特許第6293611号(P6293611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

特許6293611端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム
<>
  • 特許6293611-端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム 図000002
  • 特許6293611-端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム 図000003
  • 特許6293611-端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム 図000004
  • 特許6293611-端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム 図000005
  • 特許6293611-端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム 図000006
  • 特許6293611-端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム 図000007
  • 特許6293611-端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293611
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】端末間で同一ページを同期して表示させるページ同期方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   G06F13/00 650A
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-160836(P2014-160836)
(22)【出願日】2014年8月6日
(65)【公開番号】特開2016-38684(P2016-38684A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2016年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】屏 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】新名 豪
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−051932(JP,A)
【文献】 特開2012−049771(JP,A)
【文献】 特開2014−119836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御端末及び被制御端末と、ページを配信するWebサーバと、制御端末及び被制御端末の間でページの表示を同期させる同期サーバとを有するシステムにおけるページ同期方法において、
制御端末が、ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバを介して被制御端末へ送信する第1のステップと、
被制御端末が、受信した前記ページ遷移通知の前記ページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバを介してWebサーバへ送信し、ページ応答を同期サーバを介して受信すると共に、同期サーバが前記ページ応答をキャッシュする第2のステップと、
被制御端末が、前記ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバを介して制御端末へ送信する第3のステップと
を有し、
制御端末が、受信した前記ページ遷移通知の前記ページアドレスを含むページ取得要求を同期サーバへ送信し、同期サーバからページ応答を受信することによって、被制御端末との間でページを同期させる
ことを特徴とするページ同期方法。
【請求項2】
第2のステップについて、
被制御端末が、受信した前記ページ遷移通知の前記ページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバへ送信する第21のステップと、
同期サーバが、前記ページ取得要求を、前記ページアドレスに基づく前記Webサーバへ転送し、前記Webサーバから受信したページ応答をキャッシュする第22のステップと、
同期サーバが、前記ページ応答に、ページ遷移通知を同期サーバへ送信するためのスクリプトを埋め込み、該ページ応答を被制御端末へ送信する第23のステップと、
被制御端末が、受信した前記ページ応答の当該ページを表示する第24のステップと
を有し、
第3のステップについて、被制御端末は、前記スクリプトを実行することによって、前記ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバへ送信し、
更に第4のステップとして、
制御端末が、受信した前記ページ遷移通知の前記ページアドレスを含むページ取得要求を、前記同期サーバへ送信する第41のステップと、
同期サーバが、第2のステップについてキャッシュされた、前記ページ取得要求のページアドレスに基づくページ応答を、制御端末へ送信する第42のステップと、
制御端末が、前記ページ応答の当該ページを表示する第43のステップと
を有することを特徴とする請求項1に記載のページ同期方法。
【請求項3】
第1のステップについて、制御端末が、前記ページアドレスを含む前記ページ取得要求を同期サーバへ送信すると共に、前記ページアドレスを含むページ遷移通知を同期サーバへ送信し、同期サーバが、前記ページ取得要求を保留し、
第4のステップとして、同期サーバが、保留している前記ページ取得要求に対するページ応答を制御端末へ送信し、制御端末が当該ページを表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のページ同期方法。
【請求項4】
第1のステップについて、同期サーバは、ページ遷移通知を被制御端末へ送信した後、所定時間を計時する第1のタイマを起動し、
同期サーバは、第1のタイマがタイムアウトした際に、ページ遷移損失通知を、制御端末へ送信し、
制御端末は、前記ページ遷移損失通知を受信したことによる再試行アラームを明示する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のページ同期方法。
【請求項5】
第1のステップについて、制御端末は、ページ遷移通知を同期サーバへ送信した後、所定時間を計時する第2のタイマを起動し、
制御端末は、第2のタイマがタイムアウトした際に、先のページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバへ送信する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のページ同期方法。
【請求項6】
第1のステップについて、制御端末は、表示画面に対するリンクボタンの選択又はテキストの入力完了の操作によって、次のページアドレスを含む前記ページ遷移通知を送信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のページ同期方法。
【請求項7】
制御端末及び被制御端末と、ページを配信するWebサーバと通信可能であって、制御端末及び被制御端末の間でページの表示を同期させるサーバのページ同期方法において、
前記サーバは、
制御端末又は被制御端末から、ページアドレスを含むページ遷移通知を受信し、該ページ遷移通知を被制御端末又は制御端末へ転送する第1のステップと、
被制御端末から受信したページアドレスを含むページ取得要求を、Webサーバへ転送し、該Webサーバから受信したページ応答を、被制御端末へ返信する第2のステップと、
被制御端末へ返信したページ応答をキャッシュする第3のステップと、
制御端末から、ページアドレスを含むページ取得要求を受信した際に、第3のステップで先に蓄積されたページ応答を、制御端末へ返信する第4のステップと
を実行し、制御端末と被制御端末との間でページを同期させることを特徴とするサーバのページ同期方法。
【請求項8】
制御端末及び被制御端末と、ページを配信するWebサーバと通信可能であって、制御端末及び被制御端末の間でページの表示を同期させるサーバに搭載されたコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
制御端末又は被制御端末から、ページアドレスを含むページ遷移通知を受信し、該ページ遷移通知を被制御端末又は制御端末へ転送する第1のステップと、
被制御端末から受信したページアドレスを含むページ取得要求を、Webサーバへ転送し、該Webサーバから受信したページ応答を、被制御端末へ返信する第2のステップと、
被制御端末へ返信したページ応答をキャッシュする第3のステップと、
制御端末から、ページアドレスを含むページ取得要求を受信した際に、第3のステップで先に蓄積されたページ応答を、制御端末へ返信する第4のステップと
をコンピュータに実行させ、制御端末と被制御端末との間でページを同期させることを特徴とするサーバ用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末間で、各ブラウザに同一ページを同期して表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ操作に基づく端末には、インターネットに接続し、様々なメディアを再生及び操作するためのユーザインタフェースとしての「Webブラウザ」が一般的に実装されている。ブラウザは、特にAJAX(Asynchronous JavaScript + XML)の普及によって、非同期でのコンテンツの取得や、動的なコンテンツの描画を可能とする。これに対し、近年、複数の端末間で、各ブラウザに同一ページを同期して表示させる技術が普及してきている。
【0003】
従来、制御端末及び被制御端末が、同期制御サーバを介してWebサーバにアクセスすることによって、制御端末のブラウザ上での操作を、被制御端末と同期させる技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、最初に、制御端末及び被制御端末はそれぞれ、ユーザ操作に基づいて同期するウィンドウとは別に、同期制御サーバとの間の通信を管理するノードマネジャのウィンドウを開く。制御端末について、ブラウザ上でユーザ操作に基づくページ遷移のイベントは、ページマネジャによって検知され、そのイベントは同期制御サーバへ送信される。同期制御サーバは、そのイベント情報を、被制御端末へ送信する。被制御端末は、イベント情報をノードマネジャによって受信し、そのイベント情報がページに反映される。このように、同期制御サーバを仲介させることによって、既存のWebサーバに更なる機能を追加することなく、ページ同期サービスを提供する。
【0004】
同一出願人に基づく従来技術として、既存のWebサーバに更なる機能を追加することなく、かつ、端末に実装された既存ブラウザを用いて、複数の端末間で同一ページを表示させる技術がある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、端末とWebサーバとの間の通信を全て、同期制御サーバが仲介する。同期制御サーバは、Webサーバから返信されたページ応答に、同期制御スクリプトを含めて端末へ返信することによって、当該端末に対するユーザ操作に基づく操作イベントを、同期制御サーバへ送信するように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−215173号公報
【特許文献2】特開2012−049771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来技術によれば、ページを遷移する場合、以下のようなステップを実行することによって、制御端末と被制御端末との間で同一ページを同期させる。
(1)制御端末が、ページ取得要求を送信し、ページ応答を受信することによって、遷移先ページを取得する。
(2)制御端末が、ページ遷移イベントを、同期制御サーバを介して被制御端末へ送信する。
(3)被制御端末は、そのページ遷移イベントに基づいてページ取得要求を送信し、ページ応答を受信することによって、遷移先ページを取得する。
【0007】
ここで、例えば、カスタマーサービスにおけるコールセンタ側のオペレータ端末と、顧客側のユーザ端末との間で、ブラウザに同一ページを同期して表示する場合を想定する。通常、コールセンタのオペレータが主導して顧客の端末を制御するために、オペレータ端末が制御端末に相当し、ユーザ端末が被制御端末に相当する。オペレータ端末が先にページ遷移を実行し、その後、ユーザ端末のページ遷移が実行される。
【0008】
しかしながら、制御端末から送信したページ遷移イベントが、ネットワーク障害やセッション切断によって、被制御端末で受信できなかったとする。このとき、制御端末と被制御端末との間でページ画面の不一致が生じる。カスタマーサービスによれば、その後のサポートが円滑に進まない場合が生じる。
【0009】
特に、オペレータが、制御端末の画面が被制御端末の画面と同期していると思い込んだまま、顧客との会話を進めてしまうと、サポートが円滑に進まなくなる可能性が高くなる。この場合、カスタマーサービスの性質上、顧客操作によって画面の一致を回復させるより、オペレータ操作で画面の一致を回復させるほうが望ましい。しかし、例えばブラウザの「戻る」ボタンをクリックした場合、通常、ブラウザにキャッシュされたページを読み込むために、同期がとれなくなる不具合が生じる場合がある。また、画面の同期を回復させるためには、ブラウザキャッシュのクリアが必要となるなど、多くの操作ステップが必要となる場合がある。
【0010】
そこで、本発明によれば、制御端末から見て、被制御端末の表示画面と常に一致するようにページが同期して表示されるページ同期方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、制御端末及び被制御端末と、ページを配信するWebサーバと、制御端末及び被制御端末の間でページの表示を同期させる同期サーバとを有するシステムにおけるページ同期方法において、
制御端末が、ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバを介して被制御端末へ送信する第1のステップと、
被制御端末が、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバを介してWebサーバへ送信し、ページ応答を同期サーバを介して受信すると共に、同期サーバがページ応答をキャッシュする第2のステップと、
被制御端末が、ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバを介して制御端末へ送信する第3のステップと
を有し、
制御端末が、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を同期サーバへ送信し、同期サーバからページ応答を受信することによって、被制御端末との間でページを同期させる
ことを特徴とする。
【0012】
本発明のページ同期方法における他の実施形態によれば、
第2のステップについて、
被制御端末が、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバへ送信する第21のステップと、
同期サーバが、ページ取得要求を、ページアドレスに基づくWebサーバへ転送し、Webサーバから受信したページ応答をキャッシュする第22のステップと、
同期サーバが、ページ応答に、ページ遷移通知を同期サーバへ送信するためのスクリプトを埋め込み、該ページ応答を被制御端末へ送信する第23のステップと、
被制御端末が、受信したページ応答の当該ページを表示する第24のステップと
を有し、
第3のステップについて、被制御端末は、スクリプトを実行することによって、ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバへ送信し、
更に第4のステップとして、
制御端末が、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバへ送信する第41のステップと、
同期サーバが、第2のステップについてキャッシュされた、ページ取得要求のページアドレスに基づくページ応答を、制御端末へ送信する第42のステップと、
制御端末が、ページ応答の当該ページを表示する第43のステップと
を有することも好ましい。
【0013】
本発明のページ同期方法における他の実施形態によれば、
第1のステップについて、制御端末が、ページアドレスを含むページ取得要求を同期サーバへ送信すると共に、ページアドレスを含むページ遷移通知を同期サーバへ送信し、同期サーバが、ページ取得要求を保留し、
第4のステップとして、同期サーバが、保留しているページ取得要求に対するページ応答を制御端末へ送信し、制御端末が当該ページを表示することも好ましい。
【0014】
本発明のページ同期方法における他の実施形態によれば、
第1のステップについて、同期サーバは、ページ遷移通知を被制御端末へ送信した後、所定時間を計時する第1のタイマを起動し、
同期サーバは、第1のタイマがタイムアウトした際に、ページ遷移損失通知を、制御端末へ送信し、
制御端末は、ページ遷移損失通知を受信したことによる再試行アラームを明示する
ことも好ましい。
【0015】
本発明のページ同期方法における他の実施形態によれば、
第1のステップについて、制御端末は、ページ遷移通知を同期サーバへ送信した後、所定時間を計時する第2のタイマを起動し、
制御端末は、第2のタイマがタイムアウトした際に、先のページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバへ送信することも好ましい。
【0016】
本発明のページ同期方法における他の実施形態によれば、
第1のステップについて、制御端末は、表示画面に対するリンクボタンの選択又はテキストの入力完了の操作によって、次のページアドレスを含むページ遷移通知を送信することも好ましい。
【0017】
本発明によれば、制御端末及び被制御端末と、ページを配信するWebサーバと通信可能であって、制御端末及び被制御端末の間でページの表示を同期させるサーバのページ同期方法において、
サーバは、
制御端末又は被制御端末から、ページアドレスを含むページ遷移通知を受信し、該ページ遷移通知を被制御端末又は制御端末へ転送する第1のステップと、
被制御端末から受信したページアドレスを含むページ取得要求を、Webサーバへ転送し、該Webサーバから受信したページ応答を、被制御端末へ返信する第2のステップと、
被制御端末へ返信したページ応答をキャッシュする第3のステップと、
制御端末から、ページアドレスを含むページ取得要求を受信した際に、第3のステップで先に蓄積されたページ応答を、制御端末へ返信する第4のステップと
を実行し、制御端末と被制御端末との間でページを同期させることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、制御端末及び被制御端末と、ページを配信するWebサーバと通信可能であって、制御端末及び被制御端末の間でページの表示を同期させるサーバに搭載されたコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
制御端末又は被制御端末から、ページアドレスを含むページ遷移通知を受信し、該ページ遷移通知を被制御端末又は制御端末へ転送する第1のステップと、
被制御端末から受信したページアドレスを含むページ取得要求を、Webサーバへ転送し、該Webサーバから受信したページ応答を、被制御端末へ返信する第2のステップと、
被制御端末へ返信したページ応答をキャッシュする第3のステップと、
制御端末から、ページアドレスを含むページ取得要求を受信した際に、第3のステップで先に蓄積されたページ応答を、制御端末へ返信する第4のステップと
をコンピュータに実行させ、制御端末と被制御端末との間でページを同期させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のページ同期方法及びプログラムによれば、制御端末から見て、被制御端末の表示画面と常に一致するようにページが同期して表示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明におけるシステム構成図である。
図2】本発明における第1のシーケンス図である。
図3】本発明における第2のシーケンス図である。
図4】本発明における第3のシーケンス図である。
図5】同期サーバから被制御端末へ送信したページ遷移通知がロスした場合を表すシーケンス図である。
図6】同期サーバから制御端末へ送信したページ遷移通知がロスした場合を表すシーケンス図である。
図7】本発明における同期サーバの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明におけるシステム構成図である。
【0023】
図1によれば、同期サーバ1、端末2及びWebサーバ3が、インターネットに接続されている。端末2は、プロキシサーバとして機能する同期サーバ1を介して、Webサーバ3へページ取得要求を送信し、Webページを取得することができる。即ち、同期サーバ1は、端末2に対してはWebサーバとして機能し、Webサーバ3に対してはWebクライアントとして機能する。同期サーバ1は、不特定多数の端末からアクセスされるものであってもよいし、特定のネットワークドメインに接続する端末からのアクセスのみ受け付けるものであってもよい。
【0024】
例えば、コールセンタのオペレータ端末と、顧客のユーザ端末との間で、ページを同期させることを想定する。この場合、オペレータ端末が「制御端末」となり、ユーザ側端末が「被制御端末」となる。これら端末2は、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォンやタブレット端末であってもよい。端末2は、ブラウザを実装しており、受信したWebページを再生及び操作する。ブラウザは、1つ以上のウィンドウを表示し、ウィンドウ毎にWebページを表示する。
【0025】
図2は、本発明における第1のシーケンス図である。
【0026】
本発明によれば、制御端末のオペレータが被制御端末と同期を所望するページについて、先に、被制御端末で表示が完了した後、制御端末で表示が完了するように制御される。図2によれば、本発明は、大きく以下の4つのステップを実行する。
[ステップ1:S1]制御端末が、ページアドレス(URL(Uniform Resource Locator))を含む「ページ遷移通知」を、同期サーバを介して被制御端末へ送信する。
[ステップ2:S2]被制御端末が、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバを介してWebサーバへ送信し、ページ応答を同期サーバを介して受信する。また、同期サーバは、そのページ応答をキャッシュする。
[ステップ3:S3]被制御端末が、ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバを介して制御端末へ送信する。
[ステップ4:S4]制御端末が、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を同期サーバへ送信し、同期サーバからページ応答を受信することによって、被制御端末との間でページを同期させる。
【0027】
[ステップ1:S1]
制御端末2Aは、同期を所望するページのページアドレスを含む「ページ遷移通知」を、同期サーバ1へ送信する。
これに対し、同期サーバ1は、制御端末2Aから受信した当該ページ遷移通知を被制御端末2Bへ転送する。
【0028】
前述した図1によれば、コールセンタのオペレータ端末2Aには、ユーザと同期するためのサポートメニュー画面が表示されている。サポートメニューページには、ユーザ側端末2Bとの間で同期して遷移させたいページのタイトル(ボタン)が列挙されている。タイトルをクリックすることによって、いずれかのページが選択される。また、任意のURLを入力する欄が設けられており、オペレータ自ら、同期して遷移させたいページのURLを入力することができる。そして、オペレータが、通知ボタンを押下することによって、制御端末2Aは、ページ遷移通知を同期サーバ1へ送信する。
【0029】
[ステップ2:S2]
(S21)被制御端末2Bは、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバ1へ送信する。「ページ取得要求」は、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)のGETメソッドのリクエストである。
【0030】
(S22)ここで、同期サーバ1は、ページ取得要求のページアドレスにおけるページをキャッシュしていない。そのために、同期サーバ1は、そのページ取得要求を、ページアドレスに基づくWebサーバ3へ転送する。これに対し、同期サーバ1は、Webサーバ3からページ応答を受信し、そのページ応答をキャッシュする。
【0031】
(S23)同期サーバ1は、ページ遷移通知を同期サーバへ送信するための「スクリプト」を埋め込んだページ応答(200OK)を、被制御端末2Bへ返信する。スクリプトには、被制御端末2が動作すべき機能が記述されている。
【0032】
「スクリプト」とは、機械語へのコンパイル(変換)を実行する必要がない簡易プログラムをいう。一般に、実行形式のプログラムは、ソースコードを機械語にコンパイルする必要があるのに対して、スクリプトはコンパイルを必要としない。スクリプトは、一般に、WebページのHTML(Hyper Text Markup Language)に埋め込まれる。これによって、特別な開発環境は要さず、HTMLだけでは提供できない様々な機能を、スクリプトを実行することによって提供する。スクリプト記述言語としては、例えばJavaScript(登録商標)、VBScript(登録商標)、Perl(登録商標)等がある。
【0033】
ここで、JavaScriptとは、Web上で、インタラクティブに表現可能とするべきオブジェクト指向のスクリプト言語である。JavaScriptは、端末に実装された既存のブラウザによって実行できる。
例えば、HTMLファイルに、以下のようなダグを組み込むことができる。
<script type="text/javascript" src="sample.js">
・・・・・・・・・・・・
</script>
このタグは、「JavaScriptを使用しており、そのスクリプトファイルはsample.jsである」ことを意味する。本発明によれば、jsファイル(同期制御スクリプト)には、例えばページ応答を受信した被制御端末2Bが、同期サーバ1へページ遷移通知を送信するべき機能が記述される。
【0034】
(S24)被制御端末2Bは、ページ応答におけるレンダリング処理を実行し、そのディスプレイに当該ページを表示する。
【0035】
[ステップ3:S3]このとき、被制御端末2Bは、当該ページに埋め込まれたスクリプトも実行する。これによって、被制御端末2Bは、ページアドレスを含むページ遷移通知を、同期サーバ1へ送信する。
これに対し、同期サーバ1は、被制御端末2Bから受信した当該ページ遷移通知を制御端末2Aへ転送する。
【0036】
[ステップ4:S4]
(S41)制御端末2Aは、受信したページ遷移通知のページアドレスを含むページ取得要求を、同期サーバ1へ送信する。
(S42)このとき、同期サーバ1は、ページ取得要求のページアドレスにおけるページを、既にキャッシュしている。そのために直ぐに、そのページ応答を、制御端末2Aへ返信することができる。
(S43)制御端末2Aは、ページ応答についてレンダリング処理を実行し、当該ページを表示する。
【0037】
前述したS1〜S4のステップによれば、被制御端末2Bから送信されたページ取得要求によって、同期サーバ1にそのページを予めキャッシュさせた後、制御端末2Aから送信されたページ取得要求によって、その同期ページを制御端末2Aへ返信する。これによって、制御端末2Aと被制御端末2Bとの間で、同一ページを同期して表示させることができる。
【0038】
図3は、本発明における第2のシーケンス図である。
【0039】
図3の第2のシーケンスは、図2の第1のシーケンスと同様にメッセージが交換されているが、リクエストを保留する「Comet」が用いられている。「Comet」とは、サーバで発生したイベントを、端末からの要求メッセージを受信することなく、当該端末へ送信することができる。具体的には、サーバは、端末からのリクエストに対して直ぐに応答することなく保留状態にしておく。当該サーバで、所定ページで何らかのイベントが発生したときに、そのページを応答する。これによって、サーバで発生したイベントを、直ぐに端末へ送信することができる。
【0040】
以下では、図3の第2のシーケンスについて、図2の第1のシーケンスと相違するS0,S1,S3についてのみ、説明する。
【0041】
(S0)制御端末2A及び2Bはそれぞれ、同期サーバ1へ、Cometリクエストを予め送信しておく。
これに対し、同期サーバ1は、このCometリクエストを保留状態とする。同期サーバ1は、保留したCometリクエストに対するレスポンス(200OK)を、制御端末2A及び2Bへ送信すべきページ遷移通知として用いる。
このようにして、制御端末2A及び被制御端末2Bは、同期サーバ1との間で予めセッションを確立しておく。
【0042】
(S1)(S3)制御端末2A(又は被制御端末2B)は、同期サーバ1へ送信する「ページ遷移通知」を、HTTPのPOSTメソッドのメッセージとして構成する。POSTリクエストのページ遷移通知を受信した同期サーバ1は直ぐに、応答(200OK)を返信する。
ここで、同期サーバ1は、当該ページ遷移通知を、S0で保留していたCometレスポンス(200OK)として、被制御端末2B(又は制御端末2A)へ転送する。
被制御端末2B(又は制御端末2A)は、ページ遷移通知を、Cometレスポンス(200OK)として受信する。
尚、被制御端末2B(又は制御端末2A)は、次のイベントを受信することができるように、同期サーバ1へ、再度、Cometリクエストを送信しておく。
【0043】
図4は、本発明における第3のシーケンス図である。
【0044】
図4の第3のシーケンスは、図3の第2のシーケンスと比較して、Cometを用いることなく、ページ取得要求を保留するものである。
(S41)図4によれば、制御端末2Aは、ステップS1と同時に又は前段で、図2のS41のページ取得要求を予め送信している。即ち、制御端末2Aは、ページ取得要求(S41)及びページ遷移通知(S1)を、ほぼ同時に、同期サーバ1へ送信する。ここで、同期サーバ1は、ページ取得要求を保留する。
【0045】
(S42)同期サーバ1は、制御端末2Bからページ遷移通知を受信した際に、そのページ遷移通知に含まれるページアドレス(URL)を確認する。そのページアドレスが、既にキャッシュしているページと一致する場合、そのキャッシュしているページを含むページ応答を制御端末2Aへ返信する。同期サーバ1が、改めてWebサーバ1へアクセスすることなく、制御端末2Aへ、ページ応答を返信することができる。
【0046】
図5は、同期サーバから被制御端末へ送信したページ遷移通知がロスした場合を表すシーケンス図である。
【0047】
S1について、図5によれば、制御端末2Aがページ遷移通知を同期サーバ1へ送信し、同期サーバ1が、そのページ遷移通知を被制御端末2Bへ送信している。このとき、同期サーバ1から送信されたページ遷移通知が、何らかの理由(例えばネットワーク障害やセッション切断等)で、被制御端末2Bに到達しなかったとする。
【0048】
本発明の同期サーバ1は、ページ遷移通知を被制御端末2Bへ送信した後、所定時間を計時する「第1のタイマ」を起動する。そして、被制御端末2Bからページ取得要求を受信せずに、第1のタイマがタイムアウトした際に、同期サーバ1は、「ページ遷移損失通知」を、制御端末2Aへ送信する。制御端末2Aは、ページ遷移損失通知を受信したことによって、再試行アラームをオペレータへ明示する(例えばポップアップ)ことができる。
【0049】
このとき、制御端末2A及び被制御端末2B共に、ページが遷移していないために、表示されているページの同期が保たれている。制御端末2Aを操作するオペレータは、再度、ページ遷移操作を再試行することができる。
【0050】
図6は、同期サーバから制御端末へ送信したページ遷移通知がロスした場合を表すシーケンス図である。
【0051】
S3について、図6によれば、被制御端末2Bがページ遷移通知を同期サーバ1へ送信し、同期サーバ1が、そのページ遷移通知を制御端末2Aへ送信している。このとき、同期サーバ1から送信されたページ遷移通知が、何らかの理由(例えばネットワーク障害やセッション切断等)で、制御端末2Aに到達しなかったとする。このとき、同期サーバ1は、制御端末2Aと通信できない状態にあるために、図5のように、ページ遷移損失通知を制御端末2Aへ送信することができない。
【0052】
本発明の制御端末2Aは、ページ遷移通知を同期サーバへ送信した後、所定時間を計時する「第2のタイマ」を起動する。そして、同期サーバ1からページ取得要求を受信せずに、第2のタイマがタイムアウトした際に、制御端末2Aは、第4のステップについて、先のページ遷移通知のページアドレスを含む「ページ取得要求」を、同期サーバ1へ送信する(図2のS41参照)。ここで、制御端末2Aについて、新たなページ取得要求は、第2のタイマのタイムアウトと同時に自動的に送信されるものであってもよいし、オペレータ操作に基づいて手動的に送信されるものであってもよい。
【0053】
S3について、同期サーバ1から制御端末2Aへ送信されたページ遷移通知が損失した場合、同期サーバ1は、そのページ自体を既にキャッシュしている。そのために、同期サーバ1は、第2のタイマのタイムアウトによって、制御端末2Aからページ取得要求を受信した場合、そのページを含むページ応答を直ぐに、制御端末2Aへ返信することができる。
【0054】
このとき、制御端末2A及び被制御端末2B共に、ページが遷移するために、表示されているページの同期が保たれる。
【0055】
図7は、本発明における同期サーバの機能構成図である。
【0056】
図7によれば、同期サーバ1は、インターネットに接続する通信インタフェース10と、HTTP処理部11と、プロキシ機能部12と、ページ遷移通知転送部13と、ページ要求応答転送部14と、ページ応答キャッシュ部15と、ページ応答返信部16とを有する。通信インタフェースを除くこれら機能構成部は、サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0057】
HTTP処理部11は、HTTPに基づくメッセージを、端末2及びWebサーバ3との間で交換する。
【0058】
プロキシ機能部12は、端末2に対してはWebサーバとして機能し、Webサーバ3に対してはWebクライアントとして機能する。
【0059】
ページ遷移通知転送部13は、制御端末2A又は被制御端末2Bから、ページアドレスを含む「ページ遷移通知」を受信し、その「ページ遷移通知」を被制御端末2B又は制御端末2Aへ転送する。
制御端末2A->(ページ遷移通知)->被制御端末2B(図2のS1参照)
被制御端末2B->(ページ遷移通知)->制御端末2A(図2のS3参照)
【0060】
ページ要求応答転送部14は、被制御端末2Bから受信したページアドレスを含むページ取得要求を、Webサーバ3へ転送する(図2のS2参照)。そして、ページ要求応答転送部14は、Webサーバ3から受信したページ応答を、被制御端末2Bへ返信する。ここで、ページ要求応答転送部14は、被制御端末2Bへ返信するページ応答に、スクリプトを埋め込む。そのスクリプトには、当該ページ応答を受信した被制御端末2Bが、同期サーバ1へ「ページ遷移通知」を送信するべき機能が記述される。
【0061】
ページ応答キャッシュ部15は、被制御端末2Bへ返信したページ応答をキャッシュする(図2のS22参照)。
【0062】
ページ応答返信部16は、制御端末2Aから、ページアドレスを含む「ページ取得要求」を受信した際に、ページ応答キャッシュ部15に先に蓄積されたページ応答を、制御端末2Aへ返信する(図2のS4参照)。
【0063】
以上、詳細に説明したように、本発明のページ同期方法及びプログラムによれば、制御端末から見て、被制御端末の表示画面と常に一致するようにページが同期して表示される。
【0064】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0065】
1 同期サーバ
10 通信インタフェース
11 HTTP処理部
12 プロキシ機能部
13 ページ遷移通知転送部
14 ページ要求応答転送部
15 ページ応答キャッシュ部
16 ページ応答返信部
2A 制御端末
2B 被制御端末
3 Webサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7