(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パースペクティブ補正を行う工程は、前記参照オブジェクト(O)で測定された前記寸法と、前記参照オブジェクト(O)の前記格納された寸法との比較に基づき、少なくとも1つの回転軸に沿って前記画像を回転させる工程を備える、
請求項5に記載の方法。
前記サンプル衣類(C)および前記参照オブジェクト(O)の少なくとも1つの画像(I)を準備する工程は、前記サンプル衣類(C)および前記参照オブジェクト(O)の単一の画像(I)を準備することを含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
前記少なくとも1つの画像(I)上で、前記参照オブジェクト(O)の前記寸法と、前記サンプル衣類(C)の複数の基本的な寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)とを測定する工程と;
前記サンプル衣類(C)の前記基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の前記実際の寸法値を計算する工程とが、プロセッサ(2)で行われる、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ユーザに、サイズが調整された衣類Mを製造させるための方法およびシステム1を定義する。
【0015】
最初に、ユーザに仕立て服Mを製造させることができ、ユーザに仕立て服Mを製造させるために本発明の方法を実行することができるシステム1が記載される。
【0016】
ユーザに、サイズが調整された衣類Mを製造させるためのシステム1は、
衣類を切断し、縫製するための手段を備える仕立て装置と;
以下の工程または操作:
製造される仕立て服Mと同じ種類のサンプル衣類Cを表し(含み)、さらに、実際の標準化された(既知の)寸法を有する参照オブジェクトOを表す少なくとも1つの撮影された(受信された)画像I上で、参照オブジェクトOの寸法およびサンプル衣類Cの複数の基本的な寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を測定し;
サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の実際の寸法値を、
少なくとも1つの画像Iで測定されたサンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の寸法値、
画像Iで測定された参照オブジェクトOの寸法値、および
参照オブジェクトOの実際の寸法(M7,M8)についての情報
の関数として計算する工程または操作;
製造される仕立て服Mの美的特徴を選択する工程または操作;
サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)について計算された実際の値と、選択された美的特徴とを、仕立て装置4に転送する工程または操作を行わせるような様式で、少なくとも1つのプロセッサ2にロードされるように構成された複数の操作命令とを含む。
【0017】
その基本的な寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)が、サンプル衣類Cの基本的な寸法の実際の値と実質的に等しく、選択された美的外観も有するような仕立て服Mを製造するために、仕立て装置4は、転送されたサンプル衣類Cの寸法の計算された実際の値および選択された美的特徴に基づき、衣類Mを切断し、縫製する一連の操作を行わせるように構成された切断手段および縫製手段を備えている。
【0018】
なお、「基本的な寸法」との表現は、望ましい衣類を製造するのに必要な本質的な測定値を意味するように使用される。
【0019】
例えば、シャツの場合には、基本的な寸法は、以下の1つ以上の測定値であってもよい(
図2に示すように)。
【0020】
首周り(M1);
肩幅(M2);
胸囲(M3);
ウエスト(M4);
裄丈(M5);
袖口周り(M6)。
【0021】
なお、撮影された画像は、画像を撮影するために用いられるデバイスの視野内に配置されたサンプル衣類Cおよび参照オブジェクトを含む、ユーザによって撮影された写真である。
【0022】
また、「標準的な寸法を有するオブジェクト」という表現は、寸法が既知であり、異なる標本間で実質的に同一のオブジェクトを意味する。
【0023】
さらに具体的には、標準的な寸法を有するオブジェクトは、異なるブランドのものであっても、異なる標本間で同じ寸法を有する。
【0024】
好ましくは、オブジェクトOは、銀行のデビットカードであってもよい。
【0025】
好ましくは、オブジェクトOは、標準的な大きさのシートであってもよい(例えば、A4サイズのシート)。
【0026】
さらに好ましくは、オブジェクトOは、既知で所定の幾何パターンに従って配置された複数の参照(ドット/ライン)を有する平坦な要素を含んでいてもよい。
【0027】
なお、本発明の好ましい実施形態において、ユーザは、サンプル衣類Cと参照オブジェクトOの写真を撮る。
【0028】
写真は、カメラ、スマートフォン、タブレットを用いて撮られてもよく、もっと一般的には、写真を撮影することができる任意のデバイスを用いて撮られてもよい。
【0029】
好ましくは、参照オブジェクトOは、銀行のデビットカード、クレジットカードまたはショッピングカードである(添付の図面に、わざと拡大して示している)。
【0030】
なお、もっと一般的な観点において、参照オブジェクトOは、寸法が標準化され(すなわち、異なる標本間で同じであり)、既知の任意のオブジェクトOである。
【0031】
さらに、なお、本発明の方法によれば、サンプル衣類Cおよび参照オブジェクトOは、同じ画像I中に存在する。
【0032】
この態様によれば、参照オブジェクトOは、通常は、参照オブジェクトOとサンプル衣類Cの両方を含む写真を撮影するように、サンプル衣類Cに近接して(好ましくは、接して)配置される。
【0033】
画像撮影中、参照オブジェクトOは、好ましくは、必須ではないが、サンプル衣類Cと同じ焦点面に置かれる。
【0034】
サンプル衣類Cは、好ましくは、支持面に置かれ、参照オブジェクトOは、同じ支持面に置かれる。さらになお好ましくは、参照オブジェクトOは、サンプル衣類Cの上に置かれる(
図1に示すように)。
【0035】
さらに、なお、サンプル衣類Cは、寸法がエンドユーザに最適の(つまり、その基本的な寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)が、製造される仕立て服Mのための参照を規定する)衣類である。
【0036】
従って、製造される仕立て服Mの寸法は、サンプル衣類Cの寸法と実質的に同じであろう。
【0037】
撮影された画像I上で、参照オブジェクトOの寸法およびサンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を測定する操作は、画像中に存在するこの2つのオブジェクト、すなわち、参照オブジェクトOおよびサンプル衣類Cの特定の測定を画像Iから行うことを含む。
【0038】
なお、参照オブジェクトOの寸法は、好ましくは、以下にもっと詳細に記載されるように、サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を測定する前に測定される。
【0039】
従って、これらの操作は、画像Iから参照オブジェクトOおよびサンプル衣類Cを抽出することによって、参照オブジェクトOおよびサンプル衣類Cの特定の測定を行うことを伴う(これらの測定値は、好ましくは、ピクセルで表現される)。
【0040】
さらに具体的には、これらの測定操作中、少なくとも、サンプル衣類Cの基本的な寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の測定は、画像Iから行われる。
【0041】
従って、この測定工程(2つのオブジェクト、すなわち、サンプル衣類Cおよび参照オブジェクトO上で、同時に、またはそれぞれ連続した段階で行われてもよい)によって、参照オブジェクトOおよびサンプル衣類Cの測定値を引き出すことができる。
【0042】
この方法は、さらに、サンプル衣類Cの実際の寸法(すなわち、サンプル衣類Cの現実の測定値)が計算される計算工程を含む。
【0043】
なお、「実際の寸法」という表現は、オブジェクトの現実の測定値(長さ測定の任意の適切な単位、例えば、メートルまたはインチで表現される)を意味するように使用される。
【0044】
サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の実際の寸法値を計算する工程は、少なくとも以下の3つの異なる項目の情報を(これらの項目の情報を、計算工程の前の工程、例えば、後で計算が行われる中間画像を準備する工程で使用することもできるため、直接的または間接的に)用いることを伴う。
【0045】
画像Iで測定されたサンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の寸法値、
画像Iで測定された参照オブジェクトOの寸法値、
実際の寸法(M7,M8)、すなわち、参照オブジェクトOの現実の測定値についての情報。
【0046】
なお、画像Iで測定される参照オブジェクトOの寸法値と、参照オブジェクトの実際の寸法(すなわち、現実の測定値)についての情報とを比較することによって、「実際の値」、すなわち、(参照オブジェクトOが置かれる焦点面における)画像の各ピクセルの幅および長さの現実の値を計算することができる。
【0047】
言い換えると、画像Iで測定された参照オブジェクトOの寸法値に関する情報と、参照オブジェクトOの実際の寸法(すなわち、現実の測定値)に関する情報を比較し、この画像から撮影された(撮られた)測定値(ピクセル単位)を、実際の寸法、すなわち、現実の測定値(メートル、インチまたは他の測定単位)を用いて補正することができる1つ以上のパラメータを計算する。
【0048】
このパラメータ/これらのパラメータは、好ましくは、画像Iの2つの直交方向(長さあおよび幅)に沿って計算することができる。
【0049】
このパラメータ/これらのパラメータを使用し、画像Iで測定されたサンプル衣類Cの寸法(ピクセルで表現される)に基づき、サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の実際の寸法(すなわち、現実の測定値)を計算する。
【0050】
なお、好ましくは、システム1は、仕立て服Mを製造するために必要なサンプル衣類Cの寸法、特に、これらの寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)のいくつかのみ(基本的な寸法と呼ばれる)を計算するように構成される。
【0051】
製造される仕立て服Mの美的特徴(襟、布地、付属品など)を選択する工程は、異なる代替的な様式で行うことができる。
【0052】
これらの美的特徴は、非限定的な例として、襟、布地の種類、付属品および製造される衣類の他の特徴を含む。
【0053】
第1の可能な代替例において、ユーザは、データベースから(すなわち、カタログから)美的特徴を選択する。
【0054】
このデータベースは、インターフェース3から入手可能であり、衣類Mをカスタマイズするための情報を含む。
【0055】
従って、この態様によれば、本発明のシステム1は、カスタマイズ情報を含むデータベースと、ユーザに、このデータベースからカスタマイズ情報を選択させるように構成された命令とを含む。
【0056】
このデータベースは、好ましくは、リモートプロセッサ2中に存在する。
【0057】
第2の可能な代替例(
図3に示される)において、ユーザは、以下に記載される様式で美的特徴を選択する。
【0058】
ユーザは、望ましい美的特徴を有するさらなる衣類Eのさらなる画像I2を(例えば、写真を撮ることによって)撮影する。
【0059】
望ましい美的特徴を有するさらなる衣類Eは、サンプル衣類Cと同じ種類である(例えば、両方ともシャツである)。しかし、衣類Eは、同じ大きさである必要はなく、すなわち、製造される衣類Mより小さくてもよく、または大きくてもよい。
【0060】
このことは、ユーザが、最終的な衣類Mが最終的にどのように見えるかを実際に自由に選択することによって、高いレベルのカスタマイズ化が得られることを意味する。
【0061】
この態様によれば、美的外観がさらなる衣類Eと実質的に同じ衣類Mを製造するために、さらなる画像I2、または、さらなる画像I2からの情報を仕立て装置4に送る(
図3に示されるように)。
【0062】
図1を参照しつつ、本発明のシステム1の好ましい実施形態を以下に記載する。
【0063】
好ましくは、上に記載される操作命令は、プロセッサ2中に存在する。
【0064】
さらになお好ましくは、上に記載される操作命令は、リモートプロセッサ2(ユーザUと離れているという観点でリモートである)中に存在する。
【0065】
好ましくは、命令の少なくとも一部が、ユーザがインターフェース3にアクセスし、
製造される仕立て服Mと同じ種類のサンプル衣類Cと、標準化され、既知の実際の寸法を有する参照オブジェクトOとを表す画像Iの入力;
製造される仕立て服Mの美的特徴の選択(望ましい美的特徴を有する参照衣類を含むさらなる衣類I2を用いない場合)
が可能になるように構成される。
【0066】
なお、ユーザは、PC、スマートフォン、タブレットまたは他の同様の電子機器を介してリモートサーバ2に接続し、リモートプロセッサ2のインターフェース3に撮影された画像Iを入力する。
【0067】
ユーザは、好ましくは、PC、スマートフォン、タブレットまたは他の同様の電子機器を介してリモートサーバ2に接続し、美的特徴も選択する。
【0068】
さらに、命令の同じ部分が、好ましくは、(好ましくは、ユーザネームおよびパスワードを入力するためのフィールドを表示することによって)、ユーザがインターフェース3を介してログインすることができるように構成される。
【0069】
本発明の利点の1つは、ユーザの身体から直接的に測定を行うために、ユーザがスペシャリストまたは店舗に個人的に出向く必要なく、ユーザに仕立て服Mを製造させるシステム1を提供することである。(ユーザが、有利には、第三者にサプライズギフトとして仕立て服を製造することができることを意味する)。
【0070】
要するに、上に記載した手順によって、特に簡単で正確な様式で、サンプル衣類Cの画像Iから直接的に測定が行われる。
【0071】
さらに、標準化された参照オブジェクトO、例えば、クレジットカードまたは銀行のデビットカードを使用すると、高い正確度を維持しつつ、サンプル衣類Cの基本的な寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を得るのが特に簡単になる。
【0072】
仕立て服Mを製造するためのシステム1は、シャツを製造するために(すなわち、シャツの大きさを調整するために)特に適している。
【0073】
システム1は、大きさを調整して履物を製造するために使用することもできる。この場合、サンプル衣類Cの代わりに、サンプル靴または他の履物物品を使用するだろう。
【0074】
さらに、ユーザに仕立て服Mを製造させることができ、
製造される仕立て服Mと同じ種類のサンプル衣類Cおよび標準化され、既知の実際の寸法(M7,M8)を有する参照オブジェクトOの少なくとも1つの画像Iを準備する工程と;
少なくとも1つの画像I上で、参照オブジェクトOの寸法およびサンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を測定する工程と;
サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の実際の寸法値を、
画像Iで測定されたサンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の寸法値、
画像Iで測定された参照オブジェクトOの寸法値、
参照オブジェクトOの実際の寸法(M7,M8)
の関数として計算する工程と;
製造される仕立て服Mの美的特徴を選択する工程と;
サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の計算された実際の寸法値と、選択された美的特徴とを、仕立て装置4に転送する工程と;
仕立て装置4において、仕立て服Mを切断し、縫製する一連の操作を行って仕立て服Mを製造する工程とを含み、その基本的な寸法が、サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)について前回計算された実際の寸法値に実質的に等しく、選択された美的外観も有する方法が本発明で定義される。
【0075】
なお、衣類が完成した後、ユーザに衣類を送る工程が続く。
【0076】
従って、好ましくは、製造された衣類は、パッケージ6に入れられ、ユーザによって明記された住所に送られる。
【0077】
または、衣類は、ユーザによって選択された店舗から集められてもよい。
【0078】
なお、切断し、縫製する操作は、完全に自動化された様式で行われてもよく、または、1つ以上の切断工程および/または縫製工程が手動で行われてもよい。
【0079】
画像上で、サンプル衣類Cの測定を特に信頼性高く行う、本発明のシステム1および方法のさらなる具体的な態様を以下に記載する。
【0080】
好ましくは、少なくとも1つの画像I上で、サンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を測定する工程の前に、画像Iを予備的に処理する工程が存在する。
【0081】
画像Iを予備的に処理する工程は、所定のグラフィカルフォーマット(好ましくは、JPGフォーマット)に画像を変換する工程を含んでいてもよい。
【0082】
さらに、さらになお好ましくは、画像Iが、EXIFデータが関連するフォーマット(RAW、NEF)で与えられる場合、この方法は、画像を、後の段階で、EXIFデータの関数として修正することができるように、EXIFデータを抽出する工程を含んでいてもよい。
【0083】
次いで、この方法は、参照オブジェクトO(および画像I中に存在するサンプル衣類C)の縁部を特定する工程を含む。
【0084】
縁部を特定する工程は、(ユーザによって与えられた)画像Iをグレースケールに変化する予備的な工程を含む。
【0085】
縁部を特定する工程は、コントラストフィルタ(好ましくは、「バイナリスレッショルド」フィルタ)を、ユーザによって提供された画像I(または、ユーザによって提供された画像から誘導された画像、例えば、グレースケールに変換された画像)に適用する工程も含む。
【0086】
さらに、好ましくは、縁部を特定する工程は、ボケ補正フィルタ(好ましくは、「メディアンボケ補正」フィルタおよび/または「Gaussianボケ補正」フィルタ)を、ユーザによって提供された画像I(または、ユーザによって提供された画像から誘導された画像、例えば、グレースケールに変換された画像)に適用する工程も含む。
【0087】
有利には、ボケ補正フィルタを適用する工程によって、参照オブジェクトOを特定するその後の工程で得られる結果が良くなる。要するに、ボケ補正フィルタによって、「ノイズ」が減少した画像を得ることができ、その結果、オブジェクトOおよびサンプル衣類Cの縁部をもっと簡単に特定することができる。
【0088】
なお、コントラストフィルタおよびボケ補正フィルタを適用し、好ましくは、コントラストフィルタの最大コントラスト(255から0まで)およびボケ補正フィルタの振幅(最大から最小までのボケ補正値)のサイクルのそれぞれの繰り返しで変動させつつ、周期的に適用する。
【0089】
実際には、この方法は、コントラストフィルタおよびボケ補正フィルタを複数回繰り返して適用することを含み、コントラストフィルタおよびボケ補正フィルタは、同じ最初の画像に適用され、それぞれの繰り返しで、コントラストフィルタおよび/またはボケ補正フィルタの1つ以上の制御パラメータを異なる値に設定する。
【0090】
コントラストフィルタおよび/またはボケ補正フィルタの異なる制御パラメータを用いて複数の繰り返しを行うと、複数の処理画像を得ることができ、この画像から、その後の縁部を検出する工程のための最適な画像を選択することができる。
【0091】
従って、この方法は、複数の処理画像を得るためにコントラストフィルタおよびボケ補正フィルタを周期的に適用する工程を備え、それぞれの処理画像は、コントラストフィルタの所定の第1の操作パラメータおよびボケ補正フィルタの所定の第2の操作パラメータを用いて得られる。この方法は、さらに、これらの処理画像から画像を選択する工程と、選択された画像上で、またはその同じ選択された画像の処理について、サンプル衣類Cの基本的な寸法の測定値(M1,M2,M3,M4,M5,M6)のセットの実際の寸法値を計算することを行う工程とを含む。
【0092】
従って、この方法は、複数の処理画像から画像を選択する工程を含む。
【0093】
なお、この方法によれば、縁部を検出する工程は、(参照オブジェクトOおよびサンプル衣類C)の縁部を検出するためのフィルタ、すなわち、縁部検出フィルタを適用する工程を含む。
【0094】
実際には、縁部検出フィルタは、(コントラストフィルタおよび/またはボケ補正フィルタが適用された)処理画像、または、元々の画像において、ポリゴンおよび/または閉じられた曲線に概算されてもよい画像中に存在するオブジェクトの縁部を検出することができる。
【0095】
好ましくは、本発明を限定しないが、縁部検出フィルタは、Cannyフィルタである。
【0096】
上述のサイクルによって縁部を正確に検出することができない場合、この方法は、縁部から中央部に向かって画像の一部を切り落とす工程を含む。
【0097】
上述のコントラストフィルタおよびボケ補正フィルタを適用する工程および縁部を検出する工程は、この切り落とされた画像について行われる。
【0098】
なお、この方法は、さらに、処理画像(すなわち、縁部検出フィルタが適用された画像)中の参照オブジェクトOを特定する工程を含む。
【0099】
この目的のために、この方法は、画像中で検出されるオブジェクトから参照オブジェクトを特定するために、画像中で検出されたオブジェクトの幾何形状と、メモリに保存されている参照オブジェクトOの幾何形状とを比較することを伴う。
【0100】
(例えば、画像中に存在しないため、またはバックグランドに対するコントラストが十分に高くなく、特定が妨げられるために)参照オブジェクトを特定することができない場合、本方法のこの実施形態は、すでに使用されたものから、異なる操作パラメータを用いてコントラストフィルタおよびボケ補正フィルタのサイクルを再び繰り返し、このフィルタを用い、処理画像中の参照オブジェクトOを特定する工程を繰り返すことを伴う。
【0101】
次に、参照オブジェクトが正しく特定される場合、この方法は、処理画像中に存在するサンプル衣類Cを特定する工程を含む。
【0102】
この目的のために、この方法は、この画像中で特定されたオブジェクトと、メモリに保存されたサンプル衣類Cの幾何形状とを比較する工程を含んでいてもよい。
【0103】
このように、サンプル衣類Cの幾何形状が得られ、これを使用し、仕立て服を得るための(関連する物の)基本的な測定値を誘導することができる。
【0104】
実際には、この方法は、画像中のサンプル衣類Cのプロフィール(縁部)を特定する工程を含む。
【0105】
なお、基本的な測定値を実際に計算する前に、この方法は、画像のパースペクティブ補正を行う工程を含んでいてもよい。
【0106】
なお、このパースペクティブ補正を行う工程において、画像に適用されるパースペクティブ補正を得るために、画像から得られる参照オブジェクトOの幾何形状(縁部)を、メモリに保存された参照幾何形状(縁部)と比較する。
【0107】
この比較は、さらに具体的には、画像から得られる参照オブジェクトの1つ以上の寸法と、メモリに(例えば、データベースに)保存された参照オブジェクトの1つ以上の対応する理論的な寸法とを比較することを伴う。
【0108】
この比較は、好ましくは、画像から得られる参照オブジェクトの寸法値の1つ以上の関数(比率)と、メモリに保存された寸法の参照値(例えば、高さおよび幅)とを比較することを含んでいてもよい。
【0109】
例えば、ある具体的な実施形態は、画像から得られる参照オブジェクトOの高さと幅の比率と、メモリに保存された高さと幅の比率とを比較する工程を含む。
【0110】
これらの比率(画像から得られた比率と、メモリに保存された比率)が異なる場合、参照オブジェクトが、画像撮影デバイスの光学軸に対して正しい角度の面上に置かれていないことを示すだろう。
【0111】
パースペクティブ補正を行う工程において、この方法は、上述の比較結果の関数として得られる、(画像から得られる参照オブジェクトの1つ以上の寸法と、メモリに保存された参照オブジェクトの1つ以上の対応する寸法の差が最小になるように)補正された画像を作成する工程を含む。
【0112】
実際には、撮影エラー(サンプル衣類Cおよび参照オブジェクトOが、画像撮影デバイスの光学軸に対して正しい角度の表面に置かれていない)または画像撮影デバイスの光学特性に起因する歪みを補正するような様式で、処理画像または撮影された画像を(1つ以上の平面で、すなわち、1つ以上の軸に沿って)回転させる。
【0113】
好ましくは、画像を画像自体の中心に沿って回転させる。
【0114】
なお、この工程において、元々の画像を補正された画像に変換するために、元々の画像と補正された画像との比較から、各ピクセルに適用すべき補正データを含むパースペクティブ補正マトリックスが誘導される。
【0115】
なお、補正された画像上で、測定されるオブジェクトの縁部上の点の間の距離を測定することができ、すなわち、衣類Cの測定を行うことができる。
【0116】
なお、補正された画像上で、任意のセグメントを測定することができる。
【0117】
なお、画像撮影中、参照オブジェクトOは、好ましくは、画像Iの中央部にある。
【0118】
さらに、なお、本発明の方法によれば、参照オブジェクトOおよびサンプル衣類Cは、好ましくは、同じ撮影面に配置される。
【0119】
衣類Cの撮影された測定値を参照しつつ、衣類がシャツである場合、これらの測定値は、好ましくは、以下のものである。
【0120】
襟の左側および右側にある閉じられた線上の凹角の点。その中点が、襟の基材中心であり、ここから線がシャツの裾部分の縁に垂直に引かれ、シャツの長さを得ることができるセグメントを与えるように繋ぐことができる。
【0121】
左側の袖口の中点。上に述べた襟の基材の中点に繋げば、袖の長さに対応するセグメントを与える。
【0122】
胸囲測定のセグメントを描くために繋ぐことができる、右および左の脇の下の閉じられた線上の凹角の点。
【0123】
シャツの裾部分測定のセグメントを描くために繋ぐことができる、右側と左側のベースラインとなる点。
【0124】
シャツ本体の縁部と、ウエスト測定におおよそ対応するセグメントを描くために繋ぐことができる、裾部分から約1/3上がった長さセグメントに垂直な部分との交差点の右側および左側の点。
【0125】
好ましくは、サンプル衣類Cおよび参照オブジェクトOの少なくとも1つの画像Iを準備する工程は、サンプル衣類Cおよび参照オブジェクトOの1つの画像Iを準備することを含む。
【0126】
さらに、別の態様によれば、サンプル衣類Cおよび参照オブジェクトOの少なくとも1つの画像をプロセッサ2に転送する工程も存在する。
【0127】
さらに、この態様によれば、少なくとも1つの画像I上で、参照オブジェクトOの寸法およびサンプル衣類Cの基本的な寸法の一セット(M1,M2,M3,M4,M5,M6)を測定する工程、およびサンプル衣類Cの基本的な寸法(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の実際の寸法値を計算する工程は、プロセッサ2で行われる。
【0128】
さらに別の態様によれば、製造される仕立て服Mの美的特徴を選択する工程は、データベースから仕立て服Mの美的特徴を選択することを含む。
【0129】
なおさらなる態様によれば、製造される仕立て服Mの美的特徴を選択する工程は、
参照となる美的特徴を有するさらなる衣類Eのさらなる画像I2を準備するさらなる工程と;
美的外観が、参照となる美的特徴を有するさらなる衣類Eと実質的に同じ衣類を製造するために、さらなる画像I2、またはこのさらなる画像I2から誘導される情報を仕立て装置4に転送するさらなる工程とを含む。
【0130】
本発明の方法およびシステム1によって、仕立て服を製造するプロセスをかなり単純化することができ、サイズを調整され、カスタマイズされた衣類を得ることができることは、きわめて明らかである。
【0131】
上述の方法を実施するように構成された複数の命令を含む情報科学技術製品も定義される。