特許第6293604号(P6293604)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293604
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】ランプ付き車両用アウターミラー
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/34 20060101AFI20180305BHJP
   B60R 1/06 20060101ALI20180305BHJP
   F21S 41/00 20180101ALI20180305BHJP
   F21S 43/00 20180101ALI20180305BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20180305BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20180305BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20180305BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20180305BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180305BHJP
【FI】
   B60Q1/34 B
   B60R1/06 D
   F21S8/10 352
   F21S8/10 340
   F21W101:12
   F21Y115:10
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-153301(P2014-153301)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-30495(P2016-30495A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148689
【氏名又は名称】株式会社村上開明堂
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090228
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】井石 浩多
(72)【発明者】
【氏名】西村 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】安田 道央
(72)【発明者】
【氏名】パニダー リットケーオ
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−210236(JP,A)
【文献】 特開2003−132709(JP,A)
【文献】 特開2005−190716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/34
B60R 1/06
F21S 41/00
F21S 43/00
F21S 45/00
F21W 103/00
F21W 104/00
F21W 105/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラーハウジングにランプが組み込まれ、前記ミラーハウジングが車両に搭載された使用位置にある状態で該車両の前方側から見て該ミラーハウジングの正面部または側面部に、前記ランプの光を外界に向けて放射する発光部が配置され、前記ミラーハウジングは前記発光部の上方位置の外表面に斜め下方に傾斜した、光沢を有する下向傾斜面を有するランプ付き車両用アウターミラーにおいて、
前記車両用アウターミラーが車両に搭載されかつ前記ミラーハウジングが使用位置にある状態で、前記発光部から放射され前記下向傾斜面で反射された光が、実質的に水平方向よりも上方の外界に向けて放射されるように、前記発光部と前記下向傾斜面の相対位置関係が設定されているランプ付き車両用アウターミラー。
【請求項2】
前記ミラーハウジングは、前記下向傾斜面と前記発光部との間の外表面に、非光沢面、または、前記下向傾斜面と傾斜角度が異なる面、を有する請求項1に記載のランプ付き車両用アウターミラー。
【請求項3】
前記ミラーハウジングの前記下向傾斜面はメッキ面を有する請求項1または2に記載のランプ付き車両用アウターミラー。
【請求項4】
前記下向傾斜面で反射されたランプ光が、前記下向傾斜面の位置から水平方向に1m離れた位置で、地面から垂直方向に190cmの位置よりも上方を通過するように、前記発光部と前記下向傾斜面の相対位置関係が設定されている請求項1から3のいずれか1つに記載のランプ付き車両用アウターミラー。
【請求項5】
前記下向傾斜面が、水平面に対し70度以上の角度に設定されている請求項1から4のいずれか1つに記載のランプ付き車両用アウターミラー。
【請求項6】
前記ミラーハウジングが前記発光部の上方位置に突起部を有し、前記下向傾斜面は前記突起部の頂部の下側に形成されている請求項1から5のいずれか1つに記載のランプ付き車両用アウターミラー。
【請求項7】
前記ミラーハウジングが、該ミラーハウジングの外郭の下側部分を構成するロアカバーと、前記該ミラーハウジングの外郭の上側部分を構成するアッパーカバーを有し、
前記下向傾斜面は前記アッパーカバーに構成され、
前記アッパーカバーは、前記ロアカバーの外表面よりも鏡面反射率が高い外表面を有する請求項1から6のいずれか1つに記載のランプ付き車両用アウターミラー。
【請求項8】
請求項2を引用する請求項7に記載のランプ付き車両用アウターミラーであって、
前記ロアカバーは、前記下向傾斜面と前記発光部との間に配置される部分を有し、該部分は前記非光沢面、または、前記下向傾斜面と傾斜角度が異なる面、を有するランプ付き車両用アウターミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はミラーハウジングにランプを配置したランプ付き車両用アウターミラーに関し、ミラーハウジングの外郭形状が原因となって、ランプから放射された光が、他の車両や歩行者から見て、設計者が意図したものと異なる発光パターンに見える現象を起こりにくくしたものである。
【背景技術】
【0002】
図2は本出願人の製品にかかる従来のランプ付きドアミラーのハウジングおよびサイドターンランプのレンズの断面形状を示す。これはこの発明の実施の形態を示す後述する図3のA−A矢視位置に相当する位置の断面形状である。図2において、図3のA−A矢視断面を示す図1と対応する箇所には、図1で用いたものと共通の符号を用いる。ミラーハウジング14にはサイドターンランプ16が組み込まれている。サイドターンランプ16の発光部を構成するレンズ26からは、ターンランプ光が外界に向けて放射される。ミラーハウジング14の外郭は、該外郭の下側部分を構成するロアカバー22と該外郭の上側部分を構成するアッパーカバー20を有する。ロアカバー22の表面は暗色で無塗装の非メッキ面(ロアカバー22を構成するプラスチック材料の剥き出し面で、例えば艶消し面等の非光沢面)で構成されている。アッパーカバー20の表面はクロムメッキによる、銀白色の光沢を有する装飾金属メッキ面(鏡面)で構成されている。アッパーカバー20には、レンズ26の上方位置に、主に意匠デザイン上の目的で、横方向に延在する突起部30が形成されている。これに伴い、突起部30の頂部30aの下側には、横方向に延在する斜め下向きに傾斜した下向傾斜面32が形成されている。ロアカバー22はアッパーカバー20の下向傾斜面32とレンズ26との間に配置される部分(以下「中間配置部分」)22aを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−210236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図2の従来のランプ付きドアミラーにおいて、レンズ26から外界に向けて放射されたターンランプ光の一部はメッキ面で構成された、光沢を有する下向傾斜面32で反射されて車両前方および側方に向けて放射される。図2のハッチングはこの下向傾斜面32による反射光が放射される上下方向の領域を示す。これによれば、下向傾斜面32によるターンランプ光の反射光は、車両前方および側方に向けて水平方向の下側から上側の広い領域に放射される。この反射光は他の車両や歩行者にとって眩しいものではない。しかし、ドアミラーの設計者は、他の車両や歩行者から見て、レンズ26のみが明るく光る発光パターンでターンランプ光が見えることを意図してこのドアミラーを設計したのであるから、下向傾斜面32による反射光も同時に明るく見えることは、意図したものと異なる発光パターンで見えることになるから好ましくない。特に、このドアミラーは、下向傾斜面32が形成されているアッパーカバー20の表面が、光沢を有するメッキ面(鏡面)で構成されているので、下向傾斜面32による反射光が目立っていた。また、図2の設計では、レンズ26とアッパーカバー20との間にロアカバー22の中間配置部分22aが配置されており、この中間配置部分22aの表面は例えば暗色の艶消し面(非光沢面)で構成されているため光沢面による反射は生じない。その結果、ターンランプ光はロアカバー22の中間配置部分22aを挟んで下向傾斜面32とレンズ26の上下2箇所に分割されて見えることになり、ターンランプ光の見映えが悪くなる問題があった。
【0005】
この発明は上記従来技術における問題点を解決して、ミラーハウジングの外郭の、発光部の上方位置に、光沢を有する下向傾斜面を維持しつつ、ランプから放射された光が該下向傾斜面で反射されて他の車両や歩行者により視認される現象を起こりにくくし、もって、ランプから放射された光が、設計者が意図したものと異なる発光パターンに見える現象を起こりにくくしたランプ付き車両用アウターミラーを提供しようとするものである。
【0006】
なお、特許文献1に記載の技術は、ターンランプ光をレンズを透過して直接外界水平方向に放射するのに代えて、意図的にミラーハウジングの傾斜面で反射させて外界水平方向に放射するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ミラーハウジングにランプが組み込まれ、前記ミラーハウジングが車両に搭載された使用位置にある状態で該車両の前方側から見て該ミラーハウジングの正面部または側面部に、前記ランプの光を外界に向けて放射する発光部が配置され、前記ミラーハウジングは前記発光部の上方位置の外表面に斜め下方に傾斜した、光沢を有する下向傾斜面を有するランプ付き車両用アウターミラーにおいて、前記車両用アウターミラーが車両に搭載されかつ前記ミラーハウジングが使用位置にある状態で、前記発光部から放射され前記下向傾斜面で反射された光が、実質的に水平方向よりも上方の外界に向けて放射されるように、前記発光部と前記下向傾斜面の相対位置関係が設定されているものである。これによれば、ランプから放射された光はハウジングの、光沢を有する下向傾斜面で反射されても、その反射光は実質的に水平方向よりも上方の外界に向けて放射されるので、水平方向の無限遠から見えず、したがって他の車両や歩行者から視認されにくくなる。したがって、ミラーハウジングに下向傾斜面を維持しつつ、ランプから放射された光が、他の車両や歩行者から見て、設計者が意図したものと異なる発光パターンに見える現象を起こりにくくすることができる。
【0008】
この発明において、前記ミラーハウジングは、前記下向傾斜面と前記発光部との間の外表面に、非光沢面、または、前記下向傾斜面と傾斜角度が異なる面、を有することができる。ミラーハウジングがこのような構造を有する場合に、光沢を有する下向傾斜面からの反射光が外界の水平方向を含む方向に放射される場合には、他の車両や歩行者から見て、ランプ光は発光部と下向傾斜面で強く発光し、発光部と下向傾斜面の間の非光沢面、または、下向傾斜面と傾斜角度が異なる面、で強く発光しない発光パターンとなる可能性がある。この場合、他の車両や歩行者から見て、ランプ光は上下に分割された発光パターンとなり、ランプ光の見映えが悪くなる。これに対し、この発明によれば、ミラーハウジングが発光部と下向傾斜面の間に、非光沢面、または、下向傾斜面と傾斜角度が異なる面、を有していても、下向傾斜面からの反射光は実質的に水平方向よりも上方の外界に向けて放射されるので、他の車両や歩行者から視認されにくい。したがって、ランプ光が上下に分割された発光パターンとなって見映えが悪くなるのが防止される。
【0009】
この発明において、前記ミラーハウジングの前記下向傾斜面はメッキ面を有することができる。下向傾斜面がメッキ面を有する場合は、下向傾斜面が非メッキ面である場合に比べて、ランプ光の下向傾斜面での反射光は強くなるので、この発明による効果はより大きく得られる。
【0010】
この発明は、前記下向傾斜面で反射されたランプ光が、前記下向傾斜面の位置から水平方向に1m離れた位置で、地面から垂直方向に190cmの位置よりも上方を通過するように、前記発光部と前記下向傾斜面の相対位置関係が設定されているものとすることができる。これによれば、背の高い歩行者から見ても、車両にかなり近づかなければ下向傾斜面からのランプの反射光が視認されないようにすることができる。
【0011】
この発明は、前記下向傾斜面が、水平面に対し70度以上の角度に設定されているものとすることができる。これによれば、下向傾斜面からのランプの反射光が視認されにくくすることができる。
【0012】
この発明は、前記ミラーハウジングが前記発光部の上方位置に突起部を有し、前記下向傾斜面は前記突起部の頂部の下側に形成されているものとすることができる。これによれば、ミラーハウジングの意匠形状として、発光部の上方位置に突起部を有する形状を採用する場合においても、突起部の頂部の下側に形成される下向傾斜面で反射されたランプ光が他の車両や歩行者から視認されにくくすることができる。
【0013】
この発明は、前記ミラーハウジングが、該ミラーハウジングの外郭の下側部分を構成するロアカバーと、前記該ミラーハウジングの外郭の上側部分を構成するアッパーカバーを有し、前記下向傾斜面は前記アッパーカバーに構成され、前記アッパーカバーは、前記ロアカバーの外表面よりも鏡面反射率が高い外表面を有するものとすることができる。これによれば、下向傾斜面は鏡面反射率が高い外表面を有するハウジング上側部品に構成されるので、下向傾斜面からのランプの反射光の強度は強い。しかし、この発明により、下向傾斜面からの反射光は実質的に水平方向よりも上方の外界に向けて放射されるので、他の車両や歩行者から視認されにくい。したがって、アッパーカバーが光沢メッキ、光沢塗装等による光沢面(平滑面)を有し、ロアカバーが非メッキで艶消し等の非光沢面(非平滑面)を有するようなハウジング外郭構造を不都合なく採用することができる。
【0014】
この発明において、前記ロアカバーは、前記下向傾斜面と前記発光部との間に配置される部分を有し、該部分は前記非光沢面、または、前記下向傾斜面と傾斜角度が異なる面、を有するものとすることができる。これによれば、ロアカバーが下向傾斜面と発光部との間に非光沢面、または、下向傾斜面と傾斜角度が異なる面、を有していても、下向傾斜面からの反射光は実質的に水平方向よりも上方の外界に向けて放射されるので、他の車両や歩行者から視認されにくい。したがって、ランプ光が上下に分割された発光パターンとなって見映えが悪くなるのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図3のドアミラーのA−A矢視位置の表面部分の断面形状を示す図である。
図2】本出願人の製品にかかる従来のランプ付きドアミラーのハウジングおよびサイドターンランプのレンズの断面形状を示す図で、この発明の実施の形態を示す図3のA−A矢視位置に相当する位置の断面形状を示す。
図3】この発明によるターンランプ付き右側ドアミラーの実施の形態を示す図で、ミラーハウジングの外郭を正面から見た図である。
図4図3のドアミラーを示す図で、ミラーハウジングの外郭を側面やや正面寄りから見た図である。
図5図3図4のドアミラーの分解斜視図である。
図6A図2の従来構造による下向傾斜面からのターンランプ光の反射光の上下方向の照射領域を示す図である。
図6B図1のこの発明の構造による下向傾斜面からのターンランプ光の反射光の上下方向の照射領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態を以下説明する。図3および図4はこの発明によるターンランプ付き右側ドアミラー10を示す。なお、図3および図4はドアミラー10のミラー回動部12のみを示しており、ミラー回動部12を車両の右側ドアに回動自在に固定支持するミラー固定部(ミラーベース)は図示を省略している。ミラー回動部12はミラー固定部に対して水平方向に回動自在に支持されて、使用位置(展開位置)と非使用位置(格納位置)に択一的に位置決めされる。ドアミラー10が車両に搭載されかつ使用位置にある状態で、図3はドアミラー10の車両前方側の位置から見た状態に相当し、図4はドアミラー10の車両右側方やや前方寄りの位置から見た状態に相当する。
【0017】
図3図4において、ミラー回動部12は、ミラーハウジング14と、ミラーハウジング14に組み込んで装着されたサイドターンランプ16を有する。ミラーハウジング14はボデー(バイザー)18、アッパーカバー20、ロアカバー22を有する。ボデー18はミラーハウジング14の前面側(ミラー板本体が配置される側)を構成する。アッパーカバー20およびロアカバー22はミラーハウジング14の外郭を構成する。このうちアッパーカバー20は外郭の上側部分を構成し、ロアカバー22は外郭の下側部分を構成する。ボデー18およびロアカバー22は、例えば黒色等の暗色のプラスチック材料による成型品でそれぞれ構成されている。ボデー18およびロアカバー22の表面は例えば無塗装で、暗色のプラスチック材料が表面に露出している。ロアカバー22の表面は例えば艶消し面で構成される。アッパーカバー20はプラスチック材料の成型品で構成され、外界に露出する表面はクロムメッキ等による、銀白色等の光沢を有する装飾金属メッキ面(鏡面)で構成されている。
【0018】
サイドターンランプ16は内部にLED等の光源(図示せず)を有し、該光源から発せられた光線(ターンランプ光)を、透明プラスチックで構成された、発光部を構成するレンズ26を透過して外界に放射する。レンズ26は、ミラーハウジング14の上下方向ほぼ中央部のロアカバー22の上部の領域に、横長に、かつミラーハウジング14の外形に合わせて横方向に湾曲して、ミラーハウジング14の正面から側面にかけて連続的に配置されている。ロアカバー22の上部の領域には、レンズ26を配置するための開口部28が切欠形成されている。レンズ26がロアカバー22に形成された開口部28に配置されることに伴い、レンズ26の上縁部とアッパーカバー20の下縁部との間には、ロアカバー22の開口部28の上側の部分で構成された横方向に細長く延在する中間配置部分22aが外界に露出して配置されている。したがって、アッパーカバー20は中間配置部分22aの上側に配置されている。
【0019】
ミラー回動部12を分解した状態を図5に示す。ボデー18は前面側に凹所24を有している。凹所24には電動格納ユニット、鏡面角度調整アクチュエータ等を固定したフレーム(いずれも図示せず)が収容固定される。電動格納ユニットはミラー回動部12をミラー固定部に回動自在に支持して、モータ駆動により、ミラー回動部12を使用位置と非使用位置に移動させる。鏡面角度調整アクチュエータにはミラー板本体を保持したミラーホルダが装着される。鏡面角度調整アクチュエータは、ミラーホルダを、モータ駆動で、所定の位置を中心に上下方向および左右方向に回動させて、ミラー板本体の鏡面角度を調整する。
【0020】
アッパーカバー20はロアカバー22の中間配置部分22aを挟んでレンズ26の上側に配置される。アッパーカバー20の下部にはその下縁部に沿って外方に突出した突起部(突条部)30が、レンズ26の上縁部に沿って横方向に延在して、アッパーカバー20の正面から側面にかけて連続的に形成されている。これに伴い、突起部30の頂部30aの下側には、斜め下向きに傾斜した、光沢を有する(つまり平滑面で構成された)下向傾斜面32がアッパーカバー20の正面から側面にかけて連続的に形成されている。ロアカバー22には、中間配置部分22aの上側に連続して、カバー連結部22bが一体に形成されている。
【0021】
ボデー18の背面にはサイドターンランプ16がねじ止めで固定装着される。この状態で、ボデー18の背面の下側部分にロアカバー22が爪係合等で固定装着される。このとき、サイドターンランプ16のレンズ26は、ロアカバー22の開口部28に挿入されて、外界に露出する。この状態でさらに、ボデー18の背面の上側部分に、アッパーカバー20が爪係合等で固定装着される。このときロアカバー22のカバー連結部22bはアッパーカバー20の下部の背後に隠れる。このアッパーカバー20とロアカバー22が重なった位置でアッパーカバー20とロアカバー22とは爪係合等により相互に連結される。これにより、ロアカバー22とアッパーカバー20とは面方向に隙間なく繋がった状態となる。以上の手順により、ミラー回動部12は図3図4に示す一体的に組み立てられた状態となる。
【0022】
図3のA−A矢視位置の表面部分の断面形状を図1に示す。アッパーカバー20には突起部30が形成されている。突起部30の頂部30aの下側には、斜め下向きに傾斜した、光沢を有する下向傾斜面32が形成されている。下向傾斜面32は図2の従来構造の傾斜角度(水平面に対し約50度)に比べて傾斜が急峻(水平面に対し約70度)に形成されている。レンズ26は前方に突出した縦断面形状を有する。この突出形状はレンズ26の長手方向(横方向)に延在している。この突出形状の突出量は図2の従来構造に比べて小さく(低く)設定されている。レンズ26と下向傾斜面32との間にはロアカバー22の中間配置部分22aが挟み込まれて配置されている。中間配置部分22aの表面は図2の従来構造と同程度の角度で斜め上向きに傾斜して形成されている。中間配置部分22aの傾斜角度はレンズ26の突出形状の頂部の上側の面の傾斜角度と同程度に設定されている。下向傾斜面32の表面は金属メッキによる鏡面(光沢面すなわち平滑面)に構成されている。中間配置部分22aの表面はロアカバー22を構成する暗色のプラスチック材料が露出した非鏡面(例えば艶消し面等の非光沢面すなわち非平滑面)で構成されている。
【0023】
レンズ26を透過して外界に放射されるターンランプ光はそのまま車両前方および側方および後側方の連続した水平方向の領域に向けて放射されて、他の車両や歩行者に視認されるほか、一部の光は下向傾斜面32に当たって反射される。図1のハッチングは、レンズ26から放射されたターンランプ光の下向傾斜面32による反射光が通過する上下方向の領域を示す。下向傾斜面32からの反射光の放射角度および放射領域は、この図からわかるように、下向傾斜面32とレンズ26の相対位置関係(レンズ26の突出量、突起部30の突出量、下向傾斜面32の傾斜角度等)によって変化する。図1によれば、下向傾斜面32によるターンランプ光の反射光は、車両前方および側方に向けて放射されるが、水平方向よりも上方の領域を通過するので、他の車両(対向車等)や歩行者から視認されにくい。したがって、他の車両や歩行者からは、レンズ26のみが明るく光った発光パターンに見える。
【0024】
図6A図6Bは、図2の従来構造と、図1のこの発明による構造による、下向傾斜面32からのターンランプ光の反射光の上下方向の照射領域の違いを示す。図6Aは従来構造による照射領域を示し、図6B図1の構造による照射領域を示す。下向傾斜面32の地面からの高さは137cmを想定している。図6Aの従来構造によれば、下向傾斜面32によるターンランプ光の反射光は、水平方向の下側から上側の広い領域に放射される。このため、歩行者34からは、レンズ26から直接到来するターンランプ光のほか、下向傾斜面32による反射光も同時に見えることになり、設計者が意図した、レンズ26のみが明るく光る発光パターンと異なる発光パターンに見える。これに対し、図6B図1の構造によれば、下向傾斜面32とレンズ26の相対位置関係が上述のように設定されているので、下向傾斜面32によるターンランプ光の反射光は、水平方向よりも上方の領域を通過する。図6Bの例では、反射光が通過する領域の下限位置が、下向傾斜面32の位置から水平方向に1m離れた位置で、地面から垂直方向に190cmの位置よりも上方位置を通過している。このような位置関係であれば、歩行者34は、背が高い人でも、車両から1m以上離れていれば、下向傾斜面32からの反射光は見えない。したがって、多くの場合、ターンランプ光は、設計者が意図したレンズ26のみが明るく光る発光パターンで歩行者や他の車両に視認されることになる。
【0025】
なお、前記実施の形態では光沢を有する下向傾斜面32がメッキ面(鏡面)である場合について説明したが、光沢を有する下向傾斜面32が光沢塗装面あるいはプラスチック材料の剥き出し光沢面等である場合にも、この発明を適用することができる。
【0026】
また、前記実施の形態ではレンズが前方に突出した縦断面形状を有する場合について説明したが、この発明はレンズがミラーハウジングに対し非突出縦断面形状(例えば平坦な縦断面形状等)である場合にも適用することができる。
【0027】
また、前記実施の形態ではランプがサイドターンランプである場合について説明したが、サイドターンランプ以外のランプであって、ミラーハウジングの正面部および/または側面部に発光部が配置されるランプ(例えばポジションランプ)を組み込んだ車両用アウターミラーにもこの発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
10…ドアミラー、12…ミラー回動部、14…ミラーハウジング、16…サイドターンランプ(ランプ)、18…ボデー(バイザー)、20…アッパーカバー、22…ロアカバー、22a…ロアカバーの中間配置部分(下向傾斜面とレンズとの間に配置される非光沢面かつ下向傾斜面と傾斜角度が異なる面)、26…レンズ(発光部)、30…突起部、30a…突起部の頂部、32…下向傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B