特許第6293985号(P6293985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニーの特許一覧

特許6293985バッテリテストレポートシステムおよび方法
<>
  • 特許6293985-バッテリテストレポートシステムおよび方法 図000002
  • 特許6293985-バッテリテストレポートシステムおよび方法 図000003
  • 特許6293985-バッテリテストレポートシステムおよび方法 図000004
  • 特許6293985-バッテリテストレポートシステムおよび方法 図000005
  • 特許6293985-バッテリテストレポートシステムおよび方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6293985
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】バッテリテストレポートシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   B60L11/18 A
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-546171(P2017-546171)
(86)(22)【出願日】2016年2月18日
(86)【国際出願番号】US2016018434
(87)【国際公開番号】WO2016140805
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2017年9月28日
(31)【優先権主張番号】62/128,375
(32)【優先日】2015年3月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/013,800
(32)【優先日】2016年2月2日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】カルロ,マイケル・アール
(72)【発明者】
【氏名】ゴスポダレク,デール・エイ
【審査官】 武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−147580(JP,A)
【文献】 特開2010−198117(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0229129(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00−3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−15/42
H02J 7/00−7/36
H01M 10/42−10/48
B60K 6/20−6/547
B60W 10/00−20/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサービスロケーションにある第1の車両用バッテリテスタであって、車両用バッテリの少なくとも1つの状態をテストし、前記車両用バッテリの前記少なくとも1つの状態に関するバッテリ状態情報を示す第1のデータセットをサーバに送信するように構成される、第1のサービスロケーションにある第1の車両用バッテリテスタと、
前記第1のサービスロケーションとは異なる第2のサービスロケーションにある第2の車両用バッテリテスタであって、前記車両用バッテリの前記少なくとも1つの状態をテストし、前記バッテリ状態情報を示す第2のデータセットを前記サーバに送信するように構成される、第2のサービスロケーションにある第2の車両用バッテリテスタと、
前記バッテリ状態情報を示す前記第1のデータセットを前記第1の車両用バッテリテスタから受信し、前記バッテリ状態情報を示す前記第2のデータセットを前記第2の車両用バッテリテスタから受信し、前記車両用バッテリの消費者に対して、前記第1のデータセットおよび前記第2のデータセットに少なくとも部分的に基づいて生成されるレポートを送信するように構成される、前記サーバと
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1のデータセットおよび前記第2のデータセットを記憶するように構成されるデータベースを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の車両用バッテリテスタによる前記テストおよび前記第2の車両用バッテリテスタによる前記テストが、異なる時刻に実施され、前記レポートが、前記第1のデータセットおよび前記第2のデータセットの両方に少なくとも部分的に基づく高度な(advanced)分析を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の車両用バッテリテスタによって前記車両用バッテリがテストされる領域の地理インデックスを決定するように構成された地理情報インジケータ、前記第1の車両用バッテリテスタによって前記車両用バッテリがテストされる領域の環境インデックスを決定するように構成された環境情報インジケータ、またはそれらの組み合わせを備え、前記サーバが、前記レポートを生成するために、前記地理インデックス、前記環境インデックス、またはその両方に照らして、前記バッテリ状態情報を示す前記第1のデータセットを文脈化する、請求項1に記載システム。
【請求項5】
前記第1の車両用バッテリテスタから前記サーバへの前記第1のデータセットの送信を可能にするように構成される通信ハブを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の車両用バッテリテスタおよび前記第2の車両用バッテリテスタが、前記車両用バッテリの電圧、前記車両用バッテリの電流、前記車両用バッテリの抵抗、またはそれらの組み合わせをテストするように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記通信ハブが、Wi−Fiルータまたはセルラ接続を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記サーバがクラウドベースサーバである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記サーバが、前記レポートを、前記消費者への電子メールにより、または前記消費者へのテキスト、ショートメッセージサービス(SMS)、もしくは他の電話ベースのメッセージにより、または前記消費者へのソーシャルメディアの投稿もしくはメッセージにより、またはそれらの組み合わせにより、送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の車両用バッテリテスタ、または前記システムのデータ入力デバイスが、前記サーバから前記消費者への前記レポートの送信を容易にするために、前記消費者の連絡先情報を受信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
車両用バッテリ情報を車両用バッテリの所有者に報告する方法であって、
前記車両用バッテリを、第1のバッテリテスタにより、第1のサービスロケーションにおいて、前記車両用バッテリの少なくとも1つの状態についてテストするステップと、
前記車両用バッテリの前記少なくとも1つの状態に関するバッテリ状態情報を示す第1のデータセットを、前記第1のバッテリテスタからサーバに送信するステップと、
前記車両用バッテリを、第2のバッテリテスタにより、第2のサービスロケーションにおいて、前記車両用バッテリの前記少なくとも1つの状態についてテストするステップと、
前記車両用バッテリの前記少なくとも1つの状態に関する前記バッテリ状態情報を示す第2のデータセットを、前記第2のバッテリテスタから前記サーバに送信するステップと、
前記サーバにおいて、前記第1のバッテリテスタから受信した前記第1のデータセットおよび前記第2のバッテリテスタから受信した前記第2のデータセットに基づき、前記車両用バッテリの状態のレポートを生成するステップと、
前記サーバから消費者に、前記車両用バッテリの前記状態の前記レポートを送信するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記サーバがクラウドベースサーバである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記車両用バッテリを、前記第1のバッテリテスタで、第1の時刻にテストするステップと、前記車両用バッテリを、前記第2のバッテリテスタで、第1の時刻とは異なる第2の時刻にテストするステップと、前記レポートに、前記第1の時刻から前記第2の時刻までの前記車両用バッテリの前記状態の変化を反映する少なくとも1つの高度な分析を含めるステップとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
消費者の車両用バッテリの第1のバッテリテスト結果を、第1のサービスロケーションの第1のバッテリテスタから受信し、
前記消費者の前記車両用バッテリの第2のバッテリテスト結果を、前記第1のサービスロケーションとは異なる第2のサービスロケーションの第2のバッテリテスタから受信し、
前記消費者の希望する通信タイプの選択を示すデータを受信し、
バッテリテストレポートを、前記車両用バッテリの前記第1のバッテリテスト結果および前記車両用バッテリの前記第2のバッテリテスト結果に少なくとも部分的に基づいて生成し、
前記バッテリテストレポートを、前記消費者の前記希望する通信タイプによって自動的に前記消費者に送信する
ように構成されるプロセッサを有するサーバ
を備える、バッテリレポート送信システム。
【請求項15】
前記消費者の前記希望する通信タイプが、自動化されたコンピュータベースのメッセージを含む、請求項14に記載のバッテリレポート送信システム。
【請求項16】
前記サーバが、前記第1のバッテリテスト結果および前記第2のバッテリテスト結果を記憶するように構成されるメモリを備える、請求項14に記載のバッテリレポート送信システム。
【請求項17】
前記サーバが、少なくとも1つの高度な分析を、前記第1のバッテリテスト結果および前記第2のバッテリテスト結果に基づいて生成するように構成される、請求項16に記載のバッテリレポート送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2015年3月4日に出願の「CONSUMER BATTERY TESTER REPORT NOTIFICATION SYSTEM(家庭用バッテリテスタレポート通知システム)」という名称の米国仮特許出願第62/128,375号が持つ優先権および利益を主張するものであり、上記出願は引用することによりあらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、一般に、バッテリおよびバッテリテスタの分野に関する。より詳細には、本開示は、バッテリテスタレポート通知システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]本項は、以下に説明される、本開示の種々の態様に関連し得る技術の諸態様を、読者に紹介するためのものである。本論は、読者に背景知識を提供して、本開示の諸態様に対する理解を容易にするのに有用なものとなろう。よって、本項の記述はかかる観点から読まれるべきであり、先行技術の自認として理解されてはならない。
【0004】
[0004]バッテリに対するテストを実施して、その状態(たとえば、健全性)を判断することが望ましい場合がある。たとえば、バッテリの健全性に関する情報を提供するように構成されたバッテリテストシステムが、バッテリに結合されることがある。場合によっては、テスタ(たとえば、テストを実行するオペレータ)が、テストを受けているバッテリに固有の情報を入力することができる。構成に応じて、テスタがバッテリテストシステムを手動で制御してバッテリのヘルスレポートを印刷する場合や、バッテリテストシステムが自動でレポートを印刷する場合がある。しかしながら、そのようなレポートは容易に失われるものであり、一般に必要最小限の情報しか持たないものである。したがって、改良されたバッテリテスタ機器、および同機器が生成する改良されたレポートがあれば望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の一実施例は、例えば、バッテリテストレポートシステムおよび方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005]本明細書で開示する特定の実施形態の概要を以下に記載する。これらの態様は、特定の実施形態の簡潔な概要を、単に読者に提供することを目的として提示するものであり、本開示の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下で記載され得ない、さまざまな態様を包含し得る。
【0007】
[0006]本開示は、車両用バッテリの少なくとも1つの状態をテストし、車両用バッテリの少なくとも1つの状態に関するバッテリ状態情報をサーバに送信するように構成される車両用バッテリテスタを有するシステムに関する。また、システムには、バッテリ状態情報を車両用バッテリテスタから受信し、消費者に対し、バッテリ状態情報に少なくとも部分的に基づいて生成されるレポートを送信するように構成されるサーバが含まれる。
【0008】
[0007]また、本開示は、車両用バッテリ情報を車両用バッテリの所有者に報告する方法に関する。方法は、車両用バッテリを、バッテリテスタにより、車両用バッテリの少なくとも1つの状態についてテストするステップと、地理インデックス因子、環境インデックス因子、機器バイアス因子、またはそれらの組み合わせを判断するステップと、車両用バッテリに関する調整済み性能メトリックを判断するステップであって、調整済み性能メトリックが、地理インデックス因子、環境インデックス因子、機器バイアス因子、またはそれらの組み合わせに関する調整を含む、判断するステップとを含む。また、方法は、少なくとも調整済み性能メトリックを有する車両用バッテリのレポートを生成するステップと、バッテリテスタからサーバに、車両用バッテリの少なくとも1つの状態、車両用バッテリのレポート、またはその両方を送信するステップと、サーバから消費者に車両用バッテリのレポートを送信するステップとを含む。
【0009】
[0008]また、本開示は、消費者のバッテリに関する少なくとも1つのバッテリテスト結果を受信し、消費者の希望する通信タイプを受信し、バッテリに関する少なくとも1つのバッテリテスト結果に少なくとも部分的に基づいてバッテリテストレポートを生成し、バッテリテストレポートを、消費者が希望する通信タイプによって消費者に送信するように構成されるサーバを含む、バッテリレポート送信システムに関する。
【0010】
[0009]以下の詳細な説明を読み、下記の各図を参照することにより、本開示の諸態様はより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0010]車両のさまざまな構成要素に電力を提供するために本開示の実施形態に従って構成されたバッテリシステムを有する同車両の斜視図である。
図2】[0011]本開示の一態様による、バッテリをテストし、同バッテリテストに基づくレポートを生成するように構成されたシステムの一実施形態を示す概略図である。
図3】[0012]本開示の一態様による、(たとえば、図2のシステムによる)バッテリのテスト、および同バッテリテストに基づくレポートの生成/配信に関する方法の一実施形態を示す処理流れ図である。
図4】[0013]本開示の一態様による、(たとえば、図2のシステムによる)バッテリのテスト、および同バッテリテストに基づくレポートの生成/配信に関する方法の一実施形態を示す処理流れ図である。
図5】[0014]本開示の一態様による、図2のシステムによって生成されたレポート表示の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0015]1つまたは複数の固有の実施形態が以下で説明される。これらの実施形態に関する説明を簡潔なものとするために、本明細書では、実際の実装形態が持つ特徴を余さず記述することはしない。かかる実際の実装形態は、工学的または設計的な研究に伴う発展形態において、実装形態によって異なり得るシステム上および業務上の制約に従うことなど、開発者の特定の目標を達成するために、実装形態に固有の多数の決定がなされるであろうことが認められるべきである。また、そのような開発努力は複雑かつ時間を要するものとなろうが、設計、製作、および製造は、本開示の利益を享受する当業者にとっての日常業務であろうことも認められよう。
【0013】
[0016]本開示の実施形態によれば、バッテリテスト/レポートシステムには、バッテリをテストするように構成されたバッテリテスタが含まれる。バッテリテスタは、少なくとも1つのバッテリ状態について、あらゆるタイプのバッテリシステム、バッテリモジュール、またはバッテリセル(たとえば、鉛蓄電池、リチウムイオン[Li−ion]電池)をテストするように構成され得る。たとえば、消費者は、車両用バッテリを備えた車両を、関連施設(たとえば、サービスセンタ)に持っていくことがある。その関連施設(たとえば、サービスセンタ)において、車両用バッテリは、バッテリテスタを用いてテストされ得る。バッテリテスタには、電流、電圧、抵抗、充電率、放電率、クランクアンプ、コールドクランクアンプ、および/またはその他のバッテリ状態をテストするように構成されたマルチメータが含まれ得る。また、バッテリテスタには、テスト中のバッテリを識別する識別リーダが含まれ得る。たとえば、バッテリテスタには、バッテリのタイプ(たとえば、一次または二次電池、鉛蓄電池、リチウムイオン[Li−ion]電池)を判断するスキャナが含まれ得る。また、識別リーダは、バッテリが配置されている車両、バッテリの所有者、および/または他の情報など、バッテリの他のパラメータを識別することもできる。あるいは、バッテリおよび/または消費者識別情報は、バッテリテスタ、または分離したコンポーネント(たとえば、オンサイトのコンピュータなど)に、手動で入力されてもよい。(上記のように)Li−ion電池がテストされる実施形態では、バッテリテスタは、Li−ion電池によってバッテリテスタに伝達された情報を受信することが可能であり、場合によっては、バッテリのより正確な識別を容易にすることができる。
【0014】
[0017]また、バッテリテスト/レポートシステムには、通信ハブおよびサーバが含まれ得る。バッテリテスタ(または上述したオンサイトのコンピュータなどの介在デバイス)は、通信ハブを介し、テスト結果をサーバに通信することが可能である。たとえば、通信ハブには、バッテリテスタ(またはオンサイトのコンピュータなどの介在デバイス)からサーバにテスト結果を送信可能な、有線(たとえば、イーサネット(登録商標))接続、無線(たとえば、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、セルラ接続、またはその他任意の無線通信プロトコル)接続、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。サーバは、ローカルサーバとすることも、またはサービスセンタから(たとえば、バッテリテスタから、またはオンサイトのコンピュータから)バッテリテスト結果を受信するクラウドベースサーバとすることも可能である。次いで、サーバは、バッテリテスト結果を持つレポートを、消費者に通信することが可能である。
【0015】
[0018]たとえば、上で言及したレポートは、サーバがサービスセンタからバッテリテスト結果を受信した後に、同サーバによって生成され得る。追加的または代替的に、レポートの一部または全部は、(たとえば、バッテリテスタ、オンサイトのコンピュータ、その他何らかのコンピューティングコンポーネント、またはそれらの組み合わせによって)サービスセンタにおいて生成され、ローカルまたはクラウドベースのサーバに通信されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカルまたはクラウドベースのサーバによって受信されたバッテリテスト結果(またはレポート)は、データベースに記憶(たとえば、保存)され得る。よって、あるバッテリがその電池寿命の中で複数回テストされる場合は、複数のテスト結果(またはレポート)がサーバに保存され得る。いくつかの実施形態では、単一のテスト結果に関する分析とは対照的な、複数のテスト結果に関する分析を含む、高度な分析レポートが生成され得る。
【0016】
[0019]さらに、システムのローカルまたはクラウドベースのサーバ、またはシステムのサービスセンタ機器(たとえば、バッテリテスタ、オンサイトのコンピュータ、その他何らかのコンポーネント)には、地理情報インジケータ、環境情報インジケータ、またはその両方が含まれ得る。地理情報インジケータは、バッテリテストの場所および/または時刻における地理インデックス(たとえば、標高)を決定する測定デバイスとすることができる。環境情報インジケータは、バッテリテストの場所および/または時刻における環境インデックス(たとえば、外気温、天候、大気汚染、または湿度)を決定する測定デバイスとすることができる。地理インデックスおよび環境インデックスは、バッテリテスト結果とともに通信され得るものであり、バッテリテストレポートに組み込むことが可能である。たとえば、バッテリテスタによってテストされたバッテリの状態は、地理インデックスおよび/または環境インデックスを用いて文脈付けすることができる。具体的には、バッテリテストレポートの性能メトリックまたは推定寿命は、バッテリテストの時刻と場所における地理インデックスおよび/または環境インデックスを考慮したものとなり得る。
【0017】
[0020]本開示の実施形態によれば、レポートは、コンピュータベースのメッセージ(たとえば、電子メール、テキストメッセージ、ソーシャルメディアのメッセージや投稿、またはその他何らかのコンピュータベースのメッセージ)、電話、メール、他の通信手段、またはそれらの組み合わせにより、消費者に通信することが可能である。よって、消費者は、記憶が容易で正確かつパーソナライズされたレポートを受信することが可能である。さらに、消費者は、好ましい通信手段を規定して、その消費者が好む通信手段を介してレポートが自身に送信されるようにすることが可能である。従来の構成では、事実的に、バッテリレポートは、サービスセンタで印刷され、消費者に与えられることしかできない。印刷されたバッテリレポートは紛失しやすいものとなり得、有用な情報が不正確であったり、またそれらが欠けていたりする場合もある。
【0018】
[0021]図1は、説明の一助とすることを目的とした、回生ブレーキシステムを利用可能な車両10の一実施形態を示す斜視図である。以下の論述は回生ブレーキシステムを有する車両に関連したものであるが、本明細書で説明される技術は、バッテリを用いて電気エネルギーを獲得/蓄積する他の車両(電気やガソリンを動力とする車両が含まれ得る)に対しても適用可能である。
【0019】
[0022]先に論じたように、バッテリ12は、従来の車両設計との互換性が高いものであることが望ましい。よって、バッテリ12は、通常は従来のバッテリシステムを収納する、車両10内のある場所に設置することが可能である。さらに、以下で詳述するように、バッテリ12は、バッテリ12の温度を管理しやすくなるように位置決めすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バッテリ12の位置を車両10のボンネット下にすることで、エアダクトの気流をバッテリ12に向け、バッテリ12を冷却することが可能となる。
【0020】
[0023]本開示の実施形態によれば、バッテリ12は、(たとえば、関連施設またサービスセンタにある)バッテリテスト/レポートシステム9のバッテリテスタ11によってテストすることができる。たとえば、バッテリ12には、任意の数のバッテリセルを含み得る、任意の数のバッテリモジュールが含まれ得る。たとえば、バッテリ12は、複数のバッテリモジュールを有するバッテリシステム、複数のバッテリセルを有する単一のバッテリモジュール、または単一のバッテリセルであり得る。セル、モジュール、またはシステムの各々は、バッテリテスタ11によって個別にテストすることが可能である。一般に、バッテリテスタ11は、バッテリ12、モジュール、またはセルに関する少なくとも1つの状態をテストする。たとえば、バッテリテスタ11には、バッテリ12の電圧、電流、抵抗、充電率、放電率、またはそれら以外の状態を測定する、マルチメータまたは他のコンポーネントが含まれ得るが、バッテリテスタ11は、その他の状態も同様にテストすることが可能である。次いで、バッテリテスト/レポートシステム9は、バッテリテスタ11によってテストされた状態に少なくとも部分的に基づくレポートを生成し、そのレポートを消費者またはバッテリ12の所有者に通信することができる。これらおよび他の特徴について、図面を参照しながら以下で詳細に説明する。
【0021】
[0024]図2は、バッテリテスト/レポートシステム9の一実施形態を示す概略図である。図示の実施形態では、バッテリテスト/レポートシステム9には、バッテリテスタ11、通信ハブ40、サーバ42、およびオプションとなるローカルコンピューティングデバイス44が含まれる。他の実施形態では、バッテリテスト/レポートシステム9の一部として利用されるコンポーネントの数は増減し得る(たとえば、ローカルコンピューティングデバイス33は省かれてもよい)。先に説明したように、バッテリテスタ11は、バッテリ(たとえば、図示の実施形態ではバッテリ12)に関する少なくとも1つの状態をテストするように構成される。バッテリテスタ11は、バッテリ12の1つまたは複数の端子46に結合可能であり、バッテリ12の電圧、電流、抵抗、充電率、および/または放電率を測定することができる。いくつかの実施形態では、バッテリテスタ11は、バッテリ12の他の状態をテストし、かつ/またはバッテリ12の識別パラメータを判断することができる。たとえば、バッテリテスタ11を有するサービスセンタに消費者50がバッテリ12(またはバッテリ12が配置された車両)を持ち込んだ場合、バッテリテスタ11は、バッテリ12のテストを行うとともに、バッテリ12のタイプ(たとえば、鉛蓄電池、リチウムイオン[Li−ion]電池、またはその他の好適な車両用バッテリ)、およびバッテリ12が配置された車両のタイプを判断し、かつ/または所有者50の識別パラメータ(たとえば、氏名、住所、または他のパラメータ)を判断することができる。あるいは、消費者50(または消費者50を補佐するサービス代行者)が、識別パラメータ(たとえば、バッテリ12、車両、および/または消費者50に関するもの)のサブセットまたはすべてを、ローカルコンピューティングデバイス44に入力することもできる。いくつかの実施形態では、バッテリテスタ11は、識別パラメータを手動でバッテリテスタ11に入力できるように構成され得る。
【0022】
[0025](たとえば、バッテリテスタ11による、バッテリ12に対する)バッテリテストの完了後、テスト結果は、通信ハブ40を用いて、サーバ42に通信され得る。たとえば、通信ハブ40は、サーバ42への、バッテリテスタ11、ローカルコンピューティングデバイス44、またはその両方からの情報送信を円滑化することができる。よって、サーバ42は、バッテリテスト結果および任意の識別パラメータ(たとえば、バッテリ12、車両、および/または消費者50に関するもの)を受信することができる。概して、通信ハブ40には、無線ルータ52(たとえば、Wi−Fiルータ)、または有線接続54(たとえば、イーサネット接続)が含まれ得る。一般に、バッテリテスタ11および/またはローカルコンピューティングデバイス44は、任意の好適な有線または無線接続を介し、サーバ42にデータ(たとえば、テスト結果)を送信することができる。たとえば、好適な無線通信には、Wi−Fi、Bluetooth、セルラ接続、またはその他任意の無線接続プロトコルが含まれ得る。
【0023】
[0026]本開示の実施形態によれば、サーバ42は、ローカルサーバまたはクラウドベースサーバとすることができる。たとえば、サーバ42は、オンサイトで(たとえば、バッテリテスタ11がバッテリ12のテストを行うサービスセンタにおいて)管理されても、オフサイトで(たとえば、リモートで)管理されてもよい。サーバ42には、サーバ42が受信したテスト結果、および/またはサーバ42が受信した識別パラメータを記憶(たとえば、保存)する、データベース56(たとえば、サーバ42のメモリ57に格納される)が含まれ得る。たとえば、データベース56には、いくつかのユーザプロファイル(たとえば、各消費者50についての、またはテストされている特定のバッテリ12の各々についての特有プロファイル)が含まれ得る。特定の実施形態では、バッテリ12は、複数回にわたってテストされ得る(たとえば、1度目のメンテナンス訪問および2度目のメンテナンス訪問)。よって、バッテリ12の経時的なテスト結果が、一意のバッテリプロファイルまたは消費者プロファイル内に記憶され得る。バッテリ12の寿命を通じた、バッテリ12に関する性能、推定寿命、または他の状態の推移を辿る結果や性能メトリックが、経時的に生成され得る。さらに、上で言及した(たとえば、単一のバッテリに関する)複数回のバッテリテストの各々は、異なる場所(たとえば、さまざまなサービスセンタ)で実施されてもよいことに留意されたい。(たとえば、同一のバッテリに関する)複数回のバッテリテストの各々は、同一のサーバ42が受信し得る。サーバ42は、(たとえば、複数のサービスロケーションからの)複数のバッテリテストを、同一のバッテリプロファイルまたは消費者プロファイル内に記憶する。
【0024】
[0027]次いで、バッテリテスト結果は、サーバ42から消費者50に送信(たとえば、通信)され得る。一般に、消費者50には、バッテリテストレポートが通信され得る。バッテリテストレポートは、(たとえば、バッテリテスタ11および/またはローカルコンピューティングデバイス44から、バッテリテスト結果および識別情報を受信した後に)サーバ42のプロセッサ58によって生成され得る。たとえば、サーバ42のメモリ57には、同メモリ内に記憶され、プロセッサ58による実行時に、サーバ42が受信したバッテリテスト結果に由来するレポートの生成および/または消費者50に向けたレポートの送信など、特定の動作をプロセッサ58に実行させる命令が含まれ得る。
【0025】
[0028]いくつかの実施形態では、バッテリテストレポートは、バッテリテスタ11および/またはローカルコンピューティングデバイス44によって生成され(たとえば、バッテリテスタ11および/またはローカルコンピューティングデバイス44が、サーバ42に関連して上述したものと類似したプロセッサおよびメモリを含む場合)、サーバ42が消費者50に同レポートを通信できるようにサーバ42に送信され得る。
【0026】
[0029]上記のサーバ42、バッテリテスタ11、またはローカルコンピューティングデバイス44によって生成され得るレポートは、いくつかの手段のうちのいずれかによってサーバ42から消費者50に通信され得る。かかる手段には、郵書、電子メール、テキスト、ショートメッセージサービス(SMS)、ソーシャルメディアの投稿またはメッセージ、またはその他何らかの通信手段によるものが含まれる。よって、消費者50は、電話59(たとえば、携帯電話)、コンピュータ60、または郵便物62により、レポートを利用(たとえば、受信)することができる。テスト時に、消費者が望む通信形態を、バッテリテスタ11またはローカルコンピューティングデバイス44に手動で入力可能であることに留意されたい。消費者の選択は、バッテリテスト結果および識別パラメータとともに、サーバ42に通信することが可能である。したがって、サーバ42は、消費者の好む通信形態でバッテリレポートを配信することが可能である。
【0027】
[0030]図3は、図2のシステム9による、バッテリのテスト、および同バッテリテストに基づくレポートの生成/配信に関する方法70の一実施形態を示す処理流れ図である。たとえば、図示の実施形態では、方法70には、バッテリテスタを介し、少なくとも1つのバッテリ状態についてバッテリをテストするステップ(ブロック72)が含まれる。先に説明したように、バッテリ状態には、バッテリの電流、バッテリの電圧、バッテリの抵抗、それらの組み合わせ、および/または他の状態(たとえば、充電率、放電率など)が含まれ得る。バッテリの動作状態(たとえば、電圧、電流、および/または抵抗)をテストするために、バッテリテスタが、バッテリの端子または電極に結合され得る。たとえば、バッテリをテストするために、バッテリが負荷(たとえば、車両)から切り離され、バッテリテスタが端子に結合されてよい。
【0028】
[0031]さらに、バッテリは、同バッテリの識別特性、または開示される同バッテリを有する車両の識別特性についてテストされ得る。たとえば、バッテリテスタ(または別のコンポーネント)は、バッテリの識別番号または他のパラメータを読み取り、バッテリのタイプ(たとえば、鉛蓄電池、リチウムイオン[Li−ion]電池)および/または開示され得るバッテリを有する車両のタイプ(たとえば、メーカ、モデル、および/または車両識別番号[VIN])を判断することができる。いくつかの実施形態では、消費者(たとえば、車両および/またはバッテリの所有者)の識別情報がバッテリテストから判断され得る。たとえば、バッテリは消費者に関連付けることができ、バッテリの識別には消費者の識別が含まれ得る。あるいは、バッテリ、車両、消費者(たとえば、車両および/またはバッテリの所有者)の識別情報は、バッテリテスタに、またはバッテリテストが実施されるサービスセンタのローカルコンピューティングデバイス(たとえば、オンサイトのコンピュータ)に、(たとえば手動で)別々に入力することもできる。
【0029】
[0032]また、方法70には、ブロック72でテストされたバッテリ状態に少なくとも部分的に基づき、バッテリレポートを生成するステップ(ブロック74)が含まれ得る。たとえば、レポートは、オンサイトで(たとえば、サービスセンタまたはサービスロケーションにおいて)生成され得る。レポートは、最後に実施されたバッテリテストを考慮したものであり得る。ただし、いくつかの実施形態では、単一のバッテリに関する複数のバッテリテスト結果が保存(たとえば、記憶)され得る。複数のバッテリテスト結果を用いることにより、バッテリ性能に関する高度な分析が容易になり得る。本開示の実施形態によれば、本明細書でいう「高度な分析」とは、2回以上のバッテリテストが含まれるバッテリの分析を意味する。たとえば、レポートには、バッテリテスタによって実施された、バッテリに関する複数回のバッテリテストを通じたバッテリ性能に基づく、バッテリの期待寿命分析が含まれ得る。
【0030】
[0033]さらに、レポートには、さまざまな地理的条件および/または環境条件下でバッテリがどのように動作するか(別の言い方をすれば、バッテリをどのようにテストするか)に関する分析が含まれ得る。たとえば、先に説明したように、バッテリテスタまたはローカルコンピューティングデバイスは、地理情報インジケータ、環境情報インジケータ、またはその両方を含み得るものであり、(たとえば、バッテリテストの時刻および場所における)各バッテリテスト中の地理的条件および環境条件に関連付けられた、地理インデックス(たとえば、標高)および/または環境インデックス(たとえば、温度、湿度、大気汚染、および/または天候)を保存することができる。よって、バッテリテストレポートには、異なる地理的条件および/または環境条件下でバッテリが(たとえば、テスト中に)どのように動作するかの推移を辿る分析が含まれ得る。なお、以下の説明によれば、バッテリテスト結果、レポート、インデックス、および他の情報は、たとえば、クラウドベースサーバに記憶されてもよいことに留意されたい。よって、異なる場所で(たとえば、異なるサービスセンタで)実施されたバッテリテストを総合判断して、(高度な分析を含む)上述の分析を有するレポートを生成することが可能である。さらに、テスト条件(たとえば、環境条件またはテスト機器条件)が、経時的に利用可能なデータの分析に際して考慮され得る。たとえば、測定項目や測定機器に既定のバイアスをもたらす天候条件では、それを考慮に入れて、より正確なパラメータ値を得ることが可能となる。
【0031】
[0034]また、方法70には、バッテリレポートをサーバに送信するステップ(ブロック76)が含まれる。たとえば、サーバは、オンサイトで(たとえば、サービスセンタにおいて)管理されるローカルサーバとすることも、リモートで管理されるクラウドベースサーバとすることも可能である。図示の実施形態によれば、バッテリレポートは、生成されてからサーバに送信される。ただし、以下で図4を参照しながら詳述するように、他の実施形態では、テストするバッテリ状態に関するデータをサーバに直接送信することが可能であり、サーバ自身がバッテリテストレポートを生成する場合もある。
【0032】
[0035]図示の実施形態では、サーバがバッテリテストレポートを受信する。このバッテリテストレポートには、バッテリの基本的な動作状態、および/または経時的なバッテリ性能(たとえば、地理インデックスおよび/または環境インデックス、あるいはその中に組み込まれる因子が含まれる)に関連付けられた高度な分析が含まれ得る。また、サーバは、消費者の識別情報を受信することができる。たとえば、先に説明したように、消費者の識別情報は、バッテリテスト中に自動的に検出することも、サービスセンタにおいて手動で(たとえば、バッテリテスタまたは介在するローカルコンピューティングデバイスに)入力することも可能である。消費者の識別情報には、消費者の氏名、住所、電子メールアドレス、電話番号、ソーシャルメディアアカウント、および/または、希望する通信手段(たとえば、電子メール、テキストメッセージ、電話、郵書、またはソーシャルメディア)などの他の識別情報が含まれ得る。先に説明したように、サーバが受信する情報のいずれか、かつ/またはすべては、サーバ上で管理されるか、サーバから分離したデータベースに記憶または保存され得る。たとえば、消費者またはバッテリの各々には、データベースに記憶または保存された、個別のプロファイルまたはアカウントが含まれ得る。よって、上述のように、消費者またはバッテリに関連付けられた情報は、消費者またはバッテリのプロファイルに経時的に記憶または保存され得る。
【0033】
[0036]また、方法70には、レポートを消費者に送付または送信するステップ(ブロック78)が含まれる。たとえば、消費者は、バッテリテスト中に、希望する通信手段を規定することができる。消費者が希望する通信手段は、データベース内の消費者(または対応するバッテリ)プロファイルに保存され得る。サーバは、消費者の希望通信手段にアクセスし、その通信手段によってレポートを送信することが可能である。追加的または代替的に、サーバは、特定の通信形態をデフォルトに設定してもよい。消費者が希望の通信手段を規定しない場合、サーバは、利用可能な情報および/またはサーバのデフォルトオプションに基づき、利用可能な通信手段のうちの1つを利用することができる。たとえば、サーバには、通信手段に関するデフォルト優先順位が含まれ得る。サーバは、送信するのに十分な情報が利用可能であることを前提に、デフォルト優先度が最も高い手段によってレポートを送信することができる。たとえば、電子メールが最高のデフォルト優先度を持ち得る。よって、サーバのデータベースに記憶された消費者またはバッテリのプロファイルに消費者の電子メールアドレスが含まれる場合、レポートは電子メールで消費者に送信され得る。サーバのデータベースに記憶された消費者またはバッテリのプロファイルに消費者の電子メールアドレスが含まれない場合、レポートは、次にデフォルト優先度の高い手段(テキストメッセージなど)による送信が試みられ得る。
【0034】
[0037]図4は、図2のシステム9による、バッテリのテスト、および同バッテリテストに基づくレポートの生成/配信に関する方法80の一実施形態を示す処理流れ図である。方法80の図示の実施形態では、ブロック82は全体として、方法70のブロック74に相当する。たとえば、方法80には、少なくとも1つのバッテリ状態についてバッテリをテストするステップ(ブロック82)が含まれる。
【0035】
[0038]さらに、方法80には、少なくとも1つのバッテリ状態に関するデータをサーバに送信するステップ(ブロック84)と、サーバに送信されたデータから、(たとえば、サーバが)バッテリレポートを生成するステップ(ブロック86)とが含まれる。たとえば、図3の方法70では、(たとえば、バッテリテスタまたはオンサイトのコンピューティングデバイスが)レポートを生成してから、そのレポートをサーバに送信することが可能である。図示の方法80では、ブロック84でテストされた少なくとも1つのバッテリ状態を示すかこれに関連するデータがサーバ(たとえば、クラウドベースサーバ)に送信され、サーバによって(またはサーバに関連付けられるか結合されたコンピューティングコンポーネントによって)レポートが生成される。実施形態によっては、バッテリをテストするサービスセンタでローカルに行うのではなく、サーバにおいてレポートを生成することにより、コンピューティングメモリ、空間、またはコストを節約することができる。たとえば、先に説明したように、サーバは、クラウドベース(たとえば、オフサイト)であってよく、また、同サーバには、さまざまな消費者および/または消費者のバッテリに関するアカウントまたはプロファイルを記憶したデータベースが含まれ得る。各プロファイルまたはアカウントには、対応するバッテリについての1回または複数回のテストに関するデータが含まれ得る。たとえば、プロファイルには、同一のバッテリに関する、異なる時刻および/または場所で行われた3回のテストが含まれ得る。テストは、レポートの生成前にサーバ(たとえば、クラウドベースまたはオフサイトのサーバ)に送信されるため、レポートには、データベースに記憶された利用可能なすべての情報に由来するデータが含まれ得る。さらに、方法80には、バッテリレポートを消費者に送付するステップ(ブロック88)が含まれる。方法80のブロック88は、全体として、方法70のブロック78に相当する。オンサイトのサーバがバッテリテスト結果および/または対応する識別パラメータの受信後にレポートを生成してもよいことに留意されたい。換言すれば、サーバによるレポートの生成は、オフサイトのサーバ(たとえば、クラウドベースサーバ)に限定されず、オンサイトのサーバによって実行されてもよい。
【0036】
[0039]図5は、図3および図4の方法70、80による、(たとえば、図2のシステム9によって)消費者に送信されるバッテリテストレポート100の表示の一実施形態を示す図である。図示の実施形態では、テストレポート100には、ユーザ情報ボックス102が含まれる。ユーザ情報ボックス102には、バッテリテストレポート100に対応した車両またはバッテリを所有する消費者または顧客に関する識別情報が含まれ得る。たとえば、ユーザ情報ボックス102には、ユーザの氏名、生年月日、およびユーザの写真が含まれ得る。また、ユーザ情報ボックス102には、消費者の希望する1つまたは複数の通信手段を示す、希望通信手段インジケータが含まれ得る。いくつかの実施形態では、バッテリテストレポート100に関連付けられたパラメータまたはバッテリテストレポート100に関連付けられたユーザプロファイルをユーザまたは消費者が調整や編集することができるように、バッテリテストレポート100は、インタラクティブなユーザプロファイルにリンクされ得る(または含み得る)。たとえば、消費者は、ユーザ情報ボックス102の希望通信手段の部分を編集することができる。
【0037】
[0040]また、バッテリテストレポート100には、テストされるバッテリ、および/またはテストされるバッテリが配置される車両に関する情報を含む、車両/バッテリ情報ボックス104が含まれ得る。たとえば、車両/バッテリ情報ボックス104は、車両情報(たとえば、メーカ、モデル、および/または製造年)専用の第1の部分106と、バッテリ情報(たとえば、名前および/またはタイプ)専用の第2の部分107とを持ち得る。車両情報専用となる第1の部分106は、車両の写真または画像を含むことができ、バッテリ情報専用となる第2の部分107は、バッテリの写真または画像を含むことができる。
【0038】
[0041]また、バッテリテストレポート100には、地理/環境情報ボックス108が含まれ得る。地理/環境情報ボックス108には、バッテリテストの時刻と場所に関する情報が含まれ得る。この情報には、たとえば、最新のバッテリテストの時刻と場所に関連付けられた、地理インデックスおよび/または環境インデックスが含まれ得る。たとえば、地理/環境情報ボックス108には、バッテリテストレポート100に対応するバッテリテストを実施したサービスセンタに関連付けられた住所、電話番号、地図、および/またはウェブサイトリンクが含まれ得る。また、いくつかの実施形態では、地理/環境情報ボックス108には、バッテリテストが実施されたサービスセンタに関連付けられた標高が含まれ得る。さらに、地理/環境情報ボックス108には、テストが実施された日付、天候情報、およびバッテリテストに関連付けられた時間帯が含まれ得る。また、いくつかの実施形態では、地理/環境情報ボックス108には、大気汚染インデックスおよび/または湿度インデックスが含まれ得る。地理/環境情報ボックス108に含まれる特定の情報は、テストされるバッテリを評価するために、(たとえば、バッテリテスト中にテストされた少なくとも1つのバッテリ状態と併せて)利用可能であることに留意されたい。たとえば、特定の地理的条件および環境条件により、バッテリの動作に違いが生じる可能性がある。よって、バッテリの性能メトリックを判断する際に、地理的条件および環境条件を加味することができる。
【0039】
[0042]図示の実施形態では、バッテリテストレポート100には、最後に実施されたバッテリテストのベーシックレポート109が含まれる。たとえば、ベーシックレポート109には、バッテリテスト中に測定されたバッテリの電流、電圧、および/または抵抗が含まれ得る。また、ベーシックレポート109には、地理インデックスおよび/または環境インデックス(地理/環境情報ボックス108に含まれ得る)を考慮に入れた、メトリックが含まれ得る。たとえば、ベーシックレポート109には、バッテリのテスト性能を段階評価する性能メトリック(たとえば、生の性能メトリック)と、バッテリのテスト性能を地理的/環境条件の観点から段階評価する、調整済み性能メトリックとが含まれ得る。調整済み性能メトリックでの評価は、地理インデックスおよび/または環境インデックスを考慮したものとなり得、性能メトリック(たとえば、生の性能メトリック)での評価は、地理インデックスおよび/または環境インデックスを考慮しないものとなり得る。先に説明したように、レポート100を生成するコンポーネント(たとえば、オンサイトまたはオフサイトのサーバ、バッテリテスタ、あるいはその他何らかのコンピューティングコンポーネント)には、メモリおよびプロセッサが含まれ得る。このとき、メモリには、プロセッサによる実行時に特定の動作をプロセッサに遂行させる命令が記憶される。いくつかの実施形態では、バッテリの性能メトリック(地理インデックスおよび/または環境インデックスが含まれる)の計算を含む式が、メモリに記憶され、プロセッサにより、バッテリテスト結果に照らした計算がなされ得る。
【0040】
[0043]ベーシックレポート109に加え、バッテリテストレポート100には、経時的なバッテリの高度な分析を含むアドバンスドレポート110も含まれ得る。先に説明したように、本明細書でいう「高度な分析」は、たとえば、異なる日かつ/または異なる条件下で行われた、同一のバッテリに関する2回以上のバッテリテストの分析に関連する。図示の通り、アドバンスドレポート110には、最後のバッテリテストだけでなく、それ以前のバッテリテストも考慮した性能メトリック(たとえば、生の性能メトリック)が含まれ得る。さらに、図示の通り、アドバンスドレポート110には、高度な分析に含まれる連続した複数のバッテリテストを通じての、バッテリ性能を評価した際の地理的/環境条件を考慮に入れた、調整済み性能メトリックが含まれ得る。さらに、アドバンスドレポート110には、複数回のテストに基づく、推定残り寿命(たとえば、バッテリが使用不能になるまでの残り年数)が含まれ得る。推定残り寿命は、バッテリが使用不能になると予想される日付を示すこともできる。推定残り寿命は、(テストが1回しか実施されていない場合は)1回のみのバッテリテストから計算され、ベーシックレポート109に含み入れられても構わないことに留意されたい。ただし、複数回のテストから計算された推定残り寿命は、1回のテストから計算された推定残り寿命よりも正確なものとなり得る。先に説明したように、レポート100を生成するコンポーネント(たとえば、オンサイトまたはオフサイトのサーバ、バッテリテスタ、あるいはその他何らかのコンピューティングコンポーネント)には、メモリおよびプロセッサが含まれ得る。このとき、メモリには、プロセッサによる実行時に特定の動作をプロセッサに遂行させる、命令が記憶される。いくつかの実施形態では、本明細書で説明した(複数のテスト結果が組み込まれた)高度な分析に関する計算がメモリに記憶され、プロセッサにより、複数のバッテリテスト結果に照らした計算がなされ得る。
【0041】
[0044]さらに、バッテリテストレポート100には、バッテリ推奨ボックス112が含まれ得る。バッテリ推奨ボックス112には、ある措置を消費者に推奨することができる推奨インジケータが含まれ得る。たとえば、推奨インジケータは、消費者に対し、テストしたバッテリの交換を推奨することができる。また、バッテリ推奨ボックス112には、バッテリ推奨に関連付けられた動画、またはバッテリテストレポート100に関する他の情報に関連付けられた動画が含まれ得る。たとえば、バッテリ推奨ボックス112のバッテリ推奨インジケータがテストしたバッテリの交換を消費者に推奨する場合、動画には、交換に関するマニュアルが含まれてよい。それら以外にも、テストしたバッテリに対するサービスの推奨、バッテリの再テストの推奨、またはそれ以上の措置は不要であるとの助言などの推奨および/または対応する動画が考えられる。推奨マニュアルは、推奨ボックス112(または他の箇所)において、動画以外の形で提供されてもよいことに留意されたい。
【0042】
[0045]開示した実施形態のうちの1つまたは複数は、単独か組み合わせかを問わず、バッテリ、およびバッテリの部分を製造する際に有用な、1つまたは複数の技術的効果を提供し得る。概して、本開示の実施形態には、バッテリテスタおよびレポートシステム、ならびに方法が含まれる。システムは、たとえば、消費者が自身の車両を車両のバッテリをテストするために持ち込み得る関連施設(たとえば、サービスセンタ)に組み込まれ得る。システムには、車両用バッテリをテストするバッテリテスタ、およびテスト結果を受信するサーバが含まれる。バッテリテスタ、サーバ、または介在するコンポーネントは、結果をバッテリレポートとして形式化することができる。レポートは、消費者の希望する通信手段により、消費者に通信され得る。よって、レポートは、消費者が容易に受領し、保存することができる。さらに、サービス時間または消費者の待機時間が短縮され得る。さらに、テスト結果を(たとえば、サーバに)記憶することにより、レポートには、経時的なバッテリの複数回のテストに由来したデータおよび対応する高度な分析が含まれ得る。よって、ここに開示した実施形態は、より正確な結果とより有用な情報を容易に得ることを可能にし、情報へのアクセスを簡単にし得るものである。本明細書における技術的効果および技術的問題は、例示的なものであって、限定的なものではない。本明細書で説明した実施形態は、他の技術的効果を有する場合もあり、他の技術的問題を解決し得るものであることに留意されたい。
【0043】
[0046]上述した固有の実施形態は例証を目的として示されており、これらの実施形態は、さまざまな修正形態および代替形態への余地を持ち得ることを理解されたい。さらに、本特許請求は、開示した特定の形態に限定されることを意図しておらず、本開示の趣旨および範囲内のものとなる修正形態、均等物、および代替形態の一切を対象としたものであることを理解されたい。
【要約】
車両用バッテリの少なくとも1つの状態をテストし、車両用バッテリの少なくとも1つの状態に関するバッテリ状態情報をサーバに送信するように構成される車両用バッテリテスタを有するシステム。また、システムには、バッテリ状態情報を車両用バッテリテスタから受信し、消費者に対して、バッテリ状態情報に少なくとも部分的に基づいて生成されるレポートを送信するように構成されるサーバが含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5