手段で入力された人数で除算することで前記均等負担金額を算出する、
請求項1に記載の支払支援装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記人数エリア及び前記金額エリアを対にして表示する表示行の次の行に第2の追加ボタンを表示し、当該第2の追加ボタンの操作に応じて、金額を入力する第2の金額エリア及び人数を入力する第2の人数エリアを前記表示面に表示し、
前記第3の入力手段は、
前記合計金額のうち前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が均等に負担する金額とは異なった金額を負担する人数を前記第2の人数エリアにて入力するとともに、前記第2の人数エリアにて入力される人数に属する各客が負担する金額を前記第2の金額エリアにて入力する、
請求項2に記載の支払支援装置。
【請求項4】
取引の合計金額を取得する取得手段と、
前記合計金額の少なくとも一部を均等に負担する人数を入力する第1の入力手段と、
前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が負担する均等負担金額を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出した均等負担金額を前記第1の入力手段により入力された人数と対にして表示面に表示し、所定の操作に応じて、人数を入力する人数エリア及び金額を入力する金額エリアを対にして前記表示面に表示するとともに、前記人数エリア及び前記金額エリアと同一の表示行に削除ボタンを表示し、さらに前記削除ボタンの操作に応じて前記人数エリア及び前記金額エリアの表示を取り止める表示手段と、
前記合計金額のうち前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が均等に負担する金額とは異なった金額を負担する人数を前記人数エリアにて入力するとともに、前記人数エリアに入力される人数に属する各客が負担する金額を前記金額エリアにて入力する第2の入力手段とを具備し、
前記算出手段は、
前記第2の入力手段により人数及び金額が入力されない場合には、前記合計金額を前記第1の入力手段で入力された人数で除算することで前記均等負担金額を算出し、
前記第2の入力手段により人数及び金額が入力された場合には、当該入力された人数及び金額の積として求まる金額を前記合計金額から減算した金額を前記第1の入力手段で入力された人数で除算することで前記均等負担金額を算出する、
ことを特徴とする支払支援装置。
【請求項5】
前記合計金額のうち前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が均等に負担する金額、ならびに前記第2の入力手段により入力された人数に属する各客が負担する金額のいずれとも異なった金額を負担する人数と、当該人数に属する各客が負担する金額とを入力する第3の入力手段を更に備え、
前記算出手段は、
前記第2の入力手段によって入力された人数及び金額の積として求まる金額を前記合計金額から減算した金額から、前記第3の入力手段によって入力された人数及び金額の積として求まる金額を減算した金額を前記第1の入力手段で入力された人数で除算することで前記均等負担金額を算出する、
請求項4に記載の支払支援装置。
【請求項6】
前記表示手段は、
前記人数エリア及び前記金額エリアを対にして表示する表示行の次の行に追加ボタンを表示し、当該追加ボタンの操作に応じて、金額を入力する第2の金額エリア及び人数を入力する第2の人数エリアを前記表示面に表示し、
前記第3の入力手段は、
記合計金額のうち前記第1の入力手段により入力された人数に属する各客が均等に負担する金額とは異なった金額を負担する人数を前記第2の人数エリアにて入力するとともに、前記第2の人数エリアにて入力される人数に属する各客が負担する金額を前記第2の金額エリアにて入力する
請求項5に記載の支払支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、代金の支払いを支援する支払支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などでの代金を複数名の客が分割して支払う場合において、単に代金を人数で等分割した金額を各客の支払金額とするのではなく、各客で代金の支払金額を異ならせることがある。
【0003】
この場合、各客の支払金額の計算が複雑になり、円滑な会計が妨げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−287466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、代金を複数名が分割して支払う際において、各人の支払金額の導出を容易化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る支払支援装置は、取得手段と、第1の入力手段と、算出手段と、表示手段と、第2の入力手段とを備える。取得手段は、取引の合計金額を取得する。第1の入力手段は、合計金額の少なくとも一部を均等に負担する人数を入力する。算出手段は、入力手段により入力された人数に属する各客が負担する均等負担金額を算出する。表示手段は、算出手段で算出した均等負担金額を第1の入力手段により入力された人数と対にして表示面に表示するとともに、均等負担金額と当該均等負担金額を支払う人数とを対にして表示する表示行の次の行に追加ボタンを表示し、追加ボタンの操作に応じて、人数を入力する人数エリア及び金額を入力する金額エリアを表示面に表示する。第2の入力手段は、合計金額のうち第1の入力手段により入力された人数に属する各客が均等に負担する金額とは異なった金額を負担する人数を人数エリアにて入力するとともに、人数エリアに入力される人数に属する各客が負担する金額を金額エリアにて入力する。算出手段はさらに、第2の入力手段により人数及び金額が入力されない場合には、合計金額を第1の入力手段で入力された人数で除算することで均等負担金額を算出し、第2の入力手段により人数及び金額が入力された場合には、当該入力された人数及び金額の積として求まる金額を合計金額から減算した金額を第1の入力手段で入力された人数で除算することで均等負担金額を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る注文処理システムの構成を示す模式図。
図2】上記システムに含まれる注文端末の要部構成を示すブロック図。
図3】上記システムの主要な機能を示すブロック図。
図4】上記注文端末が表示する支払支援画面の一例を示す模式図。
図5】上記支払支援画面に含まれる金額計算エリアの一例を示す模式図。
図6】上記支払支援画面に含まれる金額計算エリアの一例を示す模式図。
図7】上記支払支援画面に含まれる金額計算エリアの一例を示す模式図。
図8】上記注文端末が実行する算出表示処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
以下の実施形態においては、飲食店にて稼働する注文処理システムを開示する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る注文処理システムの構成を示す模式図である。当該注文処理システムは、複数の注文端末1、サーバ2、キッチンプリンタ3、POS(Point Of Sales)端末4、LAN(Local Area Network)回線5、及び複数のアクセスポイント(AP)6を含む。
【0010】
LAN回線5は、サーバ2、キッチンプリンタ3、POS端末4、及びアクセスポイント6を通信可能に接続する。アクセスポイント6は、例えば店内の天井に配置される。アクセスポイント6は、注文端末1と無線通信し、サーバ2とLAN回線5を介して通信することにより、注文端末1とサーバ2との通信を中継する。サーバ2、キッチンプリンタ3、及びPOS端末4は、LAN回線5及びアクセスポイント6を介して相互に通信可能である。
【0011】
注文端末1は、例えば店内の各テーブルに配置される。注文端末1は、客によるメニュー品目の選択を受け付け、選択を受け付けたメニュー品目に関する情報(名称及び価格など)や自身が配置されたテーブルの識別番号を含む注文データをサーバ2に送信する。
【0012】
サーバ2は、例えば店舗のバックヤードに配置される。サーバ2は、注文履歴DB20を備える。注文端末1から受信した注文データを受信したとき、サーバ2は、当該注文データを注文履歴DB20に書き込むとともに、当該注文データをキッチンプリンタ3に送信する。
【0013】
キッチンプリンタ3は、例えば調理場に配置される。キッチンプリンタ3は、サーバ2から受信した注文データに基づく注文伝票を印刷する。調理場の店員は、この注文伝票に基づき、メニュー品目を調理する。
【0014】
POS端末4は、例えば会計場に配置される。POS端末4は、サーバ2の注文履歴DB20に書き込まれた注文データに基づき、客の飲食代金を精算する。
【0015】
図2は、注文端末1の要部構成を示すブロック図である。注文端末1は、CPU(Central Processing Unit)10、バスライン11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、通信装置14、ディスプレイ15、及びタッチパネル16などを備える。バスライン11は、CPU10、ROM12、RAM13、通信装置14、ディスプレイ15、及びタッチパネル16を接続する。
【0016】
ROM12は、CPU10が実行するコンピュータプログラムなどを記憶する。RAM13は、各種のワークメモリエリアを形成する。通信装置14は、例えば電波を介してアクセスポイント6と無線通信する。ディスプレイ15は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、メニュー品目を注文するための注文画面や後述の支払支援画面を表示する。タッチパネル16は、ディスプレイ15の表示面上に配置され、ディスプレイ15に対する操作を検知する。
【0017】
本実施形態に係る注文処理システムの主要な機能について説明する。図3は、注文処理システムの主要な機能を示すブロック図である。注文処理システムは、取得部100、人数入力部101、金額入力部102、決定部103、及び出力部104としての機能を備える。これらの機能は、例えば注文処理システムに含まれる装置のプロセッサによる情報処理によって実現することができる。
【0018】
取得部100は、取引の合計金額(合計代金)を取得する。例えば取得部100は、注文履歴DB20にアクセスして特定のテーブルの識別番号を含む未会計の注文データを抽出し、抽出した注文データに含まれる各メニュー品目の価格を合計することにより合計金額を取得(算出)する。その他にも、取得部100は、注文端末1を介して客に合計金額を手入力させるなどの方法により合計金額を取得してもよい。
【0019】
人数入力部101は、取得部100が取得した合計金額を割り勘する客グループの人数を入力する。例えば人数入力部101は、注文端末1の操作に応じて客グループの人数を入力する。
【0020】
金額入力部102は、取得部100が取得した合計金額のうち、人数入力部101が入力した人数の客グループによる割り勘の対象から控除する金額を入力する。例えば金額入力部102は、注文端末1の操作に応じて割り勘の対象から控除する金額を入力する。
【0021】
決定部103は、取得部100が取得した合計金額から金額入力部102が入力した金額を控除した金額において、人数入力部101が入力した人数の客のそれぞれが分担する支払金額を決定する。例えば決定部103は、取得部100が取得した合計金額から金額入力部102が入力した金額を控除した金額を、人数入力部101が入力した人数にて割ることにより、各客の支払金額を決定(算出)する。このとき支払金額に端数が生じるならば、決定部103は、その端数を切り下げるか、或いは切り上げる。
【0022】
出力部104は、決定部103が決定した支払金額を出力する。また、出力部104は、決定部103が支払金額の端数を切り下げた場合には当該切り下げた金額に応じた不足金額(あまり)を出力し、端数を切り上げた場合には当該切り上げた金額に応じた余剰金額(おつり)を出力する。例えば出力部104は、各金額を注文端末1のディスプレイ15への表示により出力する。出力部104は、プリンタによる印刷やデータの送信によって各金額を出力してもよい。
【0023】
本実施形態においては、注文端末1のCPU10がROM12に予め記憶された支払支援プログラムを実行することにより、各部100〜104の機能を実現する。
【0024】
支払支援プログラムに基づく注文端末1の動作について説明する。
複数の客からなる客グループが会計を行うに際し、ディスプレイ15に表示された所定のGUI(Graphical User Interface)を操作すると、CPU10はディスプレイ15に支払支援画面を表示する。
【0025】
図4は、支払支援画面の一例を示す模式図である。図示した支払支援画面200は、合計金額エリア210及び金額計算エリア220を含む。合計金額エリア210は、CPU10が取得部100として機能することにより取得した当該客グループの合計金額を表す。
【0026】
金額計算エリア220は、人数入力エリア221、プラスボタン222、マイナスボタン223、金額表示エリア224、追加ボタン225、不足金額エリア226、モード選択ボタン230,231、及び端数選択ボタン240,241,242を含む。
【0027】
人数入力エリア221は、人数を入力するためのエリアである。CPU10は、プラスボタン222の操作に応じて人数入力エリア221の人数を増やし、マイナスボタン223の操作に応じて人数入力エリア221の人数を減らす。金額表示エリア224は、人数入力エリア221に入力された人数の客それぞれの支払金額を表す。不足金額エリア226は、上述の不足金額を表す。
【0028】
モード選択ボタン230,231は、支払金額の算出モードとして、端数を切り下げる切り下げモードと、端数を切り上げる切り上げモードのいずれかを選択するためのボタンである。具体的には、モード選択ボタン230が切り下げモードに対応し、モード選択ボタン231が切り上げモードに対応する。CPU10は、モード選択ボタン230,231のうち、操作されたボタンに対応するモードに算出モードを設定する。CPU10は、モード選択ボタン230,231のうちの操作されたボタンを、彩色を変更するなどして強調表示する。図4はモード選択ボタン230が操作され、切り下げモードに設定された場合を示している。
【0029】
端数選択ボタン240,241,242は、支払金額の最小単位を選択するためのボタンである。具体的には、端数選択ボタン240が10円に対応し、端数選択ボタン241が100円に対応し、端数選択ボタン242が1000円に対応する。CPU10は、端数選択ボタン240,241,242のうち、操作されたボタンに対応する単位に最小単位を設定する。CPU10は、端数選択ボタン240,241,242のうちの操作されたボタンを、彩色を変更するなどして強調表示する。図4は端数選択ボタン240が操作され、最小単位が10円に設定された場合を示している。
【0030】
追加ボタン225が操作されたとき、CPU10は、図5に示すように人数入力エリア251a、プラスボタン252a、マイナスボタン253a、金額入力エリア254a、及び削除ボタン255aを金額計算エリア220に配置する。人数入力エリア251aは、人数を入力するためのエリアである。CPU10は、プラスボタン252aの操作に応じて人数入力エリア251aの人数を増やし、マイナスボタン253aの操作に応じて人数入力エリア251aの人数を減らす。金額入力エリア254aは、人数入力エリア251aに入力された人数の客それぞれの支払金額を入力するためのエリアである。金額入力エリア254aへの金額の入力は、例えば支払支援画面200とともにディスプレイ15に表示されたテンキー(図示せず)を用いて行う。すなわち、CPU10は、テンキーの操作に応じた金額を金額入力エリア254aに表示する。削除ボタン255aが操作されたとき、CPU10は、人数入力エリア251a、プラスボタン252a、マイナスボタン253a、金額入力エリア254a、及び削除ボタン255aを消去する。
【0031】
図5のように人数入力エリア251a、プラスボタン252a、マイナスボタン253a、金額入力エリア254a、及び削除ボタン255aが配置された状態においてさらに追加ボタン225が操作されたとき、CPU10は、図6に示すように人数入力エリア251b、プラスボタン252b、マイナスボタン253b、金額入力エリア254b、及び削除ボタン255bを金額計算エリア220に配置する。人数入力エリア251b、プラスボタン252b、マイナスボタン253b、金額入力エリア254b、及び削除ボタン255bの機能は、人数入力エリア251a、プラスボタン252a、マイナスボタン253a、金額入力エリア254a、及び削除ボタン255aと同様である。
【0032】
このように、追加ボタン225が操作される度に、1組の人数入力エリア251、プラスボタン252、マイナスボタン253、金額入力エリア254、及び削除ボタン255が金額計算エリア220に追加される。
【0033】
なお、図6においては、端数選択ボタン242が操作され、最小単位が100円に設定された場合を示している。
【0034】
モード選択ボタン231が操作され、算出モードが切り上げモードに設定された際の金額計算エリア220の一例を図7に示す。CPU10は、不足金額エリア226に代えて、余剰金額エリア227を金額計算エリア220に配置する。余剰金額エリア227は、上述の余剰金額を表す。
【0035】
人数入力エリア221への入力に関するCPU10の動作は、人数入力部101としての機能に相当する。人数入力エリア251及び金額入力エリア254への入力に関するCPU10の動作は、金額入力部102としての機能に相当する。
【0036】
CPU10は、図8のフローチャートに示す手順の算出表示処理を実行することにより、金額表示エリア224に表示する金額と、不足金額エリア226或いは余剰金額エリア227に表示する金額とを決定する。
【0037】
当該フローチャートにおいて、先ずCPU10は、RAM13に変数A,X,Y,Z,α,βを生成する(ステップS1)。
【0038】
ステップS1の後、CPU10は、変数X,Y,Zに数値を格納する(ステップS2)。具体的には、CPU10は、合計金額エリア210に表示された合計金額を変数Xに格納し、各組ごとに人数入力エリア251及び金額入力エリア254に入力された人数及び金額を掛け合わせた金額を算出し、これらを足し合わせた金額を変数Yに格納し、人数入力エリア221に入力された人数を変数Zに格納する。なお、人数入力エリア251及び金額入力エリア254が金額計算エリア220に配置されていない場合、CPU10は、変数Yに“0”を格納する。
【0039】
ステップS2の後、CPU10は、変数Aに“(X−Y)/Z”の値を格納する(ステップS3)。
【0040】
ステップS3の後、CPU10は、算出モードが切り下げモードと切り上げモードのいずれに設定されているかを判定する(ステップS4)。
【0041】
算出モードが切り下げモードに設定されていると判定した場合(ステップS4の“切り下げ”)、CPU10は、変数Aに含まれる端数を切り下げる(ステップS5)。具体的には、CPU10は、支払金額の最小単位が10円に設定されている場合において変数Aの値が10未満の位に“0”でない数値を含むならば、その位を“0”に変更した値にて変数Aを更新する。また、CPU10は、支払金額の最小単位が100円に設定されている場合において変数Aの値が100未満の位に“0”でない数値を含むならば、その位を“0”に変更した値にて変数Aを更新する。また、CPU10は、支払金額の最小単位が1000円に設定されている場合において変数Aの値が1000未満の位に“0”でない数値を含むならば、その位を“0”に変更した値にて変数Aを更新する。
【0042】
ステップS5の後、CPU10は、変数αに“X−(AZ+Y)”の値を格納する(ステップS6)。
【0043】
ステップS6の後、CPU10は、変数Aの値を金額表示エリア224に表示し、変数αの値を不足金額エリア226に表示する(ステップS7)。ステップS7を以って、CPU10は算出表示処理を終了する。
【0044】
一方、ステップS4において算出モードが切り上げモードに設定されていると判定した場合(ステップS4の“切り上げ”)、CPU10は、変数Aに含まれる端数を切り上げる(ステップS8)。具体的には、CPU10は、支払金額の最小単位が10円に設定されている場合において変数Aの値が10未満の位に“0”でない数値を含むならば、その位を“0”に変更するとともに“10”を加算した値にて変数Aを更新する。また、CPU10は、支払金額の最小単位が100円に設定されている場合において変数Aの値が100未満の位に“0”でない数値を含むならば、その位を“0”に変更するとともに“100”を加算した値にて変数Aを更新する。また、CPU10は、支払金額の最小単位が1000円に設定されている場合において変数Aの値が1000未満の位に“0”でない数値を含むならば、その位を“0”に変更するとともに“1000”を加算した値にて変数Aを更新する。
【0045】
ステップS8の後、CPU10は、変数βに“(AZ+Y)−X”の値を格納する(ステップS9)。
【0046】
ステップS9の後、CPU10は、変数Aの値を金額表示エリア224に表示し、変数βの値を余剰金額エリア227に表示する(ステップS10)。ステップS10を以って、CPU10は算出表示処理を終了する。
【0047】
このような算出表示処理を経ると、図4図7に示す通りの支払金額、不足金額或いは余剰金額が金額計算エリア220に表示される。CPU10は、例えば金額計算エリア220に対して何らかの操作が行われるたびに算出表示処理を実行し、支払金額、不足金額或いは余剰金額を更新する。
【0048】
算出表示処理におけるCPU10の動作は、決定部103及び出力部104としての機能に相当する。
【0049】
本実施形態によれば、例えば以下のような効果が得られる。
【0050】
複数名の客が代金を分割して支払う際において、支払支援画面200を用いることにより、各人の支払金額を容易に導出することができる。特に、客グループのうちの一部が特定の金額を支払い、他の者で残りの代金を割り勘する場合において、これら他の者の支払金額の導出が容易となる。
【0051】
注文端末1は、上記残りの代金を上記他の者の人数で等分割した金額に最小単位未満の金額が含まれる場合には、支払支援画面200に表示する上記他の者それぞれの支払金額を、当該最小単位未満の金額を切り下げるか或いは切り上げた金額にする。したがって、各人の支払金額を切りの良い金額とすることができる。
【0052】
切り下げ或いは切り上げを行った場合、注文端末1は、不足金額或いは余剰金額を報知する。したがって、客グループにおける不足金額或いは余剰金額の調整が容易となる。
【0053】
支払支援画面200において、客は最小単位未満の金額を切り下げる切り下げモードと切り上げるモードのいずれかを選択できる。さらに、支払支援画面200において、客は最小単位を選択できる。これらにより、客の希望に即した算出条件の設定が可能となる。
【0054】
以上の他にも、本実施形態にて開示した構成からは種々の好適な効果が得られる。
【0055】
本実施形態に関するいくつかの変形例を示す。
本記実施形態では、注文端末1が支払支援装置として機能する場合、すなわち注文端末1が取得部100、人数入力部101、金額入力部102、決定部103、及び出力部104としての機能を備える場合を例示した。しかしながら、これら各部としての機能は、注文処理システムに含まれる他の装置が備えてもよい。例えば、これら各部100〜104としての機能をサーバ2が備え、サーバ2が支払支援装置として機能してもよいし、注文端末1とサーバ2が各部100〜103としての機能を分担してもよい。さらに、客が所持するスマートフォンやPDA(Personal Digital Assistants)にこれら各部100〜104としての機能を設けてもよい。
【0056】
本実施形態では、支払金額の最小単位として10円、100円、1000円を選択できる場合を例示した。しかしながら、最小単位の選択肢として1円、50円、500円などの他の金額を加えてもよい。
【0057】
支払支援画面200の内容を用紙に印刷するプリンタを注文処理システムに設け、当該用紙を客が持ち帰れるようにしてもよい。客は、当該用紙を見ることで、退店した後においても代金の分担額を容易に知ることができる。
【0058】
本記実施形態では、注文端末1のROM12が支払支援プログラムを予め記憶するとした。しかしながら、支払支援プログラムは、必ずしも注文端末1などの支払支援装置に予め記憶されている必要はない。支払支援プログラムは、ネットワークから支払支援装置にダウンロードされてもよいし、記録媒体に記録されたものが支払支援装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM或いはメモリカードなどのようにコンピュータプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、コンピュータプログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、支払支援装置のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
以下に、本願の基礎となる特願2013−030335における出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明及び本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 取引の合計金額を取得する取得手段と、
客グループの人数を入力する人数入力手段と、
前記合計金額のうち前記客グループによる支払いの対象から控除する金額を入力する金額入力手段と、
前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を控除した金額において、前記人数入力手段が入力した人数の客のそれぞれが分担する支払金額を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した支払金額を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする支払支援装置。
[2] 前記決定手段は、前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を控除した金額を前記人数入力手段が入力した人数にて割った金額を前記支払金額に決定する、
ことを特徴とする[1]に記載の支払支援装置。
[3] 前記決定手段は、前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を減じた金額を前記人数入力手段が入力した人数にて割った金額が予め定められた最小単位以下の端数を含む場合、当該端数を前記最小単位に切り下げるか或いは切り上げた金額を前記支払金額に決定する、
ことを特徴とする[2]に記載の支払支援装置。
[4] 前記出力手段は、前記決定手段が決定した支払金額に前記人数入力手段が入力した人数を乗じた金額及び前記金額入力手段が入力した金額の合計金額と、前記取得手段が取得した合計金額との差額をさらに出力する、
ことを特徴とする[3]に記載の支払支援装置。
[5] 前記端数を前記最小単位に切り下げる第1のモードと、前記端数を前記最小単位に切り上げる第2のモードとを切り替える切替手段をさらに備える、
ことを特徴とする[3]又は[4]に記載の支払支援装置。
[6] コンピュータを、
取引の合計金額を取得する取得手段、
客グループの人数を入力する人数入力手段、
前記合計金額のうち前記客グループによる支払いの対象から控除する金額を入力する金額入力手段、
前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を控除した金額において、前記人数入力手段が入力した人数の客のそれぞれが分担する支払金額を決定する決定手段、及び、
前記決定手段が決定した支払金額を出力する出力手段、
として機能させるための支払支援プログラム。
[7] 取引の合計金額を取得する取得手段と、
第1の客グループの人数を入力する人数入力手段と、
前記合計金額のうち前記第1の客グループによる支払いの対象から控除する金額を入力する金額入力手段と、
前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を控除した金額において、前記人数入力手段が入力した人数の客のそれぞれが分担する支払金額を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した支払金額を出力する出力手段と、
を備え、
前記金額入力手段は、
ボタン操作に応じて特定金額を支払う第2の客グループの数を設定し、
特定金額と人数との組み合わせを、前記第2の客グループの数だけ入力し、
前記第2の客グループ毎に入力した特定金額と人数との積の総和を前記第1の客グループによる支払いの対象から控除する金額とする、
ことを特徴とする支払支援装置。
[8] 前記決定手段は、前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を控除した金額を前記人数入力手段が入力した人数にて割った金額を前記支払金額に決定する、
ことを特徴とする[7]に記載の支払支援装置。
[9] 前記決定手段は、前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を減じた金額を前記人数入力手段が入力した人数にて割った金額が予め定められた最小単位以下の端数を含む場合、当該端数を前記最小単位に切り下げるか或いは切り上げた金額を前記支払金額に決定する、
ことを特徴とする[8]に記載の支払支援装置。
[10] 前記出力手段は、前記決定手段が決定した支払金額に前記人数入力手段が入力した人数を乗じた金額及び前記金額入力手段が入力した金額の合計金額と、前記取得手段が取得した合計金額との差額をさらに出力する、
ことを特徴とする[9]に記載の支払支援装置。
[11] 前記端数を前記最小単位に切り下げる第1のモードと、前記端数を前記最小単位に切り上げる第2のモードとを切り替える切替手段をさらに備える、
ことを特徴とする[9]又は[10]に記載の支払支援装置。
[12] コンピュータを、
取引の合計金額を取得する取得手段、
第1の客グループの人数を入力する人数入力手段、
前記合計金額のうち前記第1の客グループによる支払いの対象から控除する金額を入力する金額入力手段、
前記取得手段が取得した合計金額から前記金額入力手段が入力した金額を控除した金額において、前記人数入力手段が入力した人数の客のそれぞれが分担する支払金額を決定する決定手段、及び、
前記決定手段が決定した支払金額を出力する出力手段、
として機能させ、
さらに前記金額入力手段を、
ボタン操作に応じて特定金額を支払う第2の客グループの数を設定し、
特定金額と人数との組み合わせを、前記第2の客グループの数だけ入力し、
前記第2の客グループ毎に入力した特定金額と人数との積の総和を前記第1の客グループによる支払いの対象から控除する金額とするものとする、
ための支払支援プログラム。
【符号の説明】
【0060】
1…注文端末、10…CPU、100…取得部、101…人数入力部、102…金額入力部、103…決定部、104…出力部、200…支払支援画面、210…合計金額エリア、220…金額計算エリア、221…人数入力エリア、224…金額表示エリア、226…不足金額エリア、227…余剰金額エリア、230,231…モード選択ボタン、240〜242…端数選択ボタン、251…人数入力エリア、251…人数入力エリア、254…金額入力エリア。
図1
図2
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図6
図7
図8