(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(i)化粧品組成物の全重量に対して、40重量%〜80重量%の含有量の1種または複数種の、25℃及び760mmHgで水への溶解度が5%未満であり且つ室温及び大気圧で液体である化合物から選択される有機化合物である脂肪性物質、
(ii)オキシエチレン数が10以下の1種または複数種のオキシエチレン化脂肪アルコール、
(iii)1種または複数種のアルキルポリグルコシドタイプのノニオン性界面活性剤、及び、
(iv)ノニオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性の会合性ポリマーからなる群から選択される1種又は複数種の増粘剤
を含む水性化粧品組成物。
前記脂肪性物質が、液状ワセリン、ペルヒドロスクアレン、ポリデセン、脂肪酸及び/若しくは脂肪アルコールの液体エステル、又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧品組成物。
前記オキシエチレン化脂肪アルコールが、10〜20個の炭素原子と、2〜8個のエチレンオキシド基を含む飽和又は不飽和の、直鎖状脂肪アルコールであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
1種または複数種の酸化塩基から選択される1種または複数種の酸化染料を、1種または複数種のカプラーと組み合わせて又は組み合わせないで含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧品組成物。
ケラチン繊維を脱色する方法であって、所望の色彩を発現させるのに十分な時間にわたり、1種または複数種の化学酸化剤を含む組成物の存在下で、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧品組成物を前記繊維に塗布することを含む方法。
ケラチン繊維を染色する方法であって、所望の色彩を発現させるのに十分な時間にわたり、1種または複数種の化学酸化剤を含む組成物の存在下で、請求項10に記載の化粧品組成物を前記繊維に塗布することを含む方法。
請求項1〜7のいずれか一項で定義された水性化粧品組成物を含み、1種または複数種のアルカリ剤を含むか又は含まない、水性化粧品組成物(A)を含有する第1コンパートメント、1種または複数種の化学酸化剤を含む化粧品組成物(C)を含有する第2コンパートメントを使用する第2マルチコンパートメント装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
特定の実施形態によれば、脂肪性物質は、脂肪酸以外のものである。
【0028】
脂肪性物質は、特に、C
6〜C
16低級アルカン、動物、植物、鉱物若しくは合成起源の非シリコーン油、非オキシアルキレン化脂肪アルコール、脂肪酸及び/又は脂肪アルコールエステル、非シリコーンワックス並びにシリコーンから選択される。
【0029】
本発明の目的のために、脂肪アルコール及びエステルは、より具体的には、6〜30個の炭素原子を有し、任意選択で1個または複数個(特に、1〜4個)のヒドロキシル基で置換された1種または複数種の直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和炭化水素基である。これらが不飽和であれば、これらの化合物は、1〜3の共役又は非共役炭素−炭素二重結合を含んでもよい。
【0030】
C
6〜C
16低級アルカンに関して、これらは直鎖若しくは分枝状であるか、又は任意選択で環状である。例として、アルカンは、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン及びトリデカン、イソパラフィン、例えば、イソヘキサデカン及びイソデカンから選択してよい。
【0031】
本発明の組成物に用いることができる動物、植物、鉱物若しくは合成起源の非シリコーン油として挙げられる例は、以下のものを含む:
− 動物又は植物由来の炭化水素油、例えば、ペルヒドロスクアレン;
− 6〜30個の炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリドなどの植物若しくは合成起源のトリグリセリド油、例えば、ヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド、あるいは、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、マロー(marrow)油、ブドウ種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ(arara)油、ヒマシ油、アボガド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearinerie Dubois社から市販されているもの、又はDynamit Nobel社によりMiglyol(登録商標)810,812及び818の名称で市販されているもの、ホホバ油及びシアバター油;
− 鉱物又は合成起源の炭素数16超の直鎖又は分枝状炭化水素、例えば、揮発性又は非揮発性液体パラフィン、及びそれらの誘導体、ワセリン、液状ワセリン、ポリデセン、並びにParleam(登録商標)などの水素化ポリイソブテン;
− フルオロ油、例えば、ペルフルオロメチルシクロペンタン、並びにBNFL Fluorochemicals社によりFlutec(登録商標)PC1及びFlutec(登録商標)PC3の名称で市販されているペルフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン;ペルフルオロ−1,2−ジメチルシクロブタン;3M社によりPF5050(登録商標)及びPF5060(登録商標)の名称で市販されているドデカフルオロペンタン及びテトラデカフルオロヘキサンなどのペルフルオロアルカン、又はAtochem社によりForalkyl(登録商標)の名称で市販されているブロモペルフルオロオクチル;ノナフルオロメトキシブタン及びノナフルオロエトキシイソブタン;3M社によりPF5052(登録商標)の名称で市販されている4−(トリフルオロメチル)ペルフルオロモルホリンなどのペルフルオロモルホリン誘導体。
【0032】
水性化粧品組成物に用いることができる非オキシアルキレン化脂肪アルコールは、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状であり、6〜30個、より具体的には8〜30個の炭素原子を含み;セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコールが挙げられる。
【0033】
水性化粧品組成物に用いることができる脂肪酸は、6〜30個、より具体的には9〜30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和カルボン酸から選択してよい。これらは、より具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びイソステアリン酸から選択される。
【0034】
脂肪酸及び/又は脂肪アルコールのエステル(これらは、上に挙げたトリグリセリドとは異なっていると有利である)は、飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状C
1〜C
26脂肪族モノ−又はポリ酸のエステル、及び飽和又は不飽和、直鎖又は分枝状C
1〜C
26脂肪族モノ−又はポリアルコールのエステルであり、これらエステルの総炭素数は、より具体的には、10以上である。
【0035】
モノエステルの中でも、以下のものが挙げられる:ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;C
12〜C
15乳酸アルキル;乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル;乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸(イソ)ステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル;ステアリン酸イソセチル;オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;リシノール酸メチルアセチル;ステアリン酸ミリスチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2−エチルヘキシル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチル及びイソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル、2−オクチルドデシル、ミリスチル若しくはステアリル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル。
【0036】
さらにまたこの代替形態に関する範囲で、C
4〜C
22ジ−又はトリカルボン酸及びC
1〜C
22アルコールのエステル、並びにモノ−、ジ−又はトリカルボン酸、及びジ−、トリ−、テトラ−又はペンタヒドロキシC
2〜C
26アルコールのエステルを用いることもできる。
【0037】
特に、以下のものを挙げることができる:セバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ(n−プロピル);アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ジオクチル;ウンデシレン酸グリセリル;ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル;モノリシノレイン酸ペンタエリスリチル;テトライソノナン酸ペンタエリスリチル;テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル;テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル;テトラオクタン酸ペンタエリスリチル;ジカプリル酸プロピレングリコール;ジカプリン酸プロピレングリコール;エルカ酸トリデシル;クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソステアリル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル;ジオクタン酸プロピレングリコール;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジイソノナン酸ジエチレングリコール;及びジステアリン酸ポリエチレングリコール。
【0038】
上に挙げたエステルの中でも、以下のものを用いるのが好ましい:パルミチン酸エチル、イソプロピル、ミリスチル、セチル若しくはステアリル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル若しくは2−オクチルドデシル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル又はオクタン酸セチル。
【0039】
上記組成物は、脂肪エステルとして、C
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22脂肪酸の糖エステル及びジエステルも含みうる。「糖」という用語は、アルデヒド若しくはケトン官能基と共に、又はなしで数個のアルコール官能基を含有し、少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素含有炭化水素ベースの化合物を意味することに留意されたい。これらの糖は、単糖、オリゴ糖若しくは多糖であってよい。
【0040】
好適な糖として、例えば、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラクトース及びそれらの誘導体、特に、アルキル誘導体、例えば、メチル誘導体、例えば、メチルグルコースが挙げられる。
【0041】
糖及び脂肪酸のエステルは、特に、前述した糖、並びに飽和又は不飽和及び直鎖又は分枝状C
6〜C
30及び好ましくはC
12〜C
22脂肪酸のエステル又はエステルの混合物からなる群から選択することができる。これらが不飽和である場合、これらの化合物は、1つ〜3つの共役された、又は非共役の炭素−炭素二重結合を含んでもよい。
【0042】
この代替形態のエステルはまた、モノ−、ジ−、トリ−及びテトラエステル、ポリエステル並びにこれらの混合物から選択することもできる。
【0043】
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル、アラキドン酸エステル又はこれらの混合物、例えば、特に、オレイン酸エステル/パルミチン酸エステル、オレイン酸エステル/ステアリン酸エステル又はパルミチン酸エステル/ステアリン酸エステルの混合エステルであってよい。
【0044】
より具体的には、スクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノ−及びジエステル、特に、モノ−及びジ−オレイン酸エステル、−ステアリン酸エステル、−ベヘン酸エステル、−オレイン酸エステル/パルミチン酸エステル、−リノール酸エステル、−リノレン酸エステル、又は−オレイン酸エステル/ステアリン酸エステルを用いる。
【0045】
例として、AmercholからGlucate(登録商標)DOの名称で市販されている製品が挙げられるが、これは、ジオレイン酸メチルグルコースである。
【0046】
また、例として、下記の糖及び脂肪酸のエステル又はエステルの混合物も挙げられる:
− CrodestaからF160、F140、F110、F90、F70及びSL40の名称で市販されている製品(それぞれ、73%モノエステルと27%ジ−及びトリエステルから、61%モノエステルと39%ジ−、トリ−及びテトラエステルから、52%モノエステルと48%ジ−、トリ−及びテトラエステルから、45%モノエステルと55%ジ−、トリ−及びテトラエステルから、並びに39%モノエステルと61%ジ−、トリ−及びテトラエステルから形成されるパルミチン酸/ステアリン酸スクロース、並びにモノラウリン酸スクロースを示す);
− Ryoto Sugar Estersの名称で市販されている製品、例えば、B370の品番で、20%モノエステルと80%ジエステル、トリエステル及びポリエステルから形成されるベヘン酸スクロースに相当するもの;
− GoldschmidtからTegosoft(登録商標)PSEの名称で市販されているモノパルミチン酸/ステアリン酸−ジパルミチン酸/ステアリン酸スクロース。
【0047】
水性化粧品組成物(A)に用いることができる非シリコーンワックスは、特に、カルナウバワックス、カンデリラワックス、エスパルトグラスワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、植物ワックス、例えば、オリーブワックス、ライスワックス、水添ホホバワックス、又は花類の無水ワックス、例えば、Bertin社(フランス)から市販されているブラックカラント(blackcurrant)の花のエッセンシャルワックス、動物性ワックス、例えば、ミツロウ若しくは変性ミツロウ(セラベリナ(cerabellina))から選択され:本発明に従い用いてもよい他のワックス又はワックス状出発材料は、特に、海洋性ワックス、例えば、Sophim社から品番M82で市販されている製品、並びにポリエチレンワックス又はポリオレフィンワックス全般である。
【0048】
本発明の水性化粧品組成物に用いることができるシリコーンは、揮発性又は非揮発性であり、環状、直鎖状若しくは分枝状シリコーンであり、非変性であるか有機基で変性されており、25℃で5×10
−6〜2.5m
2/秒、好ましくは1×10
−5〜1m
2/秒の粘度を有する。
【0049】
本発明に従い用いることができるシリコーンは、油、ワックス、樹脂又はゴムの形態で提供してよい。
【0050】
好ましくは、シリコーンは、ポリジアルキルシロキサン、特に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、並びにポリ(オキシアルキレン)基、アミノ基及びアルコキシ基から選択される少なくとも1つの官能基を含む有機変性ポリシロキサンから選択される。
【0051】
オルガノポリシロキサンは、Walter Noll’s“Chemistry and Technology of Silicones”(1968),Academic Pressにさらに詳しく定義されている。これらは、揮発性又は非揮発性であってよい。
【0052】
これらが揮発性である場合、シリコーンは、より具体的には、60℃〜260℃の沸点を有するものから、とりわけ以下から選択される:
(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特に、Union CarbideからVolatile Silicone(登録商標)7207の名称で、又はRhodiaからSilbione(登録商標)70045V2の名称で市販されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union CarbideからVolatile Silicone(登録商標)7158の名称で、及びRhodiaからSilbione(登録商標)70045V5の名称で市販されているデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物である。
【0053】
また、ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンタイプのシクロコポリマー、例えば、Union Carbideから市販され、式:
【化1】
を有するVolatile Silicone(登録商標)FZ3109を挙げることもできる。
【0054】
さらに、環状ポリジアルキルシロキサンとケイ素由来の有機化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラ(トリメチルシリル)ペンタエリトリトールとの混合物(50/50)、並びにオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ−1,1’−ビス(2,2,2’,2’,3,3’−ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物;
(ii)2〜9個のケイ素原子を含み、25℃で5×10
−6m
2/秒以下の粘度を有する直鎖状揮発性ポリジアルキルシロキサンも挙げられる。一例として、特に、Toray Silicone社からSH 200の名称で市販されているデカメチルテトラシロキサンがある。このカテゴリーに属するシリコーンは、Cosmetics and Toiletries,Vol.91,Jan.76,pp.27−32,Todd & Byers,“Volatile Silicone Fluids for Cosmetics”に発表された論文にも記載されている。
【0055】
非揮発性ポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサンゴム及び樹脂、前記有機官能基で変性されたポリオルガノシロキサン、並びにこれらの混合物を用いるのが好ましい。
【0056】
これらのシリコーンは、より具体的には、ポリジアルキルシロキサンから選択され、中でも、主として、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。シリコーンの粘度は、ASTM規格445Apendix Cに従い、25℃で測定する。
【0057】
これらのポリジアルキルシロキサンの中でも、限定するものではないが、以下の市販の製品を挙げることができる:
− Rhodiaから市販されている、47及び70 047シリーズのSilbione(登録商標)オイル又はMirasil(登録商標)オイル、例えば、オイル70 047V500 000;
− Rhodiaから市販されているMirasil(登録商標)シリーズのオイル;
− Dow Corningからの200シリーズのオイル、例えば、粘度が60,000mm
2/秒のDC200;
− General ElectricからのViscasil(登録商標)オイル、及びGeneral ElectricからのSFシリーズ(SF96、SF18)のいくつかのオイル。
【0058】
また、ジメチコノール(CTFA)の名称で知られる、ジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサン、例えば、Rhodiaからの48シリーズのオイルも挙げられる。
【0059】
さらにまた、ポリジアルキルシロキサンのカテゴリーにおいて、GoldschmidtからAbil Wax(登録商標)9800及び9801の名称で市販されている製品も挙げられ、これは、ポリジ(C
1〜C
20)アルキルシロキサンである。
【0060】
本発明に従い使用することができるシリコーンゴムは、特に、ポリジアルキルシロキサンであり、好ましくは、200,000〜1,000,000の高い数平均分子量を有するポリジメチルシロキサンであり、溶媒中で単独又は混合物として用いられる。この溶媒は、揮発性シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)オイル、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)オイル、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカン、トリデカン又はこれらの混合物から選択することができる。
【0061】
より具体的に、本発明に従い使用することができる製品は、以下のような混合物である:
− 鎖末端でヒドロキシル化されたポリジメチルシロキサン、又はジメチコノール(CTFA)から、及びシクロメチコン(CTFA)としても知られる環状ポリジメチルシロキサンから形成される混合物、例えば、Dow Corningから市販されている製品Q2 1401;
− ポリジメチルシロキサンゴム及び環状シリコーンの混合物、例えば、General Electricからの製品SF1214 Silicone Fluid;この製品は、オイルSF1202 Silicone Fluid(デカメチルシクロペンタシロキサンに相当する)中に溶解させた、数平均分子量500,000のSF30ゴム(ジメチコンに相当する)であり;
− 粘度の異なる2種のPDMS、より具体的には、PDMSゴムとPDMSオイルの混合物、例えば、General Electricからの製品SF1236。製品SF1236は、粘度が20m
2/秒の前述したゴムSE30と、粘度が5×10
−6m
2/秒のオイルSF96の混合物である。この製品は、好ましくは、15%のゴムSE30と85%のオイルSF96を含む。
【0062】
本発明に従い使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂は、下記の単位を含む架橋シロキサン系である:
R
2SiO
2/2、R
3SiO
1/2、RSiO
3/2及びSiO
4/2
(Rは、1〜16個の炭素原子を有するアルキルを示す)。これらの製品の中でも、特に好ましいものは、Rが、低級C
1〜C
4アルキル基、より具体的にはメチルを示すものである。
【0063】
これらの樹脂の中でも、Dow Corning 593の名称で市販されている製品、又はGeneral ElectricからSilicone Fluid SS 4230及びSS 4267の名称で市販されている製品(ジメチル/トリメチルシロキサン構造のシリコーンである)を挙げることができる。
【0064】
また、特に、Shin−EtsuからX22−4914、X21−5034及びX21−5037の名称で市販されている、トリメチルシロキシケイ酸タイプの樹脂も挙げられる。
【0065】
本発明に従い使用することができる有機変性シリコーンは、上に定義した通りのシリコーンであり、これらは、その構造に、炭化水素基を介して結合した1個または複数個の有機官能基を含む。
【0066】
前述したシリコーンのほかに、有機変性シリコーンは、ポリジアリールシロキサン、特に、ポリジフェニルシロキサン、及び前述の有機官能基によって官能基化されたポリアルキルアリールシロキサンであってもよい。
【0067】
ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、25℃で1×10
−5m
2/秒から5×10
−2m
2/秒までの範囲の粘度を有する直鎖状及び/又は分枝状ポリジメチル/メチルフェニルシロキサン並びにポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0068】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中でも、挙げることができる例として以下の名称で市販されている製品がある:
− Rhodiaから市販されている、70 641シリーズのSilbione(登録商標)オイル;
− Rhodiaから市販されている、70 633及び763シリーズのRhodorsil(登録商標)のオイル;
− Dow CorningからのオイルDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid;
− BayerからのPKシリーズのシリコーン、例えば、製品PK20;
− BayerからのPN及びPHシリーズのシリコーン、例えば、製品PN1000及びPH1000;
− General ElectricからのSFシリーズのオイルの一部、例えば、SF1023、SF1154、SF1250及びSF1265。
【0069】
有機変性シリコーンの中でも、下記のものを含むポリオルガノシロキサンを挙げることができる:
− 任意選択でC
6〜C
24アルキル基を含むポリエチレンオキシ基及び/又はポリプロピレンオキシ基、例えば、Dow CorningからDC1248の名称で市販されているジメチコンコポリオールと呼ばれる製品、又はUnion CarbideからのオイルSilwet(登録商標)L722、L7500、L77及びL711、並びにDow CorningからQ2 5200の名称で市販されている(C
12)アルキルメチコンコポリオール;
− 置換若しくは非置換アミノ基、例えば、GeneseeからGP4 Silicone Fluid及びGP 7100の名称で市販されている製品、又はDow CorningからQ2 8220及びDow Corning 929若しくは939の名称で市販されている製品。置換アミノ基は、特にC
1〜C
4アミノアルキル基であり;
− SWS SiliconesからSilicone Copolymer F−755の名称で市販されている製品、並びにGoldschmidtからAbil Wax(登録商標)2428、2434及び2440の名称で市販されている製品。
【0070】
脂肪性物質は、C
2〜C
3オキシアルキレン単位を一切含まない。
【0071】
さらに具体的には、脂肪性物質は、室温及び大気圧で液体又はペースト状である化合物から選択される。
【0072】
好ましくは、脂肪性物質は、温度25℃及び大気圧で液体の化合物である。
【0073】
好ましくは、本発明の組成物の脂肪性物質は、非シリコーンである。
【0074】
脂肪性物質は、C
6〜C
16低級アルカン、非オキシアルキレン化脂肪アルコール、脂肪酸及び/又は脂肪アルコールエステル、鉱物、植物若しくは合成起源の非シリコーン油から選択するのが好ましく、特に、炭素数16超の直鎖状若しくは分枝状炭化水素を含む。
【0075】
一実施形態によれば、脂肪性物質は、液状ワセリン、2−オクチルドデカノール、ペルヒドロスクアレン、ポリデセン、並びに脂肪酸及び/若しくは脂肪アルコールの液体エステル、又はこれらの混合物から選択される。
【0076】
具体的には、化粧品組成物中に存在するのが好ましい脂肪性物質は、液状ワセリン、オクチル−2−ドデカノール、及びペルヒドロスクアレンである。
【0077】
好ましい実施形態によれば、化粧品組成物中に存在する脂肪性物質は、液状ワセリンである。
【0078】
本発明の水性化粧品組成物は、組成物の全重量に対して、40〜80重量%、特に40重量%〜60重量%の脂肪性物質を含む。
【0079】
本発明の化粧品組成物は、オキシエチレン数が10未満の1種または複数種のオキシエチレン化脂肪アルコールをさらに含む。
【0080】
本発明の目的のために、オキシエチレン化脂肪アルコールとは、少なくとも6個の炭素原子を含む炭化水素鎖を有するオキシエチレン化アルコールを意味する。
【0081】
本発明によれば、オキシエチレン化脂肪アルコールは、下記の構造:
【化2】
を有する任意の脂肪アルコールを意味し、
ここで、
Rは、6〜40個、特に8〜30個、好ましくは16個未満、さらに好ましくは10〜15個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、直鎖状若しくは分枝状基を示し、Zは、下記式(I):
【化3】
を有するオキシエチレン化基を示し、
mは、10未満、好ましくは、2〜10個のエチレンオキシド基の数を示す。
【0082】
本発明による特に好ましい液体オキシエチレン化脂肪アルコールは、10〜20個、特に12個の炭素原子と、2〜8個のエチレンオキシド基、特に2個のエチレンオキシド基を含む飽和又は不飽和の、直鎖状脂肪アルコールである。
【0083】
特に、オキシアルキレン化脂肪アルコールタイプの化合物として、以下の市販の製品を挙げることができる:
Mergital LM2(Cognis)[ラウリルアルコール 2EO];
Empilan KA 2.5/90FL(Albright & Wilson)及びMergital BL309(Cognis)[デシルアルコール 3EO];
Empilan KA5/90FL(Albright&Wilson)及びMergital BL589(Cognis)[デシルアルコール 5EO];
Emulgin 05(Cognis)[オレオセチルアルコール 5EO]。
【0084】
好ましくは、本発明の化粧品組成物中に存在するオキシエチレン化脂肪アルコールは、2個のエチレンオキシド基を含むラウリルアルコールである。
【0085】
エチレンオキシド基数が10未満のオキシエチレン化脂肪アルコールは、組成物の全重量に対して、0.5〜30重量%の含有量、好ましくは1〜15重量%の含有量で、本発明の化粧品組成物中に存在してよい。
【0086】
本発明の化粧品組成物は、1種または複数種のアルキルポリグルコシドタイプの界面活性剤をさらに含む。
【0087】
本発明の化粧品組成物中に存在するアルキルポリグルコシドタイプの界面活性剤は、より具体的には、下記の一般式(II):
【化4】
によって表され、
式中、R
1は、約8〜24個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分枝状アルキル及び/又はアルケニル基、直鎖状又は分枝状アルキル基が約8〜24個の炭素原子を含むアルキルフェニル基を示し、R
2は、2〜4個の炭素原子を含むアルキレン基を示し、Lは、5〜6個の炭素原子を含む還元糖を示し、aは、0〜10の値を示し、bは、1〜15の値を示す。
【0088】
本発明の好ましいアルキルポリグルコシドは、式(II)を有する化合物であり、式中、R
1は、より具体的には、約9〜14個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分枝状アルキル及び/又はアルケニル基を示し、aは、0〜3の値、とりわけ0に等しい値を示し、Lは、グルコース、フルクトース若しくはガラクトースを示す。サッカリドの重合度(S)、すなわち、式(II)のbの値は、1〜15の範囲であってよい。本発明によれば、80%、又はそれを上回る割合の糖を含有し、その重合度(S)が、1〜4の値を呈示する還元糖が好ましい。
【0089】
式(II)の化合物を代表するものとして、特に、HenkelからAPGとして市販されている製品、例えば、製品APG300、APG350、APG500、APG550、APG625、APG塩基10〜12;SeppicからTriton CG110(又はOramix CG110)及びTriton CG312(又はOramix NS10)として市販されている製品;B.A.S.F.からLutensol GD70として市販されている製品;HenkelからPlantaren 1200、Plantaren 1300、Plantaren 2000、及びPlantacare 2000、Plantacare 818、Plantacare 1200として市販されている製品がある。
【0090】
アルキルポリグルコシドタイプの界面活性剤は、化粧品組成物中に、組成物の全重量に対して、0.5〜30重量%の含有量で、好ましくは1〜15重量%の含有量で存在してよい。
【0091】
化粧品組成物はまた、任意選択で、1種または複数種の酸化染料を含んでもよい。この場合、本発明の化粧品組成物は、ケラチン繊維用の染色組成物に該当する。
【0092】
特に、酸化染料は、1種または複数種の酸化塩基から選択し、任意選択で1種または複数種のカプラーと組み合わせる。
【0093】
例として、酸化塩基は、パラ−フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ−アミノフェノール類、オルト−アミノフェノール類及び複素環式塩基、並びにこれらの付加塩から選択する。
【0094】
パラ−フェニレンジアミン類の中でも、例として、以下のものを挙げることができる:パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノフェニルピロリジン、2−チエニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノトルエン、3−ヒドロキシ−1−(4’−アミノフェニル)ピロリジン、並びに酸とこれらの付加塩。
【0095】
上に挙げたパラ−フェニレンジアミン類の中でも、特に、以下のものが好ましい:パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、並びに酸とこれらの付加塩。
【0096】
ビス(フェニル)アルキレンジアミン類の中でも、例として、以下のものを挙げることができる:N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン及びこれらの付加塩。
【0097】
パラ−アミノフェノール類の中でも、例として、以下のものが挙げられる:パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(メトキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(アミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−[(β−ヒドロキシエチル)アミノメチル]フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール、並びに酸とこれらの付加塩。
【0098】
オルト−アミノフェノール類の中でも、例として、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、5−アセトアミド−2−アミノフェノール及びこれらの付加塩を挙げることができる。
【0099】
複素環式塩基の中でも、例として、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体を挙げることができる。
【0100】
ピリジン誘導体の中でも、例えば、英国特許第1,026,978号明細書及び英国特許第1,153,196号明細書に記載されている化合物、例えば、2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン及びこれらの付加塩が挙げられる。
【0101】
本発明に使用する他のピリジン酸化塩基は、例えば、仏国特許出願第2,801,308号明細書に記載されている3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン酸化塩基又はその付加塩である。例として、以下のものが挙げられる:ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、2−(アセチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、2−(モルホリン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−7−イル)メタノール、2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−5−イル)エタノール、2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−7−イル)エタノール、(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−2−イル)メタノール、3,6−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン、3,4−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,7−ジアミン、7−(モルホリン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,5−ジアミン、5−(モルホリン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−5−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−7−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−オール、及びこれらの付加塩。
【0102】
ピリミジン誘導体の中でも、例えば、ドイツ国特許第2359399号明細書、日本国特許第88−169571号明細書、日本国特許第05−63124号明細書、及び欧州特許第0,770,375号明細書又は特許出願国際公開第96/15765号パンフレットに記載されている化合物、例えば、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノピリミジン及びこれらの付加塩、並びに互変異性平衡が存在する場合には、これらの互変異性体を挙げることができる。
【0103】
ピラゾール誘導体の中でも、ドイツ国特許第3843892号明細書及びドイツ国特許第4133957号明細書、並びに特許出願国際公開第94/08969号パンフレット、国際公開第94/08970号パンフレット、仏国特許出願第A−2,733,749号明細書及びドイツ国特許第19543988号明細書に記載されている化合物、例えば、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−(tert−ブチル)−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(tert−ブチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(ヒドロキシメチル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−3−(ヒドロキシメチル)−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−(ヒドロキシメチル)−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−(メチルアミノ)ピラゾール、3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、及びこれらの付加塩が挙げられる。また、4,5−ジアミノ−1−(β−メトキシエチル)ピラゾールを用いるのも好ましい。
【0104】
4,5−ジアミノピラゾール、より優先的には、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール及び/又はその塩を用いるのが好ましいであろう。
【0105】
また、ピラゾール誘導体として、ジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロピラゾロン、特に、仏国特許出願第A−2,886,136号明細書に記載されているもの、例えば、下記の化合物及びこれらの付加塩も挙げることができる:2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−エチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−イソプロピルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−(ピロリジン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、4,5−ジアミノ−1,2−ジメチル−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、4,5−ジアミノ−1,2−ジエチル−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、4,5−ジアミノ−1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、2−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−ジメチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2,3−ジアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H,6H−ピリダジノ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、4−アミノ−1,2−ジエチル−5−(ピロリジン−1−イル)−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、4−アミノ−5−(3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル)−1,2−ジエチル−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、又は2,3−ジアミノ−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン。
【0106】
2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン及び/又はその塩の1つを用いるのが好ましいであろう。
【0107】
複素環式塩基としては、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール及び/又は2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン及び/又はその塩の1つを用いるのが好ましい。
【0108】
本発明の化粧品組成物は、任意選択で、有利にはケラチン繊維の染色に常用されているものから選択した1種または複数種のカプラーを含んでもよい。
【0109】
カプラーとして、特に、メタ−フェニレンジアミン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類、ナフタレンカプラー、複素環式カプラー、及びこれらの付加塩を挙げることができる。
【0110】
例えば、以下のものが挙げられる:1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、3−ウレイドアニリン、3−ウレイド−1−ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6−ヒドロキシインドリン、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、1−H−3−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチルピラゾロ[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、及び6−メチルピラゾロ[1,5−a]ベンズイミダゾール、酸とこれらの付加塩、並びにこれらの混合物。
【0111】
一般に、本発明に関して用いることができる酸化塩基及びカプラーの付加塩は、特に、酸との付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシラート、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩から選択される。
【0112】
酸化塩基は、各々、組成物の全重量に対して0.0001重量%〜10重量%までを占めると有利であり、組成物の全重量に対して0.005重量%〜5重量%の範囲であるのが好ましい。
【0113】
カプラーが存在する場合、これらの含有量は、各々、組成物の全重量に対して0.0001重量%〜10重量%までを占めると有利であり、水性化粧品組成物の全重量に対して0.005重量%〜5重量%の範囲であるのが好ましい。
【0114】
本発明の組成物が、1種または複数種のアルカリ剤を含む場合、アルカリ剤は、有機若しくは無機又はハイブリッドのいずれであってもよい。
【0115】
本発明に関して用いることができる第1のタイプのアルカリ剤は、pK
bが、25℃で12未満、好ましくは10未満、さらに有利には6未満の有機アミンである。これは、塩基度が最も高い官能基に相当するpK
bであることに留意すべきである。
【0116】
本発明の第1の変形形態によれば、有機アミンは、第一級、第二級若しくは第三級アミン官能基、及び1個または複数個のヒドロキシル基を有する1つまたは複数の直鎖状若しくは分枝状C
1〜C
8アルキル基を含む。
【0117】
1〜3個の同じ若しくは異なるC
1〜C
4ヒドロキシアルキル基を含む、アルカノールアミン、例えば、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンから選択した有機アミンが、本発明を実施する上で特に好適である。
【0118】
このタイプの化合物の中でも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−ジメチルアミノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを挙げることができる。
【0119】
さらにまた、下記式を有する有機アミンも好適である:
【化5】
式中、Wは、任意選択でヒドロキシ基又はC
1〜C
6アルキル基により置換されたC
1〜C
6アルキレン残基であり;Rx、Ry、Rz及びRtは、同じでも異なっていてもよく、水素原子又はC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル若しくはC
1〜C
6アミノアルキル基を示す。
【0120】
挙げることができるこのようなアミンの例として、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、スペルミン及びスペルミジンがある。
【0121】
本発明の別の変形形態によれば、有機アミンは、アミノ酸から選択される。
【0122】
さらに具体的には、用いることができるアミノ酸は、天然又は合成起源で、そのL、D若しくはラセミ形態であり、とりわけ、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸若しくはリン酸官能基から選択される少なくとも1個の酸官能基を含む。アミノ酸は、中性若しくはイオン形態であってよい。
【0123】
有利には、アミノ酸は、任意選択で環状又はウレイド官能基に含有される追加のアミン官能基を含む塩基性アミノ酸である。
【0124】
本発明に用いることができるアミノ酸として、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、N−フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンを挙げることができる。
【0125】
本発明の別の好ましい変形形態によれば、有機アミンは、塩基性アミノ酸から選択される。特に好ましいアミノ酸は、グリセリン、チロシン、アルギニン、リシン及びヒスチジン、及びこれらの混合物である。
【0126】
本発明の別の変形形態によれば、有機アミンは、複素環タイプの有機アミンから選択される。アミノ酸において既に挙げたヒスチジン以外に、とりわけ、ピリジン、ピペリジン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール及びベンズイミダゾールが挙げられる。
【0127】
本発明の別の変形形態によれば、有機アミンは、アミノ酸ジペプチドから選択される。本発明に用いることができるアミノ酸ジペプチドとして、特に、カルノシン、アンセリン及びバレニンが挙げられる。
【0128】
本発明の別の変形形態によれば、有機アミンは、グアニジン官能基を含む化合物から選択される。本発明に用いることができるこのタイプのアミンとしては、アミノ酸として既に挙げたアルギニン以外に、とりわけ、クレアチン、クレアチニン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1−ジエチルグアニンジン、グリコシアミン、メトホルミン、アグマチン、N−アミジノアラニン、3−グアニジノプロピオン酸、4−グアニジノ酪酸及び2−([アミノ(イミノ)メチル]アミノ)エタン−1−スルホン酸が挙げられる。
【0129】
好ましくは、有機アミンは、アルカノールアミンである。より優先的には、有機アミンは、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、又はこれらの混合物から選択される。さらに優先的には、有機アミンは、モノエタノールアミンである。
【0130】
本発明に関して用いることができる第2のタイプのアルカリ剤は、前述した有機アミンの有機又は無機(この場合、これは、ハイブリッドアルカリ剤である)塩を含む。
【0131】
好ましくは、有機塩は、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩及び酒石酸塩などの有機酸塩から選択される。
【0132】
好ましくは、無機塩は、水素ハロゲン化物(例えば、塩酸塩)、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩及びリン酸塩から選択される。
【0133】
本発明に関して用いることができる第3のタイプのアルカリ剤は、無機塩基である。例として、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩、水酸化ナトリウム、カリ(炭酸カリウム)、ケイ酸塩、並びにメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウムなどのメタケイ酸塩、好ましくは炭酸塩、より好ましくは炭酸アンモニウムを挙げることができる。
【0134】
好ましくは、本発明の化粧品組成物に用いることができるアルカリ剤は、有機アミン及びその塩、有機塩基及びアンモニウム塩から選択してよい。特に、アルカリ剤は、モノエタノールアミンである。
【0135】
本発明の化粧品組成物にアルカリ剤が存在する場合、これらの薬剤は、前記組成物の重量に対して、0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%の含有量で存在する。
【0136】
好ましくは、本発明の組成物は、1種または複数種のアルカリ剤を含む。
【0137】
本発明の化粧品組成物は、水、又は水と1種または複数種の常用の有機溶媒の混合物を含むのが好ましい。
【0138】
好ましくは、本発明の組成物は、化粧品組成物の全重量に対して、5重量%〜30重量%の範囲の含有量で水を含む。
【0139】
本発明の組成物は、有機溶媒を含んでもよい。好適な有機溶媒の中でも、非芳香族アルコール、例えば、エチルアルコール若しくはイソプロピルアルコール、又はグリコール若しくはグリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチル、モノエチル若しくはモノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエーテル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール並びにまたジエチレングリコールアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル若しくはモノブチルエーテル、あるいはまた、ポリオール、例えば、グリセロールを挙げることができる。また、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、並びにこれら全ての化合物の混合物を溶媒として用いることもできる。
【0140】
前述した常用の有機溶媒は、存在する場合は、通常、組成物の全重量に対して、0.1〜15重量%、より優先的には0.5〜10重量%の含有量で存在する。
【0141】
好ましくは、本発明の化粧品組成物は、1種または複数種の増粘剤を含む。
【0142】
増粘剤は、無機増粘剤及び有機増粘剤から選択することができる。
【0143】
有機増粘剤は、セルロースベースの増粘剤、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、グアーガム及びその誘導体、例えば、Rhodia社から品番Jaguar HP 105で市販されているヒドロキシプロピルグアー、微生物由来のゴム、例えば、キサンタンガム及びスクレログルカンガム、合成増粘剤、例えば、架橋アクリル酸又はアクリルアミドプロパンスルホン酸ホモポリマー、例えば、Carbomer、ノニオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の会合性ポリマー、例えば、Goodrich社からPemulen TR1又はTR2の名称で、Ciba社からSalcare SC90の名称で、Rohm & Haas社からAculyn 22、28、33、44若しくは46の名称で、またAkzo社からElfacos T210及びT212の名称で販売されているポリマーから選択してよい。
【0144】
一実施形態によれば、無機増粘剤は、親有機性粘土、ヒュームドシリカ又はその混合物から選択される。
【0145】
親有機性粘土は、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルガイト、セピオライト及びこれらの混合物から選択することができる。粘土は、ベントナイト又はヘクトライトであるのが好ましい。
【0146】
これらの粘土は、第四級アンモニウム、第三級アミン、酢酸アミン、イミダゾリン、アミンセッケン(amine soaps)、脂肪硫酸塩(fatty sulfates)、アルキルアリールスルホン酸塩、アミンオキシド及びこれらの混合物から選択される化学化合物で変性することができる。
【0147】
親有機性粘土としては、クオタニウム−18ベントナイトを挙げることができ、例えば、RheoxからBentone 3、Bentone 38及びBentone 38V、United CatalystからTixogel VP、またSouthern ClayからClaytone 34、Claytone 40及びClaytone XLの名称で市販されているもの;ステアラルコニウムベントナイト、例えば、RheoxからBentone 27、United CatalystからTixogel LG、またSouthern ClayからClaytone AF及びClaytone APAの名称で市販されているもの;クオタニウム−18/ベンザルコニウムベントナイト、例えば、Southern ClayからClaytone HT及びClaytone PSの名称で市販されているもの;クオタニウム−18ヘクトライト、例えば、RheoxからBentone Gel DOA、Bentone Gel ECO5、Bentone Gel EUG、Bentone Gel IPP、Bentone Gel ISD、Bentone Gel SS71、Bentone Gel VS8及びBentone Gel VS38、並びにBiophilからSimagel M及びSimagel SI345の名称で市販されているものがある。
【0148】
ヒュームドシリカは、酸水素炎での揮発性ケイ素化合物の高温熱分解により、微粉シリカを生成することによって得ることができる。この方法により、特に、表面に多数のシラノール基を呈する親水性シリカを得ることが可能になる。このような親水性シリカは、例えば、DegussaからAerosil 130(登録商標)、Aerosil 200(登録商標)、Aerosil 255(登録商標)、Aerosil 300(登録商標)及びAerosil 380(登録商標)、並びにCabotからCab−O−Sil HS−5(登録商標)、Cab−O−Sil EH−5(登録商標)、Cab−O−Sil LM−130(登録商標)、Cab−O−Sil MS−55(登録商標)及びCab−O−Sil M−5(登録商標)の名称で市販されている。
【0149】
シラノール基の数を減少させる目的のために、化学反応によりシリカの表面を化学的に変性することが可能である。特に、シラノール基を疎水基で置換することができる:その後、疎水性シリカが得られる。
【0150】
疎水基は、以下に挙げるものであってよい:
− 特に、ヘキサメチルジシラザンの存在下で、ヒュームドシリカを処理することによって得られるトリメチルシロキシル基。このように処理したシリカは、CTFA(6th Edition,1995)に従い「シリル化シリカ」として知られる。これらは、例えば、DegussaからAerosil R812(登録商標)、及びCabotからCab−O−Sil TS−530(登録商標)の品番で市販されている。
− ポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下で、ヒュームドシリカを処理することによって得られるジメチルシリルオキシル又はポリジメチルシロキサン基。このように処理したシリカは、CTFA(6th Edition,1995)に従い「シリル化シリカジメチル」として知られる。これらは、例えば、Degussa社からAerosil R972(登録商標)及びAerosil R974(登録商標)、並びにCabot社からCab−O−Sil TS−610(登録商標)及びCab−O−Sil TS−720(登録商標)の品番で市販されている。
【0151】
ヒュームドシリカは、好ましくは、粒度が、ナノメートル〜マイクロメートルであってよく、例えば、約5〜200nmの範囲であってよい。
【0152】
好ましくは、組成物は、ヘクトライト、有機変性ベントナイト、又は任意選択で修飾したヒュームドシリカを含む。
【0153】
本発明の組成物は、さらに、当分野では公知の様々な常用の補助剤を含んでもよく、例えば、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、双性イオンポリマー又はこれらの混合物;抗酸化剤;浸透剤;金属イオン封鎖剤;芳香剤;分散剤;被膜形成剤;セラミド;防腐剤;乳白剤、アルキルポリグルコシド及びエチレンオキシド数が10以下のオキシエチレン化脂肪アルコール以外の界面活性剤がある。
【0154】
当業者は、任意選択的な添加剤及びそれらの量を、本発明の組成物の特性を損なわないように注意して選択するであろう。
【0155】
これらの添加剤は、一般に、組成物の全重量に対して、0〜20重量%の量で本発明の組成物中に存在する。
【0156】
組成物が水を含有する場合、化粧品組成物のpHは、2〜12、好ましくは5〜10.5、特に、7.5〜10.5の範囲である。pHは、酸性化剤又はアルカリ剤を使用することにより調節する。
【0157】
酸性化剤の中でも、例えば、無機若しくは有機酸を挙げることができ、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸若しくは乳酸、又はスルホン酸がある。
【0158】
アルカリ剤に関しては、存在する場合は、前述したアルカリ剤から選択してよい。
【0159】
前述した内容に従い、本発明の水性化粧品組成物は、ケラチン繊維を脱色する方法に用いることもできる。この変形形態によれば、組成物は、酸化染料を一切含まない。前述した内容に従い、本発明の水性化粧品組成物はまた、ケラチン繊維を酸化により染色する方法に用いることもできる。
【0160】
第1の実施形態によれば、本発明は、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色する方法に関し、これは、所望の色彩を発現するのに十分な時間にわたって、1種または複数種の化学酸化剤を含む酸化組成物の存在下で、上に定義した化粧品組成物、1種または複数種の酸化染料、及び好ましくは1種または複数種のアルカリ剤を前記繊維に塗布することを含む。
【0161】
この方法によれば、酸化染料は、本発明の組成物の前又は後に塗布してよい。また、これらの化合物を混合することにより得られる組成物を毛髪に塗布することもできる。
【0162】
酸化組成物は、本発明の組成物を塗布する前又は塗布後に、ケラチン繊維上で直接、本発明の組成物に添加してもよい。酸化組成物は、使用時に、本発明の組成物に添加するのが好ましい。
【0163】
別の実施形態によれば、本発明は、ケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトのケラチン繊維を染色する方法に関し、これは、前記繊維に、以下:
− 任意選択で1種または複数種のアルカリ剤を含む、上に定義した化粧品組成物(A)、
− 1種または複数種の酸化染料、及び任意選択で1種または複数種のアルカリ剤を含む、染色組成物(B)、
− 1種または複数種の化学酸化剤を含む酸化組成物(C)
を塗布することを含む。
【0164】
染色組成物(B)は、水性組成物であるのが好ましい。
【0165】
さらに好ましくは、含水量は、組成物の全重量に対して、10重量%〜90重量%、より好適には20重量%〜80重量%であってよい。
【0166】
染色組成物(B)のpHは、それが水性であれば、2〜12、好ましくは8〜11である。pHは、前述したものなどの酸性化剤若しくはアルカリ剤を用いることにより調節する。
【0167】
好ましくは、染色組成物(B)は、1種または複数種のアルカリ剤、好ましくは1種または複数種の有機アミン、特に、アルカノールアミン、とりわけ、モノエタノールアミンを含む。
【0168】
この第2実施形態の第1の変形形態によれば、組成物(A)、(B)及び(C)、より具体的には、組成物(A)次いで(B)次いで(C)、又は(B)次いで(A)次いで(C)を、濡れた、若しくは乾いたケラチン繊維に、間のすすぎなしに逐次塗布する。
【0169】
この第2実施形態の第2の変形形態によれば、塗布の前に組成物(A)及び(B)を混合して得られる組成物、次いで酸化組成物(C)を、ケラチン繊維に、間のすすぎなしに逐次塗布する。
【0170】
この実施形態の第3の変形形態によれば、塗布の前に、組成物(A)、(B)及び(C)を即席混合して得られる組成物を、濡れた、若しくは乾いたケラチン繊維に塗布する。この変形形態が好ましい。この変形形態によれば、(A)、(B)及び(C)の混合物から得られる最終組成物は、少なくとも20重量%の脂肪性物質を含有する。この変形形態では、組成物(A)+(B)/(C)の量の重量比R1と、組成物(A)/(B)の量のR2は、0.1から10まで、好ましくは0.3から3まで変動する。
【0171】
好ましくは、使用前に組成物(A)、(B)及び(C)を混合する。
【0172】
染色及び淡色化の両方を目的として、得られた混合物をケラチン繊維に塗布し、3〜50分、好ましくは約5〜35分の放置時間を置いてから;ケラチン繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、再度すすいだ後、乾燥させる。
【0173】
より具体的には、化学酸化剤は、過酸化水素、尿素過酸化水素、アルカリ金属臭素酸塩又はフェリシアン化物、過酸化塩、例えば、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属過硫酸塩、過ホウ酸塩及び過炭酸塩、さらにまた過酸、並びにこれらの前駆体から選択される。酸化剤として、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ及び2電子酸化還元酵素(例えば、ウリカーゼ)などの1種または複数種の酸化還元酵素を、任意選択で、それぞれの供与体又は補因子の存在下で用いてもよい。好ましくは、1種又は複数種の酸化剤を、過酸化水素、尿素過酸化水素、又はアルカリ金属臭素酸塩若しくはフェリシアン化物から選択する。
【0174】
上記の化学酸化剤は、特に水溶液状の過酸化水素(過酸化水素水溶液)から形成すると有利であり、その濃度は、酸化組成物の重量に対して、より具体的には0.1重量%〜50重量%、より好ましくは0.5重量%〜20重量%、より好適には1重量%〜15重量%の範囲であってよい。
【0175】
淡色化を目的とし、所望する淡色化の度合いに応じて、過酸化水素を1種または複数種の過酸化塩と組み合わせることができる。
【0176】
酸化組成物は、様々な形態、例えば溶液、エマルジョン又はゲル状であってよい。
【0177】
組成物(B)及び(C)は、任意選択で、1種または複数種の常用の溶媒及び添加剤、例えば、前述したものを含んでもよい。
【0178】
さらに、使用する実施形態とは独立に、繊維上に存在する混合物(組成物の即席混合、又はこれら組成物の逐次塗布のいずれかによって得られる)は、所定の時間、一般に約1分〜1時間、好ましくは5分〜35分の間、そのまま放置する。
【0179】
本方法を実施中の温度は、通常、室温(15〜25℃)〜80℃であり、好ましくは室温〜60℃である。
【0180】
処理後、ヒトケラチン繊維を任意選択により水ですすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄してから、水ですすいだ後、乾燥させるか、放置して乾燥させる。
【0181】
本発明はまた、上に定義した水性化粧品組成物(A)を含有する第1コンパートメント、1種または複数種の化学酸化剤を含む化粧品組成物(C)を含有する第2コンパートメント、及び1種または複数種の酸化染料を使用する第1マルチコンパートメント装置であって、任意選択により1種または複数種のアルカリ剤が、本発明の水性化粧品組成物(A)中、又は第3コンパートメントに含まれる別の染色組成物(B)中で用いられるマルチコンパートメント装置にも関する。
【0182】
特に、上記装置は、前述の水性化粧品組成物(A)を含有する第1コンパートメント、1種または複数種の酸化染料、及び任意選択で1種または複数種のアルカリ剤を含む染色組成物(B)を含有する第2コンパートメント、並びに、酸化組成物(C)を含有する第3コンパートメントを含む。
【0183】
本発明はまた、前述の水性化粧品組成物(A)、及び任意選択で1種または複数種のアルカリ剤を含有する第1コンパートメント、1種または複数種の化学酸化剤を含む化粧品組成物(C)を含有する第2コンパートメントを使用する第2マルチコンパートメント装置にも関する。
【0184】
以下に記載する実施例を、本発明の説明のために用いるが、本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0185】
実施例1
以下の組成物を調製する(量はグラムで表す)。
【0186】
【表1】
【0187】
【表2】
【0188】
【表3】
【0189】
使用の際に、最初に以下のものを混合する:
− 9グラムの水性組成物(A1)、
− 1グラムの組成物(B)、
− 10グラムの酸化水性組成物(C1)。
【0190】
得られる混合物は、pHが約10(±0.1)であり、これを、90%が天然の白髪(NW)の、染色されたことがない白人毛髪の房に塗布するが、「混合物/毛髪房」浴比はそれぞれ10/1(g/g)であり、放置時間は、27℃で30分である。
【0191】
この放置時間後に、毛髪房をiNOA POSTシャンプーで洗浄し、すすいだ後、60℃のフードドライヤーで乾燥させる。
【0192】
毛髪房の色彩を、Minolta Spectrophotometer CM2600D比色計を用い、CIE L
*a
*b
*システムで評価する。このL
*a
*b
*システムでは、3つのパラメータが、色彩強度(L
*)を示し、a
*は、緑色/赤色カラーアクシス(colour axis)を、またb
*は、青色/黄色カラーアクシスをそれぞれ表す。
【0193】
非処理(対照)及び処理後の90%天然白髪(NW)を含む白髪の房の色彩のばらつきを、下記方程式:
【数1】
に従い、(ΔE
*)により決定する。
【0194】
この方程式では、L
*、a
*及びb
*は、染色後の毛髪の房で測定した値を、また、L
0*、a
0*及びb
0*は、染色したことのない非染色毛髪の房で測定した値を示す。ΔE
*の値が大きいほど、染料の被覆が優れている。
【0195】
結果
結果を以下の表にまとめる:
【0196】
【表4】
【0197】
組成物(A1)を用いた場合に、強力な色彩が達成され、毛髪の房に観察される。
【0198】
実施例2
以下の組成物を調製する(量はグラムで表す):
【0199】
【表5】
【0200】
【表6】
【0201】
使用の際、以下のものを混合する:
− 10グラムの水性組成物(A2)、
− 4グラムの組成物(B)、
− 15グラムの酸化水性組成物(C2)。
【0202】
得られる混合物は、pHが約9.8(±0.1)であり、これを、90%が天然の白髪(NW)の、染色されたことがない白人の毛髪の房に塗布する。「混合物/房」浴比は、それぞれ10/1(g/g)であり、放置時間は、27℃で30分である。
【0203】
この放置時間後に、毛髪房をiNOA POSTシャンプーで洗浄し、すすいだ後、60℃のフードドライヤーで乾燥させる。
【0204】
結果
結果を以下の表にまとめる:
【0205】
【表7】
【0206】
本発明の組成物(A2)を酸化染色方法に用いると、強力な色彩が毛髪の房に達成される。