(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293729
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】ランプ装置、及びランプ装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
H05B37/02 K
H05B37/02 J
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-503966(P2015-503966)
(86)(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公表番号】特表2015-515725(P2015-515725A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】IB2013052431
(87)【国際公開番号】WO2013150417
(87)【国際公開日】20131010
【審査請求日】2016年3月2日
(31)【優先権主張番号】61/619,518
(32)【優先日】2012年4月3日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】タオ ハイミン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン スレク
【審査官】
松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0260614(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0149563(US,A1)
【文献】
特開2011−134635(JP,A)
【文献】
特開2010−129490(JP,A)
【文献】
特開2010−153345(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02366948(EP,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0181952(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ装置であって、
第1の端子及び第2の端子を含む照明モジュールと、
前記ランプ装置を照明器具に接続するための第1の対及び第2の対の接続ピンであって、前記第2の対の第1の接続ピンは、前記第2の端子に接続されている、第1の対及び第2の対の接続ピンと、
閉じられた場合、前記第1の対の第1の接続ピンを前記第1の端子に接続するように動作可能なスイッチと、
前記第1の対の接続ピンから交流電圧を受け取り、整流する第1の整流器と、
第1の閾値電圧を超える前記第1の整流器の対の出力部間の電圧差及び第2の閾値電圧を超える前記第2の対の接続ピン間の電圧差に応答して前記スイッチを閉じる回路と、
第3の閾値電圧を超える前記第1の整流器の対の出力部間の電圧差に応答して、前記第1の整流器の対の出力部間に電流経路を供給する第1の安全回路と、
を有するランプ装置。
【請求項2】
前記回路は、更に、前記第1の整流器の対の出力部間の電圧差及び前記第2の対の接続ピン間の電圧差の何れかが対応する閾値電圧未満に降下しているのに応答して前記スイッチを開く、請求項1に記載のランプ装置。
【請求項3】
前記回路は、
制御回路と、
前記第2の閾値電圧を超える前記第2の対の前記接続ピン間の電圧差に応答して制御信号を前記制御回路に供給する回路要素と、
を有し、
前記制御回路は、前記制御信号が前記回路要素から受け取られるのと同時に前記第1の閾値電圧を超える前記第1の整流器の対の出力部間の電圧差に応答して、前記スイッチを閉じる、請求項1又は2に記載のランプ装置。
【請求項4】
前記回路要素は、前記第2の対の接続ピンから電圧を受け取る第1の部分と、前記第1の部分からガルバーニ絶縁されていると共に前記制御信号を前記制御回路に供給する第2の部分とを有する、請求項3に記載のランプ装置。
【請求項5】
前記第2の対の接続ピンから交流電圧を受け取り、整流された交流電圧を前記回路要素の前記第1の部分へ供給する第2の整流器を更に有する、請求項4に記載のランプ装置。
【請求項6】
前記回路要素はオプトカプラである、請求項4又は5に記載のランプ装置。
【請求項7】
前記回路要素の前記第2の部分から交流制御信号を受け取り、整流された交流制御信号を前記制御回路に供給する第2の整流器を更に有する、請求項4に記載のランプ装置。
【請求項8】
前記回路要素は電流変圧器である、請求項4、5又は7に記載のランプ装置。
【請求項9】
第4の閾値電圧を超える前記第2の整流器の対の出力部間の電圧差に応答して、前記第2の整流器の対の出力部間に電流経路を供給する第2の安全回路を更に有する、請求項5又は7に記載のランプ装置。
【請求項10】
前記第1の整流器の対の出力部から第1の電圧を受け取り、前記第1の電圧より大きい第2の電圧を前記回路に供給する電力コンバータを更に有する、請求項1乃至9の何れか一項に記載のランプ装置。
【請求項11】
前記照明モジュールはLEDモジュールである、請求項1乃至10の何れか一項に記載のランプ装置。
【請求項12】
ハウジングを更に有する請求項1乃至11の何れか一項に記載のランプ装置であって、前記照明モジュールは前記ハウジング内に配されており、前記第1の対の接続ピン及び前記第2の対の接続ピンの前記接続ピンは前記ハウジングを通って延在する、ランプ装置。
【請求項13】
第1の端子及び第2の端子を含む照明モジュールと、ランプ装置を照明器具に接続するための第1の対及び第2の対の接続ピンと、前記第1の対の接続ピンから交流電圧を受け取り、整流する第1の整流器とを有するランプ装置であって、前記第2の対の接続ピンの第1の接続ピンは前記第2の端子に接続されている、ランプ装置を動作させる方法であって、
前記第1の整流器の対の出力部間の第1の電圧差と前記第2の対の接続ピン間の第2の電圧差とを監視するステップと、
前記第2の電圧差が第2の閾値電圧を超えると同時に第1の閾値電圧を超える前記第1の電圧差に応答して、前記第1の対の接続ピンの第1の接続ピンを前記第1の端子に接続するステップと、
第3の閾値電圧を超える前記第1の電圧差に応答して、前記第1の整流器の対の出力部間に電流経路を供給するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、ランプ装置内の安全装置に関する。より詳細には、本発明は、外部接続部ピンにおける潜在的に有害な電圧の発生を防止する回路を含むランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
管の各先端の2ピンコネクタを有する種類の従来の管ランプ(蛍光灯)は、定常状態の動作において、コネクタ間に流れる直流又は交流電流によって電力を供給される。アークが管内で確立するまで、コネクタは電気的に切り離されている。このために、電極の予備加熱を含む開始手順が、専用の始動回路により実施されることができ、このことは、ランプが照明器具に適切に嵌入される場合にのみ可能にされることによって本質的に安全にされることができ、この結果、動作中の電気部品は、タッチから常に保護されている。始動回路は、スイッチ開始/予備加熱、ラピッドスタート又は他の種類のものであっても良く、一般的には照明器具内に組み込まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
置き換えられる管ランプと同じ態様において管ランプの置換品に対して電力を供給すること、即ち、端部コネクタ間に流れる電流によって電力を供給することが望ましい。ランプの内部回路に依存して、ランプが部分的に嵌入されるか又は照明器具から部分的に取り外される場合に、潜在的に危険な条件が生じ得る。中国特許出願公開第101737664号は、一対の外部接続ピンの隣に位置する外部の押しボタンにより作動される保護スイッチを有するランプを提案している。押しボタンが押下される場合(通常は、接続ピンのソケットへの適当な挿入のみによって、生じる)、保護スイッチはピンの1つをランプ内の電気的要素に接続する。しかしながら、このような外部の押しボタンは、容易に改竄されることができる。
【0004】
本発明の目的は、この課題を解決し、扱うのに安全であるランプ装置を提供することにある。特に、照明器具への挿入及び照明器具からの取り外しの間における感電のリスクを低減させるランプ装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の見地によれば、これら及び他の目的は、第1の端子及び第2の端子を含む照明モジュールを有するランプ装置により達成される。ランプ装置は、更に、ランプ装置を照明器具に接続するための第1の対及び第2の対の接続ピンを有する。第2の対の接続ピンのうちの第1の接続ピンは、第2の端子に接続されている。ランプ装置は、更に、閉じられている場合(即ち閉じている状態において)第1の対の接続ピンのうちの第1のピンを第1の端子に接続するように動作可能であるスイッチを有する。前記スイッチは、ランプ装置の回路により制御される。回路は、第1の閾値電圧を超えている前記第1の対の接続ピンのピン間の電圧差と第2の閾値電圧を超えている前記第2の対の接続ピンのピン間の電圧差に応答してスイッチを閉じるように配されている。従って、このことは、一方の対のピンが接続され、他方の対のピンが接続されていない条件においてさえも、ランプ装置へのタッチに対して安全なものであり得る。更に詳細には、1対の接続ピンが(例えばランプ装置の照明器具への挿入の間に)照明器具に接続されさえすれば、ランプ装置のスイッチはオープンの状態になる。これにより、照明モジュール及びこれに関連する端子を介する、2つの対の接続ピン間の閉じられた電流経路が、回避されることができる。通常の使用の状況において、第1の閾値電圧(又は場合によっては第2の閾値電圧)を超える非ゼロ電圧は、ピンの第1の(又は第2の)対が照明器具の供給電圧ソケットに挿入される場合にのみ、存在する。従って、スイッチは、両方の対のピンが同時に対応するソケットに挿入される場合にのみ、即ち両方の対ピンの何れもがタッチにさらされていない場合にのみ、閉じる。更に、前記第1の対のピン及び前記第2の対の接続ピンの両方における電圧差に基づいてスイッチの状態を制御することによって、ランプ装置の安全な取扱いが、単一のスイッチを使用して可能にされることができる。従って、当該ランプ装置のための生産コストが制限されることができる。
【0006】
一実施例によれば、当該回路は、更に、第1の対及び第2の対の何れかのピン間の電圧差が閾値電圧未満に降下するのに応答して、スイッチを開けるように配される。従って、1対の接続ピンが(例えば、照明器具からランプ装置の取り外しの間)照明器具から分離される場合、分離された対のピン間の電圧差は消失し、スイッチが急速に開き得る。このことは、ランプ装置の安全な取扱いに貢献する。
【0007】
当該ランプ装置は、第1の対のピンと第2の対のピンとの間の供給電圧並びに前記第1の対のピン及び前記第2の対のピンの各々のピン間の電圧を供給する照明器具における使用に適している。このような構成を備える照明器具の一種は、蛍光ランプのための照明器具(即ち蛍光灯)である。前記ランプ装置は、特に、ラピッドスタート型の起動回路を含む蛍光灯照明器具における使用に適している。このような起動回路は、蛍光灯の両側における加熱フィラメントのための電圧を印加するように配されることができる。従って、ランプ装置の前記第1の対のピン及び前記第2の対のピンの各々は、対応するフィラメント加熱電圧を受け取るように配されることができる。従って、ランプ装置のスイッチの状態(従って、前記第1の対のピンのピンと前記第2の対のピンのピンとの間の主電流の流れ)は、フィラメント加熱電圧に基づいて制御されることができる。従って、当該ランプ装置は、蛍光ランプのための既存の照明器具(即ち蛍光灯)に置き換わることができる。
【0008】
一実施例によれば、スイッチを制御するランプ装置の回路は、制御回路及び回路要素を有する。前記回路要素は、制御信号を、第2の閾値電圧を超えている第2の対のピン間の電圧差に応答して制御回路に供給するように配される。制御回路は、次いで、制御信号が回路要素から受け取られるとき又はこれと同時に、第1の閾値電圧を超えている前記第1の対のピン間の電圧差に応答して前記スイッチを閉じるように配されている。従って、制御信号は、前記第1の対のピン間の電圧差と一緒にスイッチの状態に影響を与えるイネーブル信号と参照されることができる。
【0009】
前記スイッチ及び関連する制御回路は、リレーの形態において設けられることもできる。実施化の安全の目的及び容易さのため、前記リレーは、有利には、常に開いているリレーでもよい。つまり、付勢されていない場合、リレーはオープンの状態をとるように配されることができる。
【0010】
上述で参照された制御信号を供給している回路要素は、前記第2の対のピンから電圧を受け取るように配された第1の部分と、前記第1の部分からガルバーニ絶縁されていると共に制御信号を制御回路に供給するように配されている第2の部分とを含むこともできる。このことにより、前記第2の対のピンを含むランプ装置の部分から制御回路及び前記第1の対のピンを含むランプ装置の部分からの電荷キャリアの流れが、防止されることができる。このことは、ランプ装置の安全性を改善することができる。
【0011】
交流電圧と組み合わせてランプ装置の信頼性が高い動作を可能にするために、ランプ装置は、有利には、前記第1の対のピンから交流電圧を受け取り、制御回路に整流された交流電圧を供給する第1の整流器を含む。照明器具に接続される場合に前記第1の対のピン間に発生する大きい範囲の電圧差に対するランプ装置の信頼性が高い動作を可能にするために、前記整流器は、電力コンバータを介して制御回路に整流された交流電圧を供給することができる。前記電力コンバータは、整流器の出力部から第1の電圧を受け取り、制御回路に、第1の電圧より大きい第2の電圧を供給するように配されることができる。有利には、電力コンバータは、電圧範囲内にある何らかの第1の電圧に応答して第2の電圧を供給するように配されることができる。
【0012】
前記ランプ装置は、前記第2の対のピンから交流電圧を受け取り、回路要素に整流された交流電圧を供給するように配された第2の整流器を有することもできる。回路要素が上述された第1の部分及び第2の部分含む場合、第2の整流器は、整流された交流電圧を回路要素の第1の部分に供給するように配されることができる。
【0013】
前記回路要素は、例えばオプトカプラでもよい。オプトカプラは、一次側と二次側との間(即ち光源と光検出器との間)のガルバーニ絶縁を提供する。従って、第2の対のピン間の電圧差は、一次側に、二次側において形成される電流を誘導するようにさせることができ、誘導された電流は、制御回路に提供される制御信号を形成する。オプトカプラは、回路要素のコンパクトな実施化を提供することができる。
【0014】
代替的には、回路要素は、電流変圧器でもよい。電流変圧器も、一次側(即ち一次巻線)と二次側(即ち二次巻線)との間のガルバーニ絶縁を提供する。電流変圧器は、回路要素の費用効果的な実施化でもよい。電流変圧器を含む実施例において、ランプ装置は、電流変圧器の二次巻線から交流電圧を受け取って、スイッチを動作させる制御回路に整流された交流電圧を供給するように配されている第2の整流器を含むことができる。このことは、制御回路が、整流された制御信号(即ち単一の極性を有する制御信号)を取り扱うように配される必要があるのみであるため、制御回路の実施化を単純化することができる。
【0015】
一実施例によれば、ランプ装置は、ハウジングを有しており、照明モジュールはハウジング内に配され、第1の対のピン及び第2の対のピンにおけるピンはハウジングを通って延在している。前記ハウジングは、ガルバーニ絶縁性のものであっても良い。ハウジングの少なくとも一部は、光透過性のものであっても良い。従って、ランプ装置の電気的に活性である部分は、ハウジングに内に配置されることができ、タッチから保護される。従って、ランプ装置は、外側からアクセス可能であるランプ装置の唯一の伝導性の部分が第1の対及び第2の対のピンであるように配されることができる。上述したように、ランプ装置の設計は、更に、第1の対及び第2の対のピンをタッチに対して安全なものにする。
【0016】
照明器具において、例えば、摩耗により、ランプ装置が挿入される照明器具のソケットにおける接点のうちの1つが緩むことが生じ得る。このことは、例えば、古い照明器具において生じ得る。結果として、何れかの対のピンにおけるピンが、前記照明器具との電気接触を失い得る。従って、明確な電圧差が、対応する対のピン間に存在しないことがある。この場合、ランプ装置は、正確に動作することができない。
【0017】
一実施例によれば、失われた電気的接触は、第1の整流器又は第2の整流器に関連付けられた安全回路であって、設定された閾値電圧を超える対の出力部間の電圧差に応答して関連付けられている整流器の出力部間の電流経路を閉じるように配されている安全回路をランプ装置内に含むことにより対処されることができる。これにより、安全回路は、ピンが電気接触を失った場合、主電流に対するバイパス経路を提供することができる。安全回路は、設定された閾値電圧を超える対の出力部間の電圧差に応答して、関連付けられている整流器の対の出力部間の電圧差をクランプすることができる。ランプ装置が電力コンバータを含む場合、安全回路は、第1の整流器の出力部から電圧を受け取ると共に、電力コンバータの入力部間の電流経路を閉じるように配されることができる。閉じられた電流経路は、安全回路からの(又は、存在するならば電力コンバータからの)出力電圧がスイッチを閉じるのに十分であるような電圧降下を提供することができる。このことにより、ピンが照明器具との電気的接触を失う場合でさえも、ランプ装置は光を発することができる。
【0018】
他の実施例によれば、失われた電気的接触は、第1の整流器及び第2の整流器と関連付けされた安全回路であって、対の出力部間の設定された閾値電圧を超える電圧差に応答して、関連付けられている整流器の対の出力部の1つの出力部を分離するように配されている安全回路によって対処されることができる。安全回路が第1の整流器と関連付けられている場合、制御回路は、これにより第1の整流器の出力部から分離されることができる。類似して、安全回路が上述の第2の整流器とオプトカプラとの間に配される場合、オプトカプラは第2の整流器の出力部から分離されることができる。有利には、2つの前述の実施例の何れかによる安全回路は、第1の整流器及び第2の整流器の各々と関連付けられても良い。
【0019】
本発明の第2の見地によれば、第1の端子及び第2の端子を含んでいる照明モジュールとランプ装置を照明器具に接続するための第1の対及び第2の対の接続ピンとを有する当該ランプ装置を動作させる方法であって、前記第2の対のピンの第1の接続ピンが第2の端子に接続される方法が、提供される。当該方法によれば、前記第1の対のピン間の第1の電圧差が、監視される。更に、前記第2対のピン間の第2の電圧差も監視される。第2の電圧差が第2の閾値電圧を超えるのと同時に第1の閾値電圧を超える第1の電圧差に応答して、前記第1の対のピンの第1のピンは、第1の端子に接続される。当該方法は、前記第1の対及び前記第2の対の何れか一方におけるゼロ電圧に応答して、前記第1の対のピンの第1のピンを前記第1の端子から分離するステップを更に含むことができる。第1の見地のランプ装置に関連して議論される詳細及び有利な点は、対応して第2の見地の方法に当てはまる。
【0020】
更に可能なフィーチャの組合せは、添付の請求項において詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施例によるランプ装置を模式的に示している。
【
図2】第1実施例のための回路実装を例示している。
【
図3】第1実施例のための代替的な回路実装を例示している。
【
図4】第1の設計の任意の安全回路を例示している。
【
図5】第2の設計の任意の安全回路を例示している。
【
図6】第2実施例によるランプ装置を模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
これら及び他の本発明の見地は、本発明の実施例を示している添付の図面を参照して、以下で更に詳細に記載される。
【0023】
特に示されていない限り、全体にわたって、類似の符号は類似の構成要素を参照している。
【0024】
詳細な実施例は、ここで、添付図面を参照して記載される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において実施されることができ、本願明細書に記載される詳細な実施例に限定されるものと解釈されてはならない。むしろ、これらの実施例は、徹底及び完全さのために提供されているものであり、本発明の範囲を当業者に対して十分に伝えるものである。
【0025】
図1は、第1の実施例によるランプ装置1を模式的に示している。ランプ装置1は、ハウジング2を有する。少なくともハウジング2の一部は、光透過性のものである。ハウジング2は、電気的絶縁材料からできている。ハウジング2は、例えば、ガラス又は透明/半透明のプラスチックでできていても良い。ハウジング2は、円筒状形状を備えている。しかしながら、他の形状も、可能である。例えば、ハウジング2は、三角形の断面、矩形の断面又は幾つかの他の多角形の断面を呈することができる。ランプ装置1は、照明モジュール3を有する。照明モジュール3は、LEDドライバ3a及びLEDモジュール3bを含んでいる。LEDドライバ3aは、従来技術において、これ自体はよく知られているLEDモジュール3bを駆動するための回路を含む。LEDモジュール3bは、1つ以上のLEDを含む。1つ以上のLEDは、無機LED、OLED又は他の種類の固体光源であっても良い。本実施例の照明モジュール3は、LEDモジュール3bを含んでいるが、照明モジュールは、他のタイプの光源(例えば白熱ランプ、蛍光ランプ又はHIDランプ)を含んでいても良い。
【0026】
照明モジュール3は、第1及び第2の端子4a、4bを有する。ランプ装置1は、第1の対の電気接続ピン5aa、5ab及び第2の対の電気接続ピン5ba、5bb(概して「ピン5」と示される)を有する。第1の対5aa、5abは、ハウジング2の第1の端部に配される。第2の対5ba、5bbは、ハウジング2の第1の端部の反対側である、ハウジング2の第2の端部に配置される。ピン5は、ハウジング2のそれぞれの端部を通って延在し、従って、ハウジング2の外部にアクセス可能なものである。ピン5は、従って、外部ピン5を形成する。ピン5の空間配置は、固定されている。より詳細には、両側上におけるピン5は、固定された間隔及び相対的な配向を維持している。ピン5は、供給電圧を受け取るための照明器具の電気的ソケットに接続されるように配されている。第1の端子4aは、スイッチ6を介してピン5aaに接続される。第2の端子4bは、ピン5baに接続している。以下で詳細に記載されるように、ランプ装置1が照明器具に正しく挿入されない限り、ピン5aaと第1の端子4aとの間の回路は、開いている。しかしながら、ピン5baと第2の端子4bとの間に形成される回路は、装置1と照明器具との間の接続状態とは独立に閉じられる。
【0027】
ランプ装置1のスイッチ6は、ピン5aaを照明モジュール3の端子4aに接続するように動作可能である。スイッチ6の状態は、以下で詳細に記載される制御回路7により制御される。制御回路7は、第1の対のピン5aa、5abに接続されている第1及び第2の入力部を有する。制御回路7は、回路要素8に接続されている第3の入力部を有する。本実施例において、回路要素8は、オプトカプラ8という形態をとる。オプトカプラ8の一次側(即ち光エミッタ)は、第2の対のピン5ba、5bbに接続されている。二次側(即ちフォトセンサ)は、制御回路7の第3の入力部に接続されている。制御回路7は、整流器9を介して第1の対のピン5aa、5abに接続されている。同様に、オプトカプラ8は、整流器10を介して第2の対のピン5ba、5bbに接続されている。
【0028】
図2は、ランプ装置1のための第1の回路実装を例示している。制御回路7は、スイッチコントローラ7´を有する。スイッチコントローラ7´は、閾値電圧を超えている自身の端子間の電圧差に応答してスイッチ6を閉じるように配される。図示されているように、スイッチ6及びスイッチコントローラ7´は、同じ回路要素に含まれ、リレーを形成する。当該リレーは、これ自体はよく知られている種類のものであっても良く、例えば電気機械、電磁性のもの(例えば、リード・リレー)、熱電性のもの(例えば、バイメタル)又は固体物理の種類のものであっても良い。閾値電圧の実際の値は、種々のシナリオ間において、かつ、種々の照明器具に関して、変化し得る。本実施例において、閾値電圧は、スイッチコントローラ7´にスイッチ6を閉じさせるのに十分な電圧である。幾つかの実施例において、閾値電圧は、ゼロであっても良く、スイッチコントローラ7´が自身の端子間の非ゼロの電圧差に応答してスイッチ6を閉じるように配される。スイッチコントローラ7´は、トランジスタQ1を介して整流器9に接続されている。トランジスタQ1のベースは、オプトカプラ8の出力部に接続されている。Q1がバイポーラ接合トランジスタ(BJT)として例示されているが、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)又は接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)のような、他の種類のトランジスタが使用されることもできる。
【0029】
電圧が第1の対のピン5aa、5abにおいてのみ印加されている場合、トランジスタQ1はオフにされる。オプトカプラ8の一次側を駆動しオプトカプラ8の二次側の電流を誘導するための電流は、存在しない。従って、制御信号は、オプトカプラ8から、抵抗器R2を通ってトランジスタQ1のベースに流れることができない。従って、スイッチコントローラ7´は、スイッチ6を閉じさせる如何なる電流も受け取らない。従って、如何なる主電流も、ピン5aaからピン5baへと流れることができない。逆にいえば、電圧が第2の対のピン5ba、5bbにおいてのみ印加されている場合、制御回路7´は、スイッチ6を閉じさせるのに十分な電圧を受け取らない。
【0030】
制御回路7´にスイッチ6を閉じさせるのに十分な第1の電圧を生じることに十分な第1の電圧(即ち第1の閾値電圧を超えている電圧)が第1の対のピン5aa、5abに印加されており、かつ、オプトカプラ8に制御信号をトランジスタQ1に供給するようにさせるのに十分な第2の電圧(即ち第2の閾値電圧を超えている電圧)が前記第2の対のピン5ba、5bbに印加されている場合、抵抗器R2を流れる制御信号は、トランジスタQ1をオンにすることができる。この場合、スイッチコントローラ7´は、第1の対のピン5aa、5abからの第1の電圧によって駆動することができる。第1の対のピン5aa、5ab又は第2の対のピン5ba、5bbの何れかが供給電圧から分離される場合、それぞれ、スイッチコントローラ7´又はオプトカプラ8を駆動するための十分な電圧差がない。この場合、スイッチ6が開き、ピン5aaとピン5baとの間の電流の流れを遮断する。従って、制御回路7及びオプトカプラ8は、一緒に、第2の対のピン5ba、5bb間の電圧差が第2の閾値電圧を超えるのと同時に、第1の対のピン5aa、5ab間の電圧差が第1の閾値電圧を超えるという条件において、スイッチ6を閉じるように配される回路を形成する。対応して、この回路は、第1の対のピン5aa、5ab間又は第2の対のピン5ba、5bb間の何れかにおける電圧差が対応する閾値電圧未満に落ちているという条件において、スイッチ6を開くように配されている。従って、この実装は、ランプ装置1の自由端において、ピンにタッチする場合の感電のリスクを低減して、ランプ装置1が給電されている照明器具に挿入される又は給電されている照明器具から取り外されることを可能にする。
【0031】
図2に示すように、整流器9は、整流された交流電圧を平均するコンデンサC1を含んでいる。整流器10も、同じ目的のためのコンデンサを含んでいる。これらのコンデンサは、制御回路7の特定の適合をする必要とすることなく、整流された交流電圧の半周期間において、スイッチが開かないようにする単純な仕方を提供している。
【0032】
ランプ装置1は、異なる種類の照明器具において使用されることができる。一例として、ランプ装置1は、蛍光ランプのための既存の照明器具(即ち蛍光灯)に置き換わるのに使用されることができる。このような照明器具は、これ自体はよく知られており、蛍光灯の対向する端部間に駆動電圧を印加することができる。当該照明器具は、蛍光灯の接続ピンの各対のピン間に加熱電圧を印加するラピッドスタート回路を更に含むことができる。前記加熱電圧は、蛍光灯のフィラメントを加熱することができる。ランプ装置1がこのような照明器具と組み合わせて使用される場合、対応するフィラメント加熱電圧は、第1の対のピン5aa、5ab及び第2の対のピン5ba、5bbに印加される。従って、スイッチ6の状態は、フィラメント加熱電圧に基づいて制御されることができる。対応するフィラメント加熱電圧は、全てのピン5が照明器具に正しく挿入される場合にのみランプ装置1に供給されることができる。照明器具は、駆動電圧をピン5aa及び5baに印加するように配されることができる。従って、これらのピン5aaと5ba間の主電流は、ランプ装置1が照明器具に正しく挿入される場合にのみ流れることができる。
【0033】
図3は、ランプ装置1のための第2の回路実装を例示している。当該第2の実装は、第1の実装と類似しているが、制御回路7が電力コンバータ11を含んでいるという点において異なる。電力コンバータ11は、整流器9から受け取られる電圧をスイッチ6を閉じるのに十分なレベルまで増幅するように配されている。第1の回路実装と同様に、制御回路7は、オプトカプラ8から制御信号を受け取るための入力部を有する。
図3において、電力コンバータ11は、オプトカプラ8から制御信号を受け取るための入力部を含む集積回路(IC)である。電力コンバータ11は、電力コンバータ11の入力部間の電圧差が、制御信号が電力コンバータ11の前記入力部において受け取られるのと同時に、閾値電圧を超えるという条件において、スイッチ6を閉じるように制御回路7´に電圧を供給するように配される回路論理を含むことができる。電力コンバータ11は、様々な動作条件において、スイッチコントローラ7´のための安定な動作電圧をに供給することができる。このことは、始動回路の異なるバラストが様々なフィラメント加熱電圧をもたらし得るので、ランプ装置1が上述のように既存の照明器具に置き換わるのに使用される場合に特に有利であり得る。この場合、電力増幅器11は、低い加熱電圧を、スイッチ6を閉じた状態に保つのに十分なレベルまで増幅することができる。
【0034】
電力コンバータ11は、ブーストコンバータとして実施化されることができる。インダクタL1、ダイオードD2、コンデンサC4及びMOSFETの形の半導体スイッチM1を有するブーストコンバータのための一例の回路図が、
図4に示される。ブーストコンバータは、制御信号がオプトカプラ8から受け取られることのみを条件に活性化するように配されることができる。ブーストコンバータは、例えば、(例えばICの形態において、)オプトカプラ8から制御信号を受け取るように配される回路を含むことができ、ブースト回路のICがオプトカプラ8から制御信号を受け取ることのみを条件に、イネーブル信号をトランジスタM1のゲートに供給する。イネーブル信号がトランジスタM1によって受け取られないという条件において、トランジスタM1は、ブーストコンバータが不活性状態になるオフ状態をとる。
【0035】
照明器具において、ランプ装置1が挿入される照明器具のソケットにおける接点のうちの1つがゆるむことが発生し得る。このことは、例えば、消耗により古い照明器具において生じ得る。結果として、例えば、ピン5aa又は5abが、前記照明器具との電気的接触を失い得る。ランプ装置1は、この場合、正しく作動することができない。
図3を参照して、例えばピン5aaが照明器具との電気的接触を失う場合、主電流は、ピン5ab、整流器9の第1の出力部、電力コンバータ11、スイッチコントローラ7´、及び整流器9の第2の出力部を介したスイッチ6を流れ得る。従って、ピン5aaのゆるい接点にもかかわらず、スイッチコントローラ7´が給電されスイッチ6が閉じられることができ、この閉じられたことの結果として、更なる電流の増大がもたらされる。応答して、コンデンサC2両端の電圧が増大し得る。最終的に、回路は、過電圧により溶解し得る。この状況を取り扱うために、ランプ装置1は、任意の安全回路を備え得る。安全回路は整流器9と電力コンバータ11との間に配され、設定された閾値電圧(即ち保護レベル)を超えている整流器9の第1の出力部と第2の出力部との間の電圧差に応答して、電圧差をクランプすることができる。
【0036】
図4は、このような安全回路12の一例の実施化を、
図3に示されている第2の回路実装と組み合わせて示している。しかしながら、回路12が第1の回路実装と組み合わされて使用されることができることに留意されたい。安全回路12の理解を単純化するために、スイッチ6、スイッチコントローラ7´、整流器9及び電力コンバータ11のみが、示される。
図4において、電力コンバータ11は、ブーストコンバータとして実施化される。回路の残りの部分は、
図3のものと同一である。
【0037】
安全回路12は、ツェナー・ダイオードZ1、抵抗器R3、コンデンサC3、サイリスタT1及びダイオードD1を有する。例えば、上述のピン5aaにおけるゆるい接点の場合、コンデンサC2の両端の電圧は増大する。しかしながら、ツェナー・ダイオードZ1により設定される閾値電圧を超えているコンデンサC2の両端の電圧に応答して、サイリスタT1が起動される。従って、主電流は電力コンバータ11を通る代わりにD1及びT1を通って流れ、スイッチコントローラ7´及び整流器9の出力部間の電圧差が制限される又はクランプされることができる。
【0038】
サイリスタT1のスイッチを入れることによって、電力コンバータ11の入力部間の電流経路も設けられる。D1及びT1のインピーダンスを適切に選択することによって、D1及びT1全体の電圧降下は、電力コンバータ11を駆動し、次いで、スイッチコントローラ7´を駆動するのに十分なものになる。このことにより、ピン5aaが照明器具との電気的接触を失う場合さえも、ランプ装置1は光を生成することができる。
【0039】
安全回路12は、整流器10とオプトカプラ8との間に配置されることもでき、例えば、ピン5baが照明器具との電気的接触を失う場合、ランプが動作し得る。この場合、ピン5baが電気接点を失う場合でさえも、オプトカプラ8が動作するのに十分な電圧降下を生じるようにダイオードD1と直列に追加ダイオードを設けることが有利であり得る。
【0040】
図5は、代替的な設計の安全回路12´を示している。安全回路12´は安全回路12と類似しているが、ダイオードD1及びサイリスタT1の代わりに、安全回路12´がトランジスタQ2、Q3、Q4及び抵抗器R4、R5、R6を含んでいる点において、異なる。ピン5aaが照明器具との電気的接触を失う場合、C2の両端の電圧は
図4を参照して前述したように増大する。C2上の電圧がツェナー・ダイオードZ1により設定される閾値電圧を超える場合、電流はQ2のベース内に流入し、Q2のスイッチが入る。結果として、Q4のベースは接地に引き寄せられ、Q4のスイッチが切れる。従って、Q3へのベース電流がQ4により遮断されるので、Q3はオフになる。安全回路12´は、電力コンバータ11から整流器9の出力部を分離し、従って、設定された閾値電圧を超えている電圧差に応答して制御回路を分離するように配されている。
【0041】
図6は、第2の実施例によるランプ装置1´を模式的に示している。ランプ装置1´は、ランプ装置1と類似しているが、オプトカプラ8の代わりにランプ装置1´が電流変圧器8´を含むという点において異なる。ランプ装置1´の他の部分の機能は、上述の通りにランプ装置1のこれらに相当するものと類似している。電流変圧器8´の一次巻線は、第2の対のピン5ba、5bbに接続されている。二次巻線は、整流器10を介して制御回路7の入力部に接続している。電流変圧器8´の機能は、オプトカプラ8の機能に類似している。第2の対のピン5ba、5bbを介して電流変圧器8´の一次巻線に印加される交流電圧は、電流変圧器8´の二次巻線の交流電圧を誘導する。誘導された交流電圧は、整流器10により整流され、制御回路7によって受け取られる制御信号を形成する。上述において、説明したように、制御回路7は、第1の対のピン5aa、5ab間の電圧差が、制御信号が電流変圧器8´から受け取られるのと同時に閾値電圧を超えるという条件において、スイッチ6を閉じる。
【0042】
当業者であれば、本発明が上述の好ましい実施例に決して限定されるものではないと理解するであろう。逆に、多くの変形及び変化は、添付の請求項の範囲内で可能である。例えば、オプトカプラ8及び電流変圧器8´は、両方とも、互いからガルバーニ絶縁されている一次側及び二次側を含む。このことは、付加された安全性を提供するにもかかわらず、一次側と二次側との間に絶縁を含まない他の回路要素も、制御回路7に制御信号を生成するのに使用されることができる。制御信号は、例えば、前記第2の対のピンに接続されているオペアンプ又は単純な分圧器による制御回路7に供給されることができる。
更に、示された実施例が特定の回路要素を含んでいるが、他の種類の回路要素も使用されることもできる。例えば、BJTはMOSFETと置き換えられることができ、MOSFETがBJTと置き換えられることもできる。多くの回路要素(例えば、ツェナー・ダイオード及びサイリスタ)は、前記回路要素として類似の機能を提供する回路論理を含む集積回路の相対物と置き換えられることもできる。更に、ランプ装置1は整流器9、10を含んでいるが、ランプ装置1が、直流電圧を供給している照明器具において使用される場合、省略されることができる。
【0043】
更に、開示された実施例に対する変更は、添付の図面、開示及び添付の請求項の研究から、添付の請求項に係る本発明を実施する当業者により理解され達成されることができる。添付の請求項において、「有する」なる語は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数形を排除するものではない。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において、引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されることができないと示すものではない。