特許第6293668号(P6293668)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293668
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】口腔ケア洗浄及び処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/02 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   A61C17/02 G
   A61C17/02 B
【請求項の数】9
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2014-545954(P2014-545954)
(86)(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公表番号】特表2015-502217(P2015-502217A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】US2012067165
(87)【国際公開番号】WO2013085804
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】13/314,263
(32)【優先日】2011年12月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506105814
【氏名又は名称】ジヨンソン・アンド・ジヨンソン・コンシユーマー・インコーポレーテツド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フゼア・リチャード・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フシ・ロバート・ダブリュ・ザ・セカンド
(72)【発明者】
【氏名】マクドナウ・ジャスティン・イー
【審査官】 胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03489141(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0027746(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/014628(WO,A1)
【文献】 特開2006−166963(JP,A)
【文献】 実開平06−064522(JP,U)
【文献】 特開2002−045378(JP,A)
【文献】 米国特許第3379192(US,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0138680(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を哺乳類の口腔の複数の表面上へ方向付けるための装置であって、
ハンドルであって、
前記ハンドル内に前記液体を受容するための第1ポート及び第2ポートであって、前記ハンドルの近位端に位置する、第1ポート及び第2ポートと、
前記液体を移送するための第1チャネル及び第2チャネルであって、前記ハンドルの前記近位端において前記第1ポート及び第2ポートに接続され、かつ前記ハンドルを通じて長手方向に延びる、第1チャネル及び第2チャネルと、を備える、ハンドルと、
ネック部であって、
前記ネック部を通じて長手方向に延びる、前記液体を移送するための前記第1チャネル及び第2チャネルを備える、ネック部と、
ヘッド部であって、
洗浄構成要素であって、前記洗浄構成要素が、前記複数の表面に近接するように前記液体を維持するためのチャンバを備え、前記チャンバが、近位封止膜及び遠位封止膜、前記近位封止膜と前記遠位封止膜との間に長手方向に延びる第1内側側壁部及び第2内側側壁部、並びに前記第1内側側壁部と前記第2内側側壁部との間に水平方向にかつ前記近位封止膜と前記遠位封止膜との間に長手方向に延びる基部内側壁部によって画定され、前記第1内側側壁部及び前記第2内側側壁部が複数の開口部を備える、洗浄構成要素と、
前記液体の第1部分を収容し、かつ前記第1内側側壁部の前記開口部を通して前記第1部分を前記チャンバへ提供するための第1マニホールドと、
前記液体の第2部分を収容し、かつ前記第2内側側壁部の前記開口部を通して前記第2部分を前記チャンバへ提供するための第2マニホールドと、
前記液体の第1部分を前記第1マニホールドへかつ/又は前記第1マニホールドから搬送するための第1ポートと、
前記液体の第2部分を前記第2マニホールドへかつ/又は前記第2マニホールドから搬送するための第2ポートと、を備えるヘッド部とを備え、
前記洗浄構成要素が前記ヘッド部の横軸及び縦軸の周りに回転可能であり、
第1の機能および第2の機能が交互に実行されるものであり、前記第1の機能において、前記液体が、前記ハンドルの前記近位端に位置する前記第1ポートから前記第1マニホールドおよび前記第1内側側壁部の前記開口部を介して前記チャンバに搬送されて、前記口腔の前記表面に接触し、同時に、前記液体が、前記チャンバから、前記第2内側側壁部の前記開口部、前記第2マニホールド、及び、前記ハンドルの前記近位端に位置する前記第2ポートを介して、前記装置に戻り、前記第2の機能において、前記液体が、前記ハンドルの前記近位端に位置する前記第2ポートから前記第2マニホールドおよび前記第2内側側壁部の前記開口部を介して前記チャンバに搬送されて、前記口腔の前記表面に接触し、同時に、前記液体が、前記チャンバから、前記第1内側側壁部の前記開口部、前記第1マニホールド、及び、前記ハンドルの前記近位端に位置する前記第1ポートを介して、前記装置に戻る、装置。
【請求項2】
前記液体を前記装置に提供するための手段に前記装置を取り付けるための手段を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記取り付け手段が、前記液体を前記装置に提供するための前記手段に前記装置を取り付けるための急速分離構造を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1マニホールドにより接続された複数の第1ルーメン及び前記第2マニホールドにより接続された複数の第2ルーメンを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記開口部の数、位置及び断面形状が、前記口腔に有益効果を提供するために有効であるスプレーパターンを提供するために効果的である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記口腔の上部セクション及び底部セクション両方の複数の表面の実質的に同時の接触を提供するための第2洗浄構成要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記開口部の前記断面形状が、円形、楕円形及び台形からなる群から選択される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記基部内側壁部が、前記効果的な封止を提供するための柔軟な膜を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記効果的な封止を提供するための、柔軟な歯肉封止膜を含む、請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本願は、2010年7月28日に出願された米国出願第12/844,875号の一部継続出願、2010年7月28日に出願された米国出願第12/844,879号の一部継続出願、2010年7月28日に出願された米国出願第12/844,883号の一部継続出願、及び2010年7月28日に出願された米国出願第12/844,885号の一部継続出願であり、これらは2009年7月30日に出願された米国仮出願第61/229,839号の利益を主張し、該特許文献のそれぞれの完全な開示は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、哺乳類の口腔に有益効果を提供する、家庭用用途に好適な口腔ケア装置に関する。
【背景技術】
【0003】
定期的な専門家による歯科検診に加え、日常的な口腔衛生が一般的に、歯周病、歯肉炎及び/又は虫歯の発現、進行、及び/又は悪化に対する効果的な予防措置として認識されている。しかし残念なことに、十分な歯磨きやデンタルフロスの実施を行っている最も注意深い個人でさえも、多くの場合、歯茎の奥及び/又は歯間深くの食物微粒子、歯垢又はバイオフィルムに届き、緩めかつ除去することができていない。ほとんどの個人は、歯石(tarter)堆積物を除去するために半年ごとに専門家による歯の洗浄を受ける。
【0004】
長年にわたり、単純な歯の家庭洗浄を促進するための製品が考案されてきたが、使用が簡単でかつ歯及び/又は歯肉若しくは歯肉縁下部の全ての表面を同時に洗浄するための単一の装置は未だ入手可能でない。従来の歯ブラシは広範に使用されているがこれは、効果的であるためには多大な労力を投じることを必要とし、更に従来の歯ブラシは隣接歯間領域を十分に洗浄することができない。歯間領域の洗浄は、現在、歯ブラシ以外に、フロス、楊枝、又はいくつかのそのような他の追加的な装置を必要とする。
【0005】
電気歯ブラシは非常な人気を博しており、これらは歯ブラシを使用するために必要な労力の投入を低減するものの、依然として適切な隣接歯間の洗浄を確実にするためには不十分である。口腔イリガートルは歯の間の隣接歯間領域を洗浄するものとして既知である。しかしながら、このような装置は、食渣を除去するために、関連する正確な歯間領域に向けられなくてはならない単一のジェットを有する。これらウォーターポンプ式洗浄機は、そのため、典型的には、食物の大径粒子をそこに捉えるブレースを有する歯に関してのみ有意義である。食渣及び歯垢の両方が歯から除去されるべき場合においては、現在、多くの装置が組み合わせて使用されなくてはならず、これは非常に時間がかかり、不便であることが理解される。
【0006】
加えて、このような実施及び装置が効果的であるためには、消費者が技術及び/又は指示を高度に遵守することが要求される。時間、洗浄/処理方式、技術などのユーザー間における違いは、歯の洗浄に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の欠点の1つ以上を既存の口腔衛生装置及び方法を用いて改善する、若しくは既知の技術よりも有利である代替の技術を少なくとも提供する、更にまた、有害な状態を改善したり若しくは口腔の美的外観を向上させたりするのに利用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、液体を哺乳類の口腔の複数の表面上へ方向付けるための装置であり、この装置はハンドル、ネック部及びヘッド部を備える。ハンドルは、液体供給源から液体を受容するためのその近位端に位置する第1ポート及び第2ポートと、該ポートに接続され、かつハンドルを通じて長手方向に延びる、ハンドルを通して装置のネック部まで液体を移送するための第1及び第2チャネルとを備える。ネック部は、ネック部を通してヘッド部まで液体を移送するための第1チャネル及び第2チャネルを備える。ヘッド部は、複数の表面に近接するように液体を維持するためのチャンバを備える洗浄構成要素を備え、チャンバの内部空間又は体積が、近位封止膜及び遠位封止膜、第1封止膜と第2封止膜との間に長手方向に延びる第1内側側壁部及び第2内側側壁部、並びに第1内側側壁部と第2内側側壁部との間に水平方向にかつ近位封止膜と遠位封止膜との間に長手方向に延びる基部内側壁部によって画定されかつ境界付けされる。内側側壁部はそれぞれ複数の開口部を備え、該開口部を通って液体が口腔の表面上に方向付けられる。装置は、液体の第1部分を収容し、かつ第1内側側壁部の開口部を通して第1部分をチャンバへ提供するための第1マニホールドと、液体の第2部分を収容し、かつ第2内側側壁部の開口部を通して第2部分をチャンバへ提供するための第2マニホールドと、を更に備える。装置は、液体の第1部分を第1マニホールドへかつ第1マニホールドから搬送するための第1ポートと、液体の第2部分を第2マニホールドへかつ第2マニホールドから搬送するための第2ポートと、口腔内の装置の有効な封止を提供するための手段と、を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による装置を使用するシステムの一実施形態の概略図である。
図2】本発明による装置を使用するシステムの代替の実施形態の概略図である。
図3a】往復式流量制御装置の実施形態の斜視図である。
図3b図3aの往復流制御装置の分解図である。
図3c】第1位置にある図3aの往復流制御装置の平面図である。
図3d】第2位置にある図3aの往復流制御装置の平面図である。
図4】本発明によるアプリケータ装置の第1の実施形態の右側前方斜視図である。
図5図4の装置の実施形態の平面図である。
図6図4の装置の実施形態の側面図である。
図7図4の装置の実施形態のヘッド部分の側面図である。
図8図7の水平断面図である。
図9図4の装置の実施形態のヘッド部分の平面図である。
図10】10−−10平面に沿って得られた図9の垂直断面図である。
図11】11−11平面に沿って得られた図9の垂直断面図である。
図12】本発明によるアプリケータ装置のネック部及びヘッド部の第2の実施形態の右側前方斜視図である。
図13】13−−13平面に沿って得られた図12の垂直断面図である。
図14】本発明によるアプリケータ装置の第3の実施形態のネック部及びヘッド部の側面図である。
図15】15−−15平面に沿って得られた図14の水平断面図である。
図16】16−−16平面に沿って得られた図14の水平断面図である。
図17図14の装置の実施形態のヘッド部分の平面図である。
図18】18−18平面に沿って得られた図17の垂直断面図である。
図19図14の装置の実施形態のヘッド部分の端面図である。
図20】20−−20平面に沿って得られた図19の垂直断面図である。
図21】本発明によるアプリケータデバイスの第4の実施形態のネック部及びヘッド部の右側前部斜視図である。
図22図21の装置の実施形態の右側前部分解図である。
図23図21の装置の実施形態の左側底部分解図である。
図24図21の装置の実施形態のネック部及びヘッド部の側面図である。
図25】25−−25平面に沿って得られた図21の水平断面図である。
図26】26−−26平面に沿って得られた図21の水平断面図である。
図27】27−−27平面に沿って得られた図21の垂直断面図である。
図28】これと共に本発明のアプリケータ装置が使用され得る基部ユニットの切欠図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
用語「流体」及び「液体」は本明細書において互換的に使用される。本明細書において使用するとき、流体又は液体は、その中に取り込まれたガス又は他の粒子若しくは/又は固体を含み得る。
【0011】
用語「液体の往復移動」及び「液体の往復」は、本明細書において互換的に使用される。本明細書において使用するとき、双方の用語とも、哺乳類の口腔表面にわたって、第1流れ方向から第1流れ方向と反対の第2流れ方向へと、液体の流れ方向を前後に変更することを意味する。
【0012】
「洗浄構成要素」とは、歯、歯肉及び他の口腔組織を洗浄しかつ/又は処理する構成要素を意味する。「洗浄流体」とは、歯、歯肉及び他の口腔組織を洗浄しかつ/又は処理する流体を意味する。
【0013】
「効果的なフィット又は封止」とは、口腔内の複数の表面上及びその周囲に液体を方向付けるための装置の間の封止のレベルが、使用する液体の量を低減するか又は最小限に抑え、かつユーザーの快適性を維持する(例えば、窒息又は吐き気を避ける)ために、使用中に装置から口腔内に漏れる液体の量が十分に低いものであることを意味する。制限を意図しないが、吐き気とは、軟口蓋の後方、咽頭壁、扁桃領域又は舌の付け根の刺激によって生じる咽喉の奥の反射的な(すなわち、意図的な運動ではない)筋肉収縮であり、異物が咽頭及び気管に侵入することを防ごうとする防御運動を意味するものとして理解される。咽頭反射は、個人によってばらつきがある(例えば、口のどの領域がこれを刺激するか)。吐き気の身体的な原因に加え、吐き気に対する心理的要素が存在し得る(例えば、窒息に対する恐怖がある人々は、口内に何かが入ると容易に吐き気を催し得る)。
【0014】
本明細書において使用するとき「液体を搬送する手段」とは、それによって、本明細書において記載されるシステム及び装置全体にわたって液体が移動又は移送され得る構造を含み、非限定的に、経路、導管、管、ポート、ポータル、チャネル、ルーメン、パイプ及びマニホールドが挙げられる。液体を搬送するためのこのような手段は、液体の往復運動を提供するための装置、及び口腔の表面上及びその周囲に液体を方向付けるための装置で利用され得る。このような搬送手段はまた、液体を方向付けるための装置に液体を提供し、かつ液体を収容するためのリザーバから往復運動手段に液体を提供する。搬送手段はまた、基部ユニットから装置内に収容された液体リザーバへと液体を提供し得る。例えば、ヒトなどの哺乳類の口腔に有益効果を提供するために有用な方法、装置及びシステムが、本明細書において記載される。
【0015】
方法は、口腔の複数の表面を所望の有益効果を口腔に提供するために効果的である液体と接触させることを含む。このような方法において、口腔の複数の表面にわたる液体の往復運動が、所望の有益効果を口腔に提供するために効果的な条件下で提供され得る。液体が接触する複数の表面の接触は実質的に同時に行われ得る。「実質的に同時」とは、接触されるべき口腔の複数の表面全てが必ずしも同時に流体と接触するわけではないが、接触されるべき表面の大部分が同時に又は短時間の間に接触されることを意味する。
【0016】
口腔内に所望の有益効果を提供するための条件は、特定の環境、状況、及び求められる効果によって変化し得る。異なる変数は、それらが液体の特定の速度を生じるという点において相互依存的である。速度要件はいくつかの実施形態において配合の関数であり得る。例えば、速度、添加物(例えば、研磨剤、ずり減粘剤など)及び配合物の一般的な流量特性の変化により、同じレベルの有効性を生成するためのジェットの速度要件は変化し得る。求められる特定の有益効果を達成するための適切な条件を提供するために検討され得る要因としては、非限定的に、液体蒸気の速度及び/又は流量及び/又は圧力、液体の脈動、液体のスプレー形状又はスプレーパターン、液体の温度、及び液体の往復運動サイクルの頻度が挙げられる。
【0017】
液体圧力、すなわち、ジェットを通じて出る前のマニホールド圧力は、約3.45kPa〜約206.8kPa(約0.5psi〜約30psi)、又は約20.7kPa〜約103.4kPa(約3psi〜約15psi)、又は約34.5kPa(約5psi)であり得る。液体の流量は、約15mL/s〜約25mL/sであり得る。より大きく、かつより高品質のジェットは、所与の圧力/速度においてより高い流量を必要とすることに留意すべきである。パルス周波数(パルス長さ及び送達量(mL/パルス)と関連がある)は、約0.5Hz〜約50Hz、又は約5Hz〜約25Hzであり得る。送達パルス・デューティサイクルは、約10%〜100%、又は約40%〜約60%であり得る。100%においてはパルスが存在せず、代わりに液体の連続的な流れが存在することに留意すべきである。送達パルス容積(全てのジェット/ノズルを通じた合計容積)は、約0.2mL〜約120mL、又は約0.5mL〜約15mLであり得る。噴射されたパルスの速度は、約4cm/s〜約400cm/s、又は約20cm/s〜約4.06m/s(160in/s)であり得る。真空デューティサイクルは、約10%〜100%、又は約50%〜100%であり得る。真空が常にオンになっていることに留意すべきである。容積送達と真空の比率は、約2:1〜約1:20又は約1:1〜1:10であり得る。この開示の利点を理解した当業者であれば、特定の状況及び求められる所望の利益によって、様々な要因が調節及び選択され得ることを認識するであろう。
【0018】
液体は、求められる有益効果を提供するために効果的な少なくとも1つの成分又は薬剤を、口腔表面と接触したときに有益効果を提供するのに効果的な量で含む。例えば、液体としては、非限定的に、洗浄剤、抗菌剤、鉱化剤、減感剤、及び白化剤からなる群から選択される成分を含み得る。特定の実施形態において、2種類以上の液体が単一セッションで使用され得る。例えば、洗浄溶液が口腔に適用され、続いて、例えば白化剤又は抗菌剤を含有する第2溶液が適用されてもよい。溶液はまた、単一の適用によって2つ以上の利益を達成するために複数の薬剤を含み得る。例えば、以下で更に記載されるように、溶液は、洗浄剤及び有害な状態を改善するための薬剤の両方を含み得る。加えて、口腔に2つ以上の有益効果を提供するために、単一の溶液が有効であり得る。例えば、溶液は、口腔を洗浄し、かつ抗菌剤として作用するか、又は口腔を洗浄し、かつ歯を白化する単一の薬剤を含み得る。
【0019】
口腔の美的外観を改善するために有用な液体は、口腔内で歯を白化するための白化剤を含み得る。このような白化剤としては、非限定的に、過酸化水素及び過酸化カルバミド、又は歯に適用されと過酸化水素水を生成し得る他の薬剤が挙げられる。このような薬剤は、リンス、歯磨き粉、及び白化ストリップなどの口腔ケア白化製品に関連する分野において周知である。他の白化剤としては、シリカ、重炭酸ナトリウム、アルミナ、アパタイト、及びバイオグラスなどの研磨剤が挙げられる。
【0020】
研磨剤は歯を洗浄及び/又は白化するように作用し得る一方で、いくつかの研磨剤はまた、エナメルの欠損及び歯の小管の露出により生じる歯の過敏症を改善するように作用し得ることに留意すべきである。例えば、バイオグラスなどのいくつかの物質の粒径(例えば、直径)は、露出した小管を遮蔽し、したがって歯の感度を低減するために有効であり得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、液体は、3〜6の炭素原子を有するアルコールを含有する抗菌組成物を含み得る。液体は抗菌口腔洗浄組成物、特に低減したエタノール含有量を有するか又は実質的にエタノールを含まず、歯垢、歯肉疾患及び口臭を防ぐために高い効果を提供するものであってよい。3〜6個の炭素原子を有するアルコールは脂肪族アルコールであることに留意する。3つの炭素を有する特定の脂肪族アルコールは、1−プロパノールである。
【0022】
一実施形態において、液体は(a)抗菌有効量のチモール及び1つ以上の他の精油、(b)約0.01%〜約70.0%v/v、又は約0.1%〜約30%v/v、又は約0.1%〜約10%v/v、又は約0.2%〜約8%v/vの、3〜6個の炭素原子を有するアルコール、及び(c)ビヒクルを含む、抗菌組成物を含み得る。アルコールは1−プロパノールであり得る。液体ビヒクルは、水性又は非水性であり得、特定の稠度を有する組成物を提供するために増粘剤又はゲル化剤を含み得る。水及び水/エタノール混合物は好ましいビヒクルである。
【0023】
液体の別の実施形態は、(a)抗菌有効量の抗菌剤、(b)約0.01%〜約70% v/v又は約0.1%〜約30% v/v、又は約0.2%〜約8% v/vのプロパノール、及び(c)ビヒクルを含む、抗菌組成物である。本実施形態の抗菌組成物は従来技術のエタノールシステムと比較して予想を上回る優れた送達系速度を呈する。利用され得る代表的な抗菌剤としては、非限定的に、精油、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジン、ヘキセチジン、キトサン、トリクロサン、臭化ドミフェン、フッ化第一スズ、可溶性ピロリン酸塩、酸化亜鉛が挙げられるがこれに限定されない酸化金属、ペパーミント油、セージ油、血根草、二カルシウム水和物、アロエベラ、ポリオール、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、及びクエン酸亜鉛などが挙げられるがこれに限定されない金属塩などが挙げられる。本実施形態の特に好ましい態様は、例えば、約30% v/v以下、又は約10% v/v以下、又は約3% v/vの1−プロパノールを有する口腔洗浄剤などの、抗菌口腔組成物を対象とする。
【0024】
液体の更に別の実施形態は、(a)抗菌有効量のチモール及び1つ以上の他の精油、(b)約0.01〜約30.0% v/v、約0.1%〜約10% v/v、又は約0.2%〜約8% v/vの3〜6個の炭素原子を有するアルコール、(c)約25% v/v以下の量のエタノール、(d)少なくとも1種類の界面活性剤、並びに(e)水を含む、エタノールを低減した抗菌口腔洗浄組成物である。好ましくは、エタノール及び3〜6個の炭素原子を有するアルコールの合計濃度は、30% v/v以下、又は25% v/v以下、又は22% v/v以下である。
【0025】
別の実施形態において液体は、(a)抗菌有効量のチモール及び1つ以上の他の精油、(b)約0.01〜約30.0% v/v、約0.1%〜約10% v/v、又は約0.2%〜約8% v/vの3〜6個の炭素原子を有するアルコール、(c)少なくとも1種類の界面活性剤、並びに(d)水を含む、エタノールを含まない抗菌口腔洗浄組成物である。
【0026】
3〜6個の炭素原子を有するアルコールは好ましくは、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、第三級ブタノール及び対応するジオールからなる群から選択される。1−プロパノール及び2−プロパノールが好ましく、1−プロパノールが最も好ましい。
【0027】
例えば、歯垢の形成、食物微粒子、バイオフィルムなどの除去又は分解など、洗浄によって口腔の口内衛生を一般的に改善することに加えて、本発明は口腔内の有害な状態を改善し、口腔の美的外観を改善する(例えば、歯の白化)ために有用である。有害な状態としては、非限定的に、虫歯、歯肉炎、炎症、歯周病と関連する症状、口臭、歯の感度、及び菌感染などを挙げることができる。液体自体は様々な形態であり得るが、本発明の装置及び方法における使用に好適な流動特性を有することが条件となる。例えば、液体は、溶液、エマルション及び分散液からなる群から選択され得る。特定の実施形態において、液体は、液相(例えば、水相)中に分散した微粒子(例えば、研磨剤)を含み得る。そのような場合、研磨剤は、口腔表面に適用されるために水相中に実質的に均一に分散されることになる。他の実施形態において、水中油型、又は油中水型エマルションが使用され得る。そのような場合、液体は場合によって、連続的な水相中に実質的に均一に分散した非連続的な油相、又は連続的な油相中に実質的に均一に分散した非連続的な水性相を含む。更に他の実施形態において、液体は、薬剤がキャリア中に溶解しているか又はキャリア自体が所望の有益効果を提供するための薬剤とみなされ得る(例えば、通常内部に他の薬剤が溶解しているアルコール又はアルコール/水混合物)溶液であり得る。
【0028】
家庭用の用途に好適であり、歯及び/又は歯肉領域の複数の表面上に液体を方向付けるように適合された歯科用洗浄装置などの装置(例えば口腔ケア装置)、加えてこのような装置を利用する方法及びシステムが本明細書において開示される。特定の実施形態において、接触されるべき口腔の表面は、実質的に同時に液体と接触する。本明細書において使用するとき、歯肉領域への言及は、非限定的に、歯肉縁下部ポケットへの言及を含む。適切な液体は、口腔の洗浄、及び/若しくは口腔の美的外観の総合的な改善、並びに/又は歯及び/又は歯肉領域の有害な状態の改善をもたらすのに効果的な条件下で、往復運動作用により実質的に同時に歯及び/又は歯肉領域の複数の表面上に方向付けられて、歯及び/又は歯肉領域の総合的に改善された口腔衛生を提供することができる。例えば、1つのこのような装置は、歯の前面及び裏面並びに隣接歯間領域上で液体を前後に往復運動させて、使用する洗浄液の量を最小限に抑えながら洗浄サイクルを生成することにより、適切な洗浄液を使用して歯及び/又は歯肉領域を洗浄しかつ歯垢除去する。
【0029】
液体の往復運動を提供する装置は、液体の往復運動を制御する手段を含む。制御手段は、液体を口腔の複数の表面上へ方向付けるための装置へかつ装置から液体を搬送するための手段を含む。本明細書において以下により詳細に記載されるように、特定の実施形態において、液体の往復運動を提供するための手段は、液体を受容及び排出するための複数のポータル、液体がそれを通じて搬送される複数の経路又は導管、及び液体の流れ方向を変えて液体の往復運動を提供するための手段を含む。制御手段は、論理回路及び/又は機械的に制御された回路によって制御され得る。
【0030】
特定の実施形態において、往復運動を提供するための装置は、液体を収容するためのリザーバに装置を取り付けるか又は接続するための手段を含み得る。リザーバは装置に取り外し可能に取り付けられ得る。この場合は、リザーバ及び装置は、一方を他方に取り付けるための手段を含み得る。プロセスの完了後、リザーバは廃棄されて別のリザーバと交換されてもよく、又は再充填されて再使用されてもよい。他の実施形態において、往復運動する装置は装置と一体のリザーバを含む。装置を基部ユニットに取り付けることができる実施形態では、本明細書に記載するように、リザーバは、装置と一体であるか又は装置に取り外し可能に取り付けられるかにかかわらず、基部ユニットの一部を形成する供給リザーバから充填され得る。基部ユニットが使用される場合、装置及び基部ユニットは、一方を他方に取り付けるための手段を含む。
【0031】
装置は、液体を往復運動させる手段を駆動するための電源を含む。例えば、電池(再充電可能又は使い捨て)などの電源が、装置内(例えば、装置のハンドル内)に収容され得る。基部ユニットが利用され得る場合、基部は装置に電力を提供するための手段を含み得る。他の実施形態において、基部ユニットは、装置内に収容される再充電可能な電池を再充電するための手段を含み得る。
【0032】
装置はまた、歯、歯肉、又は口腔の洗浄セクションのためのタイマーを含み得る。タイマーが経過すると、装置は、次のセクションへ移動するための指標としてポンプ移送を停止する。電力は、次いでユーザーによって再開始される。これにより、ユーザーが装置運転中に装置を洗浄及び/又は処理されている領域から外れるように移動させてしまう可能性を最小限に抑えることができる。
【0033】
液体の往復運動を提供するための手段は、液体を口腔の複数の表面上に方向付けるための装置(例えば、本発明による液体アプリケータ)に往復運動手段を取り付けるための手段を含む。特定の実施形態において、アプリケータは、液体による口腔の複数の表面への実質的に同時の接触を提供する。取り付け手段は、アプリケータを装置に取り外し可能に取り付けることができる。取り付け手段は急速分離構造の形態であり得る。このような実施形態では、複数ユーザーは、単一の往復運動手段を備えたユーザー自身のアプリケータを使用することができる。前述のような往復運動を提供するための装置は、ハウジング内に収容され得る。このハウジングはまた、本明細書において以下に記載されるように、アプリケータに液体を提供するのに好適な装置を提供するように、他の装置構成要素を収容し得る。
【0034】
本発明による口腔の複数の表面上に液体を方向付けるための装置(例えば、液体アプリケータ)は、ハンドル、ネック部、及びヘッド部を備える。液体を方向付けるための装置、液体アプリケータ、及び液体適用装置という用語は、本明細書において互換的に使用されることに留意されたい。
【0035】
液体アプリケータのハンドルは、供給源から(それが基部リザーバユニットからであるか、又は往復運動手段からであるかにかかわらず)液体を受容するための、ハンドルの近位端に位置する第1ポート及び第2ポートを含む。ポートは、例えば、ホース、導管、若しくは液体を液体供給源から流体アプリケータまで搬送するための他の適切な手段を介して液体供給源と連結し得る。ハンドルはまた、液体アプリケータのハンドルを通してネック部分及びヘッド部分まで液体を移送するための第1チャネル及び第2チャネルを含む。第1及び第2チャネルは、ハンドルの近位端において第1ポート及び第2ポートにそれぞれ接続され、かつハンドルを通じてアプリケータのネック部まで長手方向に延びる。
【0036】
液体アプリケータのネック部は、内部に配設されかつそこを通じて液体アプリケータのヘッド部まで長手方向に延びる、流体を移送するための第1チャネル及び第2チャネルを含む。チャネルは、その場合、アプリケータのヘッド部に位置する対応する流体マニホールドと流体チャネルとを接続するマニホールド供給において終端する。
【0037】
ヘッド部は、複数の表面に近接するように液体を維持するためのチャンバ(すなわち、液体接触チャンバ(LCC))を備える洗浄構成要素を含む。「近接する」とは、液体が表面と接触した状態に維持されることを意味する。LCCは、近位封止膜及び遠位封止膜、第1封止膜と第2封止膜との間に長手方向に延びる第1内側側壁部及び第2内側側壁部、並びに第1内側側壁部及び第2内側側壁部の基部の間に水平方向に、かつ近位封止膜と遠位封止膜との間に長手方向に延びる基部内側壁部によって境界付けされる空間によって画定される。洗浄構成要素の第1及び第2内側側壁部はそれぞれ、複数の開口部、又はスロットを含み、そこを通って液体が口腔の複数の表面に接触するように方向付けられる。
【0038】
液体アプリケータのヘッド部はまた、液体の第1部分を収容し、かつ該液体を第1の内側側壁部の開口部を通してLCCへ提供するための第1マニホールドと、
液体の第2部分を収容し、かつ該液体を第2の内側側壁部の開口部を通してLCCへ提供するため第2マニホールドと、液体の第1部分を第1マニホールドへかつ第1マニホールドから搬送するための第1ポートと、液体の第2部分を第2マニホールドへかつ第2マニホールドから搬送するための第2ポートとを含む。
【0039】
快適性を提供し、ユーザーの嘔吐反射を最小限に抑えるために、サイズ、形状、厚さ、材料、歯/歯肉の周囲に生成される容積、ノズル設計、及び配置(これはマニホールド及び歯肉縁部封止と共に口腔及び歯と関連する)と関連して、洗浄構成要素設計が最大有効性のために最適化され得る。上記の組み合わせが歯及び歯肉領域と液体との効果的な接触を提供する。
【0040】
洗浄構成要素は、既知の体積を有する、制御され、分離された環境(すなわち、LCC)を提供し、歯及び/歯肉領域を液体と接触させた後、消費された液体、並びに食渣、歯垢などを、口腔全体を液体、食渣などに曝露することなくLCCから除去する。洗浄構成要素はまた、例えば、十分な洗浄を提供するために著しい流量が必要とされる場合に、個別のノズルを引くことなく、液体の流量及び圧力の増加を可能にする。洗浄構成要素はまた、口腔全体ではなくLCCの内部の領域のみが液体と接触している場合に、必要があれば、液体量及び流量を低減することができる。洗浄構成要素はまた、歯及び歯肉領域上、これらの間、及びこれらの周囲への液体の送達及び接触時間を制御することができ、液体と接触する領域上の液体の濃度を増大させることができ、それによって液体のより効果的な制御及び送達を提供する。
【0041】
洗浄構成要素の内側壁部内に収容される、本明細書においてスロット、ジェット又はノズルとも称される開口部(これを通して液体が方向付けられる)の数及び位置は変動し、使用状況及び環境、特定のユーザー及び求められる有益効果に基づいて決定される。開口部の断面形状は、円形、楕円形、台形、又は口腔の表面と液体との効果的な接触を提供する他の任意の形状であり得る。開口部の位置及び数は、所望の利益効果を提供するために効果的な様々なスプレーパターンの液体ジェットを方向付けるように設計され得る。開口部直径は、効果的な洗浄、並びに平均ジェット速度及びカバレッジを提供するために、約0.1〜約3mm、又は約0.2mm〜約0.8mm、又は約0.5mmであり得る。
【0042】
最適な開口部の配置及び方向/角度は、歯間、上部、側部、後部及び歯肉ポケット表面を含むがこれらに限定されない、液体と接触する口腔領域の実質的に全ての歯表面をカバーするのを可能にする。別の実施形態において、開口部は、異なる洗浄、カバレッジ及びスプレーパターンを提供するために、速度、密度及びファンパターン(完全な円錐、扇型、部分的円錐、ジェット)を調節するために、又は配合物を考慮して、異なる寸法及び異なる形状であり得る。洗浄構成要素は、エチレンビニルアセテート(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)又はシリコーンなどのエラストマー材料であってもよく、内側壁部の移動を可能にし、最小限の機械的構造でより大きなジェットカバレッジを提供し、最適な性能を達成するための体積流量要件を低減する一方で、歯及び/又は歯肉と直接接触した際に歯及び/又は歯肉を保護するためにより柔軟でより可撓性の材料を提供する。可撓性膜はまた、歯及び/又は歯肉に適合するその能力により、広範なユーザーにとって許容可能な嵌合具を提供し、かつ効果的な封止を提供する柔軟な歯肉封止膜として機能することができる。別の方法としては、洗浄構成要素は、剛性又は半剛性の材料(例えば、限定されないが熱可塑性材料)で作製され得る。
【0043】
代替の実施形態において、洗浄構成要素はまた、研磨要素、例えば、フィラメント、テクスチャ、磨き要素、添加物(シリカなど)、及び、他の洗浄及び/又は処理要件のために使用することができ、加えて、限定されないが処理、洗浄及び配置のために歯と洗浄構成要素との間の最小限の距離を確保するために使用することができる他の幾何形状要素を含み得る。洗浄構成要素は、例えば、機械加工、射出成型、吹込み成形、押出成形、圧縮成型及び/又は真空成型などであるが、これらに限定されない、様々な方法により形成され得る。マニホールドの材料は、半剛性熱可塑性樹脂であり、これは液体の制御された流れの間に崩壊又は破裂しないために必要な剛性を提供するが、洗浄構成要素の挿入、封止/配置及び除去のためにユーザーの口内にフィットする際に一定の柔軟性を提供する。製作の複雑性、構成要素の数、及び金型費用を最小化するため、LCCMと組み合わせる際にデュアルマニホールドが生成される。マニホールドはまた、適合性のある熱可塑性エラストマー(TPE)が挙げられるがこれらに限定されないより低いジュロ硬度のエラストマー材を使用し、歯/歯肉により柔軟な外側の「感触」を提供するために、多成分であってもよい。マニホールドは、例えば、機械加工、射出成形、吹込み成形、圧縮成形及び/又は真空成形などだが、これらに限定されない、様々な方法により形成され得る。
【0044】
本発明の装置はまた、液体を第1マニホールドへかつ第1マニホールドから搬送するための第1ポートと、液体を第2マニホールドへかつ第2マニホールドから搬送する第2ポートと、口腔内の方向付け手段の効果的な封止(すなわち、歯肉及び/又は歯の封止)を提供するための手段とを含む。特定の実施形態において、第1ポート及び第2ポートは、第1マニホールド及び第2マニホールドへかつ第1マニホールド及び第2マニホールドから液体を搬送するように、かつ液体をアプリケータに提供する手段にアプリケータを取り付けるように機能し得る。他の実施形態において、方向付け手段は、方向付け手段を、液体を方向付け手段に提供するための手段に取り付けるための手段を更に含み得る。
【0045】
図1は、本発明による装置を利用するシステムの実施形態の概略図である。図はシステム200を表し、口腔内の液体の往復運動を提供する手段202、液体を口腔の複数の表面に方向付ける手段(この場合は液体アプリケータ100として示されている)、及び液体供給リザーバ290などの構成要素を備えている。液体の往復運動を提供するための手段202は、この実施形態においては、送達/回収装置210、往復式流量制御装置230、システム全体にわたって液体を搬送するための管212、216及び292、並びに液体一方向弁214、218及び294を含み得る。管232及び234は、往復式流量制御装置230から液体アプリケータ100への液体の搬送を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態において、送達/回収装置210は、ピストンポンプであり得る。液体供給リザーバ290は、ガラス、プラスチック又は金属から作製され得る。液体供給リザーバ290は、システム200と一体であり、再充填可能であり得る。いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ290は、交換可能な液体供給源、例えば、システム200に取り外し可能に接続された単回又は複数回使用カートリッジであり得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ290及び/又は管212、292は、口腔の表面に適用するためにアプリケータ100内に方向付ける前に液体を予備加熱するための熱源を含み得る。温度は使用中にユーザーに有効性及び快適性を提供するために効果的な範囲内に維持されるべきである。
【0048】
本明細書において以下で詳細に記載されるアプリケータ100は、管232、234及び更なる取り付け手段(図示されない)により往復運動手段202と取り外し可能に接続され得る。これは食物微粒子を捕捉するための容易に洗浄可能なフィルターを内部に備え、1又は2つの側部を有し得る。口腔内(例えば、歯及び歯肉周囲)に位置付けられたとき、アプリケータ100は歯肉に対して効果的なフィット又は封止を形成し、液体を口腔の表面(例えば、歯の表面)に対して方向付ける。
【0049】
液体供給リザーバ290内の液体は、管292を通って送達/回収装置210まで流れる。管292を通って流れる液体流量は、一方向弁294によって制御される。液体は、送達/回収装置210から管212を通って往復式流量制御装置230に流れる。一方向弁214は、管212を通る液体流量を制御する。液体は、往復式流量制御装置230の流れ方向設定に応じて、管232又は234のいずれかを通って往復式流量制御装置230からアプリケータ100に流れる。液体は、アプリケータ100から管234又は232のいずれかを通って往復式流量制御装置230に戻り、管216を通って往復式流量制御装置230から送達/回収装置210に流れる。一方向弁218は、管216を通る液体流量を制御する。
【0050】
送達/回収装置210の作用は、論理回路によって制御され得、論理回路は、往復運動サイクルを開始するためのプログラム、往復運動サイクルを実行するためのプログラム(すなわち、液体を歯の周囲で往復運動させ、それによって口腔に有益効果、例えば歯の洗浄を提供する)、往復運動サイクルの終了時、及び使用の合間又は予め設定された時間若しくは自動洗浄時間にシステムを洗浄するための自己洗浄サイクルの終了時にアプリケータ100を内容排出するためのプログラムを含み得る。
【0051】
図示されないが、一連のスイッチ及びインジケータライトを有するフェースパネルが、システム200内に組み込まれてもよい。スイッチとしては、on/offスイッチ、アプリケータ100の充填スイッチ、往復運動プログラムの実行スイッチ、システム200の内容排出スイッチ、及びシステム200の洗浄スイッチを挙げることができるが、これらに限定されない。インジケータライト、又はディスプレイライトは、電源投入、充電、往復運動プログラムの実行、システム内容排出、洗浄結果又はフィードバック、及び操作中の自己洗浄サイクルを含むがこれらに限定されない。アプリケータ100への方向付けの前に液体が予備加熱される実施形態において、ディスプレイライトは、液体が使用のために適切な温度にあることを示すために使用され得る。
【0052】
歯を洗浄するためにシステム200を使用する1つの方法は次の通りである。第1工程において、ユーザーはアプリケータ100を口腔内で洗浄されるべき歯及び歯肉領域の周囲に位置付ける。送達/回収装置210が起動されて、洗浄液を液体供給リザーバ290から、管292及び一方向弁294を通して引き始める。いったん送達/回収装置210が十分に充填されると、送達/回収装置210が起動されて、洗浄液を管212、一方向弁214、往復式流量制御装置230及び管232を介してアプリケータ100に分配し始める。洗浄液は、それぞれ一方向弁218及び294により、管216及び292を通って流れるのを妨げられる。送達/回収装置210が起動され、アプリケータ100から管234を通じて、その後、往復式流量制御装置230を通じて、その後、管216及び一方向弁218を通じて洗浄液を引き始める。一方向弁214により、洗浄液が管212を通って流れるのが妨げられる。送達/回収装置210を十分に充填するのに十分なだけの洗浄液が存在しない場合、追加的な洗浄液が液体供給リザーバ290から管292及び一方向弁294を通じて引かれ得る。液体流の方向は、その後逆転される。洗浄液を往復運動させるため、流れ方向が逆転された後に工程2及び工程3が繰り返され、管234及び232をそれぞれ使用して送達/回収装置210とアプリケータ100との間で洗浄液を循環させる。記載された往復運動サイクルは、洗浄のために必要とされる時間が経過するまで、又は所望のサイクル数が完了するまで継続する。アプリケータ100への流体の送達とアプリケータ100からの流体の引きとの間には遅延が存在することがあり(一方向又は双方向において)、液体が流れずに歯と接触させられる滞留時間を許容することに留意すべきである。
【0053】
図2は、本発明による装置を使用するシステムの代替の実施形態の概略図である。図はシステム400を示し、システム400は、口腔内の液体の往復運動を提供する手段402、液体リザーバ470、液体供給リザーバ490、及び液体を口腔内の複数の表面上に方向付ける手段(この場合においてはアプリケータ100として示される)などの構成要素を備えている。往復運動を提供する手段402は、送達装置410、回収装置420、往復式流量制御装置430、管412、422a、422b、472、476、及び492、並びに溶液一方向弁414、424a、424b、474、478、及び494を含み得る。管432及び434は、往復式流量制御装置430からアプリケータ100への液体の搬送を提供する。
【0054】
本実施形態では、送達装置410及び収集装置420は、複動ピストンポンプとして、共通のピストン415と共に一体に収容される。液体リザーバ490及び液体リザーバ470は、ガラス、プラスチック又は金属から作製され得る。液体供給リザーバ490はシステム400と一体であり、再充填可能であり得る。いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ490は、システム400に取り外し可能に接続された交換可能な液体供給源であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ490、液体リザーバ470、又は管412、472、492のいずれかが、アプリケータ100内に方向付ける前に歯に適用するために洗浄溶液を予備加熱するための熱源を含み得る。温度は、使用中にユーザーに快適性を提供するために効果的な範囲内に維持されるべきである。
【0056】
アプリケータ100は、管432、434及び他の取り付け手段(図示されない)により、往復運動手段402に取り外し可能に接続され得る。
【0057】
液体供給リザーバ490内の液体は、管492を通って液体リザーバ470に流れる。リザーバ470内の液体は、管472を通って送達装置410に流れる。管472を通って流れる液体流量は、一方向弁474によって制御される。送達装置410から、液体は管412を通って往復式流量制御装置430に流れる。一方向弁414は、管412を通る液体流量を制御する。液体は、流れの方向に応じて、管432又は管434を通って往復式流量制御装置430から液体アプリケータ100に流れる。液体は、液体アプリケータ100から、再び流れの方向に応じて管434又は管432を通って往復式流量制御装置430に戻り、管422a及び422bを通って往復式流量制御装置430から回収装置420に流れる。一方向弁424a及び424bは、管を通って流れる流量を制御する。最終的に、液体は回収装置420から管476a及び476bを通って液体リザーバ470へと流れる。一方向弁478a及び478bは、管を通る流量を制御する。
【0058】
送達装置410及び回収装置420の動作は、論理回路によって制御され得、これは往復運動サイクルを開始するためのプログラム、往復運動サイクルを実行するためのプログラム(すなわち、溶液を口腔の複数の表面の周囲で往復運動させ、それによって有益効果を提供する)、往復運動サイクルの終了時、及び使用の合間又は予め設定された時間若しくは自動洗浄時間にシステムを洗浄するための自己洗浄サイクルの終了時にアプリケータ100を内容排出するためのプログラムを含み得る。
【0059】
歯を洗浄するためにシステム400を使用する1つの方法は次の通りである。使用前に、送達リザーバ490内の洗浄液が管492及び一方向弁494を通って洗浄液リザーバ470に流れる。いくつかの実施形態において、液体供給リザーバ490は、ここでシステム400から分離される。
【0060】
第1工程において、ユーザーは液体アプリケータ100を口腔内の液体に接触する歯及び口腔の周囲に位置付ける。洗浄プロセスは、以下の通りである。
ピストン415が起動されて、洗浄液を洗浄液リザーバ470から、管472及び一方向弁474を通じて送達装置410に引き始める。これを達成するため、ピストン415は右から左へと平行移動する(図3の「R」から「L」)。いったん送達装置410が十分に充填されると、送達装置410が起動されて、洗浄液を管412、一方向弁414、往復式流量制御装置430及び管432を通してアプリケータ100に分配し始める。これを達成するため、ピストン415は左から右へと平行移動する(図3の「L」から「R」)。ピストン415の「L」から「R」への移動によって、回収装置420はアプリケータ100から管434、往復式流量制御装置430、管422a、及び一方向弁424aを通じて洗浄液体を引き始める。洗浄液は、一方向弁474及び424bにより、管472及び422aを通って流れるのを妨げられる。回収装置420内のあらゆる過剰な洗浄液は、管476b及び一方向弁478bを介して洗浄液リザーバ470へと分配され始める。一方向弁424bにより、洗浄液が管422bを通って流れることが防げられる。洗浄溶液を循環させるために送達工程が繰り返され、洗浄溶液リザーバ470と液体アプリケータ100との間に洗浄液体を循環させる。プロセスは、洗浄に必要とされる時間が経過するまで、又は所望のサイクル数が達成されるまで継続する。
【0061】
図1及び図2に記載された各実施形態は、任意の往復式流量制御装置(図1図2では、それぞれ230、430)を含む。本発明による往復式流量制御装置の実施形態の斜視図及び分解図が、それぞれ図3a及び図3bに示されている。図は、キャップ720、分流ディスク730及び基部740を備える往復式流量制御装置710を示す。キャップ720は、キャップポート722及び724を有する。基部740は、基部ポート742及び744を有する。分流ディスク730は、キャップ720と基部740との間に配置され、液体流を分流するためのパネル735及び歯車の形態の位置調節器732を有する。
【0062】
図3cは、第1位置にある往復流制御装置710の平面図である。この位置において、図1の管212内の液体などの流入する液体流が、基部ポート742を通って往復式流量制御装置710に入る。図1の管232内の液体などの液体が、キャップポート722を通って往復式流量制御装置710を出る。図1の管234内の液体などの戻る流体が、キャップポート724を通って往復式流量制御装置710に再び入る。図1の管216内の液体などの液体が、基部ポート744を通って往復式流量制御装置710を再び出る。
【0063】
図3dは、第2位置にある往復式流量制御装置710の平面図である。この位置において、図1の管212内の液体などの流入する液体流が、基部ポート742を通って往復式流量制御装置710に入る。図1の管234内の液体などの液体が、キャップポート724を通って往復式流量制御装置710を出る。図1の管232内の液体などの戻る流体が、キャップポート722を通って往復式流量制御装置710に再び入る。図1の管216内の液体などの液体が、基部ポート744を通って往復式流量制御装置710を出る。
【0064】
図1の液体アプリケータ100内での液体の往復運動は、往復式流量制御装置710を第1位置と第2位置との間で切り替えることによって達成される。キャップポート722及び724、並びに基部ポート742及び744の直径に対するパネル735の幅が、往復式流量制御装置710の性能にとって重要であることが見出された。パネル735の幅がいずれかの直径と同等以上である場合、キャップポート722及び724、又は基部ポート742及び744の1つ以上が、往復運動の一部の間に遮蔽又は分離される場合があり、性能が最適以下となるか、又は装置に故障が生じる。この状態を回避するために、パネル735内にチャネルが位置してもよい。
【0065】
口腔衛生システムは、基部ステーション、口腔内の複数の表面の周囲に液体の往復運動を提供するための手段を収容するためのユニット、及び処理/洗浄される口腔の複数の表面上に液体を方向付けるための装置(すなわち、液体アプリケータ)を含むがこれらに限定されないいくつかの構成要素から構成され得る。このシステムは、家庭内使用に適しており、かつ歯の複数の表面上に液体を方向付けるように適合される。この装置は、前後に往復運動され得る洗浄溶液を用いて歯を洗浄しかつ歯垢を除去し、洗浄サイクルを生成し、かつ使用される洗浄溶液を最小限に抑える。基部ステーションは、充電式電池を充電し、液体リザーバを保持し、診断構成要素を収容し、ユーザーにフィードバックを提供し、場合によりアプリケータを洗浄することができる。
【0066】
往復運動を提供するための手段は、リザーバから液体アプリケータへと液体を送達する電導ポンプを有することになる。流れ方向は、専用ポンプ(流れの方向を逆転するなど)、可逆性逆止弁、又は他の同様の手段による液体制御弁調節で往復運動し得る。サイクルの各段階におけるサイクル時間及び流速は可変であり、いくつかの実施形態においては、各個別のユーザーに対してカスタマイズされる。
【0067】
装置の第3主要構成要素は、液体を洗浄/処理される口腔内の複数の表面上に方向付けるための装置、すなわち、液体アプリケータである。図4図11は、液体適用装置の第1の実施形態を示す。図4は、本発明による液体アプリケータ装置100の第1の実施形態の右側前方斜視図である。図5図4の液体アプリケータ100の平面図であり、図6図4の液体アプリケータ100の側面図である。各図は、ハンドル120、ネック部130及びヘッド部140を有するアプリケータ100を示す。液体リザーバから液体を受容するための第1ポート122及び第2ポート124は、ハンドル120の近位端121に位置し、近位端121に端を発する第1及び第2チャネル(図示しない)に接続する。洗浄構成要素150はヘッド部140に対向して配設される。
【0068】
図7は、図4の液体アプリケータ100のネック部130及びヘッド部140の側面図である。図はヘッド部140に対向して配設される洗浄構成要素150を示す。近位封止膜152及び遠位封止膜154は、洗浄構成要素150の端部に位置する。図8は8−−−8平面に沿って得られた図7の水平断面図である。図はネック部130及びヘッド部140内に配設された第1流体チャネル142及び第2流体チャネル144を示す。第1流体チャネル142は第1マニホールド供給146で終端し、該供給146は洗浄構成要素150内の第1流体チャネル142を第1流体マニホールド(図示しない)に接続する。第2流体チャネル144は第2マニホールド供給148で終端し、該供給148は洗浄構成要素150内の第2流体チャネル144を第2流体マニホールド(図示しない)に接続する。
【0069】
図9図11は洗浄構成要素150の図である。図9は洗浄構成要素150の平面図であり、洗浄構成要素150は、近位封止膜152、遠位封止膜154、洗浄要素155、第1側壁部156a、第2側壁部156b、及び基部内側壁部158を含む。図は、第1側壁部156a、第2側壁部156b、及び基部内側壁部158上に位置する洗浄要素155を示すが、洗浄要素155は1つの側壁部(156a又は156b)上のみ、若しくは基部内側壁部158上のみ、又は他の実施形態では任意の組み合わせの上に位置し得る。加えて、洗浄要素155の形状、サイズ、数及びレイアウトは改善された洗浄のために最適化され得る。
【0070】
図10は10−−−10平面に沿って得られた図9の垂直断面図であり、図11は11−−−11平面に沿って得られた図9の垂直断面図である。これらの図は、第1流体マニホールド172に接続された第1マニホールド供給146、及び第2流体マニホールド174に接続された第2マニホールド供給148を示す。第1流体マニホールド172は、第1側壁部156aを貫通する第1側部ノズル176a、及び基部内側壁部158を貫通する第1底部ノズル178aを特徴とする。第2流体マニホールド174は、第2側壁部156bを貫通する第2側部ノズル176b、及び基部内側壁部158を貫通する第2底部ノズル178bを特徴とする。液体接触チャンバ(LCC)160は、第1側壁部156a、第2側壁部156b、近位封止膜152、遠位封止膜154、及び基部内側壁部158によって画定される。
【0071】
図4図11の第1側部ノズル176a、第2側部ノズル176b、第1底部ノズル178a、及び第2底部ノズル178bの構成が、ノズル構成の一実施形態であるに過ぎないことが理解されるべきである。ノズルの構成、並びにノズル開口部の幾何形状は変わり得る。
【0072】
近位封止膜152及び遠位封止膜154は、流れを歯の上及び周囲に向け直しつつ口腔内への漏れを最小限に抑え、届きにくい場所(HTRP)に達するように処理/洗浄領域を最大化する可撓性の自在封止機構を提供する。膜は、歯及び歯肉の周囲で形を成すように、ルーメン長手方向軸にわたって弾性機能を提供し得る。
【0073】
基部内側壁部158は、口腔内の効果的なフィット又は封止に必要とされる可撓性を提供し、流体が歯及び/又は歯肉表面に戻るように向け直され、流れることを可能にする。基部内側壁部158は、効果的な封止を提供するための可撓性膜であってよい。
【0074】
動作の一実施形態において、液体は、圧力により第1ポート122を通って第1流体チャネル142に流入し、その後、第1流体マニホールド172を通過し、そして第1側部ノズル176a及び第1底部ノズル178aを通ってLCC 160に流入する。真空が第2ポート124上で引かれて液体を第2側部ノズル176b及び第2底部ノズル178bを通して引き、第2流体マニホールド174内に引き込み、第2流体チャネル144を通して引き、最終的には第2ポート124内に液体を引き込む。この実施形態において、液体のジェットは、最初にLCC 160の一方の側から歯及び/又は歯肉領域の第1表面上へと第1マニホールドから方向付けられ、LCC 160の他方の側から歯及び/又は歯肉の表面の隅々(through)、間及び周囲に方向付けられ、第2マニホールド内へと方向付けられて、制御された歯間、歯肉線、表面及び/又は歯肉領域の洗浄又は処理を提供する。次にマニホールド内の流れが逆転される。洗浄液は、圧力によって第2ポート124を通って第2流体チャネル144に流入し、その後、第2流体マニホールド174を通過し、そして第2側部ノズル176b及び第2底部ノズル178bを通ってLCC 160に流入する。真空が第1ポート122上で引かれて液体を第1側部ノズル176a及び第1底部ノズル178aを通して引き、第1流体マニホールド172内に引き込み、第1流体チャネル142を通して引き、最終的には第1ポート122内に液体を引き込む。この実施形態の第2部分において、液体ジェットは第2マニホールドから歯及び/又は歯肉領域の第2表面上に方向付けられ、そして歯及び/又は歯肉の表面の隅々(through)、間及び周囲に方向付けられる。多くのサイクルを通じた交互の圧力/真空は、乱流の、反復可能の及び可逆の流れを生じさせ、口腔の複数の表面付近に液体の往復運動を提供し、口腔の表面と液体とを実質的に同時に接触させ、それによって所望の有益効果を提供する。
【0075】
別の実施形態において、一方又は両方のマニホールドを介して液体を同時に送達し、LCC 160に大量の液体送り、ある期間にわたって歯を浸漬し、その後、設定期間の後に一方又は両方のマニホールドを介してLCC 160を空にすることが好ましい場合がある。ここで、洗浄液又は処理液は圧力により第1ポート122及び第2ポート124に同時に入り、第1流体チャネル142、第2流体チャネル144、第1マニホールド供給146、第2マニホールド供給148、第1流体マニホールド172、及び第2流体マニホールド174を同時に通過し、その後、第1側部ノズル176a、第2側部ノズル176b、第1底部ノズル178a、及び第2底部ノズル178bを通ってLCC 160に同時に入る。LCC 160を空にするため、真空が第1ポート122及び第2ポート124を通じて同時に引かれる。洗浄液又は処理液は、第1側部ノズル176a及び第1底部ノズル178aを通して第1流体マニホールド172に、そして第2側部ノズル176b及び第2底部ノズル178bを通して第2流体マニホールド174に引き込まれる。
【0076】
第1流体マニホールド172及び第2流体マニホールド174に異なる液体組成物を送達することも可能である。改善された洗浄有効性又は処理効果のために、異なる液体組成物が、その後、LCC 160内で混合し得る。
【0077】
図4図11の実施形態は、ヘッド部140上の単一の洗浄構成要素150を示しているが、洗浄構成要素150と同様である第2洗浄構成要素が、ヘッド部140の反対側に面して配設され得ることが理解されるべきである。第2洗浄構成要素は、口腔の上部セクション及び底部セクション両方の複数の表面の実質的に同時の接触を提供することになる。
【0078】
図12及び図13は、本発明の液体適用装置の第2の実施形態を示す。図12は、本発明による液体適用装置のネック部1130及びヘッド部1140の上部後方斜視図である。この図は、ネック部1130内に配設された第1流体チャネル1142及び第2流体チャネル1144を示す。洗浄構成要素1150はヘッド部1140に対向して配設される。
【0079】
図13は、13−−13平面に沿って得られた図12の垂直断面図である。これらの図は、洗浄構成要素1150内の第1流体マニホールド1162に接続されている第1マニホールド供給1146に接続された第1流体チャネル1142を示す。第1マニホールド供給1146は、第1液体ルーメン1156a、1156、1156cに供給する。これらの図はまた、第1液体ルーメン1156a、1156、1156c内の第1ノズル1166を示す。これらの図に示されていないが、洗浄構成要素1150内の第2流体マニホールド1164に接続されている第2マニホールド供給1148に、第2流体チャネル1144が接続されている。第2マニホールド供給1148は、第2液体ルーメン1157a、1157b、1157c及び第1液体ルーメン1157a、1157b、1157c内の第2ノズル1168に供給する。
【0080】
第1ノズル1166及び第2ノズル1168のレイアウトがノズル構成の一実施形態に過ぎないことを理解すべきである。ノズルのレイアウト、並びにノズル開口部の幾何形状は変わり得る。
【0081】
図12及び図13は、6つの液体ルーメン(1156a、1156b、1156c、1157a、1157b、及び1157c)を有する洗浄構成要素1150を示している。他の実施形態において、洗浄構成要素1150は2つ、3つ、4つ、5つ、7つ、8つ、9つ、10、又は更にそれ以上の液体ルーメンを有して形成され得る。
【0082】
複数ルーメン設計は、流れ及び真空のための双方向又は専用ルーメンを提供し、これらは自己強化性であり、したがって使用中に真空下で崩壊せず、又は圧力下で破裂せず、構造的一体性を最大化する一方で、挿入中、使用中及び除去の際のユーザー快適性のために、全体的な洗浄構成要素1150のサイズを最小化する。この低減したサイズはまた口腔内のアプリケータの向上した効果的な封止を提供する。
【0083】
多数のルーメン(1156a、1156b、1156c、1157a、1157b、1157c)は、上記のように接続され、これらはルーメンヒンジセクションを形成する。この結果として、各ルーメンの間のルーメンヒンジセクションの柔軟性のために、X、Y及びZ方向への適合性を提供する複数ルーメン設計が得られる。この設計は、様々な異なるユーザーの歯及び歯肉のトポグラフィーへの効果的及び実行可能な適合を可能にし、歯肉を刺激することなく効果的な歯肉の封止を提供し、それぞれの歯の周囲での液体洗浄ジェットの動的な位置付けを可能にし、近位及び歯間洗浄作用を得る。多数のルーメンは同様に、第1流体マニホールド1162及び第2流体マニホールド1164に取り付けられる。これは、遭遇し得る異なる咬合ア−キテクチャに適応するため、更なる2段階の動きを提供する、二次可撓性関節部を形成する。
【0084】
近位封止膜1152及び遠位封止膜1154は、可撓性の自在封止機構を提供し、流れを歯の上及び周囲に向け直しつつ口腔内への漏れを最小限に抑え、届きにくい場所(HTRP)に達するように処理/洗浄領域を最大化する。膜は、歯及び歯肉の周囲で形を成すように、ルーメン長手方向軸にわたって弾性機能を提供し得る。
【0085】
ルーメン1156a、1156b、1156c、1157a、1157b、及び1157cは、口腔内の効果的なフィット又は封止に必要とされる可撓性を提供し、流体が歯及び/又は歯肉表面に戻るように向け直され、流れることを可能にする。
【0086】
洗浄操作の一実施形態において、洗浄液は、第1流体チャネル1142を通してポンプ移送され、第1マニホールド供給1146を通って第1流体マニホールド1162に入る。液体は、最初に第1流体マニホールド1162から第1液体ルーメン1156a、1156b、及び1156cに入る。洗浄液体は、その後、第1ノズル1166を通ってLCC 1160に入る。真空が第2マニホールド供給1148(図示しない)上で引かれ、洗浄液を第2ノズル1168(図示しない)を通して第2液体ルーメン1157a、1157b、及び1157c内まで引き込む。液体は、第2流体マニホールド1164に入り、その後、第2マニホールド供給1148を通って流れ、最終的には第2流体チャネル1144に流れ込む。
【0087】
この実施形態において、洗浄液のジェットは最初に、LCC 1160の一方の側から、第1流体マニホールド1162から歯及び/又は歯肉領域の第1表面に方向付けられ、LCCの他方の側から歯及び/又は歯肉の表面の隅々(through)、間及び周囲に方向付けられ、第2マニホールド1164内へと方向付けられて、制御された歯間、歯肉線、表面及び/又は歯肉領域の洗浄又は処理を提供する。
【0088】
次にマニホールド内の流れが逆転される。洗浄液は、第2流体チャネル1144を通り、第2マニホールド供給1148を介して第2流体マニホールド1164を通してポンプ移送される。液体は、第2流体マニホールド1164から第2液体ルーメン1157a、1157b、及び1157cに入る。洗浄液は、その後、第2ノズル1168を通ってLCC 1160に入る。真空が第1マニホールド供給1146上で引かれ、洗浄液を第1ノズル1166を通して第1液体ルーメン1156a、1156b、及び1156c内まで引き込む。液体は、第1流体マニホールド1162に入り、その後、第1マニホールド供給1146を通って流れ、最終的には第1流体チャネル1142に流れ込む。
【0089】
この実施形態の第2部分において、洗浄液のジェットが歯及び/又は歯肉領域の第2表面上に方向付けられ、そして歯及び/又は歯肉の表面の隅々(through)、間及び周囲に方向付けられる。多くのサイクルを通じた交互の圧力/真空は、乱流の、反復可能の及び可逆の流れを生じさせ、口腔の複数の表面付近に液体の往復運動を提供し、口腔の表面と液体とを実質的に同時に接触させ、それによって所望の有益効果を提供する。
【0090】
別の実施形態において、両方のマニホールドを介して液体を同時に送達しLCC 1160に大量の液体送り、ある期間にわたって歯を浸漬し、その後、一定期間の後に一方又は両方のマニホールドを介してLCC 1160を空にすることが好ましい場合がある。ここで、洗浄又は処理液は、第1流体チャネル1142を通して第1マニホールド供給1146を介して第1流体マニホールド1162に、かつ第2流体チャネル1144を通して第2マニホールド供給1148を介して第2流体マニホールド1164に同時にポンプ移送される。液体はその後、第1流体マニホールド1162から第1液体ルーメン1156a、1156b、及び1156cに、かつ第2流体マニホールド1164から第2液体ルーメン1157a、1157b、及び1157cに、同時に入る。洗浄液はその後、第1ノズル1166及び第2ノズル1168を通ってLCC 1160に同時に入る。LCC 1160を空にするために、真空が第1流体チャネル1142を通して第1マニホールド供給1146上で、かつ第2流体チャネル1144を通じて第2マニホールド供給1148上で同時に引かれる。洗浄液又は処理液は、第1ノズル1166及び第2ノズル1168を通して、第1マニホールド供給1146及び第2マニホールド供給1148内まで同時に引き込まれる。
【0091】
第1マニホールド供給1146及び第2マニホールド供給1148に異なる液体組成物を供給することがまた可能である。改善された洗浄有効性又は処理効果のために、異なる液体組成物がその後、LCC 1160内で混合することになる。デュアルマニホールド設計においては、各マニホールドに別個の液体供給リザーバから供給することが好ましい場合があり(例えば、複動ピストンポンプ構成)、一方の供給ラインが第1供給マニホールド1146に供給するように接続し、他方のピストン供給ラインが第2マニホールド供給1148に液体を供給し、かつ第2マニホールド供給1148から液体を取り除く(例えば、一方のマニホールドが液体を供給され、第2マニホールドが液体を取り除く、及びその逆)。
【0092】
他の実施形態において、第1液体ルーメン1156a、1156b、及び1156cへの入口に、又は第2液体ルーメン1157a、1157b、及び1157cへの入口に弁が配置されて、ルーメンを異なる時期に(洗浄/処理サイクルの異なる時点において)パルス間隔で係合させることにより、改善された機能を提供する。例として、一実施形態において、全てのルーメンが液体ポンプ/真空機能と係合しない。ここで、主として歯茎と係合する第1液体ルーメン1156a及び第2液体ルーメン1157aは、液体真空機能において係合するだけである。これは液体の口腔内への漏れを防ぐために役立つことになる。弁はまた、可変の流れを可能にし、液体真空機能に対するより低い抵抗を可能にし、液体送達中におけるより少ないポンプ移送、したがって液体速度を可能にする。
【0093】
更に他の実施形態において、個別の内側第1ノズル1166又は第2ノズル1168は、ダックビル弁又は傘状弁などの一体化された一方向弁を有してもよく、これらの特定のノズルからの一方向のみの流れを可能にする。これは、LCC 1160内の圧力/送達に対して真空を増加させるために効果的であり得る。
【0094】
洗浄構成要素1150のための複数ルーメン設計の製造は、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形又は圧縮成形などの既存の利用可能な製造及び組み立てプロセスを利用して実行可能である。他の実行可能な技術としては、急速原型製造技術、例えば3D印刷、及び他の加法技術、加えて減法技術が挙げられる。
【0095】
1つの作製方法は、真空成形により個別の構成要素シェルを作製することである。安価な方法により非常に薄い壁構造の真空成形が可能である。構成要素の幾何形状は、洗浄構成要素1150のサイズの最小化を可能にする連動機構(interlocking features)及び構造的幾何形状を提供するように設計される。組み立てられると、製造された構成要素は、必要なマニホールド及び流れ構造(双方向及び/又は専用マニホールド)を形成し、歯を処理/洗浄するために必要な性能特性を提供する。
【0096】
ルーメンの材料は、より低いジュロ硬度の可撓性材料(25ショアA)から、より硬い材料のより剛性の材料(90ショアA)の範囲であり得、好ましくは30〜70ショアAである。
【0097】
材料は、所望の設計及び性能属性を達成するため、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン(PU)、又は多成分(材料及び硬度の組み合わせ)であり得る。
【0098】
第1ノズル1166及び第2ノズル1168は、穴あけ又は穿孔などの二次操作によって作製され得るか、又は成形中に形成され得る。あるいは、第1ノズル1166及び第2ノズル1168は、洗浄構成要素1150に挿入されて、増加した摩耗特性及び又は異なるジェット性能特性を提供することができ、摩擦洗浄要素又は他の構成要素と組み合わされて洗浄及び/又は処理効果を向上させ得る。
【0099】
図12及び図13の実施形態は、ヘッド部1140上の単一の洗浄構成要素1150を示しているが、洗浄構成要素1150と同様の第2洗浄構成要素が、ヘッド部1140の反対側に面して配設され得ることを理解すべきである。第2洗浄構成要素は、口腔の上部セクション及び底部セクション両方の複数の表面の実質的に同時の接触を提供することになる。
【0100】
図14図20は本発明による適用装置の第3の実施形態を示す。図14は、装置のネック部2130及びヘッド部2140の側面図である。この図は、ヘッド部2140に対向して配設される洗浄構成要素2150を示す。これらの図は、洗浄構成要素2150が、近位封止膜2152、遠位封止膜2154、第1側壁部2156a、第2側壁部2156b、並びに基部内側壁部2158から構成されていることを示す。図15は、15−−15平面に沿って得られた図14の水平断面図である。この図はネック部2130内及びヘッド部2140内に配設された送達チャネル2142及び真空チャネル2144を示す。送達マニホールド供給2146は、洗浄構成要素2150内の送達チャネル2142を送達マニホールド2162に接続させる。真空マニホールド供給2148は、洗浄構成要素2150内の真空チャネル2144を真空マニホールド2164に接続させる。図16は、16−−16平面に沿って得られた図14の水平断面図である。この図は送達マニホールド2162に接続された送達マニホールド供給2146、及び真空マニホールド2162に接続された真空マニホールド供給2148を示す。
【0101】
図17図20は洗浄構成要素2150の図である。図17は、洗浄構成要素2150の平面図であり、近位封止膜2152、遠位封止膜2154、洗浄要素2155、第1側壁部2156a、第2側壁部2156b、並びに基部内側壁部2158を含む。これらの図は、第1側壁部2156a、第2側壁部2156b、及び基部内側壁部2158上に位置する洗浄要素2155を示すが、洗浄要素2155は、1つの壁部(例えば、2156a)上のみに、若しくは他の実施形態では、側壁部(2156a及び2156b)と基部内側壁部2158の任意の組み合わせ上に位置し得る。加えて、洗浄要素155の形状、サイズ、数及びレイアウトは改善された洗浄のために最適化され得る。
【0102】
図18は、18−−18平面に沿って得られた図17の垂直断面図である。この図は、近位封止膜2152、遠位封止膜2154、第1側壁部2156a、第2側壁部2156b、及び基部内側壁部2158により画定された液体接触チャンバ(LCC)2160を示す。この図はまた、送達チャネル2142が送達マニホールド供給2146に接続し、該供給2146は送達マニホールド2162に接続することを示す。図示しないが、真空チャネル2144が真空マニホールド供給2148に接続し、該供給2148は真空マニホールド2164に接続する。流体は、送達ノズル2168aを通って送達マニホールド2162から出る。流体は、真空ノズル2168bを通って真空マニホールド2164に入る。
【0103】
図19は、洗浄構成要素2150の端面図である。図20は、20−−20平面に沿って得られた図19の垂直断面図である。これらの図は、送達マニホールド供給2146に接続された送達チャネル2142を示し、送達チャネル2142は洗浄構成要素2150内の送達マニホールド2162に接続される。送達マニホールド2162は、送達ノズル2168aに供給する。真空チャネル2144は真空マニホールド供給2148に接続され、該供給2148は洗浄構成要素2150内の真空マニホールド2164に接続される。真空マニホールド2164は真空ノズル2168bから流体を引く。
【0104】
図20は、洗浄構成要素2150の中央領域に位置する送達ノズル2168aを示し、真空ノズル2168bは送達ノズル2168aの周囲に位置する。このノズルレイアウトは、LLC 2160を通る洗浄流体の安定した流れをもたらすことが期待される。送達ノズル2168a及び真空ノズル2168bのレイアウトは、ノズル構成の一実施形態に過ぎないことが理解されるべきである。ノズルのレイアウト、並びにノズル開口部の幾何形状は変わり得る。
【0105】
近位封止膜2152及び遠位封止膜2154は、可撓性の自在封止機構を提供し、流れを歯の上及び周囲に向け直しつつ口腔内への漏れを最小限に抑え、届きにくい場所(HTRP)に達するように処理/洗浄領域を最大化する。膜は、歯及び歯肉の周囲で形を成すように、ルーメン長手方向軸にわたって弾性機能を提供し得る。
【0106】
基部内側壁部2158は、口腔内の効果的なフィット又は封止に必要とされる可撓性を提供し、流体が歯及び/又は歯肉表面に戻るように向け直され、流れることを可能にする。
【0107】
洗浄操作の一実施形態において、洗浄液は、送達チャネル2142を通してポンプ移送され、送達マニホールド供給2146を通って送達マニホールド2162に入る。洗浄液は、その後、送達ノズル2168aを通ってLCC 2160に入る。真空が真空マニホールド供給2148上で引かれ、洗浄液を真空ノズル2168bを通して真空マニホールド2164内まで引き込み、その後、洗浄液は真空マニホールド供給2148を通って流れ、最終的には真空チャネル2144に流れ込む。
【0108】
この実施形態において、洗浄液のジェットは、送達マニホールド2162からLCC 2160内の歯及び/又は歯肉領域の両方の表面へ同時に方向付けられ、制御された、歯茎ライン、表面及び/又は歯肉領域の洗浄又は処理を提供する。
【0109】
別の実施形態において、両方のマニホールドを介して液体を同時に送達し、LCC 2160に大量の液体送り、ある期間にわたって歯を浸漬し、その後、一定期間の後に一方又は両方のマニホールドを介してLCC 2160を空にすることが好ましい場合がある。ここで、洗浄液又は処理液は、送達チャネル2142及び真空チャネル2144を通って同時にポンプ移送される。液体は、送達ノズル1268a及び真空ノズル1268bを通ってLCC 2160に同時に入る。LCC 2160を空にするために、真空が送達チャネル2142及び真空チャネル2144上に同時に引かれる。洗浄液又は処理液は、送達ノズル1268a及び真空ノズル1268bを通じて同時に引かれる。
【0110】
図14図20の実施形態は、ヘッド部2140上の単一の洗浄構成要素2150を示しているが、洗浄構成要素2150と同様の第2洗浄構成要素が、ヘッド部2140の反対側に面して配設され得ることが理解されるべきである。第2洗浄構成要素は、口腔の上部セクション及び底部セクション両方の複数の表面と実質的に同時の接触を提供することになる。
【0111】
図21図27は、本発明による適用装置の第4の実施形態を示す。図21は、この実施形態のネック部及びヘッド部の右側前部斜視図である。この図は装置のネック部2530及びヘッド部2540を示す。洗浄構成要素2550はヘッド部2540に対向して配設される。洗浄構成要素2550は、洗浄構成要素2550の近位端及び遠位端上の封止膜2552、第1側壁部2556a、第2側壁部2556b、及び基部壁部2558から構成される。洗浄要素2555は、第1側壁部2556a、第2側壁部2556b、及び基部壁部2558の上に配設される。スプレーノズル2568は、洗浄構成要素2550の第1側壁部2556a及び第2側壁部2556b上に位置する多数の洗浄要素2555の遠位端に配設される。他の実施形態では、スプレーノズル2568が、第1側壁部2556a、第2側壁部2556b、基部壁部2558のいずれか、若しくは洗浄構成要素2550の壁部のいずれか又は全ての上に位置する洗浄要素2555の一部又は全ての遠位端に配設され得ることに注目することが重要である。この図面はまた、封止膜2552、第1側壁部2556a、第2側壁部2556b、及び基部壁部2558によって画定される液体接触チャンバ(LCC)2560を示す。
【0112】
図22及び23は、図21の装置の実施形態の分解図である。図22は右側前部分解図であるが、一方図23は左側底部分解図である。各図は、装置のネック部2530、ヘッド部2540、及び洗浄構成要素2550を示す。図22は、ヘッド部2540の上面上のマニホールド供給2546及び2548、並びにヘッド部ピボット穴2545を示す。図23は、ヘッド部2540の下面上のヘッド部ピボット穴2545、並びに洗浄構成要素2550の下面上のマニホールドエントリースロット2551及び2557、クリーナピボット穴2553、並びに回転溝2554を示す。マニホールド供給2546及び2548は、第1チャネル2542及び第2チャネル2544からの流体の流れ及び真空の流れのための経路を生成するように、マニホールドエントリースロット2551及び2557と位置合わせされる。洗浄構成要素2550がピボット穴2545及び2553を中心にして回転すると、マニホールド供給2546及び2548は、マニホールドエントリースロット2551及び2557との位置合わせを切り替える。結果的に、洗浄構成要素2250は、ヘッド部2540の横軸及び縦軸の周りを旋回することができる(すなわち、回転可能である)。洗浄構成要素2550がヘッド部2540の上面を中心にして回転する際に漏れを防止するために、図示していないが、ガスケットを回転溝2554に設けてよい。また、ピボット穴2545及び2553に配設されるピンは、これらの図面には示されていない。これによって、ヘッド部2540の上面での洗浄構成要素2550の回転が可能になる。
【0113】
図24は、図21の装置のネック部2530及びヘッド部2540の側面図である。この図は、ヘッド部2540に対向して配設される洗浄構成要素2550を示す。図25は、25−−25平面に沿って得られた図24の水平断面図である。この図は、ネック部2530及びヘッド部2540に配設される第1チャネル2542及び第2チャネル2544を示す。第1マニホールド供給2546及び第2マニホールド供給2548は、第1チャネル2542及び第2チャネル2544を、それぞれ、洗浄構成要素2550内の第1マニホールド2562又は第2マニホールド2564に接続する。図26は、26−−26平面に沿って得られた図24の水平断面図である。この図は、第1マニホールド2562及び第2マニホールド2564を示す。
【0114】
図27は、27−−27平面に沿って得られた図21の垂直断面図である。この図は、洗浄構成要素2550の第1マニホールド2562を示す。スプレーノズル2568は洗浄構成要素2550の第1側壁部2556a上に配設される。
【0115】
洗浄操作の一実施形態では、洗浄液が第1チャネル2542を通してポンプ移送され、第1マニホールド供給2546を通って第1マニホールド2562に入る。洗浄液は、その後、第1側壁部2556a上に配設された洗浄要素2555の遠位端に位置するスプレーノズル2568を通ってLCC 2560に入る。真空が第2マニホールド供給2548上で引かれて、洗浄液を第2壁部2556b上に配設された洗浄要素2555の遠位端に位置する真空ノズル2168を通して真空マニホールド2564内に引き込む。この流体は、その後、第2マニホールド供給2548を通って流れ、最終的には第2チャネル2544に流れ込む。
【0116】
本発明による装置と共に使用される基部ユニットの一実施形態が図28に示される。図28は、装置3000の表面を一部切り取った図であり、ポンプセクション、真空セクション、並びにポンプ及び駆動セクションの構成要素間の空間的関係を示す。円筒容積3412は、ポンプセクション、真空セクション、並びにポンプ及び駆動セクションの構成要素が占めていない、真空円筒スリーブ3410の容積であり、示される実施形態では液体リザーバとして機能する。装置3000の全体的動作は以下の通りである。
【0117】
装置3000に洗浄液が十分に充填される。液体は最初、真空円筒スリーブ3410の円筒容積3412内に位置する。ユーザーは本発明による液体アプリケータの任意の実施形態を口の中に挿入する。装置3000は、センサ(圧力センサ、近接センサなど)によって起動され得るか又は装置はユーザーによって起動され得る。洗浄サイクルが開始される。
【0118】
ピストンロッド3460の「下方ストローク」により、送達ピストン3130はシリンダ容積3412の底部から送達容積3114の中へと液体を引き込む。
【0119】
ピストンロッド3460の「上方ストローク」により、送達ピストン3130は往復式流量制御装置710の基部ポート742を通して液体を押し込む。往復流制御装置710を通過する液体流については、図3c及び図3dを使用して先に説明されている。簡単に言えば、往復式流量制御装置710が第1位置(図3c)にあるとき、送達容積3114からの流入液体が基部ポート742を通って往復式流量制御装置710に入る。液体はキャップポート722を通って往復式流量制御装置710を出て、出口パイプ3010bに流入する。出口パイプ3010a(図示しない)を通って流入する、戻る液体は、キャップポート724を通って往復式流量制御装置710に再び入る。液体は基部ポート744を通って往復式流量制御装置710を出る。往復式流量制御装置710が第2位置(図4d)にあるとき、送達容積3114からの流入液体は基部ポート742を通って往復式流量制御装置710に入る。液体はキャップポート724を通って往復式流量制御装置710を出て、出口パイプ3010aに流入する。出口パイプ3010bを通って流入する、戻る液体がキャップポート722を通って往復式流量制御装置710に再び入る。液体は基部ポート744を通って往復式流量制御装置710を再び出る。図1のアプリケータ100内の洗浄液体の往復運動は、第1位置と第2位置との間で往復式流量制御装置710を切り替えることにより達成される。往復式流量制御装置710の第1位置と第2位置との間での切り替えは、往復式流量制御装置710内の位置調節器732に連動しているウォームギアにより達成される。この実施形態においては連続的に回転するものとして示されるが、往復式流量制御装置710は、別のモーターなどの別個の手段によって駆動されてもよいことを理解すべきである。また、往復式流量制御装置710を第1位置と第2位置との間で切り替えるための時間間隔は、いくつかの実施形態において約1〜約100秒、又は約2〜約10秒であり得、洗浄/処理の最中に変更してもよい。
【0120】
本実施形態において、装置3000の真空セクションは、ピストンロッド3460の「上方ストローク」及び「下方ストローク」両方の間に効果的である。真空ピストン3270は複動式であり、かつ液体を真空ピストン3270の上方ストローク及び下方ストローク両方の間に液体アプリケータ100から引き込む。往復式流量制御装置710の基部ポート744を通って流れる液体は、真空容積3275a又は3275bを通って流れる。真空容積3275aは、真空端部ディスク3250と真空ピストン3270との間の容積である。真空容積3275bは、真空端部ディスク3290と真空ピストン3270との間の容積である。ピストンロッド3460の「上方ストローク」の間、基部ポート744内の液体は真空容積3275bの中へ引き込まれ、かつ真空容積3275aからシリンダ容積3412の中に同時に放出される。ピストンロッド3460の「下方ストローク」の間、基部ポート744内の液体は真空容積3275aの中へ引き込まれ、かつ真空容積3275bからシリンダ容積3412の中に同時に放出される。前述の通り、この実施形態における真空ピストン3270は複動式であり、真空ピストン3270の上方ストローク及び下方ストロークの両方でアプリケータ100から液体を引き込む。それで、真空容積3275bが基部ポート744から液体を引き込んでいる間、真空容積3275a内の液体はシリンダ容積3412の中にポンプ移送されている。対照的に、真空容積3275aが基部ポート744から液体を引き込んでいる間、真空容積3275b内の液体はシリンダ容積3412の中にポンプ移送されている。ピストンロッド3460の「上方ストローク」の間、真空容積3275a内の液体はシリンダ容積3412の中へポンプ移送される。ピストンロッド3460の「下方ストローク」の間、真空容積3275b内の液体はシリンダ容積3412の中へポンプ移送される。
【0121】
サイクルは、ピストンロッド3460の「上方ストローク」及び「下方ストローク」両方を含むサイクルを継続し、装置3000を通じた液体運動は上記の通りである。
【0122】
真空容積3275a及び3275bの合計容積と、送達容積3114との比率は、例えば、1:1、任意により約3:1以上、又は約4:1以上など、任意の範囲であり得る。送達ピストン3130は、ポンピング/真空サイクルの「半分」にわたってのみ液体を送達する一方で、真空ピストン3270はサイクル全体(both halves)にわたって機能する。複動真空ピストン3270はまた、ストロークの半分の間に真空を提供し、ここで送達ピストン3130は液体を送達せず、アプリケータ100からの液体、並びにアプリケータ100から口腔内に漏れた汚れていない追加的な液体を回収する機会が増す。試験は、1ストローク当たりの液体吸引と液体送達の最小の体積比3:1を示し、これは、アプリケータが辺縁部歯肉封止(これは自在(広範な人々にフィットするように設計されている)アプリケータ100設計の実施形態において生じ得る)を有する際にアプリケータ100から口腔内への漏れを最小限に抑えるために必要な真空を提供した。
【0123】
いくつかの実施形態において、真空ポンプ3270は単動式である。しかしながら、複動真空ピストン3270はいくつかの利点を示し得る。
【0124】
いくつかの実施形態において、円筒容積3412は、発泡を低減するための空気分離器を有し得る。また、ポンプ/真空システムが圧力過剰になり固着/故障しないように、通気口が必要とされることがある。液体が通気口から飛散する可能性を更に低減するため、円筒容積3412を2つの半体に分割する壁部が存在してもよい。
【0125】
一般的に、円筒容積3412は、送達システムから引かれるよりも多くの液体が真空システムから円筒容積3412に送達されるため、通気口を付される。過剰分(空気)が、円筒容積3412の通気口から排出される。通気口は、傘状弁(これにより空気は逃れることができるが、同じ開口部からリザーバに入ることはできない)若しくは双方向弁などの弁、又は通気孔を使用し得る。通気口を介した液体の損失を更に低減するため、円筒容積3412を2つの部分に分割するための壁部が使用され得る。一方の側面は供給ラインを含み、他方の側面は通気口を含む。円筒容積3412内の液体からの空気の分離を最適化するため、リザーバ内の供給ラインの下に空気分離器が配置され得る。液体が供給ラインから円筒容積3412内に落ちると、これは、孔を有する中実プレートであり得る空気分離器を通過する。これは液体が通過するのを可能にする一方で、連行空気を排除し、2つの液体状態(液体と空気)の分離を助ける。空気分離器は、孔を有する角度付き中実棚、らせん状傾斜面、孔を有するらせん状傾斜面、孔を有する2つ以上の段階の角度付き棚、多数のらせん状傾斜面(ねじの多数の開始点と同様(ボトルキャップなど))、液体が落ちる際に接触する不規則に位置するボスなどの様々な設計を有してもよく、分離を補助する。
【0126】
一実施形態において、基部ユニットは、充電式電池を有する内蔵型の携帯ユニットであり、液体送達のためのモーター駆動ピストンポンプを有し、液体流を制御する機構を有し、温度を特定の範囲に維持し、モジュラー型の設計であり、かつユーザーの手に非常に適した人間工学性を有する。ハンドピースが基部ステーション内にあるとき、これは電池を再充電し、基部ステーション内の液体リザーバからハンドピース内の液体リザーバを再充填し、基部ステーションとサンプル及び/又は診断情報を交換する。これはまた、洗浄プロセスを経てもよい。
【0127】
〔実施の態様〕
(1) 液体を哺乳類の口腔の複数の表面上へ方向付けるための装置であって、
ハンドルであって、
前記ハンドル内に前記液体を受容するための第1ポート及び第2ポートであって、前記ハンドルの近位端に位置する、第1ポート及び第2ポートと、
前記液体を移送するための第1チャネル及び第2チャネルであって、前記ハンドルの前記近位端において前記第1ポート及び第2ポートに接続され、かつ前記ハンドルを通じて長手方向に延びる、第1チャネル及び第2チャネルと、を備える、ハンドルと、
ネック部であって、
前記ネック部を通じて長手方向に延びる、前記液体を移送するための前記第1チャネル及び第2チャネルを備える、ネック部と、
ヘッド部であって、
洗浄構成要素であって、前記洗浄構成要素が、前記複数の表面に近接するように前記液体を維持するためのチャンバを備え、前記チャンバが、近位封止膜及び遠位封止膜、前記第1封止膜と前記第2封止膜との間に長手方向に延びる第1内側側壁部及び第2内側側壁部、並びに前記第1内側側壁部と前記第2内側側壁部との間に水平方向にかつ前記近位封止膜と前記遠位封止膜との間に長手方向に延びる基部内側壁部によって画定され、前記第1内側側壁部及び前記第2内側側壁部が複数の開口部を備える、洗浄構成要素と、
前記液体の第1部分を収容し、かつ前記第1内側側壁部の前記開口部を通して前記第1部分を前記チャンバへ提供するための第1マニホールドと、
前記液体の第2部分を収容し、かつ前記第2内側側壁部の前記開口部を通して前記第2部分を前記チャンバへ提供するための第2マニホールドと、
前記液体の第1部分を前記第1マニホールドへかつ/又は前記第1マニホールドから搬送するための第1ポートと、
前記液体の第2部分を前記第2マニホールドへかつ/又は前記第2マニホールドから搬送するための第2ポートと、を備えるヘッド部とを備え、
前記洗浄構成要素が前記ヘッド部の横軸及び縦軸の周りに回転可能である、装置。
(2) 前記液体を前記装置に提供するための手段に前記装置を取り付けるための手段を更に含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記取り付け手段が、前記液体を前記装置に提供するための前記手段に前記装置を取り付けるための急速分離構造を含む、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記第1マニホールドにより接続された複数の第1ルーメン及び前記第2マニホールドにより接続された複数の第2ルーメンを備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記開口部の数、位置及び断面形状が、前記口腔に有益効果を提供するために有効であるスプレーパターンを提供するために効果的である、実施態様1に記載の装置。
【0128】
(6) 前記口腔の上部セクション及び底部セクション両方の複数の表面の実質的に同時の接触を提供するための第2洗浄構成要素を備える、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記開口部の前記断面形状が、円形、楕円形及び台形からなる群から選択される、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記基部内側壁部が、前記効果的な封止を提供するための柔軟な膜を備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記効果的な封止を提供するための、柔軟な歯肉封止膜を含む、実施態様8に記載の装置。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28