(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2ファンは、前記回転軸の軸線に沿った方向から見て円形状の基板部と、前記基板部の外周から前記回転軸の軸線に沿って突出した多数の羽根とを有するシロッコファンであり、
前記空隙部は、前記羽根の突出方向先端側へ膨出するように前記基板部に設けた膨出部内の空間からなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の除湿機。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0014】
図1から
図3Bは本発明の実施形態に係る送風装置の一例である除湿機1を示す。
図4は除湿機1の概念的な断面図である。
図5は除湿機1のシステム図である。
【0015】
(全体構成)
図1及び
図2を参照すると、除湿機1は、円柱形状の外観を有し、本体100と、本体100の上部に配置されたヘッド部600と、本体100の下部に配置された貯水部700とを備える。除湿機1は、本体100の吸込口112から吸引した外部(例えば除湿対象の室内)の空気(処理空気)を、本体100内で除湿ロータ200による水分吸着により除湿(処理)する。除湿された処理空気は、ヘッド部600の吹出口642から外部へ吐出される。除湿ロータ200に吸着された水分は、本体100内の閉経路を循環する空気(再生空気)により回収され、貯水部700の貯水タンク720内に貯留される。
【0016】
ヘッド部600は、
図1において本体100の軸線Lを中心として回転可能な送風部640を備える。送風部640は、
図1に示す基準位置を起点として、規制部材680回りを略±180度の範囲で、
図1において周方向Aに往復(首振り)回転できる。送風部640の吹出口642には可動式のルーバー660が配置されている。ルーバー660は、
図1において上下方向Bの設定範囲で揺動できる。
【0017】
図4及び
図5に示すように、除湿機1は、破線で示す処理空気が流れる経路(処理空気経路)2と、実線で示す再生空気が流れる経路(再生空気経路)3とを備える。除湿ロータ200は、処理空気経路2及び再生空気経路3に跨がって配置されている。除湿機1は、除湿ロータ200の一面側(吸込口112側)に、再生空気及び除湿ロータ200を加熱するヒータ(加熱手段)250を備える。また、除湿機1は、除湿ロータ200の一面側に配置された主熱交換器(第1熱交換器)300と、除湿ロータ200の他面側に配置された副熱交換器(第2熱交換器)350とを備える。さらに、除湿機1は、処理空気を吸引及び吐出するための処理空気ファン(第1送風手段)400と、再生空気を循環させるための再生空気ファン(第2送風手段)450とを備える。
【0018】
図1から
図3Bに示すように、本体100は、除湿ロータ200、ヒータ250、主熱交換器300、副熱交換器350、処理空気ファン400、及び再生空気ファン450を含む部品を配置するベース101を備える。ベース101は、下端に位置する平面視円形状の基部102と、基部102から矩形状をなすように立設した立壁部103とを備える。ベース101の外周部は、半円筒状である樹脂製の外装パネル110A,110Bにより覆われている。外装パネル110A,110Bは、内面側に金属製の補強パネル111A,111Bを備える。一方の外装パネル110Aには、室内の空気を取り入れるための吸込口112が設けられている。吸込口112は、上下方向に延びる多数条のスリットからなる。なお、吸込口112の内面側には、図示しないフィルタが外装パネル110Aに沿って着脱可能に配置されている。
【0019】
(処理空気経路)
図4及び
図5に示すように、処理空気経路2は、吸込口112から吹出口642までを接続している。処理空気経路2には、吸込口112から吹出口642に向けて処理空気が流れる方向に沿って順に、主熱交換器300、除湿ロータ200、副熱交換器350、及び処理空気ファン400が配置されている。
【0020】
図5に最も明瞭に示すように、処理空気経路2は、第1から第5の部分2a〜2eを備える。第1部分2aは、吸込口112から主熱交換器300までを接続している。
図4に示すように、第1部分2aは、吸込口112と主熱交換器300との間に形成された空間からなる。第2部分2bは、主熱交換器300から除湿ロータ200までを接続している。
図4に示すように、第2部分2bは、主熱交換器300と除湿ロータ200との間に形成された空間からなる。第3部分2cは、除湿ロータ200から副熱交換器350までを接続している。
図4に示すように、第3部分2cは、除湿ロータ200と副熱交換器350との間に形成された空間からなる。第4部分2dは、副熱交換器350から処理空気ファン400までを接続している。
図4に示すように、第4部分2dは、副熱交換器350と処理空気ファン400の吸込口112との間に形成された空間からなる。第5部分2eは、処理空気ファン400の吐出口から吹出口642までを接続している。
図4に示すように、第5部分2eは、処理空気ファン400のファンケース410の送出部411、及びヘッド部600の送風案内部641を備える。
【0021】
処理空気ファン400が駆動されると、吸込口112から処理空気が吸い込まれる。処理空気は、主熱交換器300で昇温された後、除湿ロータ200を通過する際に除湿される。ついで、副熱交換器350で更に昇温された後、処理空気ファン400のファンケース410内に流入する。その後、ファンケース410の送出部411から上向きに送出され、ヘッド部600の吹出口642から室内へ吐出される。
【0022】
(再生空気経路)
図4及び
図5に示すように、再生空気経路3には、ヒータ250を起点として再生空気が流れる方向に従って順に、除湿ロータ200、副熱交換器350、主熱交換器300、及び再生空気ファン450が配置されている。
【0023】
図5に最も明瞭に示すように、再生空気経路3は、第1から第5の部分3a〜3eを備える。第1部分3aは、再生空気ファン450の吐出口からヒータ250までを接続している。
図3A,B及び
図4に示すように、第1部分3aは、再生空気ファン450のファンケース460とヒータ250のヒータケース260の間のダクト部462を備える。第2部分3bは、ヒータ250から除湿ロータ200までを接続している。
図4に示すように、第2部分3bは、ヒータケース260中のヒータ250と除湿ロータ200との間に形成された空間(隙間)からなる。第3部分3cは、除湿ロータ200から副熱交換器350までを接続している。
図4に示すように、第3部分3cは、副熱交換器350の上部ヘッダ370の内部空間からなる。第4部分3dは、副熱交換器350から主熱交換器300までを接続している。
図3A,B及び
図4に示すように、第4部分3dは、副熱交換器350の下部ヘッダ380、ダクト部材500、及び主熱交換器300の上部ヘッダ320を備える。第5部分3eは、主熱交換器300から再生空気ファン450までを接続している。
図3B及び
図4に示すように、第5部分3eは、主熱交換器300の下部ヘッダ330と再生空気ファン450のファンケース460の間のダクト部461を備える。
【0024】
再生空気ファン450が駆動されると、再生空気ファン450から送出された再生空気は、ヒータ250で加熱される。ついで、また、除湿ロータ200もヒータ250で加熱されることにより、吸着した水分を放出する。再生空気は、除湿ロータ200を通過する際に、除湿ロータ200が吸着した水分を回収(吸着)した後、副熱交換器350で冷却される。ついで、ダクト部材500を通って主熱交換器300に流入し、再び冷却される。その後、再生空気は、再生空気ファン450に戻り、再びヒータ250へ送出される。なお、熱交換器300,350で再生空気が冷却されることにより凝縮した水は、貯水タンク720に貯留される。
【0025】
(本体内部の詳細)
図6A,Bに示すように、ベース101の立壁部103には、円形状のロータ配置部104が設けられている。ベース101は、ロータ配置部104の外周部に第1から第3の通気部105a〜105cを備える。第1通気部105aは、
図6Bにおいて立壁部103の左側上部に形成されている。第1通気部105aには、ヒータ250のヒータケース260が一端側に配置され、再生空気ファン450のファンケース460の第2ダクト部462が他端側に接続されている。第2通気部105bは、
図6Aにおいて立壁部103の左側上部に形成されている。第2通気部105bには、副熱交換器350の下部ヘッダ380に接続されたダクト部材500が一端側に接続され、主熱交換器300の上部ヘッダ320のダクト部321が他端側に接続されている。第3通気部105cは、
図6Bにおいて立壁部103の右側下部に形成されている。第3通気部105cには、主熱交換器300の下部ヘッダ330のダクト部331が一端側に接続され、再生空気ファン450のファンケース460のダクト部461が他端側に接続されている。
【0026】
図6Aから
図7に示すように、除湿ロータ200は、ベース101のロータ配置部104に回転可能に配置されている。除湿ロータ200は、ゼオライト又はシリカゲルを結合させたメッシュ状のセラミックハニカムからなる吸湿材201を備える。吸湿材201は、樹脂製の枠部材202により保持されている。
図6Bに最も明瞭に示すように、枠部材202は、吸湿材201の中心に位置する軸支部203と、吸湿材201の外周に位置する外枠部204とを備える。軸支部203と外枠部204とは、吸湿材201の一面側(外装パネル110B側)で、放射状に延びる線条枠205により連結されている。
【0027】
図6A及び
図7に示すように、ヒータ250は、ヒータケース260の内部に配置され、ベース101に対して、第1通気部105aを含む除湿ロータ200の上側部分の一部を覆い隠すように固定されている。ヒータ250は、ヒータケース260の内部に保持部材270を介して配置されている。ヒータケース260の内周部と保持部材270の外周部との間には、第1通気部105aに連通する導入部262が形成されている。この導入部262を通して閉塞壁261とヒータ250(保持部材270)との間の空隙部263に再生空気が流入する。流入した再生空気は、閉塞壁261に衝突して逆向きに旋回し、ヒータ250を通過して加熱された後、除湿ロータ200に向けて流れる。また、ヒータ250は、再生空気の送風方向下流側に位置する除湿ロータ200を加熱する。
【0028】
図4及び
図6A,Bに示すように、主熱交換器300は、再生空気経路3の一部を構成し、処理空気経路2中において処理空気が流れる方向の除湿ロータ200の上流側(吸込口112側)に配置されている。主熱交換器300は樹脂製であり、多数のパイプ310と、上部ヘッダ320と、下部ヘッダ330とを備える。各パイプ310は、上部ヘッダ320と下部ヘッダ330とを流体的に接続する。各パイプ310は、内部を再生空気が通過し、隣接するパイプ310,310間である外部を処理空気が通過する。このパイプ310,310が延びる上下間の領域が、処理空気と再生空気の熱交換部である。上部ヘッダ320は、各パイプ310の上端に接続されている。上部ヘッダ320は、第2通気部105bに接続されるダクト部321を備える。下部ヘッダ330は、各パイプ310の下端に接続されている。下部ヘッダ330は、第3通気部105cに接続されるダクト部331を備える。
【0029】
図4及び
図6A,Bに示すように、副熱交換器350は、再生空気経路3の一部を構成し、処理空気経路2中において処理空気が流れる方向の除湿ロータ200の下流側(吹出口642側)に配置されている。副熱交換器350は樹脂製であり、多数のパイプ360と、上部ヘッダ370と、下部ヘッダ380とを備える。各パイプ360は、上部ヘッダ370と下部ヘッダ380とを流体的に接続する。各パイプ360は、内部を再生空気が通過し、隣接するパイプ360,360間である外部を処理空気が通過する。このパイプ360,360が延びる上下間の領域が、処理空気と再生空気の熱交換部である。上部ヘッダ370は、各パイプ360の上端に接続されている。
図6Aに最も明瞭に示すように、上部ヘッダ370は、ヒータ250で加熱された再生空気が除湿ロータ200を通して流入される流入口371を備える。
図6Bに示すように、下部ヘッダ380は、各パイプ360の下端に接続されている。下部ヘッダ380は、除湿ロータ200と反対側(外装パネル110B側)で開口するダクト部381を備える。
【0030】
図4及び
図8に示すように、処理空気ファン(第1ファン)400は、処理空気が流れる方向において、副熱交換器350の下流側(外装パネル110B側)に配置されている。処理空気ファン400は、ファンケース(第2ファンケース)410の内部に回転可能に配置されている。ファンケース410には、出口である送出部411が本体100の上端の概ね中央に位置するように設けられている。
【0031】
図4及び
図8に示すように、再生空気ファン(第2ファン)450は、処理空気ファン400の外装パネル110B側に配置されている。再生空気ファン450は、ファンケース(第2ファンケース)460の内部に回転可能に配置されている。
図9に示すように、ファンケース460には、再生空気が流される一対のダクト部461,462が設けられている。第1ダクト部461は、ベース101の第3通気部105cに接続され、ファンケース460と主熱交換器300とを連通させる。第2ダクト部462は、ベース101の第1通気部105aに接続され、ファンケース460とヒータケース260とを連通させる。
【0032】
図8から
図10Bに示すように、処理空気ファン400と再生空気ファン450とは、1個の両軸モータ490により回転される。両軸モータ490は、モータケース491の両端から突出する回転軸492を備える。両軸モータ490は、処理空気ファン400のファンケース410と、再生空気ファン450のファンケース460との間に配置される。両ファンケース410,460をネジ止め(係着手段)して固定することにより、ファンケース410,460間に両軸モータ490が挟み込まれて固定されている。
図8に最も明瞭に示すように、モータケース491の一端から突出した第1部分492aは、処理空気ファン400のファンケース410内に配置され、処理空気ファン400が連結されている。モータケース491の他端から突出した第2部分492bは、再生空気ファン450のファンケース460内に配置され、再生空気ファン450が連結されている。
【0033】
図3A,Bに示すように、ダクト部材500は、ファンケース460の外装パネル110B側に配置されている。ダクト部材500は、
図3Aにおいて右下側に位置する一端に、副熱交換器350のダクト部381に接続された第1接続部501を備える。また、ダクト部材500は、
図3Bにおいて右上側に位置する他端に、ベース101の第2通気部105bを介して主熱交換器300の上部ヘッダ320に接続された第2接続部502を備える。
図3Bに示すように、ダクト部材500は、除湿ロータ200の軸方向から見ると、ファンケース460のダクト部461,462とは逆向きで、ベース101の立壁部103の対角にかけて延びる。
【0034】
(処理空気ファンとファンケースの詳細)
図8及び
図10A,Bに示すように、処理空気ファン400は、両軸モータ490の回転軸492の軸線に沿った方向から空気を吸引し、径方向外向きに空気を送出するシロッコファンが用いられる。シロッコファンは、回転軸492の軸線に沿った方向から見て円形状の基板部401と、基板部401の外周から回転軸492の軸線に沿って突出するように設けた多数の羽根402とを有する。
図8に最も明瞭に示すように、処理空気ファン400は、基板部401が両軸モータ490側に位置し、羽根402が両軸モータ490から軸方向外向きに突出するように、回転軸492の第1部分492aに連結されている。基板部401は、羽根402の突出方向先端側へ膨出する膨出部401aを備える。膨出部401a内に形成される空間は、ファンケース410の取付凹部433を内部に配置する空隙部403である。
【0035】
処理空気ファン400のファンケース410は、ケース本体420と、ケース本体420の再生空気ファン450側の開口を塞ぐカバー430とを備える。ケース本体420の開口をカバー430で塞ぐことにより、内部にインボリュート通路が画定され、出口部分に四角筒状の送出部411が形成されている。
【0036】
ケース本体420は、軸方向から見てインボリュート曲線状に延びる曲面状の側壁部421と、側壁部421の一端を塞ぐ平板状の内壁部422とを備える。内壁部422は、副熱交換器350側に位置するように配置されている。また、内壁部422には、回転軸492の軸方向から見た処理空気ファン400の羽根402の内径と同一直径の流入口423が形成されている。副熱交換器350を通過した処理空気は、流入口423からファンケース410内に流入し、送出部411からヘッド部600へ送出され、吹出口642から室内へ吐出される。
【0037】
内壁部422には、ベース101に固定するためのネジ止め部424が設けられている。側壁部421には、カバー430をネジ止めして固定するためのネジ止め部425が設けられている。
【0038】
カバー430は、ケース本体420の側壁部421の外面に嵌合される側壁部431と、側壁部431の一端を塞ぐ外壁部432とを備える。外壁部432は、再生空気ファン450のファンケース460に対向配置されている。外壁部432には、処理空気ファン400を配置した内部に向けて窪む第1取付凹部433が設けられている。第1取付凹部433は、両軸モータ490の外径より大きい球面状に窪んでいる。第1取付凹部433の中心には、両軸モータ490のモータケース491において、回転軸492に沿った方向の端部を嵌合する第1嵌合孔434が形成されている。第1嵌合孔434の周囲には、ファンケース410内に突出する筒部434aが設けられている。この第1嵌合孔434を通して回転軸492の第1部分492aがファンケース410内に配置されている。
【0039】
側壁部431には、ケース本体420のネジ止め部425にネジ止めして固定するためのネジ止め部435が設けられている。
図10Bに最も明瞭に示すように、外壁部432には、再生空気ファン450のファンケース460を固定する係着手段として、第1ネジ止め部436と第2ネジ止め部437とが設けられている。第1ネジ止め部436は、第1取付凹部433の周囲に位置するとともに、再生空気ファン450のファンケース460の外周部に位置する。第2ネジ止め部437は、第1取付凹部433内で第1嵌合孔434の周囲に位置するとともに、両軸モータ490の外周部に位置する。
【0040】
(再生空気ファンとファンケースの詳細)
図8及び
図10A,Bに示すように、再生空気ファン450は、処理空気ファン400と同様に、両軸モータ490の回転軸492の軸線に沿った方向から空気を吸引し、径方向外向きに空気を送出するシロッコファンが用いられる。シロッコファンは、回転軸492の軸線に沿った方向から見て円形状の基板部451と、基板部451の外周から回転軸492の軸線に沿って突出するように設けた多数の羽根452とを有する。
図8に最も明瞭に示すように、再生空気ファン450は、基板部451が両軸モータ490側に位置し、羽根452が両軸モータ490から軸方向外向きに突出するように、回転軸492の第2部分492bに連結されている。基板部451は、羽根452の突出方向先端側へ膨出する膨出部451aを備える。膨出部451a内に形成される空間は、ファンケース460の取付凹部483を内部に配置する空隙部453である。
【0041】
再生空気ファン450のファンケース460は、ケース本体470と、ケース本体470の処理空気ファン400側の開口を塞ぐカバー480とを備える。ケース本体470の開口をカバー480で塞ぐことにより、内部にインボリュート通路が画定される。
【0042】
ケース本体470は、軸方向から見てインボリュート曲線状に延びる曲面状の側壁部471と、側壁部471の一端を塞ぐ平板状の外壁部472を備える。外壁部472は、副熱交換器350と反対の外装パネル110B側に位置するように配置されている。
【0043】
また、ケース本体470には、主熱交換器300に接続する第1ダクト部461と、ヒータ250に接続する第2ダクト部462とが設けられている。第1ダクト部461は、外壁部472から外向きに突出するように設けられ、ファンケース460内への入口である開口部473が外壁部472で開口している。第2ダクト部462は、インボリュート通路の出口である側壁部471の先端に設けられている。本実施形態の第2ダクト部462はブロー成型により別体で設けた樹脂成形品であり、側壁部471の先端に配置されている。
【0044】
側壁部471には、ファンケース410の第1ネジ止め部436に固定するための第1ネジ止め部(係着手段)474が設けられている。また、側壁部471には、カバー480を固定するための第2ネジ止め部475が設けられている。
【0045】
カバー480は、ケース本体470の側壁部471の外面に嵌合される側壁部481と、側壁部481の一端を塞ぐ内壁部482とを備える。内壁部482は、処理空気ファン400のファンケース410に対向配置されている。内壁部482には、再生空気ファン450を配置した内部に向けて窪む第2取付凹部483が設けられている。第2取付凹部483は、両軸モータ490の外径より大きい球面状に窪んでいる。第2取付凹部483の中心には、両軸モータ490のモータケース491において、回転軸492に沿った方向の端部を嵌合する第2嵌合孔484が形成されている。第2嵌合孔484の周囲には、ファンケース460内に突出する筒部484aが設けられている。この第2嵌合孔484を通して回転軸492の第2部分492bがファンケース460内に配置されている。
【0046】
側壁部481には、ケース本体470の第2ネジ止め部475にネジ止めして固定するためのネジ止め部485が設けられている。また、
図10Aに最も明瞭に示すように、第2取付凹部483には、第2嵌合孔484の周囲に位置するように、ファンケース410の第2ネジ止め部437に固定するためのネジ止め部(係着手段)486が設けられている。
【0047】
(両軸モータの取付構造)
図8及び
図10A,Bに示すように、両軸モータ490のモータケース491は、各ファンケース410,460の取付凹部433,483により形成された空間493に配置されている。両軸モータ490には、ファンケース410,460及びベース101に固定するためのブラケット部等の取付部は何も設けられていない。両軸モータ490は、取付凹部433,483間に配置され、ネジ止め部437,486でネジ止めされることにより、ファンケース410,460間に挟み込んで固定されている。
【0048】
両軸モータ490には、回転軸492を突出させたモータケース491の両端に防振ゴム(緩衝部材)495が配置されている。防振ゴム495は、モータケース491において、回転軸492の軸線が延びる外端面に被覆されている。防振ゴム495は、モータケース491とファンケース410,460との間に挟み込まれた被覆部496を備える。また、防振ゴム495は、被覆部496の中心側に、嵌合孔434,484内に嵌合された嵌合部497を備える。嵌合部497は、被覆部496から軸線に沿って外方へ突出し、被覆部496との間に段差を形成する。このように取り付けたモータケース491は、全てがファンケース410,460間に形成された空間493に配置(収容)される。
【0049】
両軸モータ490を組み付ける際には、防振ゴム495を配置した両軸モータ490の両端に、各ファンケース410,460のカバー430,480を配置する。カバー430,480の各嵌合孔434,484に嵌合部497,497を配置し、カバー430,480同士をネジ止めする。これにより、カバー430,480間に両軸モータ490を挟み込んで固定する。ついで、カバー430,480から突出した回転軸492に、処理空気ファン400及び再生空気ファン450を連結する。その後、ケース本体420,470を配置し、ケース本体420とカバー430とをネジ止めにより固定するとともに、ケース本体470とカバー480とをネジ止めにより固定する。
【0050】
このように、本実施形態では、2個のファン400,450のファンケース410,460を互いにネジ止めして係着するだけで、両軸モータ490を位置決めして固定することができる。即ち、両軸モータ490を専用の留め具等によって固定する必要がないため、組立作業性を向上できる。
【0051】
図8に示すように、組み立てた処理空気ファン400及び再生空気ファン450は、取付凹部433,483により形成された空間493に両軸モータ490が配置されているため、ファンケース410,460間(外壁部432と内壁部482との間)の隙間が小さく、回転軸492の軸線に沿った厚さ方向の薄型化を図ることができる。しかも、ファン400,450としてシロッコファンを用い、それぞれ取付凹部433,483に対応する空隙部403,453を設けているため、送風量を減少することなく、確実に薄型化を図ることができる。
【0052】
また、ファンケース410,460に形成した取付凹部433,483により、モータケース491から突出する回転軸492の突出量を短く設定できる。しかも、ファン400,450は、基板部401,451を両軸モータ490側に配置するとともに、空隙部403,453を形成しているため、回転軸492の突出量を更に短く設定できる。そのため、異音や振動の要因になるファン400,450の振れ回りを防止できる。
【0053】
また、両軸モータ490のモータケース491には防振ゴム495が配置され、この防振ゴム495はファンケース410,460の嵌合孔434,484に嵌合される嵌合部497,497を備えるため、ファンケース410,460間に確実に両軸モータ490を位置決め保持できる。しかも、両軸モータ490を駆動することにより発生する振動を抑制できる。
【0054】
なお、本発明の除湿機1は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0055】
例えば、前記実施形態では、両軸モータ490にファンケース410,460に取り付けるための取付部を設けない構成としたが、専用の留め具を係着するための取付部を設けてもよい。この場合、モータケース491の端部を嵌合する嵌合孔434,484の代わりに、回転軸492を挿通可能な挿通孔を設けてもよい。
【0056】
また、前記実施形態では、両軸モータ490の両端に緩衝部材として防振ゴム495を配置したが、緩衝機能を有する部材であればいずれでも適用可能である。また、嵌合部497を設けない構成としてもよい。また、緩衝部材自体を配設しない構成としてもよい。
【0057】
また、前記実施形態では、ファンケース410,460間に形成された空間493にモータケース491全体が収容されるようにしたが、モータケース460の一部(外周部)だけが空間493に配置され、残りの部分(回転軸492回り)は嵌合孔434,484から軸方向外向きに突出するようにしてもよい。即ち、嵌合孔434,484を大きく形成し、この嵌合孔434,484からモータケース460が露出するように構成してもよい。
【0058】
また、前記実施形態では、第1及び第2のファン400,450は、シロッコファンを用いたが、空気を吸引して吐出可能なファンであればいずれでも適用可能である。また、基板部401,451を両軸モータ490側に配置し、基板部401,451に空隙部403,453を形成したが、基板部401,451を両軸モータ490の逆側に配置し、基板部401,451と羽根402,452との間に形成される空間(空隙部)に、取付凹部433,483を配置する構成としてもよい。
【0059】
なお、本発明の除湿機1は、例えば衣類の乾燥を目的とした衣類の水分を除湿対象とする他、室内を乾燥させることを目的とした室内空気を除湿対象とするものや、これらの両方の目的を達成するものが含まれる。言い換えれば、本発明の除湿機1には、除湿対象の衣類や室内を乾燥させる乾燥機が含まれる。