特許第6293952号(P6293952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6293952
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】支持構造体
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/24 20060101AFI20180305BHJP
   B21C 37/00 20060101ALI20180305BHJP
   B23K 26/242 20140101ALI20180305BHJP
【FI】
   E04B1/24 J
   B21C37/00 A
   B23K26/242
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-65126(P2017-65126)
(22)【出願日】2017年3月29日
【審査請求日】2017年11月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】714003416
【氏名又は名称】日新製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】家成 徹
(72)【発明者】
【氏名】桜田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】朝田 博
【審査官】 川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−152820(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/016935(WO,A1)
【文献】 特開平11−123575(JP,A)
【文献】 特開2016−190259(JP,A)
【文献】 特開昭61−179935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 37/00
B23K 26/242
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象物と、
前記支持対象物を支持する支持体の組とを含む支持構造体であって、
前記支持体のそれぞれは、
金属製の2つのフランジ材を、金属製のウェブ材の両端に、前記2つのフランジ材が対向するように溶接することにより形成されており、
前記フランジ材と前記ウェブ材との溶接部の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしており、
前記支持体のそれぞれが有する前記2つのフランジ材は、前記ウェブ材の一方の板面に立てた垂線の方向における、前記溶接部から当該フランジ材の端部までの長さが互いに異なっており、
前記支持対象物は、前記端部までの長さが短い前記フランジ材のそれぞれと嵌合する嵌合溝部を備える支持構造体。
(ここで、ウェブ材の一方の板面を第1面、該第1面の裏面を第2面とし、
α:前記第1面側においてフランジ材の表面から前記ウェブ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、β:前記第2面側においてフランジ材の表面から前記ウェブ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、γ:前記第1面から前記フランジ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、δ:前記第2面から前記フランジ材の表面に沿って突出している溶接部の長さである。)
【請求項2】
前記端部までの長さが短い前記フランジ材は、前記溶接部から、前記ウェブ材の前記板面の一方の側にのみ延びている請求項1に記載の支持構造体。
【請求項3】
前記2つのフランジ材の少なくとも一方は、前記支持体を他の物体に固定するための固定具を通す第1開口部を有している請求項1または2に記載の支持構造体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持対象物を支持する支持体、支持体の組を含む支持体セット、および支持構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、H形鋼等、用途に応じて様々な断面形状に成形された形鋼が知られている。一般に、各種の形鋼は、ユニバーサル圧延機を用いた熱間圧延、またはフランジ材とウェブ材とを溶接することにより製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−23114号公報(2010年2月4日公開)
【特許文献2】特開2010−228002号公報(2010年10月14日公開)
【特許文献3】特開2012−152820号公報(2012年8月16日公開)
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“カタログ(H形鋼)”、[online]、新日鉄住金株式会社、[平成29年3月10検索]、インターネット〈URL:https://www.nssmc.com/product/catalog_download/pdf/K004.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、形鋼は、フランジ材とウェブ材との突合せ部(結合部)にフィレットまたは溶接ビードといった突出部が形成される。例えば、特許文献1、2に記載のT形鋼100は、図10に示すように、断面形状が円弧状のフィレット部110が形成されており、該円弧の半径rが2〜10mmとなっている。また、例えば非特許文献1に記載されているように、市販のH形鋼は、フィレット部の円弧の半径rが8mm以上である。
【0006】
このようなT形鋼またはH形鋼を、矩形の平板状の物体(例えば、パーティションや額縁等)を支持する支持体として用いる場合、パネル材の隅部が上記突出部と干渉する。そのため、パネル材の隅部を切り欠くことを要し、施工現場にて、パネル材をそのまま施工することができない。或いは、上記突出部を削る(仕上げ加工する)ことを要し、支持体の強度の低下および製造コストの増加といった問題が生じる。
【0007】
本発明の一態様は、突出部を削る工程が不要であり、かつ施工現場にて支持対象物をそのまま用いて施工することができる支持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様における支持体は、支持対象物を支持する支持体であって、金属製の2つのフランジ材を、金属製のウェブ材の両端に、前記2つのフランジ材が対向するように溶接することにより形成されており、前記フランジ材と前記ウェブ材との溶接部の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしている。
(ここで、ウェブ材の一方の板面を第1面、該第1面の裏面を第2面とし、
α:前記第1面側においてフランジ材の表面から前記ウェブ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、β:前記第2面側においてフランジ材の表面から前記ウェブ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、γ:前記第1面から前記フランジ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、δ:前記第2面から前記フランジ材の表面に沿って突出している溶接部の長さである)。
【0009】
また、本発明の一態様における支持体は、前記2つのフランジ材は、前記第1面に立てた垂線の方向における、前記溶接部から当該フランジ材の一方の端部までの長さおよび他方の端部までの長さのうちの少なくとも1方が互いに異なっていてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様における支持体は、前記2つのフランジ材の一方は、前記溶接部から、前記ウェブ材の前記第1面の側にのみ延びていてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様における支持体は、前記2つのフランジ材の少なくとも一方は、前記支持体を他の物体に固定するための固定具を通す第1開口部を有していてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様における支持体は、前記ウェブ材は、前記支持対象物を前記支持体に固定するための固定具を通す第2開口部を有していてもよい。
【0013】
本発明の一態様における支持体セットは、前記支持体の組を含む。
【0014】
本発明の一態様における支持体構造体は、前記支持体セットと、前記支持体によって支持される支持対象物とを含む。
【0015】
本発明の一態様における支持体の製造方法は、支持対象物を支持する支持体の製造方法であって、金属製の2つのフランジ材を、金属製のウェブ材の両端に、前記2つのフランジ材が対向するようにレーザ溶接により接合する工程を含み、前記フランジ材と前記ウェブ材との溶接部の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしている。
(ここで、ウェブ材の一方の板面を第1面、該第1面の裏面を第2面とし、
α:前記第1面側においてフランジ材の表面から前記ウェブ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、β:前記第2面側においてフランジ材の表面から前記ウェブ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、γ:前記第1面から前記フランジ材の表面に沿って突出している溶接部の長さ、δ:前記第2面から前記フランジ材の表面に沿って突出している溶接部の長さである)。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、突出部を削る工程が不要であり、かつ施工現場にて支持対象物をそのまま用いて施工することができる支持体を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態1における支持体を含む支持構造体の構成を示す断面図である。
図2】上記支持体における一方のフランジ材とウェブ材との溶接部の部分拡大図である。
図3】上記支持体を含む支持構造体の変形例の構成を示す断面図である。
図4】(a)〜(d)は、上記支持体の変形例の構成を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態2における支持体を含む支持構造体の構成を示す断面図である。
図6】本発明の実施形態3における支持体を含む支持構造体の構成を示す断面図である。
図7】上記支持構造体の変形例の構成を示す断面図である。
図8】本発明の実施形態4における支持体を含む支持構造体の構成を示す断面図である。
図9】本発明の実施形態5における支持体を含む支持構造体の構成を示す断面図である。
図10】従来のT形鋼の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、以下の記載は発明の趣旨をより良く理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」とは、A以上B以下であることを示している。
【0019】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1および図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0020】
本実施の形態では、本発明の一態様における支持体を用いて、支持対象物の一例としてのパネル材を設置する方法について説明する。
【0021】
尚、本発明の支持体が対象とする支持対象物としては、必ずしもこれに限らない。支持対象物としては、例えば、支持体によって支持される部分が平板状となっており、支持体に接する部分の隅部が直角となっている形状の物体であってよい。支持体に接していない側(外部環境に露出する側)の形状は特に限定されるものではなく、突出部を有していたり、装飾等の複雑な形状を有していたりしてもよい。また、本発明の支持体が対象とする支持対象物は、建材用パネル等の大きな重量を有するものではなく、比較的軽量(例えば、単位質量が30kg/m以下)の物体である。具体的には、例えば、額縁、案内板、仕切り板(パーティション)、鏡板、バルコニー若しくはテラス用パネル、その他小型のパネル等が挙げられる。このような支持対象物について、以下では、説明の便宜上、単にパネル材と称する。
【0022】
<支持構造体>
図1は、本実施の形態における支持体1Aを含む支持構造体10Aの構成を示す断面図である。本実施の形態では、支持体1Aが、長手方向に垂直な断面がH形であるH形鋼の場合について述べる。つまり、図1は、支持体1Aの長手方向に垂直に支持構造体10Aを切断したときの支持構造体10Aの断面を示す模式図である。図1においては、紙面を垂直に貫く方向に支持体1Aは延びており、紙面における下方向が重力方向であるとする。
【0023】
図1に示すように、支持構造体10Aは、2つの支柱(他の物体)5の間にH形状の支持体1Aが配置され、該支持体1Aにおける対向するフランジ材2およびフランジ材3がそれぞれ支柱5に皿ネジ(固定具)7によって固定されているとともに、上記フランジ材2とフランジ材3とを繋ぐウェブ材4の一方の面にパネル材6が皿ネジ7によって固定されている。以下、本明細書において、フランジ材2およびフランジ材3をまとめてフランジ材2,3と称することがある。
【0024】
支柱5は、例えば角材であるが、これに限定されず、フランジ材2,3を固定することができる固定面51を有していれば、具体的な態様は特に限定されない。例えば、建造物の一部(建物の骨組み等)、既存の設置物(家具、屋外の建造物等)、または壁の一部を支柱5として利用してもよく、支持体1Aを設置するために能動的に用意した物体であってもよい。支柱5は、具体的には、角形鋼管、木材、山形鋼、等であってよい。
【0025】
本実施の形態の支持体1Aは、フランジ材2、フランジ材3、及びウェブ材4を備えるH形鋼であって、以下のような構成のものである。すなわち、フランジ材2とフランジ材3とは互いに板面が対向するように、かつ互いに長手方向が平行となるように位置している。ウェブ材4は、フランジ材2およびフランジ材3のそれぞれに垂直かつ長手方向が平行となるように配置され、ウェブ材4の端部とフランジ材2,3とはそれぞれレーザ溶接されている。換言すれば、支持体1Aは、2つのフランジ材2,3を、ウェブ材4の両端に、2つのフランジ材2,3が対向するようにレーザ溶接することにより形成されている。
【0026】
また、ウェブ材4は、支持体1AのH形状の断面において、端部がフランジ材2およびフランジ材3の中央部に位置するようにレーザ溶接されている。
【0027】
フランジ材2,3およびウェブ材4は、金属製の平板であり、この金属としては、例えば、鉄、鋼(スチール)、ステンレス鋼、アルミニウム、他の金属若しくは合金、等であってよい。支持体1Aの所望の性質(耐食性、強度等)と、製造コストとを踏まえて、適宜選択することができる。上記のように、本明細書において、「金属」という用語は合金を含んで意味している。
【0028】
フランジ材2の板厚を厚さT2、板幅をw2とし、また、t2およびw2の方向を含む平面に垂直な方向(図1における紙面を貫く方向)の長さをL2(図示せず)とする。同様に、フランジ材3の板厚を厚さt3、板幅をw3、上記方向の長さをL3(図示せず)とし、ウェブ材4の板厚を厚さt4、板幅をw4、上記方向の長さをL4(図示せず)とする。尚、本明細書において、フランジ材の板幅とは、支持体1Aにおけるウェブ材4の板面かつフランジ材2,3の板面に垂直な断面における、Hの高さ方向に相当する方向の長さを意味している。また、ウェブ材の板幅とは、支持体1AのH形状の断面における、Hの幅(横幅)方向に相当する方向の長さを意味している。
【0029】
フランジ材2は、厚さt2が1.6mm〜4.5mm、板幅w2が50mm〜100mm、長さL2が300mm〜3000mmである。フランジ材3は、厚さt3が1.6mm〜4.5mm、板幅w3が50mm〜100mm、長さL3が300mm〜3000mmである。ウェブ材4は、厚さt4が1.2mm〜3.2mm、板幅w4が41mm〜196.8mm、長さL4が300mm〜3000mmである。
【0030】
本実施の形態の支持体1Aは、フランジ材2の板幅w2とフランジ材3の板幅w3とが互いに同じ幅となっている。尚、フランジ材2、フランジ材3、及びウェブ材4における、厚さ、板幅、及び長さは、支持対象物としてのパネル材6の形状及び重量に応じて、適宜選択されてよい。また、フランジ材2、フランジ材3、及びウェブ材4は、互いに同じ材質であってもよく、互いに種類の異なる材質であってもよい。
【0031】
パネル材6は、例えば、板厚が40mm〜195mmの平板状の形状である。パネル材6は、これに限定されず、矩形の平板状の部分を少なくとも有していればよく、該平板上の部分が、フランジ材2、フランジ材3、及びウェブ材4によって囲まれる空間に嵌合して、パネル材6が支持される。
【0032】
フランジ材2は、支持体1Aを支柱5に固定するための皿ネジ7を通す孔部(第1開口部)21が形成されている。支持構造体10Aは、フランジ材2が、皿ネジ7によって支柱5に固定されている。
【0033】
フランジ材3も同様に、支持体1Aを支柱5に固定するための皿ネジ7を通す孔部(第1開口部)31が形成されている。支持構造体10Aは、フランジ材3が、皿ネジ7によって支柱5に固定されている。
【0034】
ここで、皿ネジ7を用いて、フランジ材2,3から支柱5に届くようにネジ止めをすればよい。フランジ材2,3の板面と、固定面51との間に、図示しない調整部材が設けられていてもよく、フランジ材2,3の板面と固定面51とは、互いに当接していなくてもよい。該調整部材によって、2つの支柱5間の距離よりも支持体1Aの幅が短い場合、不足している部分を補って支持体1Aを安定に設置することができる。
【0035】
支持構造体10Aは、ウェブ材4の一方の板面である表板面41に、パネル材6の一方の板面である当接面61が当接するように、すなわちウェブ材4がパネル材6の底を支える形になるように配置されている。パネル材6とウェブ材4とは皿ネジ7によって固定されているウェブ材4には、パネル材6を支持体1Aに固定するための皿ネジ7を通す孔部(第2開口部)42が形成されている。
【0036】
孔部42に螺合するように、皿ネジ7をパネル材6を介してウェブ材4に挿入する。ここで、パネル材6には、予め孔が形成されていてもよいし、支持体1Aへパネル材6を施工する際に、電動ドリル等により孔を開けることもできる。パネル材6に予め孔が形成されている場合、該孔と孔部42との位置があうようにパネル材6を配置し、皿ネジ7によって固定すればよい。
【0037】
固定具として皿ネジ7を用いる場合、皿ネジ7の頭がフランジ材2,3内に埋設し易い。そのため、パネル材6を設置する際に皿ネジ7の頭がパネル材6と干渉することを抑制することができる。
【0038】
また、皿ネジ7を用いることにより、パネル材6における当接面61とは反対側の面の表面にネジの頭が突出することがない。その結果、安全性およびデザイン性を高めることができる。
【0039】
なお、皿ネジ7は、固定具の一例であって、他の固定具を適宜用いてよい。
【0040】
また、皿ネジ7によって固定せず、ウェブ材4の上にパネル材6を載置するのみによってパネル材6を支持する構成であってもよい。
【0041】
以上のような支持構造体10Aの支持体1Aとして、例えば従来のH形鋼を用いる場合、フランジ材とウェブ材との接合部にフィレットまたは溶接ビードが形成されているため、(i)パネル材6の隅部を切り欠く、または(ii)支持体1Aにおけるフィレット若しくは溶接ビードを切削等することを要する。その結果、施工現場にて、パネル材6をそのまま施工することができなかった。或いは、上記突出部を削る(仕上げ加工する)ことを要し、支持体の強度の低下および製造コストの増加といった問題が生じていた。
【0042】
<支持体1Aの溶接部形状>
本実施の形態の支持体1Aは、フランジ材2,3とウェブ材4との接合部分に、フランジ材2,3とウェブ材4とが溶融し形成された溶接部8を有する。図2は、本実施の形態の支持体1Aにおける一方のフランジ材2とウェブ材4との溶接部8の部分拡大図である。
【0043】
ここで、ウェブ材4における、上記表板面(第1面)41の反対側の面を裏板面(第2面)43とする。この場合、ウェブ材4の裏板面43側からレーザが照射されて、溶接部8が形成されたことになる。また、フランジ材2におけるウェブ材4側の面をウェブ側板面22とすると、溶接部8の形状を以下のように表すことができる。
【0044】
すなわち、表板面41側においてフランジ材2のウェブ側板面22からウェブ材4の表面に沿って突出している溶接部8の長さをα、裏板面43側においてフランジ材2のウェブ側板面22からウェブ材4の裏板面43に沿って突出している溶接部8の長さをβ、表板面41側からフランジ材2のウェブ側板面22に沿って突出している溶接部8の長さをγ、表板面41側からフランジ材2のウェブ側板面22に沿って突出している溶接部8の長さをδとする。
【0045】
本実施の形態における支持体1Aは、溶接部8の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしている。このような溶接部8の形状は、後述する本実施の形態の支持体1Aの製造方法によって、実現することができる。支持体1Aは、レーザ溶接により形成された溶接部の形状が、切削加工等の処理を施すことなく、そのままα+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしている。
【0046】
つまり、本実施の形態の支持体1Aは、溶接部8における突出部の長さが小さい。そのため、パネル材6の隅部が、溶接部8の突出部と干渉することがない。その結果、パネル材6の隅部を処理することなく、また、溶接部8の突出部を切削等することなく、フランジ材2,3及びウェブ材4によって囲まれて形成される空間にパネル材6を嵌めることができる。
【0047】
したがって、突出部を削る工程が不要であり、かつ施工現場にて支持対象物をそのまま用いて施工することができる支持体を提供することができる。これにより、支持体1Aの強度を低下させることなく、また、支持体1Aの製造コスト及び支持構造体10Aの施工コストを抑制することができる。
【0048】
また、支持体1Aを構成するフランジ材2,3及びウェブ材4は、金属製であり、材質を適宜選択することにより、耐久性(例えば耐食性)に優れたものとすることができる。そのため、支持体1Aは、屋内だけでなく屋外においても好適に使用することができ、また、美観に優れたものとすることもできる。
【0049】
これに対して、樹脂等を材質として支持体を作製する場合、接合部の突出量を少なくなるように製造することは可能であるが、屋外では劣化等が生じ易く、また強度を高くしようとすると製造コストが増大し得る。さらには、長手方向の長さが300mm〜3000mmのような長尺な支持体を製造するためには、製造設備が大掛かりなものとなり、製造自体が困難であり得る。
【0050】
また、支持体1Aは、溶接部8の突出量が1mm以下であることが好ましく、0.75mm以下であることがより好ましい。溶接部8の突出量とは、上記α、β、γ、δで示される、突出している溶接部の長さのうち、最大のものの長さである。
【0051】
つまり、支持体1Aは、上記α、β、γ、δで示される、突出している溶接部の長さが何れも1mm以下であることが好ましく、0.75mm以下であることがより好ましい。
【0052】
<支持体1Aの製造方法>
パネル材6を支持する支持体1Aの製造方法は、金属製の2つのフランジ材2,3を、金属製のウェブ材4の両端に、2つのフランジ材2,3が対向するようにレーザ溶接により接合する工程を含み、フランジ材2,3とウェブ材4との溶接部8の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしている。
【0053】
一般に、レーザ溶接方法では、溶接部の突出量は比較的抑制され得るが、本実施の形態の支持体1Aのように、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たすような溶接部とすることは、一般的なレーザ溶接方法では溶接部の強度が低下するため想定されておらず、また、そのような小さな突出量とすること自体、容易ではなかった。
【0054】
本発明者らは、レーザ溶接設備の改良を重ね、かつレーザ溶接の各種の条件を検討することによって、上述のような支持体1Aおよび支持構造体10Aを実現することを可能にした。
【0055】
つまり、上述のレーザ溶接により接合する工程は、以下のようにおこなうことができる。
【0056】
一般に、レーザ溶接による溶接時の入熱によって、フランジ材の形状が熱変形し得る。このような熱変形を矯正する方法が知られており、レーザ溶接設備としては、そのようなフランジ材の矯正機構を有するものを用いた。そしてさらに、レーザ溶接設備として、フランジ材の熱変形を矯正する際に、ウェブ材が曲げ変形を起こすことを抑制する機構をも有するものを用いた。
【0057】
また、レーザ光を照射する狙い位置、照射角度等の条件を検討し、溶接部の突出量を低減した。このことについては、特許文献3に記載の技術を援用することができる。
【0058】
具体的には、ウェブ材の表面上のフランジ材からの狙い位置(照射位置)Xを、「X=Tw・tanθ」(Tw:ウェブ材の板厚,θ:フランジ材に対するレーザ入射角)と定義する。ここで、レーザのビーム径Dおよび溶融幅(条件により変動:約1.1倍〜2.5倍)を考慮して、狙い位置Xの上限値は「2.5×(D/2)」となる。このことから、照射角θの範囲を求めると、「0<θ≦tan−1((2.5×D/2))/Tw」となる。
【0059】
狙い位置Xおよび照射角θを、上記範囲内にて細かく調整することにより、溶接部が所望の強度特性を有するとともに、溶接部の突出量が小さくなるように、レーザ溶接を行うことが可能となる。
【0060】
以上のように、本実施の形態の支持体1Aの製造方法によれば、溶接部8の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たす、支持体1Aを製造することができる。そのため、支持体1Aの溶接部を切削加工等することが不要である。そして、施工の現場にて、上記製造した支持体1Aを支柱5に固定し、パネル材6を隅部の加工を行うことなくそのまま嵌めこみ、支持構造体10Aとすることができる。
【0061】
<変形例>
(a)本実施の形態の支持体1Aおよび支持構造体10Aは、重力方向が下方となるように、横置きの使用態様であったが、本発明の一態様における支持体および支持構造体は、これに限定されない。
【0062】
上記支柱5は、それぞれ少なくとも一端が建物の床等に連結して平行に立設した2つの角形形状の部材であってよく、何らかの自立機構によって床等に自立するように立設した(自立した)部材であってもよい。具体的には、建物の柱、骨組み、バルコニーの手すり等であってもよい。また、このことは、後述する他の実施形態においても同様であり、本発明の一態様における支持構造体は、パネル材を横置き、縦置き、斜め置きすることができるように、適宜構成することができる。
【0063】
(b)本実施の形態の支持体1Aは、ウェブ材4の端部がフランジ材2,3の中央部に溶接されたH形鋼の形状であったが、本発明の一態様における支持体は、ウェブ材4の端部が、フランジ材2,3の一端側に偏った位置に溶接されていてもよい。すなわち、H形の断面形状において、ウェブ材4の位置が上方または下方に偏移して、偏心した形状となっていてよい。
【0064】
また、本発明の一態様における支持体は、断面形状がI形鋼であってもよい。
【0065】
(c)本実施の形態の支持構造体10Aの一変形例について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態における支持体1Aを含む支持構造体10Aの変形例の構成を示す断面図である。
【0066】
図3に示すように、本変形例では、ボルト91およびナット92によって、パネル材6がウェブ材4に固定されている。このように、固定具の一例として、ボルト91およびナット92を用いることができる。ナット92とウェブ材4との間に、図示しないワッシャーが介されていてもよい。
【0067】
ボルト91の頭が、パネル材6から突出することがないように、パネル材6に埋没するようになっていることが好ましい。
【0068】
また、フランジ材2,3を支柱5に固定するために用いる固定具は、皿ネジ7に限定されない。例えば、固定具の一例として、各種のアンカーボルトであってもよい。支柱5の材質に応じて、適宜選択すればよい。
【0069】
(d)本実施の形態の支持体1Aの変形例について、図4の(a)〜(d)を用いて説明する。図4の(a)〜(d)は、本実施の形態における支持体1Aの変形例の構成を示す断面図である。
【0070】
本発明の一態様における支持体は、2つのフランジ材の板幅が異なっていてもよい(以下、2つのフランジ材の板幅が異なる形状を異幅フランジ形状と称することがある)。換言すれば、2つのフランジ材は、ウェブ材4の板面に立てた垂線の方向における、溶接部8からフランジ材の一方の端部までの長さおよび他方の端部までの長さのうちの少なくとも1方が互いに異なっていてもよい。具体的には、以下のような構成であってもよい。
【0071】
図4の(a)に示すように、一変形例における支持体1A1は、一方のフランジ材3a1が、フランジ材2よりも板幅が短くなっている。フランジ材3a1は、溶接部8から一方の端部までの長さをwl、他方の端部までの長さをwsとすると、wl>wsとなっており、wlの長さは、フランジ材2における溶接部8から端部までの長さと同じ長さとなっている。
【0072】
また、図4の(b)に示すように、一変形例における支持体1A2は、一方のフランジ材3a2が、フランジ材2よりも板幅が短くなっている。フランジ材3a2は、溶接部8から両方の端部までの長さが等しくなっている。
【0073】
また、本発明の一態様における異幅フランジ形状の支持体は、2つのフランジ材の一方は、溶接部8から、ウェブ材4の一方の板面(例えば、表板面41)の側にのみ延びていてもよい。具体的には、以下のような構成であってもよい。
【0074】
図4の(c)に示すように、一変形例における支持体1A3は、一方のフランジ材3a3が、フランジ材2よりも板幅が短くなっており、溶接部8から、ウェブ材4の一方の板面の側にのみ延びている。フランジ材3a3は、溶接部8から端部までの長さが、フランジ材2における溶接部8から端部までの長さと同じ長さとなっている。
【0075】
また、図4の(d)に示すように、一変形例における支持体1A4は、一方のフランジ材3a4が、フランジ材2よりも板幅が短くなっており、溶接部8から、ウェブ材4の一方の板面の側にのみ延びている。そして、フランジ材3a4は、溶接部8から端部までの長さが、フランジ材2における溶接部8から端部までの長さよりも短くなっている。
【0076】
このような異幅フランジ形状の支持体を用いた場合であっても、図1と同様にパネル材6を支持する支持構造体を構成することができる。
【0077】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0078】
前記実施の形態1の支持構造体10Aでは、2つの支柱5の間に断面がH形状の支持体1Aが配置されて、2つの支柱5の間に架かるウェブ材4の上にパネル材6を載置する形となっていた。これに対して、本実施の形態の支持構造体10Bでは、2つの支持体1Bを備え、2つの支柱5のそれぞれに支持体1Bが固定されている点、および、支持体1Bがそれぞれ異幅フランジ形状となっている点が異なっている。
【0079】
図5は、本実施の形態における支持体1Bを含む支持構造体10Bの構成を示す断面図である。
【0080】
図5に示すように、本実施の形態の支持体1Bは、前記実施形態1の変形例4において、支持体1A4(図4の(d)参照)として説明したものと同様の形状であり、断面形状がJ形の形鋼である。
【0081】
支持体1Bは、フランジ材2、フランジ材3b、およびウェブ材4bを備えるJ形鋼であって、以下のような構成のものである。すなわち、フランジ材2、フランジ材3b、およびウェブ材4bは、前記実施形態1の支持体1Aと同様の配置であるが、フランジ材3bは、フランジ材2よりも板幅が短く、ウェブ材4bも、ウェブ材4よりも板幅が短くなっている。また、フランジ材3bは、溶接部8からウェブ材4bの裏板面43の側にのみ延びている。
【0082】
支持構造体10Bは、2つの支柱5に、それぞれJ形状の支持体1Bが配置され、該支持体1Bにおけるフランジ材2がそれぞれ支柱5に皿ネジ(固定具)7によって固定されているとともに、ウェブ材4bの表板面41にパネル材6が支持されるように配置され、皿ネジ7によってパネル材6とウェブ材4bとが固定されている。支持構造体10Bは、支持体1Bの組を含む支持体セットを含んでいると表現することができる。
【0083】
このような支持体1Bにおいても、溶接部8の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしている。そのため、溶接部8における突出部の長さが小さい。その結果、パネル材6の隅部が、溶接部8の突出部と干渉することがない。したがって、パネル材6の隅部を処理することなく、また、溶接部8の突出部を切削等することなく、フランジ材2,3及びウェブ材4によって囲まれて形成される空間にパネル材6を嵌めることができる。
【0084】
そして、本実施の形態の支持体1Bでは、ウェブ材4bの板幅を、2つの支柱5の間隔に合わせることが求められない。つまり、2つの支柱5の間隔を気にすることなく、2つの支持体1Bをそれぞれ支柱5に固定すれば、2つの支持体1Bのウェブ材4bがパネル材6の底を支えるようにして、パネル材6を支持することができる。
【0085】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1および実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1および実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
前記実施の形態2の支持構造体10Bでは、断面がJ形状の支持体1Bが支柱5に固定されて、2つの支持体1Bの表板面41上にパネル材6を載置して、パネル材6を支持する形となっていた。これに対して、本実施の形態の支持構造体10Cでは、断面がJ形状の2つの支持体1Cは、支持体1Bとは上下が逆に支柱5に固定され、パネル材に設けられた嵌合溝部にフランジ材が嵌合するようになっている点が異なっている。
【0087】
図6は、本実施の形態における支持体1Cを含む支持構造体10Cの構成を示す断面図である。
【0088】
図6に示すように、本実施の形態における支持体1Cは、フランジ材2、フランジ材3c、およびウェブ材4cを備えるJ形鋼であって、前記実施の形態2における支持体1Bと同様の形状(断面がJ形)の形鋼である。ここで、フランジ材3cは、溶接部8からウェブ材4cの裏板面43の側にのみ延びた延在部であると表現することもできる。
【0089】
本実施の形態の支持構造体10Cは、パネル材6cを支持する。パネル材6cは、支持体1Cのウェブ材4cと接する側の表面に、嵌合溝部62が形成されている。
【0090】
支持構造体10Cは、嵌合溝部62に上記延在部としてのフランジ材3cが嵌合するようにしつつ、2つの支持体1Cのウェブ材4cにおける裏板面43がパネル材6cの底を支えるようにして、パネル材6cを支持することができる。
【0091】
そして、この場合、嵌合溝部62にフランジ材3cが嵌合することにより、パネル材6cの移動が規制される。そのため、パネル材6cとウェブ材4cとに皿ネジ7を貫通させることなく、パネル材6cを容易に固定することができる。その結果、パネル材6cに穴をあける必要がなく、パネル材6cの当接面61とは反対側の表面を見た場合に皿ネジ7の頭が見えて美観を損ねることもない。また、穴が開いていないので、パネル材6cを容易に交換したり、再利用したりすることができる。そして、ウェブ材4cに予め孔部42を形成しなくともよく、製造コストを抑制することができる。
【0092】
<変形例>
本実施の形態の支持構造体10Cの変形例について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態における支持構造体10Cの変形例の構成を示す断面図である。
【0093】
本発明の一変形例における支持構造体10C1は、支持体1C1を備え、この支持体1C1は、前記実施形態1の変形例4において、支持体1A2(図4の(b)参照)として説明したものと同様の形状である。
【0094】
支持体1C1は、フランジ材2、フランジ材3c1、およびウェブ材4cを備える、意幅フランジ形状の形鋼であって、以下のような構成のものである。フランジ材3c1は、フランジ材2よりも板幅が短くなっている。フランジ材3c1は、溶接部8から両方の端部までの長さが等しくなっており、延在部を2つ有している。
【0095】
このような形状の支持体1C1を使用する場合、本実施の形態の支持構造体10Cと同様に1つのパネル材6cを支持することができるだけでなく、ウェブ材4cの表板面41側にもパネル材6cを配置して、支持することが可能である。そのため、支持構造体10C1は、2つのパネル材6cを支持することができ、空間をより効率的に使用することができる。また、フランジ材3c1の向きを気にすることなく施工することができ、施工作業をより容易なものとすることができる。
【0096】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜3と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1〜3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
前記実施の形態1〜3の支持構造体10A〜10Cでは、2つの支柱5の間に支持体1A〜1Cが配置されており、すなわち固定面51が対向していた。これに対して、本実施の形態の支持構造体10Dでは、所定の間隔にて並んだ複数の支柱5dにおける固定面51は、それぞれ同一の仮想平面上にあるように配置されている点が異なっている。
【0098】
図8は、本実施の形態における支持体1Dを含む支持構造体10Dの構成を示す断面図である。
【0099】
支持体1Dは、フランジ材2、フランジ材3d、およびウェブ材4dを備え、前記実施の形態3の変形例における支持体1C1と同様の形状である。
【0100】
支持構造体10Dは、複数の支柱5dに、固定面51が同一の仮想平面上にあるようにして複数の支持体1Dが配置され、該支持体1Dにおけるフランジ材2がそれぞれ支柱5dに皿ネジ7によって固定されている。そして、支持体1Dのフランジ材2、フランジ材3d、およびウェブ材4dによって囲まれて形成される空間にパネル材6の隅部が嵌合するようになっている。
【0101】
この支柱5dとしては、複数の支柱5dにおける固定面51の配置の関係を除けば、前記実施の形態1にて説明した支柱5と同様のものであってよい。
【0102】
ここで、支持構造体10Dの断面を平面視した場合に、或る2つの支持体1Dにおいて、一方の支持体1Dにおける上記空間にパネル材6の一端側が支持され、他方の支持体1Dにおける上記空間にパネル材6の他端側が支持されるようになっている。この場合、パネル材6の板厚は、ウェブ材4dの板幅と対応していることが好ましい。ただし、パネル材6の板厚が薄い場合であっても、何らかの固定手段(皿ネジ7等)によって、パネル材6を支持することは可能である。
【0103】
このような構成においては、支柱5dに支持体1Dを固定した後に、支持体1Dの間に、パネル材6を差し込むことによって、矩形のパネル材6をそのまま、固定することができる。
【0104】
なお、本実施の形態の支持構造体10Dは、支持体1Dとは異なる形状の支持体を用いてもよく、例えば、前記実施の形態1の変形例4にて示したような各種の形状の支持体を、適宜組み合わせて用いることができる。
【0105】
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1〜4と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1〜4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
前記実施の形態4の支持構造体10Dでは、パネル材6の板厚は、ウェブ材4dの板幅よりも小さいことが求められる。これに対して、本実施の形態の支持構造体10Eでは、パネル材6eに嵌合溝部62が形成されており、パネル材6eの板厚がウェブ材4eの板幅よりも大きくなっている点が異なっている。
【0107】
図9では、支柱5eは、複数の支持体1Eを固定することができる幅広の柱となっているが、単に壁または床に支持体1Eを固定する構成であっても構わない。
【0108】
支持体1Eは、フランジ材2、フランジ材3e、およびウェブ材4eを備え、前記実施の形態4における支持体1Dと同様の形状である。
【0109】
パネル材6eは、延在部としてのフランジ材3eと嵌合可能な嵌合溝部62が形成されている。この嵌合溝部62としては、前記実施の形態3にて説明したもの(図6参照)と同様のものであってよい。
【0110】
これにより、支持構造体10Eは、支柱5eに支持体1Eを固定した後に、支持体1Eの間に、嵌合溝部62がフランジ材3eと嵌合するようにして、パネル材6eを差し込むことによって、矩形のパネル材6eをそのまま、固定することができる。
【0111】
また、この場合、支持体1Eの両側にパネル材6eを配置する場合、2つのパネル材6eの間からフランジ材3eが見えないように、カバーをすることが好ましい。これにより、設置したパネル材6eの美観を向上させることができる。
【0112】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1A、1A1、1A2、1A3、1A4、1B、1C、1C1、1D、1E:支持体 2、3:フランジ材 4:ウェブ材 5:支柱(他の物体) 6、6c、6e パネル材(支持対象物) 7:皿ネジ(固定具) 8:溶接部 10A、10B、10C、10C1、10D、10E:支持構造体 21、31:孔部(第1開口部) 41:表板面(第1面) 42:孔部(第2開口部) 43:裏板面(第2面)
【要約】
【課題】突出部を削る工程が不要であり、かつ施工現場にて支持対象物をそのまま用いて施工することができる支持体を提供する。
【解決手段】支持体は、パネル材(6)を支持する支持体であって、金属製の2つのフランジ材(2,3)を、金属製のウェブ材(4)の両端に、2つのフランジ材(2,3)が対向するように溶接することにより形成されており、フランジ材(2,3)とウェブ材(4)との溶接部(8)の形状が、α+γ≦2mm、β+δ≦2mmという条件を満たしている。
【選択図】図1
図1
図2
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図6
図7
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図10