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特許6293786可撓性で接着性の非ポリウレタンフィルム創傷ドレープカバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293786
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】可撓性で接着性の非ポリウレタンフィルム創傷ドレープカバー
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20180305BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   A61M27/00
   A61F13/02 390
   A61F13/02 310J
【請求項の数】23
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-550386(P2015-550386)
(86)(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公表番号】特表2016-507276(P2016-507276A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】US2013070100
(87)【国際公開番号】WO2014107234
(87)【国際公開日】20140710
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】61/748,395
(32)【優先日】2013年1月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508268713
【氏名又は名称】ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,ティモシー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ロック,クリストファー,ブライアン
【審査官】 芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−506878(JP,A)
【文献】 特表2012−502748(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0120477(US,A1)
【文献】 特表2012−507606(JP,A)
【文献】 特表2011−500272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位を治療するためのシステムにおいて、
減圧を適用するように構成された減圧源と;
前記減圧源と流体連通し、かつ前記組織部位に減圧を分配するように構成されたマニホールドと;
ドレープであって、
100ミクロンを上回る厚さを有する、シリコーンで形成された接着剤層であって、第1の面および第2の面を有する接着剤層、
前記接着剤層の前記第1の面に形成されたプラズマ処理された、厚さ5ミクロンのプラズマ層
を含み、
前記接着剤層の前記第2の面が、少なくとも前記組織部位に接着し、かつ前記マニホールドを被覆して、前記組織部位内の前記マニホールドの上側を覆う密閉空間を生じるように構成されている、ドレープと
を含むことを特徴とする、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記接着剤層の厚さが80ミクロン〜600ミクロンであることを特徴とする、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ドレープが、さらに、前記接着剤層内に配置されたスクリム層を含むことを特徴とする、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ドレープが、さらに、前記接着剤層内に配置されたスクリム層を含み、
前記スクリム層が、前記接着剤層の前記第2の面よりも前記接着剤層の前記第1の面に近接していることを特徴とする、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ドレープが、さらに、前記接着剤層内に配置されたスクリム層を含み、
前記スクリム層が、前記接着剤層の前記第2の面よりも前記プラズマ層に近接していることを特徴とする、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ドレープが、さらに、前記プラズマ層にラミネートされた支持フィルムを含むことを特徴とする、システム。
【請求項7】
組織部位を治療するためのドレッシングにおいて、
前記組織部位に減圧を分配するように構成された複数の流路を有するマニホールドと;
ドレープであって、
100ミクロンを上回る厚さを有する、シリコーンで形成された接着剤層であって、第1の面および第2の面を有する接着剤層、
前記接着剤層の前記第1の面に形成されたプラズマ処理された、厚さ5ミクロンのプラズマ層
を含み、
前記接着剤層の前記第2の面が、少なくとも前記組織部位に接着し、かつ前記マニホールドを被覆して、前記組織部位内の前記マニホールドの上側を覆う密閉空間を生じるように構成されている、ドレープと
を含むことを特徴とする、ドレッシング。
【請求項8】
請求項7に記載のドレッシングにおいて、前記接着剤層の厚さが80ミクロン〜600ミクロンであることを特徴とする、ドレッシング。
【請求項9】
請求項7に記載のドレッシングにおいて、前記ドレープが、さらに、前記接着剤層内に配置されたスクリム層を含むことを特徴とする、ドレッシング。
【請求項10】
請求項7に記載のドレッシングにおいて、前記ドレープが、さらに、前記接着剤層内に配置されたスクリム層を含み、
前記スクリム層が、前記接着剤層の前記第2の面よりも前記接着剤層の前記第1の面に近接していることを特徴とする、ドレッシング。
【請求項11】
請求項7に記載のドレッシングにおいて、前記ドレープが、さらに、前記接着剤層内に配置されたスクリム層を含み、
前記スクリム層が、前記接着剤層の前記第2の面よりも前記プラズマ層に近接していることを特徴とする、ドレッシング。
【請求項12】
請求項7に記載のドレッシングにおいて、前記ドレープが、さらに、前記プラズマ層にラミネートされた支持フィルムを含むことを特徴とする、ドレッシング。
【請求項13】
ドレープの製造方法において、
a)第1の面と、第2の面と、100ミクロンを上回る厚さとを有する接着剤材料のシートを提供するステップと;
b)前記接着剤材料のシートの前記第1の面をプラズマ処理プロセスによって処理して、前記接着剤材料のシートの前記第1の面に厚さ5ミクロンのプラズマ層、および前記接着剤材料のシートの前記第2の面に接着剤層を形成するステップと;
c)前記接着剤材料のシートの前記第2の面に隣接して剥離ライナーをラミネートするステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記方法が、さらに、前記接着剤材料のシートにスクリム層を配置することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、前記スクリム層が、前記接着剤材料のシートの前記第1の面からある距離で前記接着剤材料のシートに配置され、それにより、前記接着剤材料のシートの前記第1の面が処理されるとき、前記スクリム層が前記接着剤層内に配置されることを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法において、ステップ(b)が、前記接着剤材料のシートの第1の側面をプラズマ流にさらして、前記接着剤材料のシート内のモノマーを活性化させることを含むことを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法において、ステップ(c)がステップ(b)の前に行われることを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法において、ステップ(b)が、前記接着剤材料のシートの前記第1の面に粉体塗装を適用することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法において、ステップ(b)が、前記接着剤材料のシートの前記第1の面に湿式塗装を適用することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項20】
請求項13に記載の方法において、ステップ(b)が、前記接着剤材料のシートの前記第1の面にコロナ放電をさらすことを含むことを特徴とする、方法。
【請求項21】
請求項13に記載の方法において、さらに、前記プラズマ層に支持フィルムをラミネートすることを含むことを特徴とする、方法。
【請求項22】
請求項13に記載の方法において、前記接着剤が、シリコーン接着剤であることを特徴とする、方法。
【請求項23】
請求項13に記載の方法において、さらに、前記接着剤が、80ミクロン〜600ミクロンの厚さを有するシリコーン接着剤であることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、35USC§119(e)下で、Lockeらによる2013年1月2日出願の米国仮特許出願第61/748,395号明細書(名称「Flexible,Adherent,and Non−Polyurethane Film Wound Drape Cover」)の出願の利益を主張し、これを、あらゆる目的において参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、概して、患者に接着するためのドレッシングに関し、より詳細には、限定されるものではないが、接着剤層で形成されたドレープであって、接着剤層が、接着剤層から形成された非接着剤層を有する、ドレープに関する。
【背景技術】
【0003】
臨床試験および診療から、組織部位に近接して減圧をもたらすことによって、組織部位における新しい組織の成長を増強および加速することが示されている。この現象の適用例は多数あるが、減圧を行うことは、創傷の治療においてかなり成功している。この治療(医学界では「陰圧閉鎖療法」、「減圧療法」、または「真空療法」と呼ばれることが多い)はいくつもの利点を提供し、それら利点には、迅速な治癒および肉芽組織の形成加速化が含まれ得る。減圧療法を行う際には、一般に、創傷の近くに発泡体パッドまたは他のマニホールドが配置され、ドレープによって被覆されて密閉空間を形成し、その密閉空間に対して減圧を行う。ドレープに漏れがある場合、漏れに打ち勝って減圧の治療レベルを維持するためには、エネルギーがさらに必要とされ得る。
【発明の概要】
【0004】
粘着防止処理された(de−tackified)上部を有する接着剤層で形成された医療用ドレープおよびその製造プロセスを提供する実施形態により、上記の問題および他の問題は概して解決または回避され、および技術的優位性が概して達成される。
【0005】
説明に役立つ非限定的な実施形態によれば、組織部位を治療するためのシステムが説明されている。システムは、減圧を適用するように構成された減圧源と、減圧源と流体連通し、かつ組織部位に減圧を分配するように構成されたマニホールドとを含み得る。システムはまた、ドレープを含み得る。ドレープは、約100ミクロンを上回る厚さを有する、シリコーンで形成された接着剤層を有し得る。接着剤層は、第1の面および第2の面を有し得る。ドレープはまた、接着剤層の第1の面をプラズマ処理プロセスによって処理することにより形成された、厚さ約5ミクロンのプラズマ層を有し得る。接着剤層の第2の面は、少なくとも組織部位に接着し、かつマニホールドを被覆して、組織部位内のマニホールドの上側を覆う密閉空間を生じるように構成される。
【0006】
別の説明に役立つ実施形態によれば、組織部位を治療するためのドレッシングが説明されている。ドレッシングは、組織部位に減圧を分配するように構成された複数の流路を有するマニホールドと、ドレープとを含む。ドレープは、シリコーンで形成されかつ厚さが約100ミクロンを上回る接着剤層を含み得る。接着剤層は、第1の面および第2の面を有し得る。ドレープはまた、接着剤層の第1の面をプラズマ処理プロセスによって処理することにより形成された、厚さ約5ミクロンのプラズマ層を含み得る。接着剤層の第2の面は、少なくとも組織部位に接着し、かつマニホールドを被覆して、組織部位内のマニホールドの上側を覆う密閉空間を生じるように構成される。
【0007】
さらに別の説明に役立つ実施形態によれば、医療用ドレープの製造方法は、第1の面と、第2の面と、約100ミクロンを上回る厚さとを有する接着剤材料のシートを提供するステップを含むことができる。方法は、接着剤材料のシートの第1の面をプラズマ処理プロセスによって処理して、接着剤材料のシートの第1の面に厚さ約5ミクロンのプラズマ層、および接着剤材料のシートの第2の面に接着剤層を形成することができる。方法は、接着剤材料の第2の面に隣接して剥離ライナーをラミネートすることができる。
【0008】
さらに別の説明に役立つ実施形態によれば、医療用ドレープの第1の側面にプラズマ層、および医療用ドレープの第2の側面に接着剤層を有する医療用ドレープであって、プラズマ層が、接着剤層の一部分から形成されている医療用ドレープが説明されている。医療用ドレープは、第1の面と、第2の面と、約100ミクロンを上回る厚さとを有する接着剤材料のシートを提供するステップを含むプロセスによって生産され得る。このプロセスでは、接着剤材料のシートの第1の面をプラズマ処理プロセスによって処理して、接着剤材料のシートの第1の面に厚さ約5ミクロンのプラズマ層、および接着剤材料のシートの第2の面に接着剤層を形成し得る。このプロセスでは、接着剤材料の第2の面に隣接して剥離ライナーをラミネートすることができる。
【0009】
説明に役立つ実施形態の他の態様、特徴、および利点は、下記の図面および詳細な説明を参照することにより、明らかとなる。
【0010】
参照により本明細書に組み込まれる添付の図を参照して、説明に役立つ実施形態を下記で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、減圧を用いて組織部位を治療するためのシステムの説明に役立つ実施形態の概略的な断面図である。
図2図2は、図1のドレープの説明に役立つ実施形態の分解斜視図である。
図3図3は、図2のドレープの断面図である。
図4図4は、図2のドレープの別の実施形態の断面図である。
図5A図5Aは、別のドレープを用いる、図1のシステムの一部分の断面の詳細な図である。
図5B図5Bは、図3のドレープを用いる、図5Aのシステムの一部分の断面の詳細な図である。
図6図6は、図3のドレープの製造装置の概略図である。
図7図7は、図4のドレープの製造装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
減圧治療システムと一緒に使用され得る医療用ドレープに関連する、新しくかつ有用なシステム、方法、および装置が、添付の特許請求の範囲において記載される。システム、方法、および装置を作製および使用する目的、利益、および好ましい態様は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、最もよく理解され得る。説明は、当業者が、特許請求する主題を作製および使用できるようにする情報を提供するが、当技術分野で既に周知のいくつかの詳細な情報については省略し得る。さらに、文脈により明白に指定されない限り、「または」などの用語を使用する様々な代替形態の説明は、必ずしも相互排他性である必要はない。特許請求する主題はまた、具体的に詳細には説明されない代替的な実施形態、変形形態、および均等物を含んでもよい。それゆえ、以下の詳細な説明は、説明のためのものであり、限定であるとみなされるべきではない。
【0013】
図1は、一部の実施形態に関連付けられ得る詳細を示す、組織部位102を治療する減圧治療システム100の概略図である。用語「組織部位」は、これに関連して、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、脈管組織、結合組織、軟骨、腱、または靭帯を含むがこれらに限定されない組織にあるまたはその内部の創傷または欠損を広く指す。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、および離開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(例えば糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、または静脈不全潰瘍)、弁(flap)、およびグラフトを含み得る。用語「組織部位」はまた、必ずしも傷ついても欠損してもいない組織領域であるが、その代わりに、追加的な組織の成長を支援または促進することが望ましいとし得る領域を指し得る。例えば、いくつかの組織領域において陰圧療法を使用して、追加的な組織を成長させ、それら組織を採取し、別の組織の箇所に移植してもよい。組織部位102は、表皮112を通り、真皮116を通り、および皮下組織118まで延びる創傷とし得る。組織部位102は、傷がない、組織部位102を取り囲み得る表皮112の一部分を含み得る。組織部位102の治療には、滲出液または腹水などの流体の除去を含み得る。
【0014】
減圧治療システム100は、ドレープ206、マニホールド122、およびコネクタ128を含み得る。ドレープ206は、プラズマ層208と接着剤層210とを有し、およびマニホールド122と、組織部位102を取り囲む表皮112の部分との上側を覆って配置されて、密閉治療空間124を形成し得る。ドレープ206は、ドレープ206を通って密閉治療空間124と流体連通できるようにするアパーチャを有し得る。マニホールド122は、組織部位102に近接した密閉治療空間124内に配置され得る。コネクタ128は、ドレープ206に結合され、かつドレープ206を通して密閉治療空間124への流体連通をもたらすように構成され得る。減圧治療システム100は、さらに、減圧源126と、コネクタ128に流体的に結合された、チューブ130などの陰圧導管とを含み得る。
【0015】
マニホールド122は、組織部位102に対して減圧を行ったり、または減圧を分配したり、かつまた組織部位102から流体を除去したりするために設けられ得る物体または構造である。マニホールド122は、複数の流路または流れ経路を含みことができ、これら複数の流路または流れ経路は、減圧の適用に応答して、組織部位102に提供されかつそこから除去される流体を分配し得る。説明に役立つ一実施形態では、流路または流れ経路は相互に接続されて、組織部位102に提供されるまたはそこから除去される流体の分配を改善する。マニホールド122は、組織部位102と接触して配置されかつ組織部位102に減圧を分配することができる生体適合性材料を含み得る。マニホールド122はまた、流路を形成するように配置された構造要素を有する1つ以上の装置とし得る。一部の説明に役立つ例では、構造要素は、気泡質の発泡体、連続気泡発泡体、多孔性組織集合体、流路を含むまたは硬化して流路を含み得る液体、ゲルおよび他の発泡体とし得る。マニホールド122はまた、発泡体、ガーゼ、フェルトのマット、または特定の生物学的応用に好適な他の材料などの多孔質材を含んでもよい。マニホールド122は、さらに、流路の機能を果たす複数の連続気泡または細孔を有し得る多孔質発泡体を含み得る。マニホールド122の多孔質発泡体は、ポリウレタン製の連続気泡の網状発泡体、例えばKinetic Concepts,Incorporated(San Antonio、Texas)製のGranuFoam(登録商標)材とし得る。他の説明に役立つ実施形態では、マニホールド122は、生体再吸収性材料または足場材料で形成され得る。場合によっては、マニホールド122はまた、薬剤、抗菌薬、成長因子、および様々な溶液などの流体を組織部位102に分配するためにも使用し得る。
【0016】
減圧源126は減圧をもたらす。「減圧」は、一般的に、密閉治療空間124によってもたらされた密閉された治療環境の外側にある局所環境における周囲圧力などの局所的な周囲圧力を下回る圧力を指す。多くの場合、局所的な周囲圧力はまた、患者がいる場所の大気圧とし得る。あるいは、圧力は、組織部位における組織に関連する静水圧を下回り得る。他に指定のない限り、本明細書で述べる圧力の値はゲージ圧である。同様に、減圧の上昇への言及は、一般に絶対圧の低下を指す一方、減圧の低下は、一般に絶対圧の上昇を指す。
【0017】
密閉された治療環境内などの別の構成要素または場所における圧力を低下させるために陰圧源を使用する流体力学は、数学的に複雑となり得る。しかしながら、減圧療法に適用できる流体力学の基本原理は、一般的に当業者によく知られており、および圧力を低下させるプロセスは、例えば減圧の「送達」、「分配」、または「生成」として、本明細書で説明的に記載され得る。
【0018】
減圧源126は、真空ポンプ、壁面吸い込み具、マイクロポンプ、または他の減圧源などの減圧を供給するために好適な装置とし得る。説明に役立つ実施形態では、減圧源126は電動真空ポンプとし得る。別の説明に役立つ実施形態では、減圧源126は、電力を必要としない、手動によって作動されるかまたは手動で充電されるポンプとし得る。減圧はまた、例えば、ドレープ206に直接結合されたマイクロポンプなどの装置によって生成され得る。減圧源126は、他のタイプの減圧ポンプとしてもよいし、または病院および他の医療施設で利用可能なものなどの壁面吸い込みポートとしてもよい。組織部位102に行われる減圧の量および性質は、適用に従って変化し得るが、減圧は、−5mm Hg(−667Pa)〜−500mm Hg(−66.7kPa)、およびより典型的には−75mm Hg(−9.9kPa)〜−200mm Hg(−26.66kPa)とし得る。
【0019】
概して、減圧治療システム100の構成要素は、直接または間接的に結合され得る。例えば、減圧源126は、コネクタ128には直接結合され、かつマニホールド122には、コネクタ128を通して間接的に結合され得る。構成要素は、互いに流体的に結合されて、構成要素間で流体(すなわち、液体および/または気体)を移送する経路を提供し得る。コネクタ128はまた、チューブ130とコネクタ128との間を流体結合させるためにチューブ130を受け入れるポートを有し得る。説明に役立つ一実施形態では、コネクタ128は、KCI(San Antonio、Texas)から入手可能なT.R.A.C.(登録商標)PadまたはSensa T.R.A.C.(登録商標)Padとし得る。コネクタ128は、密閉治療空間124に減圧を送達できるようにし得る。他の説明に役立つ実施形態では、コネクタ128はまた、ドレープ206を通して挿入される導管とし得る。
【0020】
本明細書では「チューブ」は、チューブ、パイプ、ホース、導管、または2つの端部間で流体を運ぶように適合された、1つ以上のルーメンを備える他の構造体を広く指す。一般に、チューブは、ある程度可撓性のある、細長いシリンダー状の構造体であるが、幾何学的形状および剛性は様々とし得る。それに加えてまたはその代わりに、一部の実施形態では、構成要素は、単一の構造に一体化されているかまたは同じ材料部片から形成される物理的近接によって、結合され得る。結合はまた、いくつかの状況において、機械的、空気圧的、熱的、電気的、または化学的な結合(ケミカルボンドなど)を含み得る。例えば、チューブ130は、主ルーメンおよび副ルーメンを有するマルチルーメン導管とし得る。説明に役立つ実施形態では、チューブ130は、主ルーメンを通して減圧を供給し、および副ルーメンを通して圧力を感知し得る。チューブ130は、様々な形状を有し、かつ複数の主および副ルーメンを含んでもよい。チューブ130は、コネクタ128を通して密閉治療空間124と流体的に連通し、密閉治療空間124に減圧を供給し、かつ組織部位102における圧力を感知し得る。減圧源126によって生じた減圧は、チューブ130を通してコネクタ128まで送達され得る。
【0021】
概して、滲出液および他の流体は、流体流路に沿って、より低い圧力の方へ流れ、この現象は、「吸込み」または「吸引」と呼ばれることが多い。この定位は、一般的に、本明細書の減圧治療システムの様々な特徴および構成要素を説明するために想定される。それゆえ、用語「下流」は、一般に、流体流路において、陰圧源の比較的近くにあるものを意味し、逆に、用語「上流」は、陰圧源から比較的離れているものを意味する。同様に、そのような基準系における流体の「入口」または「出口」に関して、いくつかの特徴を説明するのに好都合とし得る。しかしながら、流体流路はまた、一部の適用例では逆にされてもよく(陽圧源を陰圧源の代わりにすることによってなど)、この説明の慣例は、限定的な慣例であるとみなされるべきではない。
【0022】
概して、減圧療法は、全ての重症度の創傷に有益とし得る。しばしば、減圧療法の有効性は、ドレープ206と表皮112との間を密封している間にドレープ206が組織部位102に適合できないことに起因して、制限され得る。医療用ドレープを形成するために、ポリウレタンフィルムが使用されることが多い。これは、ポリウレタンが、通気性であり、可撓性であり、堅固であり、印刷または着色され、および様々な範囲の厚みで提供されることができるためである。ポリウレタンフィルム層はまた、ほとんどの接着剤にしっかりと結合する。伝統的に、ポリウレタンフィルム層を使用して組織部位を被覆し、およびポリウレタンフィルム層を組織部位に固定するために接着剤を使用する。医療用ドレープの適用例にポリウレタンフィルムを使用することにおける課題は、適合性、接着性、密封性、通気性、堅固さ、およびコストのバランスを取ることである。現在のところ、ほとんどの医療用ドレープは、厚さが少なくとも約15ミクロン〜約50ミクロン、一般に、約25ミクロン〜約45ミクロンの範囲のフィルム層を有する。ポリウレタンフィルム層と接着剤とを有するドレープの製造プロセスは、よく理解されており、再現できる。
【0023】
医療用ドレープは、組織部位を囲んで保護し、密閉治療空間内に湿潤環境を維持し、感染性病原体(infectious agent)に対するバリアとしての役目を果たし、および特に減圧療法が用いられ得る箇所にシールを提供するように機能する。漏れの少ないまたは漏れのない減圧療法を使用するとき、組織部位を密封し、かつ密閉治療空間内の減圧を所望のレベルに維持する医療用ドレープの能力は、より重要になる。医療用ドレープの密封性を改善するために、より厚い接着剤が必要とされ得る。医療用ドレープは、一般に、ポリウレタンフィルム層および接着剤層から形成され得る。アクリルベースとし得る接着剤は、約15g/m(gsm)〜最大約65gsmのポリウレタンフィルムのコーティング被覆率を有し得る。約15gsm〜約65gsmのコーティング被覆率は、医学的応用に関する約15ミクロン〜65ミクロンの範囲の接着剤層の厚さと同等とみなす。厚さが約65ミクロンに近い接着剤である、厚い接着剤、および標準的な厚さが25ミクロン以上のポリウレタンフィルム層は、漏れの少ないまたは漏れのない減圧の適用例に有用とし得る。厚い接着剤を用いて形成された医療用ドレープは、通常コーティングの接着剤の標準医療用ドレープよりも、50%厚くし得る。
【0024】
しかしながら、厚い接着剤層を有する医療用ドレープは、サイズが大きくなり、かつ構造の複雑性が増し、それにより、製造コストが増し得る。厚い接着剤を有する医療用ドレープはまた、適合性および通気性に悪影響を及ぼし得る。これらの問題を克服するために、医療用ドレープは、より薄いポリウレタンフィルム層を有し得る。例えば、約10ミクロン以下のポリウレタンフィルム層が使用され得る。しかしながら、約10ミクロン以下の厚さのポリウレタンフィルムは、製造中に、伸張したり、折り目またはしわを作ったり、および裂けたりしやすい。折り目またはしわは、漏れの問題を生じ得る。例えば、図5Aは、薄いポリウレタンフィルム層と標準よりも厚い接着剤層とを有する医療用ドレープの追加的な詳細を示す、ドレープ106の断面図である。ドレープ106は、厚さが約10ミクロンのポリウレタンフィルム層108から形成され、かつ標準よりも厚い接着剤110が示されている。ドレープ106がマニホールド112の上を覆って組織部位102に位置決めされると、折り目144が形成される。折り目144は、ポリウレタンフィルムが薄いことに起因して取り扱いの困難さが増したことによって形成され、かつ間隙145を生じ得る。接着剤層210は、通気性および適合性を損なわずに間隙145を満たすのに十分な厚さではない可能性がある。
【0025】
さらに、折り目およびしわに対して、薄いポリウレタンフィルムはまた、製造プロセスの最中、特に、ポリウレタンフィルムに接着剤を適用する最中に、伸張したり裂けたりし得る。このプロセスの最中に、ポリウレタンフィルムの良好な張力制御が必要とされ、およびこれは、達成することが難しいことが多い。さらに、薄いポリウレタンフィルムは、環境条件、例えば、温度および湿度の影響をより受けやすく、これは、製造プロセスの難しさを増し得る。医療用ドレープの製造中の接着剤の温度、および接着剤の化学的構成などの他の環境プロセスは、医療用ドレープを製造するための接着剤の適用の最中のポリウレタンフィルムを取り扱う能力に、大きな影響を与え得る。
【0026】
約15ミクロン未満の薄いポリウレタンフィルムを使用しようとする努力も、そのようなフィルム層、特に厚さが約5ミクロンのフィルムはピンホール形成欠陥の危険性の影響を受けやすいため、問題を解決していない。ピンホール形成は、可撓性フィルムにおける微小開口部または裂けの形成であり、これは、フィルム層、それゆえ医療用ドレープを機能しなくさせ得る。さらに、薄いポリウレタンフィルムは、医療用ドレープの適用をより困難にし得るため、ポリウレタンフィルムの厚さは、医療用ドレープの取り扱いを支援するように維持される必要がある。アクリル接着剤などの一部の接着剤は、接着剤層の厚さが増すにつれて医療用ドレープの透湿度(MVTR)を著しく低下させることも公知である。これらの問題ゆえに、厚さ5ミクロンのポリウレタンフィルム層は、医療用ドレープの適用には、特に減圧療法の漏れの少ないまたは漏れのない適用例には、利用可能ではなかった。そのような薄いフィルム層のポリウレタンを利用できないため、接着剤層は、約15ミクロン〜約65ミクロンと比較的薄いままであり、容認できるMVTRを維持している。
【0027】
本明細書で開示するように、減圧治療システム100は、プラズマ処理された表面を備えてプラズマ層208を形成する接着剤210を有するドレープ206を提供することによって、これらおよび他の課題を克服する。さらに、ドレープ206は、通気性、適合性またはコストに影響を及ぼさない、厚い接着剤210を提供し得る。
【0028】
図2は、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す、ドレープ206の分解斜視図である。図2に示すように、ドレープ206は、厚さ約600ミクロンの接着剤210と、厚さ約5ミクロンのプラズマ層208とを有し得る。プラズマ層208は、接着剤210の一部分から形成された非接着剤層とし得る。プラズマ層208は、第1の側面232を有し、かつ接着剤210は第1の側面236を有し得る。
【0029】
図3は、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す、ドレープ206の断面図である。図示の通り、プラズマ層は第2の側面234を有し、および接着剤210は第2の側面238を有し得る。説明に役立つ実施形態では、プラズマ層208の第2の側面234と接着剤210の第1の側面236は、プラズマ層208と接着剤210との間の境界層を形成し得る。図示の通り、プラズマ層208の第2の側面234と接着剤210の第1の側面236との間の境界層は、プラズマ層208の第1の側面232から距離「d」にあるとし得る。実施形態では、距離「d」は、厚さが約5ミクロンまで、すなわち約5ミクロン未満とし得る。プラズマ層208は、接着剤210の接着剤内のモノマー、例えば炭化フッ素、またはシリコーンを活性化するためにプラズマプロセスによって処理された接着剤210の一部分とし得る。プラズマプロセスは、モノマーとシリコーンゲルとの間に化学反応を生じさせて、厚さ5ミクロンまでの薄くて丈夫な非粘着性フィルムを生じ得る。下記で説明するプラズマ処理プロセスと一緒にウレタンモノマーおよびアクリルモノマーなどの他のモノマー系を使用して、プラズマ層208を生じ得る。
【0030】
接着剤210は、医療的に容認できる感圧接着剤とし得る。接着剤210は、シリコーンポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、または追加的なアクリル接着剤とし得る。接着剤210はまた、ゲルまたは親水コロイドベースの接着剤とし得る。一部の実施形態では、接着剤210の結合強さは、ASTM D3330に基づいて、23℃、相対湿度50%において、ステンレス鋼基材での約0.5N/25mm〜約1.5N/25mmのステンレス鋼材料からの引きはがし粘着力または耐剥離性を有し得る。接着剤210は、接着剤210が約60秒未満の接触時間後に上述の結合強さを有し得るような粘着性を有し得る。説明に役立つ非限定的な例では、接着剤210は、約80グラム/m(gsm)〜約400gsmの塗布量のシリコーン接着剤を含む。接着剤210は、厚さ約600ミクロン/gsmまでとし得る。
【0031】
接着剤210はまた、第1の側面236に近接して配置されたスクリム層211を有し得る。スクリム層211は第1の側面236から分離され得るため、スクリム層211は、プラズマ層208の第2の側面234と接着剤210の第1の側面236との境界層の下側で接着剤210に埋め込まれる。下記でより詳細に説明するように、プラズマ層208を形成するプラズマ処理プロセスは、スクリム層211と相互作用しない。スクリム層211は、接着剤に埋め込まれた、接着剤の強度が弱いとし得る箇所に追加の支持を提供する補強層としてもよく、およびプラズマ層208は、ドレープ206の不慮の破壊を制限するような十分な強度を提供しない。スクリム層211は、ポリウレタンなどの不織ポリマーから形成されてもよく、および密度が約10gsmまでと、薄くかつ軽量とし得る。スクリム層211は、医療用ドレープに利用可能な最も薄いポリウレタンフィルムよりも可撓性とし得る。現在のところ、入手可能な最も薄いポリウレタンフィルムは、厚さが約15ミクロンとし得る。スクリム層211は、アルギン酸などの親水性材料または超吸収材料から形成されて、通気性の劣るポリマー接着剤、例えばシリコーンが、穿孔の必要なく、水分を管理できるようにし得る。
【0032】
ドレープ206は、ドレープ206の製造、配送、および保管の最中、接着剤210の第2の側面238に配置された剥離ライナー240を含み得る。剥離ライナー240は、ドレープ206を使用する前に除去され得る。剥離ライナー240は、ポリマーまたは紙ベースのウェブとし得る。剥離ライナー240は、ドレープ206を組織部位102に適用する前、接着剤210の第2の側面238を被覆している。剥離ライナー240は、接着剤210と表皮112が接触する前の、接着剤210の接着性を保つ。剥離ライナー240はまた、ドレープ206を組織部位102に適用する前に、流体が接着剤210と接触しないようにする。剥離ライナー240は、気体または液不透過性材料から形成されて、接着剤210が、組織部位102に適用される前に、汚染されたり、またはゼラチン状体または液体状態に変質されたりしないようにし得る。剥離ライナー240はまた、タブを有して、接着剤210からの剥離ライナー240の除去を支援し得る。
【0033】
ドレープ206は、例えば、ドレープ206と組織部位102との間の空間を通る流体の漏れを実質的に防止する一方、蒸気はドレープ206を通って出ることができるようにし得る。ドレープ206は、接着剤210が表皮112に接触する箇所の好適なMVTRを維持して、組織部位102に減圧療法を行うときの組織部位102の治癒を支援する。ドレープ206はまた、表皮112から好適に剥離できる材料から形成され、組織部位102からドレープ206を除去することに起因する患者へのいずれの痛みも最小限にし得るかまたは低減させ得る。ドレープ206は剥離可能とし得るが、ドレープ206は、接着剤210の結合特性に応じて組織部位102への適度に強力な機械的接続を維持し得る。
【0034】
図4は、一部の実施形態に関連付けられ得る別のドレープ306の詳細を示す、概略的な側面図である。ドレープ306は、ドレープ206と同様であり得、かつドレープ206の代わりに、図1の減圧治療システム100と一緒に使用され得る。ドレープ306は、図3のドレープ206と多くの点で類似してもよく、および類似の構成要素は、参照符号を100だけ大きくして示している。ドレープ306は、プラズマ層308および接着剤310を含む。プラズマ層308は、接着剤310の一部分から形成される非接着剤層とし得る。プラズマ層308は、第1の側面332および第2の側面334を含む。接着剤310は、第1の側面336および第2の側面338を含む。図示の実施形態では、プラズマ層308の第2の側面334と接着剤310の第1の側面336は、プラズマ層308と接着剤310との間に境界層を形成し得る。図示の通り、プラズマ層308の第2の側面334と接着剤310の第1の側面336との間の境界層は、プラズマ層308の第1の側面332から距離「d」にあるとし得る。実施形態では、距離「d」は、厚さ約5ミクロンまで、すなわち約5ミクロン未満である。プラズマ層308は、接着剤310内のモノマー、例えば炭化フッ素、またはシリコーンを活性化するためにプラズマプロセスにおいて処理された接着剤310の一部分である。プラズマプロセスは、モノマーとシリコーンゲルとの間に化学反応を生じさせて、厚さ5ミクロンまでの薄くて丈夫な非粘着性フィルムを生じる。他のモノマー系、例えばウレタンモノマーおよびアクリルモノマーは、下記で説明するプラズマ処理プロセスと一緒に使用され、プラズマ層308を生じ得る。
【0035】
接着剤310は、医療的に容認できる感圧接着剤とし得る。接着剤310は、シリコーンポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、または追加的なアクリル接着剤とし得る。一部の実施形態では、接着剤310の結合強さは、ASTM D3320に基づいて、33℃、50%の相対湿度で、ステンレス鋼基材で約0.5N/25mm〜約1.5N/25mmのステンレス鋼材料からの引きはがし粘着力または耐剥離性を有し得る。接着剤310は粘着性を有し、接着剤310は、60秒未満の接触時間の後に上述の結合強さを達成し得る。説明に役立つ非限定的な例では、接着剤310は、塗布量80gsm〜400gsmでシリコーン接着剤を含む。接着剤310は、厚さ約600ミクロン/gsmまでとし得る。
【0036】
ドレープ306は、ドレープ306の製造、配送、および保管の最中、第2の側面338に配置された剥離ライナー340を含み得る。剥離ライナー340は、ドレープ306の使用前に除去され得る。剥離ライナー340は、ドレープ306を組織部位103に適用する前に、接着剤310の第2の側面338を被覆する。剥離ライナー340は、接着剤310と表皮113とが接触する前の接着剤310の接着性を保つ。剥離ライナー340はまた、ドレープ306を組織部位102に適用する前に、流体が接着剤310に接触しないようにする。剥離ライナー340は、気体または液不透過性材料から形成されて、接着剤310が、組織部位102に適用される前に、汚染されたり、またはゼラチン状体または液体状態に変質されたりしないようにし得る。剥離ライナー340はまた、タブを有して、接着剤310からの剥離ライナー340の除去を支援し得る。
【0037】
ドレープ306はまた、プラズマ層308の第1の側面332に配置された支持層342を含み得る。支持層342は、下記で説明するプラズマ処理プロセスに続いてプラズマ層308にラミネートされたフィルム層とし得る。支持層342は、ドレープ306の配送および保管の最中の不慮の破壊を制限するように、追加的な支持をもたらし得る。図4に関して上述したようにドレープ306を配置した後、支持層342は、ドレープ306から除去され得る。支持層342はまた、タブを有して、接着剤310から支持層342を除去するのを支援し得る。
【0038】
ドレープ206およびドレープ306は、他の医療用ドレープのようにフィルム部分を有しないため、ドレープ206およびドレープ306には、ピンホールが形成されない。さらに、ドレープ206およびドレープ306は、高可撓性であり、かつより容易に組織部位102に適合し得る。さらに、ドレープ206およびドレープ306の全体の通気性は、ドレープ206およびドレープ306の全厚が標準的な医療用ドレープよりも薄いために、他の医療用ドレープよりも増大し、MVTRを高め得る。下記で詳細に説明するように、ドレープ206およびドレープ306は、安価に生産され、およびそれらの構成のために使用する材料が少数であるため、あまり廃棄物を生じないとし得る。
【0039】
図5Aは、約25ミクロン〜約45ミクロンのフィルム層108と接着剤110とを有する共通のドレープ106を使用する、図1の減圧治療システム100の一部分の概略的な断面図である。ドレープ106を組織部位102に適用するとき、ドレープ106は、ドレープ106を組織部位102に適合させるために伸張され、および組織部位102を取り囲む傷のない表皮112をドレープ106が確実に密封するようにし得る。適用の最中に、ドレープ106を伸張させる力が解放されると、ドレープ106は収縮し、ドレープ106が表皮112に結合される箇所にしわや折り目144を形成し得る。折り目144は、フィルム層108および接着剤110の双方を、表皮112から離れるように引っ張り、および接着剤110は、フィルム層108の厚さに起因して、十分に強力ではないか、またはドレープ106と表皮112との間の間隙144を閉鎖するのに十分な厚さではない。それゆえ、折り目144は漏れを生じ、減圧治療システム100の効率を低下させ得る。
【0040】
図5Bは、ドレープ206の追加的な詳細を示す、図1の減圧治療システム100の一部分の概略的な断面図である。接着剤210は、ドレープ206を表皮112に結合させ得る。ドレープ206を表皮112に適用させる最中、ドレープ206は、折り目またはしわ244を形成し得る。折り目244は、ドレープ206の一部分を表皮112から引き離すようにし得る。これはまた、接着剤210の一部分が、上述のように表皮112から引き離されるようにし得る。しかしながら、ドレープ206は、約5ミクロン〜約15ミクロンのプラズマ層208と、約80ミクロン〜約600ミクロンの接着剤210とを含むため、接着剤210は、破線で示すような間隙245を形成するように表皮112から引き離されない。むしろ、接着剤210が、折り目244の下側のボイド全体を満たして漏れを防止する。接着剤210は、プラズマ層208と表皮112との間の間隙245を満たし、それにより、減圧治療システム100の適切な動作を妨げ得る漏れの形成を制限する。さらに、折り目244の高さは、ドレープ206では、ドレープ106よりも低いとし得る。それゆえ、ドレープ206は、ドレープ206と表皮112との間の空間を通る流体の漏れを実質的に防止する一方、高MVTRおよび向上した適合性を維持し得る。
【0041】
図6は、図3のドレープ206の製造に関連付けられる追加的な詳細を示す、押出装置700の概略図である。押出装置700は、コンベヤセンブリ701、および押出アセンブリ707を含む。スクリム層211は、コンベヤセンブリ701上に提供され得る。コンベヤセンブリ701は1つ以上のローラ703を含み、それらローラの上にスクリム層211が配置され得る。一般的に、ローラ703は、スクリム層211を支持し、かつモータ駆動され得るかまたは他の方法で動力駆動され得るため、スクリム層211は、コンベヤセンブリ701を進み得る。コンベヤセンブリ701は、押出装置700を通してドレープ206を輸送するように構成された他の搬送装置、例えばコンベヤベルト、グラビティコンベヤ、バケツコンベヤ、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、振動コンベヤなどを含み得る。コンベヤセンブリ701は、1つ以上の搬送システムとしても、または図6に概略的に示すような単一のコンベヤシステムとしてもよい。説明に役立つ実施形態では、スクリム層211は、コンベヤセンブリ701の動作中、コンベヤセンブリ701と連続的にみえるシート状で、コンベヤセンブリ701に提供され得る。例えば、スクリム層211は、コンベヤセンブリ701上に配置され得るロール713で提供され、かつコンベヤセンブリ701によって広げられ得る。例えば、コンベヤセンブリ701は、スクリム層211の第1の端部を押出装置700で進めて、ロール713を広げ得る。スクリム層211はコンベヤセンブリ701に配置され得るため、スクリム層211は、コンベヤセンブリ701のベルト705に近接し得る。説明に役立つ実施形態では、スクリム層211は、ベルト705から予め決められた距離、分離され得るため、スクリム層211は、ベルト705に接触しない可能性がある。例えば、スクリム層211は、コンベヤセンブリ701に提供され得るため、スクリム層211は、ベルト705から、約600ミクロンの距離、分離され得る。他の実施形態では、スクリム層211は、コンベヤセンブリ701に提供され得るため、スクリム層211は、ベルト705から、約500ミクロン〜約600ミクロンの距離、分離され得る。
【0042】
コンベヤセンブリ701は、スクリム層211を押出アセンブリ707を通して運び得る。押出アセンブリ707は、1つ以上の接着剤押出機、例えば接着剤押出機709と、接着剤供給装置711と、制御システム715と、プラズマジェットアセンブリ717とを含み得る。接着剤押出機709はスロットダイとしてもよく、接着剤を接着剤押出機709に供給するための接着剤供給装置711に流体的に結合される。制御システム715は、接着剤押出機709および接着剤供給装置711に通信可能に結合されて、本明細書で開示するように押出アセンブリ707を動作させる。制御システム715はまた、本明細書で開示するようなプラズマジェットアセンブリ717の動作のために、プラズマジェットアセンブリ717に通信可能に結合される。
【0043】
制御システム715は、上記の装置から入力を受信しかつそれらの同じ装置とそれらの動作のために通信するように構成されたプログラマブルロジックコントローラ、データ処理システムなどを含み得る。プログラムコードを記憶および/または実行するのに好適なデータ処理システムが、メモリエレメントに直接、またはシステムバスを通して間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。メモリエレメントは、プログラムコードの実行の最中に用いられるローカルメモリと、大容量記憶装置と、実行中に大容量記憶装置からコードが検索され得る回数を削減するために、少なくとも一部のプログラムコードの一時記憶を提供するキャッシュメモリとを含み得る。接着剤押出機709は、本明細書で開示するように、それぞれのモータ付きコントローラに結合され、かつ初期位置に関する動きに対し動作可能とし得る。モータ付きコントローラは、制御システム715から動作信号または指示を受信するように構成された好適な装置とし得る。
【0044】
制御システム715は、制御システム715に信号を通信するように構成された空気圧センサー、温度センサーなどの好適な装置とし得る慎重な入力/出力装置を含み得る。入力/出力またはI/O装置(限定されるものではないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティングディバイスなどを含む)は、直接、または介在するI/Oコントローラを通してのいずれかで、システムに結合され得る。モデムまたはイーサネットカードなどのネットワークアダプタも、制御システム715に結合されて、制御システム715が、介在するプライベートネットワークまたはパブリックネットワークを通して他のデータ処理システムまたはリモートのプリンタもしくは記憶装置に結合され得るようにする。
【0045】
接着剤押出機709は、コンベヤセンブリ701のベルト705に近接して配置される。接着剤押出機709は、バルブと、接着剤を接着剤材料のシート706としてベルト705上に押し出すように構成されたダイとを含み得る。接着剤押出機709は、接着剤材料のシート706をベルト705上に堆積させるため、接着剤材料のシート706の厚さは、ベルト705とスクリム層211との間の距離よりも大きいとし得る。説明に役立つ実施形態では、スクリム層211は、ベルト705に対向する接着剤材料のシート706の表面から、約5ミクロン〜約10ミクロンの距離、分離している。別の説明に役立つ実施形態では、接着剤材料のシート706は、約600ミクロンの厚さでベルト705上に堆積され得る。
【0046】
一部の実施形態では、接着剤材料のシート706は、ベルト705上への接着剤材料のシート706の押出に続いて、熱または紫外線光にさらされる。接着剤材料のシート706を加熱する、または接着剤材料のシート706を紫外線光へさらすことによって、接着剤材料のシート706を架橋させる。架橋によって、接着剤材料のシート706がゲル接着剤を形成するようになる。説明に役立つプロセスでは、ゲル接着剤はシリコーンゲル接着剤である。架橋は、接着剤材料のシート706を構成するポリマー鎖間の化学的架橋を作る。架橋は、接着剤材料のシート706の接着性を低下させ得る。
【0047】
接着剤材料のシート706およびスクリム層211は、プラズマジェットアセンブリ717を通り越して運ばれ得る。プラズマジェットアセンブリ717は、接着剤材料のシート706の表面にプラズマ処理プロセスを実施するように構成された装置とし得る。図示のプラズマ処理プロセスでは、プラズマジェットアセンブリ717は、ガスを受け、そのガスを、陰極および陽極を含むノズル間に通す。陰極と陽極との間のアークが、ガスをイオン化し、かつガスを解離させ、プラズマ流719を形成するようにする。スクリム層211が配置されている接着剤材料のシート706は、図6に示すように、プラズマ流719を通過する。プラズマ流719は、接着剤材料のシート706の表面を加熱し、接着剤内のモノマー、例えば炭化フッ素、またはシリコーンを活性化させる。モノマーの活性化によって化学反応を生じさせ、接着剤材料のシート706が、プラズマ層208、厚さ約5ミクロンまでの薄くて丈夫な非粘着性フィルムを形成するようにする。より厚いプラズマ層が望まれる場合、プラズマ層208の厚さを増すために追加的なプラズマ処理プロセスを実施し得る。
【0048】
接着剤材料のシート706からプラズマ層208を形成する他のプロセスを使用してもよい。例えば、粉体塗装プロセス、湿式塗装プロセス、およびコロナ放電プロセスを使用して、プラズマ層208を形成し得る。酸化表面または高度に架橋された表面が望まれる箇所にはコロナ放電プロセスを使用し得る。他のプロセスは、タルク、ポリマー、ワックス、または粉体のエマルジョン、分散体、または溶液を使用し得る。プラズマ処理プロセスに続いて、接着剤材料のシート706は、プラズマ層208および接着剤210を含む。その後、剥離ライナー240が、接着剤210の第2の側面238に剥離可能に結合され得る。プラズマ処理プロセスは、本明細書で説明するように一直線に実施されても、または別の搬送アセンブリを用いて別個のプロセスで実施されてもよい。
【0049】
図7は、ドレープ306を製造するための押出装置800の概略図である。押出装置800は、コンベヤセンブリ801および押出アセンブリ807を含む。剥離ライナー340は、コンベヤセンブリ801上に提供され得る。コンベヤセンブリ801は1つ以上のローラ803を含み、その上に剥離ライナー340が配置され得る。一般的に、ローラ803は、剥離ライナー340を支持し、かつモータ駆動されていても、または他の方法で動力駆動されてもよいため、剥離ライナー340は、コンベヤセンブリ801上で平行移動し得る。コンベヤセンブリ801は、押出装置800を通してドレープ306を輸送するように構成された他の搬送装置、例えばコンベヤベルト、グラビティコンベヤ、バケツコンベヤ、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、振動コンベヤなどを含み得る。コンベヤセンブリ801は、1つ以上の搬送システムとしても、または図7に概略的に示すような単一のコンベヤシステムとしてもよい。説明に役立つ実施形態では、剥離ライナー340は、コンベヤセンブリ801の動作中、コンベヤセンブリ801と連続的にみえるシート状で、コンベヤセンブリ801に提供され得る。例えば、剥離ライナー340は、コンベヤセンブリ801上に配置され得るロール813で提供され、かつコンベヤセンブリ801が剥離ライナー340の第1の端部を押出装置800で進めるときに、コンベヤセンブリ801によって広げられ得る。
【0050】
コンベヤセンブリ801は、押出アセンブリ807を通して剥離ライナー340を運ぶ。押出アセンブリ807は、1つ以上の接着剤押出機、例えば接着剤押出機809と、接着剤供給装置811と、制御システム815と、プラズマジェットアセンブリ817とを含み得る。接着剤押出機809はスロットダイとしてもよく、接着剤を接着剤押出機809に供給するための接着剤供給装置811に流体的に結合される。制御システム815は、接着剤押出機809および接着剤供給装置811と通信可能に結合され、本明細書で開示するように押出アセンブリ807を動作させ得る。制御システム815はまた、本明細書で説明するようなプラズマジェットアセンブリ817の動作のために、プラズマジェットアセンブリ817と通信可能に結合され得る。
【0051】
制御システム815は、上述の装置からの入力を受信しかつそれらの同じ装置とその動作のために通信するように構成されたプログラマブルロジックコントローラ、データ処理システムなどを含み得る。プログラムコードの記憶および/または実行に好適なデータ処理システムが、メモリエレメントに直接、またはシステムバスを通して間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。メモリエレメントは、プログラムコードの実行中に用いられるローカルメモリと、大容量記憶装置と、実行中に大容量記憶装置からコードが検索され得る回数を削減するために、少なくとも一部のプログラムコードの一時記憶を提供するキャッシュメモリとを含み得る。一部の実施形態では、接着剤押出機809は、本明細書で開示するように、それぞれのモータ付きコントローラに結合され、かつ初期位置に関する動きに対し動作可能とし得る。モータ付きコントローラは、制御システム815から動作信号または指示を受信するように構成された好適な装置とし得る。
【0052】
制御システム815は、制御システム815に信号を通信するように構成された空気圧センサー、温度センサーなどの好適な装置とし得る慎重な入力/出力装置を含み得る。入力/出力またはI/O装置(限定されるものではないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティングディバイスなどを含む)は、直接、または介在するI/Oコントローラを通してのいずれかで、システムに結合され得る。モデムまたはイーサネットカードなどのネットワークアダプタも、制御システム815に結合されて、制御システム815が、介在するプライベートネットワークまたはパブリックネットワークを通して他のデータ処理システムまたはリモートのプリンタもしくは記憶装置に結合され得るようにする。
【0053】
接着剤押出機809は、コンベヤセンブリ801上で剥離ライナー340に近接して配置される。接着剤押出機809は、バルブと、接着剤を接着剤材料のシート806として剥離ライナー340上に押し出すように構成されたダイとを含み得る。接着剤押出機809は、接着剤材料のシート806を、剥離ライン340の上に堆積させるため、接着剤材料のシート806の厚さは、約600ミクロンとし得る。
【0054】
実施形態では、接着剤材料のシート806は、剥離ライナー340上への接着剤材料のシート806の押出後に、熱または紫外線光にさらされる。接着剤材料のシート806を加熱する、または接着剤材料のシート806を紫外線光にさらすことにより、接着剤材料のシート806を架橋させる。架橋によって、接着剤材料のシート806がゲル接着剤を形成するようになる。説明に役立つ実施形態では、ゲル接着剤はシリコーンゲル接着剤とし得る。架橋は、接着剤材料のシート806を構成するポリマー鎖間の化学的架橋を作り、接着剤材料のシート806の接着性を低下させ得る。
【0055】
接着剤材料のシート806および剥離ライナー340は、プラズマジェットアセンブリ817を通り越して運ばれ得る。プラズマジェットアセンブリ817は、接着剤材料のシート806の表面上にプラズマ処理プロセスを実施するように構成された装置とし得る。図示のプラズマ処理プロセスでは、プラズマジェットアセンブリ817は、ガスを受け、そのガスを、陰極および陽極を含むノズル間に通す。陰極と陽極との間のアークによってガスをイオン化させ、およびガスを解離させ、かつプラズマ流819を形成するようにする。接着剤材料のシート806および剥離ライナー340は、図7に示すようにプラズマ流819を通過し得る。プラズマ流819は、接着剤材料のシート806の表面を加熱し、接着剤内のモノマー、例えば炭化フッ素、またはシリコーンを活性化させ得る。モノマーの活性化によって化学反応を生じさせ、接着剤材料のシート806が、プラズマ層308、厚さ約5ミクロンまでの薄くて丈夫な非粘着性フィルムを形成するようにする。より厚いプラズマ層が望まれる場合、プラズマ層308の厚さを増すために追加的なプラズマ処理プロセスを実施してもよい。
【0056】
ドレープ206およびドレープ306の特定の実施形態に関して上述した製造装置を使用して、図2〜4の実施形態、ならびにそれらの変形形態を製造し得る。さらに、特に接着剤がゲルまたは親水コロイドベースの接着剤であるとき、厚みのある転写接着剤または接着剤被覆フィルムを生成するために用いられる他の製造方法を使用して、本明細書で説明したドレープを構成し得る。一部の実施形態では、接着剤のレオロジーを、製造プロセス、および硬化または乾燥の最中の流れの量を削減して望まない領域への接着剤の移動を防止するように、好適な方法で修正し得る。
【0057】
他の実施形態では、接着剤は、例えば有機および無機の低温沸点の液体の発泡剤または膨張剤と混合し得る。発泡剤または膨張剤は、熱または光の適用下で接着剤が膨張し、上述のプロセスのうちの1つによって堆積された後に、接着剤の厚さを増すことを可能にする。発泡剤または膨張剤は、接着剤の必要量を削減し、かつ生産コストおよび得られる医療用ドレープのコストを削減することができる。一部の実施形態では、表皮との接触で接着剤が暖められる可能性があるとき、表皮との接触領域が大きくなるようにするために、熱または光の適用は、表皮へ医療用ドレープを適用するまで遅らせてもよい。表皮への医療用ドレープの適用後の光または熱の適用は、表皮への医療用ドレープのシールを良好にする一方、強力な結合特性を保ち得る。
【0058】
上述のような医療用ドレープおよびそれらの均等物は、標準的なドレープよりも薄くすることができ、高MVTRを有することができ、かつ高い可撓性および適合性を有することができる。さらに、それらは、接着剤の厚さが厚いゆえに、漏れの発生回数を減らし得る。さらに、本明細書で説明した医療用ドレープおよびそれらの均等物は、生産コストが低いとし得る。本明細書の医療用ドレープおよびそれらの均等物はまた、より単純な適用および高通気性にさらされ、蒸発ドレッシングにおけるそれらの有用性を高め得る。さらに、支持層のない実施形態は、適用を単純にし、かつ廃棄物を減らし得る。
【0059】
いくつかの実施形態およびそれらの利点を、いくつかの説明に役立つ非限定的な実施形態に照らして開示したが、添付の特許請求の範囲で定義するような本発明の範囲から逸脱せずに、様々な変更形態、代替形態、置換形態、および修正形態をなし得ることを理解されたい。一つの実施形態に関連して説明され得る特徴はまた、他の実施形態にも適用可能であり得ることを理解されたい。上述の利益および利点は、一実施形態に関連し得ること、またはいくつかの実施形態に関連し得ることも理解されたい。「1つの(an)」品目への言及は、1つ以上のそれら品目を指すことをさらに理解されたい。
【0060】
本明細書で説明した方法のステップは、好適な順序で、または適切な場合、および当業者に理解される他の場合には、同時に実施し得る。
【0061】
適切な場合には、上述の実施形態の態様を、説明する他の実施形態の態様と組み合わせて、類似のまたは異なる特性を有しかつ同じまたは異なる問題に対処する別の例を形成し得る。
【0062】
上述の実施形態は例示にすぎず、当業者は様々な修正形態をなし得ることを理解されたい。上述の明細書、例、およびデータは、例示的な実施形態の構造および使用の完全な説明を提供する。様々な実施形態を、ある程度詳細に、または1つ以上の個々の図を参照して上記で説明したが、当業者は、特許請求の範囲から逸脱せずに、例示的な実施形態に多数の修正をなすことができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7