特許第6294185号(P6294185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294185
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/06 20060101AFI20180305BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20180305BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180305BHJP
【FI】
   F21V23/06
   F21V33/00 110
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-158073(P2014-158073)
(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公開番号】特開2016-35829(P2016-35829A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社岡村製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌順
(72)【発明者】
【氏名】杉本 耕造
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−170970(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3186404(JP,U)
【文献】 実開平5−79806(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第2110057(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/06
F21V 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を収納する筐体と、
前記光源に電力を供給する電源ケーブルを接続可能なコネクタとを備える照明装置であって、
前記筐体には、前記コネクタが2つ収納され、前記電源ケーブルを前記コネクタに接続するための2つの開口部と、前記2つの開口部を開閉するカバー部材とが設けられ、
前記カバー部材は、スライド移動可能であり、前記2つの開口部の一方を閉塞したときに前記2つの開口部の他方を開放するとともに、前記2つの開口部の他方を閉塞したときに前記2つの開口部の一方を開放するように構成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記筐体は、直方体状に形成され、
前記2つの開口部および前記カバー部材は、前記筐体の1つの面に設けられ、
前記2つの開口部は、前記面の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、
前記カバー部材は、前記2つの開口部間の長さに比べて少なくとも前記開口部1つ分短くなるように形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の照明装置において、
前記カバー部材は、前記2つの開口部の一方を開閉するカバー部と、前記2つの開口部の他方を開閉するカバー部と、前記2つのカバー部を連結する連結部とを含むことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置において、
前記筐体には、前記カバー部材がスライド移動可能に挿入されるレールが設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置において、
前記レールは、設置用の支持部材を挿入可能に構成されていることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を陳列する棚などに設置される照明装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この照明装置は、長尺状に形成されており、長手方向の一方端部から電源ケーブルが引き出されている。
【0003】
ここで、このような照明装置は、棚に沿って直線状に連なるように複数設置される場合がある。このように、複数の照明装置が設置される場合において、照明装置から引き出される電源ケーブルの位置が固定されていると、電源ケーブルの取り回しが複雑になるとともに、見栄えが悪化するという不都合があった。
【0004】
そこで、従来では、電源ケーブルを接続可能なコネクタが長手方向の両端部に設けられた照明装置が提案されている。この照明装置では、2つのコネクタのうちのいずれかを利用者が選択して、その選択されたコネクタに電源ケーブルを接続することが可能である。このため、長尺状の照明装置において、長手方向の一方端部から電源ケーブルを引き出したり、長手方向の他方端部から電源ケーブルを引き出したりすることが可能になる。これにより、電源ケーブルが取り回しやすくなるとともに、見栄えの悪化を抑制することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−218186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、長手方向の両端部にコネクタが設けられた従来の照明装置では、両方のコネクタに電源ケーブルを接続することが可能であり、このような配線ミスが発生すると、故障などが発生するおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、2つのコネクタが設けられている場合に、配線ミスが発生するのを防止することが可能な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による照明装置は、光源を収納する筐体と、光源に電力を供給する電源ケーブルを接続可能なコネクタとを備える。筐体には、コネクタが2つ収納され、電源ケーブルをコネクタに接続するための2つの開口部と、2つの開口部を開閉するカバー部材とが設けられている。カバー部材は、スライド移動可能であり、2つの開口部の一方を閉塞したときに2つの開口部の他方を開放するとともに、2つの開口部の他方を閉塞したときに2つの開口部の一方を開放するように構成されている。
【0009】
このように構成することによって、2つの開口部をカバー部材が択一的に開放することにより、電源ケーブルを接続可能なコネクタを2つの中から選択することができる。そして、開放された開口部を介して電源ケーブルがコネクタに接続された場合には、もう1つのコネクタに対応する開口部がカバー部材により自動的に閉塞されているので、そのコネクタに電源ケーブルが接続されるのを防止することができる。したがって、2つのコネクタが設けられている場合に、両方のコネクタに電源ケーブルが接続されるという配線ミスが発生するのを防止することができる。
【0010】
上記照明装置において、筐体は、直方体状に形成され、2つの開口部およびカバー部材は、筐体の1つの面に設けられ、2つの開口部は、面の長手方向の両端部にそれぞれ設けられ、カバー部材は、2つの開口部間の長さに比べて少なくとも開口部1つ分短くなるように形成されていてもよい。なお、2つの開口部間の長さとは、2つの開口部の互いに遠い側(外側)の端部間の長さである。
【0011】
このように構成すれば、2つの開口部をカバー部材が択一的に開放することが容易にできる。
【0012】
上記照明装置において、カバー部材は、2つの開口部の一方を開閉するカバー部と、2つの開口部の他方を開閉するカバー部と、2つのカバー部を連結する連結部とを含んでいてもよい。
【0013】
このように構成すれば、寸法の異なる照明装置に対して、カバー部を共通化することにより、連結部の寸法を変更すれば対処することができる。
【0014】
上記照明装置において、筐体には、カバー部材がスライド移動可能に挿入されるレールが設けられていてもよい。
【0015】
このように構成すれば、カバー部材を容易にスライド移動させることができる。
【0016】
この場合において、レールは、設置用の支持部材を挿入可能に構成されていてもよい。
【0017】
このように構成すれば、照明装置のカバー部材が設けられている面を支持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の照明装置によれば、2つのコネクタが設けられている場合に、配線ミスが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による照明装置を斜め後方から見た斜視図である。
図2図1の照明装置の内部構造を示した断面図である。
図3図1の照明装置のカバー部材の一部を破断した分解斜視図である。
図4】本実施形態の照明装置の一部を破断した斜視図であって、カバー部材が長手方向の他方側に配置された状態を示した図である。
図5】本実施形態の照明装置の一部を破断した斜視図であって、カバー部材が長手方向の一方側に配置された状態を示した図である。
図6】本実施形態の変形例による照明装置を拡大して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
まず、図1図5を参照して、本実施形態による照明装置100について説明する。
【0022】
照明装置100は、図1に示すように、直方体状に形成されるとともに、長手方向(X1およびX2方向)に延びるように長尺状に形成されている。この照明装置100は、たとえば、棚下に、その棚に沿って直線状に連なるように複数設置される。これにより、棚下に設置された照明装置100は、1段下の棚に陳列される商品などを上方から照らすようになっている。具体的には、照明装置100は、光を出射するLED1(図2参照)と、LED1を収納する筐体2とを備えている。
【0023】
LED(発光ダイオード)1は、長手方向に延びる板状の配線基板3(図2参照)に設けられている。このLED1は、配線基板3の延びる方向に複数設けられている。なお、LED1は、本発明の「光源」の一例である。
【0024】
筐体2は、長尺な直方体状であり、長手方向に延びる筒状の本体部材21と、本体部材21の長手方向の両端部に設けられた端部部材(エンドキャップ)22とを含んでいる。そして、筐体2では、本体部材21と、一対の端部部材22と、後述する透光性カバー4(図2参照)とにより、LED1および配線基板3などを収納する内部空間が形成されるようになっている。
【0025】
本体部材21は、たとえば金属製であり、図2に示すように、断面形状がほぼ長方形状に形成されるとともに、その断面形状が長手方向において同じになるように形成されている。すなわち、本体部材21には、開口部21a、溝部21b、21c、挿入孔21d、ねじ孔21e、21fおよびレール21gなどが形成され、これらが長手方向に延びるように形成されている。
【0026】
開口部21aは、本体部材21の下端面の前端側(Y1方向側)に形成されている。この開口部21aには透光性カバー4が設けられており、その透光性カバー4により開口部21aが閉じられるようになっている。
【0027】
透光性カバー4は、たとえば透光性を有する樹脂製であり、長手方向に延びるように形成されている。この透光性カバー4には、LED1から出射された光を調整するためのレンズ部4aが長手方向に複数設けられている。また、透光性カバー4は、短手方向(Y1およびY2方向)の端部が本体部材21の溝部21bに挿入されることにより、本体部材21に対して取り付けられている。
【0028】
溝部21cは、本体部材21の前端面および後端面に対向するように形成されている。そして、溝部21cに配線基板3の短手方向の端部が挿入されることにより、配線基板3が本体部材21に対して取り付けられている。なお、配線基板3に設けられたLED1は、透光性カバー4のレンズ部4aと対応する位置に配置されている。また、配線基板3と本体部材21との間には絶縁シート5が介在されている。
【0029】
挿入孔21dは、本体部材21の上端面に形成され、照明装置100を棚下に設置するための支持部材(図示省略)が挿入可能に構成されている。また、ねじ孔21eおよび21fは、端部部材22を本体部材21に取り付けるために設けられている。
【0030】
レール21gは、本体部材21の後端面に形成され、後述するカバー部材8が挿入されている。このレール21gは、後端面から内側(Y1方向側)に窪むように形成された溝状部211gと、溝状部211gの上端部および下端部に形成されたフック状(鉤状)の係合部212gとを含んでいる。これにより、レール21gは、挿入されたカバー部材8を短手方向において挟み込むように構成されており、そのカバー部材8を長手方向にスライド移動可能に支持するとともに、そのカバー部材8が抜け落ちないようになっている。
【0031】
端部部材22は、図4および図5に示すように、本体部材21の長手方向の端部に設けられている。具体的には、ねじ6がねじ孔21eに螺合されるとともに、ねじ(図示省略)がねじ孔21fに螺合されることにより、端部部材22が本体部材21に対して取り付けられている。端部部材22には、本体部材21の挿入孔21dと対応する位置に、設置用の支持部材が挿入可能な挿入孔22aが形成されている。このため、挿入孔22aおよび21dにより、筐体2を長手方向に貫通する孔が構成されている。また、端部部材22には、上端面の本体部材21側に後方(Y2方向)に突出する突出部22bが形成されている。
【0032】
また、端部部材22の内部には、LED1に電力を供給する電源ケーブル(図示省略)を接続可能なコネクタ7が収納されている。コネクタ7は、配線基板3を介してLED1に接続されている。このため、電源ケーブルがコネクタ7に接続された場合に、LED1を点灯させるための電力がLED1に供給されるようになっている。そして、端部部材22の後端面が切り欠かれており、筐体2の後端面2aにはコネクタ7を露出させるための開口部20が形成されている。開口部20は、電源ケーブルをコネクタ7に接続するために設けられ、コネクタ7は、差込口が開口部20に臨むように配置されている。
【0033】
つまり、照明装置100では、筐体2の内部に給電用のコネクタ7が2つ設けられ、その2つのコネクタ7が長手方向の両端部にそれぞれ配置されている。そして、コネクタ7と対応するように開口部20が2つ設けられ、その2つの開口部20が長手方向の両端部にそれぞれ配置されている。
【0034】
なお、2つのコネクタ7は、長手方向の一方側(X1方向側)のコネクタ7aと、長手方向の他方側(X2方向側)のコネクタ7bとにより構成されている。また、2つの開口部20は、長手方向の一方側の開口部20aと、長手方向の他方側の開口部20bとにより構成されている。
【0035】
そして、本実施形態の照明装置100では、開口部20を開閉するカバー部材8が設けられている。このカバー部材8は、レール21g(図2参照)に挿入され、長手方向にスライド移動可能に構成されている。そして、カバー部材8は、2つの開口部20間の長さに比べて開口部20の1つ分だけ短くなるように形成され、スライド移動可能な距離が開口部20の1つ分に設定されている。これにより、カバー部材8は、図4に示すように、開口部20b(図5参照)を閉塞したときに開口部20aを開放するとともに、図5に示すように、開口部20a(図4参照)を閉塞したときに開口部20bを開放するように構成されている。
【0036】
なお、2つの開口部20間の長さとは、2つの開口部20の互いに遠い側(外側)の端部間の長さである。すなわち、本実施形態で2つの開口部20は、照明装置100の複数ある面のうちの一面(Y2方向側の面)にそれぞれが形成されており、その2つの開口部20間の長さとは、開口部20aのX1方向側の端部と、開口部20bのX2方向側の端部との間の長さである。
【0037】
具体的には、カバー部材8は、開口部20を開閉する2つのカバー部81と、2つのカバー部81を連結する連結部82とを含んでいる。なお、2つのカバー部81は、長手方向の一方側のカバー部81aと、長手方向の他方側のカバー部81bとにより構成されている。
【0038】
カバー部81は、たとえば金属製の板状部材であり、図3に示すように、取付部811と、被ガイド部812と、段差部813と、カバー板814とが連なるように形成されている。
【0039】
取付部811は、たとえば両面テープ(図示省略)により連結部82に取り付けられている。被ガイド部812は、取付部811および段差部813に比べて縦方向(Z方向)の長さが大きくなるように形成され、レール21gにガイドされるようになっている。段差部813は、被ガイド部812から後方(Y2方向)に立ち上がるように形成されている。なお、段差部813は、縦方向の長さが、レール21gの一対の係合部212g間の距離に比べて小さくされている。このため、カバー板814は、図4および図5に示すように、筐体2の後端面2aよりも後方(Y2方向側)に配置されている。カバー板814は、横方向(X1およびX2方向)の長さが端部部材22とほぼ同じであるとともに、縦方向(Z方向)の長さが筐体2に比べて突出部22bの分だけ小さくされている。カバー板814は、開口部20を開閉可能に構成され、上端部に上方に突出する突出部815が設けられている。
【0040】
連結部82は、たとえば樹脂製の板状部材であり、長手方向に延びるように形成されている。この連結部82は、図3に示すように、板状部82aと、板状部82aの上端部および下端部から後方(Y2方向)に突出する突部82bとを含んでいる。すなわち、連結部82は、前方側(Y1方向側)に窪む溝が長手方向に延びるように形成されている。そして、板状部82aの後方側に、一対の突部82bの間にカバー部81の取付部811が取り付けられ、連結部82の長手方向の両端部にカバー部81の被ガイド部812が隣接配置される。
【0041】
板状部82aは、縦方向の長さが、レール21gに比べて若干小さくされるとともに、被ガイド部812とほぼ同じになっている。突部82bは、厚み方向(Y1およびY2方向)の長さが、レール21gの溝状部211gと係合部212gとの距離に比べて若干小さくされるとともに、板状部82aおよび取付部811の厚みの合計とほぼ同じになっている。
【0042】
このような照明装置100では、図4に示すように、カバー部材8が長手方向の他方側(X2方向側)に配置されている場合には、カバー部81aの突出部815が端部部材22の突出部22bに接触され、カバー部81bの段差部813が端部部材22に接触される。このとき、開口部20aが開放され、開口部20b(図5参照)がカバー部81bにより閉塞される。これにより、コネクタ7aに電源ケーブルを接続可能な状態になるとともに、コネクタ7b(図5参照)に電源ケーブルを接続できない状態になる。そして、この状態からコネクタ7aに電源ケーブルが接続された場合には、その接続された電源ケーブルがカバー部材8と干渉するため、カバー部材8をスライド移動させることができなくなる。したがって、コネクタ7aに電源ケーブルが接続された場合には、開口部20bを開くことができなくなり、コネクタ7bに電源ケーブルを接続できなくなる。
【0043】
その一方、図5に示すように、カバー部材8が長手方向の一方側(X1方向側)に配置されている場合には、カバー部81aの段差部813が端部部材22に接触され、カバー部81bの突出部815が端部部材22の突出部22bに接触される。このとき、開口部20a(図4参照)がカバー部81aにより閉塞され、開口部20bが開放される。これにより、コネクタ7a(図4参照)に電源ケーブルを接続できない状態になるとともに、コネクタ7bに電源ケーブルを接続可能な状態になる。そして、この状態からコネクタ7bに電源ケーブルが接続された場合には、その接続された電源ケーブルがカバー部材8と干渉するため、カバー部材8をスライド移動させることができなくなる。したがって、コネクタ7bに電源ケーブルが接続された場合には、開口部20aを開くことができなくなり、コネクタ7aに電源ケーブルを接続できなくなる。
【0044】
いずれの場合においても、2つの開口部20が同じ方向(Y2方向)に対して開口し、開口方向と直交する方向(X1およびX2方向)にカバー部材8がスライド移動して開口部20aと開口部20bのいずれかが開放されることによって、電源ケーブルをコネクタ7aとコネクタ7bのいずれか一方にのみ接続可能な状態としている。
【0045】
−効果−
本実施形態では、上記のように、2つの開口部20をカバー部材8が択一的に開放することによって、電源ケーブルを接続可能なコネクタ7を2つの中から選択することができる。そして、開放された開口部20を介して電源ケーブルがコネクタ7に接続された場合には、もう1つのコネクタ7に対応する開口部20がカバー部材8により自動的に閉塞されているので、そのコネクタ7に電源ケーブルが接続されるのを防止することができる。したがって、2つのコネクタ7が設けられている場合に、両方のコネクタ7に電源ケーブルが接続されるという配線ミスが発生するのを防止することができる。
【0046】
また、コネクタ7を2つ設けることによって、電源ケーブルが取り回しやすくなるとともに、見栄えの悪化を抑制することができる。たとえば、一対の仕切り壁の間の棚下に、2つの照明装置100が直線状に配置された場合には、互いに隣接する側の開口部20を閉塞するとともに、仕切り壁側の開口部20を開放して電源ケーブルを接続することにより、電源ケーブルを仕切り壁に沿って配線することができるので、電源ケーブルを取り回しやすく、見栄えが悪化するのを抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態では、カバー部材8を、2つの開口部20間の長さに比べて開口部20の1つ分だけ短くなるように形成することによって、2つの開口部20をカバー部材8が択一的に開放することが容易にできる。
【0048】
また、本実施形態では、2つのカバー部81とそれらを連結する連結部82とによりカバー部材8を構成することによって、寸法(長手方向の長さ)の異なる照明装置100に対して、カバー部81を共通化することにより、連結部82の寸法を変更すれば対処することができる。また、カバー部81と連結部82とを異なる材質にすることができるので、連結部82を樹脂製にして製造コストの低減を図ることができる。
【0049】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0050】
たとえば、本実施形態では、照明装置100が棚下に設置される例を示したが、これに限らず、照明装置が棚上などのその他の場所に設置されていてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、長尺状の照明装置100が直線状に形成される例を示したが、これに限らず、長尺状の照明装置が湾曲するように形成されていてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、開口部20、カバー部材8およびレール21gが、筐体2の後端面2aに設けられる例を示したが、これに限らず、これらがその他の面に設けられていてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、開口部20、カバー部材8およびレール21gが、筐体2の同じ面に設けられる例を示したが、これに限らず、これらが異なる面に設けられていてもよい。たとえば、開口部およびカバー部材のカバー部が、筐体の後端面に設けられるとともに、レールおよびカバー部材の連結部が、筐体の下端面に設けられるようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、カバー部材8が、2つの開口部20間の長さに比べて開口部20の1つ分だけ短い例を示したが、これに限らず、カバー部材が2つの開口部を択一的に開くように、カバー部材の長手方向のストローク位置が択一的に設定されるように構成されていれば、カバー部材がもっと短くてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、2つのカバー部81とそれらを連結する連結部82とによりカバー部材8を構成する例を示したが、これに限らず、カバー部材が1つの材料で一体的に形成されていてもよい。
【0056】
また、図6に示した変形例による照明装置200のように、レールに設置用の支持部材250が挿入されていてもよい。この照明装置200のカバー部材201は、レール内をスライド移動する複数の可動部材201aと、複数の可動部材201aの両端に設けられたカバー部81とを含んでいる。そして、可動部材201aの間に支持部材250が配置されている。すなわち、カバー部材201と支持部材250とでレールを共用するようになっている。このように構成すれば、照明装置200が設置されるときに、支持部材250により筐体2の後端面を支持することができる。
【0057】
また、本実施形態では、カバー部81の取付部811が連結部82の板状部82aに対して後方側(Y2方向側)に配置される例を示したが、これに限らず、カバー部の取付部が連結部の板状部に対して前方側に配置されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、長尺状に形成され、2つのコネクタが設けられる照明装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 LED(光源)
2 筐体
2a 後端面(面)
7、7a、7b コネクタ
8、201 カバー部材
20、20a、20b 開口部
21g レール
81、81a、81b カバー部
82 連結部
100、200 照明装置
250 支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6