(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラに結合された運転者インタフェースを更に具備しており、前記運転者インタフェースは、前記検出された所定の条件の指示を前記車両の乗員に提供するように構成される、請求項7に記載の装置。
前記車両は、トレーラに結合されたトラクタを具備しており、前記センサユニットは、前記トラクタの前記トレーラへの近接性の近接センサデータを捕捉するように構成された少なくとも1つの近接センサを具備しており、
前記コントローラは、前記近接センサデータに基づいて、前記整流板装置の調整を制御するように構成される、請求項1に記載の装置。
前記コントローラは、前記環境センサデータに基づいて、降雨状態を検知するように構成されるとともに、前記車両の周りの雨のスプレー方向を制御するように、前記少なくとも1つの合成噴流作動器の動作を調整するように構成される、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の様相は、能動的な流れ制御作動器を用いて、移動する非流線形の地上車両における空力抵抗を減少させるための方法及び空気流れ制御装置に関する。例示的な実施形態によれば、装置は、車両に取り外し可能に搭載されるモジュール式作動器構成要素を具備する。作動器構成要素は、それらが搭載される車両から独立(即ち、構造的に独立し且つ機械的に独立)し、車体に対する任意の変更を必要としないかもしれない。
【0010】
例示的な空気流制御装置は、少なくとも1つの合成噴流作動器(synthetic jet actuator)を有する作動器モジュールと、車両の近傍の環境データを捕捉するための少なくとも1つのセンサ及びコントローラを有するセンサユニットとを具備する。コントローラは、環境センサデータと、環境センサデータに基づいて作動器の制御運転(動作電圧振幅と動作電圧周波数とを含む)とを分析するように構成される。作動器モジュールは、空気力学的形状のユニットであり得る。複数の作動器モジュールは、互いに独立して動作し得る。作動器モジュールは、車体に直接取り付けられるか、又は取り付けフレームを介して車体に取り付けられる。別の例によれば、作動器モジュールは、車体に一体化されるか、又は整流板に一体化される。
【0011】
例示的な合成噴流作動器は、コントローラを介した入力電圧信号に応答して、空気の振動流(即ち、合成噴流(synthetic jet))を生成するために、作動器に近接する空気流れを使用する。作動器モジュールは、外部からの空気供給を使用しないので、それらは、車体上の任意の所望の位置に取り付け可能である。作動器モジュール間の間隔、作動器モジュールの数量、及び車体上の各作動器モジュールの位置は変更され得る。従って、空気流れ制御装置は、地上車両の広い範囲に適応可能であり得る。作動器モジュールは、交換可能であり(即ち、車体に取り外し可能に結合される)且つ車体に取り付けられる(車体の一部であることとは反対に)ので、作動器モジュールは、機械的不具合のある場合に容易に交換される。作動器モジュールの数及び位置を変更する能力は、空気流れ制御装置が、ユーザの特定の必要性に適合することを可能にする(及び従って、より多くの空力抵抗の低減を提供する領域の範囲及び程度に関してより多くの制御を可能にする)。
【0012】
対照的に、能動的な流れ制御技術を有する現在の空力抵抗低減装置は、外部から供給された圧縮空気を使用する。現在の装置はまた、車体の中に統合されて中心軸の周りに構築される。流れは、装置の構成要素が互いに依存し且つ互いに影響するような方法で、主要空気供給シャフトの開口を介して生成される。この依存性により、装置全体は、その取り付けにおける制限された柔軟性と限定された環境設定とを有する1つの大きく複雑な物体として作動する。空気供給のための車体における柔軟性及び信頼性のこの欠如は、装置のエネルギ効率を低下させ、その製造の複雑さを増加させ、移動する車体の幅広い範囲に対する装置の適用性を制限し得る。
【0013】
図1Aを参照すると、車両100に搭載された例示的空気流れ制御装置102の機能的ブロック図が示される。装置102は、センサユニット104と、コントローラ106と、動力管理部108と、1つ以上の作動器110と、運転者インタフェース116と、記憶部118とを具備する。装置102は、1つ以上の整流板サーボモータ112と、噴流角度制御整流板装置114とを任意選択的に具備する。
【0014】
車両100は、任意の非流線形状の地上車両を含む(即ち、航空機ではない任意の車両)。車両100は、自動車、列車、トラック、陸上輸送インターモダールコンテナ等を含み得るが、それらに限定されない。トラックは、1つ以上のトレーラを備えるトラクタ又は(タンデム型トレーラのような)トラクタを含み得る。
【0015】
センサユニット104は、車両100の近傍のセンサデータを収集するために、1つ以上の環境センサ120と1つ以上の速度センサ122とを具備する。環境センサ120は、限定するものではないが、例えば、温度センサ、湿度センサ又は降雨センサを含み得る。速度センサ122は、限定するものではないが、速度計又は相対風速センサを含み得る。複数の環境センサ120及び/又は速度センサ122が、車両100上に配置される。
【0016】
センサユニット104はまた、作動器110による機械的な問題及び/又は電気的な問題(短絡等)を確認するために、例えば、限定するものではないが、電流検出器及び/又は歪みゲージ等の1つ以上の診断センサ124を含む。確認された作動器の電気的及び/又は機械的な問題は、運転者インタフェース116を介して運転者に伝達され得る。幾つかの例において、確認された問題は、装置102の動作の停止を引き起こすかもしれない。別の例にでは、確認された問題は、装置102の動作中に自動的に訂正される(又は、少なくとも問題を訂正するための自動的な試みが実施される)。
【0017】
センサユニット104はまた、1つ以上の近接センサ126及び/又は1つ以上の安定性センサ128(例えば、重心センサ、重量センサ又は加速度計等)を任意選択的に具備し得る。例えば、もし車両100がトラクタ・トレーラである場合には、少なくとも一つの近接センサ126は、トレーラのトラクタへの近接性を決定するように使用される。別の例として、もし車両100が、1台より多いトレーラを含む場合には、少なくとも一つの近接センサ126が、トレーラの間の近接性を決定し得る。少なくとも一つの安定性センサ128は、トレーラ本体の動きが、それが不安定になっていることを示すかどうかを判定するように使用され得る。
【0018】
コントローラ106は、抵抗低減制御130及び診断制御を実施するために、センサユニット104からセンサデータを受信する。受信されたセンサデータは、任意選択的な整流板噴流角度制御134、任意選択的な安定性制御136及び/又は任意選択的なスプレー制御138を実行するようにも使用され得る。
【0019】
コントローラ106は、1つ以上のセンサユニット104、動力管理部108、作動器110、任意選択的な整流板サーボモータ112、任意選択的な整流板装置114、及び運転者インタフェース116の動作を制御するように構成される。コントローラ106は、例えば、ロジック回路、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサを具備する。
【0020】
コントローラ106は、車両100の近傍の環境条件に基づいて、作動器110に提供される電気信号の動作電圧振幅及び動作周波数を制御するように、抵抗低減制御130を実行するように構成されている。環境条件を決定するために、コントローラ106は、環境センサ120から受信したセンサデータ、並びに速度センサ122からのセンサデータを使用する。動作周波数及び電圧振幅は、環境条件と、相対的な流れ車両速度と、最適な作動器の電圧及び周波数との間の所定の関係に従って決定され得る。
【0021】
車両100が所定の速度閾値より上で移動する時に、抵抗低減制御130は実行される。車両100の速度を確認するために、コントローラ106は、速度センサ122から受信されたセンサデータを使用する。抵抗低減制御130の説明は、
図8に関連して、以下において更に示される。
【0022】
コントローラ106はまた、装置102の構成要素が正常状態で動作しているかどうかを判定するために、診断制御132を実行するように構成されている。診断制御132に関して、コントローラ106は、条件を予め決定したり、装置102の構成要素による電気的及び/又は機械的な問題を確認したり、又は装置102が正常状態で動作しているかどうかを確認するように、診断センサ124から受信したセンサデータを比較する。運転条件に応じて、コントローラ106は、運転者インタフェース116に対して正常状態か又は不良状態かの指示を提供する。診断制御132は、
図9に関連して以下で更に説明される。
【0023】
コントローラ106は、任意選択的な整流板噴流角度制御134を実行するように構成され得る(装置102が、任意選択的な噴流角度制御整流板装置114を含む場合)。
図3A及び3Bにおいて更に後述するように、整流板装置114は、車両100に回動可能に取り付けられて、それに搭載された1つ以上の作動器110を有する。整流板装置114の姿勢は、例えば、トレーラがトラクタに取り付けられているか否かに基づいて変更される。整流板装置114の姿勢を変更することは、作動器110により出力される合成噴流の噴流角度を変更する(
図6A及び6Bに関連して更に後述される)。整流板装置114の姿勢は手動で変更され得る。別の実施形態によれば、装置102は、整流板噴流角度制御134に基づいて、整流板装置114の姿勢を自動的に変更するように、任意選択的な整流板サーボモータ112を具備する。整流板噴流角度制御134は、
図10に関連して更に後述される。
【0024】
コントローラ106は、任意選択的な安定性制御136を実行するように構成され得る。安定性制御136は、例えば、車両100に取り付けられたトレーラの動き(例えば、トレーラが不安定な状態で移動している場合等)を監視し且つ調整することに役立つ。安定性制御136において、コントローラ106は、安定性センサ128からの安定性センサデータを受信して、車両100の動きが所定の安定状態に従っているか否かを判定する。もしコントローラ106が、車両100が安定状態で移動していないと決定した場合には、コントローラ106は、安定させる正味の力を車両100に生成するために、1つ以上の作動器を作動させるように動力管理部108に制御信号を送信する。安定性制御136は、
図11に関連して更に後述される。
【0025】
コントローラ106は、任意選択的なスプレー制御138を実行するように構成され得る。スプレー制御138に関して、コントローラ106は、降雨が検出されたか否かを判定するために、環境センサ120(例えば、降雨センサ等)からセンサデータを受信する。コントローラ106が降雨を検出すると、コントローラ106は、1つ以上の作動器を制御するために動力管理部108に制御信号を送信する。選択された作動器110は、雨を車両100から離すべく方向を変えるように及び/又は車両100の後ろか又は次にある別の車両のそばでの雨への曝露から離すようにスプレーの方向を変えるように、合成噴流を生成する。スプレー制御138は、
図12A及び12Bに関連して更に後述される。
【0026】
運転者インタフェース116は、正常又は不良な動作状態の視覚的及び/又は聴覚的な指示を提供するように、任意の適切なインタフェースを具備する。運転者インタフェース116は、運転者の便宜のために、車両100の車室内に設けられる。別の例として、運転者インタフェース116は、コントローラ106及び/又は動力管理部108に設けられる。例えば、運転者インタフェース116は、装置102の構成要素に取り付けられた外部ユニットであるか、又は装置102の構成要素の一部として形成される。運転者インタフェース116上の指示に対応して、運転者は、車両100を操作するか、又は保守の問題に関して装置102を検査してもらう。
【0027】
装置102は、記憶部118を具備する。記憶部118は、センサユニット104、コントローラ106、動力管理部108、作動器110、整流板サーボモータ112、整流板装置114及び/又は運転者インタフェース116に関する1つ以上の値を格納する。記憶部118は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリ又はハードドライブを具備する。
【0028】
動力管理部108は、コントローラ106から制御信号を受信して、コントローラ106により制御信号において提供される動作パラメータ(周波数及び電圧振幅)に従って1つ以上の作動器110を作動させるように構成される。動力管理部108は、
図1Bに関連して更に後述される。
【0029】
各作動器110は、動力管理部108から電気信号(動作周波数及び動作電圧振幅を有する)を受信するように構成されて、合成噴流を生成する。作動器110により生成された合成噴流は、車両100の周りの空気流れを制御するように使用される。作動器110の合成噴流はまた、降雨条件下において、車両100の任意選択的な安定性制御及び/又は任意選択的なスプレー制御を提供するようにも使用される。作動器110は、車両100に直接的に取り付けられるか、又は
図2Bに示す取付フレーム208等の取付フレームを介して車両100に取り付けられる。別の例として、作動器110は、車体と一体に、及び/又は整流板装置114と一体に形成される。作動器110は、
図5A〜5C及び
図6Aと6Bに関連して更に後述される。
【0030】
センサユニット104とコントローラ106と動力管理部108と運転者インタフェース116と記憶部118の中の1つ以上の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はハードウェアとソフトウェアの組合せにおいて実現される。
【0031】
図1Bを参照すると、例示的な動力管理部108の機能的ブロック図が示される。動力管理部108は、直流(DC)/DC変換器142、1つ以上の増幅器144及び1つ以上の信号発生器146を具備する。DC/DC変換器142は、車載バッテリ140から電圧信号を受け取って、作動器110に適した(同様に、1つ以上の増幅器144に適した)電圧範囲に電圧を変換する。動力管理部108はまた、作動器110のための動作周波数及び動作電圧振幅を指示する制御信号148をコントローラ106から受信する。
図1Bにおいて、制御信号148により指示される周波数及び電圧振幅を有する電気信号150のN数(ここで、Nは1以上の整数)が作動器110に供給される。電気信号150のN数は、作動器110のN数に対応するか、又は作動器のグループに対応する(
図2Aに示される異なる作動器モジュール202に配置された作動器等)。グループ内の各作動器は、同じ電気信号を受信する。従って、異なる電気信号150が、作動器の異なるグループ(即ち、異なる作動器モジュール202)に提供される。
【0032】
コントローラ106からの制御信号148は、対応する動作パラメータによる作動のために特定の作動器110を指示してもよい。制御信号に応答して、信号発生器146は、制御信号148において受信された、動作周波数に対応する振動周波数を有する電圧信号を生成する。増幅器144は、コントローラ106からの制御信号148において受信された電圧振幅に従って、信号発生器146からの発生された信号を増幅する。動力管理部108は、選択された作動器110に、動作周波数及び電圧振幅を有する生成された電気信号150を送信する。
【0033】
図2A及び2Bを次に参照すると、車両200に搭載された例示の装置102の斜視図が示される。特に、
図2Aは、トラクタ200の斜視図であり、
図2Bは、
図2Aの挿入
図206の斜視図である。
【0034】
図2A及び2Bにおいて、複数の作動器110は、作動器モジュール202に配置される。例において、作動器モジュール202は、整流板装置114に搭載される。
図2Bに示すように、整流板装置114は、矢印214により図示するように回動可能である。
図2Bはまた、トラクタ200における、センサユニット104と、コントローラ106と、動力管理部108の例示の配置を示す。
【0035】
図2Aは、位置204−1において、整流板装置114に配置された、1つの作動器モジュール202を示すが、作動器モジュール202は、トラクタ200上の任意の別の適切な位置に設置され得る。従って、
図2Aはまた、トラクタ200上における作動器モジュール202(及び/又は個別の作動器110)のための別の例示的な位置を説明する。例えば、作動器モジュール202(又は、作動器110)は、位置204−2(屋根の上)、位置204−3(ミラー上)、位置204−4(フロントスカート上)、位置204−5(前輪上)、及び/又は位置204−6(トラクタ後輪上)に搭載され得る。
図2Aに示す位置は例である。作動器モジュール202及び/又は作動器110は、トラクタ200の任意の別の適切な位置に配置され得ることが理解されるだろう。
【0036】
作動器100は、取付フレーム208のハウジング210に配置される。ハウジング210は、任意の幾何学形状で形成され、及び/又は作動器モジュール202に作用する抗力を低減するように任意の適切な材料により形成され得る。
図2Bに示されないが、取付フレーム208は、作動器110を動力管理部108に電気的に接続するように電気導管(例えば、
図4Bに示される電気導管410のような)を具備する。
図2Bに示すように、作動器110は、トラクタ200における空気流れを制御して空力抵抗を減少するように使用される合成噴流212を生成する。
【0037】
図3A−3Cを次に参照すると、作動器110の合成噴流角度を制御するための整流板装置114の配置(
図2A及び
図2Bに示す作動器モジュール202上において)が記載される。具体的には、
図3Aは、トレーラがトラクタ200に結合されない場合の第1の姿勢の整流板装置114を示しており、
図3Bは、トレーラがトラクタ200に取り付けられている場合の第2の姿勢の整流板装置114を示しており、
図3Cは、トレーラがトラクタ200に取り付けられている場合の別の例示の姿勢の整流板装置114を示す。
図3Aに示すように、トレーラ間隙(トラクタ200と、例えば、
図4Aに示すトレーラ400等のトレーラの前面との間)に向かって内側に整流板装置114を配置することは、(水平方向に対する)角度301で合成噴流212を生成する。合成噴流212が、
図3Aに示す角度301で配置される場合に、これは、トラクタ200の周りの空気流れ300がトラクタ間隙の中心に向かって引っ張られる状態(空気流れ302のように)を生じさせる。
【0038】
図3Bに示すように、整流板装置114が、トラクタ間隙から離れて(水平方向に平行に)配置される場合に、合成噴流212は、空気流れ300を(空気流れ304のように)水平方向に平行に向ける。空気流れ304は、トラクタ200に取り付けられたトレーラの部分(図示せず)における空力抵抗を低減する。
【0039】
図3A及び3Bは、整流板装置114の2つの例示的な姿勢を示す。整流板装置114はまた、水平方向に対して外向きの角度303で、
図3Cに示すように配置される。整流板装置114が、外向きの角度303で配置される場合に、合成噴流212は、空気流れ300をトレーラ間隙から離れるように向ける(空気流れ306のように)。
【0040】
図4A及び4Bを参照すると、トレーラ400上に搭載されるような装置102の例が示される。特に、
図4Aは、装置102を具備するトレーラ400の斜視図であり、
図4Bは、
図4Aの挿入
図406の斜視図である。
図4Bはまた、トレーラ400におけるセンサユニット104とコントローラ106との例示の配置も示す。動力管理部108は、例えば
図2Bに示される位置のような別の位置に配置され得る。
【0041】
図4A及び4Bにおいて、作動器110は、トレーラ400の後部の位置404−1に配置される作動器モジュール402に配設される。位置404−1は、作動器モジュール402のための1つの例示的位置を表す。作動器モジュール402(又は、個別の作動器110)は、(トレーラ後輪における)位置404−2、(トレーラの側面における)位置404−3、(トレーラ400の屋根上の)位置404−4、(トレーラ400の前部における)位置404−5及び(トレーラ400の底部における)位置404−6ような、別の位置にも配置され得るが、これらに限定されない。
【0042】
図4Bに示すように、作動器モジュール402は、電気導管410を有する取付フレーム408を具備する。電気導管410は、作動器110を動力管理部108に電気的に結合する。作動器モジュール402は、作動器110が中に配置されるハウジング412も具備する。作動器110は、ハウジング412内におけるそれらの配置に従って、合成噴流212を生成する。ハウジング210(
図2B)と同様に、ハウジング412は、作動器モジュール402に作用する抗力を低減するように、任意の適切な幾何学的形状及び/又は任意の適切な材料から形成され得る。
【0043】
図5A−5Cを参照すると、作動器110の一例が示される。特に、
図5Aは作動器110の分解斜視図であり、
図5B及び5Cは作動器110の斜視図である。
【0044】
作動器110は、作動器カートリッジ518を囲む外枠502−1、502−2を具備する合成噴流作動器である。
図5Cに示すように、作動器カートリッジ518は、(例えば、問題が特定の作動器110と共に検出された場合におえる)容易なアクセス及び互換性のために、外枠502内に摺動可能に配置される。作動器カートリッジ518は、動力管理部108から電気信号150(
図1B)を受信するための電気コネクタ516を具備する。
【0045】
作動器カートリッジ518は、(側壁520により形成される)空洞512を有するハウジング510を具備する。ハウジング510及び空洞512は、
図5Aに示す構造形を有する任意の適切な幾何学的構造形をとり得る。ハウジング510は、噴射口514も具備する。ハウジング510は、板506−1、506−2に機械的に結合され、各々は、それぞれの圧電ディスク508−1、508−2を有する。圧電ディスク508−1、側壁520、及び圧電ディスク508−2は、(空気のような)流体で満たされる空洞512を画定する。空洞512は、噴射口514に流体連通するように構成される。噴射口514は、任意の適切な幾何学形状により形成される。
【0046】
各圧電ディスク508は、圧電材料を具備して、動力管理部108(
図1B)に電気的に接続される。動力管理部108は、各圧電ディスクを変位させるように、各圧電ディスク508−1、508−2に励振電圧を印加するように構成される。圧電ディスク508−1、508−2に適用される励振電圧は、振動周波数及び振幅を有する振動信号である(環境条件及び相対速度に従って、コントローラ106により選択される)。従って、圧電ディスク508は、空洞512に対して内側及び外側に周期的に変位して、噴射口514内に及びそれから外に流体を強制的に押し出す。
【0047】
外枠502は、多孔薄板504を具備する。多孔薄板504は、圧電ディスク508への流体負荷を低減しながら(作動器カートリッジ518の外側にある)、外枠502内における圧電ディスク508の動きを可能にする。例えば、圧電ディスク508及び外枠502が、多孔薄板504を介して周囲の流体と流体連絡することを可能にすることにより、作動器カートリッジ518の外部の流体は、圧電ディスク508によって、周囲の環境へより容易に移動される。
【0048】
図5A−5Cは、2つの圧電ディスク508−1、508−2を有する作動器110を示すが、作動器110は、1つの圧電ディスク508により形成され得る。例えば、唯一の板506−1は、圧電ディスク508−1を具備する。板506−2は、圧電板を具備しないが、しかし剛性構造である。圧電ディスク508−1に適用される励振電圧は、噴射口514内に及びそれから外に流体を強制的に押し出すように、圧電ディスク508を周期的に変位させる。
【0049】
図6A及び6Bを参照すると、線A−A(
図5C)に沿う作動器カートリッジ518の断面図が示されており、作動器カートリッジ518の動作(合成噴流602を形成するための)を示す。
図6Aは、圧電ディスク508−1、508−2が矢印610で示されるように、空洞512内に内側に移動するように制御される(電気信号150により)際の、作動器カートリッジ518を示す。空洞512は減少するその体積を有し、流体は噴射口514を通り排出される。流体が噴射口514を通り空洞512から流出するときに、流れは、噴射口514の縁部で分離して、渦の層604を生成し、渦の層604は、渦606内に巻き込まれ、合成噴流602を形成するように、噴射口514から離れて移動し始める。
【0050】
図6Bは、圧電ディスク508−1、508−2が、矢印612により示すように、空洞512に対して外側に移動するように制御される(電気信号150により)際の、作動器カートリッジ518を示す。空洞512は、増大するその体積を有しており、周囲流体600は、空洞512内に殺到する。圧電ディスク508−1、508−2が空洞512から離れるように移動すると、渦606は、噴射口縁部から既に移動させられ、従って、空洞512に吸い込まれた周囲流体600の影響を受けない。更に、周囲流体602'の噴流は、噴射口514から離れた長い距離から吸い込まれた、周囲流体600の強い巻き込みを生成する渦606により合成される。
【0051】
図5A−5C及び6Aと6Bを全体的に参照すると、作動器110は、空気の制御された脈流(合成噴流602)を生成するように、車体の周囲の移動する空気(周囲空気600)を積極的に使用する。合成噴流602は、車体の周りの境界層を操縦するように使用される。作動器110は、任意の追加の空気供給源なしで、電力を受けて(電気信号150により)動作する。その代わりに、作動器110は、(空洞512を介する空気の流れの非定常な吸引により)空気の脈流を発生するように周囲空気600を使用する。
【0052】
作動器110において、隔離された合成噴流は、一連の渦606の相互作用により生成されており、前記一連の渦606は、正味の質量流束がゼロになるように、噴射口514を横切る流体の瞬間的な排出及び吸引を交互に起こすことにより典型的に形成される。合成噴流602がもっぱら作動流体600から形成されるので、作動器110は、流れ境界を横切る正味の質量の注入なしで、流れ装置に線形の運動量を移すことができる。
【0053】
作動器110は、長さと時間のスケールの広い範囲にわたって、合成噴流602を生成する。例えば、作動器110の長さのスケールは、約6mm×1mmと約20mm×5mmとの間にあり(矩形の噴射口514に関して)、及び約1mmの直径と約20mmの直径との間にある(円形の噴射口514に関して)。時間のスケールは、例えば、約1/2000秒から約10分の1秒までの間にある。合成噴流602の、作動器110が搭載される表面上の外側交差流れとの相互作用は、局部的流線を変位させて(
図7A及び7Bに示されるように)、表面の形状における明らかな又は仮想の変化を誘導するために使用される。一例では、合成噴流602は、合成噴流602の特性スケールより1〜2桁大きい大きさの長さのスケールにおける流れの変化に影響する。
【0054】
作動器110と交差流れとの間の相互作用領域が流れの全体的な時間スケールにおいて実質的に不変であるように、例えば空気力学的な力の変化のような全体的な影響が作動器110の動作周波数から効果的に分離されるように、作動周波数は十分に高いことが望ましい。例えば、作動周波数は、限定するものではないが、約10Hzから約2kHzの間の範囲を含む。電圧範囲は、限定するものではないが、約10Vから約500Vまでを含む。
【0055】
図7A−7Dを参照すると、トラクタ200及びトレーラ400の周りの空気流れへの合成噴流作動の効果の例が示される。具体的には、
図7Aは、空気流れ制御装置102の動作なしの状態における、トレーラ400に結合されたトラクタ200及びトラクタ間隙700内の空気流れ704の斜視図であり、
図7Bは、空気流れ制御装置102の動作ありの状態における、トレーラ400に結合されたトラクタ200及びトラクタ間隙700内の空気流れ706の斜視図であり、
図7Cは、空気流れ制御装置102の動作なしの状態における、トレーラ400及びトレーラ400の後ろの空気流れ712の斜視図であり、更に
図7Dは、空気流れ制御装置102の動作ありの状態におけるトレーラ400及びトレーラ400の後ろの空気流れ714の斜視図である。
【0056】
図7Aに示すように、空気流れ702は、トラクタ200の周りに向けられ、トラクタ間隙700内に流入する。トラクタ間隙700内において、空気流れ704が形成され、それは、不安定性を示し、空力抵抗の増大に寄与する。
図7Bに示すように、合成噴流212が作動すると、トラクタ間隙700内の局部的な流線は、変位させられて、空気流れ706として方向を変えられる(不安定性の減少した状態で)。
【0057】
図7Cに示すように、空気流れ710は、トレーラ400の周りに向けられており、トレーラ400の後ろ側に流出する。トレーラ700の後ろにおいて、空気流れ712が生成されており、それは不安定性を示し、空力抵抗の増大に寄与する。
図7D示すように、合成噴流212が作動すると、トレーラ400の背後にある局部的な流線は、変位させられて、空気流れ714のように方向を変えられる(不安定性の減少した状態で)。
【0058】
図8(及び
図1A)を参照すると、非流線形の車両の空気流れを制御する例示的な方法のフローチャートが示される。ステップ800において、装置102の構成要素は初期化される。例えば、コントローラ106は、センサユニット104からのセンサデータの収集を開始し、動力管理部108を始動し、及び/又は装置102が動作中であるという指示を運転者インタフェース116に送信する。
【0059】
ステップ802において、コントローラ106は、保守を必要とする任意の問題を確認するように、装置102の構成要素の診断制御を実施する。ステップ804において、保守が必要であるか否かが判定される(ステップ802に基づいて)。
【0060】
ステップ804において、保守が必要であることが決定されると、ステップ804はステップ806に進む。ステップ806において、保守の指示は、例えば、運転者インタフェース116を介して運転者に提示される。ステップ806において、保守の指示が提示されるが、空気流れ制御装置102は動作し続けてもよい。従って、幾つかの例において、ステップ806は、ステップ808に進む。別の例によれば、ステップ806は、装置102の動作を終了することも含む。診断制御(ステップ802)の例は、
図9に関連して更に後述する。
【0061】
ステップ804において、保守が不要であると決定されると、ステップ804はステップ808に進む。ステップ808において、トレーラが車両100に取り付けられているか否かが決定される。もしトレーラが取り付けられていると決定された場合には、トレーラの指示が格納(例えば、記憶部118において)される。作動器110の選択及び/又は作動器に供給される動作信号(種々の制御モード130−138に関して)は、トレーラが取り付けられているか否かに依存する。
【0062】
任意選択的なステップ810において、整流板装置114の姿勢は(もしそれが装置102に含まれる場合には)、トレーラの指示(ステップ808)に基づいて調整される。整流板装置114の姿勢は、任意選択的な整流板サーボモータ112により手動又は自動で調整される。任意選択的なステップ810は、
図10に関連して更に後述される。
【0063】
ステップ812において、空気の速度(U)が所定の速度閾値(U
MIN)より大きいか否かが判定される。例えば、コントローラ106は、少なくとも一つの速度センサ122からの速度センサデータを監視する。例示的な実施形態において、所定の速度閾値は、約48.3km/h(約30mile/h)から約96.6km/h(約60mile/h)までである。
【0064】
ステップ812において、空気の速度(U)が所定の速度閾値(U
MIN)以下であると判定されると、ステップ812は任意選択的なステップ814に進む。任意選択的なステップ814において、スプレー制御はコントローラ106により実行される。
図12Aに関連して更に後述するように、種々の作動器モジュールの作動器110(例えば、
図2Aに示す作動器モジュール202又は
図4Aに示す作動器モジュール402等)は、雨からのスプレーを車両100から離すべく方向変更するように、及び/又は車両100の経路に沿って移動する別の車両から離れるようにスプレーを方向変更するように作動させられてよい。
【0065】
ステップ812において、空気速度が所定の閾値よりも大きいことが決定された場合に、ステップ812は、任意選択的なステップ816に進む。任意選択的なステップ816において、コントローラ106は、(例えば、トレーラ400(
図4A)上のような)車両100の一部の不安定な動きを監視し且つ修正するように安定性制御136を実行する。ステップ816は、
図11に関連して更に後述される。
【0066】
ステップ818において、コントローラ106は、少なくとも一つの環境センサ120から環境センサデータ(例えば、温度及び/又は湿度等)を受信し、現在の環境条件の分析を実施する。ステップ820において、コントローラ106は、環境条件(例えば、相対湿度及び/又は温度)に基づいて、作動器110に適用されるべき動作信号(電気信号150)のための動作周波数及び電圧振幅を選択する。コントローラ106は、トレーラが取り付けられているか否か及び/又は現在の風速基づいて、種々の作動器110のための動作パラメータを選択する。ステップ822において、1つ以上の作動器110は、(ステップ820で決定された)動作信号に従って抵抗低減制御で動作する。
【0067】
一般的に、振動電圧信号のための動作周波数及び振幅は、相対湿度と温度と出力合成噴流特性との間における1つ以上の所定の関係に従って決定される。前記所定の関係は、作動器110の物理的特性に基づくものであってよい(例えば、空洞512の寸法及び/又は形状、圧電ディスク508の材料特性、並びに流体自体の特性等)。幾つかの例において、動作周波数及び振幅は、温度及び/又は相対湿度に従う早見表から決定される。別の例において、コントローラ106は、少なくとも一つの環境センサ120から受信した温度及び/又は相対湿度のデータに、最適な周波数及び振幅を関連付ける数学的モデルを使用する。一般的に、温度/湿度と周波数/振幅との間に経験的関係が存在する。その関係は、圧電ディスク材料と圧電ディスク508の直径との関数であるかもしれない。別の例として、約−34.4°C(約−30°F)と約45°C(約113°F)との間の温度範囲及び約0%と約100%との間の相対湿度範囲は、約10Hzと約2kHzとの間の動作周波数及び約10Vと約500Vとの間の動作振幅に対応する。
【0068】
任意選択的なステップ824において、コントローラ106は、抵抗低減制御との組み合わせでスプレー制御を実施する。ステップ824は、
図12Bに関連して更に後述される。
【0069】
任意選択的なステップ826において、コントローラ106は、
図9に関して説明したように、診断制御826を任意選択的に実施する。任意選択的なステップ826は、ステップ812に進み、ステップ812〜任意選択的なステップ826は、装置102が動作する限り繰り返されるだろう。
【0070】
図9を参照すると、診断制御(
図8のステップ802及び任意選択的なステップ826)を実行する例示的な方法のフローチャートが示される。ステップ900において、接続された作動器110は、例えば、電気導管を介して作動器110に電気的に結合する1つ以上の電流検出器(例として診断センサ124)により検出される。ステップ902において、作動器110により吸収された電流が、所定の電流制限値の範囲内に有るか否かは、少なくとも一つの電流検出器の値に基づいて、例えばコントローラ106により判定される。例えば、圧電ディスク508当たり約10Wから約20Wの電力及び約200Vの電圧振幅に関して、所定の電流制限値は、約1.8A〜約3.6A(36の圧電ディスクを有するトラクタに関して)の間に、及び約2.7A〜約5.4A(54の圧電ディスクを有するトレーラに関して)の間に存在する。
【0071】
ステップ902において、吸収された電流が所定の電流制限値外にあることが決定されると、ステップ902はステップ904に進む。ステップ904において、コントローラ106は、少なくとも一つの電流検出器からのセンサデータに基づいて、(作動器110の)電気回路の短絡解析を実行する。ステップ906において、電気回路における短絡の位置は、ステップ904における分析に基づいて、コントローラ106により決定される。ステップ908において、保守の指示がコントローラ106により促される。保守の指示はまた、記憶部118に格納される。格納された保守の指示は、短絡の確認された位置を含む短絡状態に関連する情報を含み得る。保守の指示は、運転者に提供されてもよい(
図8のステップ806のように)。
【0072】
ステップ910において、短絡状態に応じて、コントローラ910は装置102の動作を終了する。
【0073】
ステップ902において、吸収電流が所定の電流制限値内にあることが決定された場合に、ステップ902はステップ912に進む。ステップ912において、作動器110の電流吸収プロファイルが、所定の許容範囲の内にあるか否かが決定される。例えば、コントローラ106は、作動器110に結合する1つ以上の電流検出器(例として診断センサ124)を介して作動器110の吸収プロファイル(例えば、プロファイルの振幅等)を監視する。
【0074】
吸収プロファイルが所定の許容範囲の外にあることが、ステップ912において決定されると、ステップ912はステップ914に進む。ステップ914において、作動器110は、目詰まりした噴出口514を有するものとして、コントローラ106により識別される(
図5A)。ステップ916において、コントローラは、(ステップ914において)識別された作動器110のための噴出口目詰まり解消サイクルを実行する。例えば、コントローラ106は、噴出口の目詰まり解消の試みにおいて、所定の動作周波数及び/又は電圧振幅に従って、識別された作動器を動力管理部108によって作動させる。ステップ916はステップ912に進む。
【0075】
吸収プロファイルが、所定の許容範囲の内にあることが、ステップ912において決定されると、ステップ912はステップ918に進む。ステップ918において、1つ以上の作動器110の歪みゲージ信号が、所定の許容範囲の内にあるか否かが決定される。例えば、コントローラ106は、作動器110の圧電ディスク508(
図5Aに示される)に搭載された歪みゲージ(例として診断センサ124)の歪みゲージ信号を監視する。例えば、圧電ディスク508が正常に動作している場合には、歪みゲージ信号は正弦波形状を示す。もし圧電ディスク508が割れるか又は壊れている場合には、歪みゲージ信号は、依然として縮小した振幅を有する多少の正弦波であるか、又は信号は平坦な線である。
【0076】
歪みゲージ信号が所定の許容範囲の内にあることが、ステップ918において決定されると、ステップ918は、ステップ808又はステップ812に進む(
図8)。
【0077】
歪みゲージ信号が所定の許容範囲の外にあることが、ステップ918において決定されると、ステップ918はステップ920に進む。ステップ920において、コントローラ106は、圧電ディスク508が壊れていると決定する。ステップ922において、コントローラ106は、確認された作動器カートリッジ518が交換される必要があるという指示を、例えば、記憶部118等に格納する。ステップ924において、コントローラ106は、壊れた作動器を補償するように、残った機能する作動器の動作を制御する。ステップ924は、ステップ808又はステップ812に進む。
【0078】
図10を参照すると、トレーラが取り付けられているか否かに応じて整流板の姿勢を調整することにより(
図8の任意選択的なステップ810)噴流角度制御を実行する例示的方法のフローチャートが示される。ステップ1000において、ステップ808(
図8)において決定されるトレーラ指示に基づいて、トレーラが取り付けられているか否かがコントローラ106により決定される。
【0079】
トレーラが取り付けられていないことがステップ1000において決定されると、ステップ1000はステップ1002に進む。ステップ1002において、整流板姿勢は、例えば、
図3Aに示される姿勢等のトラクタだけの姿勢に設定される(手動で、又はコントローラ106により整流板サーボモータ112を介してのいずれかで)。このようにして、整流板装置114上の作動器110の合成噴流212のための噴流角度は、トラクタ間隙に向かって内側方向に調整される。
【0080】
トレーラが取り付けられていることがステップ1000において決定されると、ステップ1000はステップ1004に進む。ステップ1004において、コントローラ106は、例えば近接センサ128の近接センサデータから、トラクタのトレーラに対する近接性を決定する。任意選択的なステップ1006において、コントローラ106は、トレーラの外形を検知する。例えば、運転者は、運転者インタフェース116を介して、所定のトレーラの外形のリストの中からトレーラの外形を選択する。別の例として、コントローラ106は、トラクタへのその結合及びトレーラの重量等に基づいて、トレーラの外形を検知する。更なる例として、コントローラ106は、1つ以上の近接センサ128(例えば、レーダー装置として作用する近接センサ128)からの近接センサデータに基づいて、トレーラの外形を検知する。
【0081】
ステップ1008において、整流板装置114上の作動器110の合成噴流212のための最適な噴流角度は、トレーラの接近(ステップ1004)及び/又はトレーラの外形(任意選択的なステップ1006)に基づいて、コントローラ106により設定される。ステップ1010において、整流板姿勢は、例えば、
図3Bに示す姿勢等の、トレーラが含まれる姿勢のために(手動で、又はコントローラ106により整流板サーボモータ112を介しての何れかで)設定される。
【0082】
図11を参照すると、車両安定性を制御する(
図8における任意選択的なステップ816)例示的方法のフローチャートが示される。ステップ1100において、コントローラ106は、車両100に搭載された1つ以上の安定性センサ128に基づいて、現在の車両の安定性条件を決定する。例えば、重心、重量及び/又は加速度計のような1つ以上の安定性センサ128が、(例えばスリップのような)不安定な動きになりがちである(例えばトレーラのような)車体に搭載される。
【0083】
ステップ1102において、現在の状態(ステップ1100)が、コントローラ106により、所定の最適な安定性条件(記憶部118に格納される)と比較される。
【0084】
ステップ1104において、ステップ1102における比較に基づいて、不安定性が検知されたか否かがコントローラ106により決定される。不安定性が検出されないことが、ステップ1104において決定されると、ステップ1104はステップ818に進む(
図8)。
【0085】
不安定性が検出されたことがステップ1104において決定されると、ステップ1104はステップ1106に進む。ステップ1106において、コントローラ106は、検出された不安定性に基づいて、1つ以上の作動器110を作動させて、安定させる正味の力を車両100に提供するように電源管理部108を制御する。例えば、車両100が動いている最中にトレーラが左に滑動した場合に、幾つかの作動器110は、残りの作動器が停止している間に、トレーラを反対方向に(即ち、右へ)移動させるように作動される。
【0086】
ステップ1106はステップ1100に進み、ステップ1100〜1106は、更なる不安定性が検出されなくなるまで繰り返される。
【0087】
図12A及び12Bを参照すると、スプレー制御を実施する例示的な方法のフローチャートが示される。具体的には、
図12Aは,車両100が所定の速度閾値未満で移動している時におけるスプレー制御(任意選択的なステップ814)を表しており、
図12Bは、車両100が所定の速度閾値より速く移動している時のスプレー制御(任意選択的なステップ824)を表している。
【0088】
図12Aを参照すると、ステップ1200において、スプレー制御モードが作動可能であるか否かが、コントローラ106により決定される。スプレー制御モードが作動可能ではないと決定されると、ステップ1200はステップ812(
図8)に進む。
【0089】
スプレー制御モードが作動可能であると決定されると、ステップ1200は、ステップ1202に進む。ステップ1202において、コントローラ106は、少なくとも一つの環境センサ120から(例えば、降雨センサ、温度センサ及び/又は湿度センサから直接的に)環境センサデータを受信して、降雨を検知するために現在の環境条件の分析を実施する。
【0090】
ステップ1204において、現在の環境条件(ステップ1202)に基づいて、降雨が検知されたか否かがコントローラ106により決定される。降雨が検知されないと決定されると、ステップ1204はステップ812(
図8)に進む。
【0091】
降雨が検知されたと決定されると、ステップ1204はステップ1206に進む。ステップ1206において、コントローラ106は、スプレー制御に関連する1つ以上の作動器の動作を制御する。例えば、トラクタの後部、トラクタの前部、トレーラの側部、トレーラの底部、トレーラの後部、トラクタの車輪フェンダ又はトレーラの車輪フェンダの中の少なくとも1つにおける作動器は、スプレー制御のために作動させられる。ステップ1206はステップ1202に進む。
【0092】
図12Bを参照すると、ステップ1210において、スプレー制御モードが作動可能であるか否かがコントローラ106により決定される。スプレー制御モードが作動可能ではないと決定されると、ステップ1210は任意選択的なステップ826(
図8)に進む。
【0093】
スプレー制御モードが作動可能であると決定されると、ステップ1210はステップ1212に進む。ステップ1212において、コントローラ106は、少なくとも一つの環境センサ120から(例えば、降雨センサ、温度センサ及び/又は湿度センサから直接的に)環境センサデータを受信して、降雨を検知するために現在の環境条件の分析を実施する。
【0094】
ステップ1214において、現在の環境条件に基づいて(ステップ1212)、降雨が検知されたか否かが、コントローラ106により決定される。降雨は検知されないと決定されると、ステップ1214は任意選択的なステップ826(
図8)に進む。
【0095】
降雨が検知されたと決定されると、ステップ1214はステップ1216に進む。ステップ1216において、コントローラ106は、スプレー制御及び抵抗低減の両方に関連する1つ以上の作動器の動作を制御する。例えば、トラクタの後部、トラクタの前部、トレーラの側部、トレーラの底部、トレーラの後部、トラクタの車輪フェンダ又はトレーラの車輪フェンダの中の少なくとも1つにおける作動器は、スプレー制御及び抵抗低減のために作動させられる。ステップ1216はステップ1212に進む。
【0096】
本発明は、特定の実施形態を参照して、本明細書において図解され且つ記載されるが、本発明は、示された細部に限定されることが意図されない。そうではなく、種々の改変が、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲及び領域内において、細部で実施されてよい。