特許第6293456号(P6293456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293456
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】ネイルアクセサリー
(51)【国際特許分類】
   A45D 31/00 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   A45D31/00
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-232953(P2013-232953)
(22)【出願日】2013年11月11日
(65)【公開番号】特開2015-92979(P2015-92979A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2016年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】513283420
【氏名又は名称】尾崎 志保
(74)【代理人】
【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 志保
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−074784(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/139661(WO,A1)
【文献】 特開2014−217613(JP,A)
【文献】 米国特許第04220016(US,A)
【文献】 登録実用新案第3124105(JP,U)
【文献】 国際公開第2007/052865(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーナメント本体と、面形成パテと、リング枠とを具えた立体形状のアクセサリーであって、オーナメント本体の基部に面形成パテが設けられ、且つ面形成パテの底面は爪の表面に沿うことができる平滑な面に形成され、前記面形成パテの周縁には、金属線を螺旋巻きして短筒状に形成したリング枠が設けられていることを特徴とするネイルアクセサリー。
【請求項2】
前記リング枠は、オーナメント本体の一部、またはオーナメント本体と共にオーナメント要素として構成されていることを特徴とする前記請求項記載のネイルアクセサリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指先の爪に施すデコレーションに関するものであって、特に爪に設ける立体形状のネイルアクセサリーに係るものである。
【背景技術】
【0002】
主として女性の爪の装飾手法として、いわゆるネイルアートを施すことが普及している。この手法は、生爪そのものに種々の装飾したもの、あるいは付け爪や、生爪の先端に固形化する樹脂材料を施して爪先を伸ばし、加飾範囲を広げるような手法が採られている。
ところで爪に単なる平面描写的なデコレーションを描く手法を超えて、立体的な装飾を施すとなると、その固着が確実でなければならない。このため付け爪に強固な接着剤で立体的なオーナメント本体を固着し、付け爪を付け替えることで爪に立体的な装飾を施す手法が用いられていた。
このような手法が常識的な手法として認識された結果、生爪に対して直接立体的なデコレーションを施すことは、不可能ないしは不向きなものと理解され、それ以上の工夫はされていなかった。
もちろん生爪に対し立体装飾を施すため、磁力を利用する提案もされているが、生爪への磁性体の形成が現実には充分できず実用化には至ってない(先行技術文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−125432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような背景を考慮してなされたものであって、生爪に固着することが困難と見られていた立体的なデコレーションであっても、その取り付けを確実かつ容易にすることができる新規なネイルアクセサリーの開発を試みたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のネイルアクセサリーは、オーナメント本体と、面形成パテと、リング枠とを具えた立体形状のアクセサリーであって、オーナメント本体の基部に面形成パテが設けられ、且つ面形成パテの底面は爪の表面に沿うことができる平滑な面に形成され、前記面形成パテの周縁には、金属線を螺旋巻きして短筒状に形成したリング枠が設けられていることを特徴として成る。
【0006】
請求項2記載のネイルアクセサリーは、前記求項1記載の要件に加え、前記リング枠については、オーナメント本体の一部、又はオーナメント本体とともにオーナメント要素として構成されていることを特徴として成る。
【発明の効果】
【0007】
まず請求項1記載の発明によれば、オーナメント本体の基部に設けられる面形成パテは、その底面が爪の表面に沿うような平滑な面状に形成されているから、爪との間に粘着剤を介在させることにより、使用者自身の爪の表面に立体形状のアクセサリーを施すことができ、多様な装飾効果を得られる。加えて、面形成パテの周縁には、リング枠が設けられており、このものが面形成パテの枠として作用し、パテをオーナメント本体の基部に確実に形成させることができる。更に前記リング枠は、金属線を螺旋巻きして短筒状に形成したものであり、その内周面は、ねじ山状に形成されるから、凹凸形状あるいはねじ山状の形状を利用してオーナメント本体を確実に保持するような構成をとることができる。
【0008】
また請求項記載の発明によれば、前記リング枠は、オーナメント本体の一部、またはオーナメント本体と共にオーナメント要素として構成され、このリング枠は、単に機能部材を超えて装飾部材の一部として装飾効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のネイルアクセサリーの使用状態を示す斜視図(a)、並びに拡大側面図(b)である。
図2】同上蛙瞰状態の斜視図である。
図3】同上リング枠とオーナメント本体との係合状態を一部拡大して示す縦断側面図である。
図4】同上他の実施例を2例示す側面図である。
図5】同上更に他の実施例を示す一部縦断側面図である。
図6】同上更に他の実施例を示す縦断側面図である。
図7】同上リング枠の参考的形態を2例示す斜視図である。
図8】同上リング枠の他の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態は、以下述べる実施例をその一つとするものであると共に、この技術思想に基づく種々の改良した実施例も含むものである。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。
まず図1において基本的な実施例を示すものであって、本発明のネイルアクセサリー1は、使用者の指Fの先端部の爪Nの上面に取り付けられて、この部位を立体的に装飾する。なお、この図1に示すものは、使用者自身の爪N、いわゆる生爪であるが、その先端部はアクリル系合成樹脂等の合成樹脂を延長成形して形成した爪先部Naを具える。
また本発明のネイルアクセサリー1は、生爪の部位に固定することが安定的であるが、更に爪先部Naのとの境界部あるいはそれより先端部側に取り付けてもよい。
【0012】
以下、ネイルアクセサリー1説明する。このものは、基本的には立体形状のアクセサリーであって、オーナメント本体11に対して、その基部に固化した状態であっても比較的柔軟性を保たれる例えばポリウレタン系等の合成樹脂を適用した面形成パテ12が設けられ、更にこれを取り巻くようにリング枠13が設けられている。面形成パテ12とリング枠13とオーナメント本体11とは、互いに固着された状態に構成されている。
【0013】
以下これら各部材を説明する。まずオーナメント本体11は、適宜の装飾模様を具えたものであり、例えば図1(b)に示すような花弁状のもの、あるいは図4(a)に示すような宝石状のものなど、適宜の装身用アクセサリーに用いられているものを適用することができる。例外的なものとして図4(c)に示すような意外性を持ったフェザー状のものも適用し得る。
【0014】
このオーナメント本体11の基部側に対し、面形成パテ12が固着状態に設けられる。このものは一例として扁平な円盤状を形成し、柔軟な状態を保ち、且つオーナメント本体11とは直接充分な接着が行われている。面形成パテ12の下面は、基本的には平面を構成し、爪Nの表面に密着するような構成をとる。この面形成パテ12の周囲はリング枠13により囲まれており、例えば現実の製造プロセスをみると例えばオーナメント本体11とリング枠13とを適宜接着剤等で固着し、その間に未硬化のポリウレタンアクリルレート等を主材とした面形成パテ12を充填し、面形成パテ12の底面側をスキージ処理等で平滑化し、加熱又は常温下で硬化させる。
【0015】
リング枠13は、金属線を短筒状に螺旋巻きに構成したものであり、装飾効果を高めるため、金、銀、その他のカラー処理をめっき、塗装等で施すことが好ましい。このようにしたときには、リング枠13自体は単に面形成パテ12の成形枠機能に留まらず、オーナメント要素として装飾的な機能を担うことができる。
【0016】
このようなネイルアクセサリー1を用いるためには、図2に示すように面形成パテ12の底面にほぼ合致した寸法の粘着剤2を用いて、爪N等の表面にこれを取り付けるようにする。実際の商品としては、粘着剤2は予め面形成パテ12の底面に一面で固着状態に張り付けられており、他面は剥離紙21を設けておき、使用者は、この剥離紙21を剥がして爪Nに固着して使用する。
【0017】
なおこのような粘着剤2は、通常の使用では、ほぼ剥離することがない強度を得られているが、指先の力でこれを剥がすことができる。既に爪への攻撃性がないよう安全性が確認されている付け爪用の両面粘着シートを用いることが好ましい。
従ってネイルアクセサリー1自体は、一時的に使用可能であることは勿論であり、加えてこのような使用を経るに従い粘着剤2の粘着力が低下するが、このような場合には粘着剤2を別途供給し、粘着剤2自体を張り替えて使用することができる。
なおこのときオーナメント本体11の基部の形態によっては、図3に示すように基部の凹凸が外側に向かうような形状となっている場合もあるが、前記リング枠13が金属線材が螺旋巻きにされているときには、内側に形成される螺旋溝に突出部位が食い込む状態となることがあり、これによりリング枠13とオーナメント本体11との組み付けが、より確実になる。
【0018】
〔他の実施の形態
本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず図4にオーナメント本体11のバリエーションを示す。図4(a)に示すものは、先に述べたように例えば宝石状のオーナメント本体11の例である。
また図4(b)に示す実施例は、例えば宝石状のオーナメント本体11に対し、別途リング枠13を利用して別体オーナメント11aを適宜のチェーン11bで接続するようにしたものである。
【0019】
更にまた図5に示す実施例は、オーナメント本体11のバリエーションを増やす他の手法の一例であり、リング枠13を金属線を螺旋巻きに短筒状に形成した場合の内側のメネジ状となる溝を利用して、オーナメント本体11を付け替え自在な構成とするものである。
即ちオーナメント本体11に別途基部接続部15を設け、その外周にオネジ16を形成して、これをリング枠13に対して捻じ込むことができるようにする。この場合リング枠13の高さ方向の寸法の半分の部位程度に面形成パテ12が設けられている。このような基部構造を具えたオーナメント本体11について、例えば花弁状のものや、宝石状のものを適宜付け替えて、装飾のバリエーションを増やすことができる。
【0020】
更にまたネイルアクセサリー1自体に他の装飾機能を付加する方法として、図6に示すものは、LED等を用いた発光素子3をオーナメント本体11内を組み込み、発光できるようしたものである。
【0021】
更にまた図7に示すものは、リング枠13の他の参考的形態であり、図7(a)に示すものは、単なる円環状の帯状部材で構成したリング枠13であり、図7(b)に示すものは、平面視星型形状をした枠体である。
【0022】
更にまた図8に示すものは、オーナメント本体11についての他の実施例であり、オーナメント本体11自体がドーム状のオーナメントカバー11cを具えたものである。具体的形態としては、図8(b)に示す形態が挙げられるものであって、このものはクリアまたは淡色の透明樹脂のオーナメントカバー11cを充実体としその中に花弁状等のオーナメント主材11dが埋め込まれた形態である。また同図(c)に示すものは、オーナメントカバー11cの内部を中空状としたものである。更に同図(d)に示すものは、オーナメントカバー11cの下方をリング枠13として一体形成した参考的形態である。更にまた同図(e)に示すものは、オーナメントカバー11cをその下部ベース11eとドームキャップ11fとに2分割できるようにし、相互に嵌込キャッチ11g、11hを具え、内部のオーナメント要素11dを付け替えを自在としたものである。なお外観形状は、いずれも図8(a)に示すような形態を採る。
【符号の説明】
【0023】
N 爪
Na 爪先部
F 指

1 ネイルアクセサリー
11 オーナメント本体
11a 別体オーナメント
11b チェーン
11c オーナメントカバー
11d オーナメント主材
11e 下部ベース
11f ドームキャップ
11g 嵌込キャッチ
11h 嵌込キャッチ
12 面形成パテ
13 リング枠
15 基部接続部
16 オネジ

2 粘着剤
21 剥離紙

3 発光素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8