特許第6294338号(P6294338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6294338受動性二重駆動部材で始動される安全血液採取デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294338
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】受動性二重駆動部材で始動される安全血液採取デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/158 20060101AFI20180305BHJP
   A61B 5/15 20060101ALI20180305BHJP
   A61M 25/06 20060101ALN20180305BHJP
【FI】
   A61M5/158 500Z
   A61M5/158 500P
   A61B5/14 300Z
   !A61M25/06 512
   !A61M25/06 514
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-543015(P2015-543015)
(86)(22)【出願日】2012年11月16日
(65)【公表番号】特表2015-534894(P2015-534894A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】US2012065472
(87)【国際公開番号】WO2014077831
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2015年7月15日
(31)【優先権主張番号】13/677,662
(32)【優先日】2012年11月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー エム.ウィルキンソン
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0137528(US,A1)
【文献】 特開2004−249100(JP,A)
【文献】 特開2001−314505(JP,A)
【文献】 特開2004−033733(JP,A)
【文献】 特開2004−275741(JP,A)
【文献】 特開2003−339857(JP,A)
【文献】 特開2004−033736(JP,A)
【文献】 特開2004−195239(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0119627(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0198214(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158
A61B 5/15
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽可能な針デバイスであって、
近位端部および遠位端部を有する針カニューレと、
前記針カニューレの少なくとも一部分を支持するハブと、
前記ハブの対向する側部から延びる翼の対を少なくとも有する翼組立体であって、前記翼の対が、横方向に延びる位置と背中合わせ位置との間で移動可能な、前記翼組立体と、
先端部ガードであって、前記ハブに隣接する第1の位置から、前記先端部ガードが前記針カニューレの前記遠位端部を遮蔽する第2の位置まで前記針カニューレに対して軸方向に移動可能な、前記先端部ガードと、
付勢された位置と延ばされた位置との間で延びることができる、前記先端部ガードを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させるための第1の駆動部材であって、前記ハブと係合された近位端部と、前記先端部ガードと係合された遠位端部とを有する、前記第1の駆動部材と、
前記付勢された位置と前記延ばされた位置の間で延びることができる、前記先端部ガードを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させるための第2の駆動部材であって、前記ハブと係合された近位端部と、前記先端部ガードと係合された遠位端部とを有する、前記第2の駆動部材と
を具え、
前記第1の駆動部材は、前記第2の駆動部材とは別々のものであり、前記翼の対が背中合わせ位置にある状態では、前記翼の対は、当該翼と前記ハブの対向するそれぞれの前記側部との間で前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材を前記付勢された位置に保持し、それによって前記先端部ガードを前記第1の位置に維持し、前記翼の対の前記背中合わせの位置から前記横方向に延びる位置までの移動は、前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材を解放し、それによって前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材が、前記延ばされた位置に移行し、前記先端部ガードを前記第1の位置から前記第2の位置まで前進させることを可能にし、
前記翼の対は、前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材とは別個のものであることを特徴とする遮蔽可能な針デバイス。
【請求項2】
前記第1の駆動部材の前記近位端部は、前記ハブの、前記第2の駆動部材の前記近位端部とは反対の側部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項3】
前記第1の駆動部材の前記遠位端部は、前記先端部ガードの、前記第2の駆動部材の前記遠位端部とは反対の側部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項4】
前記針カニューレを保護するように取り囲み、前記翼の対を前記背中合わせ位置に維持するカバーをさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項5】
前記カバーは、前記翼の対を受け入れ前記背中合わせ位置に維持するための長穴領域を画定することを特徴とする請求項4に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項6】
前記翼の対は、前記ハブを備えて形成されることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項7】
前記翼の対は、弾性の可撓性材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項8】
前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材は、弾性の可撓性材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項9】
前記先端部ガードは、プラスチック材料から形成された先端部ガードハウジングと、前記先端部ガードハウジングに装着された金属ばねクリップとを備え、前記ばねクリップは、前記先端部ガードが前記第1の位置にある状態では、前記針カニューレに対して付勢され、前記ばねクリップは、前記先端部ガードが前記第2の位置にある状態では、前記針カニューレの前記遠位端部を覆って配設されることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項10】
前記第1の駆動部材は、前記付勢された位置では少なくとも部分的に折り畳まれることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項11】
前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材の両方は、前記付勢された位置では少なくとも部分的に折り畳まれることを特徴とする請求項2に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項12】
遮蔽可能な針デバイスであって、
近位端部および遠位端部を有する針カニューレと、
前記針カニューレの少なくとも一部分を支持するハブと、
前記ハブの対向する側から延びる翼の対を少なくとも有する翼組立体であって、前記翼の対が、横方向に延びる位置と背中合わせ位置の間で移動可能であり、前記翼の対が前記背中合わせ位置にある状態では、空隙が前記ハブの対向するそれぞれの前記側部と前記翼の対の間に形成される、翼組立体と、
先端部ガードであって、前記ハブに隣接する第1の位置から、前記先端部ガードが前記針カニューレの前記遠位端部を遮蔽する第2の位置まで前記針カニューレに対して軸方向に移動可能な先端部ガードと、
付勢された位置と延ばされた位置の間で延びることができる、前記先端部ガードを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させるための第1の駆動部材であって、前記ハブと係合された近位端部と、前記先端部ガードと係合された遠位端部とを有する、前記第1の駆動部材と、
前記付勢された位置と前記延ばされた位置の間で延びることができる、前記先端部ガードを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させるための第2の駆動部材であって、前記ハブと係合された近位端部と、前記先端部ガードと係合された遠位端部とを有する、前記第2の駆動部材と
を具え、
前記第1の駆動部材は、前記第2の駆動部材とは別々のものであり、前記翼の対が前記背中合わせ位置にあり、前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材が前記付勢された位置にある状態では、前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材の両方の一部分は、前記空隙内に保持され、
翼の対は、前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材とは別個のものであることを特徴とする遮蔽可能な針デバイス。
【請求項13】
前記翼の対は、前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材を折り畳まれた位置に保持し、それによって前記先端部ガードを前記第1の位置に維持し、前記翼の対の前記背中合わせ位置から前記横方向に延びる位置までの移動は、前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材の保持を解放し、それによって前記第1の駆動部材および前記第2の駆動部材が前記延ばされた位置まで広がり、前記先端部ガードを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させることを可能にすることを特徴とする請求項12に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項14】
前記第1の駆動部材の前記近位端部は、前記ハブの、前記第2の駆動部材の前記近位端部とは反対の側部に連結されることを特徴とする請求項12に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項15】
前記第1の駆動部材の前記遠位端部は、前記先端部ガードの、前記第2の駆動部材の前記遠位端部とは反対の側部に連結されることを特徴とする請求項12に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項16】
前記第1の駆動部材は、弾性の可撓性材料から形成されることを特徴とする請求項12に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【請求項17】
前記先端部ガードは、プラスチック材料から形成された先端部ガードハウジングと、前記先端部ガードハウジングに装着された金属ばねクリップとを備え、前記ばねクリップは、前記先端部ガードが前記第1の位置にある状態では、前記針カニューレに対して付勢され、前記ばねクリップは、前記先端部ガードが前記第2の位置にある状態では、前記針カニューレの前記遠位端部を覆って配設されることを特徴とする請求項12に記載の遮蔽可能な針デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、安全かつ便利な針の取り扱いのための血液採取デバイスに関する。より詳細には、本開示は、針組立体の先のとがった端部を保護するように遮蔽するための受動式に始動される安全遮蔽デバイスを含む安価で廃棄可能な血液採取デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
血液採取針または流体取り扱い針などの穿孔要素を有する廃棄可能な医療デバイスが、通常、薬剤を投与するまたは流体を引き出すために使用される。現在の医療業務は、そのようなシステム内で使用される流体容器および針組立体が、安価かつ容易に廃棄可能であることを必要とする。その結果、たとえば既存の血液採取システムは、脱着可能および廃棄可能な針ならびに流体収集チューブがその上に装着され得る何らかの形態の耐性のある再使用可能なホルダを採用する。この性質の血液採取システムは、使用前に組み立てられ、次いで使用後に分解され得る。それにしたがって、これらの血液採取システムは、比較的安価な針および/または流体収集チューブの取り換えときに比較的高価なホルダの繰り返される使用を可能にする。血液検体を収集するコストを低減することに加えて、これらの血液採取システムはまた、危険な医療廃棄物の生成を最小限にすることを助ける。
【0003】
血液採取セットまたは静脈内(IV)注入セットは通常、近位端部と、先のとがった遠位端部と、これらの間を延びる管腔とを有する針カニューレを含む。針カニューレの近位端部は、針カニューレを貫通する管腔と連通する中央通路を備えたプラスチックハブ内に締め付けて装着される。薄い可撓性の熱可塑性プラスチックチューブが、ハブに連結され、針カニューレの管腔と連通する。針カニューレから遠隔のプラスチックチューブの端部は、針カニューレを血液採取チューブまたは何らかの他のレセプタクルに連結するための固定具を含むことができる。固定具の特有の構造は、固定具が連結されるレセプタクルの特性に応じて決まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
偶発的な針の突き刺しの負傷を被る危険を低減するために、使用された針先端部の保護が重要になる。病気の感染および伝染を懸念して、使用された廃棄可能な針を封入するための方法およびデバイスが、非常に重要になってきており、大きな需要がある。たとえば、針組立体は、一般的に、安全遮蔽体を採用し、この安全遮蔽体は、偶発的な針の突き刺しのリスクを与えることなく使用された針カニューレと遮蔽係合するように移動され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、1つの実施形態では第1の駆動部材および第2の駆動部材を含む遮蔽可能な針デバイスを提供する。第1の駆動部材および第2の駆動部材は各々、先端部ガードを、針カニューレの近位端部を支持するハブに隣接する近位位置から、先端部ガードが針カニューレの遠位端部を保護するように取り囲む遠位位置まで移動させるために、折り畳まれ付勢された位置と延ばされた位置の間で延びることができる。遮蔽可能な針デバイスは、翼の対を有する翼組立体を有し、この翼の対は、ハブの対向する側から横方向に延び、横方向に延びる位置と背中合わせ位置との間で移動可能である。翼の対が背中合わせ位置にある状態では、翼は、第1の駆動部材および第2の駆動部材を折り畳まれ付勢された位置に保持し、それによって先端部ガードを近位位置に維持する。翼の背中合わせ位置から横方向に延びる位置への移動は、第1の駆動部材および第2の駆動部材の保持を解放し、それによって第1の駆動部材および第2の駆動部材が延ばされた位置まで広がり、先端部ガードを近位位置から遠位位置まで移動させることを可能にする。
【0006】
本開示の遮蔽可能な針デバイスの特定の実施形態では、第1の駆動部材は、第2の駆動部材とは別々かつ別個のものである。有利には、2つの別々の駆動部材を有することにより、本開示の遮蔽可能な針デバイスは、先端部ガードが針カニューレの遠位端部を保護するように取り囲み遮蔽する遠位位置への、先端部ガードのより良好かつより着実な閉め出しを提供する。これは、2つの別々の駆動部材を有することにより、2つの駆動部材が折り畳まれ付勢された位置から延ばされた位置まで延びるより大きい力が、達成され得るために達成される。このようにして、本開示の遮蔽可能な針デバイスは、先端部ガードが針カニューレの遠位端部を保護するように取り囲み遮蔽する遠位位置への、先端部ガードのより着実な閉め出しを提供する。さらに、2つの別々の駆動部材を有することにより、2つの駆動部材の延ばされた位置への上記で説明された延びる力に対して、より多くの制御が及ぼされ得る。
【0007】
本開示の遮蔽可能な針デバイスの2つの駆動部材の別の利点は、2つの駆動部材が、針カニューレのより大きな遮蔽を提供することである。たとえば、図6および7を参照すると、2つの別々の駆動部材を有することにより、針カニューレのより大きい領域が、保護するように取り囲まれ安全に遮蔽される。図6および7に示されるように、2つの駆動部材は、先端ガード組立体と一緒になって、針カニューレをほぼ完全にかつ取り囲み遮蔽する。さらに、2つの別々の駆動部材は、針カニューレに対する追加の側部遮蔽ガードを提供する。このようにして、針カニューレのいずれの部分も露出されず、それによって偶発的な針の突き刺しの負傷のリスクを大きく低減させる。
【0008】
本開示の実施形態によれば、遮蔽可能な針デバイスは、近位端部および遠位端部を有する針カニューレと、針カニューレの少なくとも一部分を支持するハブとを含む。デバイスは、さらに、ハブの対向する側から延びる翼の対を少なくとも有する翼組立体を含み、翼の対は、横方向に延びる位置と背中合わせ位置との間で移動可能である。デバイスはまた、ハブに隣接する第1の位置から先端部ガードが針カニューレの遠位端部を遮蔽する第2の位置まで針カニューレに対して軸方向に移動可能な先端部ガードも含む。付勢された位置と延ばされた位置の間で延びることができる駆動部材もまた、先端部ガードを第1の位置から第2の位置に移動させるために提供される。駆動部材は、ハブと係合された近位端部と、先端部ガードと係合された遠位端部とを有する。翼の対が背中合わせ位置にある状態では、翼の対は、駆動部材を付勢された位置に保持し、それによって先端部ガードを近位位置に維持し、翼の対の背中合わせ位置から横方向に延びる位置への移動は、駆動部材を解放し、それによって駆動部材が延ばされた位置まで移行し、先端部ガードを近位位置から遠位位置まで前進させることを可能にする。
【0009】
特定の構成では、デバイスは、付勢された位置と延ばされた位置の間で延びることができる、先端部ガードを第1の位置から第2の位置まで移動させるための第2の駆動部材を含み、第2の駆動部材は、ハブと係合された近位端部と、先端部ガードと係合された遠位端部とを有する。特定の構成では、翼の対が背中合わせ位置にある状態では、翼の対は、駆動部材および第2の駆動部材を付勢された位置に保持し、それによって先端部ガードを近位位置に維持する。翼の対の背中合わせ位置から横方向に延びる位置への移動は、駆動部材および第2の駆動部材を解放し、それによって駆動部材および第2の駆動部材が延ばされた位置まで移行し、先端部ガードを近位位置から遠位位置まで前進させることを可能にする。駆動部材の近位端部は、ハブの、第2の駆動部材の近位端部の向かい側の側部に連結され得る。駆動部材の遠位端部は、先端部ガードの、第2の駆動部材の遠位端部の向かい側の側部に連結され得る。
【0010】
他の構成では、デバイスは、さらに、針カニューレを保護するように取り囲み、翼の対を背中合わせ位置に維持するカバーを含むことができる。カバーは、翼の対を背中合わせ位置に受け入れ維持するための長穴領域を画定することができる。特定の構成では、翼の対は、ハブを備えて形成される。翼の対は、弾性の可撓性材料から形成され得る。任意選択で、駆動部材は、弾性の可撓性材料から形成される。
【0011】
先端部ガードは、プラスチック材料から形成された先端部ガードハウジングと、先端部ガードハウジングに装着された金属ばねクリップとを含むことができる。ばねクリップは、先端部ガードが近位位置にある状態では針カニューレに対して付勢されてよく、ばねクリップは、先端部ガードが遠位位置にある状態では針カニューレの遠位端部を覆って配設され得る。駆動部材は、付勢された位置では少なくとも部分的に折り畳まれ得る。特定の状況では、駆動部材および第2の駆動部材は、付勢された位置では少なくとも部分的に折り畳まれる。
【0012】
本発明の別の実施形態によると、遮蔽可能な針デバイスは、近位端部および遠位端部を有する針カニューレと、針カニューレの少なくとも一部分を支持するハブとを含む。デバイスは、ハブの対向する側から延びる翼の対を少なくとも有する翼組立体を含み、翼の対は、横方向に延びる位置と背中合わせ位置との間で移動可能であり、翼の対が背中合わせ位置にある状態では、空隙がハブと翼の対の間に形成される。デバイスはまた、ハブに隣接する第1の位置から、先端部ガードが針カニューレの遠位端部を遮蔽する第2の位置まで、針カニューレに対して軸方向に移動可能な先端部ガードも含む。デバイスは、付勢された位置と延ばされた位置の間で延びることができる、先端部ガードを第1の位置から第2の位置まで移動させるための駆動部材をさらに含む。駆動部材は、ハブと係合された近位端部と、先端部ガードと係合された遠位端部とを有する。翼の対が背中合わせ位置にあり、駆動部材が付勢された位置にある状態では、駆動部材の一部分は、ハブと翼の対の間の空隙内に保持される。
【0013】
特定の構成では、デバイスは、さらに、付勢された位置と延ばされた位置の間で延びることができる、先端部ガードを第1の位置から第2の位置まで移動させるための第2の駆動部材を含み、第2の駆動部材は、ハブと係合された近位端部と、先端部ガードと係合された遠位端部とを有する。翼の対が背中合わせ位置にあり、駆動部材および第2の駆動部材が付勢された位置にある状態では、駆動部材および第2の駆動部材の少なくとも1つの一部分は、ハブと翼の対の間の空隙内に保持され得る。翼の対が背中合わせ位置にあり、駆動部材および第2の駆動部材が付勢された位置にある状態では、駆動部材および第2の駆動部材の両方の一部分が、ハブと翼の対の間の空隙内に保持され得る。翼の対は、駆動部材および第2の駆動部材を折り畳まれた位置に保持することができ、それによって先端部ガードを近位位置に維持し、翼の対の背中合わせ位置から横方向に延びる位置への移動は、駆動部材および第2の駆動部材の保持を解放することができ、それによって駆動部材および第2の駆動部材が延ばされた位置まで広がり、先端部ガードを近位位置から遠位位置まで移動させることを可能にする。
【0014】
特定の構成では、駆動部材は、第2の駆動部材とは別々のものである。駆動部材の近位端部は、ハブの、第2の駆動部材の近位端部の向かい側の側部に連結され得る。駆動部材の遠位端部は、先端部ガードの、第2の駆動部材の遠位端部の向かい側の側部に連結され得る。駆動部材は、弾性の可撓性材料から形成され得る。
【0015】
任意選択で、先端部ガードは、プラスチック材料から形成された先端部ガードハウジングと、先端部ガードハウジングに装着された金属ばねクリップとを含む。ばねクリップは、先端部ガードが近位位置にある状態では針カニューレに対して付勢されてよく、ばねクリップは、先端部ガードが遠位位置にある状態では針カニューレの遠位端部を覆って配設されてよい。
【0016】
本発明の別の実施形態によると、遮蔽可能な針デバイスは、近位端部および遠位端部を有する針カニューレと、針カニューレの近位端部を支持する保持具部材とを含み、保持具部材は、開位置と保持位置の間で移動可能である。デバイスはまた、保持具部材に隣接する第1の位置から、先端部ガードが針カニューレの遠位端部を遮蔽する第2の位置まで軸方向に移動可能な先端部ガードも含む。デバイスは、付勢された位置と延ばされた位置の間で延びることができる、先端部ガードを第1の位置から第2の位置まで移動させるための第1の駆動部材を含み、第1の駆動部材は、保持具部材に連結された近位端部と、先端部ガードに連結された遠位端部とを有する。デバイスはまた、付勢された位置と延ばされた位置との間で延びることができる、先端部ガードを第1の位置から第2の位置まで移動させるための第2の駆動部材も含み、第2の駆動部材は、保持具部材に連結された近位端部と、先端部ガードに連結された遠位端部とを有する。保持具部材が保持位置にある状態では、保持具部材は、第1の駆動部材および第2の駆動部材を付勢された位置に保持し、それによって先端部ガードを第1の位置に維持する。保持具部材の保持位置から開位置への移動は、第1の駆動部材および第2の駆動部材の保持を解放し、それによって第1の駆動部材および第2の駆動部材が延ばされた位置まで移行し、先端部ガードを第1の位置から第2の位置まで移動させることを可能にする。
【0017】
特定の構成では、第1の駆動部材および第2の駆動部材は、付勢された位置では少なくとも部分的に折り畳まれる。任意選択で、保持具部材の保持位置から開位置への移動は、第1の駆動部材および第2の駆動部材の保持を解放し、それによって第1の駆動部材および第2の駆動部材が延ばされた位置まで広がり、先端部ガードを第1の位置から第2の位置まで移動させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の上記で述べられた他の特徴および利点、ならびにこれらを達成するやり方が、より明白になり、本開示自体は、添付の図を併用して本開示の実施形態の以下の説明を参照することによってより良好に理解される。
【0019】
図1】本発明の実施形態による遮蔽可能な針デバイスの分解斜視図である。
図2】本発明の実施形態による図1の遮蔽可能な針デバイスの組み立てられた斜視図である。
図3】本発明の実施形態による、パッケージングカバーが取り外されている、図2の遮蔽可能な針デバイスの斜視図である。
図4】本発明の実施形態による、パッケージングカバーが取り外され、翼組立体が背中合わせ位置にあり、第1の駆動部材および第2の駆動部材が折り畳まれ付勢された位置にある図2の遮蔽可能な針デバイスの斜視図である。
図5】本発明の実施形態による、図4の遮蔽可能な針デバイスの線5−5に沿って切り取られた断面図である。
図6】本発明の実施形態による、パッケージングカバーが取り外され、翼組立体が横方向に延びる位置にあり、第1の駆動部材および第2の駆動部材が延ばされた位置にある図2の遮蔽可能な針デバイスの斜視図である。
図7】本発明の実施形態による、図6の遮蔽可能な針デバイスの平面図である。
図8】本発明の実施形態による、図6の遮蔽可能な針デバイスの線8−8に沿って切り取られた断面図である。
図9A】本発明の実施形態による、図1の遮蔽可能な針デバイスの第1の駆動部材または第2の駆動部材と、ハブまたは先端部ガード組立体との間の、開位置にある例示的な連結手段の斜視図である。
図9B】本発明の実施形態による、図9Aの遮蔽可能な針デバイスの第1の駆動部材または第2の駆動部材と、ハブまたは先端部ガード組立体との間の、係止された位置にある例示的な連結手段の側面断面図である。
図10】本発明の実施形態による、図1の遮蔽可能な針デバイスの第1の駆動部材または第2の駆動部材と、ハブまたは先端部ガード組立体との間の、係止された位置にある別の例示的な連結手段の斜視図である。
図11】本発明の実施形態による、図1の遮蔽可能な針デバイスの第1の駆動部材または第2の駆動部材と、ハブまたは先端部ガード組立体との間の、開位置にあるさらに別の例示的な連結手段の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
対応する参照記号は、複数の図にわたって対応する部分を示す。本明細書に記載される例証は、本開示の例示的な実施形態を例示し、そのような例証は、いかなるやり方においても本開示の範囲を限定すると解釈されるものではない。
【0021】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するよう企図され説明される実施形態を行い、使用することを可能にするために提供される。しかし、さまざまな改変形態、等価物、変形形態、および代替形態が、依然として当業者により容易に明白であろう。あらゆるすべてのそのような改変形態、変形形態、等価物、および代替形態は、本発明の趣旨および範囲内にあるよう意図される。
【0022】
これ以後説明の目的で、用語「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」およびそれらの派生語は、本発明を図に配向された通りに関連付けるものとする。しかし、本発明が、そうではないと明示的に明記されている場合を除き、さまざまな代替の変形形態をとってよいことが理解されるものとする。また、添付の図に例示され以下の明細書において説明される特有のデバイスは、本発明の例示的な実施形態にすぎないことも理解されるものとする。故に、本明細書において開示される実施形態に関連する特有の寸法および他の物理的特性は、限定すると理解されるものではない。
【0023】
以下の論議では、「遠位」は、患者に接触するように適合された針組立体の端部に全体的に向かう方向を指し、「近位」は、遠位の反対方向、すなわち患者に接触するように適合された針組立体の端部から離れる方向を指す。本開示の目的のために、上記で述べられた参照は、本開示による遮蔽可能な針デバイスの構成要素の説明において使用される。
【0024】
図1および2を参照すると、血液採取組立体10は、遮蔽可能な針デバイス12と、遮蔽可能な針デバイス12から延びる可撓性チューブ14と、チューブ14に装着された固定具16と、遮蔽可能な針デバイス12の、チューブ14の反対の部分に取り外し可能に装着されたパッケージングカバー18とを含む。1つの実施形態では、カバー18は、摩擦係合、締まりばめ、または類似の締め付け方法によって遮蔽可能な針デバイス12に取り外し可能に装着され得る。血液採取組立体10は、近位端部32と、対向する遠位端部34と、これら端部間を延びる管腔36とを有する針カニューレ20を含む。針カニューレ20の近位端部32は、ハブ22の中央通路44が、針カニューレ20の管腔36と流体連通するようにハブ22に締め付けて装着される。
【0025】
薄い可撓性の熱可塑性チュービング14は、針カニューレ20の管腔36と流体連通するようにハブ22に連結され得る。たとえば、可撓性チュービング14は、チュービング14を通る通路が針カニューレ20の管腔36と連通するようにハブ22の近位端部40に装着され得る。針カニューレ20から遠隔のチュービング14の端部は、その上に装着された、針カニューレ20を血液採取チューブまたは何らかの他のレセプタクルに連結するための固定具16を含むことができる。たとえば、固定具16は、針カニューレ20およびチュービング14が、血液採取チューブなどの適切なレセプタクルと連通して置かれることを可能にする。固定具16の特有の構造は、固定具16が連結されるレセプタクルの特性に応じて決まることになる。
【0026】
血液採取組立体10は、ブリスタパッケージ内などの保護パッケージング内にほぼ図2に示される状態でパッケージ化され得る。使用前、血液採取組立体10は、任意の保護パッケージから取り外され、固定具16は、針カニューレ20を通って延びる管腔36との流体連通を提供するために適切なレセプタクルに連結されてよく、これは以下でより詳細に説明される。
【0027】
図1および4〜8を参照すれば、遮蔽可能な針デバイス12は、パッケージングカバー18と、針カニューレ20と、ハブ22と、先端部ガード組立体24と、翼組立体26と、第1の駆動部材28と、第2の駆動部材30とを含む。第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、先端部ガード組立体24を移動させるように構成され、これは、以下でより詳細に説明される。
【0028】
図1を参照すれば、第1の駆動部材28は、第2の駆動部材30とは別々かつ別個のものである。2つの別々の駆動部材28および30を有することにより、遮蔽可能な針デバイス12は、先端部ガード組立体24が針カニューレ20の遠位端部34を保護するように取り囲み遮蔽する遠位位置(図6〜8)への先端部ガード組立体24のより良好かつより着実な閉め出しを提供する。これは、2つの別々の駆動部材28および30を有することにより、駆動部材28および30が折り畳まれ付勢された位置(図2〜5)から延ばされた位置(図6〜8)まで延びるより大きい力が、達成され得るために達成される。このようにして、遮蔽可能な針デバイス12は、先端部ガード組立体24が針カニューレ20の遠位端部34を保護するように取り囲み遮蔽する遠位位置への、先端部ガード組立体24のより着実な閉め出しを提供する。2つの駆動部材28および30はまた、針カニューレ20のより大きい遮蔽も提供する。図6および7を参照すれば、2つの別々の駆動部材28および30を有することにより、針カニューレ20のより大きい領域が、保護するように取り囲まれ安全に遮蔽される。図6および7に示されるように、2つの駆動部材28および30は、先端ガード組立体24と一緒になって、針カニューレ20をほぼ完全にかつ取り囲み遮蔽する。さらに、2つの別々の駆動部材28および30は、針カニューレ20のための追加の側部遮蔽ガードを提供する。このようにして、針カニューレ20のいずれの部分も露出されず、それによって偶発的な針突き刺しの負傷のリスクを大きく低減させる。
【0029】
図1を参照すれば、針カニューレ20は、近位端部32および対向する遠位端部34を含み、このとき、管腔36が、針カニューレ20を通って近位端部32から遠位端部34まで延びている。針カニューレ20の遠位端部34は、面取りされて、静脈内穿刺先端部などの鋭敏な穿刺先端部38を画定する。穿刺先端部38は、静脈などの患者の血管に挿入するために提供され、したがって、挿入の容易さおよび静脈穿刺中の最小限の不快感を提供するように設計される。
【0030】
図1を参照すれば、遮蔽可能な針デバイス12は、ハブ22を含む。1つの実施形態では、ハブ22は、望ましくは熱可塑性材料から成形された単一構造体である。別の実施形態では、ハブ22は、翼組立体26と共に一体的に形成されてよく、これは以下で論じられる。そのような実施形態では、ハブ22および翼組立体26の一体的構成要素は、保持具部材を形成し、保持具部材は、針カニューレ20の近位端部32を支持し、開位置(図6〜8)と保持位置(図2〜5)の間で移動可能である。
【0031】
ハブ22は、近位端部40および対向する遠位端部42を含み、これら端部間を延びる剛性構造体またはハブ構造体46によって画定される。ハブ22はまた、ハブ連結チューブ52も含み、ハブ連結チューブ52は、ハブ構造体46の中央の空洞部分内に配設され、針カニューレ20の近位端部32を受け入れるための遠位開口部54を画定する。このようにして、ハブ22は、針カニューレ20の近位端部32を支持するように構成される。針カニューレ20は、その一部分が、ハブ22の遠位端部42から延びるようにハブ22の遠位開口部54内に配置され得る。1つの実施形態では、針カニューレ20およびハブ22は、別々の部分でよく、これら部分は、固定して取り付けられ、適切な医療級接着剤、たとえばエポキシまたは類似の接着材料によって締め付けられる。別の実施形態では、針カニューレ20およびハブ22は、一体型構成要素を形成することができる。たとえば、針カニューレ20およびハブ22は、2段階成形プロセスにおいて一体的に成形されてよい。ハブ連結チューブ52はまた、図2に示されるような可撓性チューブ14またはチューブホルダまたは類似の構成要素などの他の医療デバイスを受け入れるように適合された近位開口部56を画定する。ハブ連結チューブ52はまた、ハブ連結チューブ52を通って近位端部40から遠位端部42まで延びる中央通路44も画定する。
【0032】
ハブ22は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30と対合するための構造体を含む。たとえば、ハブ22の遠位端部42の第1の側部表面58は、第1の駆動部材28との連結のための第1の連結要素48および第2の連結要素50を含むことができる。ハブ22の対向する遠位端部42の第2の側部表面60もまた、第2の駆動部材30との連結のための第1の連結要素48および第2の連結要素50を含むことができる。1つの実施形態では、第1の連結要素48および第2の連結要素50は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30それぞれとの連結のための2つのボタン要素62を含むことができ、これは以下でより詳細に論じられる。他の実施形態では、ハブ22は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30と対合するための異なるタイプの構造体を含むことができ、これは、以下で図9A〜11を参照してより詳細に説明される。
【0033】
図1を参照すれば、遮蔽可能な針デバイス12は翼組立体26を含む。1つの実施形態では、翼組立体26は、望ましくは可撓性材料から形成された単一構造体でよい。上記で論じられたように、別の実施形態では、ハブ22および翼組立体26は、2段階成形プロセスにおいて一体的に成形され得る。1つの実施形態では、ハブ22は、熱可塑性材料から形成されてよく、翼組立体26は、可撓性材料から形成されてよい。
【0034】
一部の実施形態では、ハブ22および翼組立体26は、一体的に成形されるのではなく別々の部分である。1つのそのような実施形態では、ハブ22および翼組立体26は別々の部分でよく、これらの部分は、固定して取り付けられ、適切な医療級接着剤、たとえばエポキシまたは類似の接着材料によって締め付けられる。別の実施形態では、ハブ22は、鋭敏な嵌合機構、固定タブ機構、ばね荷重式係止機構、ラッチまたは他の類似の機構によって翼組立体26に締め付けられ得る。
【0035】
翼組立体26は、翼の対66と68の間、すなわち第1の翼66と第2の翼68の間を延びる本体部分64を含む。ハブ22および翼組立体26が別々の部分である実施形態では、翼組立体26の本体部分64は、ハブ22の下面63に固定して取り付けられてよく、それによって翼66および68がハブ構造体46のその対向する側においてハブ構造体46から横方向に延びることを可能にする。翼組立体26は、血液採取手順中、遮蔽可能な針デバイス12および血液採取組立体10の配置、安定化および留置を助けるための構成要素を提供する。翼66および68は、好ましくは、可撓性材料から形成され、これらがほぼ平面である、緩和された横方向に延びる位置(図6〜8)から曲げられた背中合わせ位置(図2〜5)の間で移動可能である。1つの実施形態では、翼66および68は、事前成形され曲げられた構造体でよい。他の実施形態では、翼66および68はまた、平面構造体でよく、たとえば、翼組立体26の本体部分64は、薄片部分70を含んで、横方向に延びる位置から背中合わせ位置への翼66および68の折り畳みを助けることができる。
【0036】
図1を参照すれば、遮蔽可能な針デバイス12は、先端部ガード組立体24を含む。先端部ガード組立体24は、針カニューレ20の周りを同軸に延び、針カニューレ20に沿って、ハブ22に隣接する近位位置(図2〜5)と、針カニューレ20の穿刺先端部38に隣接する遠位位置(図6〜8)との間で軸方向に移動可能であり、これは、これ以後より詳細に説明される。先端部ガード組立体24が遠位位置にある状態では、先端部ガード24は、針カニューレ20の遠位端部34を保護するように取り囲む。
【0037】
先端部ガード組立体24は、先端部ガードハウジング72および保護クリップ74を含む。ハウジング72は、望ましくは熱可塑性材料から成形された単一構造体であり、近位端部76と、遠位端部78と、近位端部76に位置する凹状の長穴領域80と、これら端部間を延びる内部チャンバ82(図5および8)とを含む。遠位端部78に隣接する内部チャンバ82の一部分は、図5および8に示されるように拡大されたクリップ空洞84を画定する。追加的に、先端部カード組立体24は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30と対合するための構造体を含む。たとえば、先端部ガードハウジング72の遠位端部78の第1の側部表面92は、第1の駆動部材28との連結のための連結要素86を含むことができる。先端部ガードハウジング72の遠位端部78の対向する第2の側部表面94もまた、第2の駆動部材30との連結のための連結要素86を含むことができる。1つの実施形態では、第1の側部表面92上の第1の連結要素86および第2の側部表面94上の第2の連結要素86は各々、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30それぞれとの連結のためのボタン88を含むことができる。他の実施形態では、先端部ガードハウジング72は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30と対合するための異なるタイプの構造体を含むことができ、これは、以下で図9A〜11を参照してより詳細に説明される。先端部ガードハウジング72はまた、クリップ装着柱90(図5および8)も含み、クリップ装着柱90は、先端部ガードハウジング72の近位端部76近くの場所で先端部ガードハウジング72から下方向に延びる。
【0038】
保護クリップ74は、単一的に型打ちされ、弾性的に偏向可能な金属材料から形成される。クリップ74は、近位端部98および対向する遠位端部100を備えた平坦なばね脚部96を含む。装着開口102は、近位端部98に隣接する場所においてばね脚部96を通って延びる。装着開口102は、先端部ガードハウジング72のクリップ装着柱90の直径と概ね等しいまたはこれよりわずかに小さい直径を有する。このようにして、クリップ装着柱90は、クリップ装着柱90の軸および装着開口102の軸がほぼ同一線上にあるときに装着開口102を通るように強制され得る。クリップ74はまた、ばね脚部96の遠位端部100から延びる閉め出し脚部104を含む。延びる閉め出し脚部104は、先端部ガード組立体が遠位位置にある状態で(図6〜8)針カニューレ20の穿刺先端部38との締め付け式の保護係合を可能にする。延びる閉め出し脚部104は、さらに、針カニューレ20に沿った先端部ガード組立体24の円滑な軸方向摺動移動を可能にし、これは、以下でさらに説明される。
【0039】
ハブ22および先端部ガード組立体24は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30を通って相互連結される。第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、針カニューレ20に沿った、ハブ22に隣接する近位位置(図2〜5)から針カニューレ20の穿刺先端部38に隣接する遠位位置(図6〜8)までの先端部ガード組立体24の軸方向の移動を提供し、これは、これ以後より詳細に説明される。
【0040】
図1を参照すれば、遮蔽可能な針デバイス12は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30を含む。上記で論じられたように、第1の駆動部材28は、第2の駆動部材とは別々かつ別個のものである。第1の駆動部材28は、近位端部112と、対向する遠位端部114とを有する本体110を含む。同様に、第2の駆動部材30は、近位端部132と、対向する遠位端部134とを有する本体130を含む。本体110および130は、望ましくは、シリコーンなどの、力を付加することなく曲がるかつ/または延びることができる弾性の可撓性材料から形成される。たとえば、使用前、駆動部材28および30は、折り畳まれ付勢された位置(図2〜5)にあり、翼66および68の解放時、以下で説明するように、駆動部材28および30は、延ばされた位置(図6〜8)まで前方に延びる。このようにして、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、先端部ガード組立体24を近位位置(図2〜5)から遠位位置(図6〜8)まで移動させる。
【0041】
第1の駆動部材28の本体110の近位端部112は、ハブ22と対合するための構造体を含む。たとえば、1つの実施形態では、近位端部112は、ハブ22の遠位端部42の第1の側部表面58上の連結要素48および50を受け入れるための2つの近位開口部116を含むことができ、それによって第1の駆動部材28の近位端部112をハブ22の遠位端部42に締め付ける。第1の駆動部材28の本体110の遠位端部114は、先端部ガードハウジング72と対合するための構造体を含む。たとえば、1つの実施形態では、第1の駆動部材28の本体110の遠位端部114は、遠位開口部118を含んで、先端部ガード組立体24の第1の側部表面92上の第1の連結要素86と対合することができる。
【0042】
同様に、第2の駆動部材30の本体130の近位端部132は、ハブ22と対合するための構造体を含む。たとえば、1つの実施形態では、近位端部132は、ハブ22の遠位端部42の第2の側部表面60上の連結要素48および50を受け入れるための2つの近位開口部136を含むことができ、それによって第2の駆動部材30の近位端部132をハブ22の遠位端部42に締め付ける。第2の駆動部材30の本体130の遠位端部134は、先端部ガードハウジング72と対合するための構造体を含む。たとえば、1つの実施形態では、第2の駆動部材30の本体130の遠位端部134は、遠位開口部138を含んで先端部ガード組立体24の第2の側部表面94上の第2の連結要素86と対合することができる。
【0043】
駆動部材28および30のハブ22および先端部ガード組立体24それぞれへの連結に関して上記で説明された機械的対合構造体の代替策として、またはこれに加えて、駆動部材28および30は、接着剤または類似の連結機構の使用によってハブ22および先端部ガード組立体24に連結され得る。
【0044】
駆動部材28および30がハブ22に連結されるため、また翼66および68がハブ22から横方向に延びるため、翼66および68の移動は、駆動部材28および30の対応する移動を結果として生じさせる。たとえば、翼66および68が背中合わせ位置(図2〜5)にある状態では、翼66および68は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30を折り畳まれ付勢された位置に保持し、それによって先端部ガード組立体24を近位位置に維持する。追加的に、翼66および68が背中合わせ位置にある状態では、空隙150(図4)がハブ22と翼66および68との間に形成され、それによって第1の駆動部材28の一部分および第2の駆動部材30の一部分を空隙150内の内部に保持する。このようにして、先端部ガード組立体24は、ハブ22に隣接する近位位置に維持される。翼66および68の解放時、翼66および68は、翼66および68が一緒になって曲げられて単一の背中合わせ構造体を形成する背中合わせ位置(図2〜5)から、緩和され、横方向に延びる位置(図6〜8)まで自動的に自由に移動する。このようにして、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、もはや翼66および68によって空隙150内に保持されず、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、延ばされた位置(図6〜8)まで広がって先端部ガード組立体24を近位位置から遠位位置まで移動させることができる。換言すれば、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、先端部ガード組立体24に固定して取り付けられ、先端部ガード組立体24は、針カニューレ20に沿って軸方向に移動可能であるため、翼66および68の解放は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30が広がり、先端部ガード組立体24をハブ22から離れて針カニューレ20の遠位端部34に向かって矢印B(図6)に全体的に沿った方向に移動させるようにし、この遠位端部34の場所では、先端部ガード組立体24は、針カニューレ20の穿刺先端部38を効果的に遮蔽し、保護するように取り囲むことができる。
【0045】
第1の駆動部材28の本体110および第2の駆動部材30の本体130は、延ばされた位置に向かって付勢される可撓性材料から形成され、したがってエネルギーを格納するための手段として作用して、上記で説明されたような翼66と68の間の対応する移動時、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30を針カニューレ20の遠位端部34に向かって延ばし、それによって先端部ガード組立体24を近位位置(図2〜5)から遠位位置(図6〜8)まで推進させる。
【0046】
上記で論じられたように、異なるタイプの構造体が使用されて、第1の駆動部材28または第2の駆動部材30をハブ22または先端部ガード組立体24に連結することができる。図9A〜11は、異なるタイプの連結構造体の例示的な実施形態を例示する。
【0047】
図9Aおよび9Bを参照すれば、連結構造体200は、ヒンジ206を介してヒンジ式に連結された駆動部材受け入れ部分202および係止部分204を含む。駆動部材受け入れ部分202は、受け入れ表面208と、受け入れ表面208から延びる柱210とを含む。係止部分204は、開口216を画定し、係止端部214を有するラッチ部材212を含む。
【0048】
図9Aおよび9Bを参照すれば、駆動部材28Aは、開口部116Aを画定する近位端部112Aを有する本体110Aを含む。駆動部材28Aを連結構造体200に固定するために、本体110Aの開口部116Aは、図9Aに示されるように駆動部材受け入れ部分202の柱210上に配設される。この位置では、係止部分204は、図9Bに示される係止位置までヒンジ206の周りを矢印C(図9A)に全体的に沿う方向に枢動され得る。この係止位置では、駆動部材受け入れ部分202の柱210は、係止部分204の開口216内に受け入れられ、ラッチ部材212の係止端部214は、駆動部材受け入れ部分202と係止式に係合されて駆動部材28Aと連結構造体200の間に締め付け式の連結を提供する。連結構造体200は、ハブ22または先端部ガード組立体24と共に使用されて第1の駆動部材28または第2の駆動部材30をハブ22または先端部ガード組立体24に締め付けて連結することができる。
【0049】
図10を参照すれば、連結構造体300は、遠位端部308に係止壁304を有し、近位端部312に受け入れチャネル306を画定する駆動部材受け入れ部分302を含む。駆動部材受け入れ部分302はまた、遠位端部308に駆動部材受け入れ長穴314も画定する。図10を参照すれば、駆動部材28Bは、近位端部112Bと、近位端部112Bに隣接して位置する突起部分120Bとを有する本体110Bを含む。突起部分120Bは、変形可能な弾性材料から形成され得る。
【0050】
駆動部材28Bを連結構造体300に締め付けるために、駆動部材28Bの本体110Bの突起部分120Bは、連結構造体300の受け入れ長穴314内に挿入され、それにより、突起部分120Bは、係止壁304を通りこれを過ぎて摺動することができる。突起部分120Bは、変形可能な弾性材料から形成されるため、係止壁304は、突起部分120Bが受け入れ長穴314を通って摺動するにつれて突起部分120Bを変形させることができる。突起部分120Bが係止壁304を超えて延びた後、突起部分120Bは、図10に示されるようなその元の形態に戻ることができる。突起部分120Bが図10の係止された位置になった後、係止壁304は、突起部分120Bを長穴314内に係止する物理的障壁を形成し、それにより、駆動部材28Bは、連結構造体300から引っ張り出されることができなくなる。連結構造体300は、ハブ22または先端部ガード組立体24と共に使用されて第1の駆動部材28または第2の駆動部材30をハブ22または先端部ガード組立体24に締め付けて連結することができる。たとえば、図10を参照すれば、連結構造体300の受け入れチャネル306は、ハブまたは先端部ガード組立体310を締め付けて受け入れることができる。
【0051】
図11を参照すれば、連結構造体400は、ヒンジ406を介してヒンジ式に連結された駆動部材受け入れ部分402および係止部分404を含む。駆動部材受け入れ部分402は、受け入れ表面408と、受け入れ表面408から延びる柱410とを含む。係止部分404は、開口416を画定し、係止端部414を有するラッチ部材を含む。
【0052】
図11を参照すれば、駆動部材28Cは、開口部116Cを画定する近位端部112Cを有する本体110Cを含む。駆動部材28Cを連結構造体400に締め付けるために、本体110Cの開口部116Cは、図11に示されるように駆動部材受け入れ部分402の柱410上に配設される。この位置では、係止部分404は、係止位置までヒンジ406の周りを矢印D(図11)に全体的に沿う方向に枢動され得る。係止位置では、駆動部材受け入れ部分402の柱410は、係止部分404の開口416内に受け入れられ、ラッチ部材412の係止端部414は、駆動部材受け入れ部分402に係止式に係合されて駆動部材28Cと連結構造体400の間に締め付け式の連結を提供する。連結構造体400は、上記で説明された連結構造体200と同様に機能する。連結構造体400は、ハブ22または先端部ガード組立体24と共に使用されて第1の駆動部材28または第2の駆動部材30をハブ22または先端部ガード組立体24に連結することができる。
【0053】
遮蔽可能な針デバイス12の組み立ては、以下の通りに達成され得る。先端部ガード組立体24が、先端部ガードハウジング72のクリップ装着柱90を保護クリップ74の装着開口102に押し込むことによって組み立てられる。クリップ74のばね脚部96が、次いで、内部チャンバ82から下方向にまたは離れるように先端部ガードハウジング72を通って押し出される。第1の駆動部材28および第2の駆動部材30が、次いで、上記で説明されたように、近位開口部116および136をハブ22のそれぞれの側部表面58および60上の連結要素48および50上に押し下げ、遠位開口部118および138を先端部ガード組立体のそれぞれの側部表面92および94上の連結要素86上に押し下げることをそれぞれ行うことによって先端部ガード組立体24とハブ22の間に相互連結される。針カニューレ20の遠位端部34が、次いで、ハブ22の中央通路44を通って進められ、先端部ガードハウジング72の近位端部76において内部チャンバ82内に押し出される。ばね脚部96の下方向の偏向は、針カニューレ20の遠位端部34が図5に示されるように先端部ガードハウジング72を完全に通って進められることを可能にする。ばね脚部96は、針カニューレ20の穿刺先端部38が先端部ガードハウジング72を完全に通って進んだ後解放され得る。このようにして、閉め出し脚部104の端部は、針カニューレ20に対して付勢され、これに沿って摺動することになる。先端部ガード組立体24は、次いで、針カニューレ20に沿って近位に、ハブ22に隣接する位置内に摺動され、このとき第1の駆動部材28および第2の駆動部材30各々はそれ自体折り込まれて、図2〜5に示されるように、曲げられ付勢された、使用準備ができた位置になる。翼66および68が、次いで互いに向かって背中合わせ位置に曲げられて図2〜5に示されるように背中合わせ式の対合構造体を形成する。パッケージングカバー18が、次いで、穿刺先端部38を覆って押し出され、針カニューレ20を覆って近位に押し出されて、このとき、穿刺先端部38は、パッケージングカバー18内に安全に維持され配設され、パッケージングカバー18の横方向壁17および長穴19は、図2および3に示されるように翼66および68を曲げられた背中合わせ位置に維持する。パッケージングカバー18は、望ましくは、翼66および68を背中合わせ位置に維持することができる剛性材料から構築される。
【0054】
上記で論じられたように、血液採取組立体10は、ブリスタパッケージなどの保護パッケージング内にほぼ図2に示される状態でパッケージ化され得る。使用前、血液採取組立体10は、任意の保護パッケージから取り外され、固定具16が、針カニューレ20を通って延びる管腔36との流体連通を提供するために適切なレセプタクルに連結され得る。
【0055】
使用においては、血液採取組立体10には、組み立てられた遮蔽可能な針デバイス12が提供され、遮蔽可能な針デバイス12から延び、固定具16に連結される可撓チューブ14を含む。血液採取組立体10をその保護パッケージングから取り外した後、これは、使用に合わせて他の適切な医療装置と共に組み立てられ得る。たとえば、非患者針組立体および針ホルダが、固定具16によって血液採取組立体10に連結され得る。
【0056】
血液採取組立体10の使用に備えるために、ユーザは、血液採取組立体10を、遮蔽可能な針デバイス12のところで、親指および人さし指を翼66および68上に置いて掴み、このとき、翼66および68は、図3に示されるようにユーザの指間に背中合わせ位置で維持される。両方の翼66および68は、好ましくは、第1の駆動部材および第2の駆動部材28および30がそれらの間に捕捉された状態で、ユーザの親指と人さし指の間で互いに向かって撓まれまたは曲げられる。パッケージングカバー18が、次いで、掴まれ、矢印A(図3)に全体的に沿う方向に遠位に押し出されてカバー18を針カニューレ20から係合解除し、それによって針カニューレ20の穿刺先端部38を露出させる。
【0057】
医療施術者は、次いで、針カニューレ20の遠位端部34にある穿刺先端部38を患者の標的となる血管内に押し入れることができ、その間翼66および68は、親指と人さし指の間に維持されて医療施術者による制御された進入を補助する。先端部ガード組立体24は、ユーザの指によって翼66と68の間に掴むことにより、近位位置(図3〜5)に維持され、それによって第1の駆動部材28および第2の駆動部材30を折り畳まれ付勢された位置に維持する。
【0058】
標的となる血管がアクセスされた後、医療施術者は、翼66および68を解放することができる。ユーザがデバイスを解放した後、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、翼66および68の解放によって第1の駆動部材28および第2の駆動部材30の本体110および130によって及ぼされた付勢により、折り畳まれ付勢された位置から延ばされ広げられた位置まで自由に移動する。そのような移動は、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30の本体110および130を延ばし、それによって先端部ガード組立体24を針カニューレ20に沿って遠位に矢印B(図6)に全体的に沿う軸方向に推進させ、このとき、先端部ガード組立体24は、針カニューレ20に沿って遠位端部34に向かって摺動または滑る。先端部ガード組立体24の遠位移動は、先端部ガードハウジング72の遠位端部78が、穿刺部位の近くで患者の皮膚と接触したときに終結することになる。
【0059】
すべての所望の試料が引き出されたときなどの手順の完了時、針カニューレ20は、患者から引き出される。針カニューレ20の患者からのこの取り外しは、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30の本体110および130のさらなる延び、および対応する、矢印B(図6)に全体的に沿う軸方向の先端部ガード組立体24の遠位移動を可能にする。先端部ガード組立体24が、針カニューレ20に沿って遠位端部34まで移動された後、クリップ74の閉め出し脚部104は、針カニューレ20の穿刺先端部38を超えて遠位に進む。クリップ74のばね脚部96の固有の弾性は、閉め出し脚部104を図8に示されるように針カニューレ20の穿刺先端部38を覆って押し出す。このようにして、先端部ガード組立体24の近位位置までの戻り移動が、防止される。さらに、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、針カニューレ20を超える先端部ガード組立体24の遠位の移動を防止する全体寸法を有する。このようにして、針カニューレ20の穿刺先端部38は、安全に遮蔽される。血液採取組立体10は、次いで、適切かつ安全に破棄され得る。
【0060】
翼66および68は、最初に背中合わせ位置に曲げられるため、遮蔽可能な針デバイス12の挿入中、引き出し中、および廃棄中にハンドル部分として動作することができる。特に、翼66および68を解放して先端部ガード組立体24を遠位置まで推進させた後、針カニューレ20は遮蔽され、翼66および68は、ハブ22から横方向に延びる。翼66および68は、少なくとも何らかの可撓性部分を含むため、図4に示されるように背中合わせ位置に曲げられて、ユーザが、遮蔽可能な針デバイス12を患者からの取り外しのために掴むことを可能にすることができる。翼66および68はまた、カニューレ20の使用された針先端部から遠隔の位置において、血液採取組立体10を運ぶためのハンドル部分として動作することもできる。追加的に、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、穿刺先端部38が患者の血管内にある間に作動されることが可能であり、それによって先端部ガード組立体24の針カニューレ20に沿った軸方向移動を開始する。他の実施形態では、第1の駆動部材28および第2の駆動部材30は、穿刺先端部38が患者の血管から取り外された後、作動され得る。
【0061】
本発明の遮蔽特徴は、デバイスの正常使用時に受動的に始動される。特に、パッケージングカバーを挿入前に取り外したとき、安全特徴が、準備され、力が蓄えられ、ユーザが患者への挿入後翼構造体を解放した後に針を遮蔽するよう待機する。さらに、上記で説明されたように、針カニューレの受動的遮蔽は、針カニューレを患者から取り外すことだけで自動的に達成される。
【0062】
一部の場合、針デバイスは、静脈穿刺前または医療手順中、医療施術者の手から落とされるまたは衝撃が加えられることがある。上記で説明された受動的遮蔽は、針デバイスが、医療施術者の手から落とされるまたは衝撃が加えられたときに自動的に始まる。したがって、自動的遮蔽は、医療施術者によって翼の意図的なまたは意図的でない解放によって起動され得る。
【0063】
さらに、医療施術者は、第1の静脈穿刺の試みの間、標的となる血管に常に進入するとは限らない。しかし、医療施術者は、通常、標的となる血管が進入されるまで、針デバイス上でしっかりとした掴みを保持する。このようにして、翼を連続に掴むことは、標的となる血管が穿刺されるまで針が遮蔽することを防止する。標的となる血管にアクセスする第2の試みは、施術者の手が、針カニューレの穿刺先端部からかなり離間される非常にリスクが低い手順である。したがって、本発明による血液採取セットは、各々の不成功に終わった静脈穿刺の試み後に新しい血液採取セットを使用しなければいけないという不便性を伴わない。
【0064】
本発明の針組立体が、血液採取システムに関連して使用するための1つの実施形態に関して説明されてきたが、針組立体は、針組立体と共に使用するために当技術分野でよく知られている、従来の静脈内注入セットとの併用など、他の医療手順と共に使用され得ることが、さらに、企図される。
【0065】
本開示は、例示的な設計を有するとして説明されてきたが、本開示は、本開示の趣旨および範囲内でさらに改変され得る。本出願は、したがって、その全体的な原理を用いる本開示のあらゆる変形形態、使用、または適合も対象となるよう意図される。さらに、本出願は、本開示が関係し、付属の特許請求の範囲の制限内にある当技術分野において知られているまたは慣習的な実践内に入るような、本開示からのそのような逸脱を対象とするよう意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11