(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、このような電子部品の適用された各種電子機器には、入力電源の不安定や静電気などによって許容範囲を脱した過電圧または過電流が印加される場合が頻繁に発生している。
【0007】
従来の一般的な電子部品では、このような過電圧または過電流が印加されて電子部品を劣化させるか、製品の機能不全をもたらすなどの問題を防止するために、電子部品の外部に静電気防止手段を備えている。しかしながら、電子部品の外部に別途の静電気防止手段を備えると、電子機器の小型化に限界があるという問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、電子部品内に放電端子を有する静電気防止手段を備え、過電圧または過電流による問題を解決することができる、電子部品及び電子部品製造方法を提供することにその目的がある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、静電気防止手段を電子部品の内に備えることによって、厚さの増加や大きさの増加を最小化できる、電子部品及び電子部品製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を解決するために、本発明の一実施形態による電子部品は、誘電体及び絶縁体のうちの少なくともいずれか一つを介して1次コイルパターン及び2次コイルパターンが備えられる電子部品であって、前記1次コイルパターンまたは前記2次コイルパターンに印加される過電圧または過電流を放電させる少なくとも一つの放電端子を含む。
【0011】
前記1次コイルパターンの一端には第1の1次外部電極が電気的に接続され、前記1次コイルパターンの他端には第2の1次外部電極が電気的に接続され、前記2次コイルパターンの一端には第1の2次外部電極が電気的に接続され、前記2次コイルパターンの他端には第2の2次外部電極が電気的に接続される。前記放電端子には放電電極が電気的に接続され、前記第1の1次外部電極、前記第2の1次外部電極、前記第1の2次外部電極及び前記第2の2次外部電極のうちの少なくともいずれか一つに電気的に接続される。前記放電端子との間で予め決められたギャップをおいて設けられる放電パターンをさらに含む。
【0012】
また、前記ギャップは、1〜10μmの範囲内で決まるのが望ましい。また、本発明の他の実施形態による電子部品は、第1のパターン層、第2のパターン層及び外部電極層を含む電子部品であって、前記第1のパターン層は、第1の1次コイルパターン、第1の2次コイルパターン、前記第1の1次コイルパターンの一端に電気的に接続される第1の1次パッド、前記第1の2次コイルパターンの一端に電気的に接続される第1の2次パッド、前記第1の1次コイルパターンの他端に電気的に接続される第1の1次内部端子及び前記第1の2次コイルパターンの他端に電気的に接続される第1の2次内部端子を含む第1のコイルパターン部と、前記第1の1次パッドに隣接して設けられる第1の1次サブパッド、その一端が前記第1の1次サブパッドに電気的に接続される第1の放電パターン及び前記第1の放電パターンとの間で予め決められたギャップをおいて設けられる第1の放電端子を含む第1の放電パターン部と、を含む。前記第2のパターン層は、第2の1次コイルパターン、第2の2次コイルパターン、前記第2の1次コイルパターンの一端に電気的に接続される第2の1次パッド、前記第2の2次コイルパターンの一端に電気的に接続される第2の2次パッド、前記第2の1次コイルパターンの他端に電気的に接続される第2の1次内部端子、前記第2の2次コイルパターンの他端に電気的に接続される第2の2次内部端子及び前記第1の1次パッドに電気的に接続される第2の1次ダミーパッドを含む第2のコイルパターン部と、前記第1の放電端子に電気的に接続される第1の追加放電端子及び前記第2の1次ダミーパッドに隣接し前記第1の1次サブパッドに電気的に接続される第2の1次ダミーサブパッドを含む第2の放電パターン部とを含む。前記外部電極層は、前記第1の1次コイルパターンと第2の1次コイルパターンとが接続されてなされる1次コイルパターンの一端に電気的に接続される第1の1次外部電極、前記1次コイルパターンの他端に電気的に接続される第2の1次外部電極、前記第1の2次コイルパターンと第2の2次コイルパターンとが接続されてなされる2次コイルパターンの一端に電気的に接続される第1の2次外部電極、前記2次コイルパターンの他端に電気的に接続される第2の2次外部電極を含むコイル電極部と、前記第1の追加放電端子に電気的に接続される第1の放電電極を含む放電電極部とを含む。前記第2の1次ダミーサブパッドは、前記第1の1次外部電極に電気的に接続される。
【0013】
前記第1のコイルパターン部は、前記第2の1次パッドに電気的に接続される第1の1次ダミーパッドをさらに含み、前記第1の放電パターン部は、前記第1の1次ダミーパッドに隣接し前記第2の1次外部電極に電気的に接続される第1の1次ダミーサブパッドと、前記第1の1次ダミーサブパッドに電気的に接続される第1のダミー放電パターンと、前記第1のダミー放電パターンとの間で予め決められたギャップをおいて設けられる第2の放電端子をさらに含み、前記第2の放電パターン部は、前記第2の1次コイルパターンの一端に電気的に接続される第2の1次パッドと、前記第2の1次パッドに隣接し前記第1の1次ダミーサブパッドに電気的に接続される第2の1次サブパッドと、前記第2の放電端子に電気的に接続される第2の追加放電端子をさらに含み、前記第2の1次サブパッドは前記第2の1次外部電極に電気的に接続され、前記外部電極層は前記第2の追加放電端子に電気的に接続される第2の放電電極をさらに含む。
【0014】
また、前記第1のコイルパターン部は、前記第2の1次パッドに電気的に接続される第1の1次ダミーパッドをさらに含み、前記第1の放電パターン部は、前記第1の1次ダミーパッドに隣接し前記第2の1次外部電極に電気的に接続される第1の1次ダミーサブパッドと、第2の放電端子と、をさらに含み、前記第2の放電パターン部は、前記第2の1次コイルパターンの一端に電気的に接続される第2の1次パッドと、前記第2の1次パッドに隣接し前記第1の1次ダミーサブパッドに電気的に接続される第2の1次サブパッドと、前記第2の1次サブパッドに電気的に接続される第1のダミー放電パターンと、前記第1のダミー放電パターンとの間で予め決められたギャップをおいて前記第2の放電端子に電気的に接続される第2の追加放電端子と、をさらに含み、前記第2の1次サブパッドは前記第2の1次外部電極に電気的に接続され、前記外部電極層は前記第2の追加放電端子に電気的に接続される第2の放電電極をさらに含む。
【0015】
また、本発明の他の実施形態による電子部品は、2次コイルパターンの一側または両側に放電のための手段が具備されてもよい。
【0016】
本発明のさらに他の実施形態による電子部品製造方法は、誘電体及び絶縁体のうちの少なくともいずれか一つを介して1次コイルパターンと2次コイルパターンとが設けられ、前記1次コイルパターンまたは前記2次コイルパターンに印加される過電圧または過電流を放電させる少なくとも一つの放電端子を含む電子部品をフォトレジスト工法で製造する方法であって、前記1次コイルパターン及び前記2次コイルパターンがめっきされるべき領域を露出させるフォトレジストパターンが前記放電端子が形成される領域も露出させる。
【0017】
前記1次コイルパターン及び前記2次コイルパターンの両端に各々電気的に接続される4個の外部電極のうちの少なくともいずれか一つに一端が接続され、他端は前記放電端子から予め決められたギャップだけ離間された放電パターンがさらに形成されることが望ましい。
【0018】
また、前記ギャップは、1〜10μmの範囲内で決まるのが望ましい。
【0019】
また、本発明のさらに他の実施形態による電子部品製造方法は、前述による電子部品をフォトレジスト工法で製造するための方法であって、前記第1のコイルパターン部及び第1の放電パターン部が形成される領域を露出させる第1のフォトレジストパターンを用いて前記第1のパターン層を形成するステップと、前記第1のパターン層の上面に絶縁体または誘電体を塗布して第1の絶縁膚を形成するステップと、前記第2のコイルパターン部及び第2の放電パターン部が形成される領域を露出させる第2のフォトレジストパターンを用いて、前記第1の絶縁層の上面に前記第2のパターン層を形成するステップと、前記コイル電極部及び前記放電電極部が形成される領域を露出させる第3のフォトレジストパターンを用いて、前記第2のパターン層の上面に前記外部電極層を形成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0020】
前述のように構成された本発明の一実施形態によれば、電子部品に印加される過電圧または過電流を効率よく放電させ、電子部品自らの寿命が延びると共に、該電子部品が採用された各種電子機器の信頼性を向上することができるという効果が奏する。
【0021】
また、電子部品の面積や厚さが増加させることなく、静電気を放電させることができる構造が電子部品内に搭載されることによって、小型化に有利であるという効果が奏する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0024】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の構成及び作用効果について詳しく説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による電子部品を概略的に例示した斜視図で、
図2は
図1の分解斜視図であり、
図3aは
図1のI−I'線に沿う断面を概略的に例示した断面図で、
図3bは
図1のII−II'線に沿う断面を概略的に例示した断面図である。
【0027】
図1〜
図3bを参照して、本発明の一実施形態による電子部品は、誘電体60または絶縁体を介して1次コイルパターンと2次コイルパターンとを含む一般的な電子部品に放電端子が追加で具備される。
【0028】
また、放電端子には放電電極が電気的に接続され、1次コイルパターンの両端または2次コイルパターンの両端に電気的に接続される4個の外部電極のうちのいずれか一つから延在する放電パターンが放電端子との間で所定の間隔をおいて設けられる。
【0029】
説明の便宜上、放電端子と放電パターンとの間の間隔をギャップGと称すことにする。
【0030】
導電材料と他の導電材料の間にギャップGが形成されると、該ギャップGの幅によって放電が始まる電圧の大きさが変わることになる。例えば、ギャップGが1μmの場合、ギャップG両端の電圧差が約十万ボルト位である時放電現象が発生する。
【0031】
一方、各種電子機器において静電気によって過度に印加される電圧は略十万ボルト〜百万ボルト位の範囲なので、本発明の一実施形態による電子部品において、放電パターンと放電端子との間のギャップGは1〜10μm範囲で決まることができる。
【0032】
詳しくは、
図1〜
図3bに示すように、本発明の一実施形態による電子部品は、基板40、第1のパターン層10、第2のパターン層20及び外部電極層30を含む。
【0033】
基板40は、フェライト(Ferrite)などの磁性体から成る。この場合、基板40とコイルパターンとの間の絶縁性の確保のために酸化膜(passive layer)50が表面に形成された状態で第1のパターン層10が形成されてもよい。
【0034】
第1のパターン層10は、第1のコイルパターン部と第1の放電パターン部とを備える。第2のパターン層20は、第2のコイルパターン部と第2の放電パターン部とを備える。
【0035】
第1のコイルパターン部及び第2のコイルパターン部は、コイルパターンが複数設けられたコイル部品、フィルター部品などの電子部品と同様に形成されてもよい。また、第1の放電パターン部は、第1のコイルパターン部の形成された層と同じ層に設けられる。磁束の流れや電子部品の全体面積の最小化のために第1のコイルパターン部の外郭領域に形成されることが望ましい。
【0036】
また、第2の放電パターン部は、第2のコイルパターン部が形成された層と同じ層に設けられ、同様に、第2のコイルパターン部の外郭領域に形成されることが望ましい。
【0037】
また、説明の便宜上、電子部品を第1のパターン層10、第2のパターン層20及び外部電極層30に区分し、
図2ではこれらの層を分けて分解斜視図として例示したが、これに限定するものではない。即ち、本発明の一実施形態による電子部品が積層型に形成される場合のみを限定することではない。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態による電子部品の第1のパターン層10を概略的に例示した平面図で、
図5aは
図4のI−I'線に沿う断面を概略的に例示した断面図であり、
図5bは
図4のII−II'線に沿う断面を概略的に例示した断面図である。
【0039】
図4を参照して、第1のパターン層10は大きく、第1のコイルパターン部と第1の放電パターン部とを含む。
【0040】
まず、第1のコイルパターン部は、第1の1次コイルパターン1C−1、第1の2次コイルパターン2C−1、第1の1次パッド1P−1、第1の2次パッド2P−1、第1の1次内部端子1IT−1及び第1の2次内部端子2IT−1を備える。
【0041】
第1の1次コイルパターン1C−1と第1の2次コイルパターン2C−1との間は電気的に絶縁され、磁気的に結合されている。
【0042】
第1の1次コイルパターン1C−1の一端には第1の1次パッド1P−1が電気的に接続され、他端には第1の1次内部端子1IT−1が電気的に接続される。
【0043】
第1の2次コイルパターン2C−1の一端には第1の2次パッド2P−1が電気的に接続され、他端には第1の2次内部端子2IT−1が電気的に接続される。
【0044】
第1の1次パッド1P−1及び第1の2次パッド2P−1は、後述する第2のパターン層20を通じて外部電極に電気的に接続される。第1の1次内部端子1IT−1及び第1の2次内部端子2IT−1は、後述する第2のパターン層20の第2の1次内部端子1IT−2及び第2の2次内部端子2IT−2に各々ビア1V、2Vを通じて接続される。
【0045】
外部電極の容易な接続のために、第1の1次ダミーパッド1DP−1及び第1の2次ダミーパッド2DP−1が第1の1次パッド1P−1及び第1の2次パッド2P−1と対称されるように反対側にさらに設けられてもよい。
【0046】
次に、第1の放電パターン部は、第1の放電端子D1−1、第1の放電パターンDC1−1及び第1の1次サブパッド1SP−1を備える。
【0047】
第1の1次サブパッド1SP−1は、第1の1次パッド1P−1と接するが直接接
触されない。
【0048】
第1の放電パターンDC1−1は、第1の1次サブパッド1SP−1に電気的に接続され、第1の放電端子D1−1の方へ延在する。
【0049】
第1の放電端子D1−1は、第1の放電パターンDC1−1と所定のギャップGをおいて設けられる。該ギャップGの範囲は1〜10μm範囲で決まることが望ましい。
【0050】
一方、第1の放電端子D1−1、第1の放電パターンDC1−1及び第1の1次サブパッド1SP−1の代わりに、第2の放電端子D2−1、第2の放電パターンDC2−1及び第1の2次サブパッド2SP−1を設けてもよい。
【0051】
ただ、このような構成は、電子部品に印加される過電圧または過電流が第1の1次パッド1P−1よりは、第2の1次パッド1P−2の方に流込される場合に有効である。
【0052】
また、第1のコイルパターン部に第1の1次ダミーパッド1DP−1が設けられた場合、第1の1次ダミーサブパッド1DSP−1、第1のダミー放電パターンDC1−2及び第2の放電電極ED2を設けてもよく、第1の2次ダミーパッド2DP−1が設けられた場合は、第1の2次ダミーサブパッド2DSP−1、第2のダミー放電パターンDC2−2及び第1の放電電極ED1を設けてもよい。
【0053】
図6は、本発明の一実施形態による電子部品の第2のパターン層20を概略的に例示した平面図で、
図7aは
図6のI−I'線に沿う断面を概略的に例示した断面図であり、
図7bは
図6のII−II'線に沿う断面を概略的に例示した断面図である。
【0054】
図6〜
図7bに示すように、第2のパターン層20は大きく、第2のコイルパターン部と第2の放電パターン部とを備え、前述の
図5の第1のパターン層10が上下反転された形態と類似なことを分かる。
【0055】
まず、第2のコイルパターン部は、第2の1次コイルパターン1C−2、第2の2次コイルパターン2C−2、第2の1次パッド1P−2、第2の2次パッド2P−2、第2の1次内部端子1IT−2及び第2の2次内部端子2IT−2を備える。
【0056】
第2の1次コイルパターン1C−2と第2の2次コイルパターン2C−2との間は電気的に絶縁され、磁気的に結合されている。
【0057】
第2の1次コイルパターン1C−2の一端には第2の1次パッド1P−2が電気的に接続され、他端には第2の1次内部端子1IT−2が電気的に接続される。
【0058】
第2の2次コイルパターン2C−2の一端には第2の2次パッド2P−2が電気的に接続され、他端には第2の2次内部端子2IT−2が電気的に接続される。
【0059】
第2の1次パッド1P−2と第2の2次パッド2P−2とは、後述する外部電極層30の外部電極に電気的に接続され、第2の1次内部端子1IT−2と第2の2次内部端子2IT−2とは、前述の第1のパターン層10の第1の1次内部端子1IT−1及び第1の2次内部端子2IT−1に各々ビア1V、2Vを通じて接続される。
【0060】
一実施形態によれば、外部電極の容易な接続のために、第2の1次ダミーパッド1DP−2及び第2の2次ダミーパッド2DP−2が第2の1次パッド1P−2及び第2の2次パッド2P−2に対称されるように反対側にさらに設けられてもよい。
【0061】
次に、第2の放電パターン部は、第1の追加放電端子D1−2及び第2の1次ダミーサブパッド1DSP−2を備える。
【0062】
第2の1次ダミーサブパッド1DSP−2は、第2の1次ダミーパッド1DP−2に接するが、直接接触されない。
【0063】
第1の追加放電端子D1−2は、第1の放電端子D1−1に電気的に接続される。
【0064】
一方、前述の第1のパターン層10の変形例によって、第1の追加放電端子D1−2の代わりに、第2の追加放電端子D2−2が設けられてもよい。
【0065】
また、第1のパターン層10に第1のダミー放電パターンDC1−2を設ける代わり、第1のダミー放電パターンDC1−2と類似な構成を第2のパターン層20に設けてもよい。
【0066】
すなわち、示されていないが、第2の1次パッド1P−2に接する第2の1次サブパッド1SP−2から第2の追加放電端子D2−2の方へ延設されるダミー放電パターンをさらに設け、該ダミー放電パターンと該第2の追加放電端子D2−2との間にギャップGを確保してもよい。
【0067】
図8は、本発明の一実施形態による電子部品の外部電極層30を概略的に例示した平面図で、
図9aは
図8のI−I'線に沿う断面を概略的に例示した断面図であり、
図9bは
図8のII−II'線に沿う断面を概略的に例示した断面図である。
【0068】
図8〜
図9bに示すように、外部電極層30は大きく、コイル電極部と放電電極部とに区分される。
【0069】
まず、コイル電極部は、第1の1次外部電極1E、第2の1次外部電極2E−2、第1の2次外部電極2E、第2の2次外部電極2E−1を備え、放電電極部は第1の放電電極ED1を備える。
【0070】
また、放電電極部には、第2の放電電極ED2がさらに設けられてもよい。
【0071】
第1の1次外部電極1Eは、第2の1次ダミーパッド1DP−2及び第2の1次ダミーサブパッド1DSP−2に電気的に接続される。よって、第2の1次ダミーパッド1DP−2に電気的に接続される第1の1次パッド1P−1及び第1の1次パッド1P−1に電気的に接続される第1の1次コイルパターン1C−1の一端が、第1の1次外部電極1Eに接続できる。また、第2の1次ダミーサブパッド1DSP−2に電気的に接続される第1の1次サブパッド1SP−1を通じて第1の放電パターンDC1−1までが第1の1次外部電極1Eに電気的に接続される。
【0072】
第2の1次外部電極2E−2は、第2の1次パッド1P−2及び第2の1次サブパッド1SP−2に電気的に接続される。よって、第2の1次パッド1P−2に電気的に接続される第2の1次コイルパターン1C−2の一端が第2の1次外部電極2E−2に接続される。また、第2の1次サブパッド1SP−2に電気的に接続される第1の1次ダミーサブパッド1DSP−1を通じて第1のダミー放電パターンDC1−2までが第2の1次外部電極2E−2に電気的に接続される。
【0073】
第1の2次外部電極2Eは、第2の2次ダミーパッド2DP−2及び第2の2次ダミーサブパッド2DSP−2に電気的に接続される。よって、第2の2次ダミーパッド2DP−2に電気的に接続される第1の2次パッド2P−1及び第1の2次パッド2P−1に電気的に接続される第1の2次コイルパターン2C−1の一端が第1の2次外部電極2Eに接続される。また、第2の2次ダミーサブパッド2DSP−2に電気的に接続される第1の2次サブパッド2SP−1を通じて第2の放電パターンDC2−1までが第1の2次外部電極2Eに電気的に接続される。
【0074】
第2の2次外部電極2E−1は、第2の2次パッド2P−2及び第2の2次サブパッド2SP−2に電気的に接続される。よって、第2の2次パッド2P−2に電気的に接続される第2の2次コイルパターン2C−2の一端が第2の2次外部電極2E−1に接続される。また、第2の2次サブパッド2SP−2に電気的に接続される第1の2次ダミーサブパッド2DSP−1を通じて第2のダミー放電パターンDC2−2までが第2の2次外部電極2E−1に電気的に接続される。
【0075】
一方、第1の放電電極ED1は、第1の追加放電端子D1−2を通じて第1の放電端子D1−1に電気的に接続され、第2の放電電極ED2は、第2追加放電端子D2−2を通じて第2の放電端子D2−1に電気的に接続される。
【0076】
これによって、正常信号が第1の1次外部電極1Eに印加される場合、第1の1次コイルパターン1C−1へ流れ、電子部品が正常に動作するようになる。一方、異常信号が第1の1次外部電極1Eに印加されると、過電圧または過電流が第1の1次サブパッド1SP−1及び第1の放電パターンDC1−1へ誘導され、第1の放電端子D1−1へと放電するため、第1の1次コイルパターン1C−1を含む電子部品の他の構成要素の劣化現象を防止することができる。
【0077】
また、外部信号が印加されるか静電気が電子部品内に流込される端子の位置によって、前述の多様な実施形態で説明したように、第1の放電パターン部、第2の放電パターン部、放電電極部は必要によって適宜変形して適用してもよい。
【0078】
図10は、本発明の一実施形態による電子部品の回路図である。
【0079】
図10を参照して、第1の1次外部電極1Eに過電圧または過電流が印加された場合、第1の放電電極ED1を通じて放電可能で、第1の1次外部電極1Eに正常信号が印加された場合は、第1の放電電極ED1と第1の1次外部電極1Eとの間はギャップGによって絶縁性が確保された状態になり、正常的な経路を経って信号が流れて電子部品が作動することになる。
【0080】
第2の1次外部電極2E−2、第1の2次外部電極2E及び第2の2次外部電極2E−1の場合にも前述のようであるため、重複する説明は略することにする。
【0081】
図11は、本発明の一実施形態による電子部品製造方法を概略的に例示した順序図である。
【0082】
図1〜
図11を参照して、本発明の一実施形態による電子部品製造方法は、第1のコイルパターン部と第1の放電パターン部とが形成される領域を露出させる第1のフォトレジストパターンを用いて、第1のパターン層10を形成するステップ(S110)と、該第1のパターン層10の上面に絶縁体または誘電体60を塗布して第1の絶縁層を形成するステップ(S120)と、該第2のコイルパターン部と第2の放電パターン部とが形成される領域を露出させる第2のフォトレジストパターンを用いて、第1の絶縁層の上面に第2のパターン層20を形成するステップ(S130)と、コイル電極部及び放電電極部が形成される領域を露出させる第3のフォトレジストパターンを用いて、第2のパターン層20の上面に外部電極層30を形成するステップ(S140)とを含む。
【0083】
これによって、第1の放電パターン部、第2の放電パターン部及び放電電極部などを形成するために別途の工程を追加する必要がなく、各々第1のコイルパターン部、第2のコイルパターン部及びコイル電極部が形成された同じ層に、放電のための手段が設けられることができるようになる。
【0084】
また、前述のギャップGは1〜10μm範囲で決まるのが望ましい。印刷工法で導電パターンを形成する方法などを適用する場合には、該ギャップGを10μm以下に形成しにくく、ギャップGの均一性を確保することが難しくなる。
【0085】
これに対して、本発明では、フォトレジスト工法を適用してギャップGを含む放電手段を設けるため、該ギャップGを求められる範囲で精徽で且つ一様に形成することができる。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。