特許第6294162号(P6294162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294162
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】扉用ピボットヒンジ
(51)【国際特許分類】
   E05D 7/081 20060101AFI20180305BHJP
   E05D 7/10 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   E05D7/081
   E05D7/10
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-116406(P2014-116406)
(22)【出願日】2014年6月5日
(65)【公開番号】特開2015-229864(P2015-229864A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2017年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000131511
【氏名又は名称】株式会社シブタニ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】福井 昭浩
【審査官】 桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−088405(JP,A)
【文献】 特開2006−214165(JP,A)
【文献】 実公昭32−004183(JP,Y1)
【文献】 実開平03−024584(JP,U)
【文献】 米国特許第05483770(US,A)
【文献】 米国特許第04620392(US,A)
【文献】 特開平08−303096(JP,A)
【文献】 特開平08−135289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 7/081
E05D 7/10
E05D 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピボット軸を有し、そのピボット軸を下向きとして扉枠の一側上部に取り付けられるブラケットと、扉の一側上部に埋設される軸受具とからなり、
前記軸受具が、扉の一側上部に形成される嵌合凹部に収容されて扉にねじ止めされるケースと、そのケースに形成された上面開口の収容空間内に組み込まれたスライダと、そのスライダに形成された上面開口のガイド孔内に組み込まれ、昇降量規制手段によって昇降ストローク量が規制され、前記ピボット軸と上下で対向する下降位置から上昇することによって前記ピボット軸に嵌合する軸受筒と、その軸受筒を上向きに付勢する弾性部材とを備え、
前記軸受筒を下降位置で仮止めし、前記ケースの一側上部に形成された挿入溝および前記スライダの一側上部に設けられたガイド溝からガイド孔内に挿入される前記ピボット軸の押し込みにより仮止めが解除される仮止め機能および前記弾性部材の押圧により軸受筒が上限位置まで上昇した際に軸受筒をロックするロック機能を有するロック手段を設けた扉用ピボットヒンジ。
【請求項2】
前記ロック手段が、軸受筒の外周他側に係合凹部を設け、前記スライダの他側上部には、前記軸受筒の上昇位置で前記係合凹部と対向する位置に挿通孔を形成し、その挿通孔に向けて移動自在に支持され、ラッチばねにより挿通孔に向けて付勢されたラッチ部材の付勢方向先端部に、前記挿通孔からガイド孔内に出没自在とされ、軸受筒の上端面に対する係合によって軸受筒を下降位置で仮止めし、前記係合凹部に対する係合によって軸受筒を上昇位置でロックする係合突部を設けた構成からなる請求項1に記載の扉用ピボットヒンジ。
【請求項3】
前記昇降量規制手段が、前記スライダの一側部に形成された上下方向に長い長孔と、その長孔から前記軸受筒にねじ込まれて昇降自在とされ、前記ケースの一側部に形成された上下方向に長い窓から回動操作が可能なビスとからなる請求項1又は2に記載の扉用ピボットヒンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、扉の上部を開閉自在に支持するピボットヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関等の出入口を開閉する扉の取り付けに蝶番を採用することは一般的に行われているが、蝶番を用いる扉の取り付けには、扉の吊り込みを維持する状態で位置合わせやねじ止め等の作業を行う必要があるため、二人の作業者を必要とし、非常に手間がかかるという不都合がある。
【0003】
そのような不都合を解消するため、特許文献1に記載されたヒンジ装置においては、扉枠の一側上下に雄部材を取り付け、一方、扉の一側上下に雌部材を取り付け、下部の雄部材に設けられたヒンジ軸に下部の雌部材に設けられたヒンジ孔を嵌め合せて扉の下部を回動自在に支持する状態で扉を閉扉時の垂直姿勢にして、上部の雄部材に設けられたヒンジ軸で上部の雌部材に設けられた昇降ブロックをばねの弾性に抗して押し下げ、その昇降ブロックに形成されたヒンジ孔がヒンジ軸と上下で対向する位置合わせ状態において、ばねの復元弾性により昇降ブロックを上昇させ、ヒンジ孔に対するヒンジ軸の挿入によって扉を開閉自在の取り付けとしている。
【0004】
上記ヒンジ装置においては、扉の一側下部を支持する状態で、その扉を閉扉時の垂直姿勢とする簡単な操作により扉を開閉自在の取り付けとすることができ、しかも、一人の作業者によって扉の取り付けとすることができるという特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−88405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載されたヒンジ装置においては、扉の支持状態でヒンジ孔を有する昇降ブロックはばねによって上方に向けて付勢されているのみであるため、扉に振動が付与されると、昇降ブロックがばねの弾性に抗して下降してヒンジ軸がヒンジ孔から抜け出し、扉が不用意に脱落する可能性があり、扉の取り付けを確実なものとする上において改善すべき点が残されている。
【0007】
この発明の課題は、扉の取り付けを容易とし、しかも、振動等で不用意に脱落することのない確実な取り付けを得ることができるようにした扉用のピボットヒンジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明においては、ピボット軸を有し、そのピボット軸を下向きとして扉枠の一側上部に取り付けられるブラケットと、扉の一側上部に埋設される軸受具とからなり、前記軸受具が、扉の一側上部に形成される嵌合凹部に収容されて扉にねじ止めされるケースと、そのケースに形成された上面開口の収容空間内に組み込まれたスライダと、そのスライダに形成された上面開口のガイド孔内に組み込まれ、昇降量規制手段によって昇降ストローク量が規制され、前記ピボット軸と上下で対向する下降位置から上昇することによって前記ピボット軸に嵌合する軸受筒と、その軸受筒を上向きに付勢する弾性部材とを備え、前記軸受筒を下降位置で仮止めし、前記ケースの一側上部に形成された挿入溝および前記スライダの一側上部に設けられたガイド溝からガイド孔内に挿入される前記ピボット軸の押し込みにより仮止めが解除される仮止め機能および前記弾性部材の押圧により軸受筒が上限位置まで上昇した際に軸受筒をロックするロック機能を有するロック手段を設けた構成を採用したのである。
【0009】
上記の構成からなるピボットヒンジを用いる扉の取付けに際しては、扉枠の一側上部にブラケットを取付け、一方、扉の一側上部に形成された収容凹部に軸受具を取付け、その軸受部の軸受筒を押し下げ、ロック手段により軸受筒を下降位置で仮止めして、扉の取付けの準備とする。
【0010】
上記のような準備作業後、扉の一側下部を下部用ピボットヒンジで回動自在に支持して扉を閉扉時の垂直姿勢とし、挿入溝およびガイド溝からガイド孔内に進入するピボット軸の押し込みによってロック手段の仮止め機能を解除させることにより、軸受筒が弾性部材の弾性力により上昇してピボット軸に嵌合し、扉の一側上部が回動自在に支持され、扉の取付けとすることができる。
【0011】
また、軸受筒が上限位置まで上昇すると、ロック手段が軸受筒をロックし、扉は取付け状態に維持される。
【0012】
ここで、ロック手段として、軸受筒の外周他側に係合凹部を設け、スライダの他側上部には、上記軸受筒の上昇位置で前記係合凹部と対向する位置に挿通孔を形成し、その挿通孔に向けて移動自在に支持され、ラッチばねにより挿通孔に向けて付勢されたラッチ部材の先端部に、上記挿通孔からガイド孔内に出没自在とされ、軸受筒の上端面に対する係合によって軸受筒を下降位置で仮止めし、上記係合凹部に対する係合によって軸受筒を上昇位置でロックする係合突部を設けた構成からなるものを採用することができる。
【0013】
また、昇降量規制手段として、スライダの一側部に形成された上下方向に長い長孔と、その長孔から軸受筒にねじ込まれて昇降自在とされ、ケースの一側部に形成された上下方向に長い窓から回動操作が可能なビスとからなるものを採用すると、ビスの締め付けによって軸受筒を上限位置でロックすることができ、軸受筒をビスおよびロック手段の双方で2重のロックとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明においては、上記のように、扉の一側下部を下部用ピボットヒンジで支持する状態で、扉を閉扉時の垂直姿勢とする簡単な操作により軸受筒の仮止めが解除し、その仮止め解除と同時に弾性部材の押圧により軸受筒が上昇してピボット軸に嵌合し、そのピボット軸を中心にして扉の一側上部が回動自在の支持とされるため、扉を容易に取り付けることができる。
【0015】
また、軸受筒が上限位置まで上昇すると、ロック手段が軸受筒をロックして軸受筒の下降動を阻止するため、扉を取付け状態に確実に保持することができ、扉の不用意な脱落を確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明に係るピボットヒンジを用いて扉を開閉自在に支持した扉開閉装置の正面図
図2図1に示す上部ピボットヒンジおよび下部ピボットヒンジの縦断面図
図3】上部ピボットヒンジの拡大断面図
図4図3のIV−IV線に沿った断面図
図5図3のV−V線に沿った断面図
図6図3のVI−VI線に沿った断面図
図7図3のVII−VII線に沿った断面図
図8】上部ピボットヒンジにおける軸受具の分解斜視図
図9】下部ピボットヒンジの拡大断面図
図10】扉の取付け前の状態を示す断面図
図11】扉取り外しの途中の状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、扉枠10の内側開口部11を開閉する扉12の一側部を上部ピボットヒンジHと下部ピボットヒンジHとで開閉自在に支持した扉開閉装置を示す。
【0018】
図2に示すように、上部ピボットヒンジHは、扉枠10の一側上部に取り付けられるブラケット21と、扉12の一側上部に形成された嵌合凹部13内に組み込まれる軸受具30とからなる。
【0019】
図3乃至図5に示すように、ブラケット21は、扉枠10の上枠10aの下面に衝合される基板部22の一端部に扉枠10の縦枠10bの内面上部に衝合される取付板部23を設けたL形をなし、上記基板部22および取付板部23のそれぞれがねじ24の締め付けによって扉枠10に固定される。
【0020】
基板部22の下側には調整板25が重ね合わされ、その調整板25の下面にピボット軸26が突設されている。調整板25は、基板部22を扉枠10に固定するねじ24を中心にして回動自在に支持される。その調整板25の内側端部にはねじ24を中心とする弧状の長孔27が複数設けられ、それぞれの長孔27に挿通されたロックねじ28が基板部22にねじ込まれている。
【0021】
また、調整板25には、ねじ24の挿入位置から内側端部側に片寄った位置にプラスのドライバが係合可能な係合孔29が設けられ、その係合孔29にドライバを係合して回転トルクを付与すると、調整板25がねじ24を中心に回転してピボット軸26が室内外方向(前後方向)に位置調整される。そして、ロックねじ28を締め付けることにより調整位置で固定される。
【0022】
なお、ピボット軸26の位置調整を必要としない場合には、調整板25を省略して基板部22の下面にピボット軸26を突設させるようにしてもよい。
【0023】
図3図4および図6乃至図8は軸受具30を示す。図示のように、軸受具30は、ケース31を有している。ケース31は扉12の一側上部に設けられた嵌合凹部13に嵌合され、下面の一側部から下方に延出する縦向き取付片32および他側面の上部から水平方向に延出する横向き取付片33のそれぞれがねじ34の締め付けによって扉12に固定されている。
【0024】
ケース31は、上面で開口する収容空間35を有し、その収容空間35の奥側に位置する他側壁35bにほぼ平行する仮想垂直面によってケース31は前部ケース31aと後部ケース31bとに分割されている。
【0025】
後部ケース31bの分割面には対向一対の連結片36が設けられ、その連結片36の先端部に鉤部36aが設けられている(図8参照)。一方、前部ケース31aの分割部には連結片36の先端部が嵌合される凹部37と、その凹部37の閉塞端部に係合孔38とが設けられ、その係合孔38に対する上記鉤部36aの係合によって前部ケース31aと後部ケース31bは結合状態に保持されてケース31が形成される。
【0026】
ケース31の収容空間35内にはスライダ40が組み込まれている。スライダ40の他側上部には外側方に突出するガイド筒部41が設けられ、そのガイド筒部41がケース31の横向き取付片33の上面に形成されたガイド凹部42内にスライド自在に嵌合されている。
【0027】
スライダ40の下部には、一側面から他側面に貫通するねじ孔43が設けられ、そのねじ孔43に左右調整ねじ44がねじ係合されている。左右調整ねじ44はケース31の一側壁35aに形成されたねじ挿入孔45により頭部が支持されて軸方向に非可動とされ、その左右調整ねじ44の回転によってケース31とスライダ40が左右方向に相対移動する。
【0028】
ケース31における収容空間35内には、スライダ40の下方にロック部材46が組み込まれている。ロック部材46の上面一端部には二股片47が設けられ、その二股片47の内周は円筒面48とされ、その円筒面48の底面は一側から他側に向けて下り勾配をもって傾斜している。
【0029】
一方、スライダ40の下面にはロック部材46の二股片47間に嵌合される突出部49が設けられ、その突出部49の外周は二股片47の内周に適合する円筒面50とされている。
【0030】
ロック部材46には一側面から他側面に貫通するねじ孔51が設けられ、そのねじ孔51にロックねじ52がねじ係合されている。ロックねじ52は、ケース31の一側壁35aに形成された操作孔52aから回動操作される。そのロックねじ52を回動すると、ロック部材46がロックねじ52の軸方向に移動する。そのロック部材46を収容空間35の奥側に移動させると、ロック部材46の円筒面48のくさび作用によりケース31とスライダ40をロックして相対移動を阻止するようになっている。
【0031】
スライダ40には、上面で開口するガイド孔53と、外周一側からガイド孔53に至るガイド溝54とが形成され、そのガイド溝54はケース31の一側壁35aの上部に設けられた挿入溝55と対向している。この挿入溝55およびガイド溝54はブラケット21のピボット軸26が挿通可能な溝幅寸法とされている。
【0032】
スライダ40におけるガイド孔53内には、ピボット軸26に対して嵌合可能な軸受筒56と、その軸受筒56を上方に向けて付勢する弾性部材57とが組み込まれている。軸受筒56内にはブッシュ58が嵌合され、そのブッシュ58の上部にテーパ部59が設けられている。また、軸受筒56は、昇降自在の支持とされ、図3に示す昇降量規制手段60によってピボット軸26に対して抜き差し可能な昇降ストローク量に規制されている。
【0033】
昇降量規制手段60は、スライダ40の一側部に形成された上下方向に長い長孔61と、その長孔61から軸受筒56の一側部に形成されたねじ孔62にねじ係合されたビス63とからなり、上記ビス63が長孔61の両端に当接する範囲を軸受筒56の昇降ストローク量としている。
【0034】
ここで、ビス63は、ケース31の一側壁35aに形成された上下方向に長い窓64から回動操作されるようになっており、そのビス63の締め付けによって軸受筒56は昇降調整位置で固定される。
【0035】
軸受筒56は、ロック手段70によって下降位置で仮止めされ、かつ、ピボット軸26に嵌合する上昇位置でロックされる。
【0036】
図10に示すように、ロック手段70は、軸受筒56の外周他側に係合凹部71を設け、スライダ40の他側上部に設けられたガイド筒部41の閉塞端には挿通孔72を形成し、その挿通孔72に向けて移動自在に支持され、ラッチばね73により挿通孔72に向けて付勢されたラッチ部材74の付勢方向先端部に挿通孔72からガイド孔53内に出没可能な係合突部75を設けた構成として、軸受筒56の上端面に対する係合突部75の係合によって軸受筒56を下降位置で仮止めし、係合凹部71に対する係合突部75の係合によって軸受筒56を上昇位置でロックしている。
【0037】
ここで、ラッチ部材74はガイド筒部41内においてスライド可能な組み込みとされ、その上側には後方に延出する操作板76が設けられている。操作板76はケース31の横向き取付片33の上面に設けられたガイド溝77に嵌合されて、そのガイド溝77に沿ってスライド自在とされている。
【0038】
図9に示すように、下部ピボットヒンジHは、上部ピボットヒンジHと同様に、扉枠10の一側下部に取り付けられるブラケットAと、扉12の一側下部に形成された嵌合凹部14内に組み込まれた軸受具Bとからなる。
【0039】
ここで、ブラケットAは、上部ピボットヒンジHにおけるブラケット21と同一の構成であって上下が反転する逆向きの取り付けとしている点でのみ相違しているため、上部ピボットヒンジHにおけるブラケット21と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
上記ブラケットAは、カバー29の取り付けによって基板部22が覆われている。
【0041】
一方、軸受具Bは、上部ピボットヒンジHにおける軸受具30を形成するケース31、スライダ40、ロック部材46が採用されている。そして、それぞれの部品は、上下が反転する逆向きの取り付けとしている点で上部ピボットヒンジHの軸受具30と相違しているため、同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
スライダ40に形成された下面で開口するガイド孔53内には、ブラケットAのピボット軸26に対して嵌合可能な軸受筒80が昇降自在に組み込まれている。軸受筒80の一側部にはビス81がねじ込まれている。ビス81はスライダ40の一側部に形成された長孔61に沿ってスライド自在とされ、上記ビス81の締め付けにより軸受筒80を高さ調整した調整位置で固定し得るようになっている。
【0043】
また、スライダ40のガイド孔53内には軸受筒80の上側に高さ調整カム82が組み込まれている。高さ調整カム82の下面は傾斜カム面83とされ、その傾斜カム面83は軸受筒80の上端に形成された傾斜面84と面衝合している。
【0044】
また、高さ調整カム82には、一側面から他側面に貫通するねじ孔85が形成され、そのねじ孔85にねじ係合された高さ調整ねじ86は定位置において回転自在とされ、ケース31の一側壁35aに形成された窓64から回動することにより、高さ調整カム82が左右方向に移動すると共に軸受筒80と高さ調整カム82が上下方向に相対移動するようになっている。
【0045】
実施の形態で示す扉開閉装置は上記の構成からなり、扉12の取り付けに際しては、扉枠10の一側上部に上部ピボットヒンジHのブラケット21を取付ける共に、扉枠10の一側下部に下部ピボットヒンジHのブラケット21を取付けて、各ピボットヒンジH、Hのピボット軸26を上下で対向する同軸上の配置とする。
【0046】
また、扉12の一側上部に形成された嵌合凹部13内に上部ピボットヒンジHの軸受具30を組み込んで取付片32、33のそれぞれをねじ止めし、その後、軸受具30の軸受筒56を押し下げ、上面に対する係合突部75の係合によって軸受筒56を下降位置で仮止める(図10参照)。
【0047】
一方、扉12の一側下部に形成された嵌合凹部14内に下部ピボットヒンジHの軸受具Bを組み込んで取付片32、33のそれぞれをねじ止めし、扉12の取り付けの準備とする。
【0048】
上記のような準備作業後、下部ピボットヒンジHにおけるブラケットAのピボット軸26に軸受具Bの軸受筒80を嵌合し、扉12の一側下部を回動自在に支持する。
【0049】
扉12の一側下部の支持後、扉12を図10に示す矢印の方向に傾動させて閉扉時の垂直姿勢に変更し、上部ピボットヒンジHにおける軸受具30の挿入溝55およびガイド溝54からガイド孔53内にピボット軸26を進入させ、そのピボット軸26に対する係合突部75の押圧により、ラッチばね73を後退動させ、挿通孔72内への係合突部75の没入により軸受筒56の仮止めを解除する。
【0050】
軸受筒56の仮止め解除により、弾性部材57の押圧作用により、軸受筒56が上昇し、テーパ部59がピボット軸26の下面外周部で案内されて軸受筒56がピボット軸26に嵌合し(図3参照)、上記ピボット軸26を中心に扉12の一側上部が回動自在に支持され、扉12の取り付けが完了する。
【0051】
上記のように、扉12の一側下部を下部ピボットヒンジHで支持する状態で、扉12を閉扉時の垂直姿勢とする簡単な操作によって扉12を取り付けとすることができ、一人の作業者によって扉12を簡単に取り付けることができる。
【0052】
また、軸受筒56が弾性部材57の弾性力によって上限位置まで上昇し、軸受筒56の他側部に形成された係合凹部71がラッチ部材74の係合突部75と対向すると、ラッチばね73の押圧によりラッチ部材74が前進して、係合突部75が係合凹部71に係合し、その係合によって軸受筒56がロックされ、軸受筒56の下降動が阻止される。このため、扉12を取付け状態に確実に保持することができ、扉12が不用意に脱落するようなことはない。
【0053】
扉12の取付け状態において、その扉12を開放し、上部ピボットヒンジHにおけるブラケット21および下部ピボットヒンジHにおけるブラケットAの調整板25のそれぞれをねじ24を中心に回転させることにより、ピボット軸26がねじ24を中心に回動するため、扉12を前後方向に位置調整することができる。
【0054】
また、上部ピボットヒンジHにおける軸受具30および下部ピボットヒンジHにおける軸受具Bの左右調整ねじ44を回転させることにより、扉12を左右方向に位置調整することができる。この場合、ロック部材46により、扉12のロックを解除した状態で左右方向の位置を調整し、その調整後、ロック部材46をスライダ40とケース31の対向部間に噛み込ませて扉12をロックする。
【0055】
さらに、下部ピボットヒンジHにおける軸受具Bの高さ調整ねじ86を回転させて高さ調整カム82を左右方向に移動させることにより、扉12を高さ調整することができる。
【0056】
扉12の取り外しに際しては、図11に示すように、扉12を開放状態とし、ラッチ部材74の操作板76を戸先側に引き込んで係合凹部71に対する係合突部75の係合を解除し、軸受筒56にねじ係合されたビス63にドライバDを係合してビス63を少し緩め、軸受筒56のロックを解除する。そのロック解除後、ビス63の引き下げにより軸受筒56を下降させてピボット軸26に対する嵌合を解除し、操作板76に対する指先の係合解除により、ラッチばね73の弾性力によりラッチ部材74を前進させて、軸受筒56の上面に対する係合突部75の係合により、軸受筒56を下降位置で仮止めする。
【0057】
軸受筒56の仮止め後、下部ピボットヒンジHを支点にして、ガイド溝54および挿入溝55からピボット軸26が抜け出る方向に扉12を傾動し、ピボット軸26が外部に露出する状態で扉12を引き上げることにより、下部ピボットヒンジHにおけるピボット軸26から軸受筒80が抜け出して、扉12の取り外しとすることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 扉枠
12 扉
21 ブラケット
26 ピボット軸
30 軸受具
31 ケース
35 収容空間
40 スライダ
53 ガイド孔
54 ガイド溝
55 挿入溝
56 軸受筒
57 弾性部材
60 昇降量規制手段
61 長孔
63 ビス
64 窓
70 ロック手段
71 係合凹部
72 挿通孔
73 ラッチばね
74 ラッチ部材
75 係合突部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11