(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294310
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】安全SC光ファイバコネクタおよび取り外し工具
(51)【国際特許分類】
G02B 6/38 20060101AFI20180305BHJP
【FI】
G02B6/38
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-514138(P2015-514138)
(86)(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公表番号】特表2015-517693(P2015-517693A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】US2013042121
(87)【国際公開番号】WO2013177234
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2016年4月28日
(31)【優先権主張番号】13/899,535
(32)【優先日】2013年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/809,872
(32)【優先日】2013年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/649,867
(32)【優先日】2012年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514296397
【氏名又は名称】アドヴァンスド ファイバー プロダクツ、エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED FIBER PRODUCTS,LLC
(73)【特許権者】
【識別番号】514296401
【氏名又は名称】ダーラント、リチャード、シー.、イー
【氏名又は名称原語表記】DURRANT,Richard,C.,E.
(73)【特許権者】
【識別番号】514296412
【氏名又は名称】アダムス、ダーレン、ジェイ.、エム.
【氏名又は名称原語表記】ADAMS,Darren,J.,M.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ダーラント、リチャード、シー.、イー.
(72)【発明者】
【氏名】アダムス、ダーレン、ジェイ.、エム.
【審査官】
佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0194828(US,A1)
【文献】
特開2011−003286(JP,A)
【文献】
特開2003−168518(JP,A)
【文献】
特表2010−537372(JP,A)
【文献】
特開平04−058478(JP,A)
【文献】
特開平09−230161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B6/24
G02B6/255−6/27
G02B6/30−6/34
G02B6/36−6/43
H01R13/56−13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面、後面、ならびに前記正面および前記後面の間に有り表面を有する側壁を有するボディであって、前記正面および前記後面の間に長手方向に延在するボディであって、該長手方向にソケット内に挿入される様に構成されたボディ;
前記ボディの前記後面に接続され、前記側壁の前記表面を越えて、前記長手方向とは垂直方向に延在する平面状の背面プレートであって、取り外し工具の先端部を受け入れるための複数の孔を備える平面状の背面プレート;ならびに
各孔に隣接する前記側壁の一つにある溝であって、取り外し工具の先端部を孔に通して受け入れ、前記溝を介して前記先端部の方向を案内するための溝;を備え、
前記平面状の背面プレートにある前記複数の孔のうちの1つは、適合する取り外し工具を用いなければ解除できないロック構造を形成するために、前記平面状の背面プレートにある前記複数の孔のうちの他の1つとは構成が異なり、それによって、前記平面状の背面プレートにあるすべての前記孔を通るための前記ロック構造と適合する先端部を有する取り外し工具を必要とする:光ファイバコネクタプラグ。
【請求項2】
前記平面状の背面プレートおよび前記ボディにある光ファイバコネクタ口内に位置する光ファイバケーブルを収容するためのブーツ;ならびに
前記光ファイバコネクタプラグの前記後面で引っかかり防止ガイドとして機能するために、前記ブーツの表面と前記平面状の背面プレートの外縁との間に形成される斜面:
をさらに備える、請求項1に記載の光ファイバコネクタプラグ。
【請求項3】
前記光ファイバコネクタプラグの前記平面状の背面プレートにある前記複数の孔の前記ロック構造と合致する複数の先端部を有する取り外し工具:
をさらに備える、請求項1に記載の光ファイバコネクタプラグ。
【請求項4】
前記取り外し工具にある前記先端部のうちの1つは、前記平面状の背面プレートにある他の孔とは構成が異なり、前記先端部の前記構成は、前記平面状の背面プレートにある前記孔の構成と合致し、それによって前記取り外し工具はその特定の光ファイバコネクタプラグにロックされることができるとともに、前記先端部をすべて前記平面状の背面プレートにある前記孔に通すことができる、請求項3に記載の光ファイバコネクタプラグ。
【請求項5】
前記側壁は、前記光ファイバコネクタプラグを結合アダプタ内に固定するラッチアームを受け入れるための、前記長手方向とは垂直方向のノッチを備える、請求項1に記載の光ファイバコネクタプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に光ファイバコネクタに関し、さらに詳細には、特定の取り外し工具を用いてのみ外すことのできる安全SCコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、(1)2012年5月21日に出願された特許文献1、発明の名称「Secure SC Optical Fiber Connector And Removal Tool」、および(2)2013年4月8日に出願された特許文献2、発明の名称「Secure SC Optical Fiber Connector And Removal Tools」に対する優先権を主張し、この両仮特許出願の全容を参照することにより本願に援用する。
【0003】
光ファイバコネクタは、民間用途にも軍事用途にも広く使用されている。このどちらの用途においても安全性が課題である。正しい光ファイバコネクタプラグをそれに対応する正しい光ファイバコネクタに的確に接続するのが重要であるだけでなく、接続した光ファイバコネクタプラグが権限のないユーザによって取り外されないようにすることも重要である。さらに、光ファイバコネクタ口が権限のないユーザにアクセスされないようにすることが重要である。
【0004】
このほか、光ファイバコネクタプラグを有する光ファイバケーブルが設置されるか取り外される際に、光ファイバコネクタプラグが周囲の光ファイバケーブル、その他の光ファイバコネクタプラグ、ケーブルトレイの縁および角、導管などに捕捉されたり引っかかったりすることが非常によくある。
【0005】
したがって、光ファイバコネクタプラグをそれに対応する正しい光ファイバコネクタに接続しやすくする光ファイバコネクタプラグおよび光ファイバコネクタを提供する必要がある。さらに、権限のないユーザが外せない光ファイバコネクタプラグを提供する必要もある。このほか、装着されている光ファイバケーブルが設置過程または引き抜き過程で縁および角の周りで引っ張られる際に、捕捉され引っかかることのない光ファイバコネクタプラグが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/649,867号
【特許文献2】米国仮特許出願第61/809,872号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの態様は、設置過程および取り外し過程で装着ケーブルが角および縁の周りで引っ張られた際に、光ファイバコネクタプラグまたはコネクタが角および縁に捕捉されないようにするための引っかかり防止ガイドを備える光ファイバコネクタプラグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のもう1つの態様は、特殊な鍵付きの取り外し工具を用いてのみ外すことのできる光ファイバコネクタプラグまたはコネクタを提供することである。光ファイバコネクタまたはプラグは、引っかかり防止用特徴部など、異なる色にコード化した特徴部をコネクタ本体に有してキー溝を識別し、同じ色を有し機械的に適合するキー溝を有する取り外し工具のみが、同じ色の引っかかり防止ガイドを有する光ファイバコネクタプラグをロック解除して取り外すことができる。
【0009】
本発明は、光ファイバSCコネクタに対するロック解除・解放工具を提供する。標準のSCコネクタは通常、外側シュラウドを有し、このシュラウドを引っ張るかスライドさせて戻して結合アダプタ/レセプタクル内のラッチアームを解放してプラグを解放する。これは、内側本体の部品と、スライドして解放する外側シュラウドとを備えたプッシュプル方式の設計である。本発明は、オペレータが通常引き寄せる外側シュラウドを排除した単一の本体である。このほか、本発明は、物理的な接近、不法な改造、または任意の物体もしくは無許可の工具を挿入して無理にラッチを解除することを制限するように設計される。したがって、安全SCコネクタを差し込むと、結合アダプタ内のラッチアームを持ち上げて外す手段はない。
【0010】
本発明によって、光ファイバコネクタプラグをロック解除して取り外すことができ、これは、光ファイバコネクタプラグの背面プレートを通っている複数のスロットを設け、これに対応して適合する解放工具の先端部であって、少なくとも1つの先端部の幅または形状が異なっていてもよい先端部を、挿入時に受け入れアダプタまたは結合アダプタ内のラッチアームの下に突出させることによって行う。その設計は、業界の標準SCインターフェースと互換性がある。
【0011】
本発明は、光ファイバSCコネクタに対するロック解除・解放工具を提供する。標準のSCコネクタは通常、青、緑またはベージュの外側シュラウドを有し、このシュラウドを引っ張るかスライドさせて戻して結合アダプタ/レセプタクル内のラッチアームを解放してプラグを解放する。これは、内側本体の部品と、スライドして解放する外側シュラウドとを備えたプッシュプル方式の設計である。本発明は、オペレータが通常引き寄せる外側シュラウドを排除した単一の本体である。このほか、本発明は、物理的な接近、不法な改造、または任意の物体もしくは無許可の工具を挿入して無理にラッチを解除することを制限するように設計される。したがって、安全SCコネクタを差し込むと、アダプタ内のラッチアームを持ち上げて外す手段はない。
【0012】
本発明によって、安全SCコネクタをロック解除して取り外すことができ、これは、ハウジングまたはコネクタ本体の後方シェルの後ろを通っている複数のスロットを設け、解放工具の単一または複数のアームまたは延長部を、挿入時にラッチアームの下に突出させることによって行う。その設計は、業界の標準SCインターフェースと互換性がある。本発明は、何も差し込んでいない口をロックして保護するための栓または外側シェル部品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に従って構成した光ファイバコネクタプラグの斜視図である。
【
図2a】
図1に示した光ファイバコネクタプラグの正面図である。
【
図2b】
図1に示した光ファイバコネクタプラグの下面図である。
【
図2c】
図1に示した光ファイバコネクタプラグの側面図である。
【
図2d】
図1に示した光ファイバコネクタプラグの上面図である。
【
図2e】
図1に示した光ファイバコネクタプラグの背面図である。
【
図3】結合アダプタに接続した
図1の光ファイバコネクタプラグの斜視図である。
【
図4a】
図3に示した光ファイバコネクタプラグおよび結合アダプタの正面図である。
【
図4b】
図3に示した光ファイバコネクタプラグおよび結合アダプタの下面図である。
【
図4c】
図3に示した光ファイバコネクタプラグおよび結合アダプタの側面図である。
【
図4d】
図3に示した光ファイバコネクタプラグおよび結合アダプタの上面図である。
【
図4e】
図3に示した光ファイバコネクタプラグおよび結合アダプタの背面図である。
【
図5】本発明に従って構成した取り外し工具の斜視図である。
【
図6】
図5に示した取り外し工具のもう1つの斜視図である。
【
図8】
図5および
図6に示した取り外し工具の先端部の側面図である。
【
図9】
図1に示した光ファイバコネクタプラグに取り付けた
図5および
図6の取り外し工具の斜視図である。
【
図10】
図9に示した取り外し工具および光ファイバコネクタプラグを
図3に示した結合アダプタに接続したものの斜視図である。
【
図11a】
図10に示した取り外し工具、光ファイバコネクタプラグ、および結合アダプタの正面図である。
【
図11b】
図10に示した取り外し工具、光ファイバコネクタプラグ、および結合アダプタの下面図である。
【
図11c】
図10に示した取り外し工具、光ファイバコネクタプラグ、および結合アダプタの側面図である。
【
図11d】
図10に示した取り外し工具、光ファイバコネクタプラグ、および結合アダプタの上面図である。
【
図11e】
図10に示した取り外し工具、光ファイバコネクタプラグ、および結合アダプタの背面図である。
【
図12】
図10および
図11a〜
図11eに示した取り外し工具、光ファイバコネクタプラグ、および結合アダプタの断面図である。
【
図14a】
図1に示した光ファイバコネクタプラグハウジングの正面図である。
【
図14b】
図1に示した光ファイバコネクタプラグハウジングの下面図である。
【
図14c】
図1に示した光ファイバコネクタプラグハウジングの側面図である。
【
図14d】
図1に示した光ファイバコネクタプラグハウジングの上面図である。
【
図14e】
図1に示した光ファイバコネクタプラグハウジングの背面図である。
【
図15】
図1に示した引っかかり防止ガイドの斜視図である。
【
図16a】
図1に示した引っかかり防止ガイドの正面図である。
【
図16b】
図1に示した引っかかり防止ガイドの下面図である。
【
図16c】
図1に示した引っかかり防止ガイドの側面図である。
【
図16d】
図1に示した引っかかり防止ガイドの上面図である。
【
図16e】
図1に示した引っかかり防止ガイドの背面図である。
【
図17】
図14a〜eに示した光ファイバコネクタプラグのハウジング内に位置している栓の斜視図である。
【
図20】SCパッチパネルの配列であり、このパネルに接続した本発明の栓および光ファイバコネクタプラグを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照する。
図1は、本発明に従って構成した光ファイバコネクタプラグ10を示している。光ファイバコネクタプラグ10は、正面14および背面16を有するハウジング12を備えている。ハウジング12は、背面プレート、パネル、後方シェル、またはシールド18を備えている。ハウジング12の上にはキー突起20が取り付けられている。ハウジング12内には、解放工具の先端部を受け入れて案内するために、ガイド22、スロット、チャネル、または溝が備わっている。背面プレート18内にある孔24は、溝またはガイド22に隣接している。解放工具の先端部が孔24を通って背面プレート18の中に挿入されると、先端部は、各孔24の後ろにあるガイド22に受け入れられ、このガイド内へスライドする。
【0015】
ハウジング12の側面には、ラッチアームなどのロック機構を受け入れるためのノッチ26が設けられている。ハウジング12の側面にはサイドレール28も備えられ、光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ内に案内するためのスロットまたは溝29を形成している。ハウジング12内には光フェルール27が収容され、ハウジング12の正面14から出ている。
【0016】
光ファイバを収容するブーツ32がハウジング12の背面プレート、後部パネル、またはシールド18に接続される。光フェルール27を収容する光ファイバケーブル30は、ブーツ32内に収容されている。ブーツ32の後方部には、柔軟性を増大して張力を緩和するために複数のノッチ34が設けられている。光ファイバコネクタプラグ10は、プラスチックなどのポリマーで作製されることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、引っかかり防止ガイド35が背面プレート18およびブーツ32に接続される。引っかかり防止ガイド35は、ブーツ32と背面プレート18の上部または縁との間に斜面を形成する。引っかかり防止ガイド35は、プラスチックで作製されて、ハウジングまたはコネクタ本体12の背面プレート18に密着する斜面を形成することが好ましい。引っかかり防止ガイド35を斜面形態にすることで、光ファイバコネクタプラグ10の設置過程または取り外し過程で光ファイバコネクタプラグ10が光ファイバケーブル30に引っ張られる間に、光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12の背面プレート18の縁および角に掛からないようにするのを補助する。
【0018】
図2a〜
図2eは、
図1に示した光ファイバコネクタプラグ10の様々な図を示している。
図2aは、フェルール27内に光ファイバを収容する光ファイバケーブル30を有する光ファイバコネクタプラグ10の正面14を示している。
【0019】
図2b〜
図2dはそれぞれ、光ファイバコネクタプラグ10の下面、側面、上面を示している。
図2eは、光ファイバコネクタプラグ10および光ファイバケーブル30の背面16を示している。
【0020】
本発明のさらに別の態様によれば、
図2eは、複数の孔24を示し、この複数の孔24の少なくとも1つの孔36は、他の孔24とはサイズ、形状および構成が異なる。孔36の構成が異なることで、取り外し工具の先端部に対する鍵構成が唯一のものになり、これによって唯一の鍵構成を形成する。追加のロックまたは鍵の組み合わせを形成して、正しく適合する先端部を有する別の取り外し工具が必要になるように、孔24の位置は変更されてよい。さらに、孔24は、2、3、4、5、または6など様々な数であってよく、円形、正方形、長方形、星形または三角形など様々な形状であってよい。
【0021】
図3は、本発明による光ファイバ接続レセプタクルまたは結合アダプタ40内に位置していて、同アダプタに接続している光ファイバコネクタプラグ10の斜視図である。結合アダプタ40は、キー突起20を光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12に受け入れて、光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ40内に正しく位置決めするためのガイドスロット38または溝を備えている。結合アダプタ40は、結合アダプタ40の両側に孔42を有するマウントブラケット43も備えている。結合アダプタ40は、プラスチックで作製されることが好ましい。結合アダプタ40の両側には、結合アダプタ40をパネルアレイまたはその他のマウントプラットフォーム内に固定して静電荷を放電するために、柔軟な金属製タブ44も備えられる。
【0022】
図4a〜
図4eは、結合アダプタ40に接続し、同アダプタ内にある光ファイバコネクタプラグ10の様々な図を示している。
図4aは、光ファイバコネクタプラグ10および結合アダプタ40の正面図であり、光ファイバが光ファイバケーブル30内の光フェルール27にあることを示している。結合アダプタ40のブラケット43、孔42、および柔軟タブ44も示されている。
図4b〜
図4dはそれぞれ、結合アダプタ40に接続された光ファイバコネクタプラグ10の下面、側面および上面を示している。
図4eは、結合アダプタ40内にある光ファイバコネクタプラグ10の背面図であり、孔24、背面プレート18、引っかかり防止ガイド35、およびマウントブラケット43のマウント穴または孔42を示している。他の孔24とは違って唯一の構成である、背面プレート18にある孔36も示されている。
【0023】
図5は、本発明に従って構成した取り外し工具50の斜視図である。本発明のもう1つの態様によれば、取り外し工具50は、長手方向に、または取り外し工具50の本体52の長さに平行に延びる複数の先端部55を備えている。上部51にあるスロット53と取り外し工具50の本体52の両側56にあるスロット59とで形成される柔軟なハンドル54は、ユーザが把持した時に内側に動いて光ファイバコネクタプラグ10をつかんで取り外すために設けられる。取り外し工具50の本体52の両側56には、取り外し工具50を用いて光ファイバコネクタプラグ10を取り外す際に取り外し工具50を把持しやすいように隆起部が備えられる。
【0024】
図6は、
図5に示した取り外し工具50を異なる角度から見た斜視図であり、取り外し工具50の正面61にある先端部55を示している。先端部55は、金属で作製されて互いに平行に延びていることが好ましい。先端部55は、光ファイバコネクタプラグ10の背面プレート18の孔24の中に挿入されるようにサイズを決定され、位置決めされる。取り外し工具の両側56にあるスロット63は、光ファイバコネクタプラグ10の引っかかり防止ガイド35を受け入れるように位置決めされ、サイズを決定される。
【0025】
図7aは、取り外し工具50の正面61の図であり、先端部55を示している。取り外し工具50の上面51にあるスロット53、および取り外し工具50の両側56にあるスロット63も示されている。取り外し工具50内部には、上面51と両側56とで凹部69が形成される。凹部69は、光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ40から取り外す過程で、光ファイバコネクタプラグ10を受け入れて覆うようにサイズが決定され、構成される。
【0026】
図7b〜
図7dはそれぞれ、
図5および
図6に示した取り外し工具50の下面図、側面図および上面図である。
図7eは、取り外し工具50の後方66の図であり、ハンドル54および凹部69を示している。
【0027】
本発明のさらに別の態様によれば、
図8は、取り外し工具50にある他の先端部55に比してサイズおよび形状が唯一のものである先端部60の側面図である。
図8に示した実施形態では、先端部60は、取り外し工具50の他の先端部55よりも幅が狭い。もちろん、他の実施形態では、別の先端部が他の先端部55よりも幅が広くてもよいし、あるいは断面が異なる構成であってもよい。
【0028】
図9は、本発明による光ファイバコネクタプラグ10の上にかぶさっている取り外し工具50の斜視図である。先端部55は、光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12のガイド22内に位置しているところが示されている。引っかかり防止ガイド35は、取り外し工具50の両側56にあるスロット63内に位置しているところが示されている。
【0029】
図10は、
図9に示した光ファイバコネクタプラグ10の上に被さっている取り外し工具50の斜視図であり、光ファイバコネクタプラグ10は、結合アダプタ40内に位置している。光ファイバコネクタプラグ10のキー突起20は、光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ40内に適切に位置決めするために結合アダプタ40のガイドスロット38内にあるところが示されている。
【0030】
図11aは、
図10に示した結合アダプタ40と、この結合アダプタ40内にある光ファイバコネクタプラグ10との正面図である。
図11b〜
図11dは、
図10に示した取り外し工具50、光ファイバコネクタプラグ10、および結合アダプタ40の下面図、側面図、および上面図である。
図11eは、
図10に示した取り外し工具50および光ファイバコネクタプラグ10の背面図である。
【0031】
図12は、
図10および
図11a〜
図11eに示した取り外し工具50、光ファイバコネクタプラグ10、および結合アダプタ40を
図11cの線12〜12に沿って切り取った断面図である。本発明によれば、取り外し工具50の先端部55は、光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12のガイド22内にあるように示されている。先端部55は、光ファイバコネクタプラグ10の孔24内に完全に挿入され、結合アダプタ40を通っているため、先端部55は、結合アダプタ40のラッチアーム72の下をスライドし、光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12のノッチ26からラッチアーム72を出して引き離して光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ40から解放する。
図12に示したように、光ファイバコネクタプラグ10は、ラッチアーム72が光ファイバコネクタプラグ10のノッチ26に係合することで結合アダプタ40内に固定される。
【0032】
図13は、
図12に示した断面図の一部を拡大した図である。図示したのは、取り外し工具50、光ファイバコネクタプラグ10、および結合アダプタ40の一部である。さらに詳細に見えるとおり、結合アダプタ40のラッチアーム72は、光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ40内に固定するためにノッチ26と係合する。先端部55が孔24の奥まで挿入されると、先端部55の尖った端部がラッチアーム72のフック部77の下をスライドして、ラッチ72を上げてノッチ26から出して引き離す。このようにして光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ40から解放し、光ファイバコネクタプラグ10を結合アダプタ40から取り外せるようになる。
【0033】
図14aは、光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12の正面図であり、光ファイバケーブル30および内部コネクタ部品がない図である。
図14b〜
図14dはそれぞれ、光ファイバケーブル30および内部コネクタ部品がない状態の光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12の下面図、側面図および上面図である。
図14eは、光ファイバケーブル30および金属体、バネ、フェルールなどの内部コネクタ部品がないハウジング12の背面図である。
【0034】
図15は、
図1に示した引っかかり防止ガイド35の斜視図である。引っかかり防止ガイド35は、マウントリング37によって一体に接続される。引っかかり防止ガイド35およびマウントリング37は、プラスチックで作製された一体品であることが好ましい。
【0035】
図16aは、引っかかり防止ガイド35およびマウントリング37の正面図である。
図16b〜
図16dはそれぞれ、引っかかり防止ガイド35およびマウントリング37の下面図、側面図および上面図である。
図16eは、引っかかり防止ガイド35およびマウントリング37の背面図である。
【0036】
図17は、光ファイバケーブル30の代わりに栓またはコネクタプラグ70を収容しているハウジング12の斜視図である。ハウジング12内にある栓70は、権限のないアクセスが光ファイバコネクタプラグ10を介して光ファイバレセプタクルまたはアダプタハウジングに達するのを防止する。栓70は、背面プレート18の後ろに見えるように光ファイバコネクタのハウジング12の後ろで嵌合して、ハウジング12のコネクタ口71をふさぐ。栓70が光コネクタのコネクタ口71に係合し、ハウジング12が結合アダプタ40またはレセプタクルに差し込まれると、このレセプタクルは、アクセスされないように光ファイバコネクタ口をふさぐ。レセプタクルは、対応する鍵を備えた取り外し工具50を用いてのみ取り外すことができる。
【0037】
本発明の補足的特徴によれば、取り外し工具50と引っかかり防止ガイド35などのプラグ本体の特徴部とは、ペアであることがわかるように似た色であり、どのプラグがどのコネクタに差し込まれるのかがわかるようにぴったり合わさる。幅が様々な孔24と先端部55とからなるパターンは、色が様々な光ファイバコネクタプラグ10と取り外し工具50との組み合わせに対して変更されてよい。
【0038】
図18は、
図17に示した栓70の斜視図である。
【0040】
図20は、光ファイバコネクタプラグ10のハウジング12を収容している2つの光ファイバコネクタ45を複数取り付けているパネル80の斜視図である。パネル80は、マウントプラグ82によってある場所に固定されている。2つの光ファイバコネクタ45内に収容されているハウジング12の光ファイバコネクタ口71は、栓70または光ファイバブーツ32のうちのいずれかを収容する。
【符号の説明】
【0041】
10 光ファイバコネクタプラグ
12 ハウジング
14 正面
16 背面
18 背面プレート
20 キー突起
22 ガイド
24 孔
26 ノッチ
27 光フェルール
28 サイドレール
29 溝
30 光ファイバケーブル
32 ブーツ
34 ノッチ
35 防止ガイド
36 孔
37 マウントリング
38 ガイドスロット
40 結合アダプタ
42 孔
43 マウントブラケット
44 タブ
45 光ファイバコネクタ
50 取り外し工具
52 本体
53 スロット
54 ハンドル
59 スロット
63 スロット
70 コネクタプラグ
70 栓
71 コネクタ口
72 ラッチ
80 パネル
82 マウントプラグ