特許第6294025号(P6294025)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294025
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】表示方法、表示装置及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20180305BHJP
   G09G 5/391 20060101ALI20180305BHJP
   G09G 5/397 20060101ALI20180305BHJP
   G09G 5/399 20060101ALI20180305BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   G09G5/00 510S
   G09G5/00 550B
   G09G5/00 520V
   G09G5/00 555W
   H04N5/66 B
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-158681(P2013-158681)
(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-32406(P2014-32406A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2016年7月25日
(31)【優先権主張番号】201210272306.3
(32)【優先日】2012年8月1日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201310289018.3
(32)【優先日】2013年7月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 延峰
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−076855(JP,A)
【文献】 特開2010−026219(JP,A)
【文献】 特開2001−331146(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0169656(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 − 5/42
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する複数のフレーム画像からなるビデオ信号を表示するための表示装置であって、
前記ビデオ信号のフレーム画像に対してスケーラー処理して表示するための画素データを生成するスケーラーと、
前記スケーラーが前記フレーム画像に対して前記スケーラー処理した後の画素データを記憶するバッファーと、
前記スケーラーからの現在のフレーム画像の画素データと、前記バッファーに記憶された画素データとが同一であるかを比較し、比較結果を出力するコンパレータと、
表示される前記現在のフレーム画像の画素データを得て、前記画素データを出力して表示に用いられるタイミング制御装置と、を備え、
前記コンパレータが出力した比較結果が同一である場合、前記スケーラーは動作しない状態になり、且つ該動作しない状態が所定の時間又は所定のフレーム画面数まで持続し、
または、前記コンパレータが出力した比較結果が異なる場合、前記スケーラーは動作状態になり、スケーラー処理された前記現在のフレーム画像の画素データによって、前記バッファーに記憶された画素データを更新し、
前記バッファーは、
前記スケーラーが現在のフレーム画像に対してスケーラー処理した画素データを記憶する第1のレベルのバッファメモリと、
設定したフレーム画像の画素データを記憶する第2のレベルのバッファメモリと、を備え
前記設定したフレーム画像は、スケーラー処理後のある時間幅内に現れる頻度が第1の頻度である画素データ、又は、スケーラー処理後に連続する数フレーム画像がいずれも同一である画素データを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記コンパレータが出力する比較結果によって、前記スケーラーが動作状態になるか又は動作しない状態になるかを制御するためのスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記コンパレータが出力する比較結果をレベル信号に変換し、前記レベル信号によって、前記スケーラーが動作状態になるか又は動作しない状態になるかを制御するための信号変換器をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記スイッチは、前記コンパレータが出力するレベル信号である比較結果によって、前記スケーラーが動作状態になるか又は動作しない状態になるかを制御することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記スイッチがN型薄膜トランジスタ(TFT)であり、
前記N型TFTのゲート電極は、レベル信号を受信し、
前記N型TFTのドレイン電極は、電源に接続され、前記スケーラーの動作電圧と同一である第1の電圧を受信し、
前記N型TFTのソース電極は、前記スケーラーに接続され、
前記レベル信号がハイレベルである場合、前記N型TFTはオン状態にあり、前記第1の電圧を前記スケーラーに出力して、前記スケーラーを動作状態にさせ、
前記レベル信号がローレベルである場合、前記N型TFTはカットオフ状態にあり、前記スケーラーに出力する電圧がなく、前記スケーラーを動作しない状態にさせ、
又は、
前記スイッチがP型薄膜トランジスタ(TFT)であり、
前記P型TFTのゲート電極は、レベル信号を受信し、
前記P型TFTのドレイン電極は、電源に接続され、前記スケーラーの動作電圧と同一である第1の電圧を受信し、
前記P型TFTのソース電極は、前記スケーラーに接続され、
前記レベル信号がローレベルである場合、前記P型TFTはオン状態にあり、前記第1の電圧を前記スケーラーに出力して、前記スケーラーを動作状態にさせ、
前記レベル信号がハイレベルである場合、前記P型TFTはカットオフ状態にあり、前記スケーラーに出力する電圧がなく、前記スケーラーを動作しない状態にさせることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記レベル信号の電圧を調整し、前記レベル信号で前記スイッチを駆動してオンするようにするための電圧調整器をさらに備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記コンパレータは、前記スケーラーからの現在のフレーム画像の画素データと、前記第1のレベルのバッファメモリに記憶された画素データとが同一であるかを比較し、さらに、前記スケーラーからの現在のフレーム画像の画素データと、前記第2のレベルのバッファメモリに記憶された画素データとが同一であるかを比較し、
前記コンパレータによる前記比較の結果が同一であり、かつ、前記スケーラーからの前記現在のフレーム画像の前記画素データが、前記第1のレベルのバッファメモリに記憶された前記画素データおよび前記第2のレベルのバッファメモリに記憶された前記画素データと同一である場合には、前記所定の時間又は前記所定のフレーム画面数が増加し、
前記コンパレータによる前記比較の結果が同一ではなく、かつ、前記スケーラーからの前記現在のフレーム画像の前記画素データが、前記第1のレベルのバッファメモリに記憶された前記画素データおよび前記第2のレベルのバッファメモリに記憶された前記画素データと同一ではない場合には、前記所定の時間又は前記所定のフレーム画面数が減少することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記所定の時間の間に、前記画素データが呼び出されず、且つ、前記コンパレータによって比較されない場合には、前記第2のレベルのバッファメモリは、所定の時間幅後に、自身に記憶された画素データをクリアすることを特徴とする請求項1又は7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記バッファー及び/又は前記コンパレータは、前記タイミング制御装置に設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記スケーラー及び前記タイミング制御装置は、同一のチップに集積され、
前記バッファー及び/又は前記コンパレータは、前記チップに設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置を用いる表示方法であって、
前記コンパレータにより、前記スケーラーからの現在のフレーム画像の画素データと、前記バッファーに記憶された画素データとが同一であるかを比較するステップと、
前記コンパレータの比較結果が同一である場合、前記スケーラーを動作しない状態にさせ、且つ所定の時間又は所定のフレーム画面数まで持続するステップと、
前記コンパレータの比較結果が異なる場合、前記スケーラーを動作状態にさせ、且つスケーラー処理された現在のフレーム画像の画素データによって、前記バッファーに記憶された画素データを更新するステップと、
前記タイミング制御装置から、前記バッファーに記憶された画素データに対応するフレーム画像を出力して表示を行うステップと、
を有し、
前記コンパレータにより、前記スケーラーからの現在のフレーム画像の画素データと、前記バッファーに記憶された画素データとが同一であるかを比較するステップは、
前記コンパレータにより、現在のフレーム画像の画素データと、第1のレベルのバッファメモリに記憶されたフレーム画像の画素データとが同一であるかを比較して比較結果を出力し、前記比較結果が同一である場合、前記スケーラーを動作しない状態にさせ、所定の時間又は所定のフレーム画面数まで持続し、前記比較結果が異なる場合、前記スケーラーを動作状態にさせるステップを含み、
前記コンパレータにより、前記現在のフレーム画像の画素データと、第2のレベルのバッファメモリに記憶されたフレーム画像の画素データとが同一であるかを比較して比較結果を出力するステップをさらに有し、
前記現在のフレーム画像の前記画素データが、前記第2のレベルのバッファメモリに記憶された前記フレーム画像の画素データと同一である場合には、前記所定の時間又は前記所定のフレーム画面数が増加することを特徴とする表示方法。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置を備える表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示方法、表示装置及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
社会経済の発展につれて、コンピュータ、テレビ及び様々な電子製品が広く応用されているが、同時に消費電力増大の問題をもたらすため、目下、省エネルギー製品の開発が電子製品の開発のトレンドとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ビデオ出力信号の解像度がディスプレイの表示解像度と一致しない場合もあるため、一般的に、従来の表示装置内にスケーラー(Scaler)チップを設ける必要がある。スケーラーチップは、ビデオ信号のフレーム画面をスケーラー処理し、信号解像度を表示解像度に完全にマッチングするように処理する。処理後の画像がタイミング制御装置(TCON)に出力され、そして、ディスプレイスクリーンに表示される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、スケーラーが同一フレーム画面の内容を重複してスケーラー処理することを避けることができる、消費電力が高い問題が解決された表示方法、表示装置及表示システムを提供する。
【0005】
本発明の一態様は、連続する複数のフレーム画像からなるビデオ信号を表示するための表示装置を提供する。該表示装置は、タイミング制御装置、スケーラー、バッファー及びコンパレータを備える。前記スケーラーは、前記ビデオ信号のフレーム画像をスケーラー処理して、表示に用いられる画素データを生成する。前記バッファーは、前記スケーラーがフレーム画像をスケーラー処理した後の画素データを記憶する。前記コンパレータは、前記スケーラーからの現在のフレーム画像の画素データと、前記バッファーに記憶された画素データとが同一であるかを比較し、比較結果を出力する。前記タイミング制御装置は、表示されるフレーム画像の画素データを得て前記画素データを出力して表示を行う。前記コンパレータが出力した比較結果が同一である場合、前記スケーラーは動作しない状態になり、且つ所定の時間又は所定のフレーム画面数まで持続する。前記コンパレータが出力した比較結果が異なる場合、前記スケーラーは、動作状態になり、スケーラー処理された現在のフレーム画像の画素データで前記バッファーに記憶された画素データを更新する。
【0006】
本発明の別の態様は、上記の表示装置を用いる表示方法を提供する。該方法は、前記コンパレータにより、前記スケーラーからの現在のフレーム画像の画素データと、前記バッファーに記憶された画素データとが同一であるかを比較するステップと、前記コンパレータの比較結果が同一である場合、前記スケーラーを動作しない状態にさせ、且つ所定の時間又は所定のフレーム画面数まで持続させるステップと、前記コンパレータの比較結果が異なる場合、前記スケーラーを動作状態にさせ、スケーラー処理された現在のフレーム画像の画素データで前記バッファーに記憶された画素データを更新し、前記タイミング制御装置によって、前記バッファーに記憶された画素データに対応するフレーム画像を出力して表示を行うステップと、を有する。
【0007】
本発明のさらに別の態様は、上記の表示装置を備える表示システムを提供する。
【0008】
以下、本発明の実施形態の技術案をより明確に説明するため、実施形態の図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成を示す別のブロック図である。
図4】本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第4実施形態に係るフレーム画面の表示方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の目的、技術案及び利点をさらに明確にするために、本発明の実施形態の図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術案を明確かつ完全に説明する。下記の実施形態は、当然ながら、本発明の実施形態の一部であり、全ての実施形態ではない。
【0011】
なお、明細書中で使用される技術用語又は科学技術用語は、特別に定義されていない場合、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本願明細書及び特許請求の範囲に記載の「第1」、「第2」及び類似する用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものにすぎない。同様に、「1つ」、「1」又は「該」などの類似する用語は数量を限定するものではなく、少なくとも1つあることを示すものである。「備える」又は「含む」等の用語は、「備える」又は「含む」の前に記載された要素又は部材が、「備える」又は「含む」の後に挙げられる要素又は部材及びそれらと同等のものをカバーすることを指し、他の要素又は部材を排除しない。「接続」又は「つながる」等の類似する用語は、物理的又は機械的な接続に限定されるのではなく、直接的又は間接的な接続、及び電気的な接続も含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対的な位置関係を指すだけであり、説明された対象の絶対的な位置が変化した後、そのような相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0012】
発明者は、従来の表示装置がビデオ画像コンテンツを表示する場合、スケーラーチップがビデオ信号のフレーム画面ごとにスケーラー処理する必要があり、同一の内容を有するフレーム画面であっても同一のスケーラー処理を繰り返すため、消費電力が高くなる問題を実践において発見した。
【0013】
本発明の実施形態は、バッファーによって、スケーラーのスケーラー処理されたフレーム画像の画素データを記憶し、コンパレータによって、現在のフレーム画像の画素データとバッファーに記憶された画素データとを比較し、両者が同一である場合、スケーラーは動作せず、この時、タイミング制御装置は、バッファーに記憶されたフレーム画像の画素データを直接に出力して対応するフレーム画像を表示する表示装置を提供する。該表示装置は、従来の表示装置に対して消費電力が低くなる。
【0014】
本発明の第1実施形態は、表示装置を提供する。図1に示すように、該表示装置は、バッファー10、コンパレータ11、スケーラー12及びタイミング制御装置13を備える。該表示装置は、連続する複数のフレーム画像を有するビデオ信号(信号フロー)を表示するものであり、2つの隣接するフレーム画像同士は、互いに同一であってもよいし、異なってもよい。
【0015】
スケーラー12は、ビデオ信号のフレーム画像をスケーラー処理し、表示するために、該フレーム画像の画素データを生成するようにし、コンパレータ11から出力される比較結果によって動作状態を変えることができ、例えば、動作状態から動作しない状態に変わる。スケーラー処理された画素データの解像度は、例えば、該表示装置に対応するスクリーンの解像度と一致する。バッファー10は、スケーラー12がビデオ信号のフレーム画像をスケーラー処理した後の画素データを記憶する。
【0016】
コンパレータ11は、スケーラー12からの現在表示する必要があるフレーム画像(現在のフレーム画像)の画素データと、前記バッファー10に記憶されたスケーラー処理された画素データとが同一であるかを比較し、比較結果を出力する。コンパレータ11が出力した比較結果において、両者の画素データが同一である場合、スケーラー12は動作しない状態になり、即ち、ビデオ信号における後続のフレーム画像をスケーラー処理しないとともに、バッファー10に記憶された画素データをタイミング制御装置13に伝送して表示を行う。一方、前記コンパレータ11が出力した比較結果において、両者の画素データが異なった場合、スケーラー12は動作状態になり(即ち、動作状態を維持する)、後続のフレーム画像をスケーラー処理し、スケーラー処理された現在のフレーム画像の画素データで前記バッファー10に元々記憶された画素データを更新するとともに、現在のフレーム画像をタイミング制御装置13に伝送して表示を行う。
【0017】
タイミング制御装置13は、表示しようとするフレーム画像の画素データを連続して得て、前記画素データを出力して表示を行う。例えば、タイミング制御装置13は、スケーラー12が動作しない状態にある場合、バッファー10に記憶された画素データを出力して対応するフレーム画像を表示する。一方、タイミング制御装置13は、スケーラー12が動作状態にある場合、スケーラー12が現在スケーラー処理して得る画素データを出力して対応するフレーム画像を表示する。例えば、タイミング制御装置13は、スケーラー12からスケーラー処理された画素データを直接に得るか、又は、バッファー10から更新された画素データを得る。また、タイミング制御装置13は、スケーラー12の状態に問わず、バッファー10から表示しようとするフレーム画像の画素データを得ることができる場合、該表示装置の設計が簡単化される。タイミング制御装置13は、例えば、一つのタイミング信号発生器(図示せず)に接続され、それに制御されて所定のタイミング(周波数)に沿って動作する。
【0018】
該第1実施形態の1つの例示では、スケーラー12が動作しない状態になる場合、この動作しない状態は、所定時間t又は所定のフレーム画面数nだけ持続し、即ち、所定時間t、又は現在表示されるビデオ信号(信号フロー)においてn個のフレーム画面を連続する持続時間後、スケーラー12は自動的に再び動作状態に入る。ただし、ここで、tは、絶対的な時間幅を示し、nは、ビデオ信号の周波数に依存する相対的な時間幅を示す。
【0019】
t、nの大きさ(数値)の設定について、当業者は、経験又は実際の要求によって予め設定してもよいし、必要に応じて動的に設定してもよい。例えば、表示内容の具体的な状況に応じて、表示中にt、nの大きさをリアルタイムに調整してもよい。例えば、放送しようとするビデオに躍動感が強い画面である場合、t、nの値を、例えば、tを1/60、1/30又は1/15ミリ秒等に、nを数フレーム、十数フレーム等に小さく設定する。例えば、画面が動きに乏しい場合、t、nの値を、例えば、tを1/15ミリ秒に、nを数十乃至数百フレーム等に大きくする。また、動的画面である場合、t、nを、例えば、tを1/60ミリ秒に、nを1フレームに小さく設定する。フレームと時間との関係は、従来技術の周波数を用いてもよく、例えば、1フレームが16.67ms(1/60秒)又はこれより小さい値に対応する。
【0020】
本第1実施形態に係る表示装置は、バッファー10を追加することによって、スケーラー12にスーケラー処理されたフレーム画像の画素データを記憶し、コンパレータ11によって、スケーラー12からの現在のフレーム画像の画素データと、バッファー10に記憶されたその1つ前のフレーム画面の画素データとが同一であるかを比較する。比較結果において両者が同一である場合、スケーラーは動作しない状態になる。これによって、システムの消費電力が低下され、エネルギーが節約される。
【0021】
本発明の第2実施形態は、第1実施形態の実施方案をさらに詳しく説明する。図2に示すように、本実施形態に係る表示装置は、スイッチ14を備える。該実施形態は、コンパレータ11の結果によって、該スイッチ14でスケーラー12の動作状態を制御することができる。例えば、本実施形態では、レベル信号によってスイッチ14の動作状態を制御し、さらに、スケーラー12の動作状態を制御することが好ましい。
【0022】
レベル信号によってスケーラー12の動作状態を制御する場合、コンパレータ11が出力する比較結果がレベル信号であると、例えば、コンパレータ11が出力する比較結果によってスイッチ14でスケーラー12の動作状態を直接に制御することができる。図2は、コンパレータ11が出力する比較結果によってスイッチ14でスケーラー12の動作状態を直接に制御する装置の構成概略図である。コンパレータ11が出力する比較結果がレベル信号ではない場合、本実施形態は、スイッチ14とコンパレータ11との間に設けられる信号変換器15をさらに備えてもよい。図3に示すように、該信号変換器15は、コンパレータ11が出力するレベル信号ではない比較結果を、レベル信号に変換する。
【0023】
本実施形態の例示では、薄膜トランジスタ(TFT)によって上記スイッチ14を実現してもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
本実施形態は、TFTによってスケーラーの動作状態を制御する表示装置の構造を図2及び図3に示す。本実施形態では、図3に示すように、コンパレータ11が出力する比較結果がレベル信号ではない場合、TFTは、信号変換器15を介してコンパレータ11に接続される。図2示すように、コンパレータ11の出力結果がレベル信号である場合、TFTは、コンパレータ11に直接に接続してもよい。
【0025】
本実施形態は、図3に示す例示において、スイッチとしてのTFT14のゲート電極140は、信号変換器15に接続され、信号変換器15がコンパレータ11から出力する比較結果によって転換するレベル信号SCを受信し、図2に示す例示において、スイッチとしてのTFT14のゲート電極140は、コンパレータ11に直接に接続され、コンパレータ11が出力するレベル信号SCを受信する。レベル信号SCは、コンパレータ11が出力する比較結果に対応し、ハイレベル信号となったり、ローレベル信号となったりする。
【0026】
TFT14のドレイン電極141は、表示装置の電源20に接続され、例えば、前記スケーラー12の動作電圧と同一の第1の電圧Piを受信する。Piの大きさは、スケーラー12の動作電圧に対応し、一般的に、3.3V又は2.5Vであり、1.8Vであってもよい。前記電源20は、スケーラー12に動作電圧を提供し、直流電源、電池等であってもよい。
【0027】
TFT14のソース電極142は、スケーラー12に接続される。該TFTがN型TFTであると、レベル信号SCがハイレベルである場合、 TFT14がオン状態にあり、ソース電極142とドレイン電極141が電気的に接続されて導通され、ソース電極142から出力する電圧が電源20から入力する第1の電圧Piである。該第1の電圧Piがスケーラー12に入力されると、スケーラー12が動作状態になり、受信した現在のフレーム画像をスケーラー処理する。相応的に、タイミング制御装置13は、スケーラー12によってスケーラー処理された現在のフレーム画像の画素データを得て現在のフレーム画像を表示する。レベル信号SCがローレベルである場合、TFT14がカットオフ状態にあり、ソース電極142とドレイン電極141が電気的に遮断されて導通できなくなり、このとき、スケーラー12に出力する電圧がなく、スケーラー12がオフされ、動作しない状態になる。相応的に、タイミング制御装置13は、バッファー10に記憶された画素データを得て対応するフレーム画像を表示する。
【0028】
一方、本発明の実施形態は、P型TFTを用いてもよい。前記レベル信号SCがローレベルである場合、TFT14がオン状態にあり、ソース電極142とドレイン電極141が電気的に接続されて導通され、第1の電圧Piをスケーラー12に出力し、スケーラー12を動作状態にさせる。一方、レベル信号SCがハイレベルである場合、TFT14がカットオフ状態にあり、ソース電極142とドレイン電極141が電気的に接続されて導通され、スケーラー12に出力する電圧がなく、スケーラー12が動作しない状態にある。
【0029】
また、別の例示において、コンパレータ11が出力する信号の電圧、又は信号変換器15が変換したレベル信号の電圧が高すぎ又は低すぎて、TFT14を適切に駆動してオンさせる電圧にならない場合、レベル信号の電圧を調整してTFT14をオンできるように、TFT14と信号変換器15との間に電圧調整器16を設けるか、又は、コンパレータとTFT14との間に直接に電圧調整器16を接続することが好ましい。これについて、図2及び図3における点線部分を参照する。
【0030】
本実施形態の例示では、TFTによってスイッチ機能を実現することができ、表示装置においてスケーラーに用いる電源及びコンパレータから出力するレベル信号によって、スケーラーの動作状態を制御することができる。該実施形態は、簡単に実現することができ、消費電力を低下させる。
【0031】
本発明の第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態の実施方案をさらに最適化した方案である。例えば、図5に示すように、バッファー10は、第1のレベルのバッファメモリ及び第2のレベルのバッファメモリを備える。第1のレベルのバッファメモリは、スケーラー12が動作状態にある場合、スケーラー12が現在のフレーム画像をスケーラー処理した画素データを記憶し、例えば、隣接するフレーム画像の異なる動的ビデオの画素データを記憶する。第2のレベルのバッファメモリは、所定フレーム画面の画素データ、例えば、ある時間幅内に現れ頻度が高い画素データを記憶するか、又は、連続する数フレームがいずれも同一である画素データを記憶する。例えば、設定時間の閾値又はフレーム数の閾値に対して、スケーラー12がいずれも動作しない状態にあるか、又は、第1のレベルのバッファメモリに記憶された画素データに変更がない場合、第1のレベルのバッファメモリが記憶したフレーム画像の画素データを、第2のレベルのバッファメモリに移行して記憶する。或いは、ユーザは、該所定画素データに対応する画面画像の表示時間及び表示頻度によって、フレーム数の閾値を設定することができる。本発明の別の実施形態は、フレーム画面の表示頻度によって、バッファー10に複数のレベルのバッファメモリを設けて、表示頻度が異なるフレーム画像に対応する画素データを記憶することもできる。
【0032】
例えば、バッファー10は、第1のレベルのバッファメモリ及び第2のレベルのバッファメモリを有する場合、フレーム画像が到達するとき、コンパレータ11は、先にスケーラー12からの現在のフレーム画像の画素データと、第1のレベルのバッファメモリに記憶された画素データとを比較してもよい。第1のレベルのバッファメモリと比較した比較結果が同一である場合、タイミング制御装置13は、第1のレベルのバッファメモリに記憶された画素データに対応するフレーム画像を直接に出力するとともに、コンパレータ11は、現在の画素データと、第2のレベルのバッファメモリに記憶された画素データとを再度比較し、第2のレベルのバッファメモリと比較した比較結果も同一であるとき、t又はnを適当に、例えば、25%大きくしてもよい。第1のレベルのバッファメモリと比較した比較結果が異なったとき、現在のフレーム画像の画素データで第1のレベルのバッファメモリを更新し、先に記載した第1及び第2実施形態に対する説明と同様に、タイミング制御装置13は、スケーラー12又はバッファー10から現在のフレーム画像の画像データを得て対応するフレーム画像を表示し、さらに、コンパレータは、現在の画素データと、第2のレベルのバッファメモリに記憶された画素データとを再度比較し、第2のレベルのバッファメモリと比較した比較結果も異なったとき、例えば、t又はnを適当に、例えば、25%低下してもよいが、t又はnをある閾値より小さくないようにする。これによって、システムの消費電力がさらに低下する。例えば、第1のレベルのバッファメモリに記憶された画素データに変更がない(更新しない)時間が、所定時間T1又は所定のフレーム画面数N1より長い場合、該第1のレベルのバッファメモリに記憶された画素データによって、第2のレベルのバッファメモリに記憶された画素データを更新する。該所定時間T1又は所定のフレーム画面数N1は、スケーラーの動作しない状態が持続する所定時間t、又は所定フレーム画面数nに基づいて設定されてもよい。例えば、所定時間Tは、例えば、2t又は3tであり、該所定のフレーム画面数Nは、例えば、2n又は3nである。
【0033】
例えば、一実施形態では、ユーザは、実際の状況に応じて、第2のレベルのバッファメモリにバッファーされた画素データをクリアし、例えば、第2のレベルのバッファメモリの記憶内容を空にするか、又は、第1のレベルの及び第2のレベルのバッファメモリに記憶された画素データのいずれとも異なる画素データに取替える。これによって、ある時間幅内にコンパレータ11が用いられ且つ比較しなかった画素データ、即ち、ある時間幅内の表示頻度が低い画素データがクリアされる。第2のレベルのバッファメモリが空きである場合、上記の例示の通り、第2のレベルのバッファメモリとの比較を行わなくてもよい。
【0034】
本第3実施形態では、上記のバッファー10にマルチレベルのバッファメモリを設ける技術案によれば、スケーラーの表示頻度がさらに低下し、システムの消費電力が低下して、エネルギーが節約される。第1及び第2のレベルのバッファメモリを備える第3実施形態を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、必要によって、レベルがさらに多いバッファメモリを設置してもよい。
【0035】
本発明の実施形態、例えば、上記の第1乃至第3実施形態に係る表示装置では、バッファー10及びコンパレータ11は、相対的に自由に設けられてもよい。例えば、それらの中の1つを、タイミング制御装置13内(即ち、タイミング制御装置13と一体に形成される)に設けてもよいし、表示装置に直接に設けてもよい。或いは、例えば、スケーラー12及びタイミング制御装置13を同一チップに集積し、バッファー10及び/又はスイッチ14を、集積したチップに設けてもよく、チップ外に設けてもよい。なお、信号変換器15及び電圧調整器16を備える例示は、バッファー10及び/又はスイッチ14の位置によって自由に設けてられてもよい。
【0036】
また、上記のバッファー10、スケーラー12、コンパレータ11、タイミング制御装置13及び信号変換器15等の装置は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウエア等の方式によって実現できるとともに、本分野での任意の適切な構成も用いられる。例えば、バッファー10は、揮発性メモリや不揮発性メモリ等であってもよい。スケーラー12及びタイミング制御蔵置13は従来の表示装置中のものと同一であってもよいし、また、コンパレータ11の比較結果が数値タイプである場合、信号変換器15は、例えばデジタル・アナログ変換器であってもよいし、電圧調整器16は、変圧器又は分圧抵抗などであってもよい。
【0037】
本発明の第4実施形態は、本発明の実施形態(例えば、上記の第1乃至第3実施形態)に係る表示装置に用いる表示方法を提供する。図4はその実現プロセスを示す。
【0038】
ステップS301:スケーラーから現在のフレーム画像の画素データを得る。
ステップS302:コンパレータによって、現在のフレーム画像の画素データと、バッファーに記憶された画素データとが同一であるかを比較し、同一である場合にはステップS303に入り、異なった場合にはステップS304に入る。
ステップS303:スケーラが動作しない状態になり、タイミング制御装置は、バッファーに記憶された画素データを得て、それに対応するフレーム画像を表示する。
ステップS304:スケーラーが動作状態になり、タイミング制御装置は、現在のフレーム画像の画素データを得て、現在のフレーム画像を表示し、現在のフレーム画像の画素データによって、バッファーに記憶された画素データを更新する。
【0039】
例えば、バッファー10に第1のレベルのバッファメモリ及び第2のレベルのバッファメモリが設置された場合、コンパレータ11は、現在のフレーム画像の画素データに対してマルチレベルの比較することができる。現在フレーム画像の画素データがスケーラーから到達する場合、コンパレータ11及びタイミング制御装置13の動作は先に記載した通りであり、ここでは再度説明しない。
【0040】
例えば、上記の表示装置が画面を表示する過程において、レベル信号によってスイッチ14の動作状態を制御し、さらに、スケーラー12の動作状態を制御することができる。
【0041】
例えば、表示装置は、スイッチ14を備えてもよい。図2又は図3に示すように、該スイッチ14は、N型TFT又はP型TFTであってもよく、表示装置の電源20に接続され、表示装置における、例えば、スケーラーに用いられる電源20及びコンパレータ11が出力するレベル信号によって、スケーラー12の動作状態を制御する。これは、実現プロセスが簡単化され、消費電力がさらに低下する。
【0042】
本発明の実施形態に係る上記のフレーム画面の表示方法は、現在のフレーム画像がバッファーに記憶されたフレーム画像と同一であるかに基づき、スケーラーの動作状態を制御することができ、両者が同一である場合、スケーラーを動作しない状態にさせ、スケーラーが同一の内容を有するフレーム画像を重複して同一のスケーラー処理することが回避され、消費電力が低下し、エネルギーが節約される。
【0043】
上記の表示装置又は上記のフレーム画面表示方法を用いる表示装置は、液晶パネル、電子ペーパー、OLEDパネル、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、デジタルフォトフレーム、携帯電話、フラットパネルコンピュータ等表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。
【0044】
本発明の第5実施形態は、さらに表示システムを提供する。該表示システムは、例えば、第1乃至第3実施形態のいずれか1つに係る表示装置を備え、第4実施形態に係る表示方法によってフレーム画像を表示する。該システムに備えられる表示装置の構成及びフレーム画像の表示方法は、上記の実施形態に係る装置及び方法と同一である。具体的な構成及び実現方法は、ここで再度説明しない。前記表示システムは、上記の表示装置を連結して又は組み合わせることで形成されてもよい。
【0045】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者は、本発明を修正及び変形することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 バッファー
11 コンパレータ
12 スケーラー
13 タイミング制御装置
14 スイッチ(薄膜トランジスタ)
140 ゲート電極
141 ドレイン電極
142 ソース電極
15 信号変換器
16 電圧調整器
20 電源
図1
図2
図3
図4
図5