(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液剤を含む液体源からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル源と、このエアロゾル源と使用時にユーザーがエアロゾルを吸引するための開口部との間を接続する空気路を画定する空気路壁とを含み、空気路壁の内面の少なくとも一部には液剤に対する濡れ性を増すために表面仕上げが施されているエアロゾル供給装置。
空気路壁が基材を含み、表面仕上げが基材に塗布されるコーティングを含み、このコーティングが基材より液剤に対して高い濡れ性を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
液剤に対して濡れ性が異なる領域が第2領域に隣接する第1領域を含み、第1領域がユーザーがエアロゾルを吸引する開口部に第2領域より近くに位置し、第2領域が第1領域より液剤に対して高い濡れ性を有することを特徴とする請求項7記載のエアロゾル供給装置。
空気路の外側にあるが、空気路と流体連通する貯蔵面をさらに含み、この貯蔵面にも液剤に対する濡れ性を増すための表面仕上げが施されていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
空気路がエアロゾル供給装置の第1部品とエアロゾル供給装置の第2部品の間の空間にによって画定されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
エアロゾル供給装置の第1および第2部品の間の接触面で空気路に隣接するエアロゾル供給装置の第1および/または第2部品の少なくとも一部に表面模様付けされた表面が設けられ、これにより毛管現象により空気路の壁から接触面内に液剤が流れやすくなっていることを特徴とする請求項10記載のエアロゾル供給装置。
第1部品が液剤を含む液体源用の容器を含み、第2部部品がエアロゾル供給装置用のハウジングを含むことを特徴とする請求項10または11記載のエアロゾル供給装置。
エアロゾル源が液体源と接触するヒーターを含み、エアロゾル供給装置が液体源を加熱して液剤からエアロゾル発生させるためにヒーターに電力を供給するための電池またはバッテリーをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のエアロゾル供給装置。
液剤を含む液体源からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル源と、このエアロゾル源と使用時にユーザーがエアロゾルを吸引するための開口部との間を接続する空気路を画定する空気路壁とを含むエアロゾル供給装置の空気路の製造方法であって、空気路壁の内面の少なくとも一部に液剤に対する濡れ性を増すための表面仕上げを施すことを含む方法。
液剤を含む液体源からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル源と、このエアロゾル源と使用時にユーザーがエアロゾルを吸引するための開口部との間を接続する空気路を画定する空気路壁とを含むエアロゾル供給装置の空気路壁の製造装置であって、空気路壁の内面の少なくとも一部に液剤に対する濡れ性を増すための表面仕上げを施す機構を含む装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の実施例および実施態様の側面および特徴をここで検討/説明する。いくつかの特定の実施例および実施態様の側面および特徴は従来通りに実行してもよく、それらについては簡潔にするために詳しく検討したり、説明したりしない。従って、当然のことながらここで検討する装置および方法のここで詳しく説明しない側面および特徴は、このような側面および特徴を実行するためのあらゆる従来の技法に従って実行してもよい。
【0013】
上述のように本開示は、電子タバコなどのエアロゾル供給装置に関する。以下の説明を通して「電子タバコ」なる用語を時には使うこともあるが、この用語はエアロゾル(蒸気)供給装置と同じ意味で使用してもよい。
【0014】
図1はいくつかの実施態様による電子タバコ10(正確な縮尺ではない)などのエアロゾル/蒸気供給装置の略図である。電子タバコは、ほぼ円筒状であり、破線LAで示す長手方向軸に沿って延び、2つの主要部材、即ち本体20とカトマイザー30とを含む。カトマイザーはエアロゾルを発生させる、例えばニコチンを含有する液剤を含む液体源の容器を含む内部チェンバーとエアロゾル発生器とを含む。液体源とエアロゾル発生器はエアロゾル源と総称してもよい。さらにカトマイザー30は、エアロゾル源によって発生したエアロゾルをユーザーが吸引するための開口部を有するマウスピース35を含む。液体源は、紙巻きタバコに使用される従来の種類のものであってもよく、例えば3%のニコチンと50%のグリセロールを含み、残りが大まかに同量の水およびプロピレングリコールそして場合によっては風味剤などの他の成分を含むものであってもよい。液体源用の容器はエアロゾル発生器/気化器に液体を供給する必要が生じる時まで液体源を保持するためにハウジング内に発泡体マトリックスまたはあらゆる他の構造体を含んでもよい。エアロゾル発生器は液体源を気化し、液剤のエアロゾルを形成するためのヒーターを含む。さらにエアロゾル発生器は容器から少量の液体源をヒーター上のまたはヒーターに隣接する加熱位置へと移すための芯または同様の手段を含んでもよい。
【0015】
本体20は電子タバコ10に電力を供給するための充電可能な電池またはバッテリーと電子タバコを通常制御するための回路板とを含む。使用時、ヒーターが回路板によって制御されながらバッテリーから電力を受け取ると、ヒーターが加熱位置で液体源を気化してエアロゾルを発生させ、これがマウスピースの開口部を介してユーザーによって吸引される。ユーザーがマウスピースで吸引すると、エアロゾルはエアロゾル源からマウスピースへとエアロゾル源をマウスピース開口部へと接続する空気路に沿って搬送される。
【0016】
この特定の例では本体20とカトマイザー30は
図1に示すように長手方向軸LAに対して平行な方向に分離させることによって互いに取り外し可能であるが、装置10の使用時には25Aおよび25Bとして
図1において略式に示す本体20とカトマイザー30間の機械的および電気的接続を供する接続部によって接合される。カトマイザーへの接続に使用される本体20の電気コネクターは、本体がカトマイザー30から取り外した際の充電装置(図示せず)を接続するためのソケットとしての役割も果たす。充電装置の他端は、電子タバコの本体内の電池/バッテリーを充電または再充電するために外部電気供給装置、例えばUSBソケットに差し込むことができる。他の実行例ではケーブルを本体の電気コネクターと外部電力供給装置を直接接続するために設けてもよい。
【0017】
電子タバコ10には空気を取り込むための1つ以上の穴(
図1では示されていない)が設けられている。これらの穴は電子タバコ10を通るマウスピース35への空気走行通路に接続する。この空気通路はエアロゾル源の周囲の領域およびエアロゾル源からマウスピースの開口部へと接続する空気路を含むセクションを含む。
【0018】
ユーザーがマウスピース35を介して吸引すると、空気が電子タバコの外側に好適に配置された1つ以上の空気取り込み穴を介してこの空気通路内に引き込まれる。この空気流(またはその結果生じる圧力の変化)は圧力センサーによって検出され、次にこの圧力センサーは、ヒーターを作動させて液体源の一部を気化し、エアロゾルを発生させる。空気流は空気通路を通過し、エアロゾル源の周囲の領域でエアロゾルと混合し、得られた空気流とエアロゾルの混合物は、その後ユーザーによって吸引されるようにエアロゾル源からマウスピース35へと接続する空気路に沿って移動する。カトマイザー30は、液体源を使い切った際に本体20から取り外して、廃棄してもよい(必要に応じて別のカトマイザーと交換してもよい)。これとは別にカトマイザーは、詰め替え可能であってもよい。
【0019】
当然のことながら
図1に示した電子タバコ10は例として提示されており、種々の他の実行例が適用可能である。例えばいくつかの実施態様ではカトマイザー30は2つの分離可能な部品、即ち液体源容器およびマウスピースを含むカートリッジ(容器の液体源を使い切ったら交換することができる)および気化器/エアロゾル発生器を含むヒーター(一般的に保持される)として提供される。別の例として充電設備は車のシガレットライターソケットなどの追加のまたは別の電力源に接続してもよい。
【0020】
図2は
図1の電子タバコの本体20の略図(単純化した)である。
図2は電子タバコの長手方向軸LAを通る面の横断面と通常見なすことができる。ここで留意すべきは本体の種々の部品および詳細、例えば配線および複雑な形状は、分かりやすくするために
図2から省かれている。
【0021】
図2に示すように本体20は電子タバコ10に電気を供給するためのバッテリーまたは電池210並びに電子タバコ10を制御するための特定用途向け集積回路(ASIC)などのチップまたはマイクロコントローラーを含む。ASICはバッテリー210と並んでまたはその一端に配置されてもよい。ASICはマウスピース35での吸引を検出するためのセンサーユニット215に取り付けられる(またはこれとは別にセンサーユニット215をASIC自体に設けてもよい)。そのような検出に応答してASICはバッテリーまたは電池210からの電気をカトマイザー内のヒーターに供給して液体源を気化し、エアロゾルをユーザーによって吸引される空気流に導入する。
【0022】
本体はさらに電子タバコの遠方(遠位)端を封止し、保護するためのキャップ225を含む。ユーザーがマウスピース35で吸引した際に空気を本体内に入らせ、センサーユニット215を通過して流れるようにする空気取り込み穴がキャップ225にまたはこれに隣接して設けられている。従って、この空気流によってセンサーユニット215がユーザーの吸入を検出し、電子タバコのエアロゾル発生エレメントを作動させる。
【0023】
本体20のキャップ225と反対の端部にあるのは本体20をカトマイザー30に接合するためのコネクター25Bである。コネクター25Bは本体20とカトマイザー30を機械的および電気的に接続する。コネクター25Bは本体コネクター240を含み、これは金属製であり(いくつかの実施態様では銀メッキされている)、カトマイザー30への電気接続のための1つの端子(正または負)としての役割を果たす。さらにコネクター25Bは、第1の端子、即ち本体コネクター240と反対の極性のカトマイザー30への電気接続のための第2の端子となる電気接触部250を含む。電気接触部250はコイルスプリング255に取り付けられている。本体20がカトマイザー30に取り付けられる際、カトマイザーのコネクター25Aが軸方向、即ち長手方向軸LAに対して平行な方向(軸方向に位置合わせされて)にコイルスプリングを圧縮するように電気接触部250を押す。スプリング255の弾力性を考慮するとこの圧縮はスプリング255を広がるように付勢し、これはコネクター25Aに対して強く電気接触部250を押す効果があり、これにより本体20とカトマイザー30間の電気接続を確実に良好にする役割を果たす。本体コネクター240と電気接触部250は、2つの電気的端子間を良好に絶縁するために非伝導性のものから(プラスチックのような)作製されたトレッスル260によって隔てられている。トレッスル260は、コネクター25Aと25Bの相互の機械的な係合を補助するように形成されている。
【0024】
図3はいくつかの実施態様による
図1の電子タバコのカトマイザー30の略図である。
図3は電子タバコの長手方向軸LAを通る面の横断面と通常見なすことができる。ここで留意すべきは本体の種々の部品および詳細、例えば配線および複雑な形状は、分かりやすくするために
図3から省かれていることである。
【0025】
カトマイザー30はカトマイザー30の中央(長手方向)軸に沿ってマウスピース35からカトマイザー30を本体20に接合するためのコネクター25Aへと延びている空気通路355を含む。
【0026】
液体源の容器360が空気通路の周囲に設けられている。この容器360は、例えば、液体源に浸したコットンまたは発泡体を供することによって実施してもよい。またカトマイザーはユーザーによる電子タバコ10の吸引に応答して容器360からの液体源を加熱し、エアロゾルを発生させ、空気通路355を介してそしてマウスピース35の開口部から出るようにするヒーター365も含む。ヒーターはライン366、367を介して給電され、これらラインはコネクター25Aを介してバッテリー210の反対の極(正および負、またはその逆)に接続される(給電ライン366、367と接続部25Aの間の配線の詳細は
図3では省略されている)。
【0027】
ヒーター365とマウスピース開口部369の間の空気通路355のあるセクションは、電子タバコの使用中にエアロゾル搬送空気が通過する空気路を供する。この空気路は空気路壁によって画定され、これはこの例では第1部分368および第2部分370を含む。空気路壁の第1部分368は空気路を囲む液体源容器360の内壁を含み、第2部分368は空気路を囲むマウスピース35の内面を含む。さらに以下に説明するように特定の実施態様による電子タバコの1つの顕著な特徴は、エアロゾル源360、365とマウスピース開口部間を接続する空気路を画定する内壁368、370の表面の少なくとも一部にエアロゾルを発生させる液剤に対する濡れ性を増すための表面仕上げが施されているということである。
【0028】
コネクター25Aは内部電極375を含み、これは銀メッキされてもよく、または他の好適な金属で作製してもよい。カトマイザー30を本体20に接続すると、内部電極375が本体20の電気接触部250と接触し、カトマイザーと本体の間に第1の電気経路を供する。特にコネクター25Aおよび25Bを係合させると、内方電極375が電気接触部250を押し、コイルスプリング255を圧縮し、これにより確実に内方電極375と電気接触部250間を良好に電気的に接触する役割を果たす。
【0029】
内部電極375は絶縁リング372によって囲まれ、これはプラスチック、ゴム、シリコーンまたは他の好適な材料で作製してもよい。絶縁リングはカトマイザーコネクター370によって囲まれ、これは銀メッキされてもよく、または好適な金属または導電性材料で作製してもよい。カトマイザー30を本体20に接続すると、カトマイザーコネクター370が本体20の本体コネクター240と接触し、カトマイザーと本体の間に第2の電気経路を供する。言い換えれば内部電極375とカトマイザーコネクター370は必要に応じて本体のバッテリー210からカトマイザーのヒーター365へと供給ライン366、367を介して電気を供給するための正および負の端子(またはその逆)としての役割を果たす。
【0030】
カトマイザーコネクター370には電子タバコの長手方向軸から離れるように互いに反対方向に延びている2つの突起またはタブ380A、380Bが設けられている。これらのタブはカトマイザー30を本体20に接続するための本体コネクター240と共にバイオネット嵌めを供するために使用される。このバイオネット嵌めは カトマイザーと本体がぐらついたり曲がったりせずに互いに定位置に保持され、意図せずに外れたりする可能性が極めて小さくなるようにカトマイザー30と本体20を確実かつ頑丈に接続する。同時にバイオネット嵌めは接続のために挿入してその後回転することによってそして外すために回転して(反対方向に)そのあと引っ張ることによって簡単かつ素早く接続したり、外したりできるようにする。当然のことながら他の実施態様ではスナップ嵌め、またはねじによる接続などの異なる形体で本体20とカトマイザー30間を接続してもよい。
【0031】
図4はいくつかの実施態様による本体20の端部のコネクター25Bの詳細を示す略図である(分かりやすくするためにトレッスル260などの
図2に示したコネクターの内部構造の殆どを省略している)。特に
図4は本体20の外部ハウジング201を示し、これは一般に円柱管の形状を有する。この外部ハウジング201は、例えば、紙またはそれに類似するものからなる外方のカバーを有する金属からなる内方管を含んでもよい。
【0032】
本体コネクター240は本体20のこの外部ハウジング201から延びている。
図4に示すように本体コネクターは、本体20の外部ハウジング201の内側に嵌る大きさの中空の円柱管の形状のシャフト部分241および電子タバコの主長手方向軸(LA)から離れるように半径方向外方に向けられたリップ部分242の2つの主要部分を含む。シャフト部分が外部ハウジング201と重ならないところで本体コネクター240のシャフト部分241を囲んでいるのはカラーまたはスリーブ290であり、これも円柱管形状である。カラー290は本体コネクター240のリップ部分242と本体の外部ハウジング201の間に保持され、これらは共にカラー290に軸方向の移動を妨げる(即ち軸LAに平行な)。しかしながら、カラー290はシャフト部分241の周囲を自由に回転する(従って軸LAの周囲で)。
【0033】
上述したようにキャップ225にはユーザーがマウスピース35で吸引した際に空気がセンサー215を通過して流れるようにする空気取り込み穴が設けられている。しかしながら、ユーザーが吸引した際に装置に入る空気の大半は
図4の2本の矢印で示すようにカラー290と本体コネクター240を介して流れる。
【0034】
前述の通り空気路355を通過するエアロゾルの一部は、電子タバコの使用中に空気路を画定する壁368、370の内面上に凝集する場合がある。従来の電子タバコではエアロゾルのこの凝集は、空気チェンバー壁に集まって小滴を形成し、本発明者はこれらの小滴は空気路を通過し、マウスピース開口部369から出てユーザーの口に入る空気流に同伴され、これによりユーザーの感覚が損なわれると認識している。
【0035】
この問題を改善するためにエアロゾル源360、365とマウスピース開口部369の間を接続する空気路を画定する内壁368、370の表面の少なくとも一部にはエアロゾルを発生させる液剤に対する濡れ性を増すための表面仕上げが施されている。従って、実施例的実施態様ではエアロゾル供給装置(電子タバコ)は、エアロゾル源からマウスピースへと接続する空気路の1つ以上の壁にエアロゾルを含む液剤に対するこれらの壁の濡れ性を増すために付与される表面仕上げが施されていること以外は従来のものと同じである。
【0036】
空気路の壁の濡れ性を増すことによってエアロゾルから空気路の壁上に凝集する液剤は、ビーズが小滴(即ち、比較的高い接触角になる)になるのではなく、広がりやすくなり膜を形成する(即ち、比較的低い接触角になる)。これは空気路壁に堆積する液剤が通常の使用時にエアロゾル供給装置でユーザーが吸引した際に空気路を介して引き込まれる空気(即ち、空気によって拾われる)に同伴され難くすることに役立つ。即ち、濡れ性が増した壁はエアロゾルから空気路の壁上で凝集する液剤の接触角を小さくし、これによりもしそのようにしなかった場合(即ち、空気路を画定する内面の少なくとも一部の濡れ性を増すための表面処理をしていない)より液剤を壁から離れにくくし、空気路内で空気流に入りにくくする。
【0037】
液剤に対して濡れ性を増すために空気路の内壁(少なくとも一部)に施すことができる表面仕上げには多くの異なるものがある。例えば、表面仕上げは濡れ性を増すために従来の技法に従って供されるプラズマコーティング処理を含んでもよい。別の例では空気路壁は空気路の形成に例えば製造コストおよび簡便さの点で構造的によく適しているが、液剤に対して比較的低い濡れ性(高接触角/低接着性)を有するする基材を含んでもよい。従って、濡れ性を増すための表面仕上げはこの基材に塗布されるコーティングを含んでもよく、この場合そのコーティングは基材より液剤に対してより高い濡れ性(低接触角/高接着性)を有する。例えば、コーティングは基材と比較して比較的高固体の自由エネルギー表面を有する材料を含んでもよい。
【0038】
しかしながら、
図1〜4に示した電子タバコの例ではエアロゾル源とマウスピースの間を接続する空気路の内面の少なくとも一部の濡れ性を増すために施される表面仕上げは表面模様付けを含む。例えば、表面模様の物理的スケールの点での表面模様付けの特性は、どのように表面模様付けが濡れ性に影響を与えるかに関する既存の原理に従って濡れ性特性を増加させるために選択してもよい。表面模様付けは複数の異なる方法で設けてもよい。例えば、一部の実行例では表面模様を空気路壁の関連する表面の研磨粗面化処理、例えば研磨部材でこすることによって設けてもよい。しかしながら、より大きな規模の製造でより単純化しやすい方法は、製造中にエアロゾル供給装置の関連する部品(即ち、空気路壁を画定する部分)に表面模様を型押しすることである。空気路壁を供するエアロゾル供給装置の関連する部品は、通常はプラスチック成形法によって製造され、従って表面模様は好適に模様付けされた表面を有する型を使用して容易に付与することができる。この方法の利点は、それがエアロゾル供給装置の関連する部材の既存の製造装置および方法に殆ど変更を要しないということである。さらに一度変更がなされると(即ち、型押し装置の関連する部品に所望の表面模様付けされると)、各個々のエアロゾル供給装置に対応する製造工程の数およびエアロゾル供給装置の部材が製造中に扱われる方法は、従来のエアロゾル供給装置のものと同じままである。
【0039】
例えば模様付けを含む構造の特徴的空間規模の観点からの特定の表面模様の特徴は、場合によっては実験的に決定される。例えば、空気路壁の関連する部品を含む材料の異なるサンプルの濡れ性は、一連の異なる表面模様の特徴に対する液剤に対して測定してもよい。それから適した表面模様の特徴は、液剤に対するそれらの観察された濡れ性の特徴を考慮したテストサンプルの中から選択される。具体例によって一部の実施態様では約または少なくともN10、N11またはN12(ISO1312の定義による)に対応する表面粗さを使用してもよい。しかしながら、他の度合いの表面粗さ/性状、例えば約または少なくともN1、N2またはN3を他の実施態様では使用可能である。
【0040】
適した表面仕上げの特徴を制定するための同様な実験的な方法は、表面の濡れ性を増すための他の技術を使用した場合、例えば表面コーティング仕上げを使用する実行例のために同様に用いることが可能である。
【0041】
口漏れを減少させるためにエアロゾル供給装置の空気路の濡れ性を変えるための表面仕上げを施す方法を比較的簡略化した電子タバコを参照して上述してきた。しかしながら、当然のことながらこれらの原理は、種々の異なる種類のエアロゾル供給装置/電子タバコにその根本的な技術(例えば、エアロゾル発生技術の観点での)およびエアロゾル供給装置の基本的な他の設計上の側面(例えば、全体的な大きさおよび形の観点での)に関係なく適用することができる。
【0042】
図5A〜5Cはいくつかの他の実施態様によるエアロゾル供給装置500の部品をいくつかの面から略式に示した斜視図である。特に
図5Aはエアロゾル源502を含む第1の部品を略式に示しており、
図5Bはエアロゾル供給装置500のハウジングの一部を含む第2の部品510を略式に示している。エアロゾル供給装置500のこれら2つの部品は分かりやすくするために
図5Aと5Bに別々に示しているが、通常の使用時にはこれら2つの部品は
図5Cに略式に示すように組み合わされる。この特定の設計のエアロゾル供給装置が組み合わされた状態では、エアロゾル源部品502はハウジング部品510の内側に嵌められる。当然のことながらエアロゾル供給装置500は、一般に単純化するために
図5A〜5Cには示されていない種々の他の特徴、例えば電力供給源を含むことになる。エアロゾル供給装置のこのような他の特徴は従来技法に従って設けてもよい。より一般的には当然のことながらここで説明するエアロゾル供給装置の外観および特徴はここで説明した実施態様に従って変更されたものとは別に制定された技術に基づいて実行してもよい。
【0043】
エアロゾル源部品502はエアロゾルを発生させる液剤を含む液体源を含有する容器本体部506と例えばヒーターをベースにしたエアロゾル発生器504を含む。液体源とエアロゾル発生器504は従来のものであってもよい。容器本体部506は一般に一方の側に沿って長手方向に延びた平坦面508を有する円形の筒状である。容器本体部506は従来の技法に従って形成されてもよく、例えば成型されたプラスチック材を含む。
【0044】
ハウジング部品510はほぼ管状であり、円対称である。ハウジング部品510は主ハウジング部512およびマウスピース部514を含む。これらは別個にまたは一体に形成されてもよい。主ハウジング部512とマウスピース部514は従来の技法に従って形成されてもよく、例えば押し出しされたアルミニウムまたは成型されたプラスチックを含む。主ハウジング部512はエアロゾル源部品502の外寸に合致した内寸を有するほぼ円柱状の管を含む。従って、エアロゾル源部品502は、
図5Cに略式に示すように締まりばめ構成でハウジング部品510内に収容される。当然のことながらハウジング部品510は、一般に
図5Cで示したよりもさらに延びており、通常はエアロゾル発生器504を囲む。ハウジング部品510のマウスピース部514は、使用中にユーザーの唇が受けるのに人間工学的に適した形に主ハウジング部品の形状から遷移するように輪郭が形成されている。マウスピース部514はユーザーがエアロゾル源によって発生されるエアロゾルを吸引する端部に開口部516を含む。
【0045】
図5Cの略図から明らかなようにエアロゾル源部品502をハウジング部品510に挿入すると、平坦な面508を設けたことによって容器本体部506の外壁およびハウジング部品510の内壁の間に空間ができる。エアロゾル供給装置500の第1部品502と第2部品510が間隔をおいて配されているこの領域は、これによりエアロゾル発生器504の近傍から開口部516へ接続する空気路520の一部を画定する。他の空気路の部分は、マウスピース514に隣接するエアロゾル源部品502を囲まないハウジング510の内部とマウスピース514の内面によって画定されている。一般に空気路520を画定するこれらの領域にエアロゾル供給装置のさらなる構造的部材が存在する。例えば、従来技法に従って空気流を抑制するために流量制限器および/またはバッフルおよび/またはスイッチバックを設けてもよい。
【0046】
図5A〜5Cに略式に示したエアロゾル供給装置500の一般的な作動原理は、
図1〜4に示したエアロゾル供給装置の上述の作動原理と類似している。従って、使用時にユーザーがマウスピース514で吸い込み、これがエアロゾル供給装置500の内部に空気がエアロゾル供給装置の遠位端(図示せず)の取り込み開口部を介して引き込まれるようにする。エアロゾル供給装置のコントローラーが空気の流入を、例えば圧力の変化に基づいて検知し、それに応じてエアロゾル発生器504を作動させるように構成されている。従って、容器本体部506の液体源を含む液剤のエアロゾルがエアロゾル発生器504の領域で発生する。空気がエアロゾル供給装置内に引き込まれると、空気はエアロゾル発生器504のその領域を通過し、エアロゾルの一部を空気路520を介してマウスピース514の開口部516へと運ぶ。
【0047】
上述したのと同じように空気路520の内壁の少なくとも一部には液剤に対する空気路の表面の濡れ性を増すための表面仕上げが施されている。特にこの例示的実行例において第1部品502の平坦面508および平坦面508と共に空気路520を画定するハウジング部品510の内面の一部には上述の原理に従って液剤に対するこれらの面の濡れ性を増すための(表面模様を
図5Aおよび5Cの平坦面508に略式に示す)模様付け仕上げが施されている。その効果は、上述のように空気路520の表面上に凝集した液剤が空気路を介して引き込まれる空気に同伴され、開口部516を介して出てユーザーの口内に入る傾向を減少させることである。当然のことながら濡れ性を増すための表面仕上げは、代わりにまたは空気路の他の内壁、例えばマウスピース514の内壁にも設けてもよい。
【0048】
一部の例示的実行例では濡れ性を増すための表面仕上げは表面に亘って比較的一定に施される。しかしながら、ある実施態様では表面仕上げは、液剤に対して異なる濡れ性の領域を設けるために空気路壁に亘って変えてもよい。例えば、表面模様(または他の表面仕上げ)を第1領域に施し、これはこの第1領域に隣接する第2領域に施される表面模様(または他の表面仕上げ)より高い濡れ性を供し、従って液剤はこれら2つの領域の間から流れる。第1領域の高い濡れ性は、第2領域に凝集した液剤が第1領域に引き込まれやすいということを意味する。従って、第2領域が第1領域よりユーザーがエアロゾルを吸入する開口部の近くに配置されると、この方法は凝集した液剤を付勢してユーザーが吸入を行うエアロゾル供給装置の端部から離れるように移動させるのに役立つ。さらにこのことは空気路の壁に凝集した液体接着剤が空気流に同伴され、その後ユーザーの口内に引き込まれにくくする。
【0049】
いくつかの例示的実行例では空気路の内壁に凝集した液剤を空気路から流れ出るように仕向ける。例えば、エアロゾル供給装置に空気路と流体連通するが、空気路の外側にある実質的に貯蔵(保持)面であるものを設けてもよい。例えば、貯蔵面は空気路の壁に設けられそこから離れるように延びた細い隙間からなる面を含んでもよい。従って、空気路の壁に凝集した液剤は、毛管現象によってその隙間に引き込まれ、空気路から出る。
【0050】
例として空気路520に隣接する領域内にある(即ち、平坦な面508に隣接する容器本体部506の湾曲面の近傍で)
図5Cに略式に示した容器本体部506とハウジング510の内部との間の接触面がこの機能を供する。即ち、空気路520内で平坦面508上にまたは平坦面508に向いた他のハウジング510の内面上に凝集した液剤は、
図5Cで空気路から離れるように向けられた一連の矢印によって略式に示したように毛管現象によって容器本体部の湾曲面506とハウジング部品510との間の隙間内に引き込まれる。この効果をさらに高めるために空気路に隣接する隙間を画定する表面の一方または他方または両方の領域に表面仕上げ、例えば表面模様付けをして、毛管現象による空気路の壁から接触面内への液剤の流れを促進する。例えば、
図5A〜5Cの実行例を参照すると空気路520の外側にある容器部品506の外面およびハウジング部品510の内面の領域に表面仕上げ、例えば空気路520を画定するこれらの面の領域に設けたのと同じまたは類似の表面模様付けを施してもよい。さらには空気路に隣接する隙間に付与される表面仕上げは、空気路からの距離を長くし、濡れ性を増加させ、さらに隙間内への液剤の引き込みを促進させ、これにより隙間内に引き込まれるより多くの液剤のための空間を残すことになる。
【0051】
従って、エアロゾル供給装置の空気路表面の濡れ性を増加させることによって口漏れに関して上述した問題点を改善するのに役立つエアロゾル供給装置の例を説明した。この点に関し他の実施態様ではこのようなエアロゾル供給装置を製造するための方法および装置が提供される。
【0052】
図6は特定の実施態様によるエアロゾル供給装置の製造方法のいくつかの工程を略式に示している。加工処理が工程S1で始まる。工程S2では1つの空気路壁部品(または複数の部品)が形成される。空気路壁部品は、製造される特定の設計のエアロゾル供給装置を考慮して一般に従来技法に従って、例えば成型または押し出しによって形成してもよい。従って
図5A〜5Cに示すエアロゾル供給装置の例に関して言えば、工程S2はエアロゾル源部品502の容器本体部506部分および/またはハウジング部品510および/または表面仕上げが付与される空気路を画定するために使用されるエアロゾル供給装置の他の部分を形成する処理を含んでもよい。工程S3では関連する表面仕上げが工程S2で形成された1つ以上の空気路部品の壁に施される。当然のことながら工程S2およびS3は説明上別個の工程として略式に示されているが、一般には同時に行ってもよい。例えば、これは表面仕上げが組み立てられた際に空気路を画定するエアロゾル供給装置の関連部品の成型時に導入されるテクスチャード加工面を含む場合に当てはまる。しかしながら、例えば表面仕上げが研磨粗面化処理または上述したような他の表面仕上げを施すことによってサービステクスチャーを供することを含む場合、これら2つの工程を別々に行ってもよい。
【0053】
図7は特定の実施態様によるエアロゾル供給装置を製造するための装置700を略式に示している。装置700はエアロゾル供給装置の部品を製造するための一般的な従来の技法に基づいたものでもよいが、エアロゾル供給装置に使用される液剤に対して濡れ性を増すために空気路壁を画定する部品の少なくとも一部に表面仕上げを施すための機構702含むように変更されている。一部の例では機構702はエアロゾル供給装置を製造するための装置の従来の部品の変性版を含んでもよい。例えば、機構702は実質的に上述したように表面模様を供するために変更されたエアロゾル供給装置の部品用の型を含むが、それ以外は従来のものと同じである。他の例では機構702は他の従来の装置の新たに導入された部品、例えば研磨粗面化処理または別の表面仕上げをエアロゾル供給装置の関連する部品(即ち、表面仕上げが付与される空気路を画定する部品)に施す機構を含んでもよい。
【0054】
以上、例えばニコチンを含有する液剤を含む液体源からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル源を含む電子タバコなどのエアロゾル供給装置について説明してきた。本発明の装置は、アロゾル源およびユーザーが使用時にエアロゾルを吸入するところであるマウスピースの開口部の間に配置された空気路をさらに含む。空気路は壁によって画定され、少なくとも壁の内面の一部には液剤に対する表面の濡れ性を増すための表面仕上げが施されている。例えば、空気路の壁の内面の一部または全てに模様付け仕上げを施してもよい。模様付け仕上げは、例えばエアロゾル供給装置の製造時の1つ以上の空気路部品の成型処理中に施してもよい。空気路の濡れ性を増すことは、エアロゾルが凝集して空気路の壁上で液剤の小滴になってユーザーの口内に引き込まれにくくすることに役立つ。
【0055】
上述の実施態様はいくつかの点でいくつかの特定の例のエアロゾル供給装置に焦点を合わせているが、当然のことながら同じ原理が他の技術を使用したエアロゾル供給装置に適用することが可能である。即ち、エアロゾル源が作動する特定の方法は、特定の実施態様において基本的な原理に対しては重要ではなく、特許文献1に開示されているようなエアロゾル源の構造を他の実行例でも使用可能である。
【0056】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践される。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。