特許第6294329号(P6294329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294329
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】取っ手付きバッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/00 20060101AFI20180305BHJP
   A45C 11/18 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   A45C3/00 S
   A45C3/00 U
   A45C3/00 Z
   A45C11/18 Z
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-537092(P2015-537092)
(86)(22)【出願日】2013年10月17日
(65)【公表番号】特表2015-532154(P2015-532154A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】CA2013000886
(87)【国際公開番号】WO2014059526
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2015年9月17日
(31)【優先権主張番号】13/655,784
(32)【優先日】2012年10月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509247397
【氏名又は名称】ピール プラスチック プロダクツ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】マイケル レイド マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジョージ ハッチンソン
(72)【発明者】
【氏名】アルジャン ダジバクシュ
【審査官】 梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−226607(JP,A)
【文献】 特開昭63−044451(JP,A)
【文献】 実公昭48−000744(JP,Y1)
【文献】 特開2008−143592(JP,A)
【文献】 特開2010−215278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00−15/08
B65D 30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネル(12)と、裏面パネル(14)と、「マチ」パネル(gusset panel)(86)と、を有するバッグであって、全てのパネルが、熱溶接可能な層(134;136)と、非熱溶接可能な層とを備える多層プラスチックシート材料で形成され、
前記「マチ」パネルが、一方の側に沿って第1の糊代部を、また、対向する側に沿って第2の糊代部を有し、
前記前面パネルが、前記前面パネルの一方の側に、第1の溶接部(24)で前記「マチ」パネルの前記第1の糊代部と接合される、第3の糊代部を有し、
前記裏面パネルが、前記裏面パネルの一方の側に、第4の糊代部を有し、前記第4の糊代部が、第2の溶接部(26)において前記「マチ」パネルの前記第2の糊代部と接合され、
前記前面パネルの第1の延長部(28)が、前記第1の溶接部(24)から延び、前記裏面パネルの第2の延長部(29)が、前記第2の溶接部(26)から延び、前記第1の延長部(28)が、前記第1の溶接部(24)から離れた前記第1の延長部(28)の側に第の糊代部を有し、前記第2の延長部(29)が、前記第2の溶接部(26)から離れた前記第2の延長部(29)の側に第の糊代を有し、前記第の及び第の糊代部が、第3の溶接部(107)において一緒に接合され、
各延長部の中に持ち口が形成されている、
バッグにおいて、
折曲げストリップの内側部分が、前記「マチ」パネルを構成し、
前記折曲げストリップの外側縁領域と、前記前面パネル及び裏面パネルの外側縁領域とは、前記第3の溶接部で相互に溶接され、
前記前面パネル及び裏面パネルは、前記折り曲げストリップの外側縁領域から突出して突出糊代部(138)を形成している、
バッグ。
【請求項2】
前面パネル(12)と、裏面パネル(14)と、「マチ」パネル(86)と、を有するバッグであって、全てのパネルが、熱溶接可能な層(134;136)と、非熱溶接可能な層とを備える多層プラスチックシート材料で形成され、
前記「マチ」パネルが、一方の側に沿って第1の糊代部を、また、対向する側に沿って第2の糊代部を有し、
前記前面パネルが、前記前面パネルの一方の側に、第1の溶接部(24)で前記「マチ」パネルの前記第1の糊代部と接合される、第3の糊代部を有し、
前記裏面パネルが、前記裏面パネルの一方の側に、第4の糊代部を有し、前記第4の糊代部が、第2の溶接部(26)において前記「マチ」パネルの前記第2の糊代部と接合され、
前記前面パネルの第1の延長部(28)が、前記第1の溶接部(24)から延び、前記裏面パネルの第2の延長部(29)が、前記第2の溶接部(26)から延び、前記第1の延長部(28)が、前記第1の溶接部(24)から離れた前記第1の延長部(28)の側に第の糊代部を有し、前記第2の延長部(29)が、前記第2の溶接部(26)から離れた前記第2の延長部(29)の側に第の糊代を有し、前記第の及び第の糊代部が、第3の溶接部(107)において一緒に接合され、
各延長部の中に持ち口が形成されている、
バッグにおいて、
折曲げストリップの内側部分が、前記「マチ」パネルを構成し、
前記折曲げストリップの外側縁領域と、前記前面パネル及び裏面パネルの外側縁領域とは、前記第3の溶接部で相互に溶接され、
前記折曲げストリップの外側縁領域は、合計4層が前記第3の溶接部(107)において溶接されており、
ここでは、開口部(144)を有している2つの第1のプラスチックシート(130)及び開口部を有しない2つの第2のプラスチックシート(132)が、相互に対面するポリエチレン層(134、136)と、他方の面に、熱溶接可能ではない層(141)と、を有しており、
前記開口部(144)によって、前記2つの第2のプラスチックシート(132)の一方のポリエチレン層(136)が、前記2つの第1のプラスチックシート(130)と前記2つの第2のプラスチックシート(132)が合わされたとき、前記2つの第2のプラスチックシート(132)の他方のポリエチレン層(136)に対して露出し、
前記2つの第1のプラスチックシート(130)と前記2つの第2のプラスチックシート(132)とは、それぞれの対面するプラスチックシート(130、132)の間の当接領域が前記開口部(144)を取り囲む領域において一緒に溶接され、前記2つの第2のプラスチックシート(132)の他の当接領域が、前記開口部(144)を介して熱溶接されている、
バッグ。
【請求項3】
前記第1の溶接部の前記第3の溶接部からの間隔と、前記第2の溶接部の前記第3の溶接部から間隔と、の和が、累積的に、前記第1の溶接部の、前記「マチ」パネルを横切る前記第2の溶接部からの間隔より大きい、請求項1又は2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記前面パネルの前記残り部分と前記裏面パネルの前記残り部分との間の前記シールが、ブリッジ要素を含む、請求項に記載のバッグ。
【請求項5】
前記ブリッジ要素が、注ぎ装置であり、前記注ぎ装置と前記持ち口によって形成された取っ手が、前記バッグの対向する側にある、請求項に記載のバッグ。
【請求項6】
前記ブリッジ要素が、前記「マチ」パネルである、請求項に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取っ手を有するバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックバッグは、物を持ち運ぶための、至る所にある非常に実用的な様式であり、バッグの特定の機能によって、このようなバッグの形状及び構造は、多種多様である。多くのバッグは、何らかの種類の取っ手を有する。取っ手は、バッグ自体の材料における単なる成形であるか、又は、バッグの本体に取り付けられ付加的な強度及び利便性を与える付加的要素を含む場合もある。
【0003】
包装材料を減少するという観点から特に重要なのは、市場において、自立型の比較的厚い壁のプラスチックジョッキに代わることができるプラスチックバッグである。このような取り替えは、多くの理由で望ましい。第1に、厚い壁のプラスチックジョッキに必要とされるプラスチック材料の量は、一般に、ジョッキとして機能するように構成されたプラスチックバッグと比べてずっと多い。第2に、グラフィック材料を施すのは、プラスチックシート又はその層が業界標準の印刷インクを容易に受け入れるポリエステルなどの材料で作られる場合、紙のようなプラスチックシート上に直接単純に印刷できるので、プラスチックバッグの方がずっと容易である。これは、壁に何らかの輪郭を有し、印刷ヘッドを非常に小さい壁のエリア以外には着座させにくい、堅い壁のジョッキとの比較である。このことは、基本的に、このようなジョッキにラベルを付けるという、比較的高価な処理ステップを要求する。最後に、充填の前に、保管される又は出荷される厚い壁のジョッキは、平坦なプラスチックバッグをコンパクトに積み重ねるのに比べて、かなりのスペースを取る。
【0004】
ジョッキとして機能するための取っ手付きバッグの構造は、粒子状内容物又は液体内容物を保持する強度を持たなければならない。また、片手で握れ、立ち位置から注ぎ位置へ及びその逆へ動かすことができ、理想的には、バッグの内容物のほぼ全てを注ぎ口又は機能的に同様の手段から注ぐとき、注ぎ位置が保持される形状を持たなければならない。耐用期間全体を通じて、バッグは、内容物が空になるまで、ジョッキの形状及び機能を実質的に保持しなければならない。最後に、このような構造は、簡単に製造できなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より剛性の材料で作られた、ジャッキの代用物となり得る、取っ手付きのバッグが知られているが、このようなバッグの性能及び製造可能性を、さらに改良することが可能である。取っ手付きバッグの設計及びその製造の、従来の伝統的な対処法の限界及び不利益は、このようなバッグと取っ手の配置を、本発明と比較することによって、当業者に明らかになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの形態によれば、前面パネルと、裏面パネルと、「マチ」パネル(gusset panel)とを有するバッグが提供される。パネルは全てプラスチックシート材料で形成され、「マチ」パネルは、一方の側に沿って第1の糊代部(margin portion)と、対向する側に沿って第2の糊代部と、を有し、前面パネルは、前面パネルの一方の側に、第1の接合部において「マチ」パネルの第1の糊代部と接合される第3の糊代部を有し、裏面パネルは、裏面パネルの一方の側に第4の糊代部を有し、第4の糊代部は、第2の接合部において「マチ」パネルの第2の糊代部と接合される。シートプラスチック材料の第1の延長ピースが第1の接合部から延び、シートプラスチック材料の第2の延長ピースが第2の接合部から延び、第1の延長ピースは、第1の接合ラインから離れた側に第1の縁を有し、第2の延長ピースは第1の接合部から離れた側に第2の縁を有し、第1の及び第2の縁は、第3の接合部において一緒に接合され、各延長ピースは、中に持ち口が作られ、持ち口は相互に位置合わせされる。
【0007】
接合部は、各々、それぞれの線に沿って延びることが好ましく、接合部は、接着剤を用いても良いが、接合部は、熱可塑性溶接部であることが好ましい。第3の接合部は、第1の延長ピースと第2の延長ピースの間を埋めるシートプラスチック材料における折曲げ部とすることができる。
【0008】
寸法的には、第1の接合部の第3の接合部からの間隔と、第2の接合部の第3の接合部から間隔と、の和の、累積間隔は、第1の接合部の、「マチ」パネルを横切る第2の接合部からの間隔より大きい、ことが好ましい。
【0009】
第1の及び第2の延長ピースの少なくとも一方は、シートプラスチック材料の二重厚みとするか、又はシートプラスチック材料の単一厚みとすることができる。バッグは、材料の単一の折曲げウェブから形成され、「マチ」パネルは、全面的に別個の挿入物として又はウェブの材料から切断した挿入物として、挿入物材料から形成されることが好ましい。延長ピースの少なくとも一方は、挿入物材料の一部から形成できる。
【0010】
バッグの1つの形式において、前面パネルの一方の側は、前面パネルの周囲の一部を形成し、裏面パネルの一方の側は、裏面パネルの周囲の一部を形成し、前面パネル周囲の残り部分は裏面パネル周囲の残り部分にシールされる。前面パネルの残り部分と裏面パネルの残り部分との間のシールは、ブリッジ要素を含むことが好ましい。ブリッジ要素は、操作可能で閉鎖可能な注ぎ口とすることができ、注ぎ口及び取っ手は、バッグの概ね対向する側にある持ち口によって形成される。その代わりに又はこれに加えて、ブリッジ要素を「マチ」パネルとすることができる。前面パネルの残り部分と裏面パネルの残り部分との間のシールは、前面パネルと裏面パネルの重なり合う糊代部の間のシールの少なくとも一部を覆う溶接を含むことが好ましい。
【0011】
バッグの少なくとも一部は、熱可塑性材料の層を含む多層材料で作られることが好ましい。多層材料は、印刷を受け入れやすい材料の層を含むことができる。多層材料は、バリア層を含むことができる。第3の接合部は、バッグをジョッキとして扱い易くするための強化部材を含むことができる。第3の接合部は、第1の接合部及び第2の接合部より短いことが好ましい。持ち口は、スロット形式であることが好ましい。
【0012】
本発明の別の形態によれば、可撓性シートプラスチック材料で形成されたバッグ及びそのための取っ手が提供される。バッグは、対向する側に糊代を有する「マチ」パネルを有し、取っ手は、1対のウィング部を有し、各ウィング部は、対向する側の糊代を有する。各ウィング部の一方の側の糊代は「マチ」パネルのそれぞれの側の糊代に接合され、ウィング部の他方の側の糊代は相互に接合され、ウィング部の各々の中に開口部が形成され、一方のウィング部の開口部は他方のウィング部の開口部と位置合わせされる。「マチ」パネルとウィング部とは、一緒に、バッグを持ち運ぶ手の部分を収容する、概ね中空の管を形成することができる。チューブは、概ね三角形の断面を持つことができ、三角形の1つの頂点はウィング部の接合された他方の側の糊代によって構成できる。
【0013】
本発明の別の形態によれば、バッグを製造する方法が提供され、方法は、シートプラスチック材料のウェブを折り曲げて、第1の折曲げ部によって連結された第1の及び第2のページを形成するステップと、折曲げ部にタックを挿入して、外向きへ突出した第2の及び第3の折曲げ部と、中間の内側へ突出した第4の折曲げ部と、を形成するステップと、第2の及び第3の折曲げ部においてウェブを切断して、ページを相互に分離し、第4の折曲げ部からストリップのそれぞれの縁部へ延びる、第1の及び第2のウィングを有する折曲げストリップを形成するステップであって、折曲げストリップがウェブのページの間に但しこれらから分離して配置される、ステップと、ウィングの第1の領域を第1の及び第2の接合部においてページのそれぞれの領域に接合して、第1の接合部から第4の折曲げ部を通過して第2の接合部へ延びる「マチ」を形成するステップと、ストリップ縁部を第3の接合部において相互に接合して、2ピース取っ手を形成するステップであって、取っ手の2つのピースが第3の接合部から第1の及び第2の接合へ延びる、ステップと、を含む。
【0014】
図解を単純且つ明確にするために、以下の図面に図解する要素は、共通縮尺で示さない。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確化のために他の要素に比べて誇張される。本発明の利益、特徴、特性、方法、及び、構造に関する要素の操作、機能、及び、部品の組合せ、製造の経済性は、添付図面を参照して以下の説明及び請求項を検討すれば明らかになる。全ての添付図面は、明細書の一部を形成し、同様の参照番号はそれぞれの図面において対応する部品を指示する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の1つの実施形態によるバッグの側面図である。
図2】バッグに粒子状又は液体材料が入っているときの、図1の線A−Aに沿って見た断面図である。
図3】バッグに粒子状又は液体材料が入っているときの、図1の線B−Bに沿って見た断面図である。
図4】バッグに粒子状又は液体材料が入っているときの、図1の線C−Cに沿って見た断面図である。
図5】本発明の1つの実施形態による取っ手側取付け工程における、図1のバッグの一部の製造過程の連続図面の1つである。
図6】本発明の1つの実施形態による取っ手側取付け工程における、図1のバッグの一部の製造過程の連続図面の1つである。
図7】本発明の1つの実施形態による取っ手側取付け工程における、図1のバッグの一部の製造過程の連続図面の1つである。
図8】本発明の1つの実施形態による取っ手側取付け工程における、図1のバッグの一部の製造過程の連続図面の1つである。
図9】本発明の1つの実施形態による取っ手側取付け工程における、図1のバッグの一部の製造過程の連続図面の1つである。
図10a】製造時の図1のバッグの一部の拡大断面図である。
図10b】製造時の図1のバッグの一部の拡大断面図である。
図11】バッグの製造時に形成される別の取っ手構成を示す、拡大断面図である。
図12】バッグの製造時に形成される更に別の取っ手構成を示す、拡大断面図である。
図13】バッグが特に注ぎ用に構成される、本発明の1つの実施形態によるバッグの側面図である。
図14】本発明の1つの実施形態による取っ手の交差取付け工程(cross mount process)における、製造の連続段階におけるバッグの部分を示す。
図15】本発明の1つの実施形態による取っ手の交差取付け工程における、製造の連続段階におけるバッグの部分を示す。
図16】本発明の1つの実施形態による取っ手の交差取付け工程における、製造の連続段階におけるバッグの一部を示す。
図17】本発明の実施形態によるシートプラスチック材料を溶接するための技法を示す。
図18】本発明の実施形態によるシートプラスチック材料を溶接するための技法を示す。
図19】本発明の1つの実施形態による別の製造工程における製造過程の、図1と同様のバッグの一部を示す。
図20】本発明の1つの実施形態による別の製造工程における製造過程の、図1と同様のバッグの一部を示す。
図21】本発明の1つの実施形態による別の製造工程における製造過程の、図1と同様のバッグの一部を示す。
図22】本発明の1つの実施形態による別の製造工程における製造過程の、図1と同様のバッグの一部を示す。
図23】本発明の1つの実施形態による別の製造工程における製造過程の、図1と同様のバッグの一部を示す。
図24】本発明の1つの実施形態による別の製造工程における製造過程の、図1と同様のバッグの一部を示す。
図25a図19〜24を参照して説明される代表的製造方法の1段階を示す断面図である。
図25b図19〜24を参照して説明される代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図25c図19〜24を参照して説明される代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図25d図19〜24を参照して説明される代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図25e図19〜24を参照して説明される代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図25f】本発明の1つの実施形態による、図25eのバッグ構成とは別の構成を示す断面図である。
図26】代表的製造方法を用いて作られた本発明の別の実施形態によるバッグの製造に使用される、シートプラスチックウェブの一部を示す。
図27a図26を参照して説明する代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図27b図26を参照して説明する代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図27c図26を参照して説明する代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図27d図26を参照して説明する代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図28】代表的製造方法を用いて作られた本発明の別の実施形態によるバッグの製造に使用される、シートプラスチックウェブを示す。
図29a図28を参照して説明する代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図29b図28を参照して説明する代表的製造方法の、1段階を示す断面図である。
図30】本発明の1つの実施形態によるバッグの別の形式の、上からの斜視図である。
図31】本発明の実施形態によるバッグの形式の、下からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、前面パネル12と裏面パネル14とを有する、プラスチックシート材料で形成されたポーチ形式のバッグ10を示す。前面パネル12と裏面パネル14は、バッグを形成するオリジナルのウェブシート材料を折り曲げることによって又は「マチ」パネルによって、一方の側16において、シーム溶接部として接合される。バッグの最上部及び底部において、前面パネル12と裏面パネル14は、シーム溶接部18、20によって接合されるが、代わりに、側面パネル12、14に溶接された別個のパネルとして又はシートプラスチック材料の折曲げ部として形成された「マチ」パネルを組み込むことができる。側面「マチ」パネル22は、パネル12、14の間に延在し、溶接部24、26においてパネル12、14にシーム溶接される。溶接部パネル12、14から離れた溶接部の側においてシーム溶接部24、26からパネル延長ピース28、29が延びる。延長ピース28、29は、各々、延長ピースのほぼ中央に形成されたスロット形の開口部34を有し、開口部34は、相互に位置合わせされており、延長ピースは一緒に取っ手62を形成する。延長ピース28、29は、図に示すように27において切り取られて、バッグが充填されたとき「マチ」パネル22が効果的に作用できるようにする。図1の構造を図2〜4において断面図で示す。
【0017】
図1のバッグの構造の更なる詳細を図5〜10aにおいて図解する。図は、バッグの代表的製造工程の諸段階を図解する。製造工程は、2つの面層を有するシート材料を使用するのに特に適する。1つの層は高い熱可塑性を有する材料で作られ、他方の層は、比較的低い熱可塑性の材料で作られる。このようなシート材料は、例えば、一方の表面念が熱可塑性ポリエチレン層を有し、反対面においてポリエステル層を有する多層シートプラスチック材料である。反対面は、特に印刷表示を受け入れるのに適するが、熱可塑性ではない。
【0018】
高生産率を得るために、プラスチックシート材料の連続ウェブに対して加工が施される。製造過程において、ウェブが未形成である投入端から排出端までウェブは張力を受けて連続的に供給される。排出端において、基本的にはバッグ完成品が製造済みであり、ウェブの先端部から切断される。ウェブは導かれて、バッグの製造段階に応じて、例えば、位置付け、打抜き、切断、折曲げ及び熱可塑性溶接を含めた加工作業が実施される一連の加工ステーションを通過する。取っ手側取付け製造工程を図解する図5〜9に示すように、ウェブ80の先端部は、矢印A方向に移動する。ウェブは折り曲げられ(図5)、折曲げ部の場所においてタック82が形成される(図6)。次のステーションにおいて、ウェブはタック82によって形成された2つの折曲げ部の頂点84において切り分けられる(図7)。これによって、分離されたV字形断面の「マチ」パネル86が形成され、「マチ」パネルは、結合ステーションにおいて取っ手ウェブ88と結合される。
【0019】
結合ステーションに到達する前に、取っ手ウェブ88は、張力を受けて引っ張られる連続ウェブとして同様に加工される(図8)。取っ手ウェブ88は、この実施形態において、ポリエチレンシート材料で作られるが、要望があれば、多層プラスチックシート材料を使用できる。例えば、強化のためにナイロン層を組み込むことができ、取っ手に印刷表示を施す場合には、ポリエステル層を使用できる。取っ手ウェブ88は、持ち口90を生成するための打抜きステップと、各ウィング部92の中央に開口部90が位置するようにウィング部92を製造するための折曲げステップと、を受ける。2つのウェブ80、88は、結合ステーションにおいて、位置づけブレード94を用いて一緒に合わされ、折り曲げられた「マチ」及び取っ手パネル86、88が、図示するように左へ駆動され(図9)、折り曲げられたバッグウェブ80のパネルの間の空隙の中の正確な距離に留まる。
【0020】
図10aに示すように、切断及び位置付けの方法によって、熱可塑性溶接/シールを可能にするポリエチレン層の望ましい並置が得られる。このようにして、「マチ」パネル86の領域96は、当接領域101においてバッグパネル12、14のポリエチレン層100に対面するポリエチレン層98を有する。ポリエチレン取っ手部88の領域102も、領域101のすぐ隣の領域104において、バッグウェブパネル12、14のポリエチレン層100に対面する。次に、取っ手部を含めてウェブの重なり部が、一連の熱溶接ステーションを通過するようにする。このステーションにおいて、領域101及び104の両方を被覆するために溶接105を行う。ホットプレスツール(図示せず)は、ポリエステル層を介して熱及び圧力を加えて、パネル縁及び「マチ」部86及び取っ手部88の縁の下の層のポリエチレンをホットメルトさせる。ポリエステル層は溶融せず、加えられた熱をポリエチレンへ伝える。図10aは、「マチ」パネル22に重ねて取っ手62が収められた完成バッグを示し、図10bは、持ち運ぶため又は注ぐための位置まで引き出された取っ手62を示す。
【0021】
図11及び12の詳細図は、別の取っ手の配置を示す。図10a及び10bの実施形態と同様、これらの配置は、熱可塑性溶接/シールを可能にするために望ましいポリエチレン層の並置が得られるという利益を有する。特に、これらの実施形態の利益は、図5〜9に関連して説明した工程に比べて、製造過程において別個の挿入物を必要としないことである。その代わりに、図7に図解するステップと同様の工程ステップにおいて、折曲げストリップをウェブから切断する。従って、折曲げストリップは、主たるウェブと同じ多層構造を持つので、熱溶接できる1つの面と熱可塑性ではない他方の面を有する。折曲げストリップは、バッグの取っ手及び関連する「マチ」パネルの両方の材料である。
【0022】
図11の構造の場合、折曲げストリップ168は、折曲げストリップの一部が前面パネル12及び裏面パネル14から突出するように、前面パネル12と裏面パネル14との間の空隙に部分的に挿入される。突出部は、開口部90を有し、これによってバッグ完成品を持ち運べる。折曲げストリップの挿入部は、「マチ」パネル86を構成し、外向き突出部は、一緒に接合されて、持ち運び取っ手62として機能する。「マチ」パネル86の端部は、それぞれの接合当接領域101においてバッグウェブパネルのポリエチレン層100のそれぞれの縁部と当接する。「マチ」パネル及びそれぞれ前面パネル及び裏面パネルのポリエチレン層は、図において105で示す接合部において溶接される。折曲げストリップの外向き突出部の縁領域は、更なる接合部において相互に当接し、当接するポリエチレン層は図示するように107において一緒に糊付けされる。溶接部及び糊付け部は図において厚い構造として示すが、これは単なる例である。実際、溶接部は、通常、バッグパネルを構成するシートプラスチックとほとんど区別できないシートプラスチック形体である。強度及び扱い易さのために、溶接部105及び107は、ほぼ開口部90まで延びるが、溶接部の境界は、それぞれの開口部の境界から約6.35mm(1/4インチ)の間隔で分離される。
【0023】
図12の構造の場合、折曲げストリップは、それぞれ前面パネル12と裏面パネル14の延長部28、29の間の間隙へ完全に挿入される。折曲げストリップの内側部分は「マチ」パネル86を構成し、「マチ」パネル86の端部は、それぞれの接合当接領域101においてバッグウェブパネルのポリエチレン層100のそれぞれの内側面部分に当接し、溶接部105において熱溶接される。折曲げストリップの外側部分は、前面パネル12及び裏面パネル14の開口部91と位置合わせされた開口部90を有し、バッグ完成品において位置合わせされた開口部は、バッグの持ち運びを可能にする。折曲げストリップの外側縁領域と前面パネル12及び裏面パネル14の延長部28、29の外側縁領域は、別の接合領域において相互に当接し、この接合領域において合計4層が溶接部107において溶接される。
【0024】
ウェブは、縁においてパネルをシールするために他の溶接ステップを施すことができる。但し、1つのシームは、客がバッグに充填できるように開放したままであり、このシームは、バッグを充填した後に客が溶接する。図5、6及び7の実施形態の場合、出荷のために開放されたままのシームは、図の左側に示すように、ウェブ80の2枚の「ページ」を折り曲げたとき形成される空隙である。
【0025】
本発明の原理を用いる取っ手付きバッグは、多様な手法で作ることができる。例えば、図14〜16に図解する一連の製造ステップにおいて示すように、結合された取っ手ウェブ部及び「マチ」パネルを含むストリップは、バッグウェブ110、124が矢印Bの方向へ駆動されるとき、側面から(矢印A)供給される。バッグウェブ110、124は、それぞれバッグ前面パネル及び裏面パネルになる連続区分から成り、ウェブ110、124は、表面109にポリエチレン層を有し、裏面にポリエステル層を有する。仮付けステーションにおいて、図示するように各端において折り曲げられた二重「マチ」ウェブ部112は、バッグウェブ110を横切って移動してバッグウェブに仮付け溶接される。二重「マチ」ウェブ部112は、表面118にポリエチレン層及び裏面にポリエステル層を持ち、位置合わせされた取っ手開口部90及び位置合わせされた溶接開口部114を有する。
【0026】
ウェブ110への二重「マチ」ウェブ部112の仮付け溶接後、ウェブ112をウェブ110と124との間に挟むように、ウェブ124をウェブ110の上に置く。その後組立体をシーム溶接機へ送り、ここで、ホットプレスツールが、ポリエチレン当接領域において熱可塑性溶接部を作る。前の実施形態と同様、ウェブ110、112及び124の並置は、ポリエチレン層を対面させて、所望の領域において熱溶接を実施できるようにするものである。従って、図15(対面するポリエチレン層の配置を示す)及び図16(熱溶接部の位置を示す)に示すように、ポリエチレン層118は、ウェブ110、124のポリエチレン層に対面する。ウェブ110、124を、完成バッグにおいて「マチ」パネル86の端領域に該当する位置において、ウェブ110、124をウェブ部112に取り付けるように、シール熱溶接部が105において作られる。溶接位置105は、取っ手62の隣接部分の内側端領域に対応する。取っ手部の外側端領域は、4つの層を一緒に締結する熱溶接部107において接合される。この溶接は、貫通孔114を介して実施されるウェブ110、124の内側ポリエチレン層の間の溶接を含む。更に、溶接は、連続工程において先行するバッグの「マチ」パネルに対応する145においても、縁126に沿って行われる。先行する完成バッグは、線128において切断することによって分離され、切り離されたバッグは、側面「マチ」パネルを有し、1つの「マチ」パネルは関連する取っ手62を有する。
【0027】
側面取付け工程で、又は交差取付け工程で、「マチ」/取っ手を取り付けるかの選択は、概略的には、他方の「マチ」パネルの場所に依存する。取っ手シームをバッグの1つの側に沿って見たとき、バッグ周囲のある領域が充填のために開放されたまま残されることを条件として、追加の「マチ」パネルを、バッグの最上部及び底部の一方又は両方に沿って及びバッグの反対側に沿って組み込むことができる。
【0028】
図10a及び10bに図解するように、領域101、104において隣接する溶接部は、一方の面に熱溶接可能な層を、また反対面に非熱溶接可能な層を有するプラスチックシート材料の間に、強力なシール結合体を提供できる。図17の分解図に示すように、結合体は、熱溶接可能層134、136を有するプラスチックシート130、132が相互に対面するが、シート130がそれぞれのシート132から突出して突出糊代部138を形成するという特徴を有する。この配置において、隣接する領域との単一の溶接部が各シート130を隣接するシート132に溶接するのに役割を果たし、同時に、2枚のシート130を一緒に溶接する役割を果たす。複数結合熱溶接は、これまでの図面に示すバッグの取っ手の配置の他の構造で応用でき、特に、表示を印刷する要望が、又は、シートプラスチック材料の他の特徴に関する要望が、一方の面の層が熱可塑性溶接を容易にせず、反対面の層が熱溶接可能であることを意味する場合に、応用できる。
【0029】
別の実施形態を図18に示す。この場合、プラスチックシート130及び132は、相互に対面するポリエチレン層134、136及び他方の面に、熱溶接可能ではない層141を有する。シート130は、開口部144を有し、これによって、シート132の一方のポリエチレン層136は、シート130と132が合わされたとき他方のシート132のポリエチレン層136に対して露出する。シート130、132は、それぞれ対面するシート130、132の間の当接領域が開口部144を取り囲む領域において溶接されるように一緒に溶接され、シート132の他の当接領域が開口部144を介して熱溶接される。この実施形態においては、複数結合は、強度の点で効果的であるが、図17の実施形態と異なり、シート132のポリエチレン層の一部はシート130の非熱可塑性層に重なるので、シールとしては効果的ではない可能性がある。
【0030】
バッグの構造及び製造方法の別の実施形態を図19〜25に示す。図は、ポリエチレンなど両面において熱溶接可能なシート材料を特徴とするバッグの構造を図解する。図は、また、別個のウェブ部からバッグを製造する方法も図解する。このような方法は、例えば、連続工程設備を構成することが非効率的である短期生産運転において採用できる。図19〜24は、平面図でウェブ部及びウェブ部から形成されたバッグの構造を示し、図25a〜25eは、立面断面図でウェブ部及びバッグの構造を示し、プラスチックシート材料の長さを線として示す。まず、図19及び20を見ると、プラスチックシート材料の2つのウェブ即ち広いウェブ36及び狭いウェブ38が加工される。まず、打抜き手順でウェブ36、38に開口部34が形成される。次に、ウェブ36、38は、それぞれ線40、42において切断されて、長方形ウェブ部44、46が形成され、ウェブ部は図20、22及び25aに示すように折り曲げられる。次に、図25bの断面図に示すように、縁47が相互に位置合わせされ、開口部34が相互に位置合わせされるように、小さい方のV字形断面ピースを大きい方のV字形断面ピースへ挿入する。図25cに示すように、小さい方のV字形断面ピースを、24、26においてそれぞれ前面パネル12及び裏面パネル14に溶接する。これによって、溶接部24、26の間に、「マチ」パネル22として機能する領域が出来るので、前面パネル12と裏面パネル14は、バッグが充填されたとき、「マチ」パネル22の幅によって定められた限界まで引き離すことができる。図25dに示すように、重なった延長ピース28、29は、37において相互に及びパネル12、14にシーム溶接される。溶接部24、26は各々、開口部34を備えるシートプラスチック材料の区画によって溶接部37から離間される。別のシーム溶接部18、20がバッグの最上部及び底部に沿って与えられる。但し、これを2段階作業として、溶接部18、20の一方をバッグ10の充填のために開放したままにして、後に最終シーム溶接を施すことによってシールできる。また、図25fに示すように、他の折曲げ部を構成して、更なる「マチ」パネル54を与えることができる。折曲げは、側面シーム18、20が溶接される前に実施される。このような付加的「マチ」は、バッグに更なる貯蔵容積を与え、本出願において説明するように、バッグが注ぎバッグとして機能する場合に特に貴重である。
【0031】
図19〜25に示す構造は、2つの別個のウェブ部36、38から形成される。図26及び27を参照すると、別の実施形態のバッグ10は、図26の平面図及び図27a〜27dの断面概略図で図解する代表的製造手順に示すように、単一のウェブから形成される。図示するように、ウェブ部58は、前面パネル12、裏面パネル14、「マチ」パネル22及び延長ピース28、29に対応する隣り合うエリアを有する。シートプラスチック材料の長方形ウェブ部58は、持ち口34を形成するために打抜き工程を受けて、ウェブから切断される。ウェブ部58は、図27bに示す形状になるように線60で折り曲げられる。その後、図27cに示すように、前面パネル12と延長ピース28を接合するために第1の溶接部24が作られ、裏面パネルと延長ピース29を接合するために第2の溶接部26が作られる。「マチ」パネル22が2つの溶接部24、26の間に形成される。最後に、図27dに示すように、延長ピースの上縁が37においてシーム溶接される。溶接部24、26、37は、それぞれの持ち口34から離間し、完成構造において、持ち口34は、相互に位置合わせされる。
【0032】
ウェブ部58は、完全に溶接されたときエンドレスループになるので、折曲げ部60及び溶接部24、26、37の特定の位置及び折曲げ及び溶接の手順は、視覚的及び機能的に図26及び27に示す構造に匹敵する構造が得られるという結果が伴えば、変更できる。
【0033】
図19〜27に図解するプロセスによって作られたバッグは、溶接部24、26の上方に開口付き延長ピースを有し、延長ピースは取っ手62として機能し、溶接部24、26の間に延びるスパンは「マチ」パネル22として機能する。取っ手62は、溶接部37が4層溶接部なので、4重厚みのシートプラスチック材料を有する。
【0034】
図28〜29は、別の実施形態を図解する。図28は、持ち口34及び折曲げ位置60を持つ代表的ウェブ部58の平面図であり、図29a及び29bは、ウェブ部58の操作及び溶接の連続的段階を示す。この実施形態においては、2つの取っ手部64、66があり、各々が単層である。この実施形態は、視覚的には以前に図解した実施形態と同様であるが、上部溶接部37は2層溶接であり、シート材料の一重厚みのみが、各持ち口34を形成する。
【0035】
上述のように、本発明の設計原理を使用するバッグは、粒子状材料及び液体を収容し貯蔵するためのジョッキとして応用できる。このような配置の1つを、図13に示す。取っ手62と反対側の接合部及びバッグの上縁において、図示するように線72に沿ってコーナーが切断され、注ぎ口/キャップ結合体74が、切断された前面パネル12と裏面パネル14との間に、部分的に挿入される。72において切断された縁は、相互にシーム溶接され、注ぎ口74の外面の周りでシールされる。注ぎ装置の1つの形式を図示するが、注ぎ装置は、スライドファスナー又はジッパー、Velcro(登録商標)ファスナーなどの他の手段によって、再閉鎖可能な蛇口機能を設けることが好ましく、又は、閉鎖が重要でない場合には、容器を最初に使用する時点で切断される単純な開口部を設けることができる。直立ジョッキとして機能するときのバッグの「姿勢」を改良するために、図示するように70につま先溶接部が与えられる。また、同じ目的で、バッグの底部に沿った溶接部20は、下側斜面溶接部76との接合部からつま先溶接部70まで上向きに傾斜する(図13)。図13には示さないが、バッグ10を形成するウェブを折り曲げて、バッグの最上部、底部又はその他の側面のいずれか又はすべてに「マチ」を取り入れることができる。又は、所定の位置に挿入物を固定するために溶接を施して、別個の挿入物として付加的「マチ」を作ることができる。
【0036】
所望の特定の持ち運び及び注ぎ特性及び充填されたバッグの内容物の予想重量分布に応じて、概ね中央以外の場所に持ち口34を配置することが便利である可能性がある。例えば、持ち口を、バッグの最上部又は底部に近づけることができる。又は、スロット形の開口部を垂直に対して傾斜する向きにすることができる。更に、持ち口34は注ぎ制御を強化するために個々の指を挿入するための複数の開口部として構成できる。
【0037】
取っ手は、取り運びのためにバッグの上部に保持できるが、通常は注ぎのために側面に保持されることが分かるだろう。バッグの内容物が重い場合い持ち運びモードを補助するために、シームの一部又は全てを、製造工程の一部として強化できる。溶接が完了した時、溶接部が熱可塑性シート材料のみで作られた溶接部より大きい剛性を与えられるように、溶接前に、熱可塑性材料の強化ロッド、チューブ又はリーフが溶接領域に配置される。これは、特に、注ぎジョッキとして機能する予定の図13に図解するバッグの場合に貴重である。本出願において説明するバッグ形式を有するジョッキの扱いには、特にバッグの元来の内容物のほとんどが配分されてしまった場合、ある程度の器用さが必要であることが分かるだろう。図13に示すように、局部的に強化されたゾーンは、シーム溶接部37に熱可塑性ロッド166を配置することによって、製造時に形成される。このシームが形成されるとき、ロッド166は溶融して、延長ピース28、29の材料と融合する。バッグが注ぎのために使用される場合、強化ゾーンは、内容物が空になっていくとき、バッグのジョッキ形状を維持するのに役立つ。又は、このようなロッド又はその他の強化要素の形式は、溶接が施された後の別個の工程ステップにおいてバッグに溶接することもできる。又は、強化要素をステープル留めなど機械的に取り付けることができる。
【0038】
外見又はその他の目的で望ましい場合、折曲げ及び溶接を行う前に図示するように73においてウェブ部を適切に切り揃えることによって又は溶接部が完成した後、バッグの取っ手の必要ない部分を打ち抜くことによって、バッグの全高より短い取っ手62が使用される。
【0039】
これまでに説明した本発明の実施形態は、平面図において概ね長方形のポーチバッグに関する。このようなポーチバッグにおいては、プラスチックシート材料の効率の良い使用及び製造の容易さのために、バッグの数個のパネルの各々は概ね長方形であり、シーム溶接部は他のパネル(例えば、「マチ」パネル)と接合されるパネルの境界線に沿っている。図1に示すように延長ピース28、29を含めてバッグパネルのいずれも、隣り合うパネルが境界溶接部を作るために必要とされる適切な形状を持つことを条件として、長方形以外の形状を持てることが分かるだろう。例えば、バッグ10の全体形状を決定する点で主要なパネルである前面パネル12及び裏面パネル14は、概ね楕円形又は三角形状を持つことができる。
【0040】
本発明を実現するバッグの特定の形態を図30及び31に示す。バッグは、前面パネル146と、裏面パネル148と、側面「マチ」パネル150と底部「マチ」パネル152とを有する。前面パネル146及び裏面パネル148は、バッグの上部にプレストゥクローズ(press-to-close)シール配置154を有する。取っ手156は、図31の反対からの図に示すように、バッグの底部にシールされる。この配置において、取っ手156は、縁158において、図示するように当接領域162において前面パネル及び裏面パネルの露出した縁部160に熱溶接される。前面パネル146及び裏面パネル148の隣り合う縁領域は、当接領域164において底部「マチ」パネル152に熱溶接される。
【0041】
以上説明した本発明の実施形態の各々において、バッグは、少なくとも部分的に熱シール可能な熱可塑性材料であるシートプラスチック材料から形成され、シール/溶接は熱シールによって行われる。このような材料としては、例えば(限定的でなく)、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ビニル重合体及びその類似品がある。材料は、低密度、中密度又は高密度重合体とすることができ、単層又は多層複合材料とすることができる。複合積層材料は、接着剤層を含むことができる。エチレンビニルアセテートなどのシール樹脂を用いて、特定の重合体層のシールを改良でき、このようなシール樹脂の使用は、接着剤結合層の使用を不要にする。本発明は、概略的に気体の伝播を防止するバリアを与える例えばEVOHなどのバリアシート材料又は金属層で作られた又はこれらを含む熱可塑性フィルムの使用を想定している。フィルム材料の厚みは、主にバッグが支えなければならない予定重量に基づいて選択され、概ね約0.051〜0.51mm(2〜20ミル)の範囲である。
【0042】
使用される熱可塑性シート材料のタイプは、バッグの目的、製造において取扱い易いか否か、容易に印刷を受け入れるか否か、防水性であるか否か、引き裂き又は膨れに抵抗するに充分な強さか否か、などによって決まる。
【0043】
特定の実施形態は、熱可塑性溶接/接着を効果的にし、且つ高い強度を有するポリエチレン層及び非常に表示を印刷しやすいポリエステル層を含む、多層プラスチックシート材料を使用する。ウェブ部の操作において、シート材料の2つの部分を接合すべき個所において、接着剤による接合ではなく熱可塑性熱シールを用いることによって接合/溶接を行えるように、ポリエチレン表面が合せられる。同様に、表示を印刷するためにポリエステル表面を外向きにするように操作される。但し、ポリエチレンなどの材料の熱可塑性溶接が好ましいが、本発明に係るバッグは、溶接シームのいずれか又は全てを接着シームで代用して製造できる。
【0044】
1つの実施例において、バッグのシートプラスチック材料は、厚み0.025〜0.178mm(1〜7ミル)のポリエチレン層、厚み0.0025〜0.0127mm(0.1〜0.5ミル)の接着ポリマー層及び厚み0.0127mm(0.5ミル)のポリエチレン層を有し、層は、同時押出成形又は接着積層化される。層厚みは、所望のシート材料の特性次第で変動可能である。例えば、ポリエチレンより印刷表示を受け入れるのに適するポリエステル層は、バッグの剛性を増大するために多少厚くすることができる。このことは、バッグが注ぎバッグとして機能するためのものであり、ジョッキと同様に直立状態で収納又は貯蔵される場合、非常に重要である可能性がある。多層プラスチック材料は完成材料に望まれる特性次第で材料の付加的層を含むことができる。別の実施例において、プラスチックシート材料は、材料の両面が熱シール可能であるように、ポリエチレンの外側層を有する。更に別の実施例において、プラスチックシート材料は、強度を付加するためのナイロン層及び/又は金属ホイル、金属化ポリエステル又はEVOHなどのバリア層を有する。各材料の層材料及び層の数は、バッグに望まれる特定の特性に応じて選択される。ポリエチレンは優れた熱シール特性及び比較的高い強度を有する。もっと軟らかい材料が要望される場合には、高いエラストマー含有量を持つ共重合体ポリエチレンを使用できる。バッグの構成に使用されるシートフィルム材料又は特定のウェブ部は、製造時に特定の軸に沿って又は限界応力位置において機械的強度を付与するように方向性を持たせた、熱可塑性フィルムから形成できる。このように方向性のある強度は、例えば、環境温度での引き伸ばしや、押出成形時の溶融方向付け(melt orienting)などによって付与することができる。シート材料の層の熱シール及び接着は、層が熱シールされる個所において設定された時間、温度及び圧力を加えることによって実施される。温度、圧力及び時間は、接着されるシート材料の特定の性質に基づいて選択される。接着は、典型的には、複数の接着ステーションにおいて実施され、接着された材料はその後冷却される。
【0045】
再び図1を見ると、溶接部18、20においてシート材料の縁を一緒に溶接するか又は図示するように溶接部24、26において2枚のパネルの面を一緒に溶接するかに関係なく、様々な溶接ラインは、図解する実施形態において単に直線として示すが、他のより複雑な溶接を用いて、特定のバッグ特性を得ることができる。例えば、図13に示すように、「マチ」パネル22の端部において、各対の重なりシート材料に斜角エリア溶接部78を使用して、「マチ」パネル22のためにすっきりした端部を形成する。溶接部は、構造的形状、強度を有するシーリング、及び「姿勢」、という利益の、いずれか又は全てに寄与できることが分かるだろう。内容物の損失を防止し且つ外部からの汚染物の侵入を防止するための効果的シールのために、溶接部は、その接合部で重ならなければならない。
【0046】
以上で、バッグの構造の様々な実施形態について説明した。また、このようなバッグの構造を製造する際の特定の生産工程ステップについて簡潔に説明した。このような実施形態及び工程は、本発明を先行技術から区別する特徴を有する。本発明のバッグ及びその製造は様々に修正でき、具体的に上に説明する好ましい形式以外の実施形態をとることができることが、当業者には明白であろう。従って、請求項は、本発明の範囲に属する本発明の全ての修正を包括することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25a
図25b
図25c
図25d
図25e
図25f
図26
図27a
図27b
図27c
図27d
図28
図29a
図29b
図30
図31