特許第6293527号(P6293527)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293527
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】制御バルブ装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/00 20060101AFI20180305BHJP
   E02F 9/22 20060101ALN20180305BHJP
【FI】
   F15B11/00 D
   !E02F9/22 K
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-49308(P2014-49308)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-172427(P2015-172427A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2016年11月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】竹内 亨
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−132901(JP,U)
【文献】 特開昭63−009705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00−11/22;21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、
前記アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、
前記バルブブロックは、
前記アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、
前記アクチュエータポートと連通する供給ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する排出ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する再生ポートと、
前記アクチュエータに対して作動流体を導くベースブロックに接合する接合面と、を備え、
前記アクチュエータポートと前記供給ポートとの間に供給バルブを備え、
前記アクチュエータポートと前記排出ポートとの間に排出バルブを備え 前記接合面には、前記供給ポート、前記排出ポート、及び前記再生ポートが開口することを特徴とする制御バルブ装置。
【請求項2】
記ベースブロックは、
前記供給ポートとポンプに接続されるポンプポートとを連通する供給ラインと、
前記排出ポートとタンクに接続されるタンクポートとを連通する排出ラインと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の制御バルブ装置。
【請求項3】
アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、
前記アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、
前記バルブブロックは、
前記アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、
前記アクチュエータポートと連通する供給ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する排出ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する再生ポートと、を備え、
前記アクチュエータポートと前記供給ポートとの間に供給バルブを備え、
前記アクチュエータポートと前記排出ポートとの間に排出バルブを備え、
前記バルブブロックが結合され、前記アクチュエータに対して作動流体を導くベースブロックを備え、
前記ベースブロックに第1取付面及び第2取付面が設けられ、
前記第1取付面及び前記第2取付面にそれぞれ前記バルブブロックが接合されることを特徴とする制御バルブ装置。
【請求項4】
アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、
前記アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、
前記バルブブロックは、
前記アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、
前記アクチュエータポートと連通する供給ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する排出ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する再生ポートと、を備え、
前記アクチュエータポートと前記供給ポートとの間に供給バルブを備え、
前記アクチュエータポートと前記排出ポートとの間に排出バルブを備え、
前記バルブブロックが結合され、前記アクチュエータに対して作動流体を導くベースブロックを備え、
前記ベースブロックに2つの前記バルブブロックが接合され、
一方の前記バルブブロックの前記アクチュエータポートは前記アクチュエータの流入側流体圧室に連通され、
他方の前記バルブブロックの前記アクチュエータポートは前記アクチュエータの流出側流体圧室に連通され、
前記ベースブロックは、
一方の前記バルブブロックの前記再生ポートと接続する第1再生ラインと、
他方の前記バルブブロックの前記再生ポートと接続する第2再生ラインと、をさらに備え、
前記ベースブロックに結合される再生モジュールを備え、
前記再生モジュールは、
前記第1再生ライン及び前記第2再生ラインと接続する再生回路と、
前記再生回路を開閉する再生バルブと、を備えることを特徴とする制御バルブ装置。
【請求項5】
アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、
前記アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、
前記バルブブロックは、
前記アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、
前記アクチュエータポートと連通する供給ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する排出ポートと、
前記アクチュエータポートと連通する再生ポートと、を備え、
前記アクチュエータポートと前記供給ポートとの間に供給バルブを備え、
前記アクチュエータポートと前記排出ポートとの間に排出バルブを備え、
前記アクチュエータから排出される作動流体を前記排出バルブを迂回して前記排出ポートへ導くリリーフ回路を備え、
前記バルブブロックに前記アクチュエータから前記リリーフ回路に導かれる作動流体の圧力が設定値以上に上昇するのに伴って開弁するリリーフバルブが設けられることを特徴とする制御バルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば油圧ショベル等の建設機械は、ブーム等を駆動するアクチュエータとしてブームシリンダ(油圧シリンダ)を備えるとともに、ブームシリンダに対する作動油の給排を制御する制御バルブ装置を備える。
【0003】
特許文献1には、ブームシリンダのボトムチャンバとロッドチャンバとを連通する再生油路と、再生油路を開閉するブーム下げ用制御弁と、を備える制御バルブ装置が開示されている。
【0004】
上記制御バルブ装置では、ブーム下げ用制御弁が再生油路を開通させることにより、ブームシリンダの作動速度を高められるとともに、作動油圧源に設けられる油圧ポンプの吐出量を低下させて、油圧ポンプの省力化が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−242796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建設機械用制御バルブ装置には、建設機械の機種によって上記再生油路を備えないものがある。再生油路を備える仕様の制御バルブ装置と、再生油路を備えない仕様の制御バルブ装置とは、バルブを収容するバルブブロックの設計を変更する必要がある。
【0007】
このように、従来の制御バルブ装置では、油圧回路の変更に対応してバルブを収容するバルブブロックが個別に製作されるため、製品のコストアップを招き、母機の機種変更等に応じて様々な油圧回路を設けることが難しいという問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、母機の機種変更等に応じて様々な回路を容易に設けることができる制御バルブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、バルブブロックは、アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、アクチュエータポートと連通する供給ポートと、アクチュエータポートと連通する排出ポートと、アクチュエータポートと連通する再生ポートと、アクチュエータに対して作動流体を導くベースブロックに接合する接合面と、を備え、アクチュエータポートと供給ポートとの間に供給バルブを備え、アクチュエータポートと排出ポートとの間に排出バルブを備え、接合面には、供給ポート、排出ポート、及び再生ポートが開口することを特徴とする。
また、本発明は、アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、バルブブロックは、アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、アクチュエータポートと連通する供給ポートと、アクチュエータポートと連通する排出ポートと、アクチュエータポートと連通する再生ポートと、を備え、アクチュエータポートと供給ポートとの間に供給バルブを備え、アクチュエータポートと排出ポートとの間に排出バルブを備え、バルブブロックが結合され、アクチュエータに対して作動流体を導くベースブロックを備え、ベースブロックに第1取付面及び第2取付面が設けられ、第1取付面及び第2取付面にそれぞれバルブブロックが接合されることを特徴とする。
また、本発明は、アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、バルブブロックは、アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、アクチュエータポートと連通する供給ポートと、アクチュエータポートと連通する排出ポートと、アクチュエータポートと連通する再生ポートと、を備え、アクチュエータポートと供給ポートとの間に供給バルブを備え、アクチュエータポートと排出ポートとの間に排出バルブを備え、バルブブロックが結合され、アクチュエータに対して作動流体を導くベースブロックを備え、ベースブロックに2つのバルブブロックが接合され、一方のバルブブロックのアクチュエータポートはアクチュエータの流入側流体圧室に連通され、他方のバルブブロックのアクチュエータポートはアクチュエータの流出側流体圧室に連通され、ベースブロックは、一方のバルブブロックの再生ポートと接続する第1再生ラインと、他方のバルブブロックの再生ポートと接続する第2再生ラインと、をさらに備え、ベースブロックに結合される再生モジュールを備え、再生モジュールは、第1再生ライン及び第2再生ラインと接続する再生回路と、再生回路を開閉する再生バルブと、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、アクチュエータに対する作動流体の給排を制御する制御バルブ装置であって、アクチュエータに給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロックを備え、バルブブロックは、アクチュエータに接続されるアクチュエータポートと、アクチュエータポートと連通する供給ポートと、アクチュエータポートと連通する排出ポートと、アクチュエータポートと連通する再生ポートと、を備え、アクチュエータポートと供給ポートとの間に供給バルブを備え、アクチュエータポートと排出ポートとの間に排出バルブを備え、アクチュエータから排出される作動流体を排出バルブを迂回して排出ポートへ導くリリーフ回路を備え、バルブブロックにアクチュエータからリリーフ回路に導かれる作動流体の圧力が設定値以上に上昇するのに伴って開弁するリリーフバルブが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、作動流体を供給バルブ及び排出バルブを迂回して導く回路が設けられる場合には、再生ポートが開通される一方、母機の機種変更等に応じてこの回路が設けられない場合には、再生ポートが閉塞される。このように、バルブブロックの再生ポートが開通され、または再生ポートが閉塞されることにより、個別のバルブブロックを製作する必要がなく、様々な回路を容易に設けることができ、製品のコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る油圧ショベルの側面図である。
図2】制御バルブ装置の回路図である。
図3】制御バルブ装置の平面図である。
図4図3のA−A線に沿う断面図である。
図5図3のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、油圧ショベル(建設機械)80は、クローラ式の下部走行体81と、下部走行体81の上に旋回自在に設けられる上部旋回体82と、上部旋回体82の前方中央部に設けられる掘削体90と、を備える。
【0014】
掘削体90は、上部旋回体82の左右方向に延びる水平軸まわりに回動自在に支持されるブーム91と、ブーム91の先端部に回動自在に支持されるアーム92と、アーム92の先端部に回動自在に支持されて土砂等を掘削するバケット93と、これらを駆動するアクチュエータとして設けられるブームシリンダ85、アームシリンダ75、及びバケットシリンダ74と、を備える。
【0015】
図2に示す制御バルブ装置100は、ブームシリンダ85とアームシリンダ75に対する作動流体の給排を制御する。
【0016】
ブームシリンダ85は、シリンダチューブ89が上部旋回体82に連結され、ピストン88から延びるロッド83がブーム91に連結される。シリンダチューブ89内は、ピストン88によってボトム側流体圧室86とロッド側流体圧室87とに仕切られる。ロッド側流体圧室87には、ロッド側切換モジュール51によって作動流体が給排される。ボトム側流体圧室86には、ボトム側切換モジュール52によって作動流体が給排される。
【0017】
アームシリンダ75は、シリンダチューブ79がブーム91に連結され、ピストン78から延びるロッド73がアーム92に連結される。シリンダチューブ79内は、ピストン78によってボトム側流体圧室76とロッド側流体圧室77とに仕切られる。ロッド側流体圧室77には、ロッド側切換モジュール53によって作動流体が給排される。ボトム側流体圧室76には、ボトム側切換モジュール54によって作動流体が給排される。
【0018】
制御バルブ装置100には作動流体を導くベースブロック10が設けられ、ベースブロック10には流体圧源の第1ポンプ21、第2ポンプ22、及びタンク23が接続される。ベースブロック10は、第1ポンプ21から作動流体が供給される第1供給ライン17と、第2ポンプ22から作動流体が供給される第2供給ライン20と、タンク23に連通する排出ライン18と、後述する再生回路8を構成する第1再生ライン19及び第2再生ライン26と、を備える。第1供給ライン17は、供給ポート31と第1ポンプ21に接続されるポンプポート17Aとを連通する。第2供給ライン20は、供給ポート31と第2ポンプ22に接続されるポンプポート20Aとを連通する。排出ライン18は、排出ポート32とタンク23に接続されるタンクポート18Aとを連通する。ベースブロック10に設けられる通路の配置は、制御バルブ装置100が搭載される油圧ショベルの機種に応じて変えられる。
【0019】
ベースブロック10には、切換モジュール51〜54、合流モジュール70、及び再生モジュール60が結合される。各切換モジュール51〜54は、それぞれ供給バルブ1、排出バルブ2、及びリリーフバルブ6を備える。合流モジュール70は、合流バルブ4を備える。再生モジュール60は、再生バルブ5を備える。
【0020】
供給バルブ1、排出バルブ2、合流バルブ4、及び再生バルブ5の開閉作動は、オペレータの操作に基づきコントローラ(図示省略)によって制御される。
【0021】
アーム92を回動させる際に、切換モジュール53、54では、各供給バルブ1及び排出バルブ2の開閉作動によってアームシリンダ75のボトム側流体圧室76、ロッド側流体圧室77に対する第1供給ライン17、排出ライン18の連通が切換えられる。これにより、アームシリンダ75に作動流体が給排され、アーム92が回動する。
【0022】
ブーム91を回動させる際に、切換モジュール51、52では、各供給バルブ1及び排出バルブ2の開閉作動によってブームシリンダ85のロッド側流体圧室87、ボトム側流体圧室86に対する第1供給ライン17、排出ライン18の連通が切換えられる。これにより、ブームシリンダ85に作動流体が給排され、ブーム91が回動する。
【0023】
ブーム91を回動させる際に、合流モジュール70にて合流バルブ4が開弁作動すると、第1供給ライン17と第2供給ライン20とが連通される。これにより、第1供給ライン17と第2供給ライン20の両方から供給される作動流体が合流してブームシリンダ85に導かれ、ブームシリンダ85の作動速度を高められる。
【0024】
ブーム91を上方向に回動させる際に、再生モジュール60では、再生バルブ5が開弁作動することによってブームシリンダ85のロッド側流体圧室87とボトム側流体圧室86とを短絡する再生回路8が開通される。これにより、ブームシリンダ85のロッド側流体圧室87とボトム側流体圧室86とが同圧となり、ブームシリンダ85の推力を発生する受圧面積がピストン88の断面積からロッド83の断面積へと減少する。これによって、ブームシリンダ85に生じる推力が減少する反面、ブームシリンダ85が伸長作動する作動速度を高められるとともに、第1ポンプ21、第2ポンプ22の吐出量を低下させることによって省力化が図られる。
【0025】
以下、図3図5を参照して制御バルブ装置100の具体的な構成について説明する。なお、各図面において、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が水平前後方向、Y軸が水平横方向、Z軸が上下方向(鉛直方向)に延びるものとする。
【0026】
図3図4に示すように、立方体状のベースブロック10は、互いに平行となるようにX、Y軸方向に延びる第1取付面11及び第2取付面12を有する。
【0027】
第1取付面11には、ブームシリンダ85に対する作動流体の給排を切換えるロッド側切換モジュール51及びボトム側切換モジュール52と、合流モジュール70と、が並んで取付けられる。
【0028】
第2取付面12には、アームシリンダ75に対する作動流体の給排を切換えるロッド側切換モジュール53及びボトム側切換モジュール54と、再生モジュール60と、がX軸方向に並んで取付けられる。
【0029】
各切換モジュール51〜54は、ベースブロック10に複数のボルト14を介して結合されるバルブブロック30を備える。立方体状のバルブブロック30は、互いに平行となるようにX、Y軸方向に延びる第1接合面41及び第2接合面42を有する。ベースブロック10の第1取付面11、第2取付面12と各バルブブロック30の第1接合面41との間には、複数のシールリング15が介装される。各シールリング15によって後述するポート接続部の密封が図られる。
【0030】
バルブブロック30の第2接合面42には、Z軸方向に延びるアクチュエータポート33が開口する。各切換モジュール51〜54のアクチュエータポート33は、それぞれの第2接合面42に接続される配管(図示省略)を通じて各流体圧室86、87、76、77に連通する。
【0031】
ブームシリンダ85のロッド側切換モジュール51のバルブブロック30におけるアクチュエータポート33は、ブームシリンダ85のロッド側流体圧室87に連通する。
【0032】
ブームシリンダ85のボトム側切換モジュール52のバルブブロック30におけるアクチュエータポート33は、ブームシリンダ85のボトム側流体圧室86に連通する。
【0033】
アームシリンダ75のロッド側切換モジュール53のバルブブロック30におけるアクチュエータポート33は、アームシリンダ75のロッド側流体圧室77に連通する。
【0034】
アームシリンダ75のボトム側切換モジュール54のバルブブロック30におけるアクチュエータポート33は、アームシリンダ75のボトム側流体圧室76に連通する。
【0035】
ベースブロック10に接合されるバルブブロック30の第1接合面41には、Z軸方向に延びる供給ポート31、排出ポート32、再生ポート34がY軸方向に並んで開口する。
【0036】
バルブブロック30には、供給ポート31と同軸上(Z軸方向)に延びる収容孔35が形成される。収容孔35には、供給バルブ1が収容される。こうして供給バルブ1は、供給ポート31に接続するように介装される。供給バルブ1は、複数のボルト24を介してバルブブロック30に結合される。ブームシリンダ85のロッド側切換モジュール51において、供給バルブ1が開弁すると、第1供給ライン17からの作動流体が、供給ポート31、供給バルブ1、中継ポート36、アクチュエータポート33を通じてブームシリンダ85のロッド側流体圧室87に流入する。
【0037】
バルブブロック30には、Y軸方向に延びる中継ポート36が形成される。中継ポート36は、アクチュエータポート33及び再生ポート34と交差している。
【0038】
バルブブロック30には、中継ポート36と同軸上(Y軸方向)に延びる収容孔37が形成される。収容孔37には、排出バルブ2が収容される。こうして排出バルブ2は、中継ポート36と排出ポート32の間に介装される。排出バルブ2は、複数のボルト25を介してバルブブロック30に結合される。ブームシリンダ85のロッド側切換モジュール51において、排出バルブ2が開弁すると、ブームシリンダ85のロッド側流体圧室87から流出する作動流体が、アクチュエータポート33、中継ポート36、排出バルブ2、排出ポート32を通じて排出ライン18へと流出する。
【0039】
バルブブロック30には、リリーフバルブ6が介装されるリリーフ回路43が設けられる。リリーフ回路43は、アクチュエータポート33と排出ポート32を連通している。リリーフバルブ6は、アクチュエータポート33と排出ポート32との差圧(負荷圧)が所定値を超えて上昇すると開弁し、作動流体をタンク23に逃がす。
【0040】
再生ポート34は、アクチュエータポート33に対して供給ポート31及び排出ポート32と並列に接続される。再生ポート34は、アクチュエータポート33と同軸上に延び、中継ポート36と交差している。
【0041】
ブームシリンダ85のロッド側切換モジュール51において、バルブブロック30の第1接合面41がベースブロック10の第1取付面11に接合される。これにより、供給ポート31と第1供給ライン17のポート27とが接続され、排出ポート32と排出ライン18のポート28とが接続され、再生ポート34と第1再生ライン19のポート29とが接続される。
【0042】
ブームシリンダ85のボトム側切換モジュール52において、バルブブロック30の第1接合面(図示省略)がベースブロック10の第1取付面11に接合される。これにより、供給ポート31(図2参照)と第1供給ライン17とが接続され、排出ポート32(図2参照)と排出ライン18とが接続され、再生ポート34と第2再生ライン26が接続される。
【0043】
こうして、ブームシリンダ85には、ロッド側切換モジュール51の再生ポート34とボトム側切換モジュール52の再生ポート34とを連通する再生回路8が設けられる。再生回路8を設けるために、ベースブロック10の第1取付面11には、第1再生ライン19から延びてボトム側切換モジュール52の再生ポート34に接続するポート29と(図4参照)、第2再生ライン26から延びてロッド側切換モジュール51の再生ポート34に接続するポート(図示省略)と、が設けられる。
【0044】
アームシリンダ75のロッド側切換モジュール53において、バルブブロック30の第1接合面41がベースブロック10の第2取付面12に接合される。これにより、供給ポート31と第1供給ライン17のポート47とが接続され、排出ポート32と排出ライン18のポート48とが接続される。再生ポート34は、ベースブロック10の第2取付面12によって閉塞される。
【0045】
アームシリンダ75のボトム側切換モジュール54において、バルブブロック30の第1接合面(図示省略)がベースブロック10の第2取付面12に接合される。これにより、供給ポート31(図2参照)と第2供給ライン20とが接続され、排出ポート32(図2参照)と排出ライン18とが接続される。再生ポート34(図2参照)は、ベースブロック10の第2取付面12によって閉塞される。
【0046】
アームシリンダ75には、ロッド側切換モジュール53の再生ポート34とボトム側切換モジュール54の再生ポート34とを連通する再生回路が設けられていない。そのため、ベースブロック10の第2取付面12には、再生ポート34に接続するポートが設けられていない。これにより、上記のように切換モジュール53、54のバルブブロック30の第1接合面41に開口する再生ポート34は、ベースブロック10の第2取付面12によって閉塞される。
【0047】
図5に示すように、再生モジュール60は、ベースブロック10に結合されるバルブブロック55と、再生回路8を開閉する再生バルブ5と、を備える。なお、図5において、合流モジュール70の図示は省略されている。
【0048】
立方体状のバルブブロック55は、X、Y軸方向に延びる接合面56を有する。バルブブロック55には、再生回路8を構成する再生バルブポート66、ポート67、ポート68が形成される。接合面56には、Z軸方向に延びる再生バルブポート66とポート68が開口する。バルブブロック55の接合面56がベースブロック10の第2取付面12に接合される。これにより、再生バルブポート66と第1再生ライン19のポート46とが接続されるとともに、ポート68と第2再生ライン26のポート45とが接続される。
【0049】
バルブブロック55には、再生バルブポート66と同軸上(Z軸方向)に延びる収容孔57が形成される。収容孔57には、再生バルブ5が収容される。後述するようにブーム9を回動させる際に、再生バルブ5が開弁すると、ブームシリンダ85のロッド側流体圧室87から流出する作動流体が、ロッド側切換モジュール51のアクチュエータポート33、再生ポート34、ベースブロック10のポート29、第1再生ライン19、ポート46、再生モジュール60の再生バルブポート66、再生バルブ5、ポート67、ポート68、ベースブロック10のポート45、第2再生ライン26、ボトム側切換モジュール52のアクチュエータポート33(図2参照)を通じてブームシリンダ85のボトム側流体圧室86に流入する。
【0050】
図3に示すように、合流モジュール70は、ベースブロック10に複数のボルト13を介して結合されるバルブブロック71と、合流回路7を開閉する合流バルブ4と、を備える。
【0051】
供給バルブ1、排出バルブ2、合流バルブ4、及び再生バルブ5は、同一構造のソレノイドバルブであり、同一部品が用いられる。
【0052】
次に、供給バルブ1の具体的な構成について説明する。図4に示すように、供給バルブ1は、コイル69に流れる電流に応じてパイロット圧回路61を開閉するパイロット弁62と、パイロット圧回路61のパイロット圧に応じて供給ポート31を開閉するポペット弁63と、を備える。
【0053】
バルブブロック30には、パイロット圧回路61を画成する通孔38、39が形成される。通孔38には、チェック弁64が介装される。通孔39には、オリフィス65が介装される。チェック弁64は、供給ポート31からアクチュエータポート33に向かう作動流体の流れに対して開弁し、これと逆方向の流れに対して閉弁する。
【0054】
コイル69が非通電状態にあるときには、パイロット弁62がパイロット圧回路61を遮断し、ポペット弁63が供給ポート31を遮断する。これにより、供給ポート31からアクチュエータポート33に向かう作動流体の流れが止められる。
【0055】
一方、コイル69が通電状態にあるときには、ソレノイド推力によってパイロット弁62がパイロット圧回路61を開通させる。これにより、作動流体は、パイロット圧回路61を流れ、オリフィス65とパイロット弁62との間に生じるパイロット圧が低下するのに伴って、ポペット弁63が供給ポート31を開通させる。コイル69に流れる電流値に応じて、パイロット弁62及びポペット弁63の開度が大きくなり、供給ポート31からアクチュエータポート33に向かう作動流体の流量が増える。
【0056】
供給バルブ1は、上記パイロット圧によってポペット弁63を駆動するソレノイドバルブに限らず、ソレノイド推力によってポペット弁またはスプール弁を駆動するソレノイドバルブであってもよい。
【0057】
次に、油圧ショベル80の動作について説明する。
【0058】
ブーム91を下方向(前方向)に回動させるブームシリンダ85の収縮作動時に、ロッド側切換モジュール51の供給バルブ1が開弁され、ボトム側切換モジュール52の排出バルブ2が開弁される。合流モジュール70の合流バルブ4は、開弁される。再生モジュール60の再生バルブ5は、閉弁される。これにより、第1ポンプ21から第1供給ライン17を通じて導かれる作動流体と、第2ポンプ22から第2供給ライン20を通じて導かれる作動流体とは、合流モジュール70の合流バルブ4によって合流し、ロッド側切換モジュール51の供給バルブ1によってロッド側流体圧室87に流入する。一方、容積が縮小する流出側のボトム側流体圧室86の作動流体は、ボトム側切換モジュール52の排出バルブ2によって排出ライン18を通じてタンク23へと流出する。こうしてブームシリンダ85が収縮作動し、ブーム91が下方向に回動する。
【0059】
ブーム91を上方向(後方向)に低速で回動させるブームシリンダ85の伸長作動時に、ボトム側切換モジュール52の供給バルブ1が開弁され、ロッド側切換モジュール51の排出バルブ2が開弁される。合流モジュール70の合流バルブ4は、開弁される。再生モジュール60の再生バルブ5は、閉弁される。これにより、第1ポンプ21から第1供給ライン17を通じて導かれる作動流体と、第2ポンプ22から第2供給ライン20を通じて導かれる作動流体とは、合流モジュール70の合流バルブ4によって合流し、ボトム側切換モジュール52の供給バルブ1によってボトム側流体圧室86に流入する。一方、容積が縮小する流出側のロッド側流体圧室87の作動流体は、ロッド側切換モジュール51の排出バルブ2によって排出ライン18を通じてタンク23へと流出する。こうしてブームシリンダ85が伸長作動し、ブーム91が上方向に回動する。
【0060】
ブーム91を上方向に高速で回動させるブームシリンダ85の伸長作動時に、ボトム側切換モジュール52の供給バルブ1が開弁され、ロッド側切換モジュール51の排出バルブ2が開弁される。合流モジュール70の合流バルブ4は、開弁される。そして、再生モジュール60の再生バルブ5は、開弁される。これにより、第1ポンプ21から第1供給ライン17を通じて導かれる作動流体は、ボトム側切換モジュール52の供給バルブ1によってボトム側流体圧室86に流入する。一方、容積が縮小する流出側のロッド側流体圧室87の作動流体は、再生回路8を通じてボトム側流体圧室86に流入する。こうして再生回路8が開通することにより、ブームシリンダ85のロッド側流体圧室87とボトム側流体圧室86とが同圧となり、ブームシリンダ85に生じる推力が減少する反面、ブームシリンダ85が伸長作動する作動速度を高められる。
【0061】
一方、アーム92を前方向に回動させるアームシリンダ75の収縮作動時に、ロッド側切換モジュール53の供給バルブ1が開弁され、ボトム側切換モジュール54の排出バルブ2が開弁される。これにより、第2ポンプ22から第2供給ライン20を通じて導かれる作動流体は、ロッド側切換モジュール53の供給バルブ1によってロッド側流体圧室77に流入する。一方、容積が縮小する流出側のボトム側流体圧室76の作動流体は、ボトム側切換モジュール54の排出バルブ2によって排出ライン18を通じてタンク23へと流出する。こうしてアームシリンダ75が収縮作動し、アーム92が回動する。
【0062】
アーム92を後方向に回動させるアームシリンダ75の伸長作動時に、ボトム側切換モジュール54の供給バルブ1が開弁され、ロッド側切換モジュール53の排出バルブ2が開弁される。これにより、第2ポンプ22から第2供給ライン20を通じて導かれる作動流体は、ボトム側切換モジュール54の供給バルブ1によってボトム側流体圧室76に流入する。一方、容積が縮小する流出側のロッド側流体圧室77の作動流体は、ロッド側切換モジュール53の排出バルブ2によって排出ライン18を通じてタンク23へと流出する。こうしてアームシリンダ75が伸長作動し、アーム92が回動する。
【0063】
なお、バルブブロック30の再生ポート34は、再生回路8を構成するものに限らず、作動流体を供給バルブ1及び排出バルブ2を迂回してブームシリンダ85、アームシリンダ75に導く他の回路を構成してもよい。
【0064】
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0065】
〔1〕制御バルブ装置100は、ブームシリンダ85、アームシリンダ75(アクチュエータ)に給排される作動流体の流れ方向を切換えるバルブブロック30を備える。バルブブロック30は、ブームシリンダ85に接続されるアクチュエータポート33と、アクチュエータポート33と連通する供給ポート31と、アクチュエータポート33と連通する排出ポート32と、アクチュエータポート33と連通する再生ポート34と、を備え、アクチュエータポート33と供給ポート31との間に供給バルブ1を備え、アクチュエータポート33と排出ポート32との間に排出バルブ2を備える。
【0066】
上記構成に基づき、作動流体を供給バルブ1及び排出バルブ2を迂回して導く回路が設けられる場合には、再生ポート34が開通される一方、母機の機種変更等に応じてこの回路が設けられない場合には、再生ポート34が閉塞される。このように、バルブブロック30の再生ポート34が開通され、または再生ポート34が閉塞されることにより、様々な回路を容易に設けることができる。
【0067】
ブームシリンダ85の切換モジュール51、52と、アームシリンダ75の切換モジュール53、54とは、共通のバルブブロック30を用いることにより、個別のバルブブロック30を製作する必要がなく、製品のコストダウンが図れる。
【0068】
ブームシリンダ85の切換モジュール51、52は、各バルブブロック30に独立したアクチュエータポート33を有するため、ブームシリンダ85の作動不良等が生じた場合には、各切換モジュール51、52の作動状態を個別に検査することで、作動不良箇所を探すことができる。また、各切換モジュール51、52に作動不良が発生した場合に、バルブブロック30を介して切換モジュール51、52を交換することにより、修理を容易に行うことができる。
【0069】
〔2〕バルブブロック30が結合され、ブームシリンダ85、アームシリンダ75(アクチュエータ)に対して給排される作動流体を導くベースブロック10をさらに備える。ベースブロック10は、供給ポート31とポンプ21に接続されるポンプポート17Aとを連通する供給ライン17と、排出ポート32とタンク23に接続されるタンクポート18Aとを連通する排出ライン18と、を備える構成とした。
【0070】
上記構成に基づき、ベースブロック10にバルブブロック30が結合されることにより、バルブブロック30の供給ポート31がベースブロック10の供給ライン17に接続され、バルブブロック30の排出ポート32がベースブロック10の排出ライン18に接続されるため、バルブブロック30に複数の配管等を接続する必要がなく、ブームシリンダ85、アームシリンダ75(アクチュエータ)に対して作動流体を給排する回路を容易に設けることができる。
【0071】
〔3〕バルブブロック30は、ベースブロック10に接合される接合面41を有する。接合面41には、供給ポート31、排出ポート32、及び再生ポート34が開口する構成とした。
【0072】
上記構成に基づき、ベースブロック10に再生ポート34に連通するポート29等が設けられることにより、バルブブロック30の再生ポート34がベースブロック10のポート29等を通じて作動流体が導かれる。また、ベースブロック10に再生ポート34に連通するポートが設けられない場合には、ベースブロック10の接合面41によってバルブブロック30の再生ポート34が閉塞される。このように、バルブブロック30の接合面41に接合されるベースブロック10に再生ポート34に連通するポート29等が任意に設けられることにより、様々な回路を容易に設けることができる。
【0073】
〔4〕ベースブロック10に第1取付面11及び第2取付面12が設けられる。第1取付面11及び第2取付面12には、それぞれバルブブロック30が接合される構成とした。
【0074】
上記構成に基づき、切換モジュール51、52と切換モジュール53、54とがベースブロック10の第1取付面11及び第2取付面12に設けられるため、様々な回路を容易に設けることができる。
【0075】
切換モジュール51、52と切換モジュール53、54がベースブロック10の第1取付面11及び第2取付面12に接合して設けられることにより、制御バルブ装置100の小型化が図れる。
【0076】
〔5〕ベースブロック10に2つのバルブブロック30が接合される。一方のバルブブロック30のアクチュエータポート33はアクチュエータ(ブームシリンダ85)の流入側流体圧室(ロッド側室87)に連通され、他方のバルブブロック30のアクチュエータポート33はアクチュエータ(ブームシリンダ85)の流出側流体圧室(ボトム側室86)に連通される。ベースブロック10は、一方のバルブブロック30の再生ポート34と接続する第1再生ライン19と、他方のバルブブロック30の再生ポート34と接続する第2再生ライン26と、をさらに備える。ベースブロック10に結合される再生モジュール60をさらに備え、再生モジュール60は第1再生ライン19及び第2再生ライン26と接続する再生回路8と、再生回路8を開閉する再生バルブ5と、をさらに備える構成とした。
【0077】
上記構成に基づき、制御バルブ装置100は、ベースブロック10に第1再生ライン19及び第2再生ライン26が設けられるとともに、ベースブロック10に結合される再生モジュール60が設けられることにより、ブームシリンダ85の一方の流体圧室から排出される作動流体を他方の流体圧室に導く再生回路8を追加して設けることが容易にできる。
【0078】
〔6〕制御バルブ装置100は、ブームシリンダ(アクチュエータ)85から排出される作動流体を排出バルブ2を迂回して排出ポート32へ導くリリーフ回路43と、バルブブロック30にブームシリンダ85からリリーフ回路43に導かれる作動流体の圧力が設定値以上に上昇するのに伴って開弁するリリーフバルブ6と、をさらに備える構成とした。
【0079】
上記構成に基づき、リリーフバルブ6が開弁することにより、ブームシリンダ85からの作動流体がリリーフ回路43を通じて排出される。これにより、ブームシリンダ85の作動流体の圧力が設定値以上に上昇することが抑えられる。バルブブロック30毎にリリーフバルブ6が設けられることにより、個々のバルブブロック30毎にリリーフバルブ6が開弁するリリーフ圧を設定でき、回路に応じたリリーフ圧の設定が可能になる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0081】
例えば、上記実施形態では、アクチュエータとして設けられるブームシリンダ85は、ピストン88によって仕切られるロッド側流体圧室87とボトム側流体圧室86とに作動流体が給排されるものであった。この場合に、1台のブームシリンダ85に対して2個のバルブブロック30が1個のベースブロック10に結合される。アクチュエータは、これに限らず、ピストンによって仕切られるロッド側流体圧室のみに作動流体が給排されるラムシリンダ型のものを用いてもよい。この場合に、1台のアクチュエータに対して1個のバルブブロックが1個のベースブロックに結合される。
【0082】
また、上記実施形態では、第1取付面11及び第2取付面12がベースブロック10の両側に互いに平行に延び、切換モジュール51、52と切換モジュール53、54がベースブロック10を挟むようにして設けられる構成とした。これに限らず、第1取付面及び第2取付面がベースブロックの隣り合う面に設けられる構成としてもよい。
【0083】
さらに、アクチュエータとして、作動流体圧によって伸縮作動する流体圧シリンダに限らず、作動流体圧によって回転作動する流体圧モータを用いてもよい。
【0084】
本発明の制御バルブ装置は、油圧ショベル等の建設機械に限らず、産業機械や設備等に利用できる。
【符号の説明】
【0085】
1 供給バルブ
2 排出バルブ
5 再生バルブ
6 リリーフバルブ
8 再生回路
10 ベースブロック
11 第1取付面
12 第2取付面
17 供給ライン
17A ポンプポート
18 排出ライン
18A タンクポート
19 第1再生ライン
21 ポンプ
23 タンク
26 第2再生ライン
30 バルブブロック
31 供給ポート
32 排出ポート
33 アクチュエータポート
34 再生ポート
41 接合面
43 リリーフ回路
60 再生モジュール
75 アームシリンダ(アクチュエータ)
85 ブームシリンダ(アクチュエータ)
86 ボトム側流体圧室(流入側流体圧室)
87 ロッド側流体圧室(流出側流体圧室)
100 制御バルブ装置
図1
図2
図3
図4
図5