特許第6294410号(P6294410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6294410-サーボモータ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6294410
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】サーボモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/22 20160101AFI20180305BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20180305BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20180305BHJP
   B25J 19/00 20060101ALN20180305BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20180305BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180305BHJP
【FI】
   H02K11/22
   F21V8/00 310
   F21V8/00 340
   H02K11/33
   !B25J19/00 A
   F21Y113:13
   F21Y115:10
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-163325(P2016-163325)
(22)【出願日】2016年8月24日
(65)【公開番号】特開2018-26992(P2018-26992A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2016年8月24日
(31)【優先権主張番号】201610665976.X
(32)【優先日】2016年8月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515215346
【氏名又は名称】深セン市優必選科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】舒 文泉
(72)【発明者】
【氏名】熊 友軍
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−187149(JP,A)
【文献】 特開2007−149777(JP,A)
【文献】 特開2008−263737(JP,A)
【文献】 特開2015−216217(JP,A)
【文献】 特開2000−138465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/22
F21V 8/00
H02K 11/33
B25J 19/00
F21Y 113/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモータであって、ケース、蓋体、回路板、発光体及び導光柱を備え、前記ケースと蓋体は係止されて収容空間を形成しており、前記回路板は前記収容空間内に固定され、前記発光体は前記回路板上に設けられ、前記導光柱の入光面は前記発光体に近接し、発光面は前記蓋体を貫通して前記蓋体の外表面に露出しており、
前記導光柱は、導光本体、及び前記導光本体の側面から延出している少なくとも1つの側導光体を含み、前記導光本体及び側導光体の末端は前記発光面を含み、前記蓋体には、前記導光本体と適合する主導光孔、及び前記側導光体と適合する側導光孔が設けられている、ことを特徴とするサーボモータ。
【請求項2】
前記蓋体は、前記サーボモータの出力軸の反対側に位置し、前記蓋体には前記サーボモータの出力軸と同軸に配置されている円筒形の支柱が設けられ、前記主導光孔は前記支柱の上面の中心に設けられている、ことを特徴とする請求項に記載のサーボモータ。
【請求項3】
前記回路板の中央には、並設されている入力インタフェース及び出力インタフェースが設けられ、前記蓋体には、前記入力インタフェース及び出力インタフェースと適合する取付孔が設けられている、ことを特徴とする請求項に記載のサーボモータ。
【請求項4】
前記導光柱は3つの側導光体を含み、前記3つの側導光体は「T」字形で前記導光本体の側面に配置されている、ことを特徴とする請求項に記載のサーボモータ。
【請求項5】
前記導光本体は、第1導光部、及び前記第1導光部を囲んでいる複数の第2導光部を含み、前記複数の第2導光部は前記第1導光部の周囲に均一に分布されている、ことを特徴とする請求項に記載のサーボモータ。
【請求項6】
前記第1導光部は円筒状を呈し、断面が環状扇形を呈する4つの第2導光部は、前記第1導光部を中心とする円環に均一に分布されている、ことを特徴とする請求項に記載のサーボモータ。
【請求項7】
前記発光体は、通電時異なる色の光を発出する複数の発光ダイオードを含む、ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のサーボモータ。
【請求項8】
前記導光柱の発光面はマット面である、ことを特徴とする請求項に記載のサーボモータ。
【請求項9】
前記蓋体とケースは、前記発光体が発出する光線を遮るための、光非透過性材料を用いて製造した遮光体を含む、ことを特徴とする請求項に記載のサーボモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボットの分野に関し、特にサーボモータに関する。
【背景技術】
【0002】
サーボモータは、ロボットの運動のキー部品の1つである。通常、サーボモータは、ロボットの関節サポートに取り付けられ、ロボットの関節の運動動作を実行するために用いられる。従来のサーボモータは、形状、構造及び機能が単一であり、ロボットの関節の回転だけを実現することができるが、ロボットの運動中にサーボモータの運動状態を容易に特定することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来のサーボモータの形状および機能が単一であることによってサーボモータの運動状態を容易に特定することができないことに対して、サーボモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明がその技術的問題を解決するために用いる技術案は以下のとおりである。サーボモータは、ケース、蓋体、回路板、発光体及び導光柱を備え、前記ケースと蓋体は係止されて収容空間を形成しており、前記回路板は前記収容空間内に固定され、前記発光体は前記回路板上に設けられ、前記導光柱の入光面は前記発光体に近接し、発光面は前記蓋体を貫通して前記蓋体の外表面に露出している。
【0005】
好ましくは、前記導光柱は、導光本体、及び前記導光本体の側面から延出している少なくとも1つの側導光体を含み、前記導光本体及び側導光体の末端は前記発光面を含み、前記蓋体には、前記導光本体と適合する主導光孔、及び前記側導光体と適合する側導光孔が設けられている。
【0006】
好ましくは、前記蓋体は、前記サーボモータの出力軸の反対側に位置し、前記蓋体には、前記サーボモータの出力軸と同軸に配置されている円筒形の支柱が設けられ、前記主導光孔は前記支柱の上面の中心に設けられている。
【0007】
好ましくは、前記回路板の中央には、並設されている入力インタフェース及び出力インタフェースが設けられ、前記蓋体には、前記入力インタフェース及び出力インタフェースと適合する取付孔が設けられている。
【0008】
好ましくは、前記導光柱は3つの側導光体を含み、前記3つの側導光体は「T」字形で前記導光本体の側面に配置されている。
【0009】
好ましくは、前記導光本体は、第1導光部、及び前記第1導光部を囲んでいる複数の第2導光部を含み、前記複数の第2導光部は前記第1導光部の周囲に均一に分布されている。
【0010】
好ましくは、前記第1導光部は円筒状を呈し、断面が環状扇形を呈する4つの第2導光部は、前記第1導光部を中心とする円環上に均一に分布されている。
【0011】
好ましくは、前記発光体は、通電時異なる色の光を発出する複数の発光ダイオードを含む。
好ましくは、前記導光柱の発光面はマット面である。
【0012】
好ましくは、前記蓋体とケースは、前記発光体が発出する光線を遮るための、光非透過性材料を用いて製造した遮光体を含む。
【発明の効果】
【0013】
従来の技術に対し、本発明は以下の利点を有する。本発明によるサーボモータは、ケース、蓋体、回路板、発光体及び導光柱を備える。ケースと蓋体は係止されて収容空間を形成しており、回路板は収容空間内に固定され、発光体は回路板上に設けられ、導光柱の入光面は発光体に近接し、発光面は蓋体を貫通して蓋体の外表面に露出している。サーボモータが作動するとき、回路板は発光体の発光を制御し、光線は導光体を通じて蓋体の外表面に伝わって、ユーザにサーボモータの蓋体の外表面の発光に基づいてサーボモータの運動状態を知らせ、同時にサーボモータの動作時の外観全体をさらに魅力的にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、添付図面と実施例を結び付けて本発明に対して更に説明する。
図1図1は、本発明の実施例におけるサーボモータの構造模式図である。
図2図2は、本発明の実施例におけるサーボモータの構造分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の技術的特徴、目的及び効果をさらに明瞭に理解するために、添付の図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0016】
図1図2は本実施例におけるサーボモータを示す。該サーボモータはロボットに取り付けられ、ロボットの運動を制御するために用いられる。具体的に、該サーボモータは、ケース1、蓋体2、回路板3、発光体4及び導光柱5を備える。ケース1と蓋体2は係止されて収容空間を形成する。回路板3は収容空間内に固定され、例えば、回路板3は収容空間内のケース1に固定されてもよい。発光体4は回路板3に設けられている。導光柱5の入光面は発光体4に近接し、発光面は蓋体2を貫通して蓋体2の外表面に露出して、発光体4が発出する光線をさらに均一にし、かつ特定の方向へ放散させる。本実施例において、導光柱5の発光面はマット面であり、導光柱5を通過する光線をさらに均一にすることができる。サーボモータが作動するとき、回路板3は発光体4の発光を制御し、光線は導光柱5を通じて蓋体2の外表面に漏れることによって、ユーザにサーボモータの蓋体の外表面の発光状況に基づいてサーボモータの運動状態を知らせ、同時にサーボモータの外観全体を魅力的にすることができる。
【0017】
本実施例において、発光体4は、通電時異なる色の光を発出する複数の発光ダイオード41を含む。発光ダイオード41はLEDランプであってもよく、該LEDランプはサーボモータの異なる運動状態に応じて異なる色の光線、例えば赤色光、黄色光、青色光、緑色光、白色光、ピンク色光又は紫色光などを発出して、ユーザに異なる色の光線に基づいてサーボモータの運動状態を確定可能にさせ、かつサーボモータが取り付けられたロボットの作動中の外観をさらによく、さらに魅力的にする。
【0018】
本実施例において、発光体4は1つ又は2つ設置されてもよい。1つ又は2つの発光体4は、同じ回路板3に設けられてもよく、それぞれ異なる回路板3に設けられてもよい。各発光体4には、対応して1つの導光柱5が設けられて、発光体4が発出する光線をさらに均一、柔らかくし、且つ特定の方向へ放散させて、ユーザに導光体の発光角度に基づいてサーボモータの運動状態を知らせる。
【0019】
導光柱5は導光本体51及び導光本体51の側面から延出する少なくとも1つの側導光体52を含み、導光本体51と側導光体52の末端はいずれも発光面を含む。相応に、蓋体2には導光本体51と適合する、導光本体51が延出するための主導光孔21、及び側導光体52と適合する側導光体52が延出するための側導光孔22が設けられている。即ち、導光本体51の末端の発光面は主導光孔21内に位置し、側導光体52の発光面は側導光孔22内に位置する。具体的に、導光本体51の主導光孔21に位置する発光面のサイズ及び形状は、主導光孔21のサイズ及び形状と適合しており、側導光体52の側導光孔22に位置する発光面のサイズ及び形状は、側導光孔22のサイズ及び形状と適合する。
【0020】
本実施例において、導光柱5は3つの側導光体52を含み、3つの側導光体52は「T」字形で導光本体51の3つの側面に配置されている。相応に、蓋体2は略直方体状を呈し、その隣接する側面は互いに直交する。蓋体2の3つの側面にはそれぞれ3つの側導光体52と適合する側導光孔22が設けられている。主導光孔21は蓋体2の天板に設けられ、側導光孔22は蓋体2の前側、後側、左側又は右側に設けられる。具体的に、各側導光体52の側導光孔22から延出する発光面は円形、矩形、角丸長方形又は楕円形などの形状を呈する。側導光体52の側導光孔22に位置する発光面のサイズ及び形状は側導光孔22のサイズ及び形状と適合するため、側導光孔22は対応して円形、矩形、角丸長方形又は楕円形などの形状を呈する。
【0021】
本実施例において、導光柱5は、導光本体51とそれぞれ導光本体51の前側、左側及び後側から延出する側導光体52とを含むため、相応に、蓋体2の前側、左側及び後側にはそれぞれ側導光体52と適合する側導光孔22が設けられている。3つの側導光体52は3つの側導光孔22と適合して、ケース1と蓋体2が形成する収容空間内の導光柱5が変移することを回避する。
【0022】
本発明の1つの実施形態において、導光本体51は、第1導光部511、及び第1導光部511を囲んでいる複数の第2導光部512を含み、複数の第2導光部512は第1導光部511の周囲に均一に分布されている。具体的に、第1導光部511は円筒状を呈しており、横断面が環状扇形を呈する4つの第2導光部512は、第1導光部511を中心とする円環に均一に分布されている。相応に、蓋体2における主導光孔21は、第1導光部511が延出するための、第1導光部511の形状及びサイズと適合する第1導光孔211と、第2導光部512が延出するための、第2導光部512の形状及びサイズと適合する第2導光孔212とを含む。本実施例におけるサーボモータは2つの導光柱5を含み、且つ2つの導光柱5の導光本体51の構造が一致し、量産性に優れ、製造コストの節約に有利になる。
【0023】
本発明の別の実施形態において、導光本体51は、直方体状、立方体状又は円筒状などの形状を呈する第3導光部513を含む。第3導光部513の主導光孔21から延出する発光面は長方形、正方形又は円形を呈する。相応に、主導光孔21と第3導光部513の発光面とは、形状とサイズが適合する。本実施例において、2つの導光柱5の導光本体51の構造が一致し、量産性に優れ、製造コストの節約に有利になる。
【0024】
本発明の別の実施形態において、2つの導光柱5における導光本体51の構造は一致しない。図2に示すように、導光本体51は、第1導光部511、及び第1導光部511を囲んでいる複数の第2導光部512を含み、複数の第2導光部512は第1導光部511の周囲に均一に分布されている。具体的に、第1導光部511は円筒状を呈しており、横断面が環状扇形を呈する4つの第2導光部512は、第1導光部511を中心とする円環に均一に分布されている。相応に、蓋体2における主導光孔21は、第1導光部511が延出するための、第1導光部511の形状及びサイズと適合する第1導光孔211と、第2導光部512が延出するための、第2導光部512の形状及びサイズと適合する第2導光孔212とを含む。他の導光本体51は直方体状、立方体状又は円筒状を呈する第3導光部513を含む。第3導光部513の主導光孔21から延出する発光面は長方形、正方形又は円形を呈する。相応に、主導光孔21と第3導光部513の発光面とは、形状とサイズが適合する。本実施例において、2つの導光柱5の導光本体51の構造は、主導光孔21の発光面の形状に基づいて2つの導光柱5を区別することを容易にし、さらにサーボモータの運動状態を確認することを容易にする。
【0025】
本願における導光柱5は光透過性材料からなり、任意形状に設けられてもよい。ケース1と蓋体2は、前記発光体4が発出する光線を遮るための、光非透過性材料を用いて製造した遮光体を含む。具体的に、発光体4が作動するとき、光線が導光柱5の作用により、蓋体2の主導光孔21又は側導光孔22内の発光面上だけで発光し、他の位置で発光しないことを保証して、発光体4が発出する光線を特定の方向に放射させ、ユーザに各発光面の発光角度に基づいてサーボモータの運動状態をさらに容易に知らせるために、蓋体2における遮光体は、主導光孔21及び側導光孔22以外の位置にある。
【0026】
本実施例において、サーボモータは、モーター、回路板、減速ギヤ組、出力軸及びセンサーを備え、モーター、回路板、減速ギヤ組及びセンサーは、蓋体2とケース1からなる収容空間内に設けられている。蓋体2は、サーボモータの出力軸(図示せず)の反対側に位置する。蓋体2には、サーボモータの出力軸と同軸に配置されている円筒形の支柱23が設けられ、前記円筒形の支柱23は中空構造である。主導光孔21は、支柱23の天面の中心に設けられている。本実施例におけるサーボモータがロボットの関節に用いられる場合、ロボットスケルトンを構成する連結部材は、サーボモータの出力軸と支柱23を回転軸として回転することができ、ロボットの組立を容易にする。回路板3の中央には、並設されている入力インタフェース及び出力インタフェース31がさらに設けられている。蓋体2には、入力インタフェース及び出力インタフェース31と適合する取付孔24が設けられ、取付孔24は、2つの導光本体51に対応する主導光孔21の中央に設けられている。
【0027】
上記の具体的な実施例を参照して本発明について詳述したが、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明に修正または同等置換することが可能であることは、当業者であれば理解できることである。さらに、特定の場合又は具体的な状況に対して、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明に様々な修正を行うことができる。従って、本発明は開示された具体的な実施例に限定されなく、本発明の特許請求の範囲内であるすべての実施形態を含むべきである。
【符号の説明】
【0028】
1 ケース
2 蓋体
21 主導光孔
211 第1導光孔
212 第2導光孔
22 側導光孔
23 支柱
24 取付孔
3 回路板
31 入力インタフェース及び出力インタフェース
4 発光体
41 発光ダイオード
5 導光柱
51 導光本体
511 第1導光部
512 第2導光部
513 第3導光部
52 側導光体
図1
図2