特許第6293243号(P6293243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293243
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】セメントで髄内釘を被覆するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/72 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   A61B17/72
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-226221(P2016-226221)
(22)【出願日】2016年11月21日
(62)【分割の表示】特願2015-521798(P2015-521798)の分割
【原出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2017-94087(P2017-94087A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年12月20日
(31)【優先権主張番号】13/547,331
(32)【優先日】2012年7月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504378526
【氏名又は名称】バイオメット、マニュファクチュアリング、リミテッド、ライアビリティ、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BIOMET MANUFACTURING, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100199255
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 大幸
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル、ビー.スミス
(72)【発明者】
【氏名】ケイティ、エム.シンドラー
(72)【発明者】
【氏名】グラント、カニンガム
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−522359(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0089148(US,A1)
【文献】 米国特許第07789646(US,B2)
【文献】 特開2005−237965(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/088531(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆された髄内(IM)釘を形成するための型であって、
前記型は、挿入端と対向端とを有するチューブ状部材を備え、
前記チューブ状部材は、外側表面と内側表面との間で長手方向軸に沿って延びる側壁を有しており、
前記側壁は、当該側壁に沿って、流動性材料を導入するための間隔が空けられた少なくとも2つの入口を規定しており、
前記内側表面は、少なくとも1つの、内側に放射状に延びる突出部を有しており、
前記チューブ状部材は、内部に前記IM釘を受容するように構成されており、
前記チューブ状部材は更に、前記側壁の前記内側表面と前記IM釘との間にて前記IM釘に対して流動性材料を位置付けるように構成されている
ことを特徴とする型。
【請求項2】
前記側壁は、前記2つの入口の間に、複数の換気孔を規定している
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項3】
被覆された髄内(IM)釘を形成するための型であって、
前記型は、挿入端と対向端とを有するチューブ状部材を備え、
前記チューブ状部材は、外側表面と内側表面との間で長手方向軸に沿って延びる側壁を、有しており、
前記側壁は、当該側壁に沿って、流動性材料を導入するための少なくとも1つのネジ切りされた入口を規定しており、
前記チューブ状部材は、内部に前記IM釘を受容するように構成されており、
前記チューブ状部材は更に、前記内側表面内で前記IM釘に対して流動性材料を位置付けるように構成され、
前記内側表面は、少なくとも1つの、内側に放射状に延びる突出部を有している
ことを特徴とする型。
【請求項4】
前記突出部は、前記挿入端と対向端との間で、前記チューブ状部材の長さに実質的に沿って延びている
ことを特徴とする請求項3に記載の型。
【請求項5】
前記突出部は、各々、前記長手方向軸に向かって内側に延びる、長手方向に間隔が空けられた複数の尖端部材を含んでおり、
各尖端部材は、前記釘に係合して当該釘を前記長手方向軸に沿って内側にオフセットするように構成され、前記突出部のうち各尖端部材を除く部分から離れている、釘係合表面を有している
ことを特徴とする請求項3に記載の型。
【請求項6】
前記チューブ状部材の前記対向端は、凹表面を規定している
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項7】
前記少なくとも2つの入口は、ネジ切りされていると共に、そこを通じて流動性材料を受容するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項8】
前記少なくとも2つの入口は、前記外側表面から外側に延びている
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項9】
少なくとも2つの入口は、ネジ切りされていると共に、そこを通じて流動性材料を受容するように構成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の型。
【請求項10】
前記少なくとも2つの入口は、ネジ切りされた入口の間の長手方向の空間において前記側壁内に複数の換気孔を有する当該側壁に沿って、長手方向に間隔が空けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項11】
前記複数の換気孔は、前記側壁に沿って長手方向に形成された、少なくとも1つの列を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の型。
【請求項12】
前記複数の換気孔は、少なくとも2つの換気孔の列を構成し、
各列は、2つの隣接する突出部の間で放射状に間隔が空けられている
ことを特徴とする請求項11に記載の型。
【請求項13】
当該型は、透明である
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項14】
当該型は、柔軟である
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項15】
当該型は、切断可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項16】
前記チューブ状部材上に配置され、前記流動性材料の硬化の後で当該チューブ状部材を除去するために引っ張る際に、当該チューブ状部材上のスリット形成に影響を及ぼすように構成されている、という引張部材
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項17】
当該型は、硬化された流動性材料から取り外す材料から形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の型。
【請求項18】
前記材料は、シリコンを有している
ことを特徴とする請求項17に記載の型。
【請求項19】
前記シリコンは、強化シリコンである
ことを特徴とする請求項18に記載の型。
【請求項20】
前記少なくとも1つの内側に放射状に延びる突出部は、3つの内側に延びる突出部を有している
ことを特徴とする請求項1または3に記載の型。
【請求項21】
前記3つの内側に延びる突出部は、前記内側表面上において互いに対し実質的に等しく径方向に間隔が空けられている
ことを特徴とする請求項20に記載の型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、全体として、セメントで被覆された釘に関する。より具体的には、抗生物質が添加された(antibiotic-loaded)硬化性材料で髄内(IM)釘を被覆するための型及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの例では、大腿骨、脛骨及び上腕骨の骨幹の骨折のような、様々な長尺の骨の骨折の処置の間、骨の治癒の間に長尺の骨を固定させることを支援するために、骨のIM管を通じて長手方向のロッドまたは釘を導入することが、所望され得る。これらの例では、感染の防止または治療を支援するために、抗生物質が添加されたセメントで被覆されているIM釘を提供することも、所望され得る。IM釘は、超皮質性のスクリューのような固定要素を受容するための、IM釘の長軸に対して垂直であり得る1以上の円筒状の空洞を含む金属製の伸長部材を、有し得る。IM釘は、髄腔内に位置付けられ得て、超皮質性のスクリューを用いて近位及び遠位の骨折部分に対して、固定され得る。当該超皮質性のスクリューは、IM釘内に形成されている円筒状の空洞を通過し、同様に、双方の骨の皮質も貫通する。
【0003】
いくつかの場合では、抗生物質が添加されたセメントの被覆物を有するIM釘を製造することは、挑戦的であり得る。いくつかの既知の例では、抗生物質が添加されたセメントがチューブの開放端の内部に導入され得て、その後、IM釘が当該チューブ内に導入され得る。抗生物質が添加されたセメントが硬化すると、チューブは除去される。流動性のセメントは非常に粘性があるために、この形態及び方法は、ユーザにとって不都合であり得る。この点において、比較的長いチューブをそのような材料で充填することは、困難であり得る。比較的薄肉の弾性材料からチューブが形成されている例では、当該チューブがセメントの導入の間に膨張し得るために、当該チューブの充填はより困難になり得る。この点において、セメントは、チューブの長さを流下することから妨げられ得る。他の例では、チューブは供給ストロークの間に膨張し得て、その後、緊縮し得て、供給ストロークと供給ストロークとの間にセメントがセメント供給装置に逆流することを、許容してしまう。流動性材料がIM釘の挿入前にチューブに導入されるという例では、IM釘の挿入は、セメントがチューブ外に出るにつれて制御不能となり一般に汚れ得てしまい、及び/または、IM釘の不所望の部分に容易に流れ得てしまう。
【発明の概要】
【0004】
このセクションは、本開示の全体的な概要を提供するが、その全部の範囲またはその特徴全ての包括的な開示ではない。
【0005】
被覆された髄内(IM)釘を形成するための型は、挿入端と対向端とを有するチューブ状部材を、含み得る。チューブ状部材は、外側表面と内側表面との間で長手方向軸に沿って延びる側壁を、有し得る。側壁は、そこに沿って少なくとも1つのネジ切りされた入口を、規定し得る。チューブ状部材は、内部にIM釘を受容するように構成され得る。チューブ状部材は更に、前記IM釘及び前記チューブ状部材の内側表面に対して流動性材料を位置付けるように構成され得る。
【0006】
追加的な特徴によれば、チューブ状部材の内側表面は、内側に向かって放射状に延びている少なくとも1つの突出部を、有し得る。他の特徴では、内側表面は、当該内側表面上で、互いに対して実質的に均等に放射状に間隔が置かれて、内側に向かって放射状に延びる3つの突出部を有し得る。当該突出部は、挿入端と対向端との間で、実質的にチューブ状部材の長さに沿って、延在し得る。
【0007】
他の特徴によれば、突出部は、それぞれ、長手方向軸の方へ向かって内側に延びる、長手方向に間隔が置かれた複数の尖端部材を、含み得る。各尖端部材は、釘に係合して当該釘を長手方向軸に沿って内側にオフセットするように構成されており前記突出部の残りの部分から離れている、という釘係合表面を有し得る。チューブ状部材の対向端は、閉鎖され得て、凹表面を規定し得る。チューブ状部材は、側壁を貫通して形成されており、そこを通じて流動性材料を受容するように構成されている、という第1入口を、更に有し得る。当該第1入口は、外側表面から外方に延びているネジ切りされた口部(port)を、有し得る。
【0008】
更に他の特徴によれば、チューブ状部材は、相互に間隔が置かれて前記側壁を貫通して形成されており、そこを介して流動性材料を受容するように構成されている、という複数のネジ切りされた入口を、更に有し得る。側壁は、そこに沿って複数の換気孔を有し得る。複数の換気孔は、側壁に沿って長手方向に形成された、少なくとも1つの換気孔の列を、有し得る。ある形態によれば、複数の換気孔は、少なくとも2つの換気孔の列を有しており、各列は、2つの隣接する突出部の間で放射状に間隔があけられている。ある形態によれば、型は、透明であり得る。ある例では、型は、柔軟であり得る。ある形態では、型は、切断可能であり得る。当該型は、硬化された流動性材料から取り外す材料から、形成され得る。当該材料は、シリコンを含み得る。いくつかの例では、前記シリコンは、強化シリコンであり得る。ある形態では、型は、チューブ状部材上に配置された引張部材を、更に有し得る。当該引張部材は、流動性材料の硬化の後に、チューブ状部材を除去するために引っ張る際に、当該チューブ状部材上のスリットまたは切り込みの形成に影響を及ぼすように、構成され得る。シース(sheath)が、IM釘上に配置されて当該IM釘内への流動性材料の導入を抑制する、というように構成され得る。
【0009】
流動性材料を用いて髄内(IM)釘を被覆する方法は、チューブ状部材内へ、当該チューブ状部材の挿入端から当該チューブ状部材の対向端に向かって、IM釘を前進させる工程を、含み得る。前記流動性材料は、チューブ状部材上の第1位置において側壁を貫通して規定されている第1入口を通じて、前進させられ得る。流動性材料の硬化後に、チューブ状部材は、当該硬化された流動性材料をその上に有する前記IM釘から、取り除かれ得る。
【0010】
前記方法は、チューブ状部材上の第1位置とは異なる第2位置において側壁を貫通している第2入口を介して流動性材料を前進させる工程を、更に備え得る。他の特徴によれば、当該方法は、チューブ状部材の内部を前進する流動性材料を監視する工程を、更に備え得る。流動性材料の前進は、実質的に第2入口に向かって前進している当該流動性材料に基づいて、第1入口を介して停止され得る。
【0011】
他の特徴によれば、当該方法は、側壁の内側円筒表面上に形成されて長手方向に延びている少なくとも2つの突出部に沿って、IM釘を摺動させて移す工程を更に備え得る。当該方法は、第1入口に近接してチューブ状部材上に形成されたボスに、流動性材料の供給装置を接続する工程を、更に備え得る。一実施の形態では、接続する工程は、流動性材料の供給装置を前記チューブ状部材に、ネジ式に接続する工程、ルアーロック式に接続する工程、及び、ノズル式に接続する工程、のうちの1つを含み得る。追加的な特徴によれば、IM釘を前進させる工程は、当該IM釘の先端がチューブ状部材の対向端における凹表面に係合するまで、当該IM釘を当該チューブ状部材内へと前進させる工程を含み得る。
チューブ状部材を取り除く工程は、当該チューブ状部材を切断して被覆されたIM釘から取り除く工程を、含み得る。チューブ状部材を取り除く工程は、当該チューブ状部材に沿ってスリットを形成させる当該チューブ状部材上に配置された引張部材を引っ張る工程を、含み得る。
【0012】
適用性がある更なる領域が、ここで提供されている説明から明らかになるであろう。この概要における説明及び特定の実施の形態は、例示目的のためにのみ意図されており、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
ここで説明される図面は、選択された実施の形態の例示目的のためのものに過ぎず、本開示の範囲を限定することは、意図されていない。
図1】本教示の一実施の形態に従って構築された、被覆されたIM釘を形成するための型の側面斜視図である。
図2図1の2−2線に沿った、型の部分的な断面図である。
図3図1の型の端部側の斜視図である。
図4図1の型の側面斜視図であり、チューブ状部材内に挿入されたIM釘、及び、本開示の一実施の形態に従って第1入口にネジ式に接続された流動性材料の供給装置、と共に示されている。
図5図4の型の側面斜視図であり、第1入口内への十分な量の流動性材料の供給の後に、隣接するネジ切りされた口部に移動された流動性材料の供給装置と共に、示されている。
図6】チューブ状部材の内側表面状の突出部から延びる尖端部材のセット越しに取得された、図5の6−6線に沿った断面図である。
図7】チューブ状部材の尖端部材が無い部分に沿った、当該チューブ状部材の7−7線に沿った断面図である。
図8】本開示の追加的な特徴に従って構築され、ワイヤ強化シリコンから形成された型の側面斜視図である。
図9】本開示の一実施の形態に従った型の除去後の、被覆されたIM釘の側面斜視図であり、流動性材料がIM釘へ進入することを防止するためにその遠位端の周りに配置された、保護膜カバーを有して、示されている。
【0014】
対応する参照数字は、複数の図面のいくつかの見方を通じて対応する部分を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の技術説明は、1以上の開示の主題事項、製造及び使用の本質における、単なる例示であり、本出願、または、本出願に対して優先権を主張して出願され得る他の出願、または、そこから発行する特許、において請求されるあらゆる特定の開示の範囲、適用または使用を限定することは、意図されていない。更に、以下の説明及び図面は、特にはIM釘を被覆するための型及び関連する方法を述べているが、ここで開示されている当該型及び関連する方法は、他のインプラントにも適用され得る、ということが理解されるであろう。加えて、「釘」及び「ロッド」の語は、ここでは、同一または類似の部品を呼称するために、互換可能に使用されている、ということが理解されるであろう。更に、ここで開示されている型及び関連する方法は、抗生物質が添加されたセメントで被覆されたロッドの製造に対して特に向けられているが、ここで開示されている型及び方法は、補綴インプラントの表面上に他の流動性材料を導入するためにも、適用され得る。更に、ここで開示されている型及び関連する方法は、体内の他の骨に使用するために適用可能な、抗生物質が添加されたセメントで被覆されたインプラントを製造するためにも、使用され得る。従って、本明細書及び特許請求の範囲は、体内のあらゆる適切な骨に対して適用可能である、と理解されるであろう。本技術の理解を支援することが意図されている、用語及び語句の非限定的な議論が、この詳細な説明の末尾に提供されている。
【0016】
最初に図1を参照すると、本発明の一実施の形態に従った、被覆された髄内(IM)釘を形成するために使用され得る型が示されており、全体として参照数字10で特定されている。型10は、挿入端14及び対向端16を有するチューブ状部材12を、含み得る。
図示されている本実施の形態では、挿入端14は、開口を規定している一方で、対向端16は、閉鎖端22を提供している。図示されている本実施の形態では、閉鎖端22は、全体として凸状の外側表面24を、有し得る。チューブ状部材12は、全体として、長手方向軸30に沿って延在し得る。
【0017】
引き続き図1を参照し、今、追加的に図2を参照すると、チューブ状部材12は、外側表面36と内側表面38とを有する側壁34を有し得る。図示されている実施の形態では、側壁34は円筒状であるが、他の断面も考えられる。側壁34は、全体的に、長手方向軸30に沿って、延在し得る。当該側壁34は、複数の入口40a、40b、40c、40dを、規定している。対応する複数のボス構造体42a、42b、42c及び42dが、当該側壁34上の外側表面36から、延在し得る。各ボス構造体42a、42b、42c及び42dは、それぞれ、ネジ部44a、44b、44c及び44dを、含み(incorporate)得る。入口40a、ボス42a及びネジ部44aは、集合的に第1のネジ切りされた入口48aを構成し得る。同様に、入口40b、ボス42b及びネジ部44bは、集合的に第2のネジ切りされた入口48bを規定し得る。入口40c、ボス42c及びネジ部44cは、集合的に第3のネジ切りされた入口48cを構成し得る。入口40d、ボス42d及びネジ部44dは、集合的に第4のネジ切りされた入口48dを構成し得る。一実施の形態において、ここに示されている特定のチューブ状部材12は、4つのネジ切りされた入口を含んでいるが、追加の、または、より少ない、ネジ切りされた入口がそこに含まれ得る、ということが理解され得る。更に、いくつかの、または、全ての、ネジ切りされた入口48a、48b、48c及び48dは、ネジ無しでも提供され得る。この点で、ここで後に理解されるように、流動性材料の供給装置に選択的に接続するように構成されている他の接続構造が、それぞれのボス42a、42b、42c及び/または42d上に、形成され得る、あるいは、含まれ得る。一連のネジ切りされたキャップ49a、49b、49c及び49dが、それぞれ、第1、第2、第3及び第4入口48a、48b、48c及び48dに、ネジ式に係合し得る。ここでは、「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」の用語は、恣意的に使用されており、特別な使用の優先順位または順序を表示することは意図されていない、ということが理解されるであろう。
【0018】
今、特に図2及び図3を参照して、チューブ状部材12の追加の特徴が、説明される。
第1、第2及び第3突出部50a、50b及び50cが、それぞれ、側壁34の内側表面38上に形成され得る。図示されている実施の形態では、突出部50a、50b及び50cは、放射状に等距離の間隔で、内側表面38の周りに放射状に配置され得る。図示されている実施の形態では、当該突出部50a、50b及び50cは、互いに対して実質的に120°で配置されている。各突出部は、挿入端14(図1)と対向端16(図1)との間で、実質的にチューブ状部材12の長さに沿って延在し得る。3つの突出部が図示されているが、追加の、または、より少ない、突出部が含まれ得る、ということが理解される。一実施の形態によれば、突出部50a、50b及び50cは、それぞれ、長手方向軸30に向かって内側に延びている、長手方向に間が開けられた複数の尖端部材54a、54b及び54cを、含み得る。各尖端部材54a、54b及び54cは、それぞれ、釘係合表面(nail engaging surface)56a、56b及び56cを、有し得る。それぞれの釘係合表面56a、56b及び56cは、釘(髄内釘)60に係合するように、及び、当該釘60を長手方向軸30に沿って内側にオフセットするように、構成され得て、並びに、突出部50a、50b及び50cの残りの部分から、間隔が置かれ得る。後に説明されるように、突出部50a、50b及び50cは、結果物のセメントで被覆されたIM釘60’のセメントの表面において、1以上の換気溝62(図9)の形成を、容易にし得る。当該換気溝62は、セメントで被覆されたIM釘60’の移植の間における圧力の発生(build-up)を抑制し得る。
【0019】
今、具体的に図3を参照して、チューブ状部材12の追加の特徴が、説明される。第1、第2及び第3の複数の換気孔または換気口66a、66b及び66cが、側壁34を貫通して形成され得る。図示されている実施の形態では、換気口66a、66b及び66cの各列は、全体的に、隣接する突出部50a、50b及び50cの隣接する対の間に、位置付けられている。以下の議論から理解されるように、換気口66a、66b及び66cは、チューブ状部材12内における流動性材料の前進の間に、空気がチューブ状部材12を抜けることを許容するように、構成されている。
【0020】
チューブ状部材12は、シリコンのような、容易に切断可能な、透明または半透明の材料から、形成され得る。更に、当該材料は、柔軟であり得て、セメントからの取り外し(cement-releasing)の助けとなり得る。いくつかの実施の形態では、シリコンは、ワイヤメッシュのような強化構造を、有し得る。チューブ状部材12は、任意の寸法を有するIM釘(または他の補綴インプラント)の受容(recipt)に適応するためのあらゆる寸法に、形成され得る。更に、前述の内容で特定されているように、チューブ状部材12は、任意の長さを有するIM釘に適応するための長さに、切断され得る。
【0021】
本開示の他の実施の形態によれば、引張部材80(図3)が、側壁34の内部に、または、側壁34に隣接して、含まれ得る。引張部材80は、チューブ状部材12の側壁34の長さに沿って、部分的に、または、完全に、延在し得る。当該引張部材80は、IM釘に対する流動性材料の硬化の後に、チューブ状部材12の除去を容易にするように、構成され得る。この点において、引張部材80は、ループまたは他の容易に把持可能な形態としての引張構造82を、含み得る。ユーザは、引張構造82を長手方向軸30から全体的に引き離すように引っ張り得て、チューブ状部材12の側壁34の長さに沿って、及び、長さを通じて、切れ目またはスリットを生成する。ひとたびチューブ状部材12に沿ってスリットが形成されると、ユーザは、被覆されたIM釘60’を現すために、チューブ状部材12を容易に引き剥がし得る。
【0022】
今、特に図4乃至図7を参照して、本発明の一実施の形態によるIM釘60を被覆する方法が、説明される。本開示によれば、様々な内径及び外径を有する多数の型10が、提供される。ユーザは、任意の応用のための特定の釘60に適合する適切な型10を、選択し得る。型10の全体の長さは、例えば挿入端14のある長さを切断することによって変更され得る、ということが理解されるであろう。
【0023】
最初に、図4に示されているように、IM釘60は、チューブ状部材12の内部に導入され得る。次に、ネジ切りされたキャップの1つ、例えば49d、がそのネジ切りされた入口、例えばネジ切りされた入口48d、から除去され得る。流動性材料の供給装置100が、ネジ切りされた入口48dに接続され得る。次に、ユーザは、入口40dを介して、チューブ状部材12の内部に、流動性材料102を前進させ得る。図示されている実施の形態では、流動性材料の供給装置100は、ハンドル108(図5)を含み得る。当該ハンドル108は、供給装置100から出て入口40d内へ入る流動性材料102の排出に影響を及ぼすために、作動され得る。他の形態の流動性材料の供給装置も、使用され得る。更に、流動性材料の供給装置100とそれぞれの入口との間で、他の接続もなされ得る、ということが理解されるであろう。例えば、ルアーロック接続、ノズル接続または他の接続が、採用され得る。
【0024】
ユーザは、流動性材料102が、隣接する入口40cに向かってチューブ状部材12の一部に沿って十分に前進するまで、当該流動性材料102を導入し続け得る。チューブ状部材12は透明材料によって形成されているため、ユーザは、(側壁34の内側表面38とIM釘60との間を)チューブ状部材12の長さに沿って前進する流動性材料102を、監視し得る。一実施の形態では、流動性材料102が、隣接する入口40cに向かって、実質的に、例えば行程の約4分の3、前進したならば、ユーザは、チューブ状部材12の内部への流動性材料102の導入を、停止し得る。他の実施の形態も考慮される。
【0025】
次に、ユーザは、ネジ切りされた入口48dから流動性材料の供給装置100を取り外し得て、当該ネジ切りされた入口48dにキャップ49dを戻し得る。その後、キャップ49cが、隣接するネジ切りされた入口48cから取り外され得る。その後、流動性材料の供給装置100は、ネジ切りされた入口48cに接続される。次に、ユーザは、入口40cを介してチューブ状部材12の内部に、流動性材料102を促す。特には、流動性材料102は、第4入口48dに向かって埋め戻し得るのと同様に、第2のネジ切りされた入口48bに向かって反対方向に前進し得る。理解され得るように、流動性材料102は第4入口48dに向かって埋め戻すので、当該流動性材料は、第4のネジ切りされた入口48dと第3のネジ切りされた入口48cとの間のIM釘60に沿って、均等に広がることになる。
【0026】
前記プロセスは、IM釘60の長さに沿って流動性材料102が十分に覆うまで、チューブ状部材12の長さに沿って後続する入口に対して、繰り返される。いくつかの実施の形態では、必要ではないが、流動性材料は、換気口66a、66b及び66cのいくつかから、または、それらの全てから、外へ広がり得る、ということが理解されるであろう。
更に、換気口66a、66b及び66cは、チューブ状部材12の内部への流動性材料102の導入の間に、チューブ状部材12とIM釘60との間における流動性材料の導入に適応するべく、空気がチューブ状部材12から脱出することを、許容する。
【0027】
図8を参照すると、追加の特徴に従って構築されたチューブ状部材12’が、示されている。チューブ状部材12’は、強化シリコン材料を含み得る。当該強化シリコン材料は、ワイヤメッシュ104を含み得る。他の強化構造も、含み得る。
【0028】
特に図9を参照すると、ひとたび流動性材料102が十分に硬化されたならば、チューブ状部材12は、被覆されたIM釘60’から切除されて処分され得る。結果物の被覆されたIM釘60’は、そこに沿って形成されて長手方向に延びている溝62を、含み得る。当該溝62は、空気の逃げ(escape)に適応し得て、IM管内への移植中における圧力の上昇を防止し得る。本開示の更なる実施の形態によれば、チューブ状部材12の内部へのIM釘60の挿入に先立ち、薄膜状のシース120が、当該IM釘60の一端部に取り付けられ(incorporated)得る。シース120は、例えばそこへ曝されるカニュレーション(cannulation)を通じての、IM釘60の内部への流動性材料の導入を、防止し得る。追加的に、または、選択的に、例えば柔軟性があるシリコンによって形成された、プラグまたはプラグの集団が、IM釘60の内部への流動性材料の導入を防止するために、ネジ切りされた孔、または、釘(IM釘)のカニューレ、の中へ導入され得る
前述の複数の実施の形態の説明は、例示及び説明の目的のために提供されている。網羅的であること、及び、開示を限定することは、意図されていない。特定の実施の形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施の形態に限定されておらず、適用可能であれば、明確に図示または説明されていない場合でさえ、当該個々の要素または特徴は、交換可能であり、選択された実施の形態で使用され得る。当該個々の要素または特徴はまた、数多くの手法で変形され得る。そのような変形例は、本開示から離れていると考えられるべきではなく、そのような変形例の全ては、本開示の範囲内に含まれることが、意図されている。
【0029】
(用語の非限定的な検討)
ここで使用されている見出し(例えば「背景技術(Introduction)」及び「発明の概要(Summary)」)は、本開示における話題の全体的な構成のためにのみ意図されており、本技術及びそのあらゆる特徴の開示を限定することは意図されていない。特には、「背景技術」において開示されている主題事項は、新規の技術を含み得て、先行技術の説明を構成していない。「発明の概要」において開示されている主題事項は、本技術の全範囲の網羅的または完全な開示ではない、あるいは、そのあらゆる実施の形態はない。この明細書の一部における特定の有用性を有する材料の分類または議論は、便宜上行われており、それが任意の組成で使用される時に、当該材料が、ここでの当該分類に従って、必然的に、または、単独で、機能しなければならないという推論は、引き出されるべきではない。
【0030】
本明細書及び特定の実施の形態は、本技術の実施の形態を示しているが、説明の目的のみのために意図されており、本技術の範囲を限定することは意図されていない。更に、言及された特徴を有する多数の実施の形態の説明は、追加の特徴を有する他の実施の形態、または、言及された特徴の異なる組合せを含む他の実施の形態、を排除することは意図されていない。特定の実施の形態は、本技術の構成物及び方法をどのように製造及び使用するか、の例示的な目的のために提供されており、別に明確に述べられていない限り、本技術の任意の実施の形態が、製造または試験されている、あるいは、されていない、ということの表示(representation)であることは、意図されていない。
【0031】
ここで使用されているように、「所望する(desire)」または「所望される(所望され得る)(desirable)」の語は、ある状況下で、ある利益を与える、本技術の実施の形態を述べている。しかしながら、同一または他の状況下において、他の実施の形態もまた、所望され得る。更に、1以上の所望される実施の形態の説明は、他の実施の形態が有用ではないということを示しておらず、本技術の範囲から他の実施の形態を排除することは意図されていない。
【0032】
ここで使用されているように、「含む(含んでいる)(include)」の語及びその異形(variants)は、非限定的であることが意図されており、あるリスト内の項目の説明は、本技術の材料、組成、装置及び方法において有用であり得る他の同様の項目の排除のためのものではない。同様に、「可能である(can)」及び「し得る(may)」の語及びその異形は、一実施の形態が、ある要素または特徴を有することが可能である、または、有し得る、という説明が、それらの要素または特徴を含まない本技術の他の実施の形態を排除しないように、非限定的であることが意図されている。
【0033】
含む(including)、含有している(containing)または、有する(having)等の非限定的な用語の類義語としての、制限がない用語「有する(有している)(comprising)」は、ここでは、本技術の実施の形態を説明及び主張するために使用されており、実施の形態は、代替的に、「から成る(consisting of)」または「から本質的に成る(consisting essentially of)」等のような、より限定的な用語を用いて、記述され得る。従って、材料、組成、またはプロセス工程を説明している任意の実施の形態に対して、本技術はまた、そのような追加の材料、組成またはプロセスは、本出願において明確には説明されていないものの、(から成る、については)追加の材料、組成またはプロセスを除外した材料、組成またはプロセス、及び、(から本質的に成る、については)実施の形態の顕著な特性に影響を及ぼす追加の材料、組成またはプロセスを除外した材料、組成またはプロセス、から成る、または、から本質的に成る、実施の形態も明確に含んでいる。例えば、要素A、B及びCを説明する組成またはプロセスの説明は、ここで要素Dが除外されていると明確に説明されていないとしても、本技術において説明され得る要素Dを排除してA、B、及びCから成る、または、それらから本質的に成る実施の形態を、明確に想定している。要素または層が、他の要素または層「の上に(on)」、「に係合されて(engaged to)」、「に接続されて(connected to)」または「に結合(接続)されて(coupled to)」いる(ある)と説明されている場合、それは、他の要素または層に、あるいは、存在し得る介在要素または介在層に対して、直接的に、上に、係合されて、接続されて、または、結合されて、いる(ある)。対照的に、要素が、他の要素または層「のすぐ上に(directly on)」、「に直接的に係合されて(directly engaged to)」、「に直接的に接続されて(directly connected to)」または、「に直接的に結合(接続)されて(directly coupled to)」いる(ある)場合には、介在要素または介在層は存在しない。複数の要素間の関係性を説明するために使用されている他の語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「の間に(between)」に対する「の間に直接に(directly between)」、「隣接する(adjacent)」に対する「すぐに隣接する(directly adjacent)」等)。ここで使用されているように、「及び/または」の語は、関連する列挙された項目の1以上の任意の及び全ての組合せを、含んでいる。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9