【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するための本発明の空気吹出装置は、吸気口及び吹出口を画成する「筐体」と、前記吸気口から前記吹出口に向かう空気の流れ方向及び量を調整可能な「吸気弁」と、前記吹出口を通る空気の流れ方向を調整可能な「風向調整板」と、を備える。
【0010】
具体的には、前記筐体は、
一端が開口端であり且つ他端が閉じた筒形状を有し、前記吸気口として一の側面に開口する「第1吸気口」及び前記第1吸気口に向き合うように他の側面に開口する「第2吸気口」を有し、前記吹出口として前記開口端を有する、ように構成されている。
【0011】
更に、前記風向調整板は、
前記筐体の軸線に垂直な回動軸周りに回動可能に前記吹出口の近傍に設けられている。
【0012】
加えて、前記吸気弁は、
互いに連動して回動可能な「第1弁」及び「第2弁」を含み、より具体的には、
該第1弁が、前記第1吸気口を覆う板形状を有し、
該第2弁が、前記第2吸気口を覆う板形状を有し、
該第1弁の回動軸が、前記風向調整板の回動軸及び前記筐体の軸線の双方に垂直であると共に、該第1弁の前記他端側の端部を通過し、
該第2弁の回動軸が、前記風向調整板の回動軸及び前記筐体の軸線の双方に垂直であると共に、該第2弁の前記他端側の端部を通過する、
ように構成されている。
【0013】
上記構成によれば、冷暖房用等の空気は、筐体の「側面」に互いに「向き合うように」開口した「第1吸気口」及び「第2吸気口」を介して筐体の内側に取り込まれ、筐体の開口端である「吹出口」から吹き出される。このとき、吹き出し空気流の流れ方向等は、各吸気口を開閉する「吸気弁」及び「吹出口の近傍に設けられ」る「風向調整板」により、調整される。
【0014】
具体的には、「第1吸気口を覆う板形状を有」する「第1弁」が「他端側の端部を通過」する回動軸周りに回動することにより、第1吸気口が開閉される。更に、第1弁の回動角度に対応し、「前記吸気口から前記吹出口に向かう空気の流れ方向及び量」が調整される。同様に、「第2吸気口を覆う板形状を有」する「第2弁」が「他端側の端部を通過」する回動軸周りに回動することにより、第2吸気口が開閉される。更に、第2弁の回動角度に対応し、「前記吸気口から前記吹出口に向かう空気の流れ方向及び量」が調整される。
【0015】
更に、風向調整板の回動軸が「前記筐体の軸線に垂直」であり、各吸気弁(第1弁および第2弁)の回動軸が「前記風向調整板の回動軸及び前記筐体の軸線の双方に垂直」であるので、風向調整板と、各吸気弁(第1弁および第2弁)とは、それらの回動軸が垂直な位置関係にあるように配置されている。
【0016】
よって、第1弁および第2弁の回動角度を「互いに連動」させながら操作すれば、吹き出し空気流の「量」に加え、それら吸気弁の回動方向に対応した方向(例えば、空気吹出装置の左右方向)において、吹き出し空気流の「流れ方向」を調整できる。更に、風向調整板の回動角度を操作すれば、各吸気弁の回動方向に垂直な方向(例えば、空気吹出装置の上下方向)において、吹き出し空気流の「流れ方向」を調整できる。加えて、筐体の「側面」に吸気口が存在するので、空気吹出装置の背面空間の大小にかかわらず、効率良く筐体内に空気を取り込むことができる(例えば、
図1を参照。)。
【0017】
したがって、本発明の空気吹出装置は、従来装置のような背面吸気型の空気吹出装置に比べ、背面空間に余裕が無い場所に対しても空気吹出装置としての性能を損なうことなく設置することが可能である。
【0018】
以上、本発明の空気吹出装置の構成・効果について説明した。次いで、以下、本発明の空気吹出装置のいくつかの態様(態様1,2)について述べる。
【0019】
・態様1
本発明の空気吹出装置において、第1弁および第2弁は、吹き出し空気流の流れ方向および量を調整可能であるように「互いに連動して回動可能」であればよく、具体的な連動の態様は特に制限されない。
【0020】
例えば、前記第1弁及び前記第2弁は、
前記第1吸気口及び前記第2吸気口の双方を閉じる「第1状態」、
前記第1吸気口のみを開く「第2状態」、
前記第1吸気口及び前記第2吸気口の双方を開く「第3状態」、及び、
前記第2吸気口のみを開く「第4状態」、
の順に前記吸気口を開閉するように互いに連動して回動する、ように構成され得る(例えば、
図3〜
図6を参照。)。
【0021】
上記構成によれば、吸気弁が「第1状態」にある場合、筐体の内部に空気が取り込まれないため、吹き出し空気流の量はゼロとなる。
【0022】
次いで、吸気弁が「第2状態」にある場合、第1吸気口のみを通って筐体の内部に空気が取り込まれるため、吹き出し空気流の流れ方向が、第1弁の回動角度に対応して変化することになる(例えば、第1吸気口から離れるような斜め方向に、吹き出し空気流が流れる。)。
【0023】
更に、吸気弁が「第3状態」にある場合、第1吸気口および第2吸気口の双方を通って筐体の内部に空気が取り込まれ、それら空気が筐体の内部又は外部にて衝突・合流するため、吹き出し空気流の流れ方向が、第1弁および第2弁の回動角度に対応して変化することになる(例えば、空気吹出装置の軸線周辺の正面方向に、吹き出し空気流が流れる。)。
【0024】
加えて、吸気弁が「第4状態」にある場合、第2吸気口のみを通って筐体の内部に空気が取り込まれるため、吹き出し空気流の流れ方向が、第2弁の回動角度に対応して変化することになる。第2吸気口は第1吸気口に向き合うように開口しているので、第4状態における吹き出し空気流の流れ方向は、第2状態における吹き出し空気流の流れ方向とは逆方向となる(例えば、第2吸気口から離れるような斜め方向に、吹き出し空気流が流れる。)。
【0025】
よって、吸気弁が第1状態〜第4状態の順に状態を変化させながら回動すると、吹き出し空気流の流れ方向および量は、例えば、無風状態、第1吸気口から離れる斜め方向、軸線周辺の正面方向、及び、第2吸気口から離れる斜め方向の順に、規則正しく変化することになる。
【0026】
よって、本態様の空気吹出装置は、吹き出し空気流の流れ方向および量を規則正しく調整することができ、空気吹出装置の使い易さを高めることができる。
【0027】
なお、第1吸気口又は第2吸気口を「閉じる」とは、第1吸気口又は第2吸気口を空気が通過することを禁止する、と言い換え得る。更に、第1吸気口又は第2吸気口を「開く」とは、第1吸気口又は第2吸気口を空気が通過することを許可する、と言い換え得る。
【0028】
・態様2
本発明の空気吹出装置において、第1弁および第2弁の位置関係は、筐体の形状、並びに、空気吹出装置に要求される吹き出し空気流の量および指向性等を考慮して定められれば良く、特に制限されない。
【0029】
例えば、第1弁及び前記第2弁は、
前記第1弁の前記吹出口側の端部と、前記第2弁の前記吹出口側の端部と、が接触しないように互いに連動して回動する、ように構成され得る。
【0030】
上記構成によれば、第1弁および第2弁が同時に回動する場合(例えば、吸気弁が上記第3状態にある場合)であっても、一方の吸気弁の回動が他方の吸気弁の回動を邪魔することがない。よって、第1弁および第2弁が接触する場合に比べ、吹き出し空気流の流れ方向をより広範囲において調整でき、吹き出し空気流の指向性を更に向上できる。