特許第6293721号(P6293721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293721
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】竪型破砕機
(51)【国際特許分類】
   B02C 13/16 20060101AFI20180305BHJP
   B02C 13/28 20060101ALI20180305BHJP
   B02C 13/282 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   B02C13/16
   B02C13/28 Z
   B02C13/282
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-235069(P2015-235069)
(22)【出願日】2015年12月1日
(62)【分割の表示】特願2011-286452(P2011-286452)の分割
【原出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2016-28820(P2016-28820A)
(43)【公開日】2016年3月3日
【審査請求日】2015年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】503245465
【氏名又は名称】株式会社アーステクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】石 橋 規 史
【審査官】 岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−016551(JP,A)
【文献】 特開平06−063432(JP,A)
【文献】 特開2004−298681(JP,A)
【文献】 特開2003−117414(JP,A)
【文献】 特開平08−024687(JP,A)
【文献】 特開2003−010708(JP,A)
【文献】 特開2001−340777(JP,A)
【文献】 米国特許第05388774(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 13/16
B02C 13/28
B02C 13/282
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕対象物を破砕する竪型破砕機であって、
昇降可能に設けられた筒状のケーシングと、
前記ケーシングの内周面に設けられたライナーと、
前記ケーシングの中心部に設けられ、鉛直方向の回転軸線を持つ回転軸と、
前記回転軸線周りに並置された複数のリングハンマーからなるハンマー群を含み、前記回転軸に装着されたローターと、
前記ケーシングを、前記ローターに対して昇降させるための昇降駆動手段と、を備え、
前記ローターは、前記ハンマー群を鉛直方向に複数段備え、
前記竪型破砕機は、前記ケーシングが第1の上下位置にある場合、および、前記ケーシングが前記昇降駆動手段によって昇降されて前記第1の上下位置とは異なる第2の上下位置にある場合のいずれにおいても、複数段の前記ハンマー群が前記ライナーに対向し、破砕対象物を破砕することができる、竪型破砕機。
【請求項2】
前記ケーシングの少なくとも一部がストレートな円筒状を成しており、少なくともこのストレートな円筒状の部分の内周面に前記ライナーが設けられている、請求項1記載の竪型破砕機。
【請求項3】
前記ケーシングは、下方に向かって縮径する円錐状の部分を含んでいる、請求項1または2に記載の竪型破砕機。
【請求項4】
前記ケーシングは、その全体がストレートな円筒状を成している、請求項1または2に記載の竪型破砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物や粗大ゴミなどを破砕処理するための竪型破砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
竪型破砕機は、金属や合成樹脂などからなる産業廃棄物や粗大ゴミ(例えば廃棄処分された家電製品)などを破砕処理するために使用されている。
【0003】
典型的な竪型破砕機としては、円筒状のケーシングの内周面にライナーを設けると共に、ケーシングの中心部に回転軸を設け、この回転軸の上端にブレーカーを、その下方にローターを、さらにその下方にスクレーパを装着した構造から成るものがある(特許文献1)。
【0004】
この従来の竪型破砕機のローターは、複数のリングハンマーからなるハンマー群を例えば上下二段備えており、上下に対応する一対のリングハンマーは各段共通のハンマーピンに遊嵌されている。
【0005】
そして、回転軸を回転させながら破砕対象物をケーシング内にその上部から投入すると、回転軸の上端に装着されたブレーカーとこれらブレーカーに対向するライナーによって、破砕対象物の粗い破砕が行われる。続いて、ローターを構成する複数のリングハンマーとこれらリングハンマーに対向するライナーによって、破砕対象物が所定の粒径(粒度)まで破砕される。
【0006】
なお、リングハンマーはハンマーピンに遊嵌されているので、回転軸周りにローターが回転する際の遠心力によって、リングハンマーがハンマーピンとの遊びの分だけ外方に変位する。
【0007】
上記の通り所定の粒径まで破砕された破砕対象物は、スクレーパによって掻き集められ、排出口を通って機外へ排出される。
【0008】
ここで、リングハンマーやライナーは堅い材質により構成されているが、産業廃棄物や粗大ゴミの破砕処理により摩耗が発生する。
【0009】
このため、リングハンマーやライナーを適宜新しいものと交換する必要があり、摩耗したリングハンマーやライナーを新しいものと交換すると、交換部品の費用が発生し、また交換の手間も必要となり、その間の操業停止を伴う。また、ライナーの交換は、非常に作業が繁雑である。
【0010】
ところで、リングハンマーやライナーの摩耗の進行状態は、破砕対象物の性状やリング構造、回転方向、また、それらの取付位置により異なり、一様ではなく、局所的に摩耗した場合でも破砕機を大掛かりに開放・分解して、該当箇所のリングハンマー、ライナーを廃棄して新しいものと交換する必要があるため、費用や作業負担が大きかった。
【0011】
例えば特許文献2、3に記載の竪型破砕機においては、リングハンマーとライナーとの間隙は下方に向かい狭くなっており、上部から投入された破砕対象物は、下方に落下するに従い、徐々に細かく破砕されていき、最下段のリングハンマーとライナーとの間隙で最終製品としての破砕物の粒度(粒径)が決まるが、破砕対象物の中にはリングハンマーやライナーよりも堅い材質のものも含まれており、破砕処理に伴ってリングハンマーとライナーが徐々に摩耗し、その摩耗の程度は下方ほど激しい。
【0012】
特に最下方のリングハンマーとライナーが大きく摩耗すると、両者の間隙が大きくなる結果、製品品質(粒径)に影響するため、特にこの箇所のリングハンマーやライナーの交換が頻繁に必要となる。交換時期は、摩耗により最下段のリングハンマーとライナーとの間隙が拡大して所定の製品品質(粒径)が確保できなくなることにより判断する。
【0013】
特に、リングハンマー、ライナーとも摩耗の激しいのは最下方の一部の領域のものであるが、そのために、破砕機を大掛かりに開放・分解して当該箇所のリングハンマー、ライナーを新しいものと交換するのは、費用や作業の無駄であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−74045号公報
【特許文献2】特開昭53−85563号公報
【特許文献3】特開平8−24684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明は、リングハンマー、ライナーとも一様に摩耗せず、摩耗の激しいのは一部のみであることに着目して、廃棄するリングハンマー、ライナーの数を極力減らし、消耗部品の費用を低減するとともに、交換作業の頻度も減らし、歩留まりを向上させることができる竪型破砕機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、第1の発明による竪型破砕機は、筒状のケーシングと、前記ケーシングの内周面に設けられたライナーと、前記ケーシングの中心部に設けられ、鉛直方向の回転軸線を持つ回転軸と、前記回転軸線周りに並置された複数のリングハンマーからなるハンマー群を含み、前記回転軸に装着されたローターと、を備え、前記ローターは、上下反転させて前記回転軸に装着して使用できるように構成されている、ことを特徴とする。
【0017】
また、第2の発明による竪型破砕機は、前記第1の発明において、前記ローターは、前記複数のリングハンマーに挿通された複数のハンマーピンと、前記複数のハンマーピンの上端を支持する上側支持部材と、前記複数のハンマーピンの下端を支持する下側支持部材とを含み、前記上側支持部材と前記ハンマーピンの上端との取り付け構造は、前記ローターを上下反転させた場合に前記ハンマーピンの荷重に耐え得るよう構成されている、ことを特徴とする。
【0018】
また、第3の発明による竪型破砕機は、前記第2の発明において、前記ローターは、全体として上下非対称の構造を備えている、ことを特徴とする。
【0019】
また、第4の発明による竪型破砕機は、前記第3の発明において、前記ローターは、前記上側支持部材又は前記下側支持部材のいずれか一方の支持部材に付設されて前記ローター全体の鉛直方向の厚みを増大させるスペーサーを含む、ことを特徴とする。
【0020】
また、第5の発明による竪型破砕機は、前記第3の発明において、前記上側支持部材及び前記下側支持部材が互いに異なる厚さを有する、ことを特徴とする。
【0021】
また、第6の発明による竪型破砕機は、前記第1又は第2の発明において、前記ローターは、全体として上下対称の構造にて構成されている、ことを特徴とする。
【0022】
また、第7の発明による竪型破砕機は、前記第1乃至6のいずれかの発明において、前記ケーシングが昇降可能に設けられており、前記ケーシングを昇降させるための昇降駆動手段を更に有する、ことを特徴とする。
【0023】
第8の発明による竪型破砕機は、上記課題を解決するために、昇降可能に設けられた筒状のケーシングと、前記ケーシングの内周面に設けられたライナーと、前記ケーシングの中心部に設けられ、鉛直方向の回転軸線を持つ回転軸と、前記回転軸線周りに並置された複数のリングハンマーからなるハンマー群を含み、前記回転軸に装着されたローターと、前記ケーシングを昇降させるための昇降駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
また、第9の発明による竪型破砕機は、前記第8の発明において、前記ケーシングの少なくとも一部がストレートな円筒状を成しており、少なくともこのストレートな円筒状の部分の内周面に前記ライナーが設けられている、ことを特徴とする。
【0025】
また、第10の発明による竪型破砕機は、前記第1乃至9のいずれかの発明において、前記ケーシングは、下方に向かって縮径する円錐状の部分を含んでいる、ことを特徴とする。
【0026】
また、第11の発明による竪型破砕機は、前記第1乃至9のいずれかの発明において、前記ケーシングは、その全体がストレートな円筒状を成している、ことを特徴とする。
【0027】
また、第12の発明による竪型破砕機は、前記第1乃至11のいずれかの発明において、前記ローターは、前記ハンマー群を鉛直方向に複数段備えている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
上記特徴を備えた本発明の竪型破砕機によれば、ハンマー、ライナーの摩耗が進行した部位を比較的容易な操作で摩耗の少ない部位に変更して使用することにより歩留まりを向上させて、廃棄するリングハンマー、ライナーの数を極力減らし、消耗部品の費用を低減するとともに、大掛かりな交換作業の頻度を減らすことを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態による竪型破砕機の縦断面図。
図2】(a)は図1に示した竪型破砕機の正面図、(b)は同平面図。
図3図1に示した竪型破砕機のローターを拡大して示した縦断面図。
図4】従来の竪型破砕機のローターを拡大して示した縦断面図。
図5図1に示した竪型破砕機で、一方方向回転の場合の運用方法を説明するための図であり、(a)は使用により下段のリングハンマーが摩耗した状態を示しており、(b)は(a)に示したリングハンマーをローターの反転により上下入れ替えた状態を示している。
図6図5に示したローターのリングハンマーの一つを示した上面図であり、(A)は図5(a)のローターのA−A断面を示し、(B)は図5(b)のローターのB−B断面を示している。
図7図1に示した実施形態の一変形例による竪型破砕機を示した縦断面図。
図8】本発明の他の実施形態による竪型破砕機のローターを拡大して示した縦断面図であり、(a)は初期位置の状態を示し、(b)はローター上下反転後の状態を示す。
図9図8に示したローターの使用状態を示した縦断面図であり、(a)は図8(a)のローターに対応し、(b)は図8(b)のローターに対応している。
図10】本発明の更に他の実施形態による竪型破砕機を示した縦断面図。
図11図10に示した実施形態の一変形例による竪型破砕機を示した縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態による竪型破砕機について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0031】
図1及び図2に示したように本実施形態による竪型破砕機は、ベース1上に設けられた筒状のケーシング2を備えており、このケーシング2は下方に向かって縮径する逆円錐形状をなしている。ケーシング2の内周面にはライナー3が設けられている。
【0032】
ケーシング2の中心部には、鉛直方向の回転軸線4を持つ回転軸5が設けられており、この回転軸5は図示を省略した駆動源(モーター)によって回転駆動される。回転軸5の上端にはブレーカー6が設けられており、その下方にはローター7が、さらにその下方にはスクレーパ8が設けられている。
【0033】
ローター7は、回転軸線4周りに所定の角度間隔で並置された複数のリングハンマー9からなるハンマー群を上下二段備えており、上下に対応する一対のリングハンマー9は共通のハンマーピン10に遊嵌されている。
【0034】
なお、変形例としては、ハンマー群について、上下二段ではなく一段のみとすることもできるし、或いは上中下の三段構成とすることもでき、それ以上の段数を設けることもできる。後述する本実施形態の変形例やその他の実施形態(及びそれらの変形例)においても同様である。
【0035】
本実施形態において、ローター7は、上段の円板部材(上側支持部材)11、中段の円板部材12、下段の円板部材(下側支持部材)13を含んでいる。これら上中下段の円板部材11、12、13の中央には貫通孔が形成され、これらの貫通孔を貫いて円筒部材14が設けられ、この円筒部材14に回転軸5が挿通されている。
【0036】
各ハンマーピン10は、上段、中段、下段の円板部材11、12、13によって支持されており、上段と中段の円板部材11、12同士の間に上段のハンマー群が設けられ、中段と下段の円板部材12、13同士の間に下段のハンマー群が設けられている。
【0037】
ケーシング2の下方には、スクレーパ8に隣接して排出口15が形成されており、スクレーパ8によって掻き集められた破砕物は排出口15を通じて排出される。
【0038】
そして、本実施形態による竪型破砕機のローター7は、図3に示したように、上下対称の構造にて構成されており、上側支持部材11とハンマーピン10の上端との取り付け構造は、ローター7を上下反転させた場合にハンマーピン10の荷重に耐え得るよう構成されている。
【0039】
これに対して従来の竪型破砕機のローター7Aは、図4に示したように、ハンマーピン10の上端が上下方向において支持されていない。即ち、図4に示した従来のローター7Aを上下反転させると、ハンマーピン10を受ける構造にはなっていない。
【0040】
本実施形態による竪型破砕機を用いて、産業廃棄物や粗大ゴミ(例えば使用済みの家電製品)を破砕する際には、回転軸5を回転させながら破砕対象物をケーシング2内にその上部から投入する。
【0041】
すると、回転軸5の上端に装着されたブレーカー6とこのブレーカー6に対向するライナー3によって破砕対象物の粗い破砕が行われる。続いて、ローター7を構成する複数のリングハンマー9とこれらリングハンマー9に対向するライナー3によって破砕対象物が所定の粒径(粒度)まで破砕される。
【0042】
なお、回転軸5周りにローター7が回転する際の遠心力によって、各リングハンマー9がハンマーピン10との遊びの分だけ外方に変位する。
【0043】
上記の通り所定の粒径まで破砕された破砕対象物は、スクレーパ8によって排出口15へと投入されて回収される。
【0044】
上述した破砕作業を繰り返すことにより、リングハンマー9やライナー3が摩耗するが、例えば図5(a)に示したように下段のリングハンマー9の摩耗が激しい場合、下段のリングハンマー9とこれに対向するライナー3との間隙が拡大してしまう。
【0045】
下段のリングハンマー9とこれに対向するライナー3との間隙は最終破砕物(製品)の品質(粒径)に影響するため、この間隙が拡大してしまうと所定の品質を確保することができない。
【0046】
そこで、本実施形態においては、図5(b)に示したようにローター7を上下反転させて再度使用する。このようにローター7を上下反転させると、摩耗の激しかった下段のリングハンマー9が上段に位置し、摩耗の少ない上段のリングハンマー9が下段に位置するようになる。これにより、下段のリングハンマー9とこれに対向するライナー3との間隙を所定の範囲内に回復させることができ、所定の品質を確保することができる。
【0047】
また、竪型破砕機の通常の運用においては、適当な運転間隔毎に回転軸5の回転方向を交互に逆転させてローター7の回転方向を調整することにより、各リングハンマー9の突出部の周方向における摩耗の均一化を図っているが、他の運用方法としては、ローター7を一方向にのみ回転させることもできる。
【0048】
図6(a)は、このようにローター7の回転方向を一方向として運用した場合の、上下反転前のローター7(図5(a))の1つのリングハンマー9を示しているが、リングハンマー9からの各突出部16は、周方向における一方の側が摩耗していることが分かる。これに対してローター7を上下反転させると(図5(b))、図6(b)に示したようにリングハンマー9の各突出部16の摩耗側が、周方向において反対側に位置するようになる。これにより、各リングハンマー9の周方向における摩耗の程度が均一化され、リングハンマー9の交換までの寿命を延ばすことができる。
【0049】
ちなみに竪型破砕機の通常の運用方法においては、上述したように回転軸5の回転方向を適宜逆転させてローター7の回転方向を調整することにより、リングハンマー9の摩耗は周方向において比較的均一に摩耗するが、ローター7の上下反転により両段のリングハンマー9を歩留まり良く使用することができる。
【0050】
なお、本発明の適用対象となる竪型破砕機には、回転軸5の回転方向が一方向に固定されているものも、回転方向を適宜逆転させることができるものも含まれる。
【0051】
上述したように本実施形態による竪型破砕機によれば、使用によりローター7のリングハンマー9が局所的に激しく摩耗した場合(例えば下段のハンマー群が激しく摩耗した場合)には、ローター7全体を上下反転させて再度使用することにより、ローター7全体としての摩耗の程度を均一化することができる。
【0052】
これによりリングハンマー9の交換までの寿命を延ばすことができるため、廃棄するリングハンマー9の数を極力減らし、消耗部品の費用を低減するとともに、交換作業の頻度も減らし、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0053】
図7は、図1に示した実施形態の一変形例としての竪型破砕機を示しており、この例においては、ケーシング2の形状が、逆円錐状ではなくストレートの円筒状を成している。
【0054】
このよう円筒状のケーシング2を備えた竪型破砕機においても、摩耗の程度が上下段のリングハンマー9により異なる場合があるので、ローター7全体を適宜上下反転させて使用することにより、リングハンマー9の寿命を延ばすことができる。
【0055】
次に、図8は、本発明の他の実施形態による竪型破砕機のローター7を拡大して示しており、このローター7は、図3に示した上記実施形態のローター7に対して、図8(a)に示したように下段の円板部材13の下に円板状のスペーサー17を備えている(初期位置)。即ち、本実施形態におけるローター7は、全体として上下非対称の構造を備えている。
【0056】
そして、図8(b)に示したようにローター7を上下反転させると、スペーサー17が上方に位置することになり、スペーサー17の厚み分だけ各リングハンマー9の位置が下がることになる。
【0057】
本実施形態による竪型破砕機においては、図9(a)に示したように各リングハンマー9に対向する部分のライナー3が局所的に大きく摩耗した場合には、図9(b)に示したようにローター7全体を上下反転させる。これにより、スペーサー17の厚み分だけ各リングハンマー9の位置が下がるため、ライナー3の摩耗の程度が少ない部分にリングハンマー9が対向することになり、所定の粒度を確保することができる。
【0058】
上記の通り本実施形態においては、ライナー3が局所的に摩耗した場合には、ローター7全体を上下反転させて再度使用することにより、所定の粒度を確保することができる。
【0059】
このようにリングハンマー9、ライナー3の摩耗が進行した部位を比較的容易な操作で摩耗の少ない部位に変更して使用することにより歩留まりを向上させて、廃棄するリングハンマー9、ライナー3の数を極力減らし、消耗部品の費用を低減するとともに、大掛かりな交換作業の頻度を減らすことを実現できる。
【0060】
また図8に示したスペーサー17付きのローター7を、図7に示した円筒状のケーシング2と組み合わせても良く、この場合でも、ローター7を上下反転させてライナー3の高摩耗箇所からリングハンマー9の位置を外すことにより、上述したようにライナー3の寿命延長の効果を得ることができる。
【0061】
なお、変形例としては、初期位置においてスペーサー17が上段の円板部材11の上に位置するように構成することもできる。この場合でも上記と同様の効果が得られる。
【0062】
また、本実施形態(又は変形例)においては下段(又は上段)の円板部材13(又は11)にスペーサー17を付加するようにしているが、変形例としては、下段(又は上段)の円板部材13(又は11)を上段(又は下段)の円板部材11(又は13)よりも厚くすることにより、スペーサー17を省略して円板部材13(又は11)自身にスペーサー機能を持たせるようにすることもできる。
【0063】
次に、図10は、本発明の更に他の実施形態による竪型破砕機を示している。この竪型破砕機においては、ケーシング2全体が昇降可能に設けられており、昇降モーター(昇降駆動手段)18によってケーシングの上下位置を適宜変更することができる。
【0064】
なお、本発明における昇降駆動手段は、モーターのような電動式のものには限定されず、油圧駆動式のもの、或いは手動式のもの(機械的な昇降手段)を用いることもできる。
【0065】
また、本実施形態におけるケーシング2は、逆円錐状の本体部分19と、その下に延在するストレートの円筒状の延長部分20とを備えている。
【0066】
本実施形態による竪型破砕機においては、ライナー3やリングハンマー9が摩耗して両者の間隔が拡大してしまった場合には、昇降モーター18を駆動してケーシング2を昇降させることにより、例えばライナー3の摩耗の少ない部分をリングハンマー9に対向させるようにする。これにより、ライナー3とリングハンマー9との間に所定の間隔が確保され、所定の粒度を確保することができる。
【0067】
上記の通り本実施形態においては、ライナー3やリングハンマー9が摩耗した場合には、昇降モーター18によりケーシング2を昇降駆動して所定の粒度を確保することができるので、ライナー3やリングハンマー9の交換までの寿命が延長され、廃棄するライナー3やリングハンマー9の数を極力減らし、消耗部品の費用を低減するとともに、交換作業の頻度も減らし、歩留まりを向上させることが可能となる。
【0068】
図11は、図10に示した実施形態の一変形例としての竪型破砕機を示しており、この例においては、ケーシング2の形状が、逆円錐状ではなく全体がストレートの円筒状を成している。
【0069】
このような円筒状のケーシングを備えた竪型破砕機においても、ライナー3が局所的に摩耗した場合には、昇降モーター18によってケーシング2を昇降させることにより、ライナー3の摩耗の程度の少ない部分をリングハンマー9に対向させて所望の間隔を確保し、所望の粒径を確保することができる。
【0070】
なお、図10及び図11に示した各例は、図1−3、5−9に示した各例と適宜組み合わせることもできるし、単独で適用することもできる。
【符号の説明】
【0071】
1 ベース
2 ケーシング
3 ライナー
4 鉛直方向の回転軸線
5 回転軸
6 ブレーカー
7 ローター
8 スクレーパ
9 リングハンマー
10 ハンマーピン
11 上段の円板部材(上側支持部材)
12 中段の円板部材
13 下段の円板部材(下側支持部材)
14 円筒部材
15 排出口
16 リングハンマーの突出部
17 スペーサー
18 昇降モーター(昇降駆動手段)
19 ケーシングの逆円錐状の本体部分
20 ケーシングのストレートの円筒状の延長部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11