特許第6293480号(P6293480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6293480シリル化ポリウレタン/ポリオルガノシロキサン混合物、ならびにそれを含有するシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293480
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】シリル化ポリウレタン/ポリオルガノシロキサン混合物、ならびにそれを含有するシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 75/04 20060101AFI20180305BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20180305BHJP
   C08L 83/06 20060101ALI20180305BHJP
   C09K 3/10 20060101ALN20180305BHJP
【FI】
   C08L75/04
   C08K3/36
   C08L83/06
   !C09K3/10 D
   !C09K3/10 G
【請求項の数】6
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-502672(P2013-502672)
(86)(22)【出願日】2011年3月25日
(65)【公表番号】特表2013-523956(P2013-523956A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】US2011029963
(87)【国際公開番号】WO2011123355
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2012年12月3日
【審判番号】不服2016-5234(P2016-5234/J1)
【審判請求日】2016年4月8日
(31)【優先権主張番号】12/748,810
(32)【優先日】2010年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508229301
【氏名又は名称】モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(72)【発明者】
【氏名】ラマクリシュナン,インドゥマシ
(72)【発明者】
【氏名】ランドン,シャイン,ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,デイヴィッド,エイ
【合議体】
【審判長】 加藤 友也
【審判官】 堀 洋樹
【審判官】 岡崎 美穂
(56)【参考文献】
【文献】 西独国特許出願公開第3543966号明細書(DE,A)
【文献】 特開昭51−57755(JP,A)
【文献】 特表2008−542476(JP,A)
【文献】 特表2009−517534(JP,A)
【文献】 特表2008−504407(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/011777(WO,A1)
【文献】 特表2002−536526(JP,A)
【文献】 特表2004−521992(JP,A)
【文献】 特開平6−228401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/16,C09D1/00-201/10,C09J1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)4重量パーセントから30重量パーセントの量でシラノール末端化ポリオルガノシロキサン、および
(B)少なくとも70重量パーセントから90重量パーセントの量での湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂、
を含有する組成物であって、
ここで前記組成物が不透明であり、そして
前記湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂(B)が連続相にあり、かつ前記シラノール末端化ポリオルガノシロキサン(A)がドメイン相にある、
組成物。
【請求項2】
シラノール末端化ポリオルガノシロキサン(A)がポリジオルガノシロキサンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
シラノール末端化ポリオルガノシロキサン(A)がポリジオルガノシロキサンであり、ここでオルガノ部分がそれぞれ独立して、1から6個までの炭素原子のアルキル基または6から14個までの炭素原子のフェニル基である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂がイソシアナト末端化ポリウレタンプレポリマーとシランとの反応によって得られる、請求項1〜3の何れか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂がヒドロキシル末端化ポリウレタンプレポリマーとイソシアナト末端化シランとの反応によって得られる、請求項1〜3の何れか1項記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項記載の組成物を含有する硬化した組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリル化ポリウレタンとポリオルガノシロキサンの混合物、特にシラノール末端化/炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンに関し、そしてそれを含有するシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオルガノシロキサンをシーラント組成物において使用することは、高温安定性、UV耐性、酸化耐性などのような多くの利点をもたらすが、そのようなシーラント組成物は、それらを魅力のないものにしてしまう非常に高いガス透過性によって苦しめられる。ポリオルガノシロキサンに基づくシーラントのガス透過性は、無機充填剤の添加によて減少でき、減少したガス透過性と加工性(生じる組成物の粘度調整)の残留のバランスの取れた特性を達成できる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、そのような充填剤入り組成物において好適な機械的特性を維持することは未だ難題として残される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施態様において、
(A)約30重量パーセントから約90重量パーセントの量でシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン、および
(B)約10重量パーセントから約70重量パーセントの量での湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂、
を含有する組成物がここで提供される。
他の実施態様において、二液型シーラント組成物がここで提供され、ここで第一液が、
(A)約15重量パーセントから約60重量パーセントの量でのシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン
(B)約2重量パーセントから約32重量パーセントの量での湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂、および
(C)充填剤を含有し、ここで前記重量パーセントは第一液の重量に基づいている。
さらに、
(A)約20重量パーセントから約62重量パーセントの量でのシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン、
(B)約8重量パーセントから約38重量パーセントの量での湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂、および
(C)約5重量パーセントから約10重量パーセントの量での処理ヒュームドシリカ
を含有するヒュームドシリカ組成物がここで提供される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明者らは、例えば湿気硬化型ポリジメチルシロキサン(PDMS)のような湿気硬化型ポリオルガノシロキサンのガス透過性が、湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂(SPUR)が添加されて大幅に減少するということを予期せず発見した。湿気硬化型ポリオルガノシロキサン(例えばシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリジメチルシロキサンのようなシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン)と同じようにSPURもまた湿気硬化型であるため、それは生じる混合物の湿気硬化の際に湿気硬化型PDMSと相互架橋し、安定なネットワークを形成できる可能性がある。さらに、SPURの湿気硬化型領域の弾性的な性質は、湿気硬化型PDMSの機械的特性を維持したり改善したりするのを助ける。
【0006】
さらに本発明者らは、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンとSPURとの特定の配合のものの使用、より詳細には、ここに記載されるシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物中においてシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンとSPURとの量がおおよそ同量で存在する配合のものの使用によって例えば酸素透過性(アルゴンのような他のガスもまた意図する)のようなガス透過性が協調的に減少する一方で、好ましい機械的特性が維持されていることを予期せず発見した。
【0007】
少量のSPURが用いられるとき、すなわちSPURの添加量がシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの添加量よりすくないとき、そのSPURはシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの連続相のドメイン相として存在する。SPURの添加量がシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの添加量に近づくとき、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンシーラント組成物の使用における別々のガス透過性および機械的特性と比較して、ガス透過性(例えば酸素透過性)および機械的特性における協調的効果が観察される。
【0008】
理論にとらわれることなく、SPURの添加量がシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの添加量に近づいてそして合致すると、位相反転が起こりSPURが連続相となり、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンがドメイン相となると考えられている。
【0009】
SPURシーラントは典型的に、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンのシーラントと比較してより高いモジュラスと引張強度、ならびにより良好な塗装性を持つと知られ、そしてシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの添加量が増加すると、それに従いSPURシーラントが実際にその望ましい特性を失うと知られていたので、この協調的効果は驚くべきである。
【0010】
さらにシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンのシーラントはSPURシーラントと比較してより低い水蒸気透過性を持つと知られている。驚くべきことに本発明は、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンのシーラントの既知の所望の低い水蒸気透過性にも関わらず、SPURの添加量がシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの添加量に近づいてそして合致すると、上述の位相反転が起こり、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの好適な水蒸気透過性を大きく損ねることなく予期しない好適なシーラント組成物のガス透過性と機械的特性を生じることを見出した。
【0011】
ここに記載されるシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物ならびに組成物は、例えば断熱ガラスユニットの断熱、構造ガラスの断熱、および様々な建築要素の断熱などのような断熱における広範な用途を有する。
【0012】
ここにおいて、すべての範囲の端点、例えば、ここに参照される重量パーセント範囲の端点は、そのような端点の任意の組み合わせと交換可能に用いて、ここに明示的に示されるものを超えたさらなる範囲を組み立てることができる。さらに、そのような使用は一つの示された範囲におけるより低い端点を新しく組み立てられた範囲におけるより高い端点として使用することや、同様に一つの示された範囲におけるより高い端点を新しく組み立てられた範囲におけるより低い端点において使用することに対して制限を持たない。さらにここに示されるすべての範囲はそれらの間のすべてのサブ範囲(sub−range)を包含し得る。そしてさらに、ここに参照される組成物、シーラント組成物もしくはヒュームドシリカ組成物の成分としてここに明示的に参照されるすべての範囲の端点、例えばシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンおよびシリル化ポリウレタン樹脂の範囲の端点は上述の新しく組み立てられる端点として交換可能に使用でき、他の上述の組成物における任意のものの任意の同じ成分として使用できる。
【0013】
ここでの一実施態様において、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)は、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリジオルガノシロキサンであり、好ましくは、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンはシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリジオルガノシロキサンであり、ここでオルガノ部分が独立して1から約6個の炭素原子のアルキル基であり、例えばメチルであるか、または6から18個の炭素原子のアリール基であり、例えばフェニルである。
【0014】
一実施態様において、ここでのシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリジオルガノシロキサン(A)は、一般式:
D’
〔式中、下付文字a=2であり、そしてbは1と等しいかもしくはそれよりも大きく、そして下付文字cはゼロもしくは正の数であり、
ここで
M=(HO)3−x−y1516SiO1/2
であり、下付文字x=0、1もしくは2であり、下付文字yは0もしくは1のいずれかであり、但しx+yが3と等しいかもしくはそれ未満、または一実施態様では2と等しいかもしくはそれ未満であるという条件であり、ここでR15およびR16は独立して選ばれるCからC60の一価の炭化水素ラジカルであり、任意選択でヘテロ原子を含有し、好ましくは1から12個の炭素原子の炭化水素ラジカルであり、より好ましくは1から6個の炭素原子であり、そして好ましくはR15とR16の少なくとも一つは独立して、1から約20個の炭素原子のアルキルラジカルであり、好ましくは1から約12個の炭素原子であり、
ここで
D=R1718SiO2/2
であり、ここでR17とR18は独立して選ばれるCからC60の一価の炭化水素ラジカルであり、好ましくは1から12個の炭素原子の炭化水素ラジカルであり、より好ましくは1から6個の炭素原子であり、
ここでD’=R1920SiO2/2
であり、R19とR20は独立して選ばれる約60個までの炭素原子の一価の炭化水素ラジカルであり、好ましくは1から12個の炭素原子の炭化水素ラジカルであり、より好ましくは1から6個の炭素原子である。ここでの一実施態様において、ここに記載される炭化水素ラジカルは約20個までの炭素原子のアルキル、アルコキシ、アルケニル、およびアリールラジカルを含有でき好ましくは約12個までの炭素原子である〕
の中から有利にも選択される。
【0015】
上述のシラノール末端化ポリジオルガノシロキサン(A)はより詳細に、ここでの参照によりそのすべての内容を組み入れる、公開米国特許出願2005/0192387に開示される。
【0016】
ここでの組成物において用いることのできる湿気硬化型シリル化ポリウレタン樹脂(SPUR)は既知の物質であり、そして、(a)イソシアナト末端化ポリウレタン(PUR)プレポリマーを適切なシランと反応させることによって、例えばそれぞれのケイ素原子に対する1から3個のアルコキシなどのような加水分解可能な官能基と、メルカプトおよび第一級アミン、そして有利には第二級アミンのようなイソシアナートと反応性である活性水素含有官能基との両者を有するシランと反応させることによって、または、(b)ヒドロキシル末端化PURプレポリマーを、適切なイソシアナト末端化シランと、例えば1から3個のアルコキシ基を有するイソシアナト末端化シランと反応させることによって、一般的には得ることができる。これらの反応の詳細、および、それらにおいて用いられるイソシアナト末端化およびヒドロキシル末端化PURプレポリマーの調製のための反応は、とりわけ次の文献に見出される:米国特許第4,985,491号、第5,919,888号、第6,197,912号、第6,207,794号、第6,303,731号、第6,359,101号および第6,515,164号、ならびに米国特許出願公開第2004/0122253号公報そして第2005/0020706号公報(イソシアナト末端化PURプレポリマー);米国特許第3,786,081号および第4,481,367号(ヒドロキシル末端化PURプレポリマー);米国特許第3,627,722号、第3,632,557号、第3,971,751号、第5,623,044号、第5,852,137号、第6,197、912号、第6,207,783号および第6,310,170号(イソシアナト末端化PURプレポリマーと反応性シラン、例えばアミノアルコキシシランとの反応から得られる湿気硬化型SPUR樹脂);そして、米国特許第4,345,053号、第4,625,012号、第6,833,423号、および米国特許出願公開第2002/0198352号公報(ヒドロキシル末端化PURプレポリマーとイソシアナトシランとの反応から得られる湿気硬化型SPUR樹脂)である。前述の米国特許文献をここで参照することにより、そのそれぞれのすべての内容をその全体としてここに組み入れる。
【0017】
(a)イソシアナト末端化PURプレポリマーより得られる湿気硬化型PUR樹脂
ここでの一実施態様において、湿気硬化型SPUR樹脂は、ここでの参照によりそのすべての内容を全体としてここに組み入れる米国特許第5,990,257号に記載される任意のSPURであり得、また、そこに記載される任意の方法によって作製されるものであり得る。
【0018】
イソシアナト末端化PURプレポリマーは、生じるプレポリマーがイソシアナートで末端化されるような割合で、一つもしくはそれ以上のポリオール、有利にはジオールを、一つもしくはそれ以上のポリイソシアナート、有利にはジイソシアナートと反応させることによって得られる。ジオールをジイソシアナートと反応させる場合には、モル過剰のジイソシアナートが用いられる。
【0019】
イソシアナト末端化PURプレポリマーの調製に利用できるポリオールには、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル末端化ポリカプロラクトンのようなポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールとe−カプロラクトンとの反応から得られる化合物のようなポリエーテルエステルポリオール、ヒドロキシル末端化ポリカプロラクトンと、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのような一つもしくはそれ以上のアルキレンオキシドとの反応から得られる化合物のようなポリエステルエーテルポリオール、ヒドロキシル末端化ポリブタジエンなどが含まれる。
【0020】
イソシアナト末端化PURプレポリマーの調製に使用できる具体的な好適であるポリオールは、特にポリ(オキシエチレン)エーテルジオール、ポリ(オキシプロピレン)エーテルジオール、およびポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)エーテルジオールのようなポリ(オキシアルキレン)エーテルジオール(すなわちポリエーテルジオール)、ポリ(オキシアルキレン)エーテルトリオール、ポリ(テトラメチレン)エーテルグリコール、ポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリラート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、そしてポリヒドロキシポリチオエーテル、ポリカプロラクトンジオールおよびトリオールなどを含む。本発明の一実施態様において、イソシアナト末端化PURプレポリマーの製造に使われるポリオールは、約500と25,000の間の当量重量(equivalent weights)を有するポリ(オキシエチレン)エーテルジオールである。本発明の別の実施態様において、イソシアナト末端化PURプレポリマーの製造に使用されるポリオールは、約1,000から20,000までの間の当量重量を有するポリ(オキシプロピレン)エーテルジオールである。種々の構造、分子量、および/もしくは官能基のポリオールの混合物を使用してもよい。
【0021】
ポリエーテルポリオールは、約8までの官能基を有することができるが、有利には、2から4までの官能基を有し、そして更に有利には2の官能基(すなわち、ジオール)を有することができる。特に好適なものは、複合金属シアン化物(DMC)触媒、水酸化アルカリ金属触媒、もしくはアルカリ金属アルコキシド触媒の存在下で調製されたポリエーテルポリオールであり;例えば、米国特許第3,829,505号、第3,941,849号、第4,242,490号、第4,335,188号、第4,687,851号、第4,985,491号、第5,096,993号、第5,100,997号、第5,106,874号、第5,116,931号、第5,136,010号、第5,185,420号、および第5,266,681号を参照でき、これらを参照することにより、すべての内容はその全体としてここに組み入れられる。そのような触媒の存在下で製造されたポリエーテルポリオールは、高分子量でありかつ不飽和が低いレベルになる傾向があり、これらの性質は創造性に富んだ回帰反射型物品の改善された性能の原因であると考えられる。ポリエーテルポリオールは、好ましくは約1,000から約25,000まで、より好ましくは約2,000から約20,000まで、そしてさらに好ましくは約4,000から約18,000までの数平均分子量を有する。イソシアナト末端化PURプレポリマーを作製するのに好適な市販のジオールの例は、ARCOL R−1819(8,000の数平均分子量)、E−2204(4,000の数平均分子量)、およびARCOL E−2211(11,000の数平均分子量)を含む。
【0022】
多数のポリイソシアナート、有利にはジイソシアナート、および、それらの混合物の任意のものがイソシアナト末端化プレポリマーを提供するために使用できる。一実施態様において、ポリイソシアナートは、ジフェニルメタンジイソシアナート(「MDI」)、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート(「PMDI」)、パラフェニレンジイソシアナート、ナフチレンジイソシアナート、液体のカルボジイミドで修飾されたMDIおよびそれらの誘導体、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、トルエンジイソシアナート(「TDI」)、特に、2,6−TDI異性体、ならびに、当業者に充分確立された種々の他の脂肪族および芳香族ポリイソシアナート、ならびにそれらの組み合わせであり得る。
【0023】
上述のイソシアナト末端化PURプレポリマーとの反応のためのシリル化反応物は、イソシアナートとの反応性である官能基と、少なくとも一つの容易に加水分解して結果として架橋可能となる基、例えばアルコキシ、を含まねばならない(活性水素含有シラン)。特に有用なシリル化反応物は一般式:
X−R−Si(R(OR3−x
〔式中、Xは、イソシアナートと反応性である水素含有基であり、例えば−SHもしくは−NHR〔式中、RはH、8個の炭素原子までの一価の炭化水素基もしくは−R−Si(R)y(OR3−yである〕であり、それぞれのRおよびRは同一でも異なっていてもよく、12個の炭素原子までの二価の炭化水素基であり、任意選択で一つもしくはそれ以上のヘテロ原子を含有し、それぞれのRおよびRは同一でも異なっていてもよく、8個の炭素原子までの一価の炭化水素基であり、それぞれのRおよびRは同一でも異なっていてもよく、6個の炭素原子までのアルキル基であり、そしてxおよびyはそれぞれ独立して0、1もしくは2である〕のシランである。
【0024】
ここでの使用のための具体的なシランは、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリsec−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−t−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリオクトキシシラン、2−メルカプトエチルトリ−2’−エチルヘキソキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメチルシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルシクロヘキソキシジメチルシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−3−メチルプロピル−トリプロポキシシラン、3−メルカプト−3−エチルプロピル−ジメトキシメチルシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト−2−メチルプロピルジメトキシフェニルシラン、3−メルカプトシクロヘキシル−トリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリメトキシシラン、12−メルカプトドデシルトリエトキシシラン、18−メルカプトオクタデシルトリメトキシシラン、18−メルカプトオクタデシルメトキシジメチルシラン、2−メルカプト−2−メチルエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプト−2−メチルエチル−トリオクトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトフェニルトリエトキシシラン、2−メルカプトトリルトリメトキシシラン、2−メルカプトトリルトリエトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリメトキシシラン、1−メルカプトメチルトリルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルフェニルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルフェニルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルフェニルトリエトキシシランのメルカプトシラン類、ならびに3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルジエトキシメチルシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−3−アミノ−2−メチルプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチル−2−アミノ−1−メチル−1−エトキシ)−プロピルトリメトキシシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチル−ブチルジメトキシメチルシラン、N−エチル−4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシ−シラン、N−(シクロヘキシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシ−シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス−(3−トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)アミンおよびN−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシランのようなアミノシラン類を含む。
【0025】
通常、触媒がイソシアナト末端化PURプレポリマーの調製に使用されるであろう。有利には縮合触媒が使用される。なぜなら、それらが本発明のシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物のSPUR樹脂の硬化(架橋が後に続く加水分解)もまた触媒するからである。好適な縮合触媒は、ジブチルスズジラウラートおよびジブチルスズアセタートのようなジアルキルスズジカルボキシラート、第三級アミン、第一スズオクトアートおよび第一スズアセタートのようなカルボン酸の第一スズ塩などを含む。本発明の一実施態様において、ジブチルスズジラウラート触媒はPURプレポリマーの製造に使用される。他の有用な触媒は、King Industries,Inc.より供給されるKAT XC6212、K−KAT XC−A209およびK−KAT 348のようなジルコニウム錯体およびビスマス含有錯体、DuPont companyから入手可能なTYZER(登録商標)タイプのようなアルミニウムキレート、ならびにKenrich Petrochemical, Inc.から入手可能なKRタイプ、そして例えばZn、Co、Ni、Feのような金属を含有する他の有機金属触媒などを含む。
【0026】
(b)ヒドロキシル末端化PURプレポリマーから得られる湿気硬化型SPUR樹脂
本発明の硬化型組成物の第一液の湿気硬化型SPUR樹脂は、先に示したように、ヒドロキシル末端化PURプレポリマーをイソシアナトシランと反応させることによって調製できる。ヒドロキシル末端化PURプレポリマーは、イソシアナト末端化PURプレポリマーの調製用に上述したのと実質的に同じ物質、すなわちポリオール、ポリイソシアナートおよび任意選択での触媒(好ましくは縮合触媒)を用いて実質的に同じ方法で得ることができるが、一つの主要な相違点は、ポリオールとポリイソシアナートの比率が、生成するプレポリマー中でヒドロキシル末端を生じるような比率である。それゆえに、例えばジオールとジイソシアナートの場合、前者の過剰なモル比が使われ、これにより、ヒドロキシル末端化PURプレポリマーが生成することになる。
【0027】
ヒドロキシル末端化SPUR樹脂のために有用なシリル化反応物は、イソシアナト末端と、容易に加水分解可能な官能基、例えば1から3個のアルコキシ基を含有するものである。好適なシリル化反応物は、下記の一般式:
OCN−R−Si(R(OR103−y
〔式中、Rは12個までの炭素原子数のアルキレン基であり、任意選択で一つもしくはそれ以上のヘテロ原子を含有し、それぞれのRは同一でも異なっていてもよく、8個までの炭素原子のアルキル基もしくはアリール基であり、それぞれのR10は同一でも異なっていてもよく、6個までの炭素原子のアルキル基であり、そしてyは0、1もしくは2である。〕のイソシアナトシランである。一実施態様において、Rは1から4個の炭素原子を有し、それぞれのR10は同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基もしくはイソプロピル基であり、そしてyは0である。
【0028】
前述のヒドロキシル末端化PURプレポリマーと反応して湿気硬化型SPUR樹脂を与えるためにここで使用出来る具体的なイソシアナトシランは、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリメトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトイソプロピルトリエトキシシラン、イソシアナト−n−ブチルトリエトキシシラン、イソシアナト−t−ブチルトリエトキシシランなどを含む。
【0029】
ここでの他の実施態様において、ここに記載される組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約40重量パーセントから約80重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約20重量パーセントから約60重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0030】
ここでの他の実施態様において、ここに記載される組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約45重量パーセントから約70重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約30重量パーセントから約55重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0031】
ここでの他の実施態様において、ここに記載される組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約45重量パーセントから約60重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約40重量パーセントから約55重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0032】
ここでの他の実施態様において、ここに記載される組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約45重量パーセントから約55重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約45重量パーセントから約55重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0033】
上述のように、ここに記載される組成物が、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)とシリル化ポリウレタン樹脂(B)がどちらも約50重量パーセントで存在するとき、すなわち約等量で存在するときに有利なガス透過性値をもたらし、一方で、好ましい機械的特性をもまたもたらすことが予期せず見出された。
【0034】
ここに記載される組成物におけるシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)とシリル化ポリウレタン樹脂(B)との量の、代替的な組み合わせとして、そのような成分は下の表Aに記載されるような重量パーセントの範囲であり得る。
表A
シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A) シリル化ポリウレタン樹脂(B)
4〜96 4〜58
45〜95 5〜55
47〜90 10〜53
10〜60 40〜90
15〜55 45〜85
20〜52 48〜80
【0035】
ここに記載される組成物中の上述の成分(A)の範囲に加えて、成分(A)の量は、11、12、15、18、20、31、32、35、41、42、43、46、47、48および49の任意の低い端点と97、95、93、89、85、79、78、75、69、68、65、59、58、57、56、54、53、52および51の任意の高い端点とを持ち得る。
【0036】
ここに記載される組成物中の上述の成分(B)の範囲に加えて、成分(B)の量は、3、4、5、7、11、12、15、21、22、25、31、32、33、35、41、42、46、47、48および49の任意の低い端点と89、88、85、80、75、69、68、65、59、58、54、53、52および51の任意の高い端点とを持ち得る。
【0037】
ここに記載される組成物、シーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物のそれぞれは、それらのそれぞれの成分を二液に分離できる、すなわち混合されたときに一つの成分組成物を形成する二液型組成物であってよい。シーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物に関して、そのような組成物における特定の成分の分離は、望まない未成熟の硬化を防ぐための当技術分野に公知の方法によってなされ、ここで、組成物の分離された部分は湿気のない状態で、例えば大気中水分のない状態で保存され得る。
【0038】
典型的には、シーラント組成物に関して、組成物を、成分(A)、(B)および(C)を含有する第一液と、(D)例えばアルキル末端化ポリジメチルシロキサン(もしアルキル末端化ポリシロキサンを第一液の成分(A)として利用するとき、他の液が同一のおよび/もしくは異なるアルキル末端化ポリシロキサンを含有することができると理解すべきである)のようなアルキル末端化ポリシロキサン、(E)触媒、(F)接着促進剤、(G)架橋剤、そして任意選択で(H)架橋されたポリオルガノシロキサンの透過性よりも低いガスへの透過性を持つ少なくとも一つの固体ポリマー、UV安定化剤、抗酸化剤、硬化促進剤、チキソトロピー剤、可塑剤、水分捕捉剤、顔料、染料、界面活性剤および溶媒からなる群より選択される少なくとも一つの追加の成分を含有する第二液とに分離できる。
【0039】
二液型組成物は成分(A)−(H)の任意音組み合わせを含有でき、ここで任意の一つもしくはそれ以上の成分(A)−(H)が組成物の一つもしくは両方の液中に存在し得るが、但し成分(A)、(B)および(E)および/もしくは成分(H)の「硬化促進剤」は、両方の成分の混合より前に一つの成分に同時に存在しないという条件である。
【0040】
シーラント組成物の架橋剤成分は、シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンの架橋に効果的なものである。一実施態様において、架橋剤は一般式:
(R11O)(R12O)(R13O)(T14O)Si
〔式中、R11、R12、R13およびR14は独立して選ばれる約60個までの炭素原子の一価の炭化水素ラジカルである〕のアルキルシリカートである。
【0041】
ここで有用な架橋剤は、テトラ−N−プロピルシリカート(NPS)、テトラエチルオルソシリカート、メチルトリメトキシシランおよび同様のアルキル置換アルコキシシラン組成物である。
【0042】
架橋されたポリオルガノシロキサンの透過性よりも低いガスへの透過性を持つ少なくとも一つの固体ポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状の低密度ポリエチレン(LLDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)のようなポリエチレン;ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン(PIB)、ポリビニルアセタート(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVoH)、ポリスチレン、ポリカーボナート、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート(PETG)のようなポリエステル;ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアミド(ナイロン)、ポリメチルペンテン、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロースアセタート、セルロースアセタートブチラート、可塑化されたポリ塩化ビニル、アイオノマー(Surtyn)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、スチレン−無水マレイン酸、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、など、ならびに、それらの混合物を含む。
【0043】
少なくとも一つの固体ポリマーはまた、性状が弾性であってもよく、その例はエチレン−プロピレンゴム(EPDM)、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリウレタン(TPU)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEEBS)、ポリメチルフェニルシロキサン(PMPS)などを含むが、それらに限定されない。
【0044】
これらのポリマーは、単独で、もしくは組み合わせて、またはコポリマーの形態で、例えば、ポリカーボナート−ABSブレンド、ポリカーボナートポリエステルブレンド、シラン−グラフトポリエチレン、そしてシラン−グラフトポリウレタンのようなグラフトポリマーのように混合できる。
【0045】
本発明の一実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物は、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状の低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および、それらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含有できる。本発明の他の実施態様において、シーラント重合体は、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状の低密度ポリエチレン(LLDPE)、および、それらの混合物からなる群から選択されるポリマーを有する。本発明のさらに他の実施態様において、固体ポリマーは、直鎖状の低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
【0046】
ここに記載されるシーラント組成物および/もしくはヒュームドシリカ組成物は一つもしくはそれ以上の充填剤を含有できる。ここでの使用に好適な充填剤は、ステアリン酸もしくはステアリン酸エステルのような化合物で処理される沈降およびコロイド状炭酸カルシウム;ヒュームドシリカ、沈降シリカ、シリカゲルおよび疎水性シリカのような補強性シリカ、ならびにシリカゲル;破砕及び粉砕石英、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック、グラファイト、雲母、滑石、参照によりそれらすべての内容をその全体としてここに組み入れる米国特許出願公開番号2007/0160781および2007/0173596に記載される有機ナノクレイのような有機ナノクレイ、参照によりそれらすべての内容をその全体としてここに組み入れる米国特許出願公開番号2007/0173597に記載されるような無機−有機ナノコンポジットなど、ならびにそれらの組み合わせを含む。
【0047】
シーラント組成物は炭酸カルシウムを含有する。ここに記載されるヒュームドシリカ組成物は好ましくはヒュームドシリカの添加に加えて一つもしくはそれ以上の上述の充填剤を含有する。
【0048】
ここに記載されるシーラント組成物および/もしくはヒュームドシリカ組成物はまた、一つもしくはそれ以上のアルコキシシランを接着促進剤として含み得る。有用な接着促進剤は、N−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−ガンマ−(トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、ベータ−3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、ベータ−シアノエチルトリメトキシシラン、ガンマ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、およびN−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミンなどを含む。一実施態様において、接着促進剤は、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランと1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラートとの組み合わせであってよい。
【0049】
本発明のシーラント組成物および/もしくはヒュームドシリカ組成物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシ化されたヒマシ油、オレイン酸エトキシラート、アルキルフェノールエトキシラート、エチオレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのコポリマー、そしてシリコーンとポリエーテルとのコポリマー(シリコーンポリエーテルコポリマー)、シリコーンと、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーとのコポリマー、ならびにそれらの混合物のような一つもしくはそれ以上の非イオン性界面活性剤をもまた含んでもよい。
【0050】
任意選択で、シーラント組成物の第一液および/もしくは第二液は、例えば充填剤、UV安定剤、抗酸化剤、接着促進剤、硬化促進剤、チキソトロープ剤、可塑剤、水分捕捉剤、顔料、染料、界面活性剤および溶媒のような一つもしくはそれ以上の追加の成分を含んでもよく、追加の成分はその成分がそれらと適合する限り、第一液および/もしくは第二液に存在できる。それゆえに、例えば充填剤は存在するとき第一液および/もしくは第二液に存在し得る;UV安定剤は存在するとき通常第一液に存在し;抗酸化剤は存在するとき通常第1液に存在し、接着促進剤は存在するとき第一液に存在し、硬化促進剤は存在するとき通常第二液に存在し、チキソトロープ剤は存在するとき一般的に第一液に含まれ、可塑剤は存在するとき第一液および/もしくは第二液に存在し、水分捕捉剤は存在するとき第一液に存在し、顔料は存在するとき第一液および/もしくは第二液に存在し、染料は存在するとき第一液および/もしくは第二液に存在し、界面活性剤は存在するとき第一液および/もしくは第二液に存在し、そして溶媒は存在するとき第一液および/もしくは第二液に存在する。
【0051】
一実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物は、上述の縮合触媒の任意のものを含有できる。シーラント組成物において触媒は第一液および/もしくは第二液のいずれかに存在し得る。
【0052】
ここに記載されるシーラント組成物は、第一液と第二液がそれぞれ約8:1〜約12:1の比率、好ましくはそれぞれ約9:1〜約11:1の比率、そしてもっとも好ましくはそれぞれ約10:1の比率で存在するように組み合わされる。
【0053】
ここでの一実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約20重量パーセントから約50重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約5重量パーセントから約30重量パーセントの量で存在するようなものであり、そしてこの重量パーセントは第一液の重量に基づく。
【0054】
他の実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約25重量パーセントから約50重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約5重量パーセントから約25重量パーセントの量で存在するようなものであり、そしてこの重量パーセントは第一液の重量に基づく。
【0055】
さらに他の実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約25重量パーセントから約50重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約8重量パーセントから約25重量パーセントの量で存在するようなものであり、そしてこの重量パーセントは第一液の重量に基づく。
【0056】
さらに他の実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約25重量パーセントから約50重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約10重量パーセントから約15重量パーセントの量で存在するようなものであり、そしてこの重量パーセントは第一液の重量に基づく。
【0057】
ここでのさらに他の実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約37重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約12重量パーセントの量で存在するようなものであり、そしてこの重量パーセントは第一液の重量に基づく。
【0058】
ここでのさらに他の実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約25重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約25重量パーセントの量で存在するようなものであり、そしてこの重量パーセントは第一液の重量に基づく。
【0059】
ここで記載されるように、一つのもっとも好ましい実施態様において、ここに記載されるシーラント組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)とシリル化ポリウレタン樹脂(B)とがシーラント組成物の第一液において約等量で存在する。
【0060】
ここに記載されるシーラント組成物中の成分(A)の上述の範囲に加えて、成分(A)の量は、15、16、18、21、22、26、27、28、30、35および36の任意の低い端点と59、58、55、49および48の任意の高い端点を持ち得る。
【0061】
ここに記載されるシーラント組成物中の成分(B)の上述の範囲に加えて、成分(B)の量は、3、4、6、7、8、11および15の任意の低い端点と31、29、28、21および18の任意の高い端点を持ち得る。
【0062】
ここでの一実施態様において、ここに記載されるヒュームドシリカ組成物はさらに、少なくとも一つの可塑剤、触媒および架橋剤と、上述のシーラント組成物のために記載される任意選択の追加の成分の一つもしくはそれ以上の任意のものとを含有する。
【0063】
ここでの一実施態様において、ここに記載されるヒュームドシリカ組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約30重量パーセントから約54重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約15重量パーセントから約38重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0064】
ここでの他の実施態様において、ここに記載されるヒュームドシリカ組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約30重量パーセントから約54重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約15重量パーセントから約38重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0065】
ここでの他の実施態様において、ここに記載されるヒュームドシリカ組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約30重量パーセントから約42重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約15重量パーセントから約38重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0066】
ここでの一つの他の実施態様において、ここに記載されるヒュームドシリカ組成物はシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサン(A)が約30重量パーセントの量で存在し、そしてシリル化ポリウレタン樹脂(B)が約38重量パーセントの量で存在するようなものである。
【0067】
ここに記載されるヒュームドシリカ組成物中の成分(A)の上述の範囲に加えて、成分(A)の量は、21、22、25、28、31、32および33の任意の低い端点と61、60、58、57、53、52、48、45、41、40および39の任意の高い端点を持ち得る。
【0068】
ここに記載されるヒュームドシリカ組成物中の成分(B)の上述の範囲に加えて、成分(B)の量は、9、10、13および14の任意の低い端点と37、35、30および25の任意の高い端点を持ち得る。
【0069】
ここに記載される組成物、シーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物の任意の一つを含有する硬化組成物もまたここに提供される。
【0070】
ここに記載される硬化した組成物、硬化したシーラント組成物および硬化したヒュームドシリカ組成物の任意の一つは、ここに参照される発明品の量の範囲外の量のシラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化ポリオルガノシロキサンおよび/もしくはSPURを持つ硬化した組成物と比較して、一つもしくはそれ以上の改善された引張強度、破断時伸び、50%モジュラス、ガス透過性、および水蒸気透過性を持つ。
【0071】
本発明は本質的に、改善された機械的特性および障壁特性を持つ均一に分散した混合物を得るための異なる比率のSPURと湿気硬化型PDMS(シラノール末端化および/もしくは炭化水素末端化)を混合するステップを含む。SPURとPDMSは混ざらないので生じる組成物は不透明の外観を呈するが、数ヶ月は相分離を見せない。湿気硬化した混合物の透過型電子顕微鏡法(TEM)分析は、それぞれの成分の重量分率によって決定されるように一つの成分(SPUR/PDMS)が他の成分(PDMS/SPUR)において連続的に分散していることを示す。本発明によるPDMSとSPURの異なる混合物の組成物および特性は、以下の表およびグラフにおいて要約される。
【実施例】
【0072】
シラノール末端化ポリジメチルシロキサン(PDMS)−SPUR混合物−配合の詳細
PDMS中のSPURの重量パーセントは、SPURおよびPDMSの単独の重量の合計重量に基づくSPURの重量パーセントである。
【0073】
成分はHauchildスピードミキサー中で混合され、配合物はテフロンの型において7日間周囲環境下で硬化された。
【0074】
シラノール1は、粘度3,000cpsのヒドロキシル末端化PDMSであり、そしてシラノール2は粘度30,000のヒドロキシル末端化PDMSであり、Gelest、USAより供給される。SPUR1015は、Momentive Performance Materials Inc.より入手可能なシリル化ポリウレタン樹脂であり、そしてDBTOはジブチルスズオキシドである。
【0075】
湿気硬化型PDMS組成物を作製するための典型的な手順(比較例1)
【表1】
【0076】
3000cstの粘度を持つシラノール末端化ポリジメチルシロキサン(シラノール1)を50グラムと30000cstの粘度を持つシラノール末端化ポリジメチルシロキサン(シラノール2)を50グラムとを2ミリリットルのn−プロピルシリカート架橋剤と100マイクロリットルのジブチルスズオキシド触媒と共にHauchildスピードミキサーで1分間混合した。混合の後、配合物を2mmの厚さのテフロンの型へと注入し、そして周囲環境において7日間硬化した。
【0077】
湿気硬化型PDMS−SPUR混合組成物の作製手順(実施例1〜5)
実施例1
2.5グラムのシリル化ポリウレタン樹脂を48.75グラムのシラノール1および48.75グラムのシラノール2と、2ミリリットルのn−プロピルシリカートおよび100マイクロリットルのジブチルスズオキシドと共にHauchildスピードミキサーによって1分間混合した。
【0078】
実施例2
実施例1のために記載されたのと同じ手順が繰り返されたが、2.5グラムのSPURの代わりに10グラムが使用され、これに伴いシラノール1およびシラノール2の量を少なく調整し、そして等量に分割し、シラノール1を45グラムとシラノール2を45グラムとした。
【0079】
実施例3
実施例1のために記載されたのと同じ手順が繰り返されたが、2.5グラムのSPURの代わりに20グラムが使用され、これに伴いシラノール1およびシラノール2の量を少なく調整し、そして等量に分割し、シラノール1を40グラムとシラノール2を40グラムとした。
【0080】
実施例4
実施例1のために記載されたのと同じ手順が繰り返されたが、2.5グラムのSPURの代わりに30グラムが使用され、これに伴いシラノール1およびシラノール2の量を少なく調整し、そして等量に分割し、シラノール1を35グラムとシラノール2を35グラムとした。
【0081】
実施例5
実施例1のために記載されたのと同じ手順が繰り返されたが、2.5グラムのSPURの代わりに50グラムが使用され、これに伴いシラノール1およびシラノール2の量を少なく調整し、そして等量に分割し、シラノール1を25グラムとシラノール2を25グラムとした。
【0082】
実施例6
実施例1のために記載されたのと同じ手順が繰り返されたが、2.5グラムのSPURの代わりに60グラムが使用され、これに伴いシラノール1およびシラノール2の量を少なく調整し、そして等量に分割し、シラノール1を20グラムとシラノール2を20グラムとした。
【0083】
実施例7
実施例1のために記載されたのと同じ手順が繰り返されたが、2.5グラムのSPURの代わりに70グラムが使用され、これに伴いシラノール1およびシラノール2の量を少なく調整し、そして等量に分割し、シラノール1を15グラムとシラノール2を15グラムとした。
【0084】
実施例8
実施例1のために記載されたのと同じ手順が繰り返されたが、2.5グラムのSPURの代わりに90グラムが使用され、これに伴いシラノール1およびシラノール2の量を少なく調整し、そして等量に分割し、シラノール1を5グラムとシラノール2を5グラムとした。
【0085】
湿気硬化型SPUR組成物の典型的な作製手順(比較例2)
100グラムのシリル化ポリマー(SPUR1015)をスピードミキサーに充填し、2ミリリットルのn−プロピルシリカートおよび100マイクロリットルのジブチルスズオキシドと混合した。混合物を2mmの厚さのテフロンの型に注入し、周囲環境で7日間硬化した。
【0086】
ガス透過性測定の典型的な手順
半径5センチの円形ディスクのサンプルが硬化したPDMS−SPURシートより切り出され、酸素透過性測定に使用された。酸素透過性はMocon Oxtran装置を用いて測定され、値がバーラーで報告された。
【0087】
機械的特性測定の典型的な手順
ASTM方法D−412−87に従ってInstron引張試験マシンを用いて引張特性を測定するためのPDMS−SPUR混合物の硬化したシートから試験検体を切り出した。それぞれの引張測定について5回の測定の平均が報告された。
【0088】
SPUR−PDMS混合物の機械的特性
異なった添加量のSPURを含有する湿気硬化型のPDMSのシートの機械的測定は下の表2に要約される。比較のために、純なPDMSと純なSPURの湿気硬化型シートの機械的特性もまた提供される。表2に示されるように、湿気硬化型PDMSの機械的特性は、SPURの添加に伴いほとんど維持しているかまたは大幅に向上している。一方で、負荷存在下で伸長されるとき、純な湿気硬化型PDMSシートは力をまったく持っておらず(本実施例において用いられる装置のセットアップによって測定できる)、モジュラスにおける相違によって証明されるように2.5重量%のみのSPURの添加で伸びに全く悪影響を与えずにPDMSを大幅に固くする。特に50%PDMSおよび50%SPURを含有する混合物は、純なPDMSおよび純なSPURの両方と比較して改善された機械的特性(引張強度、破断時伸びおよび引張モジュラス)を有する。
【0089】
【表2】
【0090】
表2中のデータと対応する機械的特性チャート1、2および3
チャート1−引張強度
【化1】

チャート2−破断時伸び
【化2】

チャート3−モジュラス
【化3】
【0091】
SPUR−PDMS混合物のガス透過性特性
異なった添加量のSPURを含有する湿気硬化型PDMSで得られる酸素透過性のデータは下の表に要約される。比較のために、純なPDMSおよび純なSPURの湿気硬化型シートの酸素透過性のデータが提供される。表に示されるようにPDMSの酸素透過性は10重量%もしくはそれ以上のSPURの添加によって減少する。
【0092】
【表3】
【0093】
この結果は純なPDMS−SPUR混合物の酸素透過性特性に関係するが、公知の関連性を鑑みて、観測された傾向はこれらの混合物に由来するシーラント組成物のアルゴン透過性にまで拡張できる。
チャート4−表3に基づく酸素透過性
【化4】
【0094】
SPURの酸素透過性はPDMSよりも20倍低い。30%SPUR1015を含むPDMSの透過性は50%減少する。
PDMS−SPUR混合物の形態
【化5】

50%SPUR添加でもPDMSは連続相にあり、予想通りSPURのドメインサイズは濃度と共に上昇した。
より高い濃度のSPUR添加時の形態
【化6】

より高い濃度のSPUR添加時でのSPURは連続相にありPDMSはドメイン相にある。位相反転は約60%のSPUR濃度において起こる。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
チャート5−表4および5に基づく引張強度
【化7】

チャート6−表4および5に基づく破断時伸び
【化8】

チャート7−表4および5に基づくモジュラス
【化9】

SPUR含有配合物の硬化および機械的特性はPDMSのみのシリコーンシーラントと類似している。
チャート8−表4および5に基づく完全なシーラント配合物の酸素透過性
【化10】
【0098】
データで送られる酸素透過性の第2表の消失。
完全なシーラント配合物中の5〜25重量パーセントのSPUR添加における酸素透過性は25〜40%の減少であった。
【表6】

未処理のシリカ組成物は予想通り硬化しなかった。
処理シリカ組成物は24時間後硬化した。
実施例4の粘度は非常に高く、型で拡げるのは困難であった。
【0099】
機械的特性−ヒュームドシリカ組成物
チャート9−表6に基づく引張強度
【化11】

チャート10−表6に基づく破断時伸び
【化12】

チャート11−表6に基づくモジュラス
【化13】

対照と比較して、より多いSPURの添加時には少し改善された破断時伸びと、対照と同様の引張強度とモジュラスを示す。
【0100】
酸素透過性−ヒュームドシリカ配合物
チャート12−表6に基づく
【化14】

ヒュームドシリカ配合物中15〜25重量%のSPUR添加時において、酸素透過性は30〜50%の減少する。

PDMS−SPUR混合物−水蒸気透過
【化15】

MOCON WVTR/MG3/33試験を25℃50%RHの条件で実施した水蒸気透過(WVTR)試験である。
純なSPUR樹脂のWVTRはシリコーン樹脂の3倍高い。シリコーンシーラント配合物への12.5wt%までのSPURの添加はシリコーンシーラントのWVTR特性に有意な影響を与えない。
【0101】
形態−フュームドシリカ組成物
【化16】

ヒュームドシリカ組成物中への8〜27重量%の添加時にSPUR樹脂はドメイン相にある。

【化17】

ヒュームドシリカ配合物中により高い充填量のSPUR(38重量%)の時、38重量%SPUR+30重量%PDMS+8重量%処理ヒュームドシリカが共連続相を形成する。
【0102】
本発明のプロセスは、特定の実施態様を参照して記載されてきたが、本発明の範囲から離れることなく多くの変更をすることができ、それらの要素が等価物によって代替できることを当業者は理解するであろう。さらに、本発明の教示へと特定の条件もしくは物質を適合させるために、その本質的な範囲を外れることなく多くの修正がなされるであろう。それゆえに本発明を実施するためのベストモードとして開示される特定の実施態様へと本発明を限定するのでなく、添付される請求項の範囲内に包含されるすべての実施態様を本発明が含むことが意図されている。