(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
子宮頸部に位置する前がん性の細胞または組織、子宮頸部異形成、子宮頸がん、皮膚がん、日光性角化症、前立腺がん、例えば、ホルモン抵抗性前立腺がん、頭頸部がん、または放射線抵抗性がん、白血病、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、卵巣がん、腎がん、乳がん、多発性骨髄腫、口腔がん、ボルテゾミブ抵抗性多発性骨髄腫、再発した多発性骨髄腫、または抗療性の多発性骨髄腫の少なくとも1種を有する患者の治療に有効である、請求項1に記載の組成物。
薬学的に許容される塩が、塩酸付加塩、例えば、一塩酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩、または四塩酸塩、硫酸付加塩、またはスルホン酸付加塩、例えば、1,5−ナフタレンジスルホン酸付加塩である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
非CSA化学療法薬が、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、ヌクレオチド類似体、ペプチド抗生物質、白金系薬剤、レチノイド、およびビンカアルカロイドからなる群から選択される、より詳しくは、 非CSA化学療法薬が、アクチノマイシン、全トランス型レチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンからなる群から選択される、請求項7に記載のキット。
CSA化合物または薬学的に許容されるその塩が、患者におけるがんおよび感染、例えば、細菌感染、の両方を治療または予防する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
CSA化合物または薬学的に許容されるその塩が、バイオマーカー、例えば、CSA化合物または薬学的に許容されるその塩への細胞応答、より詳しくは、細胞障害性である細胞応答を測定することによって選択される、請求項10に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]本発明者らは、CSAが、既知のがん性細胞系を含めた広範な細胞系に対して抗増殖活性を有することを発見し、抗増殖および細胞傷害の両方の活性を証明した。そのような組成物と、そのような方法についての説明書とを含むキットも、本明細書において企図される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]本明細書では、患者においてがんを治療し、かつ/または細胞増殖を減少させる方法であって、治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法も開示される。一部の実施形態は、治療を必要とする患者を特定するステップをさらに含む。
【0009】
[0009]本明細書では、患者においてがんの発症を予防する方法であって、治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を、前がん性または前悪性の細胞または組織を有する患者に投与するステップを含む方法も開示される。一部の実施形態は、前がん性または前悪性の細胞または組織を有する患者を特定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、前がん性の細胞もしくは組織または前悪性の細胞もしくは組織は、患者の子宮頸部内および/または頸部上に位置する。一部の実施形態では、前がん性細胞または前悪性細胞は、顕微鏡によって特定される子宮内膜細胞である。一部の実施形態では、前がん性細胞または前悪性細胞は、Papスメアによって特定される。一部の実施形態では、患者は、子宮頸部異形成を有すると特定される。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がんである。
【0010】
[0010]一部の実施形態では、前がん性細胞もしくは組織または前悪性細胞もしくは組織は、患者の皮膚内および/または皮膚上に位置する。特定の一皮膚位置は、日光に曝された皮膚である。一部の実施形態では、患者は、日光性角化症であると特定される。一部の実施形態では、がんは、皮膚がんである。
【0011】
[0011]一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、患者に局所投与される。一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、投与用のクリームとして製剤化される。
【0012】
[0012]本明細書では、がんを有する患者をがん治療に感受性にする方法であって、治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を、がんを有する患者に投与するステップを含む方法も開示される。一部の実施形態では、患者は、がん治療を受けている。他の実施形態では、CSAは、がん治療の間または前に投与される。他の実施形態では、CSAは、2回のがん治療の間に投与される。一部の実施形態では、患者は、前立腺がんを有する。一部の実施形態では、患者は、ホルモン抵抗性前立腺がんを有する。一部の実施形態では、患者は、頭頸部(「HNC」)がんを有する。一部の実施形態では、患者は、放射線抵抗性がんを有する。一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩によって、がんにおけるインターロイキンのレベルが低下する。一部の実施形態では、インターロイキンは、インターロイキン−6(「IL−6」)である。一部の実施形態では、IL−6レベルの低下によって、治療に対する患者のがんが増加する。一部の実施形態では、治療は、放射線である。他の実施形態では、治療は、化学療法薬である。
【0013】
[0013]一部の実施形態では、がんは、白血病、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、皮膚がん、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、または多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、がんは、白血病、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、黒色腫、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、または乳がんである。一部の実施形態では、がんは、消化管のがん、血液、骨、骨起源のがん、または血液系がんである。
【0014】
[0014]他の実施形態では、方法は、CSAを細胞および/または細胞系、たとえば、CCRF−CEM、HL−60(TB)、K−562、MOLT−4、RPMI−8226、SR、A549/ATCC、EKVX、HOP−62、HOP−92、NCI−H226、NCI−H23、NCI−H322M、NCI−H460、NCI−H522、COLO205、HCC−2998、HCT−116、HCT−15、HT29、KM12、SW−620、SF−268、SF−295、SF−539、SNB−19、SNB−75、U251、LOX IMVI、MALME−3M、M14、SK−MEL−2、SK−MEL−28、SK−MEL−5、UACC−257、UACC−62、IGROV1、OVCAR−3、OVCAR−4、OVCAR−5、OVCAR−8、NCI/ADR−RES、SK−OV−3、786−0、A498l、ACHN、CAKI−1、RXF393、SN12C、TK−10、UO−31、PC−3、DU−145、MCF7、NCI−ADR−RES、MDA−MB−231/ATCC、HS578T、MDA−MB−435、MDA−MB−468、BT−549、またはT−47Dと接触させることにより、細胞および/または細胞系の増殖を減少させる。一実施形態は、患者の細胞をCSAと接触させることも含み、細胞は、前述の細胞系を典型とするタイプのがん細胞である。
【0015】
[0015]一部の実施形態では、CSAは、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩である。
【0016】
【化1】
【0017】
[式中、環A、B、CおよびDは、独立に、飽和または完全もしくは部分的不飽和であり、但し、環A、B、CおよびDの少なくとも2つは飽和であり、
m、n、pおよびqは、独立に0または1であり、
R
1からR
4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16およびR
18は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヒドロキシアルキル、置換または非置換アルキルオキシアルキル、置換または非置換アルキルカルボキシアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノアルキル、置換または非置換ハロアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アミノアルキルオキシアルキル、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルカルボキサミド、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換アジドアルキルオキシ、置換または非置換シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、置換または非置換グアニジノアルキルオキシ、置換または非置換第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および置換または非置換グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q
5は、任意のアミノ酸の側鎖(グリシンの側鎖、すなわちHを含む)であり、P.G.は、アミノ保護基であり、
R
5、R
8、R
9、R
10、R
13、R
14およびR
17は、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR
5、R
8、R
9、R
10、R
13およびR
14は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヒドロキシアルキル、置換または非置換アルキルオキシアルキル、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ハロアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、アジドアルキルオキシ、シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、グアニジノアルキルオキシ、およびグアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.は、アミノ保護基であり、但し、R
1〜4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16、R
17およびR
18の少なくとも2つまたは3つは、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アルキルカルボキシアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノアルキル、置換または非置換アミノアルキルオキシアミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルカルボキシアミド、第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、アジドアルキルオキシ、シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換グアニジノアルキルオキシ、および置換または非置換グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される。]
[0016]一部の実施形態では、R
1からR
4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16およびR
18は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)ヒドロキシアルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルオキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)ハロアルキル、置換または非置換C
2〜C
6アルケニル、置換または非置換C
2〜C
6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキサミド、置換または非置換ジ(C
1〜C
22アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C
1〜C
22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q
5は、任意のアミノ酸の側鎖(グリシンの側鎖、すなわちHを含む)であり、P.G.は、アミノ保護基であり、R
5、R
8、R
9、R
10、R
13、R
14およびR
17は、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR
5、R
8、R
9、R
10、R
13およびR
14は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)ヒドロキシアルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルオキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換(C
1〜C
22)ハロアルキル、置換または非置換(C
2〜C
6)アルケニル、置換または非置換(C
2〜C
6)アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換ジ(C
1〜C
22アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C
1〜C
22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルオキシ、および(C
1〜C
22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.は、アミノ保護基であり、但し、R
1〜4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16、R
17およびR
18の少なくとも2つまたは3つは、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシアミド、置換または非置換(C
1〜C
22)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、置換または非置換ジ(C
1〜C
22アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C
1〜C
22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルオキシ、および置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される。
【0018】
[0017]一部の実施形態では、R
1からR
4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16およびR
18は、水素、ヒドロキシル、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、オキソ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、R
5、R
8、R
9、R
10、R
13、R
14およびR
17は、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR
5、R
8、R
9、R
10、R
13およびR
14は、水素、ヒドロキシル、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、オキソ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、但し、R
1〜4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16、R
17およびR
18の少なくとも2つまたは3つは、水素、ヒドロキシル、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、オキソ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される。
【0019】
[0018]一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、式(IA)の化合物から選択される。
【0020】
【化2】
【0021】
[0019]一部の実施形態では、環A、B、C、およびDは、独立に、飽和である。
【0022】
[0020]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12およびR
18は、水素、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
8、R
9、R
10、R
11、R
13、R
14、R
15、R
16およびR
17は、水素および非置換(C
1〜C
6)アルキルからなる群から独立に選択される。
【0023】
[0021]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12およびR
18は、水素、非置換(C
1〜C
6)アルキル、非置換(C
1〜C
6)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
16)アルキルオキシ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
16)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
5)アルキル、(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
5)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
5)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
16)アミノアルキル、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
16)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
5アルキル)アミノ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
5)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
16)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
16)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される。
【0024】
[0022]一部の実施形態では、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
8、R
10、R
11、R
14、R
16およびR
17は、それぞれ水素であり、R
9およびR
13は、それぞれメチルである。
【0025】
[0023]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12およびR
18は、アミノアルキルオキシ、アミノアルキルカルボキシ、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルアルキル、ジ(アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボキシアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から独立に選択される。
【0026】
[0024]一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は、アミノアルキルオキシおよびアミノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、R
18は、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、ジ(アルキル)アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルキオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボキシアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から選択される。
【0027】
[0025]一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は同じである。
【0028】
[0026]一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は、アミノアルキルオキシである。一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は、アミノアルキルカルボキシである。
【0029】
[0027]一部の実施形態では、R
18は、アルキルアミノアルキルである。
【0030】
[0028]一部の実施形態では、R
18は、アルコキシカルボニルアルキルである。
【0031】
[0029]一部の実施形態では、R
18は、ジ(アルキル)アミノアルキルである。
【0032】
[0030]一部の実施形態では、R
18は、アルキルカルボキシアルキルである。
【0033】
[0031]一部の実施形態では、R
18は、ヒドロキシアルキルである。
【0034】
[0032]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12、およびR
18は、アミノ−C
3−アルキルオキシ、アミノ−C
3−アルキル−カルボキシ、アミノ−C
2−アルキルカルボキシ、C
8−アルキルアミノ−C
5−アルキル、C
8−アルコキシ−カルボニル−C
4−アルキル、C
10−アルコキシ−カルボニル−C
4−アルキル、C
8−アルキル−カルボニル−C
4−アルキル、ジ−(C
5−アルキル)アミノ−C
5−アルキル、C
13−アルキルアミノ−C
5−アルキル、C
6−アルコキシ−カルボニル−C
4−アルキル、C
6−アルキル−カルボキシ−C
4−アルキル、C
16−アルキルアミノ−C
5−アルキル、C
12−アルキルアミノ−C
5−アルキル、およびヒドロキシ(C
5)アルキルからなる群から独立に選択される。
【0035】
[0033]一部の実施形態では、m、n、およびpは、それぞれ1であり、qは0である。
【0036】
[0034]一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、式(IB)の化合物から選択される。
【0037】
【化3】
【0038】
[0035]一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、
【0039】
【化4-1】
【0040】
【化4-2】
【0041】
からなる群から選択される。
【0042】
[0036]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0043】
【化5】
【0044】
である。
【0045】
[0037]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0046】
【化6】
【0047】
である。
【0048】
[0038]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0049】
【化7】
【0050】
である。
【0051】
[0039]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0052】
【化8】
【0053】
である。
【0054】
[0040]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0055】
【化9】
【0056】
である。
【0057】
[0041]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0058】
【化10】
【0059】
である。
【0060】
[0042]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0061】
【化11】
【0062】
である。
【0063】
[0043]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0064】
【化12】
【0065】
である。
【0066】
[0044]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0067】
【化13】
【0068】
である。
【0069】
[0045]一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸(hydrochloride acid)付加塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、硫酸付加塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、スルホン酸付加塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸付加塩、硫酸付加塩、またはスルホン酸付加塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、硫酸付加塩または1,5−ナフタレンジスルホン酸付加塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、1,5−ナフタレンジスルホン酸付加塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、一塩酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩、または四塩酸塩である。
【0070】
[0046]一部の実施形態では、方法は、非CSA化学療法薬を患者に投与するステップをさらに含む。そのような非CSA化学療法薬には、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤(cytoskeletal disruptor)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、ヌクレオチド類似体、ペプチド抗生物質、白金系薬剤、レチノイド、およびビンカアルカロイドが含まれる。一部の実施形態に含まれる非CSA化学療法薬の詳細な例は、アクチノマイシン、全トランス型レチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンである。
【0071】
[0047]一部の実施形態では、方法は、悪心および/または疼痛を緩和する化合物を投与するステップをさらに含む。
【0072】
[0048]一部の実施形態では、CSAは、
【0073】
【化14】
【0074】
でない。
【0075】
[0049]一部の実施形態は、次の構造:
【0076】
【化15】
【0077】
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩を対象とする。
【0078】
一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸付加塩、硫酸付加塩、またはスルホン酸付加塩、詳細には、四塩酸塩または1,5−ナフタレンジスルホン酸付加塩である。
【0079】
[0050]一部の実施形態は、患者に相応しい治療を特定するためのコンパニオン診断の使用を対象とする。一部の実施形態では、CSAは、患者においてバイオマーカーを測定することにより選択される。バイオマーカーは、細胞傷害性などの、CSAに対する細胞応答でよい。一部の実施形態では、患者からのサンプルをコンパニオン診断デバイスにかけることによって、1種または複数の化学療法薬を選択する。
【0080】
[0051]一部の実施形態は、アルブミンおよび/または界面活性剤と複合化されたCSAを対象とする。他の実施形態は、CSAとアルブミンとを含む医薬組成物に関する。一部の実施形態は、CSAと、アルブミンまたは界面活性剤もしくはmiranolとを含む医薬組成物を対象とする。
【0081】
[0052]一部の実施形態は、多発性骨髄腫を治療する、予防する、または患者をその治療に感受性にする方法を対象とする。一部の実施形態では、多発性骨髄腫は、ボルテゾミブ抵抗性多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、多発性骨髄腫は、再発したものである。一部の実施形態では、多発性骨髄腫は、抗療性である。一部の実施形態は、骨がんを治療する、予防する、または患者をその治療に感受性にする方法に関する。一部の実施形態は、骨起源のがんを治療する、予防する、または患者をその治療に感受性にする方法に関する。一部の実施形態は、血液系がんを治療する、予防する、または患者をその治療に感受性にする方法に関する。
【0082】
[0053]一部の実施形態は、がんおよび感染症を、1種または複数のCSAの投与によって、治療する、予防する、または患者をその治療に感受性にする方法に関する。一部の実施形態では、感染症は、細菌感染症である。他の実施形態では、感染症は、真菌感染症である。一部の実施形態では、がんは、骨がん、骨起源のがん、血液系がん、または多発性骨髄腫である。
【0083】
[0054]追加の特色および利点については、一部を以下の記述において述べ、一部はその記述から明らかとなり、または本明細書で開示する実施形態の実践によって知ることができる。本明細書で開示する実施形態の目的および利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘する要素および組合せによって実現および達成される。前述の概要および以下の詳細な説明はどちらも、例示および説明のためのものにすぎず、本明細書で開示し、または特許請求の範囲に記載する実施形態を限定するものでないことは理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0085】
[0064]本明細書で開示する実施形態について、いくつかのより詳細な実施形態に即して、付属の図面を時折参考にしながら、ここで説明する。しかし、こうした実施形態は、異なる形態で具体化することもでき、本明細書で述べる実施形態に限定されると解釈すべきでない。むしろ、こうした実施形態は、この開示が十分かつ完全となり、実施形態の範囲が当業者に十分に伝わるように提供する。
定義:
[0065]別段定義しない限り、本明細書で使用するすべての科学技術用語は、こうした実施形態が属する業界の技術者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書の記述において使用する用語法は、特定の実施形態について説明するためのものにすぎず、実施形態を限定することを意図しない。明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないことがはっきりと示唆されない限り、なお複数形も包含するものとする。本明細書で言及するすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参照文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0086】
[0066]本出願において使用する用語および表現、ならびにその変形は、特に添付の特許請求の範囲において、別段明記しない限り、限定するのとは対照的に、非制限的であると解釈すべきである。前述のことの一例として、用語「含む(including)」は、「限定なしで〜を含む(including, without limitation)」、「限定はしないが〜を含む(including but not limited to)」などを意味すると解釈すべきであり、本明細書で使用する用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、または「〜を特徴とする(characterized by)」と同義であり、非限定的または非制限的であり、追加の列挙していない要素または方法ステップを除外せず、用語「有する(having)」は、「少なくとも〜を有する(having at least)」と解釈すべきであり、用語「包含する(includes)」は、「限定はしないが〜を包含する(includes but is not limited to)」と解釈すべきであり、用語「例」は、論述における項目の網羅的または限定的なリストでなく、その実例を提供するのに使用し、「好ましくは(preferably)」、「好ましい(preferred)」、「所望の(desired)」、または「望ましい(desirable)」のような用語、および同様の意味の単語の使用は、特定の特色が、本発明の構造または機能にとって肝要、不可欠、またはなお重要であることを示唆すると理解すべきでなく、それよりも、特定の実施形態において利用してもしなくてもよい代替または追加の特色を強調することを意図するにすぎないと理解すべきである。加えて、用語「含む(comprising)」は、表現「少なくとも〜を有する(having at least)」または「少なくとも〜を含む(including at least)」と同義に解釈される。工程に関連して使用するとき、用語「含む(comprising)」は、列挙したステップを少なくとも含むが、追加のステップを含む場合もあることを意味する。化合物、組成物、またはデバイスに関連して使用するとき、用語「含む(comprising)」は、化合物、組成物、またはデバイスが、列挙した特色または構成要素を少なくとも含むが、追加の特色または構成要素も含む場合があることを意味する。同様に、接続詞「および(and)」で結ばれた項目の群は、これらの項目の1つ残らずが集まりの中に存在する必要があると解釈すべきでなく、むしろ、別段明記しない限り、「および/または(and/or)」として解釈すべきである。同様に、接続詞「または(or)」で結ばれた項目の群は、その群の中で相互排他性が必要になると解釈すべきでなく、むしろ、別段明記しない限り、「および/または(and/or)」として解釈すべきである。
【0087】
[0067]1つまたは複数のキラル中心を有する、本明細書に記載のいずれの化合物においても、絶対立体化学を明示しない場合、各中心は、独立に、R立体配置もしくはS立体配置のものまたはその混合物になる場合があると理解される。したがって、本明細書で提供する化合物は、鏡像異性体に関して純粋でも、鏡像異性体富化されていても、ラセミ混合物でも、ジアステレオ異性体に関して純粋でも、ジアステレオ異性体富化されていても、または立体異性体混合物でもよい。加えて、EまたはZと定めることのできる、幾何異性体を生じる1つまたは複数の二重結合を有する、本明細書に記載のいずれの化合物においても、各二重結合は、独立に、そのEまたはZ混合物になる場合があると理解される。
【0088】
[0068]同様に、記載するいずれの化合物にも、すべての互変異性体形態が含まれるものとされることも理解される。
【0089】
[0069]本明細書で開示する化合物において原子価が満たされていない場合では、原子価は、水素またはその同位体、たとえば、水素1(プロチウム)および水素2(ジュウテリウム)で満たされることになると理解されたい。
【0090】
[0070]本明細書に記載の化合物は、同位体標識される場合があると理解される。ジュウテリウムなどの同位体での置換は、たとえば、半減期の延長や投与必要量の減少などの、代謝安定性がより高いために生じるある一定の治療上の利点をもたらしうる。化合物の構造において示すような各化学元素は、前記元素の任意の同位体を包含しうる。たとえば、化合物構造において、水素原子は、明示的に開示されることもあれば、または化合物中に存在すると理解されることもある。水素原子が存在しうる、化合物のいずれかの位置において、水素原子は、限定はしないが、水素1(プロチウム)および水素2(ジュウテリウム)を始めとして、水素のいずれの同位体にもなりうる。したがって、本明細書における化合物への言及は、文脈からそうでないと明らかに規定されない限り、考えられるすべての同位体形態を包含する。
【0091】
[0071]本明細書に記載の方法および組合せは、結晶形(異なる結晶充填配置の同じ原子組成の化合物を包含する、多形としても知られる形態)、非晶質相、塩、溶媒和物、および水和物を包含すると理解される。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水やエタノールなどの薬学的に許容される溶媒と溶媒和した形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、溶媒和していない形態で存在する。溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含有し、水やエタノールなどの薬学的に許容される溶媒を用いた結晶化の過程の間に生成するものでよい。溶媒が水であるときには水和物が生成され、または溶媒がアルコールであるときにはアルコール和物が生成される。加えて、本明細書で提供する化合物は、溶媒和しているだけでなく溶媒和していない形態でも存在することがある。一般に、本明細書で提供する化合物および方法の目的では、溶媒和した形態は、溶媒和していない形態と同等であるとみなされる。
【0092】
[0072]別段指摘しない限り、明細書および特許請求の範囲において使用する、成分、反応条件などの量を示すすべての数字は、すべての場合において、用語「約」によって修飾されると理解されたい。したがって、そうでないと指摘しない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載する数値パラメータは、当該実施形態によって取得しようとする所望の特性に応じて変動しうる近似値である。最低限、また特許請求の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてでなく、各数値パラメータは、有効数字および通常の丸め手法に照らして解釈すべきである。
【0093】
[0073]実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるということにもかかわらず、詳細な例で記載する数値は、可能な限り正確に報告する。しかし、いずれの数値も、そのそれぞれの試験測定値で見出される標準偏差の結果として必然的に生じる一定の誤差を本来含んでいる。本明細書および特許請求の範囲のいたるところで示すあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるあらゆるより狭い数値範囲を、そうしたより狭い数値範囲が本明細書にすべて明記されたかのように包含する。値の範囲を設ける場合では、範囲の上限および下限ならびに上限と下限の間にある各値が、実施形態内に包含されると理解される。
【0094】
[0074]本明細書で使用するとき、限定はしないがR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18などの任意の(1つまたは複数の)「R」基は、表示された原子に結合することのできる置換基を表す。別段指定しない限り、R基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0095】
[0075]本明細書で使用する「環」は、ヘテロ環式または炭素環式の場合がある。本明細書で使用する用語「飽和」とは、環中の各原子が、各原子の原子価が満たされるように水素化または置換されている環を指す。本明細書で使用する用語「不飽和」とは、環の各原子の原子価が水素または他の置換基で満たされていなくてもよい環を指す。たとえば、縮合環中の近接する炭素原子が、互いに二重に結合する場合がある。不飽和は、R
5とR
9、R
8とR
10、R
13とR
14などの対の少なくとも一方が欠損し、そうした欠損した位置にある環炭素原子の原子価が二重結合で満たされることも包含しうる。
【0096】
[0076]基について「置換」されていると述べるときは必ず、その基が、それぞれが水素原子に取って代わる、同じでも異なるものでもよい、1、2、3またはそれ以上の指定の置換基で置換されていてもよい。置換基が示されない場合、示された「置換されている」基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アシルアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アミノ酸、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン(たとえば、F、Cl、Br、I)、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護されたC−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、オキソ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノ基、一置換アミノ基、および二置換アミノ基、R
aO(CH
2)
mO−、R
b(CH
2)
nO−、R
cC(O)O(CH
2)
pO−、ならびにこれらの保護された誘導体から個々にかつ独立に選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよいという意味である。置換基は、基に、2つ以上の結合点で結合していてもよい。たとえば、アリール基は、2つの結合点においてヘテロアリール基で置換されて、縮合多環式芳香族環系を形成していてもよい。ビフェニルおよびナフタレンは、第二のアリール基で置換されているアリール基の2つの例である。
【0097】
[0077]本明細書で使用するとき、「a」および「b」が整数である「C
a」または「C
a〜C
b」は、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル基中の炭素原子の数、またはシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリシクリル基の環中の炭素原子の数を指す。すなわち、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、シクロアルケニルの環、シクロアルキニルの環、アリールの環、ヘテロアリールの環、またはヘテロアリシクリルの環は、両端の数字を含めて「a」〜「b」個の炭素原子を含む場合がある。したがって、たとえば、「C
1〜C
4アルキル」基は、1〜4個の炭素原子を有するすべてのアルキル基、すなわち、CH
3−、CH
3CH
2−、CH
3CH
2CH
2−、(CH
3)
2CH−、CH
3CH
2CH
2CH
2−、CH
3CH
2CH(CH
3)−、および(CH
3)
3C−を指す。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロアリシクリル基に関して「a」および「b」が示されない場合、これらの定義において記載する最も広い範囲が想定される。
【0098】
[0078]本明細書で使用するとき、「アルキル」とは、完全飽和(二重または三重結合なし)の炭化水素基を含む直鎖状または分枝状炭化水素鎖を指す。アルキル基は、1〜25個の炭素原子を有するものでよい(「1〜25」などの数値範囲は、本明細書において出現するときは必ず、所与の範囲にある各整数を指し、たとえば、「1〜25個の炭素原子」とは、アルキル基が、25個の炭素原子までの、25個の炭素原子を含めた、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などからなる場合があることを意味するが、この定義が、数値範囲が示されない用語「アルキル」の存在も包含する)。アルキル基は、1〜15個の炭素原子を有する中型の大きさのアルキルでもよい。アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルである可能性もある。化合物のアルキル基は、「C
4」もしくは「C
1〜C
4アルキル」または同様の呼称として示すことができる。単に例として、「C
1〜C
4アルキル」は、アルキル鎖中に1個〜4個の炭素原子が存在する、すなわち、アルキル鎖が、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、およびt−ブチルから選択されることを示す。典型的なアルキル基として、一切限定はしないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられる。アルキル基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0099】
[0079]本明細書で使用するとき、「アルケニル」とは、直鎖状または分枝状炭化水素鎖中に1つまたは複数の二重結合を含んでいるアルキル基を指す。アルケニル基は、2〜25個の炭素原子を有するものでよい(「2〜25」などの数値範囲は、本明細書において出現するときは必ず、所与の範囲にある各整数を指し、たとえば、「2〜25個の炭素原子」とは、アルケニル基が、25個の炭素原子までの、25個の炭素原子を含めた、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子などからなる場合があることを意味するが、この定義が、数値範囲が示されない用語「アルケニル」の存在も包含する)。アルケニル基は、2〜15個の炭素原子を有する中型の大きさのアルケニルでもよい。アルケニル基は、1〜6個の炭素原子を有する低級アルケニルである可能性もある。化合物のアルケニル基は、「C
4」もしくは「C
2〜C
4アルキル」または同様の呼称として示すことができる。アルケニル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0100】
[0080]本明細書で使用するとき、「アルキニル」とは、直鎖状または分枝状炭化水素鎖中に1つまたは複数の三重結合を含んでいるアルキル基を指す。アルキニル基は、2〜25個の炭素原子を有するものでよい(「2〜25」などの数値範囲は、本明細書において出現するときは必ず、所与の範囲にある各整数を指し、たとえば、「2〜25個の炭素原子」とは、アルキニル基が、25個の炭素原子までの、25個の炭素原子を含めた、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子などからなる場合があることを意味するが、この定義が、数値範囲が示されない用語「アルキニル」の出現も包含する)。アルキニル基は、2〜15個の炭素原子を有する中型の大きさのアルキニルでもよい。アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有する低級アルキニルである可能性もある。化合物のアルキニル基は、「C
4」もしくは「C
2〜C
4アルキル」または同様の呼称として示すことができる。アルキニル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0101】
[0081]本明細書で使用するとき、「アリール」とは、すべての環の全域にわたって、完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式(全部が炭素)の単環式または多環式芳香族環系(2つの炭素環が化学結合を共有する縮合環系を含む)を指す。アリール基中の炭素原子の数は、様々となりうる。たとえば、アリール基は、C
6〜C
14アリール基、C
6〜C
10アリール基、またはC
6アリール基となる場合がある(とはいえ、数値範囲が示されないとき、C
6〜C
10アリールの定義が、用語「アリール」の存在を包含する)。アリール基の例としては、限定はしないが、ベンゼン、ナフタレン、およびアズレンが挙げられる。アリール基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0102】
[0082]本明細書で使用するとき、「アラルキル」および「アリール(アルキル)」とは、アリール基が、置換基として、低級アルキレン基を介して連結したものを指す。アラルキル基は、6〜20個の炭素原子を有するものでよい(「6〜20」などの数値範囲は、本明細書において出現するときは必ず、所与の範囲にある各整数を指し、たとえば、「6〜20個の炭素原子」とは、アラルキル基が、20個の炭素原子までの、20個の炭素原子を含めた、6個の炭素原子、7個の炭素原子、8個の炭素原子などからなる場合があることを意味するが、この定義が、数値範囲が示されない用語「アラルキル」の存在も包含する)。アラルキルの低級アルキレンおよびアリール基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。例として、限定はしないが、ベンジル、2−フェニルアルキル、3−フェニルアルキル、およびナフチルアルキルが挙げられる。
【0103】
[0083]「低級アルキレン基」は、その末端炭素原子を介して分子断片を連結する結合をなす、−CH
2−テザリング基などのC
1〜C
25直鎖状アルキルテザリング基を指す。例として、限定はしないが、メチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、およびブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)が挙げられる。低級アルキレン基は、低級アルキレン基の1つまたは複数の水素を、「置換」の定義のもとで列挙した(1つまたは複数の)置換基で置き換えることにより、置換することができる。
【0104】
[0084]本明細書で使用するとき、「シクロアルキル」とは、完全飽和(二重または三重結合なし)の単環式または多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環で構成されるとき、環は、縮合した形で連結し合ったものでもよい。シクロアルキル基は、(1つまたは複数の)環中に3〜10個の原子または(1つまたは複数の)環中に3〜8個の原子を含んでいる場合がある。シクロアルキル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。典型的なシクロアルキル基として、一切限定はしないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。
【0105】
[0085]本明細書で使用するとき、「シクロアルケニル」とは、少なくとも1つの環中に1つまたは複数の二重結合を含んでいる単環式または多環式炭化水素環系を指すが、二重結合は、2つ以上存在しても、すべての環の全域にわたって、完全に非局在化したπ電子系をなすことはない(さもなければ、その基は、本明細書で定義するとおりの「アリール」になることになる)。2つ以上の環で構成されるとき、環は、縮合した形で連結し合ったものでもよい。シクロアルケニル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0106】
[0086]本明細書で使用するとき、「シクロアルキニル」とは、少なくとも1つの環中に1つまたは複数の三重結合を含んでいる単環式または多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の三重結合が存在しても、三重結合は、すべての環の全域にわたって、完全に非局在化したπ電子系をなすことはない。2つ以上の環で構成されるとき、環は、縮合した形で連結し合ったものでもよい。シクロアルキニル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0107】
[0087]本明細書で使用するとき、「アルコキシ」または「アルキルオキシ」とは、式−OR[式中、Rは、上で定義したとおりのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはシクロアルキニルである]を指す。アルコキシの非限定的なリストは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシである。アルコキシは、置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0108】
[0088]本明細書で使用するとき、「アシル」とは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリールが、置換基として、カルボニル基を介して連結したものを指す。例として、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、およびアクリルが挙げられる。アシルは、置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0109】
[0089]本明細書で使用するとき、「アルコキシアルキル」または「アルキルオキシアルキル」とは、アルコキシ基が、置換基として、低級アルキレン基を介して連結したものである。例としては、アルキル−O−アルキル−およびアルコキシ−アルキル−が挙げられ、用語アルキルおよびアルコキシは、本明細書で定義するとおりである。
【0110】
[0090]本明細書で使用するとき、「ヒドロキシアルキル」とは、水素原子の1つまたは複数が、ヒドロキシ基で置き換えられているアルキル基を指す。例となるヒドロキシアルキル基として、限定はしないが、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、および2,2−ジヒドロキシエチルが挙げられる。ヒドロキシアルキルは、置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0111】
[0091]本明細書で使用するとき、「ハロアルキル」とは、水素原子の1つまたは複数が、ハロゲンで置き換えられているアルキル基(たとえば、モノハロアルキル、ジハロアルキル、およびトリハロアルキル)を指す。このような基として、限定はしないが、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−クロロ−2−フルオロメチル、2−フルオロイソブチルが挙げられる。ハロアルキルは、置換されていても、置換されていなくてもよい。
【0112】
[0092]本明細書で使用する用語「アミノ」とは、−NH
2基を指す。
【0113】
[0093]本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシ」とは、−OH基を指す。
【0114】
[0094]「シアノ」基とは、「−CN」基を指す。
【0115】
[0095]「カルボニル」または「オキソ」基とは、C=O基を指す。
【0116】
[0096]本明細書で使用する用語「アジド」とは、−N
3基を指す。
【0117】
[0097]本明細書で使用するとき、「アミノアルキル」とは、アミノ基が、置換基として、低級アルキレン基を介して連結したものを指す。例としては、H
2N−アルキル−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0118】
[0098]本明細書で使用するとき、「アルキルカルボキシアルキル」とは、アルキル基が置換基としてカルボキシ基に連結したものが、置換基としてアルキル基に連結したものを指す。例としては、アルキル−C(=O)O−アルキル−およびアルキル−O−C(=O)−アルキル−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0119】
[0099]本明細書で使用するとき、「アルキルアミノアルキル」とは、アルキル基が置換基としてアミノ基に連結したものが、置換基としてアルキル基に連結したものを指す。例としては、アルキル−NH−アルキル−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0120】
[0100]本明細書で使用するとき、「ジアルキルアミノアルキル」または「ジ(アルキル)アミノアルキル」とは、2つのアルキル基が、それぞれ置換基としてアミノ基に連結したものが、置換基としてアルキル基に連結したものを指す。例としては、
【0122】
が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0123】
[0101]本明細書で使用するとき、「アルキルアミノアルキルアミノ」とは、アルキル基が置換基としてアミノ基に連結したものが、置換基としてアルキル基に連結し、それが置換基としてアミノ基に連結したものを指す。例としては、アルキル−NH−アルキル−NH−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0124】
[0102]本明細書で使用するとき、「アルキルアミノアルキルアミノアルキルアミノ」とは、アルキル基が置換基としてアミノ基に連結したものが、置換基としてアルキル基に連結し、それが置換基としてアミノ基に連結したものが置換基としてアルキル基に連結したものを指す。例としては、アルキル−NH−アルキル−NH−アルキル−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0125】
[0103]本明細書で使用するとき、「アリールアミノアルキル」とは、アリール基が置換基としてアミノ基に連結したものが、置換基としてアルキル基に連結したものを指す。例としては、アリール−NH−アルキル−が挙げられ、用語アリールおよびアルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0126】
[0104]本明細書で使用するとき、「アミノアルキルオキシ」とは、アミノ基が置換基としてアルキルオキシ基に連結したものを指す。例としては、H
2N−アルキル−O−およびH
2N−アルコキシ−が挙げられ、用語アルキルおよびアルコキシは、本明細書で定義するとおりである。
【0127】
[0105]本明細書で使用するとき、「アミノアルキルオキシアルキル」とは、アミノ基が置換基としてアルキルオキシ基に連結したものが、置換基としてアルキル基に連結したものを指す。例としては、H
2N−アルキル−O−アルキル−およびH
2N−アルコキシ−アルキル−が挙げられ、用語アルキルおよびアルコキシは、本明細書で定義するとおりである。
【0128】
[0106]本明細書で使用するとき、「アミノアルキルカルボキシ」とは、アミノ基が置換基としてアルキル基に連結したものが、置換基としてカルボキシ基に連結したものを指す。例としては、H
2N−アルキル−C(=O)O−およびH
2N−アルキル−O−C(=O)−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0129】
[0107]本明細書で使用するとき、「アミノアルキルアミノカルボニル」とは、アミノ基が置換基としてアルキル基に連結したものが、置換基としてアミノ基に連結し、それが置換基としてカルボニル基に連結したものを指す。例としては、H
2N−アルキル−NH−C(=O)−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0130】
[0108]本明細書で使用するとき、「アミノアルキルカルボキサミド」とは、アミノ基が置換基としてアルキル基に連結したものが、置換基としてカルボニル基に連結し、それが置換基としてアミノ基に連結したものを指す。例としては、H
2N−アルキル−C(=O)−NH−が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0131】
[0109]本明細書で使用するとき、「アジドアルキルオキシ」とは、アジド基が置換基としてアルキルオキシ基に連結したものを指す。例としては、N
3−アルキル−O−およびN
3−アルコキシ−が挙げられ、用語アルキルおよびアルコキシは、本明細書で定義するとおりである。
【0132】
[0110]本明細書で使用するとき、「シアノアルキルオキシ」とは、シアノ基が置換基としてアルキルオキシ基に連結したものを指す。例としては、NC−アルキル−O−およびNC−アルコキシ−が挙げられ、用語アルキルおよびアルコキシは、本明細書で定義するとおりである。
【0133】
[0111]本明細書で使用するとき、「グアニジノアルキルオキシ」とは、グアニジニル基が置換基としてアルキルオキシ基に連結したものを指す。例としては、
【0135】
が挙げられ、用語アルキルおよびアルコキシは、本明細書で定義するとおりである。
【0136】
[0112]本明細書で使用するとき、「グアニジノアルキルカルボキシ」とは、グアニジニル基が置換基としてアルキル基に連結したものが、置換基としてカルボキシ基に連結したものを指す。例としては、
【0138】
が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0139】
[0113]本明細書で使用するとき、「第四級アンモニウムアルキルカルボキシ」とは、四級化されたアミノ基が置換基としてアルキル基に連結したものが、置換基としてカルボキシ基に連結したものを指す。例としては、
【0141】
が挙げられ、用語アルキルは、本明細書で定義するとおりである。
【0142】
[0114]本明細書で使用する用語「ハロゲン原子」または「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの、元素の周期表の7列の放射安定元素のいずれか1つを意味する。
【0143】
[0115]置換基の数を指定しない場合では(たとえば、ハロアルキル)、1つまたは複数の置換基が存在しうる。たとえば、「ハロアルキル」は、同じまたは異なるハロゲンの1つまたは複数を包含しうる。
【0144】
[0116]本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸」とは、限定はしないが、α−アミノ酸、β−アミノ酸s、γ−アミノ酸、およびδ−アミノ酸を含めて、任意のアミノ酸(標準および非標準両方のアミノ酸)を指す。適切なアミノ酸の例として、限定はしないが、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンが挙げられる。適切なアミノ酸の追加の例としては、限定はしないが、オルニチン、ハイプシン、2−アミノイソ酪酸、デヒドロアラニン、γ−アミノ酪酸、シトルリン、β−アラニン、α−エチル−グリシン、α−プロピル−グリシン、およびノルロイシンが挙げられる。
【0145】
[0117]リンカー基は、一方のステロイドを別のステロイドと結び付けるのに使用される二価の部分である。一部の実施形態では、リンカー基を使用して、第一のCSAを第二のCSA(同じでも異なるものでもよい)と結び付ける。リンカー基の一例は、(C
1〜C
10)アルキルオキシ−(C
1〜C
10)アルキルである。
【0146】
[0118]本明細書で使用する用語「P.G.」または「保護基」とは、分子中のすでにある基が望ましくない化学反応を受けないようにするために、分子に付加される任意の原子または原子の群を指す。保護基部分の例は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley&Sons、1999、ならびにJ.F.W.McOmie、Protective Groups in Organic Chemistry Plenum Press、1973に記載されており、これら両方を、適切な保護基を開示する限られた目的で、参照により本明細書に援用する。保護基部分は、ある一定の反応条件に対して安定となり、当業界で知られている方法を使用して好都合な段階で容易に除去されるように選択したものでよい。保護基の非限定的なリストには、ベンジル、置換ベンジル、アルキルカルボニルおよびアルコキシカルボニル(たとえば、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アセチル、またはイソブチリル)、アリールアルキルカルボニルおよびアリールアルコキシカルボニル(たとえば、ベンジルオキシカルボニル)、置換メチルエーテル(たとえば、メトキシメチルエーテル)、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、シリル(たとえば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリルオキシメチル、[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル、またはt−ブチルジフェニルシリル)、エステル(たとえば、安息香酸エステル)、カーボネート(たとえば、メトキシメチルカーボネート)、スルホネート(たとえば、トシレートまたはメシレート)、非環式ケタール(たとえば、ジメチルアセタール)、環式ケタール(たとえば、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、および本明細書に記載のもの)、非環式アセタール、環式アセタール(たとえば、本明細書に記載のもの)、非環式ヘミアセタール、環式ヘミアセタール、環式ジチオケタール(たとえば、1,3−ジチアンまたは1,3−ジチオラン)、オルトエステル(たとえば、本明細書に記載のもの)、ならびにトリアリールメチル基(たとえば、トリチル、モノメトキシトリチル(MMTr)、4,4’−ジメトキシトリチル(DMTr)、4,4’,4”−トリメトキシトリチル(TMTr)、および本明細書に記載のもの)が含まれる。アミノ保護基は、当業者に知られている。一般に、保護基の種は、化合物の他の位置における後続のいかなる(1つまたは複数の)反応の条件に対しても安定であり、分子の残部に不都合な影響を及ぼすことなく、適切な時点で除去することができるのであれば、肝要ではない。加えて、保護基は、合成による実質的な変換が完了した後、別のものに置換してもよい。化合物が、本明細書で開示する化合物と、開示する化合物の1つまたは複数の保護基が異なる保護基で置換されている点だけにおいて異なっている場合、その化合物は、明らかに開示の範囲内である。
化合物:
[0119]この開示に従って有用である化合物は、本明細書において包括的かつ詳細に記載しており、また参照により本明細書に援用される米国特許第6,350,738号、第6,486,148号、第6,767,904号、第7,598,234号、および第7,754,705号、米国特許出願第61/786301号、第13/288892号、第61/642431号、第13/554930号、第61/572714号、第13/594608号、第61/576903号、第13/594612号、第13/288902号、第61/605639号、第13/783131号、第61/605642号、第13/783007号、第61/132361号、第13/000010号、第61/534185号、第13/615244号、第61/534194号、第13/615324号、第61534205号、第61/637402号、第13/841549号、第61/715277号、第PCT/US13/37615号、第61/749800号、第61/794721号、および第61/814816号に記載されている。追加の化合物については、本明細書で論述する方法に関連して、広くかつ詳細に述べる。当業者なら、本明細書で示す一般式の範囲内の化合物を認識し、本明細書で引用する参照文献および実施例を考慮して、その調製を理解するところとなる。
方法および使用:
[0120]セラゲニン(またはCSA)は、中心ステロール環を有する、陽イオン性の表面的に両親媒性の(facial amphiphilic)分子である。非ペプチド抗微生物薬として作用することの多い、この新規な化合物クラスは、膜の陰イオン性成分を優先的にターゲットとし、抗微生物ペプチドの性質を模倣すると考えられているが、抗微生物ペプチドは、抗微生物、抗ウイルス、抗真菌、および免疫調節活性を有する、ヒト先天免疫系の重要な構成要素である。本明細書では、セラゲニンが有益な抗腫瘍発生(anti−tumorgenic)活性を有するという注目すべき発見について記載する。
【0147】
[0121]本明細書では、治療を必要とする患者を場合により特定するステップと、治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を投与するステップとを含む、がんの治療方法を記載する。一部の実施形態では、がんは、白血病である。一部の実施形態では、がんは、非小細胞肺がんである。一部の実施形態では、がんは、結腸がんである。一部の実施形態では、がんは、CNSがんである。一部の実施形態では、がんは、皮膚がんである。一部の実施形態では、がんは、卵巣がんである。一部の実施形態では、がんは、腎がんである。一部の実施形態では、がんは、前立腺がんである。一部の実施形態では、がんは、乳がんである。一部の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、がんは、消化管のがんである。一部の実施形態では、がんは、血液のがんである。一部の実施形態では、がんは、骨がんである。一部の実施形態では、がんは、骨起源のがんである。一部の実施形態では、がんは、血液系がんである。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がんである。一部の実施形態は、前述のがんのいずれか1つまたは複数の治療を対象とする。一部の実施形態は、前述のがんのいずれか1つまたは複数の予防を対象とする。
【0148】
本明細書では、細胞増殖を減少させる方法であって、陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)を、CCRF−CEM、HL−60(TB)、K−562、MOLT−4、RPMI−8226、SR、A549/ATCC、EKVX、HOP−62、HOP−92、NCI−H226、NCI−H23、NCI−H322M、NCI−H460、NCI−H522、COLO205、HCC−2998、HCT−116、HCT−15、HT29、KM12、SW−620、SF−268、SF−295、SF−539、SNB−19、SNB−75、U251、LOX IMVI、MALME−3M、M14、SK−MEL−2、SK−MEL−28、SK−MEL−5、UACC−257、UACC−62、IGROV1、OVCAR−3、OVCAR−4、OVCAR−5、OVCAR−8、NCI/ADR−RES、SK−OV−3、786−0、A498l、ACHN、CAKI−1、RXF393、SN12C、TK−10、UO−31、PC−3、DU−145、MCF7、NCI−ADR−RES、MDA−MB−231/ATCC、HS578T、MDA−MB−435、MDA−MB−468、BT−549、およびT−47Dからなる群から選択される細胞と接触させるステップを含む方法も記載する。また、前述の細胞系の1つを典型または特徴とするタイプのがんを有するがん患者を、患者に有効抗がん量のCSAを投与することによって治療することも企図する。
【0149】
[0122]また、患者においてがんの発症を予防する方法であって、前がん性または前悪性の細胞または組織を有する患者に、治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法も記載する。前がん性または前悪性の細胞または組織は、医師および有資格の助手の手で、患者または患者からのサンプルを分析することにより容易に特定される。さらに、前がん性および前悪性の細胞型は、当業界で広く認識されており、限定はしないが、がんのリスクが有意に増大している状態を包含する。多くの例において、治療せずにいれば、こうした状態が、がんにつながる。こうした状態は、その正常な対応物と比べて変化した形態を示す、前悪性の病変および細胞を含む。したがって、前がん性および前悪性の細胞は、視覚による検査によって特定することができる。各状態の例としては、日光性角化症、バレット食道、萎縮性胃炎、および子宮頸部異形成が挙げられる。さらに、皮膚がんは、前がん性の細胞または病変として始まることが多い。
【0150】
[0123]一部の実施形態は、前がん性または前悪性の細胞または組織を有する患者を特定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、前がん性の細胞もしくは組織または前悪性の細胞もしくは組織は、患者の子宮頸部、皮膚、食道、および/または消化管の中および/または上に位置する。一部の実施形態では、前がん性細胞または前悪性細胞は、顕微鏡によって特定される、内皮細胞である。一部の実施形態では、前がん性細胞または前悪性細胞は、Papスメアによって特定される。Papスメアまたはパパニコロー試験は、女性生殖器系の子宮頸管における前がん性およびがん性の経過の検出に使用される、子宮頸部スクリーニングの一般的な方法である。一部の実施形態では、患者は、子宮頸部異形成を有すると特定される。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がんである。子宮頸がんは、性感染するヒトパピローマウイルスにも引き起こされる。したがって、一部の実施形態は、HPVを保有している患者またはHPVを保有するリスクのある者へのCSAの投与を対象とする。HPV DNA試験も、前がん性またはがん性の状態のリスクのある患者、およびCSAの投与の恩恵を受けることになる者を特定する方法として役立つ場合がある。
【0151】
[0124]一部の実施形態では、前がん性の細胞もしくは組織または前悪性の細胞もしくは組織は、患者の皮膚中および/または皮膚上に位置する。特定の一皮膚位置は、日光に曝された皮膚である。一部の実施形態では、患者は、日光性角化症を有すると特定されるが、日光性角化症は、色白の人々、特に日光に頻繁に曝されるこうした人々においてより一般的である。したがって、皮膚色素沈着および相対的日光暴露は、CSA投与の恩恵を受けるかもしれない患者を割り出す方法として使用することができる(すなわち、より色白の患者、および日光暴露が増える仕事または生活様式を有するこうした患者は、CSAの投与から、または前がん性状態になる前の予防的な投与からでさえ、恩恵を受けることがある)。さらに、日光性角化症は、治療せずにいると、扁平上皮癌への進行の機会が増す。一部の実施形態では、患者は、皮膚がんを有する。一部の実施形態では、皮膚がんは、扁平上皮癌である。日光性角化症は、容易に特定可能である。日光性角化症部位は、一般に、大きさが2〜6ミリメートルの間の範囲であり、濃いもしくは薄い黄褐色、ピンク色、赤色、これらすべての組合せであるか、または周囲の皮膚と同じ色素を有する場合がある。病変は、顔、耳、首、頭皮、胸部、手の甲、前腕、唇などの、日光に曝されたいかなる範囲にも出現することがある。一部の例では、生検が必要となる場合もある。
【0152】
[0125]本明細書では、がんを有する患者を、がん治療に感受性にする方法であって、がんを有する患者に、治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法も記載する。多くのがん患者が、このような感作方法の恩恵を受けることになるが、というのは、特に、いくつかのがんタイプは、抗がん投薬計画に抗療性および/または抵抗性になることが知られているためである。これにはしばしば、治療の攻撃性を増すことが必要となり、残念なことに、治療の不快な副作用も増加する。あるいは、このために、抵抗性を克服する試みにおいて投薬計画が切り替えられる場合もある。前立腺がんおよび頭頸部がんは、一次がん治療に抵抗性になることが知られている2種のがんである。さらに、ある特定のがん治療に対する抵抗性の増大は、がん細胞中のインターロイキン、特にIL−6の相対レベルと関連付けられる。IL−6の相対レベルを求める方法は、以下の実験においてさらに述べる。意外にも、本発明者らは、CSAが、細胞中のIL−6のレベルを低減および/または下向き調節しうることを発見した。したがって、またIL−6と抗がん療法に対する抵抗性との関係を考えると、がんを有し、治療を受けている患者にCSAを投与することは、治療に対するがんの感受性を増大させ、治療の成功の見込みを増大させる新規な方法となる。一部の実施形態では、CSAは、がん治療の間または前に投与される。他の実施形態では、CSAは、2回のがん治療の間に投与される。一部の実施形態では、患者は、前立腺がんを有する。一部の実施形態では、患者は、ホルモン抵抗性前立腺がんを有する。一部の実施形態では、患者は、頭頸部(「HNC」)がんを有する。一部の実施形態では、患者は、放射線抵抗性がんを有する。一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩によって、がんにおけるインターロイキンのレベルが低減される。一部の実施形態では、インターロイキンは、インターロイキン6(「IL−6」)である。一部の実施形態では、IL−6レベルの低下によって、治療に対する患者のがんが増加する。一部の実施形態では、治療は、放射線である。他の実施形態では、治療は、化学療法薬である。一部の実施形態では、がん治療に対する感受性は、IL−6レベルの低下に関連した量だけ増大する。他の実施形態では、感受性は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、755、80%、85%、90%、95%、99%、99.9%、99.99%、またはおよそ前述の数のいずれか、または前述の数のいずれか2つを境界とする範囲だけ増大する。
【0153】
[0126]一部の実施形態では、がんは、白血病もしくは血液のがん、非小細胞肺がん、結腸がんもしくは消化管のがん、CNSがん、皮膚がん、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、骨がん、骨起源のがん、血液系がん、または多発性骨髄腫である。他の実施形態では、皮膚がんは、黒色腫である。一部の実施形態では、がんは、口腔がんである。口腔がんを治療する、その発生を予防する、または感受性にするとき、CSAは、場合により、マウスウォッシュまたはマウスリンス製剤として投与される。マウスウォッシュまたはマウスリンスの調製に適する製剤について、本明細書においてより詳細に述べる。
【0154】
[0127]本明細書では、特定のタイプのがんについて患者を治療する、予防する、または治療に感受性にする方法も記載する。一部の実施形態では、特定のタイプのがんは、多発性骨髄腫である。多発性骨髄腫は、血漿細胞の血液系腫瘍であり、2番目に一般的な血液系腫瘍である。本明細書に記載の一部の実施形態は、1種または複数のCSAの投与によって、血液系腫瘍について患者を治療する、予防する、および/または治療に感受性にする方法を対象とする。一部の実施形態は、1種または複数のCSAの投与によって、多発性骨髄腫について患者を治療する、予防する、および/または治療に感受性にすることを特に対象とする。
【0155】
[0128]多発性骨髄腫において、臨床症状発現は、モノクローナル免疫グロブリンをしばしば過度に産生する、骨髄中の悪性血漿細胞が進行性に蓄積されるのに続いて起こることが多い。多発性骨髄腫の典型的な徴候および症状としては、高カルシウム血症、貧血、腎機能不全、溶解性骨疾患、過粘稠度および再発性感染症が挙げられる。一部の実施形態では、多発性骨髄腫の1つまたは複数の徴候または症状を治療するために、1種または複数のCSAを投与する。多発性骨髄腫は、疾患それ自体によって、また、治療の伝統的な主軸をなしている免疫抑制療法(たとえば、細胞傷害性化学療法およびコルチコステロイド)の結果としてもたらされる、顕著な免疫調節不全とも関連付けられる。感染症は、多発性骨髄腫を有する患者における死亡の主因である。一部の実施形態では、多発性骨髄腫を治療し、またはその拡散を予防するために、1種または複数のCSAを投与する。一部の実施形態では、CSAの投与によって、疾患の転移拡散のリスクが低減される。一部の実施形態では、CSAの投与によって、がん患者における疾患の転移性拡散が低減される。一部の実施形態では、CSAの投与によって、がん患者における感染のリスクが低減される。一部の実施形態では、CSAの投与によって、がん患者における感染症が治療される。一部の実施形態では、1種または複数のCSAを、多発性骨髄腫の治療の補助的療法として投与する。
【0156】
[0129]一部の実施形態は、多発性骨髄腫を有する患者を、免疫抑制療法で治療する必要を減らす、またはなくすことを対象とする。免疫抑制療法(たとえば、細胞傷害性化学療法、およびデキサメタゾンや他のコルチコステロイドなどのコルチコステロイド)は、多発性骨髄腫において、事実上ありとあらゆる活性治療薬併用の主軸をなしてきた。しかし、デキサメタゾンは、単剤抗多発性骨髄腫活性を軽度に有するだけであり、速やかに抵抗性が現れるのが一般的である。その上、コルチコステロイド投与によって、すでに脆弱な患者集団では、免疫抑制、ならびに感染、白内障、高血圧、グルコース不耐性、および骨粗鬆症のリスクを始めとする、実質的な毒性および副作用が促進される。さらに、コルチコステロイドは、(標準の臨床業務により)組み合わせて与えると、免疫調節薬(IMID)の好都合な免疫調節特性を打ち消すこともある。したがって、CSAをIMID(すなわち、レナリドミドまたはポマリドミド)を組み合わせることは、多発性骨髄腫治療のための魅力的な実施形態となる。
【0157】
[0130]自家幹細胞移植(aSCT)を伴う高用量化学療法(HDC)は、依然として、多発性骨髄腫の適格患者のための標準治療である。この手法は、多発性骨髄腫の患者の無進行生存、およびことによると全生存を向上させることが示されているが、しかし、aSCTは、治癒的でない。HDCが投与されると、少なくとも40%という熱性好中球減少症の発生率を伴った顕著な骨髄抑制の期間が誘発される。感染症は、aSCTを受けている多発性骨髄腫の患者における死亡の主因である。aSCT後の免疫抑制の期間におけるCSA、特に抗感染活性を有するCSAの投与は、両方が貢献する抗多発性骨髄腫効果を強化するだけでなく、同時に感染と闘うことにより、標準治療にかなりの恩恵をもたらす。
【0158】
[0131]したがって、一部の実施形態は、がん患者に、患者へのコルチコステロイドの投与なしでCSAを投与することを対象とする。一部の実施形態では、患者にデキサメタゾンを与えない。一部の実施形態は、がん患者に、免疫抑制薬の投与なしでCSAを投与することを対象とする。当業者には、免疫抑制薬を含めた、多発性骨髄腫の治療のために使用および/または投与される種々の医薬が十分に承知されている。
【0159】
[0132]一部の実施形態において、特に、患者が骨がん、骨起源のがん、血液系がん、または多発性骨髄腫の治療を受けるとき、CSAは、アジュバントとして作用するように投与される。アジュバントは、第二のCSA、抗がん化合物もしくは療法、または免疫抑制療法でよい別の薬剤の効果を修正する薬剤であると理解される。一部の実施形態では、CSAは、抗がん化合物もしくは療法、または免疫抑制療法の代替手段として、特に、デキサメタゾンなどのコルチコステロイドの代替手段として投与される。
【0160】
[0133]一部の実施形態では、CSAは式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩である
【0162】
[式中、
環A、B、CおよびDは、独立に、飽和または完全もしくは部分的不飽和であり、但し、環A、B、CおよびDの少なくとも2つは飽和であり、m、n、pおよびqは、独立に0または1であり、R
1からR
4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16およびR
18は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヒドロキシアルキル、置換または非置換アルキルオキシアルキル、置換または非置換アルキルカルボキシアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノアルキル、置換または非置換ハロアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アミノアルキルオキシアルキル、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルカルボキサミド、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換アジドアルキルオキシ、置換または非置換シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、置換または非置換グアニジノアルキルオキシ、置換または非置換第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および置換または非置換グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q
5は、任意のアミノ酸の側鎖(グリシンの側鎖、すなわちHを含む)であり、P.G.は、アミノ保護基であり、R
5、R
8、R
9、R
10、R
13、R
14およびR
17は、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR
5、R
8、R
9、R
10、R
13およびR
14は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヒドロキシアルキル、置換または非置換アルキルオキシアルキル、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ハロアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、アジドアルキルオキシ、シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、グアニジノアルキルオキシ、およびグアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.は、アミノ保護基であり、
但し、R
1〜4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16、R
17およびR
18の少なくとも2つまたは3つは、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アルキルカルボキシアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノアルキル、置換または非置換アミノアルキルオキシアミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルカルボキシアミド、第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、アジドアルキルオキシ、シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換グアニジノアルキルオキシ、および置換または非置換グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される]。
【0163】
[0134]一部の実施形態では、R
1からR
4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16およびR
18は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)ヒドロキシアルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルオキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)ハロアルキル、置換または非置換C
2〜C
6アルケニル、置換または非置換C
2〜C
6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキサミド、置換または非置換ジ(C
1〜C
22アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C
1〜C
22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q
5は、任意のアミノ酸の側鎖(グリシンの側鎖、すなわちHを含む)であり、P.G.は、アミノ保護基であり、R
5、R
8、R
9、R
10、R
13、R
14およびR
17は、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR
5、R
8、R
9、R
10、R
13およびR
14は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)ヒドロキシアルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルオキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換(C
1〜C
22)ハロアルキル、置換または非置換(C
2〜C
6)アルケニル、置換または非置換(C
2〜C
6)アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換ジ(C
1〜C
22アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C
1〜C
22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q
5)−C(O)−O−、置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルオキシ、および(C
1〜C
22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.は、アミノ保護基であり、但し、R
1〜4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16、R
17およびR
18の少なくとも2つまたは3つは、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アルキルアミノ−(C
1〜C
22)アルキルアミノ(C
1〜C
22)アルキルアミノ、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ(C
1〜C
22)アルキル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルオキシ(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C
1〜C
22)アミノアルキルカルボキシアミド、置換または非置換(C
1〜C
22)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、置換または非置換ジ(C
1〜C
22アルキル)アミノアルキル、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−O−、H
2N−HC(Q
5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C
1〜C
22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C
1〜C
22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルオキシ、および置換または非置換(C
1〜C
22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される。
【0164】
[0135]一部の実施形態では、R
1からR
4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16およびR
18は、水素、ヒドロキシル、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、オキソ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、R
5、R
8、R
9、R
10、R
13、R
14およびR
17は、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR
5、R
8、R
9、R
10、R
13およびR
14は、水素、ヒドロキシル、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、オキソ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、但し、R
1〜4、R
6、R
7、R
11、R
12、R
15、R
16、R
17およびR
18の少なくとも2つまたは3つは、水素、ヒドロキシル、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、オキソ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される。
【0165】
[0136]一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、式(IA)の化合物から選択される。
【0167】
[0137]一部の実施形態では、環A、B、CおよびDは、独立に、飽和である。
【0168】
[0138]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12およびR
18は、水素、非置換(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ−(C
1〜C
18)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキル、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
18)アルキル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
18アルキル)アミノアルキル、非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
8、R
9、R
10、R
11、R
13、R
14、R
15、R
16およびR
17は、水素および非置換(C
1〜C
6)アルキルからなる群から独立に選択される。
【0169】
[0139]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12およびR
18は、水素、非置換(C
1〜C
6)アルキル、非置換(C
1〜C
6)ヒドロキシアルキル、非置換(C
1〜C
16)アルキルオキシ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
16)アルキルカルボキシ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
5)アルキル、(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
5)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
16)アルキルアミノ−(C
1〜C
5)アルキルアミノ、非置換(C
1〜C
16)アミノアルキル、非置換アリールアミノ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
16)アミノアルキルオキシ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C
1〜C
5)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C
1〜C
5アルキル)アミノ−(C
1〜C
5)アルキル、非置換(C
1〜C
5)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C
1〜C
16)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C
1〜C
16)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される。
【0170】
[0140]一部の実施形態では、R
1、R
2、R
4、R
5、R
6、R
8、R
10、R
11、R
14、R
16およびR
17は、それぞれ水素であり、R
9およびR
13は、それぞれメチルである。
【0171】
[0141]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12およびR
18は、アミノアルキルオキシ、アミノアルキルカルボキシ、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルアルキル、ジ(アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボキシアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から独立に選択される。
【0172】
[0142]一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は、アミノアルキルオキシおよびアミノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、R
18は、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、ジ(アルキル)アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルキオキシカルボニルアルキル、およびアルキルカルボキシアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から選択される。
【0173】
[0143]一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は同じである。一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は、アミノアルキルオキシである。一部の実施形態では、R
3、R
7およびR
12は、アミノアルキルカルボキシである。一部の実施形態では、R
18は、アルキルアミノアルキルである。一部の実施形態では、R
18は、アルコキシカルボニルアルキルである。一部の実施形態では、R
18は、ジ(アルキル)アミノアルキルである。一部の実施形態では、R
18は、アルキルカルボキシアルキルである。一部の実施形態では、R
18は、ヒドロキシアルキルである。
【0174】
[0144]一部の実施形態では、R
3、R
7、R
12、およびR
18は、アミノ−C
3−アルキルオキシ、アミノ−C
3−アルキル−カルボキシ、アミノ−C
2−アルキルカルボキシ、C
8−アルキルアミノ−C
5−アルキル、C
8−アルコキシ−カルボニル−C
4−アルキル、C
10−アルコキシ−カルボニル−C
4−アルキル、C
8−アルキル−カルボニル−C
4−アルキル、ジ−(C
5−アルキル)アミノ−C
5−アルキル、C
13−アルキルアミノ−C
5−アルキル、C
6−アルコキシ−カルボニル−C
4−アルキル、C
6−アルキル−カルボキシ−C
4−アルキル、C
16−アルキルアミノ−C
5−アルキル、C
12−アルキルアミノ−C
5−アルキル、およびヒドロキシ(C
5)アルキルからなる群から独立に選択される。
【0175】
[0145]一部の実施形態では、m、n、およびpは、それぞれ1であり、qは、0である。
【0176】
[0146]一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、式(IB)の化合物から選択される。
【0178】
[0147]一部の実施形態では、CSAまたは薬学的に許容されるその塩は、以下のものからなる群から選択される。
【0181】
[0148]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0184】
[0149]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0187】
[0150]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0190】
[0151]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0193】
[0152]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0196】
[0153]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0199】
[0154]一部の実施形態では、式(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0202】
[0155]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0205】
[0156]一部の実施形態では、式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、
【0207】
である。
薬学的に許容される塩
[0157]本明細書で開示する化合物および組成物は、場合により、薬学的に許容される塩として調製される。本明細書で使用する用語「薬学的に許容される塩」は、広い用語であり、当業者にその通常および通例の意味を与え、(特別または特化された意味に限定されない)ものであり、限定なしで、これが投与される生物に相当な刺激を引き起こさず、化合物の生物学的活性および性質を損なわない、化合物の塩を指す。一部の実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。薬学的塩は、化合物を、ハロゲン化水素酸(たとえば、塩化水素酸や臭化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と反応させて得ることができる。薬学的塩は、化合物を、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸またはスルホン酸などの有機酸、たとえば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、またはナフタレンスルホン酸と反応させて得ることもできる。薬学的塩は、化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、たとえば、リチウム、ナトリウム、またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、たとえば、カルシウム、マグネシウム、またはアルミニウム塩、有機塩基、たとえば、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C
1〜C
7アルキルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミンの塩、およびアミノ酸、たとえば、アルギニンおよびリシンとの塩、または無機塩基、たとえば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムの塩などの塩を生成して得ることもできる。
【0208】
[0158]一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、一塩酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩、または四塩酸塩である。薬学的に許容される塩の追加の例としては、硫酸付加塩およびスルホン酸付加塩が挙げられる。1,5−ナフタレンジスルホン酸は、特に有用なスルホン酸付加塩である。
同時投与:
[0159]本明細書で使用するとき、「共投与」とは、同時に、またはある物質を投与した後、24時間、20時間、16時間、12時間、8時間、4時間、1時間、30分、15分、5分、1分、前述の数のいずれか2つを境界とする範囲内、および/またはおよそ前述の数のいずれかのうちに第二の物質の投与を開始することを意味する。
【0209】
[0160]一部の実施形態では、1種または複数のCSAが共投与される。他の実施形態では、CSAの共投与は、その治療利益になる。一部の実施形態では、共投与は、同時である。
【0210】
[0161]一部の実施形態では、非CSA化学療法薬が患者に投与される。一部の実施形態では、非CSA化学療法薬は、共投与される。このような化学療法薬としては、限定はしないが、規制機関が承認する化学療法薬が挙げられる。一部の実施形態では、規制機関は、食品医薬局(FDA)である。
【0211】
[0162]一部の実施形態では、非CSA化学療法薬は、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、ヌクレオチド類似体、ペプチド抗生物質、白金系薬剤、レチノイド、およびビンカアルカロイドからなる群から選択される。そのような薬剤は、当業界で知られている。たとえば、アクチノマイシン、オールトランスレチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビン。
【0212】
[0163]がん細胞の多剤抵抗性は、奏功する化学療法の妨げとなりかねない。細胞から薬物を除去しうるABCトランスポーターを始めとして、薬剤抵抗性の種々の機序が知られている。排出ポンプ阻害剤は、がんにおいて過剰発現される場合があり、薬剤抵抗性に寄与する。CSA治療薬を、有効量の排出ポンプ阻害剤、たとえばABCトランスポーター阻害剤(たとえば、ABCG2)と共投与することは、特に企図される。たとえば、ヒトカテリシジンまたは他のカテリシジンをCSAと併せて投与すれば、ABCG2などの排出ポンプ活性によってもたらされる薬剤抵抗性をより有効に治療し、それによって、がん細胞を化学療法に感受性にすることができる。加えて、他のいずれかの感作薬も使用できる。
【0213】
[0164]一部の実施形態では、1種または複数のCSAは、細胞膜を透過するように共投与される。このような透過によって、排出ポンプの影響を克服することにより、がん細胞を化学療法に感受性にし、治療レベルの抗がん薬が細胞に蓄積されるのを可能にすることができる。このような共投与では、低用量の抗がん薬の使用が可能になり、その結果、有害な副作用が最小限に抑えられることもある。一部の実施形態では、抗がん薬もCSAである。他の実施形態では、単一のCSAが投与され、抗がんと細胞透過の両方の効果を担う。
【0214】
[0165]多くのがん療法は、免疫抑制性でもあり、現行のがん療法の一般的な副作用は、感染である。一部の実施形態では、がん治療の際の感染を予防し、または最小限に抑えるために、1種または複数のCSAを共投与する。このような作用は、がん細胞に対する他の有益な作用に加わるものでよい。一部の実施形態では、1種または複数のCSAが共投与される結果、効果は、患者の免疫系の上向き調節となり、それによって、患者が、CSAの投与から間接的にがんを抑え込むことが可能になる。一部の実施形態では、1種または複数のCSAが共投与される結果、CSAは、がん細胞に対して直接傷害性にならないが、患者の免疫状態を改善して、患者ががんを抑え込む助けとなり、かつ/または転移を予防する助けともなる。一部の実施形態では、同じCSAが、抗がんと抗感染の両方の効果を担う。他の実施形態では、同じCSAが、抗がん効果と、患者の免疫系の上向き調節の両方を担う。
【0215】
[0166]一部の実施形態では、がん治療の1つまたは複数の副作用を緩和するために治療薬を投与する。一部の実施形態では、投与は、同時である。非限定的な一例として、一部の実施形態では、抗悪心/嘔吐医薬を投与する。そのような医薬は、当業界で知られており、アルプラゾラム、アプレピタント、デキサメタゾン、ジフェンヒドラミン、ドラセトロン、ドロナビノール、グラニセトロン、ハロペリドール、ロラゼパム、メトクロプラミド、ナビロン、オンダンセトロン、オランザピン、パロノセトロン、プロクロルペラジン、およびプロメタジンが挙げられる。
【0216】
[0167]一部の実施形態では、がんの1つまたは複数の症状を緩和するために治療薬を投与する。一部の実施形態では、投与は、同時である。症状の非限定的な例としては、疼痛、食欲喪失、およびうつ病が挙げられる。こうした症状を緩和する医薬は、当業界で知られており、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェンなどの非オピオイド、モルヒネ、フェンタニル、ヒドロモルフォン、オキシコドン、コデインなどのオピオイド、プレドニゾンやデキサメタゾンなどのステロイド、ならびに、刺痛または灼熱痛に、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、デシプラミンなどの抗うつ薬、およびカルバマゼピン、ギャバペンチン、フェニトインなどの抗けいれん薬が挙げられる。
【0217】
[0168]一部の実施形態では、CSAは、がんまたは抗がん療法の結果として生じる1つまたは複数の後続状態を治療するために投与する。たとえば、一部の実施形態では、後続状態を治療し、予防し、またはその発生率を減少させるために、患者にCSAが投与される。後続状態には、限定はしないが、慢性リンパ球性白血病の治療または予防、非ホジキンリンパ腫または濾胞性非ホジキンリンパ腫の治療または予防、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療または予防、骨髄異形成症候群の治療または予防、マントル細胞リンパ腫の治療または予防、骨髄増殖性新生物と関連する骨髄線維症および貧血(特に、赤血球輸血依存的である患者において)の治療または予防、皮膚T細胞リンパ腫の治療または予防、骨髄移植を受けている患者における移植片対宿主病の治療または予防、反応性らい腫性ハンセン病の治療および維持、マイコバクテリア感染、詳細には、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)および非結核性マイコバクテリア感染の治療または予防、特に(重度または末期的に免疫無防備状態の患者などの)免疫無防備状態の患者における重症再発性アフタ性口内炎の治療または予防が含まれる。
【0218】
[0169]一部の実施形態では、治療方法は、有効量の少なくとも2種の異なる治療物質の投与をさらに含む。一部の実施形態では、1種の治療薬が抗がん薬であり、第二の治療薬が、1つまたは複数の抗がんまたは抗感染活性を有する。一部の実施形態では、投与は、同時である。他の実施形態では、投与は、順次である。一部の実施形態では、有効量の少なくとも2種の異なる治療物質が投与される。一部の実施形態では、両方の治療物質がCSAである。一部の実施形態では、CSAである第1の治療物質が投与され、非CSA抗生物質である第二の治療物質が投与される。一部の実施形態は、有効量の少なくとも2種の異なる治療物質の投与をさらに含み、第一の治療物質は、抗がん活性を有するCSAであり、第二の治療物質は、アミノグリコシド、アンサマイシン、カルバセフェム(carbacephem)、カルバペネム、セファロスポリン、糖ペプチド、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、モンバクタム(monbactam)、ニトロフラン、オキサゾリドノン(oxazolidonone)、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、スルホンアミド、およびテトラサイクリンからなる群から選択される抗生物質である。一部の実施形態では、第一の治療物質は、CSAであり、第二の治療物質は、トブラマイシン、コリスチン、アズトレオナム、シプロフロキサシン、アジスロマイシン、エリスロマイシン、またはバンコマイシンである。一部の実施形態では、第一の治療物質は、CSAであり、第二の治療物質は、抗真菌薬である。一部の実施形態では、抗真菌薬は、「アゾール」抗真菌薬である。一部の実施形態では、第一の治療薬は、抗がん活性を有するCSAであり、第二の治療薬は、抗感染および抗病原活性を有するCSAであり、抗感染または抗病原活性は、抗真菌、抗寄生虫、抗生物、または抗ウイルス活性である。
【0219】
[0170]一部の実施形態は、患者に相応しい治療を特定するためのコンパニオン診断の使用を対象とする。コンパニオン診断は、該当する治療製品の安全で有効な使用に不可欠である情報を提供する、in vitro診断試験またはデバイスである。このような試験またはデバイスによって、特定の治療製品を用いた治療の結果として有害な反応が出るリスクのあることが見込まれる患者を特定することができる。このような試験またはデバイスによって、治療に対する応答性をモニターする(または実行可能な治療に対する応答性を予測する)こともできる。このようなモニタリングには、治療薬のスケジュール、用量、中断、または組合せを含めることができる。一部の実施形態では、CSAは、患者においてバイオマーカーを測定することにより選択される。バイオマーカーという用語は、限定はしないが、遺伝子調節、タンパク質レベル、RNAレベル、および細胞傷害性などの細胞応答を包含する。一部の実施形態では、1種または複数の化学療法薬は、患者からのサンプルをコンパニオン診断デバイスにかけることによって選択される。一部の実施形態では、サンプルは、組織サンプルである。他の実施形態では、組織サンプルは、治療されるがんを代表するものある。一部の実施形態では、組織サンプルは、治療されるがんの一部分を含んでいる。一部の実施形態では、組織サンプルは、がん性でない。
医薬組成物
[0171]本明細書に記載の化合物は、単独で投与することが可能であるが、化合物を医薬組成物として製剤することが好ましい場合もある。そのため、さらに別の態様では、開示する実施形態の方法および使用において有用な医薬組成物を提供する。より詳細には、本明細書に記載の医薬組成物は、特に、骨疾患および/または破断骨の治療または予防に有用となりうる。医薬組成物は、状態を治療し、または寛解させるために、対象にin vitroもしくはin vivoまたは両方で投与することのできる任意の組成物である。好ましい実施形態では、医薬組成物は、in vivoで投与することができる。対象としては、1種または複数の細胞もしくは組織、または生物を挙げることができる。例となる一部の実施形態では、対象は動物である。一部の実施形態では、動物は哺乳動物である。哺乳動物は、一部の実施形態では、ヒトまたは霊長類でよい。哺乳動物には、非限定的な例として、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ、バッファロー、ネコ、イヌ、ラット、マウス、ヒトなど、いかなる哺乳動物も含まれる。
【0220】
[0172]本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される」および「生理学的に許容される」とは、投与、in vivo送達、または接触の1つまたは複数の経路に適する、生物学的に適合性のある、気体、液体、もしくは固体の製剤、またはその混合物を意味する。製剤は、その中の活性成分(たとえば、CSA)の活性を破壊しない、または予防もしくは治療効果もしくは利益よりはるかに重い有害な副作用を誘発しないという点で適合性がある。
【0221】
[0173]一実施形態では、医薬組成物は、特定の投与方式および剤形に応じて、担体、溶媒、安定剤、佐剤、希釈剤などの薬学的に許容される賦形剤を用いて製剤することができる。医薬組成物は、一般に、生理学的に適合性のあるpHが実現されるように製剤すべきであり、製剤および投与経路に応じて、pH約3〜pH約11、好ましくはpH約3〜pH約7の範囲でよい。代替実施形態では、pH約5.0〜pH約8の範囲にpHを調整することが好ましい場合もある。より詳細には、医薬組成物は、治療または予防有効量の本明細書で記載する少なくとも1種の化合物と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含むものでよい。場合により、医薬組成物は、本明細書に記載の化合物の組合せを含むものでもよく、または細菌感染の治療または予防に有用な第二の活性成分(たとえば、抗菌剤または抗微生物薬)を含むものでもよい。
【0222】
[0174]たとえば、非経口または経口投与用の製剤は、最も典型的には、固体、液体の溶液、乳濁液、または懸濁液であるが、肺投与用の吸入可能な製剤は、一般に、液体または粉末であり、粉末製剤が一般に好ましい。好ましい医薬組成物は、生理学的に適合性のある溶媒を用いて投与前に戻される、凍結乾燥した固体として製剤することもできる。代替医薬組成物は、シロップ、クリーム、軟膏、錠剤などとして製剤することもできる。クリームが、局所投与に特に適している。
【0223】
[0175]組成物は、1種または複数の賦形剤を含有してもよい。薬学的に許容される賦形剤は、投与する特定の組成物、ならびに組成物の投与に使用する特定の方法によって決まる。したがって、医薬組成物の適切な製剤は、多種多様に存在する(たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciencesを参照のこと)。
【0224】
[0176]適切な賦形剤は、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、不活性ウイルス粒子などの、ゆっくりと代謝される大きな巨大分子を含む担体分子でもよい。例となる他の賦形剤として、アスコルビン酸などの酸化防止剤、EDTAなどのキレート剤;デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などの炭水化物;油、水、食塩水、グリセロール、エタノールなどの液体、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質などが挙げられる。リポソームも、薬学的に許容される賦形剤の定義の範囲内に含まれる。
【0225】
[0177]本明細書に記載の医薬組成物は、目的の投与方式に適するどんな形態に製剤してもよい。たとえば、経口的な使用が意図されるとき、錠剤、トローチ剤、口中錠、水性もしくは油性懸濁液、非水性溶液、分散性粉末もしくは顆粒(微粉化粒子もしくはナノ粒子を含む)、乳濁液、硬もしくは軟カプセル剤、シロップ、またはエリキシルを調製することができる。経口的な使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造について当業界で知られているいずれかの方法に従って調製することができ、そのような組成物は、味のよい調製物にするために、甘味剤、着香剤、着色剤、および保存剤を始めとする1種または複数の薬剤を含有してもよい。
【0226】
[0178]本明細書に記載の医薬組成物は、患者に投与するマウスウォッシュまたはマウスリンスとして製剤してもよい。適切なマウスウォッシュまたはマウスリンスは、参照により本明細書に援用されるWO2013/109236に記載されている。典型的な製剤としては、以下のものが挙げられる。
【0228】
[0179]一部の実施形態では、製剤は、緩衝剤、たとえば、リン酸ナトリウム緩衝剤(たとえば、一塩基性リン酸ナトリウムおよびリン酸二ナトリウム)を含む。一部の実施形態では、製剤は、保水剤を含む。本明細書において有用な保水剤としては、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、低分子量PEGなどの多価アルコール、ポリエチレングリコールやプロピレングリコールなどのアルキレングリコールが挙げられる。種々の実施形態において、保水剤は、泥膏またはゲル組成物が空気に曝されて硬くなるのを防ぐ働きをしうる。種々の実施形態において、保水剤は、甘味剤としても機能する。一部の実施形態では、保水剤は、それぞれ重量で約1〜約40%の量で存在する。一部の実施形態では、保水剤は、ソルビトールである。一部の実施形態では、ソルビトールは、約5〜約25重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、ソルビトールは、約5〜約15重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、ソルビトールは、約10重量%の濃度で存在する。本明細書では、ソルビトールへの言及は、通常は市販品として70%水溶液で入手可能である材料を指す。一部の実施形態では、総保水剤濃度は、約1〜約60重量%である。一部の実施形態では、保水剤は、グリセリンである。一部の実施形態では、グリセリンは、約5〜約15重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、グリセリンの存在は、約7.5重量%の濃度である。一部の実施形態では、保水剤は、プロピレングリコールである。一部の実施形態では、プロピレングリコールは、約5〜約15重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、プロピレングリコールは、約7重量%の濃度で存在する。
【0229】
[0180]一部の実施形態では、製剤は、セルロース系ポリマー、たとえば、ヒドロキシアルキルメチルセルロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルメチルセルロースなど)、カルボキシアルキルメチルセルロース(カルボキシプロピルメチルセルロース、カルボキシブチルメチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、カルボキシエチルプロピルメチルセルロースなど)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロースなど)、アルキルセルロース(プロピルセルロース、ブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロースなど)、カルボキシアルキルセルロース(カルボキシプロピルセルロース、カルボキシブチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルプロピルセルロースなど)、およびこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロースを含む。
【0230】
[0181]一部の実施形態では、製剤は、カラゲナンガム、キサンタンガム、これらの組合せなどのガムポリマーを含む。一部の実施形態では、ガムポリマーは、キサンタンガムを含む。
【0231】
[0182]一部の実施形態は、ポリアクリレートポリマーまたはコポリマー、たとえば、カルボマーを含む。一部の実施形態では、ポリアクリレートポリマーまたはコポリマーは、ポリアルケニルポリエーテルと架橋したアクリル酸のホモおよびコポリマーから選択される。カルボマーとして知られる、アクリル酸の合成高分子量ポリマーは、アリルエーテルペンタエリスリトール、スクロースのアリルエーテル、またはプロピレンのアリルエーテルと架橋したアクリル酸のホモポリマーでよい。カルボマーは、USP分類が「カルボマーホモポリマーA型」である。カルボマーは、水を吸着し、保持し、そのもとの体積の何倍にも膨張する能力を有する。カルボマーコード(910、934、940、941、971、974、および934P)は、ポリマーの分子量および詳細な構成要素の表示である。カルボマーは、Lubrizolおよび他の会社からCarbopol(登録商標)の商品名で市販品として入手可能である。
【0232】
[0183]一部の実施形態では、着香剤を含める場合もある。こうした風味料は、合成の香味油および風味芳香物質(flavoring aromatic)、および/または油、植物、葉、花、果実などから得られる含油樹脂および抽出物、ならびにこれらの混合物から選択することができる。代表的な香味油としては、スペアミント油、ケイヒ油、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、セージ油、および苦扁桃油が挙げられる。こうした着香剤を、個々に、または混合して使用することができる。一般に使用される香料としては、個々に用いられようと、混合して用いようと、ペパーミントなどのハッカ、人工バニラ、ケイヒ誘導体、および種々の果実香料が挙げられる。一般に、National Academy of SciencesによるChemicals Used in Food Processing、publication 1274、63〜258頁に記載のものなどの、いかなる風味料または食品添加物を使用してもよい。通常、風味料は、含まれるなら、0.01〜1重量%で存在する。一部の実施形態では、風味料は、約0.2重量%未満存在してよい。
【0233】
[0184]甘味剤には、天然と人工両方の甘味剤が含まれる。適切な甘味剤としては、単糖、二糖、および多糖、たとえば、キシロース、リボース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、スクロース(砂糖)、マルトースなどの水溶性甘味剤、可溶性サッカリン塩、すなわち、ナトリウムまたはカルシウムサッカリン塩、シクラミン酸塩、ジペプチド甘味剤、たとえば、L−アスパルチル−L−フェニルアラインメチルエステル(アスパルテーム)などのL−アスパラギン酸由来甘味剤などの水溶性人工甘味剤が挙げられる。一般に、特定の組成物に所望される甘味のレベルを提供するのに利用される甘味剤の有効量は、選択された甘味剤によって様々となる。その量は、通常、組成物の約0.001)〜約5重量%未満になる。一部の実施形態では、甘味剤は、サッカリンナトリウムであり、組成物の約0.01重量%で存在する。
【0234】
[0185]錠剤と共に使用するのに特に適する、薬学的に許容される賦形剤としては、たとえば、セルロース、炭酸カルシウムまたはナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはナトリウムなどの不活性希釈剤;架橋ポビドン、トウモロコシデンプン、アルギン酸などの崩壊剤;ポビドン、デンプン、ゼラチン、アカシアなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルクなどの滑沢剤が挙げられる。
【0235】
[0186]錠剤は、コーティングされていなくてもよく、または消化管における崩壊および吸着を遅らせ、それによってより長期間にわたり持続作用を得るためのマイクロカプセル化を含めた既知の技術によってコーティングされていてもよい。たとえば、モノステアリン酸グリセリルやジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を、単独で、または蝋と一緒に用いることができる。
【0236】
[0187]経口的な使用向けの製剤は、活性成分が、不活性固体希釈剤、たとえば、セルロース、ラクトース、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合される、硬ゼラチンカプセル剤、または活性成分が、非水性もしくは油性媒質、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラッカセイ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される、軟ゼラチンカプセル剤の体裁にしてもよい。
【0237】
[0188]別の実施形態では、医薬組成物は、懸濁液の製造に適する少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤が混合された実施形態の化合物を含む懸濁液として製剤してもよい。
【0238】
[0189]さらに別の実施形態では、医薬組成物は、適切な賦形剤を加えて懸濁液を調製するのに適する分散性粉末および顆粒として製剤してもよい。
【0239】
[0190]懸濁液に関連して、使用に適する賦形剤としては、懸濁化剤、たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アカシアゴム、分散または湿潤剤、たとえば、自然発生するホスファチド(たとえば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(たとえば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(たとえば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物(たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、多糖および多糖様化合物(たとえば、硫酸デキストラン)、グリコアミノグリカンおよびグリコサミノグリカン様化合物(たとえば、ヒアルロン酸)、ならびに増粘剤、たとえば、カルボマー、蜜蝋、固形パラフィン、セチルアルコールが挙げられる。懸濁液は、1種または複数の保存剤、たとえば、酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび/またはn−プロピル、1種または複数の着色剤、1種または複数の着香剤、ならびに1種または複数の甘味剤、たとえば、スクロースやサッカリンを含有してもよい。
【0240】
[0191]医薬組成物は、水中油型乳濁液の形態にすることもできる。油相は、オリーブ油やラッカセイ油などの植物油、流動パラフィンなどの鉱油、またはこれらの混合物でよい。適切な乳化剤としては、自然発生するゴム、たとえば、アカシアゴムやトラガカントゴム、自然発生するホスファチド、たとえば大豆レシチン、脂肪酸から導かれるエステルまたは部分エステル、ヘキシトール無水物、たとえば、モノオレイン酸ソルビタン、およびこうした部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。乳濁液は、甘味剤および着香剤も含有してよい。シロップおよびエリキシルは、グリセロール、ソルビトール、スクロースなどの甘味剤を用いて製剤することができる。このような製剤は、粘滑剤、保存剤、着香剤、または着色剤も含有してよい。
【0241】
[0192]加えて、医薬組成物は、注射用滅菌水性乳濁液または油性懸濁液などの注射用滅菌調製物の形態にすることもできる。この乳濁液または懸濁液は、上で言及している適切な分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、既知の技巧に従って製剤することができる。注射用滅菌調製物は、非経口的に許容される非毒性の希釈剤または溶媒中の注射用滅菌溶液または懸濁液、たとえば、1,2−プロパン−ジオール溶液でもよい。
【0242】
[0193]注射用滅菌調製物は、凍結乾燥した粉末として調製することもできる。用いることのできる許容される賦形剤および溶媒の中でも、水、リンガー液、および等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。加えて、滅菌固定油も、溶媒または懸濁媒として用いることができる。この目的では、合成モノまたはジグリセリドを含めた、どんな無刺激固定油を用いてもよい。加えて、オレイン酸などの脂肪酸も、注射剤の調製に同様に使用することができる。
【0243】
[0194]医薬組成物の安定な水溶性投薬形態を得るには、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を、有機酸または無機酸の水溶液、たとえば、コハク酸、またはより好ましくはクエン酸の0.3M溶液に溶解させることができる。可溶性塩形態が利用可能でない場合、適切な共溶媒または共溶媒の組合せに化合物を溶解させることができる。適切な共溶媒の例としては、総体積の約0〜約60%の範囲の濃度の、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリソルベート80、グリセリンなどが挙げられる。一実施形態では、活性化合物をDMSOに溶解させ、水で希釈する。
【0244】
[0195]医薬組成物は、塩形態の活性成分を、水、等張性食塩水、デキストロース溶液などの適切な水性賦形剤に溶かした溶液の形でもよい。また、たとえば、エステル化、グリコシル化、PEG化および複合化などによる、化合物をより送達に適するものにする(たとえば、溶解性、生物活性、嗜好性を高める、不都合な反応を低減するなど)、化学的または生化学的部分での置換または付加によって修飾されている化合物も企図する。
【0245】
[0196]多くの治療薬が、不必要に短い半減期および/または望ましくない毒性を有する。したがって、半減期または毒性を改善する構想は、がん以外の治療および分野に適用できる。しかし、治療薬を生化学的部分と複合化して、このような望ましくない特性を改善することにより、医薬組成物を調製することができる。タンパク質は、広範な適用分野で投与されるCSAと複合化することのできる特定の生化学的部分である。一部の実施形態では、1種または複数のCSAが、感染症治療のためのタンパク質と複合化される。他の実施形態では、1種または複数のCSAが、がん治療のためのタンパク質と複合化される。一部の実施形態では、1種または複数のCSAが、CSAの半減期を延長するタンパク質と複合化される。他の実施形態では、1種または複数のCSAが、CSAの毒性を軽減するタンパク質と複合化される。アルブミンは、CSAとの複合化に特に好ましいタンパク質である。一部の実施形態では、アルブミンは、無脂肪アルブミンである。
【0246】
[0197]CSA治療薬に関して、複合化のための生化学的部分は、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、10、20、50、もしくは100重量当量、または前述の数のいずれか2つを境界とする範囲、またはおよそ前述の数のいずれかとして医薬組成物に加えることができる。一部の実施形態では、アルブミンのCSAに対する重量比は、約18:1以下、たとえば、約9:1以下である。一部の実施形態では、CSAが、アルブミンでコーティングされる。
【0247】
[0198]別法として、または追加として、医薬組成物に非生化学的化合物を加えて、治療薬の毒性を軽減し、かつ/または半減期を改善することもできる。この適用例は、抗がん治療に限定されず、それよりも、感染症またはがんの治療などの、様々な形態の治療に広く適用できる。毒性を改善しうる添加剤の適切な量および比率は、細胞アッセイによって求めることができる。CSA治療薬に関して、毒性軽減化合物は、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、10、20、50、もしくは100重量当量、または前述の数のいずれか2つを境界とする範囲、またはおよそ前述の数のいずれかとして医薬組成物に加えることができる。一部の実施形態では、毒性軽減化合物は、Miranol(登録商標)(ココアンホ二酢酸二ナトリウム)などのココアンホ二酢酸塩である。他の実施形態では、毒性軽減化合物は、両性界面活性剤である。一部の実施形態では、毒性軽減化合物は、界面活性剤である。他の実施形態では、ココアンホ二酢酸塩のCSAに対するモル比は、約8:1〜1:1の間、好ましくは約4:1である。一部の実施形態では、毒性軽減化合物は、アラントインである。
【0248】
[0199]一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、経口投与向けに、低溶解度化合物に適する、脂質主体の製剤に製剤することができる。脂質主体の製剤は、一般に、このような化合物の経口生物学的利用能を強化しうる。
【0249】
[0200]そのようなものとして、医薬組成物は、治療または予防有効量の本明細書に記載の化合物と、中鎖脂肪酸またはそのプロピレングリコールエステル(たとえば、カプリル脂肪酸やカプリン脂肪酸などの食用脂肪酸のプロピレングリコールエステル)、およびポリオキシル40硬化ヒマシ油などの薬学的に許容される界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤とを含む。
【0250】
[0201]好ましい代替実施形態では、水溶解性増強剤としてシクロデキストリンを加えることができる。好ましいシクロデキストリンとして、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシル、およびマルトトリオシル誘導体が挙げられる。特に好ましいシクロデキストリン溶解性増強剤は、上述の組成物のいずれかに加えると、実施形態の化合物の水溶解特性をさらに向上させることのできる、ヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン(BPBC)である。一実施形態では、組成物は、約0.1%〜約20%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、より好ましくは約1%〜約15%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、さらにより好ましくは約2.5%〜約10%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリンを含む。用いる溶解性増強剤の量は、組成物中の実施形態の化合物の量に応じて決まる。
【0251】
[0202]例となる一部の実施形態では、CSAは、多量体(たとえば、二量体、三量体、四量体、またはより高次のポリマー)を含む。例となる一部の実施形態では、CSAは、医薬組成物または製剤に混ぜ込むことができる。このような医薬組成物/製剤は、in vivoまたはex vivoでの対象への投与に有用である。対象に投与するために、医薬組成物および製剤は、担体または賦形剤を含む。
【0252】
[0203]このような製剤としては、医薬としての投与またはin vivoでの接触もしくは送達と適合性のある、溶媒(水性または非水性)、溶液(水性または非水性)、乳濁液(たとえば、水中油型または油中水型)、懸濁液、シロップ、エリキシル、分散および懸濁媒、コーティング、等張剤、および吸収促進または遅延剤が挙げられる。水性および非水性溶媒、溶液、および懸濁液は、懸濁化剤および増粘剤を含んでもよい。このような薬学的に許容される担体として、錠剤(コーティングまたは非コーティング)、カプセル剤(硬または軟)、マイクロビーズ、粉末、顆粒、および結晶が挙げられる。補助的な活性化合物(たとえば、保存剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、および抗真菌剤)を組成物に混ぜ込むこともできる。
【0253】
[0204]共溶媒および佐剤を製剤に加えることもある。共溶媒の非限定的な例は、ヒドロキシル基または他の極性基を含んでいるもの、たとえば、イソプロピルアルコールなどのアルコール;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテルなどのグリコール;グリセロール;ポリオキシエチレンアルコール、およびポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。佐剤としては、たとえば、界面活性剤、たとえば、大豆レシチンおよびオレイン酸;トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタンエステル;ならびにポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0254】
[0205]医薬組成物および/または製剤は、目的の治療効果を実現するのに十分な合計量の(1種または複数の)活性成分を含有する。
【0255】
[0206]用語「包装材料」とは、キットの1つまたは複数の構成要素を収容する物理的構造を指す。包装材料は、構成要素を無菌的に保つことができ、こうした目的に一般的に使用される材料(たとえば、紙、段ボール(corrugated fiber)、ガラス、プラスチック、箔、アンプル、バイアル、管など)でできたものでよい。キットは、場合により無菌的に、複数の構成要素、たとえば、2種以上の化合物を、単独で、または骨形成剤もしくは治療もしくは薬物と組み合わせて収容することができる。
【0256】
[0207]キットは、構成要素(種類、量、用量など)、in vitro、in vivo、またはex vivoでの使用に関する説明、およびその中の他の構成要素についての記載を含む、ラベルまたは挿入物を場合に応じて含む。ラベルまたは挿入物は、「印刷物」、たとえば、紙または厚紙を含み、または構成要素、キット、もしくは梱包材料(たとえば、箱)を分離し、もしくはそれに添付され、またはキットの構成要素を含有するアンプル、管、もしくはバイアルに貼付される。ラベルまたは挿入物には、コンピューターで読み取り可能な媒体、たとえば、ディスク(たとえば、フロッピーディスク、ハードディスク、ZIPディスク)、光学ディスク、たとえば、CD−もしくはDVD−ROM/RAM、DVD、MP3、磁気テープ、または電気記憶媒体、たとえば、RAMおよびROM、またはこれらの混成品、たとえば、磁気/光学記憶媒体、FLASH媒体、メモリ型カードも、追加で含むことができる。
【0257】
[0208]例としてのこれらの実施形態が属する分野の技術者には、組成物が数多くの方法で投与できることが理解されよう。たとえば、投与は、組成物を単純に骨にそのまま適用することを意味する。例となる一部の実施形態では、投与は、腸内、非経口、または局所の場合がある。化合物を場合に応じて製剤することのできる、接触またはin vivo送達のための、例としての他の投与経路として、吸入、呼吸、挿管、肺内滴注、経口(頬側、舌下、粘膜)、肺内、直腸、膣内、子宮内、皮内、局所、真皮内(dermal)、非経口(たとえば、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、眼内、気管支内、および硬膜外)、鼻腔内、くも膜下腔内、関節内、腔内(intracavity)、経皮、イオン泳動、眼科、眼内(optical)(たとえば、角膜)、腺内、臓器内、および/またはリンパ管内が挙げられる。
【0258】
[0209]送達形態は、同質、たとえば、組成物が溶液になる形態でもよいし、または異質、たとえば、組成物がリポソームまたはマイクロスフェア内に含有される形態でもよい。形態によって、速効が生じる場合もあれば、その代わりとしてまたは付加的に、効果の延長が生じる場合もある。たとえば、リポソームもしくはマイクロスフェア、または組成物の放出を延長する他の同様の手段を使用して、組成物が目標領域に触れる期間を延長することができ、カプセル化されていない組成物は、速効ももたらしうる。
【0259】
[0210]一部の実施形態では、組成物または方法は、薬学的に許容される(1種または複数の)デバイス、たとえば、包帯、縫合剤、ガーゼ、粘着性ストリップ、外科用ステープラー、クリップ、止血鉗子、子宮内デバイス、縫合糸、トロカール、カテーテル、管、およびインプラントからのCSAの投与を含む。一部の実施形態では、インプラントは、ピル、ペレット、ロッド、スクリュー、ウェーハ、ディスク、および/またはタブレットである。デバイスは、組成物を所望の期間、目標領域に送達することができる。例となる一部の実施形態では、組成物を医療用具コーティングに混ぜ込んでもよい。一部の実施形態では、コーティングは、0.1重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、50重量%、前述の数字のいずれかの数字付近、および/または前述の数字のいずれか2つを限界とする範囲を含有する。
【0260】
[0211]本開示によるデバイスは、既知の方法に従って調製することができ、ポリマー材料を含むものでよく、またはポリマー材料から作製することができる。一部の例では、ポリマー材料は、吸収性材料となり、他の例では、非吸収性材料となり、または他の例では、再吸収性材料となる。当然のことながら、デバイスは、吸収性、非吸収性、再吸収性材料、およびこれらの組合せを含みうる。
【0261】
[0212]吸収性材料は、合成材料および非合成材料の場合がある。合成吸収性材料としては、限定はしないが、セルロースポリマー、グリコール酸ポリマー、メタクリレートポリマー、エチレンビニルアセテートポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリカプトロラクタム、ポリアセテート、ラクチドとグリコリドのコポリマー、ポリジオキサノン、ポリグラクチン、ポリグレカプロン、ポリグリコネート、ポリグルコネート、およびこれらの組合せが挙げられる。非合成吸収性材料としては、限定はしないが、カットグット、cargile膜、大腿筋膜、ゼラチン、コラーゲン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0262】
[0213]合成非吸収性材料としては、限定はしないが、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、およびこれらの組合せが挙げられる。非合成非吸収性材料としては、限定はしないが、絹、皮膚用絹(dermal silk)、綿、リネン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0263】
[0214]前述のデバイスと担体/賦形剤の組合せも構想する。たとえば、CSAを目標の場所に送達するために、CSAゲルまたは軟膏を、包帯または創傷被覆材に含浸させることができる。別の例としては、移植可能な吸収性デバイスにCSA材料を装填し、所望される期間にわたってデバイスからCSAを放出することができる。持続もしくは制御放出製剤、組成物、またはデバイスを使用してもよい。所望の送達期間は、たとえば、少なくとも約2、3、6、10、12、18、もしくは24時間、または1、2、4、8、12、20、もしくは30日、または1、2、3、4、5、6、もしくはそれ以上の月数、および間のいずれかの値でよい。CSAの送達に使用する物理的形態、およびそのようなデバイスの選択または設計は、多分に当業者の技量の範囲内である。
【0264】
[0215]本方法の実践において他の条件を設けることが望ましい場合もある。たとえば、確実にターゲット領域が十分に酸素化されることが望ましい場合があり、一般に、大気中の酸素が存在することで十分である。所望のレベルの水分および特定の温度を維持することが望ましい場合もあり、一部の実施形態では、温かく、湿った環境が望ましい。必須ではないが、無菌環境を確立または維持することが望ましい場合もある。
【0265】
[0216]加えて、治療上有益な他の薬剤を製剤中に含むことが望ましい場合もある。たとえば、賦形剤または担体が、目標領域において所望の水分レベルを維持するために、保水剤または保湿剤を含むこともある。他の可能性としては、麻酔薬や抗生物質などの、他の所望の効果をもたらす薬物が挙げられる。改めて、可能性は、無制限であり、従業者に委ねられる。例となる一部の実施形態では、組成物は、CSAが役立つことが知られている目的のために、第二のCSAを含んでもよい。
投与量
[0217]製剤は、便宜上、単位剤形として調製または提供することができる。調製技術は、活性成分(たとえば、CSA)と(1種または複数の)医薬担体または(1種または複数の)賦形剤とを混和する(association)ことを含む。一般に、製剤は、活性成分を、液体担体または微粉化した固体担体または両方と、均等かつ十分に混和し、次いで、必要であれば、製品を付形することによって調製する。たとえば、圧縮または成形によって錠剤を製造することができる。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、界面活性もしくは分散剤と場合により混合された、粉末や顆粒などの易流動性の形態の活性成分(たとえば、CSA)を、適切な機械において圧縮することにより調製できる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物(たとえば、CSA)の混合物を、適切な装置において成形することにより製造できる。錠剤は、場合により、コーティングしても、または刻み目を入れてもよく、その中の活性成分の緩徐放出または制御放出がなされるように製剤することができる。
【0266】
[0218]医薬製剤を含めて、化合物(たとえば、CSA)は、投与しやすく、投与量が均等になるので、単位剤形にして包装することができる。本明細書で使用する「単位剤形」とは、単位形式の投与量として、治療を受ける対象に適合させた物理的に別個の単位を指し、各単位は、1または複数の用量で投与したとき、所望の効果(たとえば、予防または治療効果または利益)を生じるように計算された、予め決められた量の化合物を、場合により医薬品担体(賦形剤、希釈剤、賦形剤、または充填剤)と合同で含有する。単位剤形は、投与する化合物(たとえば、CSA)の1日用量または単位、1日部分用量、またはその適切な分割量を含有する場合がある。単位剤形としては、たとえば、カプセル剤、トローチ剤、カシェ剤、口中錠、錠剤、アンプルおよびバイアルも挙げられ、アンプルおよびバイアルは、フリーズドライまたは凍結乾燥した状態の組成物を含むものでよく、たとえば、投与またはin vivo送達の前に、滅菌液体担体を加えることができる。加えて、単位剤形には、たとえば、その中に液体組成物が割り振られたアンプルおよびバイアルも含まれる。単位剤形にはさらに、長期間または短期間、対象の表皮と接触する「パッチ」などの、経皮投与用の化合物も含まれる。個々の単位剤形は、多用量キットまたは容器に含むことができる。医薬製剤は、投与しやすく、投与量が均等になるので、単一または複数の単位剤形にして包装することができる。
【0267】
[0219]化合物(たとえば、CSA)は、単一の大量瞬時投与または複数回用量としての任意の頻度、たとえば、1時間、1日、1週間、1か月、もしくは1年、または約1〜10日、1〜10週、1〜10か月の間、または必要に応じた長さの間に1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上で、本方法に従って投与することができる。例としての頻度は、通常、1日、1週間、または1か月に1〜7回、1〜5回、1〜3回、2回、または1回である。接触、投与、ex vivoまたはin vivo送達の時機は、治療対象となる感染症、病変形成、症状、病理、または有害な副作用によって必然的に決まる場合がある。たとえば、症状もしくは有害な副作用の発症、病変形成、またはワクチン接種と実質的に同時に、またはそれから約1〜60分または約1〜60時間以内に、対象に一定量を投与することができる。長時間作用性医薬組成物は、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて1日2回、1日1回、2日に1回、1週間に3回、1週間に2回、3〜4日毎、または毎週投与することができる。たとえば、一実施形態では、医薬組成物は、1日2回、1日1回、2日に1回、1週間に3回、1週間に2回、および1週間に1回から選択されるスケジュールで患者に投与するために選択された量の本明細書に記載の化合物を含有する。
【0268】
[0220]限定はしないが、化合物を移植、注射、注入、または別な形で局所的に送達する送達技術を含めて、局所的な送達も企図する。局所的な送達は、薬物の全身濃度に対する、所望の作用の部位(たとえば、治療する腫瘍または器官)での薬物の濃度が、より高いことを特徴とする。長時間作用性注射、作用部位への直接の注入、デポー送達形態、制御または持続送達組成物、経皮パッチ、注入ポンプなどを始めとする、よく知られている局所送達形態を使用することができる。CSAはさらに、生分解性もしくは生体内浸食性(bioerodible)材料に混ぜ込むこともでき、または医療用具に投入もしくは装着することもできる。
【0269】
[0221]用量は、治療が治療的であるか予防的であるか、症状の発現、進行、重症度、頻度、存続期間、蓋然性、または感受性、治療の対象となる病変形成の種類、所望の臨床的終点、以前、同期、または後続の治療、対象の全般的な健康、年齢、性別、または人種、生物学的利用能、潜在的な全身、局部、または局所の有害な副作用、対象における他の障害または疾患の存在、および当業者に認識されるところとなる他の要素(たとえば、病歴または家族歴)に応じて様々となりうる。用量の量、頻度、または継続期間は、所望の臨床的成果、感染症の状態、症状または病理、治療または療法の有害な副作用によって示される必要に応じて、増減することができる。当業者なら、予防または治療効果または利益を得るのに十分または有効な量を提供するのに必要となる投与量、頻度、および時機に影響を及ぼしうる要素がわかるであろう。正確な投与量は、治療を必要とする対象に関連した要素に照らして、従業者によって決定される。投与量および投与は、十分なレベルの(1種または複数の)活性薬剤が提供され、所望の効果が維持されるように調整される。本明細書に記載する治療が、疾患を予防し、症状を寛解させ、疾患の進行を緩慢にし、損傷を逆転させ、または疾患を治癒させることを包含することは理解されよう。
【0270】
[0222]投与量は、所望の効果および治療適応症に応じて広い範囲に及びうる。あるいは、投与量は、当業者に理解されているように、患者の表面積を基準とし、それをもとに算出する場合もある。正確な投与量は、個々の薬物に応じて決定されるが、ほとんどの場合、投与量に関しての多少の一般化を行うことはできる。成人患者のための全身1日投薬計画は、たとえば、0.01mg〜3000mgの間、好ましくは1mg〜700mgの間、たとえば5〜200mgの活性成分という経口用量でよい。一部の実施形態では、1日投薬計画は、1mg、5mg、10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、またはおよそ前述の数のいずれか、または前述の数のいずれか2つを境界とする範囲である。投与量は、対象の必要に応じて、単一の投与量でもよいし、または一連の2回以上を1または複数の日数の間に与えるものでもよい。一部の実施形態では、持続的療法の期間の間、たとえば、1週間以上、または数か月間もしくは数年間、化合物を投与する。特定のがんタイプまたは特定の患者に合わせた用量は、ある程度、以下の実施例で示すGI
50、TGI、およびLC
50値に基づいて選択することができる。経口での投薬に特に好ましい製剤としては、錠剤または溶液、特に、静脈内投与に適合した溶液、または経口投与/使用に適した溶液が挙げられる。
【0271】
[0223]化合物のヒト投与量が、少なくともいくつかの条件について確立されている場合では、そうしたいくつかの投与量、またはその確立されたヒト投与量の約0.1%〜500%の間、より好ましくは約25%〜250%の間にある投与量を使用することができる。新たに発見された医薬組成物での場合のように、確立された動物および/またはヒト投与量がない場合では、適切な動物および/またはヒト投与量は、ED
50もしくはID
50値、またはin vitroもしくはin vivo研究から導かれた他の適正な値から、動物における毒性研究および有効性研究によって適格とされたとおりに推測することができる。
【0272】
[0224]薬学的に許容される塩を投与する場合では、投与量は、遊離塩基として算出することができる。当業者に理解されるとおり、ある種の状況では、本明細書で開示する化合物を、特に進行性の疾患または状態を効果的かつ集中的に治療するために、上述の好ましい投与量範囲を上回る、またはなおはるかに上回る量で投与することが必要な場合もある。
【0273】
[0225]投与量の量および間隔は、調節作用の維持に十分である活性部位の血漿レベル、または最小有効濃度(MEC)が得られるように、個々に調整することができる。たとえば、治療投薬量は、0.05μg/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、15μg/mL、20μg/mL、25μg/mL、30μg/mL、35μg/mL、40μg/mL、45μg/mL、50μg/mL、55μg/mL、60μg/mL、65μg/mL、70μg/mL、75μg/mL、80μg/mL、85μg/mL、90μg/mL、95μg/mL、100μg/mL、または前述の数のいずれか2つを境界とする範囲、またはおよそ前述の数および範囲のいずれかである血漿レベルをもたらすものでよい。一部の実施形態では、治療用量は、約0.1μg/mL〜約10μg/mLの範囲にある血漿レベルを確立するのに十分である。他の実施形態では、治療用量は、1μg/mL〜20μg/mLの範囲にある血漿レベルを確立するのに十分である。MECは、各化合物につき様々となるが、in vitroデータから推定することができる。MECを実現するのに必要な投与量は、個々の特徴および投与経路によりけりである。しかし、HPLC検定および生物検定を使用して、血漿濃度を求めることができる。MEC値を使用して、投薬間隔も決定することができる。組成物は、その時間の10〜90%、好ましくは30〜90%の間、最も好ましくは50〜90%の間において、MECを上回る血漿レベルが維持される計画を使用して投与すべきである。局所投与または選択的取込みの場合において、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度と関係がないこともある。
【0274】
[0226]本明細書で開示する化合物は、既知の方法を使用して、有効性および毒性を評価することができる。たとえば、特定の化合物、またはある一定の化学部分が共通する、その化合物の亜集団の毒性学は、哺乳動物、好ましくはヒトの細胞系などの細胞系に対するin vitro毒性を決定することにより確立できる。このような研究の結果は、多くの場合、哺乳動物、またはより詳細にはヒトなどの動物における毒性を予測するものである。別法として、マウス、ラット、ウサギ、サルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性を、既知の方法を使用して求めることができる。特定の化合物の有効性は、in vitro法、動物モデル、ヒト臨床試験など、広く知られているいくつかの方法を使用して確立することができる。有効性を求めるためのモデルを選択するとき、当業者は、現況技術を手引きとして、適切なモデル、用量、投与経路、および/または計画を選択することができる。
【0275】
[0227]本明細書に記載するとおり、実施形態の方法は、疾患状態を治療するために、本明細書に記載する1種または複数の化合物を、1種または複数の追加の治療薬と共に使用することも含む。したがって、たとえば、活性成分の組合せは、(1)同時製剤し、組合せ製剤にして同時に投与もしくは送達してもよいし、(2)別の製剤として交代でもしくは並行して送達してもよいし、または(3)当業界で知られている他のいずれかの併用療法計画によるものとしてもよい。交代療法において送達がなされるとき、本明細書に記載の方法は、活性成分を、たとえば、別個の溶液、乳濁液、懸濁液、錠剤、丸剤、もしくはカプセル剤にして、または別個のシリンジに入った異なる注射によって、順次投与または送達するステップを含むものでよい。一般に、交代療法の際、各活性成分の有効投与量は、順次、すなわち、連続して投与されるのに対し、同時療法では、2種以上の活性成分の有効投与量が一緒に投与される。種々の順序の断続的な併用療法を使用してもよい。
【実施例】
【0276】
CSAの合成:
[0228]本明細書に記載の化合物は、参照により本明細書に援用される米国特許第6,350,738号に記載の方法などの既知の方法によって調製することができる。当業者なら、出発材料および試薬の軽微な変化を利用して、既知および新規の陽イオン性ステロイド抗微生物薬を調製してよいことは容易に理解されよう。たとえば、米国特許第6,350,738号で開示されているCSA−13(化合物133)の調製を使用して、開示されているオクチルアミンでなくヘキサデシルアミンを使用することにより、CSA−92を調製することができる。図式的には、たとえば、ある特定の化合物の調製は、次のように実現することができる。
【0277】
【化33】
【0278】
[0229]上に示したとおり、化合物1−Aを、既知の条件を使用して、メシレートである化合物1−Bに変換する。化合物1−BをHNR
1R
2などの第二級アミンで処理すると、化合物1−Cが生成され、そのアジド官能基を、適切な触媒の存在下、水素ガスで還元すると、化合物1−Dが得られる。適切な触媒としては、パラジウム炭素およびリンドラー触媒が挙げられる。試薬HNR
1R
2は、この反応スキームでは特に限定されない。たとえば、R
1が水素であり、R
2がC
8−アルキルであるとき、CSA−13が合成から得られる。R
1が水素であり、R
2がC
16−アルキルであるとき、CSA−92が合成から得られる。R
1およびR
2が両方ともC
5−アルキルであるとき、CSA−90が合成から得られる。
抗がん活性:
[0230]化合物の抗増殖活性は、国立がん研究所(NCI)検査において明らかにした(Drug.Dev.Res.1995、34、91〜109、J.Natl.Cancer Inst.1990、82、1107〜1112、Drug Dev.Res.1995、34、91〜109)。ある特定の化合物については、およそ60種の異なるヒトがん細胞系の細胞を、100μMから出発する試験化合物の5段階の10倍希釈物と共に48時間インキュベートし、次いで、スルホローダミンB染料で処理した。他の化合物については、およそ60種の異なるヒトがん細胞系の細胞を、10μMの濃度の試験化合物と共に48時間インキュベートした。記録された光学密度の、対照の光学密度に対する比を、試験した化合物濃度の常用対数または(単濃度試験については)成長パーセントの関数としてプロットした。50%の成長百分率より上および下に位置する点の間で内挿を行って、50%成長阻害(GI
50)値を得た。総成長阻害(TGI)および50%致死濃度(LC
50)も、報告した方法を使用して算出した。「−」は、試験せずおよび/または測定せずを意味する。
CSA−13
【0279】
【化34】
【0280】
【表2-1】
【0281】
【表2-2】
【0282】
【表2-3】
【0283】
CSA−44
【0284】
【化35】
【0285】
【表3-1】
【0286】
【表3-2】
【0287】
【表3-3】
【0288】
CSA−90
【0289】
【化36】
【0290】
【表4-1】
【0291】
【表4-2】
【0292】
【表4-3】
【0293】
CSA−92
【0294】
【化37】
【0295】
【表5-1】
【0296】
【表5-2】
【0297】
【表5-3】
【0298】
遺伝子調節活性:
[0231]インターロイキン−6(「IL−6」)は、多発性骨髄腫や前立腺がんなどのがんを始めとする多くの疾患における炎症および自己免疫過程を刺激する。さらに、進行/転移性がん患者は、その血液中のIL−6のレベルが高めである。その結果、調査では、がん患者においてIL−6レベルを低下させることが、ある特定のがんを治療し、かつ/またはある特定のがんを(化学療法や放射線などの)追加の治療に感受性にするのに有用な治療戦略であることが示唆されている。さらに、いくつかの遺伝子は、転移と関連することが知られている(CCL2、CXCR4、およびNFκB)。多発性骨髄腫細胞は、(MCP−1とも呼ばれる)CCL2の受容体であるCCR2を発現させることが知られ、これによって、多発性骨髄腫の骨髄微小環境への遊走が媒介される。多発性骨髄腫細胞は、自己分泌効果のためにCCL2も発現させる。加えて、CXCR4は、多発性骨髄腫病理生物学との関連が示唆されており、それ自体先端療法のターゲットである。さらに、NFκBファミリーメンバーの多型性は、MMの発症ならびに治療成果と関連している。加えて、IL−1β、IL−6、TNF−α、TLR)も、多発性骨髄腫において枢要な役割を果たすことが示されている。
【0299】
[0232]合成セラゲニンCSA−13、44、および90が、がん間葉幹細胞(MSC)と関係のある遺伝子レベルを調節する役割を明らかにするために、SABiosciencesからのターゲットmRNAパネル、およびLonzaからの初代細胞を評価のために選択した。細胞は、Lonza.comから購入し、推奨される培地および培養条件を使用して、各試験について新たに使用した。純度については、処理後、Qiagen RNeasy Mini Kit(登録商標)を使用してmRNAを単離し、NanoDrop 2000(登録商標)を使用し、260nmおよび260/280の比のUVによって、定量化した。創傷治癒経路についての選択された分析については、SABiosciencesのFirst Strand Kit(登録商標)を使用してcDNAを作製し、同じ会社のキットを使用して、実時間PCR用に加工した。分析および経路マッピングについては、q−PCRの結果をSABiosciencesサイトおよびIngenuity.comウェブサイトにアップロードした。初代ヒトMSC細胞は、1日目に、3mlの推奨培地− hMSC基礎培地+BulletKit(成長栄養補助剤50ml、L−グルタミン10ml、およびゲンタマイシン硫酸塩アンホテリシン−B(Amphotercin−B)0.5ml)を含有する6ウェルプレートを使用して、細胞200,000個/ウェルで24時間播いておいた。早期継代の細胞だけを使用し、凍結ストックからは一切使用しなかった。2日目に、溶媒の影響を回避するために1:1000またはそれ以上に希釈したDMSOに溶解させた化合物で細胞を処理した。CSA−13の最終試験濃度は、5.0μMとした。処理を8時間続け、続いてQIAGEN RNeasy Mini Kit(登録商標)(74104)を使用してRNAを単離した。NanoDrop 2000(登録商標)を使用して260/280nmでRNAを測定し、ウェルあたり2.4ngに正規化し、QIAGEN First Strand kit 330401を使用してcDNA調製を行った。q−PCRを絶対的定量として実施し、閾値を0.1単位で設定した。樹状細胞は、500μlのLonza LGM−3完全成長培地を化合物と共に、また化合物なしで含有する24ウェルプレートを使用して、細胞500,000個/ウェルで播いた。処理を8時間続け、続いてQIAGEN RNeasy Mini Kit(登録商標)(74104)を使用してRNAを単離した。NanoDrop2000(登録商標)を使用して260/280nmでRNAを測定し、ウェルあたり2.4ngに正規化し、QIAGEN First Strand kit 330401を使用してcDNA調製を行った。PCRを絶対的定量として実施し、閾値は0.1単位で設定した。こうした実験の結果を、それぞれCSA−13、44、および90について、以下に要約する。
【0300】
【表6】
【0301】
[0233]上記結果は、CSAが、がんと関係のある遺伝子レベル、ならびに多発性骨髄腫、前立腺がん、および子宮頸がんと特に関係のある遺伝子レベルを下向き調節し、かつ/または低下させる能力を明らかに物語っている。したがって、CSAは、単独で、または追加の抗がん薬、がん治療、および抗感染薬と併せて、患者において使用するための、魅力ある新たな化学療法薬となる。さらに、遺伝子レベルを調節する能力は、ほとんどの細菌についての対応する最小阻害濃度より低い濃度で生じる。たとえば、試験では、CSA−13が、ほとんどの細菌に対するその最小阻害濃度(MIC)値の1/10である0.1μg/mLで、NFκBおよびTNF−αの両方に対して強力な抗炎症効果を有することが実証されている。さらに、CSAは、菌耐性が生じるのを防ぐのに特に長けている。他の「標準的な」抗生物質と比べた、CSA菌耐性の見込みを明らかにするために、細菌を連続的にCSA−13に曝し、MIC値を測定した。(実験プロトコールを記載している)Pollard JEら、J.Antimicrob.Chemother.2012、67、2665〜2672を参照されたい。データを以下の表に示す。
【0302】
【表7】
【0303】
追加研究:
[0234]種々の細胞系に対する追加スクリーニングのために、上述の抗がんおよび抗増殖効果にある程度基づき、CSA−13、CSA−90、およびCSA−138を選択した。CSA−138の構造を以下に再現する。
【0304】
【化38】
【0305】
[0235]最初の実験は、MTS細胞生存能アッセイを使用して、CSA−13と多発性骨髄腫細胞RPMI−8226で実施した。こうした実験の結果は、
図1にグラフで表す。事前の細胞作業に基づき、0.1、1、5、10、および20μg/mLのCSA−13濃度を選択した。効果を24時間、48時間、および72時間において評価した。3時点のすべてにおいて、1μg/mL以上の用量で生存能が低下し、明白な用量効果が現れる。したがって、この最初の実験では、多発性骨髄腫がん細胞、詳細にはRPMI−8226細胞系が、CSA−13による治療に感受性があることが示唆される。
【0306】
[0236]CSA−13と多発性骨髄腫細胞系についての上述の結果にある程度基づき、また代表的なCSA(44、90、および92)について細胞傷害性効果を実証する追加のin vitro細胞アッセイを考慮して、CSA13、90、および138を、5種の別個の多発性骨髄腫細胞系(L363、MM1S、OPM2、RPMI、およびU266)に対してスクリーニングにかけた。内因性抗微生物ペプチドであるLL−37も、この細胞系に対してスクリーニングにかけた。この実験についてのMTS細胞生存能アッセイの結果は、
図2に示す。生存能は、24時間、48時間、および72時間において分析しており、
図2には、24時間の時点の結果を示す(48時間および72時間でも同様のデータが得られた)。データは、独立した3つの実験を代表する。1μg/mLおよび10μg/mLのCSA濃度をPBS(リン酸緩衝溶液)のものと比較した。生存能の低下は、ほとんどの細胞系において、3種すべてのCSA化合物に反応して、特に10μg/mLの濃度で認められた。興味深いことに、LL−37についての2つの実験では、生存能に対する効果が認められなかった。
【0307】
[0237]追加の実験は、CSA−138を0.5μg/mLおよび1μg/mLの濃度で使用して実施した。MTS細胞生存能アッセイの24時間、48時間、および72時間における結果を、5種の多発性骨髄腫細胞系について
図3に示す。
【0308】
[0238]MTSアッセイの結果は、トリパンブルー排除を使用した血球計数器での手計数によっても検証した。結果は、
図4にグラフで示す。手計数では、細胞生存能に対するCSAの効果が、MTSアッセイから得られた結果より顕著に示された。興味深いことに、LL−37は、種々の細胞系に対して毒性の影響を及ぼさないように思われたが、調査したCSAでは、72時間曝した後に計数された総細胞の顕著な減少が示された。
【0309】
[0239]種々のCSAが細胞死およびアポトーシスに与える効果は、アネキシンV/PI染色でのフローサイトメトリーを使用して調査した。調査した詳細な細胞系は、多発性骨髄腫細胞系L363、MM1S、OPM2、RPMI、およびU266、ならびに(伝統的には多発性骨髄腫細胞系であるとみなされるが、実際はEBV形質転換B細胞系である)IM9、Jurkat細胞(T細胞)、およびNK92(NK悪性細胞系)であった。細胞は、当初、CSA−13、CSA−90、およびCSA−38(すべてのCSAについて濃度10μg/mL)と共にインキュベートしてから72時間後に評価したが、この時点では本質的に生細胞が認められなかった(データは示さず)。この時点における同様の効果は、CD138(+)に富んだ多発性骨髄腫腫瘍細胞でも認められた(データは示さず)。したがって、より早期の時点でデータを集め、
図5に、インキュベートしてから4時間後の結果を示し、
図6に、インキュベートしてから8時間後の結果を示した。4時間の時点でも、いくつかの細胞系の全域で、細胞死およびアポトーシスの両方が認められた。
【0310】
[0240]フローサイトメトリー分析からの代表的なデータを
図7および
図8に示す。
図9には、移行の一例を、4時間および8時間の時点で、CSA−13について示す。データは、OPM2細胞系についてのものであるが、試験した細胞系の多くで同様の結果が得られた。結果、特に枠で強調した範囲は、CSAに曝された細胞培養物が、より複雑な側方散乱(表面の複雑さ)およびより小さいFSC(より小さい大きさ)を増していく事象を有する集団へと展開することを物語っている。
図7には、L363細胞系に対するCSA−90の代表的データも示す。興味深いことに、4時間および8時間におけるアネキシンV陽性は、アポトーシスを示唆することになるが、短い時間枠を考えると、このデータは、直接の膜弱体化(膜分解(membranolysis)および/または壊死)を表している可能性がある。
図8に、CSA−13、CSA−90、およびCSA−30についての、IM9細胞とインキュベートしてから24時間後の代表的なデータを示す。各プロットにおけるy軸は、PI染色(死細胞)を表し、x軸は、アネキシンV染色(アポトーシス)を表す。データから、CSA−13およびCSA−90によってアポトーシス移行が誘発されているものの、依然としてCSA−138で処理した細胞の約55.2%がPI(+)のみであることが示唆される。
【0311】
[0241]加えて、多発性骨髄腫の患者から骨髄吸引液を取得し、CD138(+)に富んだ多発性骨髄腫初代細胞を、CSA−13、CSA−90、CSA−138、およびLL−37の存在下で12時間培養した。CSAは、1μg/mL(一番左のバー)および10μg/mL(一番右のバー)で調査し、LL−37は、1μg/mLだけで調査し、未処理対照に対する生存能を比較した。MTS細胞生存能アッセイの結果を
図9に示す。CSA−138は、特に10μg/mLの濃度で、細胞生存能に最も大きな効果をもたらすことが認められた。
結論:
[0242]さらに、前述の事項について、明瞭かつ明解にする目的で、実例および実施例を介して多少詳しく述べてきたが、当業者なら、本開示の意図から逸脱することなく、多数および種々の変更形態を作製してよいことは理解されよう。したがって、本明細書で開示する形態は、例示的なものにすぎず、本開示の範囲を限定するものでなく、むしろ、本発明の真の範囲および意図に随伴するすべての変更形態および代替形態も包含するものであることをはっきりと理解すべきである。
本発明の態様
態様1
がんを治療する方法であって、
治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法。
態様2
治療を必要とする患者を特定するステップをさらに含む、態様1に記載の方法。
態様3
がんの発症を予防する方法であって、
治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を、前がん性の細胞もしくは組織または前悪性の細胞もしくは組織を有する患者に投与するステップを含む方法。
態様4
前がん性の細胞もしくは組織または前悪性の細胞もしくは組織を有する患者を特定するステップをさらに含む、態様3に記載の方法。
態様5
前がん性の細胞または組織が、患者の子宮頸部に位置する、態様4に記載の方法。
態様6
前がん性細胞が、顕微鏡によって特定される内皮細胞である、態様4から5のいずれか一項に記載の方法。
態様7
前がん性細胞が、Papスメアによって特定される内皮細胞である、態様4から6のいずれか一項に記載の方法。
態様8
患者が、子宮頸部異形成を有すると特定される、態様4から7のいずれか一項に記載の方法。
態様9
がんが子宮頸がんである、態様3から8のいずれか一項に記載の方法。
態様10
前がん性の細胞または組織が患者の皮膚に位置する、態様4に記載の方法。
態様11
患者が、日光性角化症を有すると特定される、態様10に記載の方法。
態様12
がんが皮膚がんである、態様10から11のいずれか一項に記載の方法。
態様13
CSAまたは薬学的に許容されるその塩が局所投与される、態様3から12のいずれか一項に記載の方法。
態様14
CSAまたは薬学的に許容されるその塩が、投与用のクリームとして製剤化される、態様3から13のいずれか一項に記載の方法。
態様15
がんを有する患者をがん治療に感受性にする方法であって、
治療有効量の少なくとも1種の陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)または薬学的に許容されるその塩を、がんを有する患者に投与するステップを含む方法。
態様16
患者ががん治療を受けている、態様15に記載の方法。
態様17
患者が前立腺がんを有する、態様15または16に記載の方法。
態様18
患者がホルモン抵抗性前立腺がんを有する、態様15から17のいずれか一項に記載の方法。
態様19
患者が頭頸部がんを有する、態様15または16に記載の方法。
態様20
患者が放射線抵抗性がんを有する、態様15から19のいずれか一項に記載の方法。
態様21
CSAによって、がんにおけるIL−6レベルが低減される、態様1から20のいずれか一項に記載の方法。
態様22
CSAが、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩:
【化39】
[式中、
環A、B、CおよびDは、独立に、飽和または完全もしくは部分的不飽和であり、但し、環A、B、CおよびDの少なくとも2つは飽和であり、
m、n、pおよびqは、独立に0または1であり、
R1からR4、R6、R7、R11、R12、R15、R16およびR18は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヒドロキシアルキル、置換または非置換アルキルオキシアルキル、置換または非置換アルキルカルボキシアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノアルキル、置換または非置換ハロアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アミノアルキルオキシアルキル、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルカルボキサミド、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換アジドアルキルオキシ、置換または非置換シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換グアニジノアルキルオキシ、置換または非置換第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および置換または非置換グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖(グリシンの側鎖、すなわちHを含む)であり、P.G.は、アミノ保護基であり、
R5、R8、R9、R10、R13、R14およびR17は、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR5、R8、R9、R10、R13およびR14は、水素、ヒドロキシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヒドロキシアルキル、置換または非置換アルキルオキシアルキル、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ハロアルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、アジドアルキルオキシ、シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、グアニジノアルキルオキシ、およびグアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.は、アミノ保護基であり、
但し、R1〜4、R6、R7、R11、R12、R15、R16、R17およびR18の少なくとも2つまたは3つは、置換または非置換アミノアルキル、置換または非置換アミノアルキルオキシ、置換または非置換アルキルカルボキシアルキル、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アルキルアミノアルキルアミノアルキルアミノ、置換または非置換アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノアルキル、置換または非置換アミノアルキルオキシアミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換アミノアルキルカルボキシアミド、第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、置換または非置換ジ(アルキル)アミノアルキル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、アジドアルキルオキシ、シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換グアニジノアルキルオキシ、および置換または非置換グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される]である、態様1から21のいずれか一項に記載の方法。
態様23
R1からR4、R6、R7、R11、R12、R15、R16およびR18が、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)ヒドロキシアルキル、置換または非置換(C1〜C22)アルキルオキシ−(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)アルキルカルボキシ−(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)アルキルアミノ−(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)アルキルアミノ−(C1〜C22)アルキルアミノ、置換または非置換(C1〜C22)アルキルアミノ−(C1〜C22)アルキルアミノ−(C1〜C22)アルキルアミノ、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アリールアミノ−(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)ハロアルキル、置換または非置換C2〜C6アルケニル、置換または非置換C2〜C6アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルオキシ−(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルカルボキサミド、置換または非置換ジ(C1〜C22アルキル)アミノアルキル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C1〜C22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C1〜C22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換(C1〜C22)グアニジノアルキルオキシ、置換または非置換(C1〜C22)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および置換または非置換(C1〜C22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖(グリシンの側鎖、すなわちHを含む)であり、P.G.は、アミノ保護基であり、
R5、R8、R9、R10、R13、R14およびR17が、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR5、R8、R9、R10、R13およびR14が、水素、ヒドロキシル、置換または非置換(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)ヒドロキシアルキル、置換または非置換(C1〜C22)アルキルオキシ−(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換(C1〜C22)ハロアルキル、置換または非置換(C2〜C6)アルケニル、置換または非置換(C2〜C6)アルキニル、オキソ、第二のステロイドに結合しているリンカー基、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換ジ(C1〜C22アルキル)アミノアルキル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C1〜C22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C1〜C22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換(C1〜C22)グアニジノアルキルオキシ、および(C1〜C22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、Q5は、任意のアミノ酸の側鎖であり、P.G.は、アミノ保護基であり、
但し、R1〜4、R6、R7、R11、R12、R15、R16、R17およびR18の少なくとも2つまたは3つは、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキル、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルオキシ、置換または非置換(C1〜C22)アルキルカルボキシ−(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)アルキルアミノ−(C1〜C22)アルキルアミノ、置換または非置換(C1〜C22)アルキルアミノ−(C1〜C22)アルキルアミノ(C1〜C22)アルキルアミノ、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルカルボキシ、置換または非置換アリールアミノ(C1〜C22)アルキル、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルオキシ(C1〜C22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルアミノカルボニル、置換または非置換(C1〜C22)アミノアルキルカルボキシアミド、置換または非置換(C1〜C22)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、置換または非置換ジ(C1〜C22アルキル)アミノアルキル、H2N−HC(Q5)−C(O)−O−、H2N−HC(Q5)−C(O)−N(H)−、置換または非置換(C1〜C22)アジドアルキルオキシ、置換または非置換(C1〜C22)シアノアルキルオキシ、P.G.−HN−HC(Q5)−C(O)−O−、置換または非置換(C1〜C22)グアニジノアルキルオキシ、および置換または非置換(C1〜C22)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される、
態様1から22のいずれか一項に記載の方法。
態様24
R1からR4、R6、R7、R11、R12、R15、R16およびR18が、水素、ヒドロキシル、非置換(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)ヒドロキシアルキル、非置換(C1〜C18)アルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルカルボキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、非置換(C1〜C18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C1〜C18)アルキル、オキソ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C1〜C18アルキル)アミノアルキル、非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、
R5、R8、R9、R10、R13、R14およびR17が、独立に、環A、B、CもしくはDの1つが不飽和であるとき、その部位の炭素原子の原子価が満たされるように欠損しており、またはR5、R8、R9、R10、R13およびR14が、水素、ヒドロキシル、非置換(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)ヒドロキシアルキル、非置換(C1〜C18)アルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルカルボキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキル、(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、非置換(C1〜C18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C1〜C18)アルキル、オキソ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C1〜C18アルキル)アミノアルキル、非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、
但し、R1〜4、R6、R7、R11、R12、R15、R16、R17およびR18の少なくとも2つまたは3つは、水素、ヒドロキシル、非置換(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)ヒドロキシアルキル、非置換(C1〜C18)アルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルカルボキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、非置換(C1〜C18)アミノアルキル、非置換アリール、非置換アリールアミノ−(C1〜C18)アルキル、オキソ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C1〜C18アルキル)アミノアルキル、非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される、
態様1から23のいずれか一項に記載の方法。
態様25
CSAまたは薬学的に許容されるその塩が、式(IA)の化合物:
【化40】
から選択される、態様1から24のいずれか一項に記載の方法。
態様26
環A、B、CおよびDが、独立に飽和である、態様1から25のいずれか一項に記載の方法。
態様27
R3、R7、R12およびR18が、水素、非置換(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)ヒドロキシアルキル、非置換(C1〜C18)アルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルカルボキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、非置換(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ−(C1〜C18)アルキルアミノ、非置換(C1〜C18)アミノアルキル、非置換アリールアミノ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルオキシ−(C1〜C18)アルキル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C1〜C18)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C1〜C18)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C1〜C18アルキル)アミノアルキル、非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C1〜C18)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C1〜C18)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、
R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R10、R11、R13、R14、R15、R16およびR17が、水素および非置換(C1〜C6)アルキルからなる群から独立に選択される、
態様1から26のいずれか一項に記載の方法。
態様28
R3、R7、R12およびR18が、水素、非置換(C1〜C6)アルキル、非置換(C1〜C6)ヒドロキシアルキル、非置換(C1〜C16)アルキルオキシ−(C1〜C5)アルキル、非置換(C1〜C16)アルキルカルボキシ−(C1〜C5)アルキル、非置換(C1〜C16)アルキルアミノ−(C1〜C5)アルキル、(C1〜C16)アルキルアミノ−(C1〜C5)アルキルアミノ、非置換(C1〜C16)アルキルアミノ−(C1〜C16)アルキルアミノ−(C1〜C5)アルキルアミノ、非置換(C1〜C16)アミノアルキル、非置換アリールアミノ−(C1〜C5)アルキル、非置換(C1〜C5)アミノアルキルオキシ、非置換(C1〜C16)アミノアルキルオキシ−(C1〜C5)アルキル、非置換(C1〜C5)アミノアルキルカルボキシ、非置換(C1〜C5)アミノアルキルアミノカルボニル、非置換(C1〜C5)アミノアルキルカルボキサミド、非置換ジ(C1〜C5アルキル)アミノ−(C1〜C5)アルキル、非置換(C1〜C5)グアニジノアルキルオキシ、非置換(C1〜C16)第四級アンモニウムアルキルカルボキシ、および非置換(C1〜C16)グアニジノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択される、態様1から27のいずれか一項に記載の方法。
態様29
R1、R2、R4、R5、R6、R8、R10、R11、R14、R16およびR17が、それぞれ水素であり、R9およびR13が、それぞれメチルである、態様1から28のいずれか一項に記載の方法。
態様30
R3、R7、R12およびR18が、アミノアルキルオキシ、アミノアルキルカルボキシ、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルアルキル、ジ(アルキル)アミノアルキル、アルキルカルボキシアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から独立に選択される、態様1から29のいずれか一項に記載の方法。
態様31
R3、R7およびR12が、アミノアルキルオキシおよびアミノアルキルカルボキシからなる群から独立に選択され、
R18が、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、ジ(アルキル)アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルキオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボキシアルキル、およびヒドロキシアルキルからなる群から選択される、
態様1から30のいずれか一項に記載の方法。
態様32
R3、R7およびR12が同じである、態様1から31のいずれか一項に記載の方法。
態様33
R3、R7およびR12が、アミノアルキルオキシである、態様1から32のいずれか一項に記載の方法。
態様34
R18が、アルキルアミノアルキルである、態様1から33のいずれか一項に記載の方法。
態様35
R18が、アルコキシカルボニルアルキルである、態様1から33のいずれか一項に記載の方法。
態様36
R18が、ジ(アルキル)アミノアルキルである、態様1から33のいずれか一項に記載の方法。
態様37
R18が、アルキルカルボキシアルキルである、態様1から33のいずれか一項に記載の方法。
態様38
R18がヒドロキシアルキルである、態様1から33のいずれか一項に記載の方法。
態様39
R3、R7およびR12が、アミノアルキルカルボキシである、態様1から38のいずれか一項に記載の方法。
態様40
R18が、アルキルアミノアルキルである、態様1から39のいずれか一項に記載の方法。
態様41
R18が、アルコキシカルボニルアルキルである、態様1から39のいずれか一項に記載の方法。
態様42
R18が、ジ(アルキル)アミノアルキルである、態様1から39のいずれか一項に記載の方法。
態様43
R18が、アルキルカルボキシアルキルである、態様1から39のいずれか一項に記載の方法。
態様44
R18が、ヒドロキシアルキルである、態様1から39のいずれか一項に記載の方法。
態様45
R3、R7、R12およびR18が、アミノ−C3−アルキルオキシ、アミノ−C3−アルキル−カルボキシ、アミノ−C2−アルキルカルボキシ、C8−アルキルアミノ−C5−アルキル、C8−アルコキシ−カルボニル−C4−アルキル、C10−アルコキシ−カルボニル−C4−アルキル、C8−アルキル−カルボニル−C4−アルキル、ジ−(C5−アルキル)アミノ−C5−アルキル、C13−アルキルアミノ−C5−アルキル、C6−アルコキシ−カルボニル−C4−アルキル、C6−アルキル−カルボキシ−C4−アルキル、C16−アルキルアミノ−C5−アルキル、C12−アルキルアミノ−C5−アルキル、およびヒドロキシ(C5)アルキルからなる群から独立に選択される、態様1から44のいずれか一項に記載の方法。
態様46
m、n、およびpが、それぞれ1であり、qが0である、態様1から45のいずれか一項に記載の方法。
態様47
CSAまたは薬学的に許容されるその塩が、式(IB)の化合物:
【化41】
から選択される、態様1から46のいずれか一項に記載の方法。
態様48
CSAまたは薬学的に許容されるその塩が、
【化42-1】
【化42-2】
からなる群から選択される、態様1から47のいずれか一項に記載の方法。
態様49
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化43】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様50
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化44】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様51
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化45】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様52
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化46】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様53
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化47】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様54
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化48】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様55
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化49】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様56
式(III)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化50】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様57
式(IB)の化合物または薬学的に許容されるその塩が、
【化51】
である、態様1から48のいずれか一項に記載の方法。
態様58
薬学的に許容される塩が、塩酸付加塩、硫酸付加塩、またはスルホン酸付加塩である、態様1から57のいずれか一項に記載の方法。
態様59
薬学的に許容される塩が、硫酸付加塩または1,5−ナフタレンジスルホン酸付加塩である、態様1から58のいずれか一項に記載の方法。
態様60
薬学的に許容される塩が、一塩酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩、または四塩酸塩である、態様1から59のいずれか一項に記載の方法。
態様61
非CSA化学療法薬を患者に投与するステップをさらに含む、態様1から60のいずれか一項に記載の方法。
態様62
非CSA化学療法薬が、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、ヌクレオチド類似体、ペプチド抗生物質、白金系薬剤、レチノイド、およびビンカアルカロイドからなる群から選択される、態様61に記載の方法。
態様63
非CSA化学療法薬が、アクチノマイシン、全トランス型レチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンからなる群から選択される、態様62に記載の方法。
態様64
がんが、白血病、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、皮膚がん、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、乳がん、多発性骨髄腫、または口腔がんである、態様1から63のいずれか一項に記載の方法。
態様65
がんが、白血病、非小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、皮膚がん、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、または乳がんである、態様1から64のいずれか一項に記載の方法。
態様66
がんが、消化管のがん、血液のがん、骨がん、骨起源のがん、または血液系がんである、態様1から65のいずれか一項に記載の方法。
態様67
悪心を緩和する化合物を投与するステップをさらに含む、態様1から66のいずれか一項に記載の方法。
態様68
疼痛を緩和する化合物を投与するステップをさらに含む、態様1から67のいずれか一項に記載の方法。
態様69
CSAが
【化52】
でないことを条件とする、態様1から68のいずれか一項に記載の方法。
態様70
がんが多発性骨髄腫である、態様1から69のいずれか一項に記載の方法。
態様71
がんが、ボルテゾミブ抵抗性多発性骨髄腫、再発した多発性骨髄腫、または抗療性の多発性骨髄腫である、態様1から70のいずれか一項に記載の方法。
態様72
がんが口腔がんであり、CSAが、マウスウォッシュまたはマウスリンス製剤として投与される、態様1から69のいずれか一項に記載の方法。
態様73
投与されたCSAによって、患者におけるがんおよび感染の両方が治療または予防される、態様1から71のいずれか一項に記載の方法。
態様74
感染が細菌感染である、態様72に記載の方法。
態様75
細胞増殖を減少させる方法であって、陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)を、CCRF−CEM、HL−60(TB)、K−562、MOLT−4、RPMI−8226、SR、A549/ATCC、EKVX、HOP−62、HOP−92、NCI−H226、NCI−H23、NCI−H322M、NCI−H460、NCI−H522、COLO205、HCC−2998、HCT−116、HCT−15、HT29、KM12、SW−620、SF−268、SF−295、SF−539、SNB−19、SNB−75、U251、LOX IMVI、MALME−3M、M14、SK−MEL−2、SK−MEL−28、SK−MEL−5、UACC−257、UACC−62、IGROV1、OVCAR−3、OVCAR−4、OVCAR−5、OVCAR−8、NCI/ADR−RES、SK−OV−3、786−0、A498l、ACHN、CAKI−1、RXF393、SN12C、TK−10、UO−31、PC−3、DU−145、MCF7、NCI−ADR−RES、MDA−MB−231/ATCC、HS578T、MDA−MB−435、MDA−MB−468、BT−549、およびT−47Dからなる群から選択される細胞と接触させるステップを含む方法。
態様76
次の構造:
【化53】
を有する化合物または薬学的に許容されるその塩。
態様77
薬学的に許容される塩が、塩酸付加塩、硫酸付加塩、またはスルホン酸付加塩である、態様75に記載の化合物。
態様78
薬学的に許容される塩が、四塩酸付加塩または1,5−ナフタレンジスルホン酸付加塩である、態様76に記載の化合物。
態様79
CSAが、患者においてバイオマーカーを測定することにより選択される、態様1から77のいずれか一項に記載の方法。
態様80
バイオマーカーが、CSAに対する細胞応答である、態様78に記載の方法。
態様81
細胞応答が細胞傷害性である、態様79に記載の方法。
態様82
患者からのサンプルをコンパニオン診断デバイスにかけることによって、1種または複数の化学療法薬を選択するステップをさらに含む、態様1から73および78から80のいずれか一項に記載の方法。
態様83
コンパニオン診断デバイスによって、患者におけるバイオマーカーが測定される、態様81に記載の方法。
態様84
バイオマーカーが、1種または複数の化学療法薬に対する細胞応答である、態様82に記載の方法。
態様85
細胞応答が細胞傷害性である、態様83に記載の方法。
態様86
アルブミンまたは界面活性剤と複合化された陽イオン性ステロイド抗微生物薬(CSA)。
態様87
態様22から57において規定したとおりである、態様85に記載のCSA。
態様88
CSAとアルブミンまたは界面活性剤とを含む医薬組成物。
態様89
CSAが、態様22から60において規定したとおりである、態様87に記載の医薬組成物。
態様90
それを必要とする患者においてIL−6レベルを低下させる方法であって、態様22から60において規定したとおりのCSAを投与するステップを含む方法。
態様91
患者ががんまたは前がん性細胞を有する、態様89に記載の方法。
態様92
患者が、前記態様のいずれか一項において規定したとおりのがんまたは前がん性細胞を有する、態様89に記載の方法。