特許第6294082号(P6294082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294082
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   B60K 13/04 20060101AFI20180305BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   B60K13/04 B
   A01D41/12 E
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-293(P2014-293)
(22)【出願日】2014年1月6日
(65)【公開番号】特開2015-128919(P2015-128919A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕司
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−157255(JP,A)
【文献】 特開2008−000014(JP,A)
【文献】 特開2011−244782(JP,A)
【文献】 特開2011−024510(JP,A)
【文献】 特開2011−229433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/04
A01D 41/12
F01N 3/02
F01N 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームに載置され、エンジンルームに格納されるエンジンと、前記機体フレームに載置され、前記エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を除去する粒子状物質除去装置と、前処理部で刈取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、を備えたコンバインにおいて、
前記エンジンルームを囲むように前記機体フレームから立設される複数のフレーム部材と、
前記複数のフレーム部材に支持され、前記エンジンルームの上方に配置されるエアクリーナルームを覆うエアクリーナルームカバーと、を備え、
前記複数のフレーム部材は、前記エンジンの機体後方に配置されると共に前記エアクリーナルームカバーの機体内側後部を支持する支柱を有し、
前記粒子状物質除去装置は、平面視において前記エンジンルーム及び前記脱穀部に重なるように、かつ前記支柱に近接して配置されてなる、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記脱穀部は、扱室に回転支持される扱胴と、前記扱室から漏下した選別物を風選別する選別風を起風する唐箕ファンと、前記唐箕ファンの回転軸に設けられる駆動プーリと、前記エアクリーナルームと高さ方向において少なくとも一部がオーバーラップするように前記駆動プーリより上方に配置され、前記扱胴に駆動伝達可能な従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられる伝動ベルトと、を有し、
前記粒子状物質除去装置は、前記伝動ベルトの下方にて、平面視において該伝動ベルトと一部重なるように配置されてなる、
請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記エンジンの前記脱穀部と反対側に配置されるラジエータ及び該ラジエータを冷却する冷却ファンと、
前記エンジンと前記粒子状物質除去装置を接続する接続パイプと、を備え、
前記接続パイプと前記粒子状物質除去装置が接続される接続部は、前記粒子状物質除去装置の前記脱穀部と反対側の端部かつ前記冷却ファンの機体後方に配置されてなる、
請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記接続パイプは、前記支柱の前記エンジンと反対側を通ると共に、前記エンジンルームに格納されてなる、
請求項記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンを搭載したコンバインに係り、詳しくは、該ディーゼルエンジンから排出された排気ガスをディーゼルパティキュレートフィルタによって浄化するコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスには、黒煙を主体とする粒子状物質が含まれ、排気ガス中から該粒子状物質を除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)が知られている。従来、コンバインの右側方にエンジン及びラジエータを配置し、該ラジエータの後下部位置にDPFを配置すると共に、エンジン、ラジエータ及びDPFの前後及び上方を原動ボックスで覆ったコンバインが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−230522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載のものは、DPFをエンジン及びラジエータの後部かつラジエータに近接して配置している。通常、エンジン右側方にラジエータを配置した場合には、該ラジエータに近接してオイルクーラやエアコンコンデンサ、これらの配管等が配置され、スペース的な余裕がない。また、高温となるDPFを機体側方の開閉自在なサイドカバーに近接して配置することは、安全上好ましくない。
【0005】
そこで、本発明は、エンジンルームだけでなく、脱穀部の空きスペースを利用してDPFを配置して、上述した課題を解決したコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機体フレーム(21)に載置され、エンジンルーム(11)に格納されるエンジン(E)と、前記機体フレーム(21)に載置され、前記エンジン(E)から排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を除去する粒子状物質除去装置(27)と、前処理部で刈取られた穀稈を脱穀する脱穀部(7)と、を備えたコンバイン(1)において、
前記エンジンルーム(11)を囲むように前記機体フレーム(21)から立設される複数のフレーム部材(31,32,33)と、
前記複数のフレーム部材(31,32,33)に支持され、前記エンジンルーム(11)の上方に配置されるエアクリーナルーム(12)を覆うエアクリーナルームカバー(35)と、を備え、
前記複数のフレーム部材(31,32,33)は、前記エンジン(E)の機体後方に配置されると共に前記エアクリーナルームカバー(35)の機体内側後部を支持する支柱(32)を有し、
前記粒子状物質除去装置(27)は、平面視において前記エンジンルーム(11)及び前記脱穀部(7)に重なるように、かつ前記支柱(32)に近接して配置されてなる、
ことを特徴とする。
【0007】
例えば図2を参照して、前記脱穀部(7)は、扱室に回転支持される扱胴と、前記扱室から漏下した選別物を風選別する選別風を起風する唐箕ファン(52)と、前記唐箕ファン(52)の回転軸(53)に設けられる駆動プーリ(55)と、前記エアクリーナルーム(12)と高さ方向において少なくとも一部がオーバーラップするように前記駆動プーリ(55)より上方に配置され、前記扱胴に駆動伝達可能な従動プーリ(57)と、前記駆動プーリ(55)及び前記従動プーリ(57)に巻き掛けられる伝動ベルト(60)と、を有し、
前記粒子状物質除去装置(27)は、前記伝動ベルト(60)の下方にて、平面視において該伝動ベルト(60)と一部重なるように配置されてなる。
【0009】
例えば図2及び図6を参照して、前記エンジン(E)の前記脱穀部(7)と反対側に配置されるラジエータ(24)及び該ラジエータ(24)を冷却する冷却ファン(25)と、
前記エンジン(E)と前記粒子状物質除去装置(27)を接続する接続パイプ(29)と、を備え、
前記接続パイプ(29)と前記粒子状物質除去装置(27)が接続される接続部(34)は、前記粒子状物質除去装置(27)の前記脱穀部(7)と反対側の端部(27a)かつ前記冷却ファン(25)の機体後方に配置されてなる。
【0010】
例えば図4を参照して、前記接続パイプ(29)は、前記支柱(32)の前記エンジン(E)と反対側を通ると共に、前記エンジンルーム(11)に格納されてなる。
【0011】
なお、上述カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、何ら本発明の構成を限定するものではない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明は、平面視において粒子状物質除去装置がエンジンルーム及び脱穀部に重なるように配置されたので、これらエンジンルーム及び脱穀部の空きスペースを有効に利用して、コンパクトに粒子状物質除去装置を配置することができる。また、粒子状物質除去装置がエンジンルームドアから所定距離離れて配置されているので、作業者が誤って高温となるDPFに触れてしまうことを防止して、安全性を向上することができる。また、粒子状物質除去装置がエアクリーナルームカバーを支持する支柱に近接して配置されるので、例えば粒子状物質除去装置に必要なセンサ類の配索に支柱を利用することができ、利便性を向上できる。
【0013】
請求項2に係る本発明は、粒子状物質除去装置が脱穀部の一部である伝動ベルトの下方に配置されるので、該伝動ベルト下方の空きスペースを利用して、コンパクトに粒子状物質除去装置を配置することができる。
【0015】
請求項に係る本発明は、接続部を脱穀部から離れた粒子状物質除去装置の端部に配置したので、脱穀部にて発生する藁屑が該接続部に堆積することを防止し、藁屑による粒子状物質除去装置の不具合を防止することができる。また、接続部が冷却ファンの機体後方に配置されたので、冷却ファンによって起風された冷却風が接続部近傍に吹付けて、藁屑の堆積を防止することができる。
【0016】
請求項に係る本発明は、接続パイプがエンジンルームに格納されるので、該接続パイプ内の排気ガスが高温を保ち、粒子状物質除去装置の性能の劣化を防止することができる。また、接続パイプが支柱のエンジンと反対側を通るので、粒子状物質除去装置をメンテナンスする際に、該粒子状物質除去装置をユニットとして簡単に取り外すことができ、メンテナンス性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係るコンバインを示す全体側面図。
図2】機体フレーム及びエンジンルームを示す平面図。
図3】エンジンルーム及び唐箕ファンを示す側面図。
図4】エンジンルーム及びDPFを示す左斜視図。
図5】エンジンルーム及びDPFをそれぞれカバーで覆った左斜視図。
図6】DPFの左側端部をDPFカバーで覆った右斜視図。
図7】DPFとDPFカバーの空隙を示す底面図。
図8】DPF、DPFカバー及び接続パイプを示す右側面図。
図9】DPFから後側パイプを取り外した状態を示す右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。コンバイン1は、図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置である走行装置2に支持された機体3を有しており、該機体3の前方には、圃場の穀稈を刈取る前処理部5が昇降自在に設けられている。上記機体3の前方一側方(機体右側)には、作業者が運転操作を行うキャビン6が設けられており、他側方(機体左側)には、上記前処理部5で刈取り・搬送された穀稈を脱穀処理及び選別処理する脱穀部7(図2参照)が設けられている。上記キャビン6の後方には、上記脱穀部7で脱穀・選別された穀粒を貯蔵するグレンタンク9が配置されており、該グレンタンク9の後方には、該グレンタンク9内に貯蔵された穀粒を機外に排出するための排出オーガ10が設けられている。
【0019】
上記キャビン6内の運転座席(不図示)の後下方には、ディーゼルエンジンからなるエンジンE(図2参照)が格納されているエンジンルーム11が配置されており、該エンジンルーム11の上方には、エアクリーナ(不図示)が収容されているエアクリーナルーム12が設けられている。上記エンジンルーム11と上記エアクリーナルーム12とは、仕切り壁13によって分離されており、上記エンジンルーム11と上記エアクリーナルーム12との間を後述する冷却風が行き来することのないように構成されている。
【0020】
上記エンジンルーム11は、上記キャビン6のドア15が設けられている上記機体3の右側面に吸気口16が開口しており、該吸気口16には、網状に形成された防塵網を有するエンジンルームドア17が開閉自在に取り付けられている。上記エアクリーナルーム12にも、同様にして、右側面に吸気口19が開口し、該吸気口19には、網状に形成された防塵網を有するエアクリーナルームドア20が開閉自在に取り付けられている。これらエンジンルームドア17及びエアクリーナルームドア20によって、藁屑等の異物がエンジンルーム11及びエアクリーナルーム12内に混入することを防止しつつ、その内部に冷却風を吸気できるように構成されている。
【0021】
一方、上記脱穀部7は、図2及び図3に示すように、上方の扱室(不図示)と、下方の選別室50と、に分かれて構成されており、扱室に軸51を介して回転支持される扱胴(不図示)によって脱穀された選別物は、選別室50に漏下する。該選別室50では、選別物は、揺動選別されると共に、選別風を起風する唐箕ファン52によって風選別されるようになっている。該脱穀部7への動力伝達は、まずエンジンEから上記唐箕ファン52の回転軸53に伝達される。そして、該回転軸53の右端に固定された駆動プーリ55と、中間軸56に固定された従動プーリ57と、にはテンションプーリ59によって緊張状態となった伝動ベルト60が巻き掛けられており、回転軸53から中間軸56へ回転伝達されるようになっている。中間軸56の回転は、軸、プーリ、ベルト、及びベベルギヤからなる伝動機構61を介して、扱胴の上記軸51に伝達される。
【0022】
上記エンジンEは、機体フレーム21に、防振ゴム22及びエンジンマウント23を介して載置されており、上記エンジンEの上記脱穀部7と反対側には、該エンジンEを冷却するラジエータ24と、エンジンルーム11内に冷却風を吸引して該ラジエータ24を冷却する冷却ファン25と、等が配置されている。上記冷却ファン25は、ベルト及びテンションプーリからなるファン駆動停止機構26によって、不図示のオルタネータやウォータポンプへの駆動を停止することなく駆動停止でき、エンジンルームドア17に付着した藁屑の除去ができるようになっている。
【0023】
エンジンEの後方かつ機体フレーム21上には、粒子状物質除去装置27(以下、DPFという)が配置されており、該DPF27は、上記エンジンEと接続パイプ29で接続されると共に、エンジンEから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、更に燃焼することで該粒子状物質を除去する。上記DPF27は、図2に示すように、平面視において上記エンジンEが格納されるエンジンルーム11及び上記脱穀部7に重なるように配置されている。上記脱穀部7は、脱穀を行うための部品全てから構成され、当然上記唐箕ファン52の回転軸53、駆動プーリ55、伝動ベルト60、従動プーリ57及び中間軸56も含まれる。より詳しく言えば、上記DPF27は、上記伝動ベルト60の下方にて、平面視において、該伝動ベルト60と一部重なるように配置されている。なお、上記エンジンルーム11の後端は、後述する後部エンジンカバー36によって区画される。このように上記DPF27を配置したので、エンジンルーム11及び脱穀部7の空きスペース、特に伝動ベルト60の下方の空きスペースを利用して、コンパクトにDPF27を配置することができる。また、DPF27は、エンジンルームドア17から所定距離離れて配置されているので、作業者が誤って高温となるDPFに触れてしまうことを防止して、安全性を向上することができる。
【0024】
上記機体フレーム21からは、図4ないし図6に示すように、上記エンジンルーム11を囲むように支柱31,32,33が立設しており、これら支柱31,32,33は、上記エアクリーナルーム12の上記エアクリーナルームドア20側及び仕切り壁13側の面以外の面を覆うエアクリーナルームカバー35を支持している。また、上記支柱33は、上記エンジンルーム11の後部側を覆う後部エンジンカバー36を支持している。上記DPF27は、その長手方向が機体左右方向となるように横置きされていると共に、上記後部エンジンカバー36の前方かつ上記エンジンEの後方に配置されている。上記支柱32は、上記DPF27に近接して配置されている。
【0025】
上記接続パイプ29と上記DPF27が接続される接続部34は、上記DPF27の上記脱穀部7と反対側、すなわち機体左右方向の右側端部27a、かつ上記冷却ファン25の後方に配置されている。このように、接続部34を脱穀部7から遠隔して配置したことで、脱穀部7にて発生する藁屑が接続部34に堆積することを防止し、藁屑によるDPF27の不具合を防止することができる。更に、上記接続部34が上記冷却ファン25の後方に配置されるので、冷却ファン25によって起風された冷却風が上記接続部34近傍に吹付けて、藁屑の堆積を確実に防止することができる。
【0026】
また、上記接続パイプ29は、上記エンジンEの後方において、前側パイプ29aと、後側パイプ29bと、に分割されている。上記前側パイプ29aと後側パイプ29bは、フランジ及びボルトからなるフランジ部29cによって接離自在に構成されている。上記前側パイプ29aは、図4に示すように、上記エンジンEの左上部から機体後方に延びる後方延出部37と、上記支柱32の近傍において、該支柱32に対して上記エンジンEの反対側を通って屈曲する屈曲部39と、該屈曲部39から下方傾斜して上記フランジ部29cへ延びる下方延出部40と、を有している。上記接続パイプ29を構成する、後方延出部37、屈曲部39及び下方延出部40を有する前側パイプ29aと、後側パイプ29bは、上記エンジンルーム11に格納されるようになっており、該接続パイプ29内の排気ガスは高温に保たれる。これにより、DPF27の性能の劣化を防止することができる。
【0027】
上記DPF27の機体左右方向の左側端部27bは、上記後部エンジンカバー36より機体左右方向左側に突出していると共に、その後端面からテールパイプ41が延出している。該テールパイプ41は、上記機体フレーム21の下方に延びて、排気音を減音するディフューザー42に接続されている。DPF27の上記左側端部27bは、その前側、後側、上側、及び左側を、それぞれ前カバー43a(図8及び図9参照),後カバー43b、上カバー43c及び左カバー43dによって覆われており、これら前カバー43a,後カバー43b、上カバー43c及び左カバー43dは、DPFカバー43を構成している。すなわち、該DPFカバー43は、機体右側及び機体下側は開放されて構成されている。
【0028】
上記前カバー43a、後カバー43b及び左カバー43dは、図7に示すように、上記DPF27に対してそれぞれ狭小な空隙d,e,fを有して配置されており、他方上記上カバー43cは、図8及び図9に示すように、上記DPF27に対して上記空隙d,e,fよりも大きい隙間gを有して設けられている。上記上カバー43cの近傍には、上記DPF27内に捕集された粒子状物質の量を検知する差圧センサや、DPF27内の温度を検知する温度センサ等からなるセンサ群45が配置されている。上記DPF27と上記支柱32は近接して配置されているため、例えば配線を支柱32にクランプすることで、上記センサ群45の配索に支柱32を利用することができ、利便性を向上することができる。
【0029】
上記後カバー43bは、上記後部エンジンカバー36と面一となって連続して形成されていると共に、上記テールパイプ41の上記DPF27との接続部分を覆うテールパイプカバー46と、該テールパイプカバー46の上方に設けられる矩形の孔47と、が形成されている。上記DPF27の後方は、その左側端部27bが後カバー43bで覆われ、該左側端部27b以外の部分が上記後部エンジンカバー36で覆われているが、本来エンジンルーム11の後方を覆う後部エンジンカバー36をDPF27のカバーとして共用しているため、コストダウンすることができる。また、DPFカバー43は、脱穀部7側の左側面も左カバー43dによって覆われ、かつ後部エンジンカバー36に面一に形成されているため、脱穀部7で発生する藁屑がDPF27に堆積するのを防止することができる。上記テールパイプカバー46は、その上面が後方に傾斜して形成されており、上記DPFカバー43内に藁屑等が侵入しないようになっている。
【0030】
本実施の形態は、以上のような構成からなるので、DPF27を機体フレーム21から取り外してメンテナンスする際には、グレンタンク9を開いて、エンジンルーム11の後方からアクセスする。そして、後部エンジンカバー36及びDPFカバー43を取り外してDPF27を露出させる。
【0031】
その後、接続パイプ29のフランジ部29cにてボルトを外して、前側パイプ29aと後側パイプ29bを分離すると共に、テールパイプ41をDPF27から取り外す。これにより、DPF27及び後側パイプ29bを機体3の外方に取り外すことができる。この際、前側パイプ29aが支柱32のエンジンEと反対側を迂回して配索されているので、フランジ部29cのボルトの脱着や、DPF27及び後側パイプ29bの脱着をする際に操作性が良く、メンテナンス性を向上することができる。
【0032】
また、接続パイプ29がフランジ部29cにて接離自在に分割されているので、DPF27をメンテナンスのために取り外す際に、重量のある接続パイプを分割部分から取り外すことができ、メンテナンス性を向上することができる。また、接続パイプ29の後側パイプ29bのみを取り外すことができるので、DPF側からエンジン周りの部品に簡単にアクセスすることができ、メンテナンス性を向上することができる。更に、接続パイプ29の組立時に、重量のあるパイプを一度で組み付ける必要が無く、組み付け性が良い。
【0033】
なお、本実施の形態では、伝動ベルト60の下方にDPF27を配置したが、伝動ベルト60に拘らず、平面視において脱穀部7を構成する部品及びエンジンルーム11にDPF27が重なるように配置されるのであれば、DPF27はどこに配置されてもよい。
【0034】
また、コンバイン1に圃場の凹凸に応じてクローラ高さを上下させる車体水平制御装置を設け、DPF27を再生する際には、クローラ高さを最大にするように制御する構成として、圃場の排藁と高温となるDPFを遠隔するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 コンバイン
7 脱穀部
11 エンジンルーム
21 機体フレーム
24 ラジエータ
25 冷却ファン
27 DPF(粒子状物質除去装置)
27a 右側端部(反対側の端部)
29 接続パイプ
32 支柱(フレーム部材)
34 接続部
51 軸
52 唐箕ファン
53 回転軸
60 伝動ベルト
E エンジン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9