特許第6294178号(P6294178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼンウェルオーダード株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000002
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000003
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000004
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000005
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000006
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000007
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000008
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000009
  • 特許6294178-物品搬送フィーダ 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294178
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】物品搬送フィーダ
(51)【国際特許分類】
   B65G 27/20 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
   B65G27/20
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-142035(P2014-142035)
(22)【出願日】2014年7月10日
(65)【公開番号】特開2016-16956(P2016-16956A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年4月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593046267
【氏名又は名称】ゼンウェルオーダード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正夫
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭35−010924(JP,B1)
【文献】 特開平08−113195(JP,A)
【文献】 実開昭61−171694(JP,U)
【文献】 特表平11−511106(JP,A)
【文献】 実開昭59−033821(JP,U)
【文献】 特開昭58−167316(JP,A)
【文献】 国際公開第98/031616(WO,A1)
【文献】 特開昭53−032582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 27/00−27/34
B06B 1/00−3/04
F16C 17/00−17/26,33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物品を載置するトラフと、
前記トラフを往復振動させるトラフ駆動ユニットと、
基台上にて前記トラフを前記搬送対象物品の搬送方向に往復変位可能な状態で支持するトラフ支持体とを有して前記搬送対象物品を一方から他方に向かって搬送する物品搬送フィーダであって、
前記トラフ駆動ユニットは、
駆動モータと、
前記駆動モータによって回転駆動する1つの第1ウエイト駆動軸と、
前記第1ウエイト駆動軸に対して回転自在に支持されて前記駆動モータによって前記第1ウエイト駆動軸とは逆方向に回転駆動する第2ウエイト駆動筒と、
前記第1ウエイト駆動軸の回転軸心から外れた位置に重心を有して同第1ウエイト駆動軸に設けられる第1不平衡ウエイトと、
前記第2ウエイト駆動筒の回転軸心から外れた位置に重心を有して同第2ウエイト駆動筒に設けられる第2不平衡ウエイトとを有し、
前記第1不平衡ウエイトおよび前記第2不平衡ウエイトは、
前記第1ウエイト駆動軸および前記第2ウエイト駆動筒の各回転駆動時に前記第1不平衡ウエイトおよび前記第2不平衡ウエイトの各重心に作用する遠心力の向きが180°ごとに互いに一致する向きで前記第1ウエイト駆動軸および前記第2ウエイト駆動筒にそれぞれ設けられており、
前記駆動モータの回転駆動軸および前記第1ウエイト駆動軸は、
それぞれ円盤状の第1伝達回転体を有するとともに同各第1伝達回転体に掛けられた環状の伝達架設体を介した動力伝達によって回転駆動力が伝達され、
前記駆動モータの前記回転駆動軸および前記第2ウエイト駆動筒は、
それぞれ円盤状の第2伝達回転体を有するとともに同各第2伝達回転体に掛けられた環状の伝達架設体を介した動力伝達によって回転駆動力が伝達されることを特徴とする物品搬送フィーダ。
【請求項2】
請求項1に記載した物品搬送フィーダにおいて、
前記回転駆動軸との間で前記伝達架設体が掛けられて回転駆動する遊動伝達回転体を備えており、
前記第1ウエイト駆動軸に設けられた前記第1伝達回転体または前記第2ウエイト駆動筒に設けられた前記第2伝達回転体は、前記遊動伝達回転体を介して回転駆動することを特徴とする物品搬送フィーダ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した物品搬送フィーダにおいて、
前記駆動モータに設けられた前記第1伝達回転体および前記第2伝達回転体のうちの少なくとも一方は、
前記回転駆動軸に対して周方向の取り付け位置が変更可能であることを特徴とする物品搬送フィーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物品を一方から他方に向かって搬送する物品搬送フィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、部品、食品および薬品などの各種物品を一方から他方に向かって搬送するトラフを備えた物品搬送フィーダが知られている。例えば、下記特許文献1,2には、第1不平衡ウエイトを備えた動力軸およびこの動力軸の外側に同動力軸から傘歯車を介して回転駆動力を受けて動力軸とは逆方向に回転駆動する第1不平衡ウエイトと対を構成する第2不平衡ウエイトを有してトラフを往復動させるトラフ駆動ユニットを備えた振動コンベア(物品搬送フィーダに相当)がそれぞれ開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭35−12023号公報
【特許文献2】特公昭35−10924号公報
【0004】
しかしながら、上記各特許文献1,2にそれぞれ記載された物品搬送フィーダにおいては、動力軸上の第1不平衡ウエイトの外側に第2不平衡ウエイトを備えているため、トラフ駆動ユニットにおける動力軸の径方向の大きさが拡大して物品搬送フィーダの設置場所が限られるという問題があった。また、上記各従来の物品搬送フィーダにおいては、第2不平衡ウエイトが第1不平衡ウエイトの外側を屈曲して形成されるとともに動力軸から回転駆動力の伝達を受けるための歯車を有して動力軸に回転自在に保持されるという極めて複雑な構成であるため、物品搬送フィーダの製造負担およびメンテナンス負担が大きいという問題があった。
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、装置構成をコンパクト化して狭小なスペースでも設置することができるとともに、不平衡ウエイトの構造を簡単化して製造負担およびメンテナンス負担を軽減することができる物品搬送フィーダを提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、搬送対象物品を載置するトラフと、トラフを往復振動させるトラフ駆動ユニットと、基台上にてトラフを搬送対象物品の搬送方向に往復変位可能な状態で支持するトラフ支持体とを有して搬送対象物品を一方から他方に向かって搬送する物品搬送フィーダであって、トラフ駆動ユニットは、駆動モータと、駆動モータによって回転駆動する1つの第1ウエイト駆動軸と、第1ウエイト駆動軸に対して回転自在に支持されて駆動モータによって第1ウエイト駆動軸とは逆方向に回転駆動する第2ウエイト駆動筒と、第1ウエイト駆動軸の回転軸心から外れた位置に重心を有して同第1ウエイト駆動軸上にて第2ウエイト駆動筒に隣接して設けられる第1不平衡ウエイトと、第2ウエイト駆動筒の回転軸心から外れた位置に重心を有して同第2ウエイト駆動筒に設けられる第2不平衡ウエイトとを有し、第1不平衡ウエイトおよび第2不平衡ウエイトは、第1ウエイト駆動軸および第2ウエイト駆動筒の各回転駆動時に第1不平衡ウエイトおよび第2不平衡ウエイトの各重心に作用する遠心力の向きが180°ごとに互いに一致する向きで第1ウエイト駆動軸および第2ウエイト駆動筒にそれぞれ設けられていることにある。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、物品搬送フィーダは、第1不平衡ウエイトを備える第1ウエイト駆動軸に第2不平衡ウエイトを備える第2ウエイト駆動筒が回転自在に設けられているため、第2不平衡ウエイトを必ずしも第1不平衡ウエイトの外側に配置する必要がなくトラフ駆動ユニットをコンパクトに構成することができる。また、本発明に係る物品搬送フィーダは、第1不平衡ウエイトとともに対を構成する第2不平衡ウエイトが第2ウエイト駆動筒に取り付け可能に構成されていればよいため、構造を簡単化することができる。これらの結果、本発明に係る物品搬送フィーダは、装置構成をコンパクト化して狭小なスペースでも設置することができるとともに、不平衡ウエイトの構造を簡単化して製造負担およびメンテナンス負担を軽減することができる。
【0008】
また、この場合、前記物品搬送フィーダにおいて、第1不平衡ウエイトは、第2不平衡ウエイトに対して第1ウエイト駆動軸の軸方向の両側にそれぞれ設けられるとともに、同両側にそれぞれ設けられた2つの第1不平衡ウエイトは回転駆動時における各遠心力の合力の位置が第2不平衡ウエイトの回転駆動時の遠心力の位置と一致する位置にそれぞれ配置することができる。
【0009】
これによれば、物品搬送フィーダは、第1不平衡ウエイトの遠心力の作用線と第2不平衡ウエイトの遠心力の合力の作用線とが一致するため、安定した状態でトラフを往復動させることができる。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の特徴は、搬送対象物品を載置するトラフと、トラフを往復振動させるトラフ駆動ユニットと、基台上にてトラフを搬送対象物品の搬送方向に往復変位可能な状態で支持するトラフ支持体とを有して搬送対象物品を一方から他方に向かって搬送する物品搬送フィーダであって、トラフ駆動ユニットは、駆動モータと、駆動モータによって回転駆動する1つの第1ウエイト駆動軸と、第1ウエイト駆動軸に対して回転自在に支持されて駆動モータによって第1ウエイト駆動軸とは逆方向に回転駆動する第2ウエイト駆動筒と、第1ウエイト駆動軸の回転軸心から外れた位置に重心を有して同第1ウエイト駆動軸に設けられる第1不平衡ウエイトと、第2ウエイト駆動筒の回転軸心から外れた位置に重心を有して同第2ウエイト駆動筒に設けられる第2不平衡ウエイトとを有し、第1不平衡ウエイトおよび第2不平衡ウエイトは、第1ウエイト駆動軸および第2ウエイト駆動筒の各回転駆動時に前記第1不平衡ウエイトおよび第2不平衡ウエイトの各重心に作用する遠心力の向きが180°ごとに互いに一致する向きで第1ウエイト駆動軸および第2ウエイト駆動筒にそれぞれ設けられており、駆動モータの回転駆動軸および第1ウエイト駆動軸は、それぞれ円盤状の第1伝達回転体を有するとともに同各第1伝達回転体に掛けられた環状の伝達架設体を介した動力伝達によって回転駆動力が伝達され、駆動モータの回転駆動軸および第2ウエイト駆動筒は、それぞれ円盤状の第2伝達回転体を有するとともに同各第2伝達回転体に掛けられた環状の伝達架設体を介した動力伝達によって回転駆動力が伝達されることにある。
【0011】
このように構成した本発明の特徴によれば、物品搬送フィーダは、トラフ駆動ユニットが伝達回転体と伝達架設体からなる所謂巻掛伝動機構によって回転駆動力の伝達が行なわれるため、簡単な構成で静粛性良く回転駆動力を伝達することができる。なお、第1および第2の各伝達回転体には、ベルトが掛けられる部分が平坦な平坦プーリや、ベルトが掛けられる部分に歯や溝が形成された歯付プーリのほか、プーリと実質的に同等な機械要素、例えば、スプロケットがある。また、伝達架設体には、帯状に形成された平ベルト、帯状に形成されてプーリにおける歯や溝に掛けられる歯や突起が形成された歯付平ベルト、ベルトと実質的に同等な機械要素、例えば、ロープ状に形成されたVベルトのほか、チェーンがある。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記物品搬送フィーダにおいて、回転駆動軸との間で伝達架設体が掛けられて回転駆動する遊動伝達回転体を備えており、第1ウエイト駆動軸に設けられた第1伝達回転体または第2ウエイト駆動筒に設けられた第2伝達回転体は、遊動伝達回転体を介して回転駆動することにある。この場合、伝達架設体は、回転駆動軸の伝達回転体と遊動伝達回転体との間で所謂内掛けで設けられるとともに、第1ウエイト駆動軸または第2ウエイト駆動筒に設けられた第1または第2の伝達回転体に対して所謂外掛けで掛けられるとよい。
【0013】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、物品搬送フィーダは、簡単な構成で静粛性良く第1ウエイト駆動軸と第2ウエイト駆動筒とを互いに逆回転させることができる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記物品搬送フィーダにおいて、駆動モータに設けられた第1伝達回転体および第2伝達回転体のうちの少なくとも一方は、回転駆動軸に対して周方向の取り付け位置が変更可能であることにある。
【0015】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、物品搬送フィーダは、駆動モータに設けられた第1および第2の各伝達回転体のうちの少なくとも一方が回転駆動軸に対して周方向の取り付け位置が変更可能であるため、第1不平衡ウエイトの遠心力の作用方向と第2不平衡ウエイトの遠心力の作用方向との位置調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る物品搬送フィーダの外観構成およびシステムの概略を示した側面構成図である。
図2図1に示す物品搬送フィーダの外観構成を正面および図1に示す2−2線から見た概略を示した一部破断正面図である。
図3】(A)〜(C)は図1に示す物品搬送フィーダにおけるトラフ支持体の外観構成の概略をそれぞれ示しており、(A)はトラフ支持体の正面図であり、(B)はトラフ支持体の平面図であり、(C)はトラフ支持体の側面図である。
図4図1に示す物品搬送フィーダにおけるトラフ振動ユニットを下方から見た構成を示す断面図である。
図5図1に示す物品搬送フィーダにおけるトラフ振動ユニットを後方から見た構成を示す断面図である。
図6】(A),(B)は図1に示す物品搬送フィーダにおける第1不平衡ウエイトの外観構成の概略をそれぞれ示しており、(A)は第1不平衡ウエイトの平面図であり、(B)は第1不平衡ウエイトの側面図である。
図7】(A),(B)は図1に示す物品搬送フィーダにおける第2不平衡ウエイトの外観構成の概略をそれぞれ示しており、(A)は第2不平衡ウエイトの平面図であり、(B)は第2不平衡ウエイトの側面図である。
図8】(a)〜(d)は、図3および図4にそれぞれ示した第1ウエイト駆動軸および第2ウエイト駆動筒にそれぞれ取り付けられて回転駆動する第1不平衡ウエイトおよび第2不平衡ウエイトの重心の相対的な位置関係および発生する遠心力を時系列的に示す説明図である。
図9】本発明の変形例に係るトラフ振動ユニットを下方から見た構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る物品搬送フィーダの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る物品搬送フィーダ100の外観構成の概略を示した側面構成図である。また、図2は、図1に示す物品搬送フィーダ100の外観構成を正面および図1に示す2−2線から見た概略を示した一部破断正面図である。この物品搬送フィーダ100は、工場内において部品、食品または薬品などの各種物品を搬送対象物品として供給を受けてこの搬送対象物品を一時的に保持しつつ一方から他方に向かって断続的に搬送する振動式のホッパ装置である。
【0018】
(物品搬送フィーダ100の構成)
物品搬送フィーダ100は、基台101を備えている。基台101は、物品搬送フィーダ100を構成する各種部品を支持する土台となる部品であり、金属製の板材で構成されている。この基台101は、物品搬送フィーダ100が設置される床面にゴム材などの防振用弾性部材からなる防振脚101aを介してボルトなどの固定具(図示せず)によって固定される。また、基体101上には、後述するストッパ107に対向する位置に起立した状態で受け支柱101bが設けられている。なお、基台101は、防振脚101aを介することなく直接床面に設置することもできる。基台101上には、トラフ支持体102およびトラフ103がそれぞれ設けられている。
【0019】
トラフ支持体102は、図3(A)〜(C)にそれぞれ示すように、トラフ103を搬送対象物品(図示せず)の搬送方向(図示左方向)に往復変位(図示左右方向)させるために弾性変形しながら支持する部品であり、搬送対象物品を載置したトラフ103を支持可能な金属製の板状体で構成されている。より具体的には、トラフ支持体102は、図示上下方向に沿って延びる長方形状の板材における2つの側縁部をそれぞれ直角方向に折り曲げた屈曲縁102aを有して構成されている。
【0020】
これにより、トラフ支持体102は、2つの屈曲縁102aによって同屈曲縁102a間の部分が座屈や曲げに対する剛性が高められるとともに屈曲縁102aが形成されていない幅方向両端部間が弾性変形し易く形成されている。このトラフ支持体102は、トラフ103が搬送対象物品を搬送する搬送方向(図1において左方向)および同搬送方向に直交する幅方向にそれぞれ2つずつ設けられている。すなわち、トラフ支持体102は、トラフ103の前側および後側にそれぞれ幅方向に沿って2つずつ設けられている。
【0021】
これら4つの各トラフ支持体102は、水平方向に対して傾斜した状態で図示下側の端部が基台101にボルトによってそれぞれ固定的に連結されているとともに、図示上側の端部がトラフ103の支持フレーム105にボルトによってそれぞれ固定的に連結されている。この場合、4つの各トラフ支持体102は、好ましくは、後述するトラフ駆動ユニット110が発生させる押引力Fの延長線FLに対して4つの各トラフ支持体102の板面の延長線TLが直交する角度で取り付けられるとよい。この場合、より好ましくは、押引力Fの延長線FLは、4つのトラフ支持体102が支持する物体全体(換言すれば、往復動する物体)の重心位置SP、具体的には、トラフ103およびトラフ駆動ユニット110の全体の重心位置SPを通るとよい。
【0022】
トラフ103は、搬送対象物品を収容しつつ一方から他方に向かって搬送する収容部兼案内路を構成する部品であり、主として、ホッパ104および支持フレーム105をそれぞれ備えて構成されている。これらのうち、ホッパ104は、搬送対象物品を一時的に保持しつつ前記一方(図示右側)から他方(図示左側)に向かって搬送する長尺の金属製容器である。このホッパ104は、搬送対象物品を載置する底部のうちの三方、具体的には、ホッパ104の幅方向および搬送対象物品の搬送方向後方側(図示右側)に壁部が設けられているとともに搬送対象物品を導入する図示上方および搬送対象物品を送り出す搬送方向前方側(図示左側)が開放されて投入口104aおよび排出口104bがそれぞれ形成されて構成されている。
【0023】
支持フレーム105は、ホッパ104およびトラフ駆動ユニット110をそれぞれ支持する部品であり、金属製の板材を井桁状に組んで構成されている。この場合、支持フレーム105は、ホッパ104を搬送対象物品の搬送方向に沿って略水平、または同搬送方向前方に向かって下り傾斜となるように支持している。この支持フレーム105における前側の2つのトラフ支持体102の後方には、支持フレーム105から基台101側に向かって下垂した2つの板状の下垂部105aがそれぞれ形成されており、これら2つの下垂部105aに重心調整ウエイト106およびストッパ107が挟まれた状態でそれぞれ保持されている。
【0024】
重心調整ウエイト106は、ホッパ104(すなわち、往復動する部分の)の重心の高さ方向の位置を調整するための重錘部品であり、2つの下垂部105aに図示上下方向に取付位置が調整可能な状態で保持されている。また、ストッパ107は、受け板101bに接触することによってトラフ103の過度な振動を防止するための部品であり、ゴム材などの弾性部材で半球状に形成されている。そして、支持フレーム105における搬送対象物品の搬送方向後端部側には、トラフ駆動ユニット110が設けられている。なお、図1において、ホッパ104の図示上方に示す破線矢印はトラフ103の往復振動方向を示しており、ホッパ104の排出口104bの前方(図示左側)に示す破線矢印は搬送対象物品の搬送方向を示している。
【0025】
トラフ駆動ユニット110は、図4および図5にそれぞれ示すように、電気エネルギを直線往復運動に変換してトラフ103を往復変位させるための押引力Fを発生させる駆動力発生機構である。このトラフ駆動ユニット110は、ケース111を備えている。ケース111は、トラフ駆動ユニット110を構成する部品や機器を保持する外筐であり、金属製の板材を箱状に形成して構成されている。このケース111におけるホッパ104の幅方向の両側面には、ホッパ104の幅方向に貫通した状態で後述する位置決め孔148,149の軸線上に位置決め孔111aが形成されている。
【0026】
このケース111には、外側面に駆動モータ112を備えるとともに同ケース内111に、主として、第1駆動側伝達回転体114、第2駆動側伝達回転体115、第1伝達架設体116、第2伝達架設体117、第1ウエイト駆動軸130、第2ウエイト駆動筒131、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144をそれぞれ備えている。
【0027】
駆動モータ112は、後述する制御装置150によって作動制御されて第1ウエイト駆動軸および第2ウエイト駆動筒をそれぞれ回転駆動させる電動モータであり、ケース111の外側面に固定的に取り付けられている。この駆動モータ112の回転駆動軸112aには、中間筒113を介して第1駆動側伝達回転体114および第2駆動側伝達回転体115がそれぞれ設けられている。中間筒113は、第1駆動側伝達回転体114および第2駆動側伝達回転体115を回転駆動軸112aに取り付けるための部品であり、主として、筒本体113aと押え板113bとで構成されている。
【0028】
これらのうち、筒本体113aは、第1駆動側伝達回転体114の一部が摺動可能な状態で嵌合するとともに第2駆動側伝達回転体115が固定的に嵌合した状態で回転駆動軸112aに取り付けられる筒状の部品である。一方、押え板113bは、第1駆動側伝達回転体114の他の一部が摺動可能に嵌合した状態で筒本体113aにボルト113cを介して着脱自在に取り付けられることによって第1駆動側伝達回転体114を筒本体113aと協働して挟んで保持する円板状の部品である。
【0029】
第1駆動側伝達回転体114および第2駆動側伝達回転体115は、駆動モータ112の回転駆動力を第1伝達架設体116および第2伝達架設体117を介して第1従動側伝達回転体118および第2従動側伝達回転体119にそれぞれ伝動するための円盤状の機械要素である。これらの第1駆動側伝達回転体114および第2駆動側伝達回転体115は、第1伝達架設体116および第2伝達架設体117がそれぞれ巻き掛けられる円周面に第1伝達架設体116および第2伝達架設体117の各ベルト面に噛み合う凹凸状の歯(図示せず)がそれぞれ形成されている。すなわち、第1駆動側伝達回転体114および第2駆動側伝達回転体115は、本実施形態においては、所謂歯付プーリである。
【0030】
第1伝達架設体116および第2伝達架設体117は、第1駆動側伝達回転体114および第2駆動側伝達回転体115の回転駆動力を第1従動側伝達回転体118および第2従動側伝達回転体119にそれぞれ伝動するための環状の平ベルトである。この場合、第1伝達架設体116は、遊動伝達回転体120を介して、第1駆動側伝達回転体114の回転駆動力を第1従動側伝達回転体118にそれぞれ伝動する。これらの第1伝達架設体116および第2伝達架設体117のうち、第1伝達架設体116の表裏面には、第1駆動側伝達回転体114、第1従動側伝達回転体118および遊動伝達回転体120にそれぞれ噛み合う凹凸状の歯(図示せず)がそれぞれ形成されている。また、第2伝達架設体117の裏面(内側面)には、第2駆動側伝達回転体115および第2従動側伝達回転体119にそれぞれ噛み合う凹凸状の歯(図示せず)がそれぞれ形成されている。
【0031】
そして、第1伝達架設体116は、第1伝達架設体116の裏面(内側面)に第1駆動側伝達回転体114および遊動伝達回転体120がそれぞれ巻き掛けられる(内掛け)とともに第1伝達架設体116の表面(外側面)に第1従動側伝達回転体118が掛けられている(外掛け)。また、第2伝達架設体117は、第2伝達架設体117の裏面(内側面)に第2駆動側伝達回転体115および第2従動側伝達回転体119がそれぞれ巻き掛けられている(内掛け)。これらにより、第1従動側伝達回転体118が第1駆動側伝達回転体114の回転方向に対して逆方向に回転駆動するとともに第2従動側伝達回転体119が第2駆動側伝達回転体115および第1駆動側伝達回転体114の各回転方向と同じ回転方向に回転駆動する。
【0032】
第1従動側伝達回転体118および第2従動側伝達回転体119は、第1伝達架設体116および第2伝達架設体117によってそれぞれ伝動される回転駆動力を第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131にそれぞれ伝動するための機械要素であり、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131に設けられている。これらの第1従動側伝達回転体118および第2従動側伝達回転体119は、それぞれ円環状に形成されており、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131にネジによって固定的に取り付けられている。また、第1従動側伝達回転体118および第2従動側伝達回転体119は、第1伝達架設体116および第2伝達架設体117がそれぞれ掛けられる円周面に第1伝達架設体116および第2伝達架設体117にそれぞれ噛み合う凹凸状の歯(図示せず)が形成されている。すなわち、第1従動側伝達回転体118および第2従動側伝達回転体119は、本実施形態においては、所謂歯付プーリである。
【0033】
遊動伝達回転体120は、第1駆動側伝達回転体114の回転駆動力を第1駆動側伝達回転体114の回転方向とは逆方向の回転方向で第1従動側伝達回転体118に伝動するための機械要素であり、回転自在な状態でケース111に取り付けられている。この遊動伝達回転体120は、第1伝達架設体116が掛けられる円周面に第1伝達架設体116に噛み合う凹凸状の歯(図示せず)が形成されている。すなわち、遊動伝達回転体120は、本実施形態においては、所謂歯付プーリである。なお、遊動伝達回転体120は、第1伝達架設体116が掛けられる円周面に歯を有さない平らな円周面に形成されたプーリであってもよい。
【0034】
第1ウエイト駆動軸130は、第1不平衡ウエイト141,142をそれぞれ保持して回転駆動する金属製の棒体であり、回転駆動軸112aに対して平行な状態でベアリングを介してケース111内に回転自在に保持されている。この第1ウエイト駆動軸130には、2つの第1不平衡ウエイト141,142間に第2ウエイト駆動筒131が嵌合した状態で設けられている。
【0035】
第2ウエイト駆動筒131は、第2不平衡ウエイト143,144をそれぞれ保持して回転駆動する金属製の筒体であり、同筒体の両端部がベアリングを介して第1ウエイト駆動軸130上に回転自在に保持されている。この第2ウエイト駆動筒131は、軸線方向中央部が窪んで形成されており、この窪んだ部分に2つの第2不平衡ウエイト143,144がそれぞれ取り付けられている。
【0036】
この場合、第1ウエイト駆動軸130に保持された第1不平衡ウエイト141,142と第2ウエイト駆動筒131に保持された第2不平衡ウエイト143,144とは、2つの第1不平衡ウエイト141,142の回転駆動時における各遠心力の合力の位置が第2不平衡ウエイト143,144の回転駆動時の遠心力の発生位置と一致する位置とするように互いに配置されている。本実施形態においては、第2不平衡ウエイト143,144は、第1不平衡ウエイト141,142間の中央位置に配置されている。
【0037】
第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、図6および図7にそれぞれ示すように、トラフ103を往復振動させる押引力Fを発生させるための部品であり、平面視で四分円形状に形成した金属製の板状体で構成されている。これらの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、四分円形状における中心側に第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131がそれぞれ貫通する貫通孔からなる取付孔145,146が形成されるとともに、これらの各取付孔145,146を二分する位置で全体が2つのパーツに分割可能に構成されている。本実施形態においては、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、図示上下方向に2分割できるように構成されている。
【0038】
そして、これらの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、分割された2つのパーツがボルト147によって互いに連結自在に構成されている。また、これらの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、径方向外側部分に周方向に沿って複数(本実施形態においては、3つ)の貫通孔からなる位置決め孔148,149がそれぞれ形成されている。
【0039】
これらの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、前記したように、2つの第2不平衡ウエイト143,144が第2ウエイト駆動筒131上に隣接配置されるとともに、これら2つの第2不平衡ウエイト143,144に対して第1ウエイト駆動軸130の軸線方向外側に第1不平衡ウエイト141,142が第1ウエイト駆動軸130に取り付けられた状態で1つずつ配置されている。
【0040】
制御装置150は、マイクロコンピュータによって構成されており、図示しないドライブ回路を介して駆動モータ112の作動を制御する。この制御装置150は、物品搬送フィーダ100の使用者からの指示を入力する入力装置151および制御装置150の作動状態を表示する表示装置152をそれぞれ備えている。したがって、制御装置150は、使用者によって予め設定された回転数または入力装置151を介して入力された回転数で駆動モータ112を回転駆動させる。なお、この制御装置150は、基台101およびトラフ103から離れた位置に別体で設けられるが、基台101上に固定して設けるようにしてもよい。
【0041】
(物品搬送フィーダ100の作動)
次に、上記のように構成した物品搬送フィーダ100の作動について説明する。この物品搬送フィーダ100は、搬送対象物品が組み付けられる各種製品を製造する製造ライン中において、搬送対象物品の搬送が必要な箇所に設置される。この場合、物品搬送フィーダ100は、ホッパ104の上方が搬送対象物品が投入できるよう開放されるとともに、排出口104bの前方には搬送対象物品を必要とする機械装置(例えば、搬送対象物品を整列させて製品に組み付ける機械装置)(図示せず)が配置される。
【0042】
物品搬送フィーダ100を使用する使用者は、物品搬送フィーダ100におけるホッパ104の押引力Fの設定、換言すれば、ホッパ104が搬送対象物品を搬送する出力の設定を行う。このホッパ104の押引力Fの設定は、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131ごとの2つの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の各間の周方向の相対的な位置関係、および第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131の回転数によって規定される。
【0043】
すなわち、ホッパ104の押引力Fは、図8(a)〜(d)にそれぞれ示すように、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131の回転軸心に対する第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の重心CPのずれ量および第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131の各回転数によって規定される。この場合、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の各重心CPは、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131にそれぞれ設けられた2つの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の全体の重心であり、この全体の重心CPの回転軸心に対するずれ量はそれぞれ2つずつの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の周方向の相対的な位置関係で規定される。なお、図8(a)〜(d)においては、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131の回転方向を破線矢印で示している。
【0044】
したがって、使用者は、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131ごとに2つずつの第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の周方向の相対位置を調整する。より具体的には、使用者は、第1ウエイト駆動軸130に取り付けられている2つの第1不平衡ウエイト141,142の少なくとも一方のボルト147を弛めて2つの第1不平衡ウエイト141,142における周方向の位置を調整する。
【0045】
この場合、使用者は、2つの第1不平衡ウエイト141,142における周方向位置を一致(周方向の回転角0°)させることによってホッパ104の押引力Fを最大にすることができるとともに、両者を第1ウエイト駆動軸130を介して対向配置(周方向の回転角180°)することによってホッパ104の押引力Fを最小(理論上は「0」)にすることができる。すなわち、使用者は、2つの第1不平衡ウエイト141,142における周方向の回転角を0°〜180°(または0°〜−180°)の範囲で設定することによってホッパ104の押引力Fを最大から最小までの範囲で任意の大きさの押引力Fを無段階に設定することができる。この場合、使用者は、ケース111の両側面に形成した位置決め孔111aと第1不平衡ウエイト141,142にそれぞれ形成した位置決め孔148とに棒体を貫通させることによって2つの第1不平衡ウエイト141,142の周方向の位置を容易に一致させることができる。
【0046】
次いで、使用者は、第1不平衡ウエイト141,142の位置決めを行った後、同じ要領で第2ウエイト駆動筒131に取り付けられている2つの第2不平衡ウエイト143,144の周方向の位置を調整する。この場合、使用者は、第2不平衡ウエイト143,144の重心位置CPのずれ量を前記第1不平衡ウエイト141,142の重心位置CPのすれ量と一致させることによって両者の回転駆動時に作用する遠心力の大きさを一致させる。
【0047】
次に、使用者は、第1不平衡ウエイト141,142と第2不平衡ウエイト143,144との第1ウエイト駆動軸130の周方向の相対的な位置関係を調整する。具体的には、使用者は、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131を回転駆動させた際に、第1不平衡ウエイト141,142の重心CPに作用する遠心力CFの向きと第2不平衡ウエイト143,144の重心CPに作用する遠心力CFの向きとがホッパ104を搬送方向に沿って往復動させることができる押し引きする方向で互いに一致するように調整する。この場合、使用者は、ボルト113cを弛めることによって第1駆動側伝達回転体114の保持状態を弛めて回転駆動軸112aを第1駆動側伝達回転体114に対して空回り可能な状態とすることによって第1不平衡ウエイト141,142と第2不平衡ウエイト143,144との第1ウエイト駆動軸130の周方向の相対的な位置関係を調整することができる。これにより、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、回転駆動時に180°ごとにいずれかの位置で互いの遠心力CFの向きが一致するように調整される。
【0048】
この場合、トラフ駆動ユニット110が発する押引力Fは、図8(a)〜(d)にそれぞれ示すように、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,143の各回転面の径方向に発生する遠心力CFのうち、ホッパ104を押し引きする方向(本実施形態においては、重心位置SPに向かう方向)成分以外の成分が除去されてホッパ104を押し引きする方向のみで構成される。すなわち、トラフ駆動ユニット110は、ホッパ104に向かう方向に直線的に往復変位する押引力Fを発生させる。
【0049】
次いで、使用者は、駆動モータ112の回転数を設定する。具体的には、使用者は、入力装置151を操作して制御装置150に対して駆動モータ112の2つの回転数を規定する第1周波数および第2周波数をそれぞれ設定する。この場合、第1周波数とは、4つのトラフ支持体102が支持する物体全体の固有周波数(「固有振動数」ともいう)、具体的には、トラフ103およびトラフ駆動ユニット110の全体の固有周波数よりも高い周波数であって、ホッパ104内の搬送対象物品を搬送することができる程度にホッパ104を往復振動させる周波数である。また、第2周波数とは、前記4つのトラフ支持体102が支持する物体全体の固有周波数よりも高い周波数であって、かつ前記第1周波数よりも低くホッパ104内の搬送対象物品を搬送することがない程度にホッパ104を往復振動させる周波数である。
【0050】
本実施形態においては、4つのトラフ支持体102が支持する物体全体の固有周波数が5〜8Hzであるとともに第1周波数が20Hz〜35Hzである。したがって、使用者は、第1周波数として20Hz以上かつ35Hz以下で設定(例えば、30Hz)するとともに、第2周波数として9Hz以上かつ20Hz未満で設定(例えば、12Hz)する。
【0051】
次に、使用者は、物品搬送フィーダ100による搬送対象物品の搬送を開始させる。具体的には、使用者は、貯留容器からホッパ104に対して供給搬送対象物品の供給を開始させた後、入力装置151を操作して制御装置150に対して駆動モータ112の回転駆動を指示する。この指示に応答して制御装置150は、予め設定された回転数、具体的には、前記第1周波数に対応する回転数で駆動モータ112の回転駆動を開始させる。
【0052】
これにより、駆動モータ112は、第1駆動側伝達回転体114を介して第1ウエイト駆動軸130を回転駆動させるとともに、第2駆動側伝達回転体115を介して第2ウエイト駆動筒131を回転駆動させる。この場合、第1ウエイト駆動軸130は、遊動伝達回転体120を介して駆動モータ112の回転駆動力の伝達を受けるため、第2ウエイト駆動筒131の回転方向とは逆方向に回転駆動する。これにより、トラフ駆動ユニット110は、第1ウエイト駆動軸130と第2ウエイト駆動筒131とが互いに逆方向に同じ回転数で回転駆動することによって第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の周方向の位置に応じた押引力Fを発生させるとともに同押引力Fによってトラフ103を往復振動させる。したがって、物品搬送フィーダ100は、トラフ103がトラフ駆動ユニット110による押引力Fによって往復振動してホッパ104内の搬送対象物品を排出口104b側に移動させる。
【0053】
一方、使用者は、物品搬送フィーダ100による搬送対象物品の搬送を一時的に中断する場合には、入力装置151を操作して制御装置150に対して駆動モータ112の待機運転を指示する。この指示に応答して制御装置150は、予め設定された回転数、具体的には、前記第2周波数に対応する回転数で駆動モータ112を回転駆動させる。
【0054】
これにより、トラフ駆動ユニット110は、第2周波数に対応する回転数に応じた押引力F、すなわち、ホッパ104内の搬送対象物品の搬送には不十分な押引力Fを発生させるとともに同押引力Fによってトラフ103を往復振動させる。したがって、物品搬送フィーダ100は、ホッパ104内で搬送対象物品を移動させることなく保持した状態でトラフ103を往復振動させた待機状態となる。
【0055】
そして、使用者は、再び、物品搬送フィーダ100による搬送対象物品の搬送を再開する場合には、入力装置151を操作して制御装置150に対して駆動モータ112の搬送運転を指示する。この指示に応答して制御装置150は、予め設定された回転数、具体的には、前記第1周波数に対応する回転数で駆動モータ112を回転駆動させる。これにより、物品搬送フィーダ100は、前記第1周波数に対応する押引力Fによってトラフ103が往復振動してホッパ104内の搬送対象物品が排出口104b側に移動される。この場合、物品搬送フィーダ100は、トラフ104の往復振動を増加させる過程において4つのトラフ支持体102が支持する物体全体の固有周波数(本実施形態においては5〜8Hz)を通過しないため、トラフ104を共振させることなく円滑に前記第1周波数に対応する押引力Fによって往復振動させることができる。
【0056】
また、使用者は、物品搬送フィーダ100による搬送対象物品の搬送を中断する場合には、入力装置151を操作して制御装置150に対して駆動モータ112の運転停止を指示する。この指示に応答して制御装置150は、駆動モータ112の回転駆動を停止させる。これにより、使用者は、物品搬送フィーダ100の作動を完全に停止させて搬送対象物品の搬送作業を終了することができる。なお、使用者は、搬送対象物品の搬送仕様に応じて第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の前記周方向の位置を変更することにより押引力Fの大きさを変更して搬送対象物品の搬送を続行または再開させることもできる。
【0057】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、物品搬送フィーダ100は、第1不平衡ウエイト141,142を備える第1ウエイト駆動軸130に第2不平衡ウエイト143,144を備える第2ウエイト駆動筒131が回転自在に設けられているため、第2不平衡ウエイト143,144を必ずしも第1不平衡ウエイト141,142の外側に配置する必要がなくトラフ駆動ユニット110をコンパクトに構成することができる。また、本発明に係る物品搬送フィーダ100は、第1不平衡ウエイト141,142とともに対を構成する第2不平衡ウエイト143,144が第2ウエイト駆動筒131に取り付け可能に構成されていればよいため、構造を簡単化することができる。これらの結果、本発明に係る物品搬送フィーダ100は、装置構成をコンパクト化して狭小なスペースでも設置することができるとともに、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の構造を簡単化して製造負担およびメンテナンス負担を軽減することができる。
【0058】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下で説明する各変形例においては、上記実施形態と同様の構成部分に同じ符号を付して説明は適宜省略する。
【0059】
例えば、上記実施形態においては、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144をそれぞれ2つずつの不平衡ウエイトで構成した。しかし、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、少なくとも1つずつ不平衡ウエイトで構成されていればよい。
【0060】
また、上記実施形態においては、制御装置150は、駆動モータ112を第1周波数および第2周波数にそれぞれ対応する2つの回転数で選択に回転駆動するように構成した。しかし、制御装置150は、駆動モータ112を1つの回転数のみで、または3つ以上の回転数で選択的に回転駆動するように構成することもできる。
【0061】
また、上記実施形態においては、物品搬送フィーダ100は、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131を1つの駆動モータ112で駆動するように構成した。しかし、物品搬送フィーダ100は、第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131をそれぞれ1つの駆動モータ112、すなわち、2つの駆動モータ112で駆動するように構成することもできる。
【0062】
また、上記実施形態においては、物品搬送フィーダ100は、駆動モータ112の回転駆動力をベルト伝達によって第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131にそれぞれ伝動するように構成した。しかし、物品搬送フィーダ100は、駆動モータ112の回転駆動力を歯車伝達によって第1ウエイト駆動軸130および第2ウエイト駆動筒131にそれぞれ伝動するように構成することができる。例えば、図9に示す物品搬送フィーダ100においては、第2駆動側伝達回転体115および第2従動側伝達回転体119を互いに噛合う歯車で構成している。これによれば、物品搬送フィーダ100は、第2伝達架設体117および遊動伝達回転体120を省略した簡単な構成で第1ウエイト駆動軸130と第2ウエイト駆動筒131とを互いに逆方向に回転駆動することができる。
【0063】
また、上記実施形態においては、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、2つのパーツに分割可能に構成した。この場合、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、重さや大きさの異なるパーツを予め用意しておくことによって、組み合わせるパーツを変更して第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144の重さや大きさを簡単に変更することができる。一方、第1不平衡ウエイト141,142および第2不平衡ウエイト143,144は、2つ以上のパーツに分割できない1つのパーツによって構成することも可能である。
【0064】
また、上記実施形態においては、物品搬送フィーダ100は、基台101上にトラフ支持体102を介してトラフ103を直接支持した所謂1振動系で構成されている。すなわち、上記実施形態における物品搬送フィーダ100は、トラフ103を共振現象によって振動させるものではなく、トラフ駆動ユニット110が発生させる押引力Fで直接往復振動させるため、ホッパ104内の搬送対象物品の量が変化するホッパ装置には特に好適である。しかし、本発明に係る物品搬送フィーダは、基台上に2つの質量系を浮動的に支持してこれら2つの質量系を共振させて搬送対象物品を搬送する所謂2振動系の物品搬送装置にも適用できることは当然である。
【符号の説明】
【0065】
F…押引力、SP…トラフ支持体が支持する物体全体の重心位置、FL…押引力の延長線、TL…トラフ支持体の板面の延長線、CP…各不平衡ウエイトの重心、CF…回転駆動する各不平衡ウエイトに作用する遠心力、
100…物品搬送フィーダ、
101…基台、101a…防振脚、101b…受け支柱、102…トラフ支持体、102a…屈曲縁、103…トラフ、104…ホッパ、104a…投入口、104b…排出口、105…支持フレーム、105a…下垂部、106…重心調整ウエイト、107…ストッパ、
110…トラフ駆動搬送ユニット、111…ケース、111a…位置決め孔、112…駆動モータ、112a…駆動軸、113…中間筒、113a…筒本体、113b…押え板、113c…ボルト、114…第1駆動側伝達回転体、115…第2駆動側伝達回転体、116…第1伝達架設体、117…第2伝達架設体、118…第1従動側伝達回転体、119…第2従動側伝達回転体、
120…遊動伝達回転体、
130…第1ウエイト駆動軸、131…第2ウエイト駆動筒、
141,142…第1不平衡ウエイト、143,144…第2不平衡ウエイト、145,146…取付孔、147…ボルト、148,149…位置決め孔、
150…制御装置、151…入力装置、152…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9