(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294059
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】ウインチの遠隔操作構造
(51)【国際特許分類】
B66D 1/04 20060101AFI20180305BHJP
B66D 1/28 20060101ALI20180305BHJP
H02G 1/02 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
B66D1/04 B
B66D1/28 Z
H02G1/02
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-245778(P2013-245778)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2015-101481(P2015-101481A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名:JECA FAIR 2013〜第61回 電設工業展〜 展示日 :平成25年5月29日〜平成25年5月31日 発行所名:一般社団法人 電気設備学会 刊行物名:2013年(第31回)電気設備学会全国大会 2013年(第11回)電気設備学会国際ワークショップ講演論文集 発行年月日:2013年8月1日 集会名 :2013年(第31回)電気設備学会全国大会 開催日 :2013年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591080678
【氏名又は名称】株式会社中電工
(73)【特許権者】
【識別番号】591083772
【氏名又は名称】株式会社永木精機
(74)【代理人】
【識別番号】100118924
【弁理士】
【氏名又は名称】廣幸 正樹
(72)【発明者】
【氏名】池田 孝司
(72)【発明者】
【氏名】沖中 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】宮迫 祥明
(72)【発明者】
【氏名】山本 朋也
【審査官】
森藤 淳志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−222384(JP,A)
【文献】
特開2001−171984(JP,A)
【文献】
特開昭60−067400(JP,A)
【文献】
実用新案登録第2550507(JP,Y2)
【文献】
実公昭55−024274(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/04
B66D 1/28
H02G 1/00−1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱上でウインチを遠隔操作可能に保持する構造であって、
前記ウインチを載置できると共に前記電柱へ巻き締め固定できる台座と、
パイプ部材の一端に設けられた入力具から入力される回転力を、内蔵された回転軸を介して、他端に設けられた出力具へ伝達可能な回転力伝達棒と、
前記回転力伝達棒と一体に設けられ、前記出力具が前記ウインチの入力部へ連結される状態で前記台座へ接続可能な接続部を有する支持部材とを備えると共に、
前記支持部材を構成し、前記回転力伝達棒と略平行に配置された複数の支持ロッドと、
前記台座において前記ウインチの回転の軸に直交する面に設けられ、複数の前記支持ロッドのそれぞれの前記接続部が挿入可能な複数の貫通孔が形成された側板と、
前記貫通孔に貫通配置された前記接続部と前記台座とを共に貫通して、前記支持ロッドを前記台座に固定できる固定ピンと、
を備えたことを特徴とするウインチの遠隔操作構造。
【請求項2】
前記入力具には、外部から入力される回転力を受けることのできる工具連結部を複数の方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のウインチの遠隔操作構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱の工事に使用されるウインチに用いられて、安全を確保して確実な作業を行うことを可能にするウインチの遠隔操作構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、架空電線路等の工事を行う際、電柱の上方へ工事用荷物を揚げるために、電柱に取り付けることができる手巻式のウインチが用いられている。
【0003】
この種のウインチとしては、本体フレームと、本体フレームに回動自在に支持されてワイヤが巻回されたドラムと、ドラムの回転軸に連結された歯車伝達機構と、歯車伝達機構に連結された入力軸を備えたものがある。このウインチを電柱の下部に取り付けると共に滑車を電柱の上部に取り付け、ドラムから引き出したワイヤを電柱に沿って上方へ引き伸ばして滑車に掛け回す。この後、電柱沿いに下方へ引き伸ばして下端にフックを取り付ける。そして、このフックを碍子等の工事用荷物に掛け、入力軸に連結したウインチハンドルを作業者が回転操作する。これにより、ドラムにワイヤを巻き取ってワイヤのフックを滑車側に巻き上げ、工事用荷物を電柱の上部に揚げるようにしている。
【0004】
しかしながら、このような構成でウインチを用いる場合、作業者の安全確保が不十分であるという問題がある。具体的には、ウインチハンドルをウインチの入力軸に直結するので、作業者は電柱のウインチに近接してハンドル操作を行わなくてはならない。一方、工事用荷物は、電柱の上部へ滑車に向かって持ち上げられるので、ウインチの近傍にいる作業者の略直上に位置することになる。したがって、工事用荷物が、上昇途中に振動や荷崩れ等によって落下した場合、落下した荷物が作業者を直撃する恐れがある。
【0005】
このような問題を解消するために、本願出願人は、ウインチから離れた位置から遠隔操作が可能な電柱取付ウインチの遠隔操作装置を発明(特許文献1参照)した。この電柱取付ウインチ遠隔操作装置の全体構成を
図6に示す。
【0006】
図6には、手動式のウインチ102が電柱100に取り付けられている様子が示されている。このように電柱100にウインチ102を取り付けるには、先ず、電柱100のやや上方に対して、下端にフックを有する支持ワイヤ101を取り付ける。そして、ウインチ102を上記支持ワイヤ101のフックに仮預け状態で引っ掛ける。続いて、仮預け状態のウインチ102の背面の上端及び下端をチェーン103で固定する。固定されたウインチ102の入力部102aには、回転力を伝達できるパイプ部材104が接続される。このパイプ部材104の端部には外力を入力するためにウインチハンドル106を連結することのできるハンドル連結部104aが設けられている。また、パイプ部材104は、電柱100へ斜めに渡した支持ロッド105により中間部分を支持されている。このような構成により、作業者は、ウインチ102の略直上に持ち上げられる工事用荷物の直下から外れた位置にて、ウインチハンドル106を用いて安全に遠隔操作をすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−222384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の電柱取付ウインチ102の遠隔操作装置110では、安全且
つ確実に作業を行うことができるものの、設置作業がやや煩雑である。すなわち、遠隔操作を行うためにウインチハンドル106とウインチ102との間に設けられたパイプ部材104を支持するために支持ロッド105を取り付け、更に固定部材を用いてその支持ロッド105を電柱100に固定しなければならない。
【0009】
そこで、本発明では、安全且つ確実に作業を行うことができることに加えて、簡易な構造にて簡単に設置できるウインチの遠隔操作構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のウインチの遠隔操作構造は、電柱上でウインチを遠隔操作可能に保持する構造であって、ウインチを載置できると共に電柱へ巻き締め固定できる台座と、パイプ部材の一端に設けられた入力具から入力される回転力を、内蔵された回転軸を介して、他端に設けられた出力具へ伝達可能な回転力伝達棒と、回転力伝達棒と一体に設けられ、出力具がウインチの入力部へ連結される状態で台座へ接続可能な接続部を有する支持部材と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のウインチの遠隔操作構造は、上記構成に加えて、支持部材を構成し、回転力伝達棒と略平行に配置された複数の支持ロッドと、台座においてウインチの回転の軸に直交する面に設けられ、複数の支持ロッドのそれぞれの接続部が挿入可能な複数の貫通孔が形成された側板と、貫通孔に貫通配置された接続部と台座とを共に貫通して、支持ロッドを台座に固定できる固定ピンと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のウインチの遠隔操作構造は、上記構成に加えて、入力具には、外部から入力される回転力を受けることのできる工具連結部を複数の方向に向けて設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、回転力伝達棒と支持部材とが一体に形成されており、且つ、支持部材の接続部が台座に対して接続された状態において、回転力伝達棒の出力具とウインチの入力部とが一致するように構成されているので、遠隔操作構造をウインチに組み付ける際、位置合わせが容易となり、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明によれば、上記効果に加えて、支持部材が、回転力伝達棒と略平行に配置された複数の支持ロッドで構成されているので、支持ロッドを台座へ向かって挿し込むという一方向への動作により、回転力伝達棒の出力具とウインチの入力部との位置合わせを行うことができる。このため、さらに作業効率の向上を図ることが可能である。また、台座に挿し込まれた支持ロッドは、台座と共に固定ピンによって貫通固定されるので、出力具と入力部(ウインチ側)との接続状態が安定し、作業の安全性の向上を図ることが可能となる。
【0015】
また、本発明によれば、上記構成に加えて、入力具には、外部からの回転入力を受けることのできる工具連結部を複数の方向に向けて設けられているので、現場の状況に応じて何れかの工具連結部を選択して対応(操作)することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係るウインチの遠隔操作装置を示す図である。
【
図2】
図1のウインチの遠隔操作装置において、回転力伝達棒を台座から分離した状態を示した拡大図である。
【
図3】
図1のウインチの遠隔操作装置の台座を回転力伝達棒の略中心位置で切断した横断面図である。
【
図4】
図1のウインチの遠隔操作装置の台座のみを示しており、(a)は正面側、(b)は電柱に当接する側から見た斜視図である。
【
図5】
図1のウインチの遠隔操作装置において、台座のみ略中央の縦断面で示した一部破断側面図である。
【
図6】従来の電柱取付ウインチの遠隔操作装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係るウインチの遠隔操作構造について、図を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るウインチの遠隔操作装置を示している。
図1には、電柱100に取り付けられたウインチ2の使用状態が示されている。本実施の形態では、遠隔操作装置4は、主として、以下で説明する台座6、固定ピン12、支持ロッド16及び回転力伝達棒14等を備えている。
【0019】
ウインチ2は電柱100の手前側へ傾斜した台座6に載置されている。台座6は背面に設けられた背面フック受け部8がチェーンブロック18(簡略化して図示している)を用いて電柱100へ巻き締め固定されている。このように巻き締め固定する際、予め、電柱100に対して仮預けするために、仮預けフック20が用いられる。この仮預けのための台座6の構成については、後に
図4、5を用いて説明する。
【0020】
図1では、ウインチ2のドラム部2cの回転軸は、一点鎖線で描いたドラム回転軸2dで示されている。このドラム回転軸2dの軸方向と略平行に延びるようにして、台座6の側面の接続貫通孔6aに2本の支持ロッド16が平行に接続されている。これら2本の支持ロッド16は、平行に延びる回転力伝達棒14を支えるために設けられているものである。
【0021】
回転力伝達棒14は、一端にハンドル22又は電動ドリルドライバー23等の入力手段からの入力を受けることのできる入力具14bを有している。本実施の形態に係る遠隔操作装置4では、ドラム回転軸2dと平行な方向(ドライバービット嵌合部30)のみならず、ドラム回転軸2dと直交する2方向(ドライバービット嵌合部31、32)からもハンドル22又は電動ドリルドライバー23等が連結可能となるような入力具14bを備えている。これにより、作業の自由度の向上が図られる。すなわち、商用電源からの電力供給や、油圧、エアー等の供給が可能な環境であれば、駆動源からのケーブル等の引き廻しに制限が生じる場合であっても、状況に応じて接続可能なドライバービット嵌合部30〜32(工具連結部)を選択できるので、上述のハンドル22、電動ドリルドライバー23に代えて商用電源対応の電動ドリルドライバーや、油圧又はエアー駆動によるドライバーを用いることもできる。
【0022】
回転力伝達棒14には回転軸14aが内蔵されており、他端側の出力具14cへ回転力を伝達することができる。ここでは便宜的に、内蔵された回転軸部材を一点鎖線の回転軸14aとして示している。出力具14cの先端は、ウインチ2へ回転力が入力される入力部2bに対して脱着可能に構成されている。このように、2本の支持ロッド16が台座6に対して接続された状態において、回転力伝達棒14の出力具14cがウインチ2の入力部2bに接続された状態となる。
【0023】
台座6の前面に配置されている2本の固定ピン12は、支持ロッド16を台座6に対して固定するために用いられている。この支持ロッド16の固定構造を示すために、
図2に分解した状態を示す。
【0024】
図2は、
図1のウインチ2の遠隔操作装置4において、回転力伝達棒14を台座6から分離した状態を拡大図により示している。上述のように、2本の支持ロッド16は、台座6の側方に形成された2箇所の接続貫通孔6aに先端の接続部16aを挿入するようにして接続される。この接続部16aには、それぞれ、2箇所の接続孔16bが形成されている。
図1に示した使用状態では、台座6の内部において、上記接続孔16bに、2本の固定ピン12のそれぞれが貫通する状態で支持ロッド16が固定されている。このように構成されているので、支持ロッド16を台座6の接続貫通孔6aに合わせて挿し込むだけで、回転力伝達棒14の出力具14cの先端(六角軸など)を、位置合わせを意識することなく容易にウインチ2の入力部2bに嵌合することができる。次に、この支持ロッド16の固定状態を
図3に示す。
【0025】
図3は、
図1のウインチ2の遠隔操作装置4の台座6を回転力伝達棒14の略中心位置で切断した横断面を示している。この
図3から分かるように、支持ロッド16は接続部16aの部分が台座6の内部において、台座6と共に固定ピン貫通孔6bから挿入された固定ピン12によって貫通固定されている。このため支持ロッド16の長手方向への移動が規制されるので、ハンドル22によりウインチ2を操作する際(
図1を参照)、回転軸14aの出力具14cとウインチ2の入力部2bとの結合が確実に保持される。また、本実施の形態に係る固定ピン12は、操作側の端部がアイボルトで構成されているので、ウインチ2による作業が完了した状態において、解除工具等を引っ掛けることにより、安全な遠隔位置から容易に固定ピン12を回転させながら引き抜くことも可能である。
【0026】
続いて、台座6のみの構成について
図4を用いて説明する。
図4は、
図1のウインチ2の遠隔操作装置4の台座6のみを示しており、(a)は正面側、(b)は電柱100に当接する側から見た斜視図を示している。この
図4から分かるように、台座6の上面には傾斜面6cが形成されている。このようにウインチ2を載置する上面に傾斜面6cが形成されているので、ウインチ2のドラム部2cを電柱100から離れた位置に配置することが可能である(
図1を参照)。この状態について
図5を合わせて説明する。
図5は、
図1のウインチ2の遠隔操作装置4において、台座6のみ略中央の縦断面で示した一部破断側面図である。
図5を参照して、上述のように、台座6の上面に傾斜面6cが形成されているので、ウインチ2のドラム部2cを電柱100から離して配置することができ、これによって、ワイヤロープ2aを電柱100から所定の距離(
図5では距離D)だけ離して配置できる。上記の
図1の説明において、ウインチ2を電柱100に取り付ける際、予め、台座6を電柱100に仮預けすることについて簡単に述べた。この仮預けの段階において、ウインチ2と電柱100との間にある程度の空間が形成されていると、仮預けフック20を仮預けフック受け部10に対して引っ掛ける作業が容易になる。本実施の形態に係る台座6では、仮預けフック受け部10は、
図5の一点鎖線で示したように、鉛直方向に対して角度θだけウインチ2側へ傾いている。すなわち、仮預けフック20と仮預けフック受け部10との係合作業を容易にすることに加えて、仮預け時の重心がウインチ2側へ移動することにより全体の安定性が向上するので、安全に作業を行うことが可能となる。
【0027】
ここで
図4に戻って、台座6の背面には上下に2つずつ背面フック受け部8が設けられている。これにより、仮預けの際に、仮預けフック受け部10を支点として、ウインチ2側の重量が、電柱100の側面に伝わる(
図5を参照)。すなわち、4つの背面フック受け部8が電柱100の筒状の側面に押し付けられる際に、台座6は略水平を保って4点で安定して保持される。このため、チェーンブロック18を用いて行われる本固定の作業へスムーズに移行することができる。また、電柱100に対して4点接触で安定して固定されているので、ハンドル22等による巻き上げ操作を行う場合においても、ドラム回転軸2dがぶれることはない(
図1を参照)。したがって、ワイヤロープ2aのドラム部2cへの乱巻きを防止することも可能である。
【0028】
以上述べてきたように、本発明によれば、ウインチ2の入力部2bと、回転力伝達棒14の出力具14cとの接続構造のように、細かな部材同士の接続を意識しなくても、台座6と支持ロッド16の接続部16aのような比較的大きな部材同士を接続するだけで、設置が完了するので、作業効率を大幅に向上させることが可能である。
【0029】
また、ウインチ2と回転力伝達棒14とが、支持ロッド16や台座6を介して一体に固定されるので、回転力伝達棒14を電柱100に対して別途固定する必要もない。したがって、作業時間の短縮化や、製品のコストの低減なども可能になる。
【0030】
尚、上記の実施の形態では、回転力伝達棒14を台座6に固定する支持手段として、2本の支持ロッド16を平行に配置する構成を例として示した。しかし、支持手段を台座6に接続した際に、同時に、回転力伝達棒14の出力具14cをウインチ2の入力部2bに連結できる構成であれば、平行でなくても構わず、さらに、1本でも3本以上でも構わない。
【0031】
また、上記の実施の形態では、台座6の上面に傾斜面6cが形成されている例を示した。しかし、電柱100から離れる方向に低くなる傾斜面6cである必要はなく、例えば、水平面上にウインチを載置する構成であっても構わない。
【0032】
また、上記の実施の形態では、台座6の背面側に仮預けフック20が設けられた構成を例として示したが、仮預けフック20が設けられていなくても構わない。
【0033】
また、上記の実施の形態では、台座6に対して2本の支持ロッド16を固定するために、台座6の前面側から両者を貫通固定する構成を例として示した。しかし、前面から貫通固定する構成に限らない。例えば、支持ロッド16の長手方向に対して交差する方向から貫通して台座6に固定する構成であれば、支持ロッド16の長手方向への動きを同様に安定して規制することが可能である。また、複数の支持ロッド16の全てを貫通させて固定する必要もない。すなわち、少なくとも1本の支持ロッド16を貫通させて台座6と共に固定できれば、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0034】
また、上記実施の形態では、回転力伝達棒14に対して回転力を入力手段として、手動式のハンドル22を接続する構成を例として示したが、例えば、電動式の回転力入力手段であっても構わない。
【0035】
また、上記実施の形態では、回転力伝達棒14の入力具14bには、ドライバービット嵌合部30〜32が設けられている3方向から入力が可能となる構成を例として示したが、少なくとも1方向から入力できる構成であれば、同様の効果を得ることは可能である。また、上面側や下面側にドライバービット嵌合部が設けられていても構わない。
【0036】
また、上記実施の形態では、回転力伝達棒14として、3面にドライバービット嵌合部30〜32を有した6面体の入力具14bが設けられている構成を例として示した。しかし、これに限らず、例えば、自在継手等の構造を有するフレキシブルシャフトの端部に工具連結部を備えた入力具を採用しても構わない。この場合、作業途中であっても入力方向を自由に変化させることができるので、さらに作業効率の向上が図られる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係るウインチの遠隔操作構造によれば、ウインチに対して離れた所から巻き上げ操作を行うことができ、特に、電柱に安定して固定できるので、トランス等の重量物の吊上げ・吊下ろし作業に有用である。
【符号の説明】
【0038】
2 ウインチ
2a ワイヤロープ
2b 入力部
2c ドラム部
2d ドラム回転軸
4 遠隔操作装置(遠隔操作構造)
6 台座
6a 接続貫通孔
6b 固定ピン貫通孔
8 背面フック受け部
10 仮預けフック受け部
12 固定ピン
14 回転力伝達棒
14a 回転軸
14b 入力具
14c 出力具
16 支持ロッド(支持部材)
16a 接続部
16b 接続孔
18 チェーンブロック
20 仮預けフック
22 ハンドル
30、31、32 ドライバービット嵌合部(工具連結部)
100 電柱