(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明では、汚泥廃棄物やガスの流れ方向を基準として「上流」、「下流」といった表現を用いることもある。
【0012】
図1の汚泥乾燥設備1は、汚泥供給源としての受入れホッパ10と、その下流側に配置された混合機15と、混合機15から排出された汚泥廃棄物を解砕する解砕機31と、その下流側に配置された固気分離手段としてのサイクロン35、36と、循環する乾燥用ガス(循環空気)を昇温させる熱交換器50等を備えている。この実施形態では、また、セメント製造設備120が併設されており、このセメント製造設備120からの廃熱が熱交換器50に供給されるようになっている。
【0013】
受入れホッパ10は、乾燥前の汚泥廃棄物を受け入れる部分である。汚泥廃棄物としては、限定されるものではないが、家畜ふん尿や下水汚泥等であってもよい。受入れホッパ10に供給された汚泥廃棄物は、供給ポンプ11等により下流側へと送られる。具体的には、この例では、供給ポンプ11出口と混合機15とが搬送路81で接続されており、汚泥廃棄物はこの搬送路81経由で混合機15へと送られる。
【0014】
混合機15は、送られてきた乾燥前の汚泥廃棄物と、乾燥後の汚泥廃棄物(詳細後述)とを混合する装置である。混合機15により混合された汚泥廃棄物は汚泥循環路(詳細後述)内に送られる。
【0015】
ここで、本実施形態の汚泥循環路について説明すると、この例では、混合機15と解砕機31とを結ぶ循環ライン82と、解砕機31とサイクロン35、36とを結ぶ循環ライン83と、サイクロン35、36の固体出口側と混合機15とを結ぶ循環ライン84、85とを有している。汚泥廃棄物は、大まかに言えば、この循環路(82〜85)内を後述する乾燥用ガスによって気体搬送されながら解砕機31により粉砕され、次いで、サイクロン35、36によって固気分離され、それにより分離された乾燥固形物がサイクロン出口側から排出され振分手段39によって振り分けられ、セメント製造設備120側へと送られる流れとなっている。
【0016】
本実施形態においては上記のような汚泥循環路の他に(一部は共通する)、乾燥用ガスの循環経路も設けられている。具体的には、(a)サイクロン35、36の気体出口側からの出口ガスを下流側に搬送するガスライン87と、(b1)ガスライン87の途中から分岐し熱交換器50へと向かう熱交換ライン88Aと、(b2)熱交換器50を迂回するバイパスライン88Bと、(c)熱交換器50からの乾燥用ガスを汚泥循環路(82〜85)に戻す戻りガスライン89とが設けられている。
【0017】
戻りガスライン89は、熱交換器出口から延び出しその末端側が汚泥の循環ライン82の途中に接続され(接続部P1)ている。これにより、高温の乾燥用ガスが循環ライン82に吹き込み、汚泥が気体搬送されるように構成されている。戻りガスライン89の接続部P1より上流側には、内部のガス温度を計測する温度計22が設けられていてもよい。また、ガス流量を計測する流量計(不図示)が設けられていてもよい。なお、温度計22は、ガス温度を計測できるものであればどのような方式のものであっても構わないが、例えばアナログ表示部またはディジタル表示部を有するものであってもよい。
【0018】
解砕機31は、送られてきた汚泥廃棄物を細かく粉砕するものである。解砕機31としては特に限定されるものではなく、例えば、特開2000−65476で用いられているようなものを利用してもよい。解砕機31から排出された汚泥廃棄物は循環ライン83経由でサイクロン35、36へと送られる。
【0019】
本実施形態では解砕機31の上流側および下流側に汚泥廃棄物を冷却するための冷却装置71、72が設けられている。冷却装置71、72としては、種々のものを利用可能であるが、例えば汚泥廃棄物に対して散水を行う散水装置(ミスト噴霧装置)を使用してもよい。散水装置に代えてまたは散水装置とともに、搬送路内に不活性ガスを供給し発火を防止する不活性ガス供給装置が設けられていてもよい。上流側の冷却装置71としては、汚泥循環路82のうち配管接続部P1に設けられていてもよいし、または、配管接続部P1と解砕機31との間に設けられていてもよい。
【0020】
上流側の冷却装置71および下流側の冷却装置72は、必ずしも両方が配設されている必要はなく、いずれか一方のみであってもよい。また、各冷却装置71、72の例えば散水装置に関して、その個数は限定されるものではなく、1機、2機、又は3機以上としてもよい。一例で、上流側の冷却装置71として2機の散水装置、下流側の冷却装置72として2機の散水装置を配設するようにしてもよい。散水装置は、その散水量が調整可能なものが好ましく、制御は、作業者によって手動で操作されるものであってもよいし、または、制御回路(例えばコンピュータユニット)等で自動制御されるものであってもよい。後者の場合、散水量を調整する不図示の駆動機構と、その駆動機構の動作を制御する制御回路とを有し、この制御回路が所定の判定を行い、その結果に基いて駆動機構の動作を制御する構成としてもよい。
【0021】
不活性ガス供給装置に関しても、散水装置同様、その個数は限定されるものではなく、解砕機の上流側および/または下流側でそれぞれ1機、2機、又は3機以上としてもよい。また、不活性ガス供給装置も、そのガス供給量が調整可能なものが好ましく、制御は、作業者によって手動で操作されるものであってもよいし、または、制御回路(例えばコンピュータユニット)等で自動制御されるものであってもよい。後者の場合には、散水装置と同様、ガス供給量を調整する不図示の駆動機構と、その駆動機構の動作を制御する制御回路とを有し、この制御回路が所定の判定を行い、その結果に基いて駆動機構の動作を制御する構成としてもよい。
【0022】
サイクロン35、36は固気分離を行うものであり、ここでは一例として、2基のサイクロンを並列に接続した構成となっている。サイクロン35、36の出口ガスの一部は乾燥用ガスとして循環利用され、分離された乾燥固形物はセメント製造設備120側に送られるか、または、混合機15側(すなわち汚泥循環路内)に戻される。なお、各サイクロン35、36の下流には従来公知のロータリバルブRVが配置されていてもよい。
【0023】
続いて、熱交換器50およびその周辺のガス循環路の構成について詳しく説明する。
【0024】
熱交換器50は、外部の熱源を利用して、乾燥用ガスを昇温させる役割を果たす。一例として、この例では、セメント製造設備120の排ガスが利用されるようになっている。
【0025】
本実施形態においては、上述したように、ガスライン87の途中(分岐部P2)から熱交換ライン88Aと、バイパスライン88Bとが分岐しており、これにより、熱交換器50へのラインと、熱交換器50を迂回して戻りガスライン89へと接続するラインとが形成されている。その結果、熱交換器50を通過するガスは昇温され、迂回するガスは昇温されないこととなる。
【0026】
なお、特に限定されるものではないが、分岐部P2の上流側においては、ガスライン87上に、ガス流量を計測する風量計21、流路開閉用の弁V3、およびガスを下流側に送り出す乾燥ファンB1等が設けられていてもよい。
【0027】
また、熱交換ライン88Aおよびバイパスライン88Bのそれぞれにも、流路開閉用の弁V1、V2が配置されており、この弁V1、V2を操作することで、流路の開閉を調節することができるようになっている。
【0028】
なお、弁V1、V2は、作業者によって手動で操作(開閉および/または開度調整)されるものであってもよい。
【0029】
別の実施態様としては、弁V1、V2の開閉および/または開度調整を行う不図示の駆動機構と、その駆動機構の動作を自動制御する制御回路(例えばコンピュータユニット)とを有し、この制御回路が所定の判定を行うことで駆動機構の動作を制御する構成としてもよい。
【0030】
セメント製造設備120としては、従来公知の様々な種類のものを利用可能であり、特定の構造に限定されるものではない。例えば、特許第4445147号に開示されたようなもの、すなわち、
−汚泥ケーキと後述の気流乾燥機で乾燥された乾燥粉の一部とを混合する混合部と、
−この混合部からの混合粉を熱風流とともに解砕する解砕機と、
−解砕された粉体を気流乾燥させる略鉛直方向の乾燥ダクトと、
−この乾燥ダクトの上端に接続された集塵器と、
−この集塵器の上部に接続された乾燥機排ガスダクトと、
−この集塵器の下部に排出機を介して接続された乾粉供給装置を付属する乾粉供給タンクとを有する気流乾燥機と、
−複数段のサイクロンからなるサスペンションプレヒータと、
−このサスペンションプレヒータの最下段のサイクロンに連結された仮焼炉と、
−この仮焼炉および最下段のサイクロンに入口フッドを介して接続されたロータリキルンと、
−このロータリキルンの出口部に連結されたクーラとを有するセメント焼成装置と、
を備えるセメント製造設備であってもよい。
【0031】
再び
図1を参照し、この例では、セメント製造設備120として、原料等の受入部を構成するエレベータ63、原料タンク65、ロータリバルブRV、貫流フィーダ67、ルーツブロワ69等が設けられている。これらにより乾燥原料がサスペンションプレヒータ121の下部に供給され、ロータリキルン125内にて燃焼されるようになっている。ロータリキルン125の廃熱は、ガスライン91を通じてサイクロン135、136へと送られ、さらに、ガスライン93を通じて熱交換器50へと供給される。
【0032】
熱交換器50から出た出口ガスは、ガスライン94経由でセメント製造設備120側に戻されるように構成されていてもよい。この例では、ガスライン94上に、弁V5および熱風ファンB3が設けられている。また、熱交換ライン88Aの途中から分岐したガスライン97を通じて、ガスがセメント製造設備120の燃焼用ガス流路127へ送られるように構成されていてもよい。サイクロン135、136により分離された固形物は、スクリューコンベア137やルーツブロワ138を利用して搬送路92経由でセメント製造設備120側に戻されるようになっていてもよい。
【0033】
以上のように構成された本実施形態の汚泥乾燥装置1の基本的動作について、以下、説明する。
【0034】
まず、処理の対象となる汚泥廃棄物が受入れホッパ10に供給され、供給ポンプ11により、搬送路81経由で混合機15へと送られる。ここで混合された汚泥廃棄物は、次いで、混合機15の出口から汚泥の循環ライン82へと排出される。汚泥廃棄物がロータリバルブRVを通過し接続部P1まで達すると、ここには熱交換器50側からの乾燥用ガスが吹き込むようになっているので、汚泥廃棄物は次いで乾燥用ガスによって気体搬送され、解砕機31へと送られる。
【0035】
次いで、解砕機31内で、汚泥廃棄物は細かく解砕されて、より下流側へと気体搬送されサイクロン35、36に送られて固気分離が行われる。分離された固形物はセメント製造設備120側に送られるか、または、混合機15へと戻される。なお、セメント製造設備120側に固形物を送る際、例えば流量計61でその量を測っても良いし、また、ロータリバルブRVを利用するなどしてもよい。
【0036】
両サイクロン35、36の出口ガスは、ガスライン87を通って、下流の熱交換機50側へと送られる。ガスライン87内を通る乾燥用ガスは、風量および温度の少なくとも1つが測定されるようになっていてもよい。なお、この状態では、弁V3は開いており、また、弁V1およびV2に関しては一方または両方が開いている。
【0037】
熱交換器50を通過させるガス流量の調整については、一例として、
図2に示すようなフローチャートにしたがって制御することができる。
【0038】
まず、本設備の動作開始後(一例)、ステップS1において、解砕機入口温度の設定を行う。この「解砕機入口温度」とは、解砕機31の上流側(特には、一例として接続部P1の上流側)の乾燥用ガスの温度のことをいう。一例として、解砕機入口温度のこの設定値は150℃〜350℃程度の範囲内であってもよい。なお、こうした設定値の決定(ステップS1)は、汚泥廃棄物の乾燥動作の開始後ではなく、開始前に予め行っていてもよい。
【0039】
次いで、ステップS2において、解砕機入口温度の測定を行う。このステップは、例えば作業者が温度計22を見ることにより行われるものであってもよい。または、コンピュータ等の制御回路が温度計22からその検出値の情報を得ることにより行われるものであってもよい。
【0040】
次いで、ステップS3において、設定温度と測定値との比較を行い、設定温度が測定値より高いか否かの判定を行う。設定温度が測定値より高かった場合(Yesの場合)は、循環路内の乾燥用ガスの温度が低いということであるので、ステップS4において、熱交換器50による昇温作用を増加させるように、流路開度の調整を行う。具体的には、弁を操作し、(a)熱交換ライン88Aの開度を上げつつバイパスライン88Bの開度を下げる、または(b)熱交換ライン88Aは完全に開放させバイパスライン88Bのみを閉塞するようにする。このようにすることで、ガスの昇温作用が増加するので、乾燥用ガスの温度を徐々に上昇させることができる。
【0041】
一方、ステップS3において、設定温度が測定値以下だった場合(Noの場合)、循環路内の乾燥用ガスの温度が高いということであるので、ステップS5において、ガスの昇温作用を低減させるように、上記とは逆に、流路開度の調整を行えばよい。これにより、解砕機31に送られる乾燥用ガスの温度を徐々に低減させることができる。
【0042】
上記ステップに関しても、やはり、作業者により行われるものであってもよいし、または、制御回路からの動作信号に基づいて不図示の駆動機構が自動で弁の開閉を行うものであってもよい。
【0043】
従来の汚泥乾燥設備では、コントロールすべき乾燥排ガスの温度が例えば115℃程度となるように、熱交換器へ循環させるラインと、循環させないラインとの風量バランスを単に制御するものが一般的であった。そして、特に、熱交換器の熱源としてセメント製造設備からの廃熱を利用するような場合には、セメント製造プロセスの運転状況により、廃熱の温度が一例で400℃に対して±30℃程度変動することもある。また、汚泥廃棄物自体も、その含水率が例えば80%〜85%の範囲で変動するものである。そのため、サイクロン35、36と乾燥ファンB1との間の乾燥排ガスの温度を所定温度に制御しようとしても、±5℃程度の温度変動が発生することとなる。
【0044】
これに対して本実施形態の構成によれば、戻りガスライン89とバイパスライン88Bとが合流する箇所より下流の地点を制御対象として、熱交換器50への循環風量およびバイパス風量を制御するものであるので、乾燥排ガスの温度の安定化を実現することが可能となる。その結果、製品(乾燥汚泥)の含水量が安定することとなり、乾燥設備の処理能力の変動も小さくなり、例えば解砕機過負荷等のトラブルの発生も抑制される。
【0045】
(運転停止後の動作)
次に、運転停止後の動作について
図3のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、ここでは冷却装置71、72としてそれぞれ2本ずつの散水装置(以下、「散水装置71、72」という)が配設されているものとして説明する。また、以下に説明する各ステップは一例でそれぞれ作業者によって実行されるものとする。
【0046】
まず、運転停止後ステップS11において、4本全ての散水装置から散水を開始する。
【0047】
次いで、乾燥排ガス温度の測定を行い(例えば、風量計21付近におけるガス温度を測定する)、ステップS12において、排ガスの温度が所定の温度(例えば105℃)を下回ったか否かの判定を行う。下回っていない場合には、ステップS11に戻り冷却を継続する。
【0048】
排ガスの温度が所定の温度(例えば105℃)を下回っていた場合、一例として次のような手順により、徐々に散水装置71、72の動作を停止させていく。
【0049】
ステップS13aにおいて、冷却を、一例として1分継続した後、ステップS13bにおいて散水装置72のうち相対的に下流側(解砕機31の出口上段側)の装置の動作を停止させる。
【0050】
その後、ステップS14aにおいて散水を行い、一例として4分経過後、ステップS14bにおいて散水装置72のうち相対的に上流側(解砕機31の出口下段側)の装置の動作を停止させる。
【0051】
その後、ステップS15aにおいて散水を行い、一例として7分経過後、ステップ15bにおいて散水装置71のうち相対的に下流側(解砕機31の入口下段側)の装置の動作を停止させる。
【0052】
この例では、その後、ステップS15cにおいて一例で3分間の待機(すなわち先のステップの終了から3分間の待機)を行い、次いで、ステップS15dで、乾燥排ガスの温度が所定の温度(例えば115℃)を上回ったか否かの判定を行う。
【0053】
上回っていない場合、後述するステップS16aに移動する。一方、上回っていた場合、ステップS15eにおいて、解砕機31の入口下段側の装置の動作を再開して冷却を継続し、ステップS15aに戻ってそれ以降のステップを繰り返す。
【0054】
ステップS15dによる判定の結果、乾燥排ガス温度が所定温度を上回っていなかったと判定された場合、ステップS16aにおいて散水を行い、一例として10分経過後、ステップS16bにおいて、散水装置71のうち相対的に上流側の装置の動作を停止させる。
【0055】
上記同様、その後、ステップS16cにおいて一例で3分間の待機(すなわち先のステップの終了から3分間の待機)を行い、次いで、ステップS16dで、乾燥排ガスの温度が所定の温度(例えば115℃)を上回ったか否かの判定を行う。上回っていない場合、一連の動作停止手順を完了する。
【0056】
一方、上回っていた場合、ステップS16eにおいて、解砕機31の入口上段側の装置の動作を再開して冷却を継続し、ステップS16aに戻ってそれ以降のステップを繰り返す。
【0057】
以上説明したような本実施形態の構成によれば次のような作用効果が得られる。すなわち、汚泥乾燥装置を停止させた際の冷却手段として空気を用いた場合、システムが有する蓄熱と空気中の酸素により汚泥が発火するおそれがあるため空気供給量を抑制せざるを得ず、冷却に時間がかかる。とりわけ大規模な乾燥システムの場合、システム全体の熱容量が大きいためさらなる時間を要していた。これに対して本実施形態の構成によれば、散水装置71、72を用いて汚泥廃棄物の冷却を行うことができるので、汚泥の発火等を抑制するとともに、システム全体を速やかに冷却することができる。
【0058】
なお、以上、本発明の一形態について具体的な例に沿って説明したが、本発明は必ずしも上記の具体的構成、手順に限定されるものではない。汚泥乾燥設備1の各部装置等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0059】
本発明において、例えば、「装置」や「手段」と言った場合、それらは必ずしも物理的に1つのものとして構成されているものに限定されるものではない。複数の装置等が組み合わされて、所定の機能を発揮する「装置」を構成するようなものであってもよい。
【0060】
上記実施形態では、「搬送路」や「ライン」といった用語を用いて、汚泥廃棄物や乾燥用ガスの経路の説明を行ったが、これらの「搬送路」や「ライン」の引き回しも適宜変更可能である。また、流路の開閉を行う弁やロータリバルブに関しても、その数や配置位置を適宜変更可能である。
【0061】
図3に例示したフローチャート内におけるステップの順番や時間等については適宜変更可能であることは言うまでもない。上述の例では、ステップS13a、ステップS14a、ステップS15a、ステップS16aそれぞれの継続時間を徐々に長くなるようなものとしたが、それに限定されるものでない。
【0062】
(付記)
本出願は下記の発明を開示する:
1.汚泥供給源(10)と、
循環空気を昇温させる熱交換器(50)と、
前記循環空気により汚泥を乾燥させるとともに、この汚泥を解砕する解砕機(31)と、
前記解砕機の上流と下流とを接続する汚泥循環路(82〜85)と、
前記汚泥循環路であって前記解砕機の下流側に設けられた固気分離手段(35、36)と、
前記固気分離手段の下流から、乾燥後の汚泥を一部外部に排出する分岐手段(39)と
を備え、
前記汚泥循環路であって前記固気分離手段の下流側に設けられ、乾燥後の汚泥と、前記汚泥供給源から供給された乾燥前の汚泥とを混合し、排出する混合機(15)と、
前記汚泥循環路であって前記熱交換器と接続し、前記混合機の下流側に前記循環空気を供給する配管接続部(P1)とを有し、
前記汚泥循環路に接続し、昇温前の前記循環空気を前記熱交換器に供給するとともに、昇温後の前記循環空気を前記汚泥循環路に戻す熱交換ライン(88A)と、
前記熱交換ラインと並列に設けられ、前記熱交換器を介さずに前記循環空気を前記汚泥循環路に戻すバイパスライン(88B)と
をさらに備え、
前記配管接続部(P1)と解砕機(31)の間に、前記汚泥を冷却する冷却手段(71)を設け、
前記冷却手段は、散水または不活性ガス散布により冷却を行うこと
を特徴とする汚泥乾燥装置の冷却設備。
【0063】
上述したように、汚泥乾燥装置を停止させた際の冷却手段として空気を用いた場合、システムが有する蓄熱と空気中の酸素により汚泥が発火するおそれがあるため空気供給量を抑制せざるを得ず、冷却に時間がかかる。とりわけ大規模な乾燥システムの場合、システム全体の熱容量が大きいためさらなる時間を要していた。一方、このような構成によれば、冷却空気が汚泥と混合される直前に冷却を行うことで汚泥の発火を抑制するとともに、システム全体を速やかに冷却することができる。
【0064】
2.上記記載の汚泥乾燥装置の冷却設備において、前記解砕機の下流側に、さらに冷却手段を設けたことを特徴とする汚泥乾燥装置の冷却設備。これによれば、冷却効率をさらに向上させることができる。
【0065】
3.上記記載の汚泥乾燥装置の冷却設備において、前記熱交換器は、セメント製造設備の廃熱を熱源とすることを特徴とする汚泥乾燥装置の冷却設備。これによれば、セメント製造設備の廃熱を有効活用できる。
【0066】
4.上記記載の汚泥乾燥装置の冷却設備において、前記乾燥後の汚泥は、セメント製造設備に供給されることを特徴とする汚泥乾燥装置の冷却設備。これによれば、乾燥後の汚泥をセメント製造の原料、燃料として有効活用できる。同時に循環空気の熱源としてセメント製造設備の廃熱を利用することにより、システム全体の熱効率をさらに向上させることができる。
【0067】
5.上記記載の汚泥乾燥装置の冷却設備において、前記冷却手段の冷却能力を制御する制御部を設け、前記制御部は、この汚泥乾燥装置の停止時において前記配管接続部における前記循環空気の温度が所定温度を上回った場合、冷却を行うことを特徴とする汚泥乾燥装置の冷却設備。これによれば、所定温度が上回った場合に冷却を行うことで、効率的な冷却を行うことができる。